台湾のカーエレクトロニクス 及び

電気自動車産業の発展

台湾区電機電子工業同業公会(TEEMA)

副秘書長 羅懐家

「台湾車輛部品産業および関連見本市セミナー」

2016年台湾のカーエレクトロニクス及び電気自動車産業の発展の概要

はじめに

台湾の自動車及びその部品、電気自動車、カーエレクトロニクス産業の発展概況

2016カーエレクトロニクス産業の発展傾向

2016台北国際カーエレクトロニクス見本市のまとめ

電気自動車産業の概況と発展傾向

おわりに－2017「TAIPEI AMPA」と「台北国際

カーエレクトロニクス見本市」

はじめに

世界の自動車産業は小幅成長

世界的な気候変動（異常気象、COP21）

都市化に伴う渋滞（地下鉄、自転車、バス専用レー

ン、娯楽や情報システム）

都市間の連結：高速道路から高速鉄道へ

ICT産業の急速な進歩とアプリの運用

道路にとって代わるインターネット

自動車IoTを利用した路上駐車と立体駐車場

より効率的より省エネでCO2削減より安全よりスマート

台湾の自動車及びその部品、電気自動車、カーエレクトロニクス産業の発展概況

年 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

国産車 422,410 444,470 306,388 271,665 186,753 233,979 252,722 281,198 267,027 263,434 283,631 261,580

輸入車 61,882 70,157 59,928 55,116 42,744 60,444 74,893 97,090 98,844 115,015 142,205 159,195

合 計 484,292 514,617 366,316 326,781 229,497 294,423 327,615 378,288 365,871 378,449 423,836 420,775

成長率 17.00% 6.26% -28.82% -10.79 -29.77% 28.29% 11.27% 15.47% -3.28% 3.44% 11.99% -0.7%

販 売 台 数

台湾における国産車及び輸入車の販売状況

百 分 率 ％

資料出所：交通部のナンバープレート発行資料をTEEMAが整理

72.94%

73.35%

77.53%

78.88%

84.08%

85.72%

84.82%

83.85%

86.54%

86.32%

87.22%

86.37%

83.64%

83.13%

81.37%79.47%

77.14%

74.33%

72.98%69.61%

66.92%

27.06%

26.65%

22.47%

21.12%

15.92%

14.28%

15.18%

16.35%

13.46%

13.68%

12.78%

13.63%

16.36%

16.87%

18.63%

20.53%

22.86%

25.67%

27.02%

30.39%

33.08%

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

400,000

450,000

500,000

550,000

600,000

'95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09 '10 '11 '12 '13 '14 15

總市場銷售 國產車佔有率 進口車佔有率

62.17%

37.83%

過去最高は1994年のナンバープレート発行台数合計57.6万台。次いで多かったのは1992年の56.8万台。

備考：福特六和はMazdaの代理生産を含む。裕隆は自社ブランドLuxgenを含む 資料出所：TEEMA整理

企業

項目

裕 隆 三 陽 中 華 福 特

六 和 国 瑞 台湾本田 台 塑 合 計

創業 1953.9 1961.9 1969.6 1972.12 1984.4 2002.2 2009.5 －

ブランド

累計生産台数（台） 55,584 14,860 43,787 22,962 188,086 25,004 802 351,085

累計国内販売台数

（台）

55,584 14,860 42,322 22,962 106,244 25,004 802 267,778

台湾の国産車市場

におけるシェア

（％）

20.8% 5.5% 15.8% 8.6% 39.7% 9.3% 0.3% 100.0%

累計輸出台数（台） 1,465 81,842 83,307

台湾の2015年における主要7社の自動車生産台数は35.1万台、前年比7.42%の減少

台湾自動車産業の生産概要

輸出比率＝輸出台数÷ 生産台数＝83,307÷ 351,085=23.7%

台湾自動車市場の主要ブランド占有率

資料出所：交通部のナンバープレート発行資料をTEEMAが整理

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

汽車整車 1,789 2,033 2,013 1,887 2,216 2,081

汽車零件 2,101 2,256 2,273 2,217 2,336 2,341

汽車電子 918 1,030 1,124 1,310 1,507 1,750

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

單

位

：

億

元

台灣汽車工業產值

2015年自動車（完成車）の生産高は2,081億台湾元、前年比6.1％減少。自動車部品の生産高は2,341億台湾元で同0.2％増加。カーエレクトロニクス製品の生産高は1,750億台湾元で同16.1％増加。

資料出所：経済部統計処、ARTC、台湾区車両工業同業公会整理

2015台湾自動車関連産業の生産額

億台湾元

2015年の台湾における自動車部品の輸出額は2,144.66億台湾元で、前年比3.26%増加となった。これは、低燃費車50万台の価値を超える金額。輸出額は年々増加しており、台湾の自動車部品はすでに国際競争力を持っていると言える。

台湾自動車部品の輸出額は年々増加

成長率％

資料出所：経済部統計処、ARTC、税関統計、台湾区車輌工業同業公会が整理

台湾自動車部品の輸出比率 台湾の自動車部品は半数以上が輸出されている（2015年約52%）

資料出所：経済部統計処、ARTC、台湾区車輌工業同業公会整理

2015年カーエレクトロニクス部品が自動車部品の生産高に占める比重は43％に

単位：億台湾元

自動車（完成車）産業の構造

資料出所：工業技術研究院IEK、2015年産業地図

自動車部品産業の構造

資料出所：工業技術研究院IEK、2015年産業地図

ドライバー向け

情報システム

53.95% エンジンシステム

24.20%

車輌システム

9.96%

セーフティシステム

7.10%

セキュリティーシステム

2.10%

その他

2.69%

カーエレクトロニクスの産業チェーン

車両安定制御 システム（VSC）

ショックアブソーバー

車線維持装置

パワーエレクトロニクス セキュリティ

主動/受動 セーフティー

サービス

テレマティクス

シャーシ/サスペンション 車体

エンジン/動力

電子制御装置

ドライブバイ ワイヤ

トラクション コントロール

電子制御サスペンション

ABS

マルチセンサ システム

車両用LED照明 HID照明

車載用液晶 ディスプレー

自動運転装置

空調制御

スマートエントリー

パーキング アシスト

デジタルダッシュボード

排ガス浄化装置

無段変速機（CVT）

エックス・バイ・ワイヤ （X-by-Wire）

動力伝達 制御装置

定速走行・車間距離制御装置（ACC）

AT/MT

電子制御燃料噴射装置（EFI）

電子制御エキゾースト マニホールド

電子イグナイター

電磁両立性 （EMC）

パワー デバイス

バッテリーマネジメント

周波数変換器

音声認識

キーレス エントリー装置

ドライブレコーダー

PDA

車載半導体

GPSカーナビ ゲーション

車載インフォ テイメント

MCU、CPU

モータードライバ/ コントローラー パワーコント

ローラー

電力分配器

インバーター

画像認識

指紋認証

GPS

SoC（System-on-a-Chip）

ヒューマンマシンインターフェース（HMI）

自己故障診断（OBD）

スマートエアバッグ

AFS（配光可変型 前照灯システム）

ヘッドアップディスプレイ

距離計測レーダー 衝突防止センサー

タイヤ空気圧監視システム 暗視装置

ミリ波レーダ CCD CMOS

通信プロトコル 光学ストレージHDD

ETC 車載LAN

車載電子

可変バルブタイミング 機構（VVT）

台湾カーエレクトロニクス産業の生産高

2016年カーエレクトロ二クス産業の発展傾向

2016年のCESは「smart IoT」が中心 2016年の特徴 テクノロジーがいかにして生活を変えられるかに焦点

2016年CESの出展商品の特徴 自動車関連製品が再び重点に

使いやすいテレビ

次々に登場するスマートホーム製品

多種多様なウェアラブル端末

イヤホンが数年ぶりに見る大きなレベルアップ

騎乗可能な設備がスケートボードの枠を超える

バーチャル・リアリティ設備は今後に期待

携帯電話端末、カメラ、タブレット端末、ノートPC、ドローン等

最も注目すべきロボット産業の5つの傾向

1.中国大陸におけるロボット革命、2.人工知能、3.知識の共有、4.ロボットの個人所有、5.無人機の飛行

産業を超えた技術革新の発想は、訓練によって得られる

2016年CESの出展商品の特徴

1.「モノのインターネット」が日常生活に大量に応用

2.機器が学習能力を備える

3.スマートシステムが急速に拡大、統合。

4.ディスプレイ技術、ヒューマンマシンインターフェースがユーザーを没入型の仮想体験へ向かわせる

5.「モノのインターネット」のセキュリティ、ハッカー対策、認識システムなどを重視した商品が注目

MWC2016の主軸はMobile is Everything

出展業者数

2012 2013 2014 2015 2016

2,200 2,000

1,800

1,500 1,400

MWC 2016 の三つの重点

(1) 5G Technology Roadmap, イノベーションの応用と産業のモデルチェンジを加速

(2) Device Mesh, モバイル端末のエンドポイントの派生商品が主役に。特にVR（バーチャルリアリティ）

(3) Digital Intelligence key to IoT, 主要なデバイスドライバーは有料、安全

資料出所：工業技術研究院IEK (2016/03)

2016台北国際カーエレクトロニクス見本市のまとめ

出展内容：カーエレクトロニクス、EV

台北国際カーエレクトロニクス見本市：車載電子製品及びその

部品、エンジンマネジメント及び動力システム、ブレーキ制御、サスペンションとシャシ、車両電子システム、LED製品、ドライバ向け情報システム、車載ナビ情報システム、GPS商品、車両安全システム、車両監視システム、車載電子半導体、測定設備及びサービス、車載電子製品生産設備

台湾国際電動車両見本市：電動車両（電動オートバイ、電気自動

車、電動四輪車、電動カート）、電池材料、電池及び電池モジュール、電池制御システム、モーター及びインバーターシステム、充電ステーション関連設備及びサービス、検査・測定関連設備

2016年見本市の特色

参観者数（４見本市合同）

海外参観者 6,555

国内参観者（延べ人数） 35,251

2016年の海外参観者：大陸別内訳

自動車産業の未来を左右するカーエレクトロニクス産業の趨勢

2016年、世界の自動車市場の規模は9000万台に

カーエレクトロニクス製品の比重は大幅に成長

新たな商品

カーエレクトロニクス製品が新車コストに占める比重：2010年の35% 2030年には約50%に

資料出所：工業技術研究院IEK整理（2015）

世界の車載半導体市場は年間10％のペースで成長

主要な企業：Infineon、 Freescale、 Renesas

先進運転支援システム（ADAS)関連法規

消費者はますます走行安全を重視 単位：100万米ドル

Bosch, ZF, Valeo, Visteon, TRW… 自動車IoTや先進運転支援システム（ADAS）の発展により、コンソールやダッシュボードでの車載パネルの需要が増えている。（例）ヘッドアップディスプレイ（HUD）、コンソール、ダッシュボード、ルームミラー、バックミラー、後部座席用エンターテイメントシステム等

自動運転／運転支援

傾向（1）：より省エネ、エコ、安全に

資料出所：工業技術研究院IEK（2015）

傾向（2）：自動車メーカーは次世代HMIへ

資料出所：工業技術研究院IEK（2015）

傾向（3）：車両にモニター、生体認証、省エネ 高効率のモーター、センサー技術を搭載

資料出所：工業技術研究院IEK（2015）

無人運転車両の関連技術

車車間通信（V2V Communication）

クルーズコントロール（Cruise Control）

自動ブレーキ（Automatic Brakes）

車線維持（Lane Keeping）

レーダー（Radar）

横滑り防止装置（Traction

or Stability Control）

ビデオカメラ（Video

Camera）

位置測定器（Position

Estimator）

GPS（Global Positioning

System，GPS）

高度道路交通システム(ITS)の連結

スマート立体駐車場と路上駐車場の料金徴収

ITRI Robot Family

IMBot-II

即時通機器人

Roppie

家用機器人

IMBot-III

即時通機器人

遠端行動監控機器人

寵物餵食機器人

水之械

次世代大同寶寶

機器貓陪伴機器人

金角-II

生活伴侶機器人

機器人共通平台

輕量高效能機器人移動平台

金角-I

生活伴侶機器人

3G手機遙控互動機器人

網槍保全機器人

導覽機器人

ITRI Bee

定點巡邏機器人

賣場接待機器人

復健機器人

辦公室健康伴侶機器人

機器戰警

消防機器人

IMBot-I即時通機器人

醫療照護

保全/導覽

生活陪伴

智慧輪椅控制器

企業導覽機器人

送餐機器人

銀髮族伴侶機器人

產業應用

幼兒伴侶機器人

抽換電池機器人

機械花機器人

SEQ1保全機器人

家事服務

4軸Scara

輕負載A型6軸機器人

Delta型4軸機器人

中負載A型6軸機器人

輕負載A型7軸機器人

特殊應用

七軸低成本機器人

機器人控制器

高、中、低荷重磁軌式無人搬運車

雙臂14軸機器人

行動輔具機器人2代

行動輔具機器人1代

上肢顫振抑制輔具機器人

電気自動車産業の概要と その発展傾向

世界の自動車生産台数の予測

世界の電気自動車販売台数の変遷

世界の電気自動車の販売台数ランキング

世界の新エネルギー自動車の分類

2015世界の自動車生産量予測

電気自動車の産業構造

資料出所：工業技術研究院IEK、2015産業地図

台湾における電気自動車産業発展の優位性

材料供給業者 セル/モジュール/モーター/制御装置

完成車、充電ステーション/スタンド

電池及び電子管理システム/電源制御装置

正極材料：康普、台塑鋰鐵、立凱、尚智精密、宏瀨など

負極材料：中碳、台松、莊鏵など

電子モジュール：必翔、能元、新普、統量、順達など

大型バス：華德動能、立凱、寶捷、唐榮など

小型バス：中華、必翔、裕隆

隔離膜：南亞-台塑、高銀化学、明碁材料

電解液:南亞台塑、台塑三井精密化学

モーター材料-永久磁石:台全、台達電、大同製銅、台全金屬、東元

セル：必翔、有量、長利、昇陽、威力など

電動モーターとモーター制御装置：富田、大同、士林、六逸、東元、致茂など

電流転換モジュール：利佳、東元、致茂など

電池システム：能元、必翔、有量、新普、統達など

電池管理システム：光寶動能、致茂、強德、瑞薩など

電源制御装置/システム（動力管理システム）：致茂、光寶動能、統達、台達電など

開発技術の整合、とカーエレクトロニクス

開発技術の整合：工研院、台達電子、車輛中心、華創車電、台灣車輛研發聯盟

二輪電気自転車/オートバイ： 巨大、美利達、中華等など80社余り

電池材料-銅箔：金居開発 (光宝)、南亞-台塑、古河電気(日)

モーター材料-シリコン鋼片:中鋼、大亞鋼鐵

直流モーター直流モータドライバ：東元、微鋒、實強米格

セーフティーシステム：健生、輝創、同致電子、橙的電子など

車載ICTシステム：神達、航欣、廣達、怡利電子など

シャーシシステム：全興

車用端子/コネクタ： 胡連精密

充電ステーション/スタンド： 立德、鎰福、維喜、台達電子、光宝動能、裕隆電能など

完成に近づく台湾の電気自動車産業チェーン 車載ICTシステムを統合、エネルギー分野もカバー

資料出所：車輌センター 整理(2014/08)

電力コンポーネント/モジュール： 台達、致茂、朋程、乾坤、富鼎先進、茂達..

台湾で開発が進む電気自動車の動力システム

プラグインと

レンジエクステンダーシステム

モーターとエンジンの２つの動力を持つハイブリッドカーは、ドライバーの状況に応じて、最もエコで動力のある組み合わせを提供する

アイドリング

ストップシステム

車輌が停止している間にエンジンを自動停止するシステム。将来的にはドライバーがアクセルを踏むとエンジンがかかるようにすることで、5％の燃料節約が可能となる見通し

高効率の回生ブレーキ

車輌がブレーキをかける際に生じるエネルギーを回生することで、航続距離を約10％延ばすことができる

クラウドサービス

利用者のために充電ステーションを探したり、携帯電話端末をリモコンにして充電したり、乗車前にエアコンを付けるなどして電気自動車の利便性を高める

大容量のリチウム電子

大容量のリチウム電池の開発により、車両の航続距離と性能を伸ばし、かつリチウムイオン二次電池の回収によるビジネスモデルを確立

効率の高い

バッテリーマネージメントシステム

主にバッテリーの電圧、電流、残容量を測定・管理し、且つ放熱をコントロールし、危機管理を行い、車両の安全性を確保する。テスラはこの分野でのリーディングカンパニー 車輌研究測試中心整理

台湾の電気自動車業者は テスラ、GM、Luxgenに部品を供給

貿聯 ワイヤーハーネス

致茂 機電制御モジュール 試験設備

大亜、富田 モーターの ステータとロータ

和大 ギヤボックス

宸鴻、群創 17インチタッチ パネル

康舒 充電システム

世德 40種以上の ファスナー （ネジなど)

正崴 電源制御システム

維熹 電源システム、 電源ケーブル

• 台湾の経済部は70社余りの電気自動車の部品メーカーを支援し、電池、モーター、制御装置等の重要技術の開発を進めており、すでに多数の台湾企業が米国の電気自動車大手テスラに対して重要技術を提供している（下記の図を参照のこと）

• 重要技術とは電動モーター、ワイヤーハーネス、精密ギヤ、動力システム測定設備、大型タッチパネル、配線材、充電スタンドなど

毅嘉 ヘッドレスト制御

テスラの電気自動車には多くの台湾製部品が使用されている

台達電子 充電スタンド 直流転換器

資料出所：車輌センター 整理(2014/08)

おわりに TEEMA主催の見本市を利用した商機開拓について

台北国際カーエレクトロ二クス見本市とTAIPEI AMPA への参加を歓迎します

これらの見本市は１つのプラットフォームです 私たちは日本企業と協力し、両国の産業を共に発展させていきたいと考えています ともに中国大陸、東南アジア、インド、中東、北アフリカ市場を開拓しましょう

ご清聴ありがとうございました

謝謝！

台湾の阿里山から眺める雲海と阿里山登山鉄道