スマートライフ政策について...現在の企業間のデータ連携はWeb...

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スマートライフ政策について 平成29年12月 商務情報政策局 情報産業課 資料1

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スマートライフ政策について

平成29年12月 商務情報政策局 情報産業課

資料1

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スマートライフ関連市場の創出に向けて 音声デバイスを通じて生活関連情報を収集する動きが出始めている。今後、大量の情報を収集することにより存在感が高まっていく可能性。

他方、家電等は音声デバイスが収集できない機器の利用情報や環境情報を収集できる強みがある。消費者のニーズを踏まえた複数のサービスにおいてこれらの情報(複数の情報を組み合わせ分析した情報を含む)の利活用を推進しサービスの高度化につなげていくことが、家電等の競争力確保につながるのではないか。その上で音声デバイスもインターフェースの一つとして連携すればよい。

サービスの提供

・サービス利用履歴

・ユーザーの 生活関連情報

プラットフォーム 家電等を通じた情報のAI解析

・機器制御データ ・電力使用データ ・環境情報 ・ウェアラブル、センサデータ等

機器の 制御指示

サービス事業者 クラウド

・ユーザーの 生活関連情報

機器の利用等

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スマートライフのイメージ

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データ連携による企業間アライアンスで、生活上のあらゆる情報がつながり、生活の不便を解消するなどのサービスが提供可能に。

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悩み

安全 宅配便を受け取れない 家事 買い物に行くのが面倒 スーパーまでの移動手段がない 炊事・洗濯・掃除の時間がない 健康 日々の体調管理ができない 介護 両親の浴室事故を防ぎたい 孤独死が怖い 子育て 遠隔での帰宅確認 学校からの連絡がプリント 塾へ行かせたいけど高い

提供可能な解決策

安全 IoT宅配(不在配達+スマートロック) 家事 献立提案・ネット宅配サービス デマンド交通ソリューション 家事代行サービス、家電の遠隔制御等 健康 デバイスデータ連携ソリューション 介護 浴室見守りソリューション 家電のモニタリングによる異常検知 子育て 入退出見守りソリューション ICTコミュニケーション オンライン学習サービス

スマートホーム 健康・医療等

行政 他業種

データ連携・サービス提供

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日本のスマートライフ データ連携市場イメージ 現在の企業間のデータ連携はWeb APIを用いたクラウド間連携が主流。スマートライフ市場も

Web APIを用いることで、独自に構築されたクラウド同士でも容易にやり取りを行うことを目指す。

サービス事業者によるデータ利活用を促進するためには、データの協調領域を拡大することや、複数のデータを組み合わせて分析しサービス事業者にとって有意義な高次元のデータを生み出していくことが必要。

その上でWeb APIの技術仕様を公開し、サービスアプリケーション開発を容易にする環境を整えて、サービス事業者を勃興させていくことが重要。

機器メーカー クラウド

機器メーカー クラウド

機器メーカー クラウド

サービス事業者 クラウド

HEMSコントローラー 提供クラウド

プラットフォーム

サービス事業者 クラウド

サービス事業者 クラウド

サービス事業者 クラウド

HEMSコントローラー

プラットフォーム プラットフォーム Web API連携

Echonet Lite

Echonet Lite規格も活用しつつ、 機器のネットワーク化を促す

協調領域のデータは オープン化を目指す

Web APIを公開して、契約に 基づきデータ活用を促進

※使いやすいWeb API開発は (データ提供・契約方式)競争領域 AI

AI

AI

AI

AI

機器メーカー クラウド

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スマートホーム実証 ●三菱総合研究所(3月~準備、8月頃~実証、3月 報告書)

スマートライフの実証事業(平成29年度) 計61世帯(戸建て30世帯、集合住宅31世帯)に、一つのUI上で多様な機器の操作やサービスを享受できる環境を構築。実モニターにサービスを提供することで、他社間連携上の論点(①データカタログ、②セキュリティ・製品安全、③プライバシーデータの活用ルール)について検討する。

ライフスタイルに関するサービス実証

製品ライフサイクルに関するサービス実証

音声認識ロボットやSNS等と家電・設備機器・制御機能が連携。 ●大和ハウス(戸建て住宅モニター) ○富士ソフト(UIクラウド構築) ○NEC(HEMSデータ提供) ○ソニーCSL(GW構築)

○パナソニック(エアコン) ○シャープ(エアコン) ○アイホン(ドアホン) ○フィリップス(LED照明) ○ユカイ工学(BOCCO) ○IIJ(スマートメーター) ○Yahoo(myThings) 等

サービス 実施

エアコンや空気清浄機の遠隔操作や、不在時にも遠方から来訪者を確認したり、プラットフォームを通じた照明操作などを実現。 ●積水ハウス(集合住宅モニター) ○日本ユニシス(クラウド・認証 基盤構築) ○富士通(個人情報クラウド連携構築)

○シャープ(エアコン・空気清浄機・UI構築) ○アイホン(ドアホン) ○NECパーソナルコンピュータ(Benlly) ※Benllyを経由してLED照明操作 等

サービス 実施

リコール・リサイクルのサービスについて、 消費者に身近になるよう、製品ライフ サイクルに係る他のサービス(例: 使用状況(電力使用量)の見える化、 故障時の修理手配、保証書管理)と 一体的に実施。

●日立製作所(サービス提供取りまとめ) ○東京電力パワーグリッド(電力使用状況把握) ○Warrantee(サービス実施主体) ○ヤマトシステム開発(物流) 等

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接続ルール① データカタログ サービス事業者のニーズが想定される情報は在宅予測や健康状態といった、データの掛け合わせを必要とする高度な情報(高次データと表現)である。

高次データを提供する仕組みは現状存在しない。データ流通を促進するために本実証では、高次データや基礎データの持つ意味や属性を整理したデータカタログを取りまとめる。

基礎データ

高次データ

家電操作 履歴

室内 温度

カレンダー 情報

天気予報

基礎データA,B,Cを掛け合わす。 →高次データDが生成される。

区分 記述要素 (メタデータスキーマ)

(例)室温 (データカタログ)

必須

データ意味 現在の室温

データ項目・単位 最新時刻の摂氏温度(℃)

拡張属性等 位置情報(室内中央、高さ1m)

通信方式 (プロトコル) https (RESTful API)

オプション

利用データ エアコン室内温度センサー

計算方式 センサーデータを温度変換

区分 記述要素 (メタデータスキーマ)

(例)在宅予測

(データカタログ)

必須

データ意味 時間帯ごとの在宅確率

データ項目・単位 4時間ごとの確率(%)

拡張属性等 過去1年のデータからの推定値

通信方式 (プロトコル)

https (RESTful API), web socketは含まない

オプション

利用データ [宅内データ]家電の操作履歴、室内温度、カレンダー情報 [宅外データ]天気予報

計算方式 ディープラーニングによる学習結果

高次レベルのデータ

基礎レベルのデータ

サービス事業者

高次データ

提供

◆データ流通を促進するためには、、 サービス事業者の目線で見てわかりやすいデータ連携のあり方を整備する必要がある。

◆国の立場で整備するべきこととしては、、 データの属性について最低限の共通ルールを示すこと。(○○というデータは××なものだ。)

◆例えば、在/不在という高度な情報を扱う際、、 現状では具体的な意味(‘いる/いない’なのか在宅確率なのか)や単位(ピンポイントなのか、○時間ごとなのか)等定まっていない。

「在宅予測」がどんな情報か定め、またどんなデータを掛け合わせ、処理することで生成されるのかを整理し、データカタログに取りまとめる。

◆今後の展開として、、 データカタログを増やし、データベース化へ。

活動パターン 在宅予測情報

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接続ルール② セキュリティ・製品安全 システム全体の製品安全・セキュリティレベルは、最も弱い対策レベルで決まってしまう。

スマートホームに関わる全プレーヤーが関与するべく、立場に応じて求められる役割や対策(プラットフォーマー、サービス事業者、機器メーカー等)、の対策指針・留意点を示したチェックリストを取りまとめる。

対策区分 (第1階層)

対策指針・留意点(第2階層) プラットフォーマー サービス事業者 機器メーカー

1. 基本方針の策定

① 経営層によるコミット(必要なリソースの割当等)(任意)

② PDCAサイクルを回す仕組みを導入する(必須)

① 経営層によるコミット(必要なリソースの割当等)(必須)

② PDCAサイクルを回す仕組みを導入する(必須)

① 経営層によるコミット必要なリソースの割当等)(必須)

② PDCAサイクルを回す仕組みを導入する(必須)

2. リスクの評価と認識

① 発注先の選定基準(必須) ② ベンダーの対策の確認方法(必須) ③ 発注先との事故の責任範囲の取り決め(必須)

① 守るべきものの特定、アーキテクチャを元に、リスクとその範囲を考慮する(内部不正やミスの発生を考慮する)(必須)

② プライバシー情報漏洩のリスクと影響分析の実施(必須)

① 守るべきものの特定、つながることによるリスク、アーキテクチャ、物理的なリスクとその範囲を考慮する(内部不正やミスの発生を考慮する))(必須)

② プライバシー情報漏洩のリスクと影響分析の実施)(必須)

3. 設計時の対策 ① 発注先の管理・対策状況の確認(必須)

① セキュリティ、セーフティ、プライバシーの影響を考慮した設計(Security, Safety, Privacy by Design:SSPbD) (必須)

② 遠隔操作における製品安全に係わる問題の考慮 ③ 安全安心を実現する設計の検証の実施(必須) ④ 多層防御(多重のセキュリティ対策の考慮)(必須) ⑤ ログ・監視機能の導入(必須) ⑥ 主要IoTセキュリティガイドラインの考慮(OWASP/IoT

Top 10等)(任意)

① つながる相手からのリスクを回避する設計(必須) ② つながる相手に損害を与えない設計(任意) ③ セキュリティ、セーフティ、プライバシーの影響を考慮した

設計(Security, Safety, Privacy by Design:SSPbD) )(必須)

④ 遠隔操作における製品安全に係わる問題の考慮 ⑤ 安全安心を実現する設計の検証の実施)(必須) ⑥ 認証機能、暗号化の導入必要性の検討(参照

www.cryptrec.go.jp) (必須) ⑦ ログ・監視機能の導入(任意)

4. 実装時の対策 ① 発注先の管理・対策状況の確認(必須)

① 設計を満たす実装であることのテストの実施 ② 構築(インテグレーション)時の設定等の検証 ③ 機器の状態把握、記録機能の実現

① 設計を満たす実装であることのテストの実施(必須) ② 機器の状態把握、記録機能の実現(必須)

5. 保守・廃棄の対策

① 消費者へのリスクの周知(必須) ② サービス追加・連携における検証と利用者同意の実施

(必須) ① モニタリングと異常検知の実施(必須)

① 機器設置後の不具合(脆弱性)の確認とアップデートの実施(必須)

② モニタリングと異常検知の実施(任意) ③ 消費者に機器の同意事項の周知(必須) 6

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接続ルール③ プライバシーデータの活用 データを利活用するにあたり、プライバシーの保護と同意に基づく情報取得は必須項目。

過去の取組の成果物を参考にしながら事業者向けにデータ取扱いのあり方を整理するとともに同意取得方法の雛形を整備する。

例えばイラスト化

同意書/利用規約作成にあたっての留意点 ① 取得方法、利用方法などに即し、個人

情報に該当するかの整理 ② 各プレイヤーの関係性を整理 ③ 利用者が理解できる同意書の作成(情

報の取得方法、管理/利用方法、加工方法、提供先等)

サービス分野、形態ごとの雛形を整理

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スマートライフ実証の方向性

2017年度~ 接続に関連するルールの整理

2018年度~ 社会課題やテーマ毎のサービス創出

例えば、、

◆家事負担軽減

労働力の確保、女性の社会進出等を促進するため、家事負担を軽減するなど、共働き世帯や子育て世帯が便利で自由な生活を送れるようにできないか。

◆高齢者対策

高齢者人口が増加していく中で、便利な医療・健康管理サービスの提供のほか、高齢者の労働や地域のコミュニティ形成を促進するなど、高齢者が活き活きした生活を送れるようにできないか。

◆ストレスフリー

ストレス社会において、豊かで幸せな生活を送れるよう、個人の趣味・嗜好、癒しを徹底的に追求し、五感を満たす生活環境を提供できないか。

①データカタログ

②セキュリティ・製品安全

③プライバシーデータ

スマートライフ市場を創出するためには、まず社会課題を捉えた上で、それを解決するためにはどのようなサービスが有効か、さらにそのサービスを実現するためにはどのようなライフデータが必要か、ということを検討していくことが重要ではないか。

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来年度のスマートライフ実証イメージ

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スマートライフ市場の初期需要創出を喚起することを目的に、来年度は社会課題テーマを対象とするサービス実証を行う。