ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文...

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ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェクト 終了時評価調査報告書 ベト事 JR 16-020 独立行政法人国際協力機構 ベトナム事務所 平成 27 年 2 月 (2015 年)

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平成27年2月

ベトナム社会主義共和国

北西部山岳地域農村開発プロジェクト

終了時評価調査報告書

ベト事

JR

16-020

独立行政法人国際協力機構

ベトナム事務所

平成 27 年 2 月

(2015 年)

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平成27年2月

ベトナム社会主義共和国

北西部山岳地域農村開発プロジェクト

終了時評価調査報告書

ベト事

JR

16-020

独立行政法人国際協力機構

ベトナム事務所

平成 27 年 2 月

(2015 年)

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序     文

ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

著となるなどの問題が顕在化してきています。特に、ベトナム社会主義共和国の人口の約 50%が

居住する農村部において、その多くが不安定な農業収入に依存しているという現状の改善と、地

方農村部の開発を通して住民の生計向上を図ることが、ベトナム社会主義共和国が格差拡大に伴

う社会の不安定化を防ぎつつ持続的な成長を遂げるための重要な鍵となっております。特に、北

西部山岳地域 4 省(ライチャウ省、ディエンビエン省、ソンラ省、ホアビン省)は、少数民族が

人口の約 8 割を占め、貧困率もいまだ 50%近く(2010 年)、貧困削減重点地域とされております。

ここで、ディエンビエン省においては、農業は GDP の 37%、雇用の 79.6%を占め、年率約 5%(2000 ~ 2005 年平均)で成長している基幹産業です。特にコメは販売用としてディエンビエンフー

市やハノイ市へ輸送されており、一部はラオス人民民主共和国へ輸出されているなど、ディエン

ビエン米は、ブランド米として一定のステイタスを確立しております。しかしながら、水利条件

が比較的良いとされるディエンビエン省のディエンビエン郡以外の郡は全国平均と比べて生産性

が低く、また、行政機関の予算及び人材数、能力の不足などにより、農業生産を支える行政の役

割も限定的です。

このような背景の下、JICA は 2010 年 8 月より 2015 年 7 月までの 5 年間の予定で「北西部山

岳地域農村開発プロジェクト」を実施してきました。

プロジェクトは、ディエンビエン省の農村開発を目標とし、主要農産物の栽培、収穫後処理、

販売の方法及びアプローチの改善、水資源配分及び灌漑施設管理の体制強化、関連する地方行政

(省、郡、村の人民委員会)及びその下部組織、大衆組織や農業系企業の農村開発のための能力

向上により、地方行政組織を核とした体制強化と農村開発の促進を支援してきました。

今回の調査では、2015 年 7 月にプロジェクト終了を控え、中間レビュー以降のプロジェクト活

動の実績、成果を調査、確認するとともに、評価 5 項目(妥当性、有効性、効率性、インパクト、

持続性)の観点から、今後のプロジェクト活動に対する提言及び今後の類似事業の実施にあたっ

ての教訓を導きました。

本調査の実施にあたり、ご協力を頂いたベトナム国関係機関並びにわが国関係各位に対し、厚

く御礼を申し上げるとともに、当機構の業務に対して今後とも一層のご支援をお願いする次第で

す。

平成 27 年 2 月

独立行政法人国際協力機構

ベトナム事務所長 森 睦也

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目     次

序 文

目 次

プロジェクト位置図

略語表

評価調査結果要約表

Summary of the Results of Evaluation Study

第1章 プロジェクトの概要 ………………………………………………………………………… 11-1 背景 ………………………………………………………………………………………… 11-2 プロジェクトの要約 ……………………………………………………………………… 1

第2章 終了時評価の方法 …………………………………………………………………………… 42-1 目的 ………………………………………………………………………………………… 42-2 評価団員 …………………………………………………………………………………… 42-3 終了時評価の日程 ………………………………………………………………………… 42-4 評価手法 …………………………………………………………………………………… 6

第3章 プロジェクトの達成状況…………………………………………………………………… 83-1 投入実績 …………………………………………………………………………………… 83-2 アウトプットの達成状況 ………………………………………………………………… 93-3 プロジェクト目標の達成状況 …………………………………………………………… 153-4 上位目標達成の見込み …………………………………………………………………… 193-5 実施プロセス ……………………………………………………………………………… 223-6 中間レビュー調査時の提言への対応 …………………………………………………… 23

第4章 評価 5 項目による評価 ……………………………………………………………………… 244-1 妥当性 ……………………………………………………………………………………… 244-2 有効性 ……………………………………………………………………………………… 264-3 効率性 ……………………………………………………………………………………… 264-4 インパクト ………………………………………………………………………………… 274-5 持続性 ……………………………………………………………………………………… 284-6 効果発現にかかる貢献・阻害要因 ……………………………………………………… 29

第5章 結論 …………………………………………………………………………………………… 31

第6章 提言 …………………………………………………………………………………………… 32

第7章 教訓 …………………………………………………………………………………………… 33

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第8章 団員所感……………………………………………………………………………………… 348-1 団長所感 …………………………………………………………………………………… 348―2 総合農村開発担当団員所感 ……………………………………………………………… 35

付属資料

1. 合同終了時レビュー調査報告書(英文) ……………………………………………………… 392. PO(活動実績) ………………………………………………………………………………… 1053. 投入実績一覧 …………………………………………………………………………………… 1074. 面談者リスト …………………………………………………………………………………… 1125. PDM(Ver. 2.0) ……………………………………………………………………………… 1156. 評価グリッド調査結果表 ……………………………………………………………………… 1197. 中間レビュー調査時の提言への対応 ………………………………………………………… 147

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プロジェクト位置図

プロジェクト位置図

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略 語 表

略 語 正式名称 日本語

AEC Agriculture Extension Centre 農業普及センター

C/P Counterpart カウンターパート

CPC Commune People’s Committee コミューン人民委員会

DARDDepartment of Agriculture and Rural Development

農業農村開発局

DAC Development Assistance Committee 開発援助委員会

DB Dien Bien ディエンビエン(地名)

DPC District People’s Committee 郡人民委員会

DPMU District Project Management Unit 郡プロジェクト管理組織

GDP Gross Domestic Product 国内総生産

IMC Irrigation Management Company 灌漑管理公社

IPM Integrated Pest Management 総合的病害虫管理

JCC Joint Coordination Committee 合同調整委員会

JICA Japan International Cooperation Agency 独立行政法人国際協力機構

MARD Ministry of Agriculture and Rural Development 農業農村開発省

MC Muong Cha ムンチャ(地名)

NIAPPNational Institute of Agricultural Planning and Projection

農業計画・企画国立研究所

NORRD Northwest Region Rural Development 北西部山岳地域農村開発

OJT On the Job Training 現地訓練

OVI Objectively Verifiable Indicator 指標

PDM Project Design Matrixプロジェクト ・ デザイン ・ マトリッ

クス

PIM Participatory Irrigation Management 参加型水管理

PMU Project Management Unit プロジェクト管理組織

PO Plan of Operations 活動計画

PPC Provincial People’s Committee 省人民委員会

PPMU Provincial Project Management Unit 省プロジェクト管理組織

R/D Record of Discussions 討議議事録

SEDP Social and Economic Development Plan 社会経済開発計画

TG Tuan Giao タンジャオ(地名)

T/G Target Group プロジェクト対象

TOT Training of Trainers 訓練者のための訓練

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略 語 正式名称 日本語

USD United States Dollar 米国ドル

WMC Water Management Committee 水管理委員会

WS Workshop ワークショップ

WUG Water Users’ Group 水利組合

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1-1 協力の背景と概要

ベトナム社会主義共和国(以下、「ベトナム」と記す)は、人口 8,971 万人(2013 年)、国民 1人当たりの GDP は 1,300US ドル(2011 年ベトナム国統計局)、「ドイモイ(刷新)政策」導入以降、

市場経済の導入などで著しい経済成長を遂げる一方、都市 ・ 地方間の格差が拡大傾向にあり、同

国の持続的発展にとって、このような格差是正が大きな課題となっている。なかでも、北西部山

岳地域 4 省(ライチャウ省、ディエンビエン省、ソンラ省、ホアビン省)は、少数民族が人口の

約 8 割を占め、1 日 1US ドル以下で生活する貧困率もいまだ 50%近く(2010 年)と、貧困削減

重点地域とされている。

このうちディエンビエン(Dien Bien)省(以下、「DB 省」と記す)においては、農業は GDPの 37%、雇用の 79.6%を占め、年率約 5%(2000 ~ 2005 年平均)で成長している基幹産業である。

主な作物はコメ、トウモロコシ、大豆であり、2009 年目標生産量はそれぞれ約 14 万 5,000t、6 万

7,000t、1 万 5,000t を掲げている。特にコメは販売用としてディエンビエンフー市やハノイ市へ輸

送されており、一部はラオス人民民主共和国へ輸出されている。ディエンビエン米は、ブランド

米として一定のステイタスを確立しており、ベトナム人の間では、値段の割に食味が良く、人気

のあるコメとされており、商品価値が高い。

しかし、水利条件が比較的良いとされる DB 省のディエンビエン郡(以下、「DB 郡」と記す)

以外の郡は全国平均と比べて生産性が低く1、灌漑設備の整備が不十分なため冬水稲を作付けで

きる土地が少なく二期作が困難であるなど、全国平均と比べてその生産性は低い。また平地の少

ない郡では山間傾斜地で森林伐採を行い、キャッサバやトウモロコシなどの自給用食料が生産さ

れており環境への負荷が高いなどの課題が見受けられる。さらに、行政機関の予算及び人材数、

能力の不足などにより、農業生産を支える行政の役割も限定的である2。

このような背景の下、ベトナム政府は、わが国に対し、北西部地域の牽引産業として競争力の

ある農業の振興を図るための技術協力を要請した。

上記要請に基づき、DB 省において、基幹産業として地域開発の牽引力となることが期待され

る農業について、①主要農産物の栽培、収穫後処理、販売の方法及びアプローチの改善、②水資

源配分及び灌漑施設管理の体制強化、③地方行政(省、郡、コミューン人民委員会)及びその関

係組織の農村開発に係る能力向上により、地方行政組織を核とした体制強化と農村開発の促進を

1.案件の概要

国名:ベトナム社会主義共和国 案件名:北西部山岳地域農村開発プロジェクト

分野:農業・農村開発 援助形態:技術協力プログラム

所管部署:JICA ベトナム事務所 協力金額(評価時点)3 億 9,248 万円

協力期間:

2010 年 8 月~ 2015 年 7 月(5 年間)

先方関係機関:ディエンビエン省農業農村開発局(DARD)、

郡人民委員会(DPC)

評価調査結果要約表

1  例えばトウモロコシの単収は全国平均 3.9t/ha に対して DB 省は 2.3t/ha、大豆の単収は全国平均の 1.5t/ha に対して DB 省は

1.3 t/ha。2  例えば、各コミューンに 1 名ずつ配置されている普及員は、配属当初の 1 ~ 2 週間程度の職業訓練しか受けておらず、知識も実

務経験も乏しいため、農家への指導が十分になされていない。

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めざす本プロジェクトが、2010 年 8 月より 2015 年 7 月までの 5 年間の予定で実施されている。

プロジェクトは、DB 省農業農村開発局(Department of Agriculture and Rural Development:DARD)

をカウンターパート(Counterpart:C/P)機関に、その他、対象 3 郡の人民委員会を関係機関に定め、

各郡に設置した計 6 カ所のパイロットサイトで活動を進めている。2013 年 2 月には中間レビュー

を実施し、プロジェクト活動、成果、目標の適性を確認し、それぞれの評価指標について定量的

に設定した。

本終了時調査は、2015 年 7 月のプロジェクト終了を控え、活動の実績や成果を評価・確認し、

今後のプロジェクト活動に対する提言及び今後の類似事業実施のための教訓を導くことを目的と

し、実施された。

1-2 協力内容(PDM Ver.2.0 に基づく)

(1)上位目標:DB 省において、農村開発が促進される

(2)プロジェクト目標: パイロット郡において、市場志向の農産物の生産、ポストハーベスト、

販売の推進のための郡行政機関を中核とした体制の強化を通じて、農

村開発が促進される

(3)アウトプット

1. パイロット郡において、水稲、トウモロコシ、大豆などの農産物の生産、ポストハーベスト、

販売の手法が改善される

2. パイロット郡で水資源の配分が効率化するとともに、灌漑施設管理が改善される

3. 地方政府(省、郡、コミューン)職員及び関係組織の農村開発に係る能力が向上する

(4)投入(評価時点)

1)日本側

総投入額:3 億 9,248 万円

専門家派遣:長期専門家派遣 3 名、短期専門家派遣延ベ 23 名、運営指導調査 2 名

機材供与:約 572 万円、ローカルコスト負担:約 1 億 2,195 万円(2010 年 8 月~ 2014年 12 月末)

研修員派遣(本邦研修):C/P 研修 27 名(他、集団研修 12 名)

2)ベトナム側

C/P 人材の配置:25 名(PPMU7 名、DPMU18 名)

(プロジェクト・ディレクター:DB 省 DARD 局長、プロジェクト・マネジャー:DB 省

DARD 栽培部長、省 PMU、郡 PMU メンバー職員計 23 名)

施設提供: DARD 内 2 室をプロジェクト執務室として提供、棚机、椅子等備品を配置、

会議室等の利用

ローカルコスト負担:2,200,000,000VND

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3-1 実績の確認

(1)プロジェクト目標の達成状況

プロジェクト目標: パイロット郡において、市場志向の農産物の生産、ポストハーベスト、

販売の推進のための郡行政機関を中核とした体制の強化を通じて、農

村開発が促進される

調査団は以下のとおりプロジェクト目標の指標に基づく達成状況を確認し、その結果から

プロジェクト目標は達成したと判断した。

指 標 達成状況

指標:パイロット

集落における 60%以上の農家の営農

状態が向上する

パイロット集落のモデル農家向けアンケート、インタビューによると、

おおむね 100%の農家が以下の項目に関し、「改善した」と回答した。

1)水稲、大豆、トウモロコシとも収量が増加した。

2)農薬、種子、肥料の量、間引き・補植の時間が減った。

(2)アウトプットの達成度

2013 年 3 月に実施された中間レビュー以降、プロジェクト・デザイン・マトリックス

(Project Design Matrix:PDM)2.0 版及び活動計画(Plan of Operations:PO)に沿って特段の

遅滞や問題なく進捗しており、3 つのアウトプットは以下のとおり、ほぼその目標を達成し

つつある。

1)アウトプット 1: 本成果は、部分的に達成された。未達成の指標は、プロジェクト終了ま

でに達成される見込みである。

・ アンケートへ回答した対象農家(226 戸)3のうち、60%以上の農家に改善計画に挙げら

れた全問題点(病害虫対策、種子処理と種子生産、播種量、間引き、補植作業、農薬使

用量)において改善がみられたことから、本指標は達成された。

・ 有機肥料研修をつうじ、農家の肥料の使用方法と使用量、バランスが改善された。

・ 種子に係る技術移転により農家の播種技術が改善され種子量が減った。

2.レビュー調査団の概要

団員

構成

担当分野 氏 名 所 属

団長 佐藤武明 JICA 客員専門員 ベトナム側

総合農村開発 又井慎吾農林水産省東北農政局平鹿

平野農業水利事業所

Mr. Tran Kim Long農業農村開発省国際協力局

協力企画 山本聡 JICA ベトナム事務所 副局長

Mr. Nguyen Anh Minh農業農村開発省国際協力局

二国間協力課 課長評価分析 白井和子

株式会社かいはつマネジメ

ント・コンサルティング

調査

期間2015 年 1 月 27 日~ 2 月 15 日 評価種類:終了時評価

3.評価結果の概要

3  プロジェクトの対象農家は 3 郡 6 コミューン合計 785 戸。

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・ パイロット郡内の非対象コミューンに対してもガイドライン / マニュアルが説明される

予定である。また、ポストハーベスト・販売に関する研修が郡プロジェクト管理組織

(District Project Management Unit:DPMU)メンバーに対し実施される予定である。

2)アウトプット 2: 本成果は、部分的に達成された。未達成の指標は、プロジェクト終了ま

でに達成される見込みである。

・ 改善計画に示された活動(定例会の設置、ルールづくり、維持管理活動など)が実施さ

れた。

・ パイロット集落の農家の水管理が改善された。なお、次の雨期(2015 年 5 月)に効果が

明白になる地区もある。

・ 今後パイロット郡内のコミューン人民委員会(Commune People’s Committee :CPC)水

利担当者と灌漑管理公社(Irrigation Management Company:IMC)の技術者にガイドライ

ン / マニュアルが説明される予定である。

3)アウトプット 3: 本成果は、部分的に達成された。未達成の指標は、プロジェクト終了ま

でに達成される見込みである。

・ 省(DARD)、3 郡の DPMU 所属の郡関係者、パイロットコミューン全員が実証展示圃

設置、ワークショップ(Workshop:WS)、栽培研修会、農業担当者会、有機肥料製造実習、

ガイドライン / マニュアル作成などのプロジェクトの取り組みや成果を理解した。

・ 研修実施機関〔植防支局、農業普及センター(Agriculture Extension Centre:AEC)など〕

の研修手法が改善した。

・ ガイドライン / マニュアル作成過程での意見交換がフィードバックセミナーの役割を果

たし、地方政府及び関連組織からの参加者 75%以上が、プロジェクト成果を理解した。

・ ガイドライン / マニュアルの承認とともに、プロジェクトは 3 郡以外の DB 省内の郡の

関係者などに対し、普及セミナーなどを行い、アクションプランを説明する方向。

3-2 評価結果の要約

(1)妥当性:高い

・ ベトナムの農業政策、日本政府の対ベトナム支援政策にプロジェクトは整合している。

・ DARD、郡の普及員、コミューン普及推進員、農家のニーズにプロジェクトは合っている。

(2)有効性:高い

・ 本プロジェクトは中間レビュー以降順調に進捗しており、アウトプットも全達成が見込ま

れる。プロジェクト目標の指標は既に達成している。3 つのアウトプット(栽培技術の向上、

水管理の向上、普及員の能力向上)がプロジェクト目標達成に寄与している。

(3)効率性:やや高い

・ 3 つのアウトプットはおおむね達成されており、ガイドライン / マニュアルの作成と配付

による幅広い関係者の理解などもプロジェクト終了までに達成される見込みである。

・ プロジェクト前半は日本側、ベトナム側双方の人材の適時配置が困難であったが、中半以

降、双方の努力により大きな成果を達成した。

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(4)インパクト:やや高い

既にパイロットコミューン以外の地域で栽培暦が配付されており、パイロット郡内での成

果普及の後、DARD はパイロット郡以外の郡でも成果の普及活動を行う予定(指標 1.「DB省の非対象郡の行政職員によるアクションプランの活用」、指標 2.「農家の営農状態の改善」)

であることから、省の現行開発戦略が維持される等の外部条件が整えば、上位目標は、ある

程度の達成が見込まれる。

(5)持続性:中程度

・ 政策面:ベトナム政府は DB 省の農業・農村開発を含む社会経済への投資を進める政策を

掲げている

・ 財政面:過去 5 年間の DARD の予算は全体として増加傾向にあるが、将来的な DARD に

よるプロジェクト活動の継続・発展は、国からの DB 省への予算配賦による。

・ C/P のオーナーシップ:省プロジェクト管理組織(Provincial Project Management Unit:PPMU)、DPMU ともメンバーは主体的にプロジェクト活動に取り組むようになり、プロジェ

クト終了後もプロジェクトの成果を維持、普及していく意向を示している。

・ 技術面:栽培マニュアルは、AEC や植防支局が従来使っていた研修資料、日本の知識、3郡の資料を含めて編集されている。3 郡をパイロットとし、地域性をもったマニュアルと

なっていることから、省全体の普及につながる。水管理マニュアルも OJT 的に進めてきた

組織運営と施設整備のプロセスを含み、省と郡レベルの水利担当とともに開発されてきた

ことから、ノウハウが維持・活用されることが期待される。

3-3 効果発現に貢献した要因

(1)計画内容に関すること

・ 水稲、大豆、トウモロコシの栽培技術の向上、灌漑施設管理能力の向上、普及員の普及技

術の能力の 3 つの成果は、プロジェクト目標である収量を上げるために必要かつ効果的な

手段であり、プロジェクトのアプローチが的確であったといえる。

・ PDM の改訂により、プロジェクト目標を農家のレベルに沿ったものに設定し直すことが

可能となった。

(2)実施プロセスに関すること

プロジェクトが開催してきた 3 郡の DPMU 農業担当、コミューンレベルの普及員、日本

人専門家で構成される農業担当者会では、各郡もち回りの現地調査と栽培技術研修、栽培暦、

栽培マニュアルなどの意見交換を行っている。灌漑分野も同様に定例会が関係者で開催され

ており、ガイドライン / マニュアルをともに開発している。こうした分野別定例会により関

係者のコミュニケーションが密にとれ、情報交換が進み、行政の縦と横のつながりが強化さ

れた。

3-4 問題点及び問題を惹起した要因

(1)計画内容に関すること

プロジェクト前半は日本側、ベトナム側双方の人材の要員計画が十分でなく、適時配置が

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困難であった。

(2)実施プロセスに関すること:該当なし。

3-5 結論

調査の結果、これまでプロジェクトは、特に中間レビュー以降の活動が改訂版 PDM に沿って

遅滞・障害なく実施され、期待された成果、プロジェクト目標達成に向け着実に進捗してきたこ

とが確認された。評価結果は、持続性こそ中程度だが、残り 4 項目は、高い、やや高いと評価でき、

今後の継続的な努力によりプロジェクト終了までその目標が成功裏に達成されると見込まれるこ

とから、本プロジェクトは予定どおり終了することが適切である、と結論する。

3-6 提言

(1)DARD の予算の確保

プロジェクト終了後も、DARD による栽培暦の印刷費、研修開催費、普及員の活動費など

が確保されること。

(2)ガイドライン / マニュアルの取扱い

プロジェクト(日本人専門家、DARD)は以下のガイドライン / マニュアルに関する対応

を行うこと。

1) ガイドライン / マニュアル(農業普及)をパイロット郡内の CPC 農業担当者へ説明

2) ガイドライン / マニュアル(水管理改善)をパイロット郡内の CPC 水利担当者と IMC 担

当者へ説明

3) 上記 2 種のガイドライン / マニュアルをパイロット郡内の CPC と IMC へ配付

4) 上記 2 種のガイドライン / マニュアルの承認

(3)事後評価に向けた農業関連の基本データの整理

プロジェクト終了後、3 年以内に行われる予定の事後評価時に上位目標の達成度を定量的

に評価するために、DARD は基本的なデータ(①水稲、トウモロコシ、大豆の栽培面積と単収、

②野菜など他作物の種類、③肥料、農薬、種子の種類と使用量、④農家収入、⑤水利組合の数、

他)の収集を開始すべきである。

3-7 教訓

本プロジェクトから得られた教訓は以下のとおりである。

(1 )プロジェクトの開始当初は日本人栽培 / 普及専門家のリクルートが進まなかったこともあ

り、プロジェクトの円滑な実施がやや困難であった。プロジェクトフレームワークをつくる

際は、日本人専門家の容易な確保も十分に検討すべきである。

(2 )プロジェクトが 3 郡もち回りで実施している農業担当者会は普及員の幅広く実践的な知識

の習得や普及員間のコミュニケーション醸成に効果的であった。日本人専門家による圃場で

の農家への直接的な指導も普及員の受け身な姿勢を変えた。

vi

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(3 )栽培マニュアルは日本の知識経験、既存の研修機関や農家の知識経験を踏まえて作成さ

れた。こうした活動を通じ、普及員は農家の技術に注目することにより、農家とのコミュ

ニケーションも密になり両者の信頼関係も高まった。

(4 )普及員になるための研修システムが不十分で事前研修を充実させることも困難であるベ

トナムでは上述のような OJT 的能力強化は効果的であり、他の農村開発プロジェクトに適

用できる。

vii

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1-1. Background of the ProjectWith the population of 89,710,000 (2013), GDP per capital of USD 1,300 (General Department of

Statistics, 2011) and under the “Doi Moi” (renewal) Policy that leads to the vigorous economic growth with the application of market-economy mechanisms, the economical gap between urban and rural areas tends to be expanded. And the reduction of this gap has become as a major problem for the sustainable development of Vietnam. In the four provinces in the Northwest of Vietnam, including Lai Chau, Đien Bien, Son La and Hoa Bình provinces, about 80% of local population is attributed to ethnic minority groups and the rate of poor household accounts to about 50% (2010). This is a focal area for hunger eradication and poverty reduction.

In these four provinces, the agriculture sector of Dien Bien Province (hereinafter DB Province), which is generating 37% of the provincial GDP and creating job opportunities for 79.9% of local people, is regarded as the key economic sector with the annual growth rate of about 5% (average rate 2000 - 2005). Major agriculture products are rice, maize and soy bean with the total production of 145,000 tons, 67,000 tons and 15,000 tons respectively in 2009. Rice, in particular, is not only consumed in Dien Bien Phu City, but also in Ha Noi and exported to Laos. As the brand of Dien Bien rice is famous and highly preferred by Vietnamese consumers for its prominent taste, its price is high. However, except Dien Bien District (hereinafter DB District) of DB Province with favorable irrigation conditions, the productivity of rice cultivation in other districts in Dien Bien Province is lower than the mean productivity nation-wide1. Due to the lack of irrigation facilities, the land available for double rice cropping per year is limited and rice productivity is low as comparing with that of national scale. In addition, in the districts with the scarcity of flat land, the clearance of forest for shifting cultivation with maize and cassava as the major crops for self-consumption affects the environment. The role of local government authorities in supporting agricultural production is limited due to the shortage of state budget, human resource and capacity as well.

In this context, the Government of Vietnam has requested the Government of Japanese technical cooperation project for strengthening of agriculture so that it could be a key sector of the Northwest region.

Following the request of Japanese technical cooperation project and with the agreement of the Government of Vietnam and JICA, the project on “Northwest Rural Development Project in Vietnam” (herein after ‘the

Summary of the Results of Evaluation Study

I. Outline of the Project

Name of Country: The Socialist Republic of Vietnam

Project Title: Northwest Rural Development Project in Vietnam (NORRD)

Issue/Sector: Local Governance Cooperation Scheme: Technical Cooperation Project

Office In-Charge: JICA Vietnam Office Total Cost: 392 million yen

The Project Period:August 2010– June 2015 (five (5) years)

Partner Country’s Implementing Organization:Department of Agriculture and Rural Development (DARD) of Dien Bien Province, Dien Bien District, Tuan Giao District, and Muong Cha DistrictRelated Institutions (Japan):Ministry of Agriculture, Fisheries, and Forest of Japan

1  For example, maize production in Dien Bien is 2.3 tons/ha against the national average of 3.9 tons/ha and soybean is 1.3 tons/ha against 1.5 tons/ha.

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Project’) has been implementing aiming at institutional strengthening and facilitation of rural development through improved cultivation, post-harvesting, sales approach and improvement of irrigation system and institutional arrangements for management of irrigation structures, rural development capacity building for local authorities such as provincial, district and communal people’s committee and relevant local agencies, civil-society organizations and agro-related enterprises.

The Terminal Evaluation Survey was conducted by the joint evaluation team to review the achievements and progress of the Project using the five evaluation criteria to make recommendations for the remaining period of the Project and extract lessons learned for similar JICA projects in the future.

1-2. Project Overview(1) Overall Goal: The rural development in Dien Bien Province is promoted.(2) Project Purpose: The rural development in the pilot districts is promoted through strengthening the

system, as district government being the core thrust force, to improve the production, post harvesting and marketing of market-oriented agricultural products.

(3) Outputs:1) The method and approach for cultivation, post harvesting and marketing of agricultural products as

paddy, soybean, maize etc. are improved in the Pilot Districts.2) Water resource distribution and irrigation infrastructure management are improved in the Pilot Districts.3) The capacity for rural development of local government (provincial, district and commune people's

committees) is improved.(4) Target Areas: Dien Bien District, Tuan Giao District, and Muong Cha District in Dien Bien Province(5) Implementing Agency: DARD (6) Inputs: Japanese Side

Japanese Side: 392 million Yen Long-Term Experts: 3 persons Equipment:5.72 million yenShort-Term Experts: 23 persons Local Operation Cost: 122 million yenConsultation Mission:2 persons Training in Japan for Counterpart Personnel: 20 participants

Vietnamese SideTotal 25 officials consists of 7 members in PPMU and 18 members in DPMU as the counterpart personnel, including the Director General of DARD (Project Director), and Director of Department of Agriculture Cultivation (Project Manager)Office and facilities were provided as Project Office in DARD at Dien Bien, and office space at District People’s Committee for meetings in three pilot districts

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1. Project Performance1-1. Achievement of Outputs

Since the Mid-term Review conducted in March 2013, the Project has implemented its activities without notable delay and issues, and achieved the goals of three outputs as follows:The Output 1 relating to agriculture development is achieved, while one Objectively Verifiable Indicator (OVI) is expected to be achieved by the end of the project period as following evaluation results;

Among 226 model farmers who answered the questionnaire, more than 60% of them indicated their improvement in all the issues listed in the improvement plan. The improvements were identified as follows:

➢The improvements are found in pest & disease control, seed handling and production, decreased amount of seed and pesticides, and frequency of transplanting.

➢Through training by the Project, usage, amount and balance of fertilizer were improved.➢Through technology transfer on seed, farmers’ seeding technique was improved that leads to reduction

of seed amount. ➢The Project plans to explain the Agriculture Guideline/Manual to non-target communes in the target

districts.➢The Project plans to conduct training on post-harvest and marketing for DPMU members.

The Output 2 relating to irrigation and water management is achieved, and unachieved OVI is expected to be achieved by the end of the Project as following evaluation results;

➢The activities indicated in the improvement plan have been implemented in all the pilot sites. ➢Water Users’ Group (hereinafter, ‘WUG’) was established in all the 6 pilot sites, and each WUG

made an improvement plan2 for water management to conduct construction with participatory manner in some parts. 73% of farmers in the pilot sites recognize that their water management is largely improved.

➢The constructions in all the 6 pilot sites completed in January 2015, however, farmers in some pilot sites need to wait to confirm the effects of irrigation facilities until the next rainy season in May 2015.

➢The Project plans to explain the Water Management Guideline/Manual to officers and staff in charge of water management in all communes in 3 pilot districts.

II. Evaluation Team

Vietnamese Side

Mr. Tran Kim Long, Director General, International Cooperation Department, Ministry of Agriculture and Rural Development

Mr. Nguyen Anh Minh, Bilateral Cooperation Division, International Cooperation Department, Ministry of Agriculture and Rural Development

Japanese Side

Mr. Takeaki SATO , Visiting Senior Advisor, JICA HeadquartersMr. Shingo MATAI, Tohoku Regional Agricultural Administration Office, Ministry

of Agriculture of JapanMr. Satoshi YAMAMOTO, Formulation Advisor, JICA VietnamMs. Kazuko Shirai, Kaihatsu Management Consulting, Inc.

Period of Evaluation January 27 – February 15, 2015 Type of Evaluation: Terminal Evaluation III. Results of Evaluation

2  Activities are: establishment of regular meeting and setting regulations, maintenance of canals, etc.

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The Output 3 relating to capacity development of Government officers in the province is expected to be achieved by the end of the project period as following evaluation results;

➢Through regular meetings and training, PPMU members and DPMU members in 3 pilot districts gradually became to understand project’s initiatives and outputs of experimental cultivation pilot, workshop, training, regular meeting, production of organic fertilizer, training in Japan, and guideline/manual.

➢Training methodologies were improved in Sub-Department of Plant Protection and Agricultural Promotion Center (AEC).

➢The Project plans to hold dissemination seminars to explain the action plan to non-pilot districts in DB Province during the process of official approval of the guidelines/manuals

1-2. Achievement of the Project Purpose: The Project Purpose was achieved based on the following results;

The Project conducted a questionnaire survey, and received responses from 226 households out of the target farmers of 785 households in 6 pilot communes in the target districts. According to the survey results, 99.1% of formers increased their yield of paddy up to 15.5% on average. There were significant reduces in amount of seed, frequency of fertilizer, thinning out, and supplemental transplanting for paddy. As for soybean, all the model farmers in TG district improved yield, pest & disease control, usage of fertilizer, and seeding. The Project also conducted a survey on yield of maize and its economic effect in TG district. The result shows that revenue of farmers in TG District has been increased in comparison with traditional cultivation farm, even though expense was also increased.

1-3. Implementation ProcessThe Joint Coordination Committee (JCC), as the highest decision-making mechanism of the Project, was

held four times to date, including the latest JCC for an approval of result of the Terminal Evaluation on February 12, 2015.

As for the recommendations made by the Mid-term review team in March 2013, the Project has taken actions to improve their activities according to the suggestions, which contributed to improvement in capacity development of members of PPMU and DPMU as well as pilot farmers.

2. Summary of Evaluation by Five Criteria(1) Relevance: High

The Project’s objectives are consistent with the Socio-Economic Development Plan (2011-2015) and the Five Year Plan of Agriculture and Rural Development of DARD of the Vietnamese Government. The Project also is in line with the Country Assistance Policy for Vietnam of the Japanese Government.

The Project is in line with the needs of DARD, extension officers of district and commune, and farmers. (2) Effectiveness: High

The Project has been implemented smoothly after the Mid-term Review and all the outputs are expected to be achieved by the end of the project period. The indicator of the Project Purpose was already achieved. Therefore, the achievement of the Project is highly expected as a whole.

The logicality between the Project Purpose and three outputs is still valid at present, and those outputs contribute to an achievement of the Project Purpose.

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(3) Efficiency: Relatively High The three outputs are almost achieved. Some outputs, such as dissemination of the Project to wider

range of beneficiaries in DB Province after completion and deliver of guidelines/manuals, are expected to be achieved by the end of the project period.

An appropriate allocation of human resources was rather difficult for both Vietnamese and Japanese sides at the beginning of the project. However, those issues have been significantly solved since the Mid-term review.

(4) Impact: Relatively High1) Prospect of Achievement of the Overall Goal

The Overall Goal (Practical use of the Action Plan in non-target districts in DB Province, improvement of farming status in DB Province) is expected to be achieved to some extent. As one of the steps for future expansion of the Project, the cultivation calendar has been delivered to non-pilot communes in pilot districts. The Project also plans to disseminate the project’s outputs to non-target districts.

2) Impact on Policy The Project provided practical idea of implementation to develop a master plan of other province.

3) Impacts on Environment, Economic and SocietySoil condition has been improved, and agricultural waste is reduced in the field through the Project

activities. The livelihood of Hmong people also has shifted to paddy cultivation in pilot district. Several farmers

also started to sell organic fertilizers after training of the Project. Improvement in irrigation benefitted to secure water in farmers’ aquaculture ponds.

4) Negative impactsThere was no negative impact identified at the time of the evaluation.

(5) Sustainability: Medium1) Policy Aspect

It is expected that the Vietnamese government will continuously put a policy emphasis on an increase of agricultural production, improvement of ethnic minority group’s livelihood in mountainous area through a poverty alleviation program.

2) Institutional AspectThe Project has contributed to strengthening collaboration among the agencies such as PPD and AEC

both at provincial and district level. These organizational relationships are expected to be continued after the project ends.

3) Financial AspectThe budget of DARD in the last 5 years has been increasing, though future budget will be dependent

on the national budget allocation to DB Province.4) Ownership of Target Group

The Project’s main target group (T/G) is extension officer at district and communal level. Their ownership was largely enhanced by the Project through provision of opportunities to take initiatives in developing training and materials since the Mid-term Review. District officers in charge of irrigation also changed their attitude to support participatory water management by raising farmers’ awareness. These ownerships are expected to be sustained after the project period.

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5) Technical AspectThe extension officers used to deliver general information to farmers with insufficient communication.

The Project developed their extension capacity and communication competence through practical methods. Farmers are willing to keep contact with extension officers at present, and such strengthened relationship is expected to sustain.

3. Factors Promoting Better Sustainability and Impact(1) Factors Concerning to Planning

The revision of PDM was effective to make all the indicators suitable to farmers’ level. The Project implemented its activities more smoothly with clear goals after setting the improvement plans for agriculture and water management activities.

(2) Factors Concerning to the Implementation ProcessTraining was designed based on the needs of farmers in each area, considering their agricultural

challenges. Such a tailor-made approach contributed to farmers’ application of technologies, which led to an increase of yield.

Monthly meeting of agriculture officers enhanced communication among them, technical knowledge and experience. The Project provided a variety of training, such as TOT (Training of Trainers) for inexperienced staff at district level, and farmer to farmer workshop for both targeted and non-targeted farmers.

The Project also supported WUGs based on a participatory water management in parallel to improving the irrigation facilitates. The combination of institutional and infrastructure development succeeded in enhancing farmers’ motivation.

4. Factors Inhibiting Better Sustainability and Impact(1) Factors Concerning to Planning:

After the Mid-term Review, there is no inhibiting factors concerning to planning.(2) Factors Concerning to the Implementation Process: N/A

There is no inhibiting factors concerning to implementation process identified at the evaluation.

5. ConclusionThe team confirmed that the Project has been implemented in line with the revised PDM without any

tangible delay or problem, and progressed steadily to achieve the Outputs and Project Purpose. Therefore, the team concluded that it was reasonable that the Project would be terminated as scheduled.

6. Recommendations(1) Provision of necessary budget for such as printing cultivation calendars, holding regular meetings,

conducting training and supporting extension officers’ activities by DARD after completion of the Project(2) Dissemination of Guideline/Manuals by the Project

➢Guidelines/Manuals (agriculture extension) should be explained to persons in charge of agriculture in Commune People’s Committee (hereinafter CPC) in the pilot districts.

➢Guidelines/Manuals (participatory water management improvement) should be explained to irrigation staff in CPC and Irrigation Management Company (hereinafter IMC) in the pilot districts

➢Guidelines/Manuals mentioned above should be delivered to CPC and IMC in the pilot districts.

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7. Lessons Learned (1) There were some difficulties for smooth implementation of the Project at the beginning due to the limited

number of Japanese expert in the field of cultivation/extension. The possibility of dispatch of the experts should have carefully been considered when project framework was designed.

(2) The Project has held a monthly meeting, which was attended by agricultural officers at DPMU, extension officers at commune level, and Japanese experts. This meeting functioned as a place of practical learning, where they visited to each plot site and shared their experience from experimental activities. Communication among extension officers was also enhanced through the meeting. The instruction by Japanese experts to farmers in the plot changed passive attitude of extension officers to positive one.

(3) The Project has developed the cultivation guideline/manual based on knowledge and experience from Japanese experts, existing training institutions and farmers. Through development of the manual, extension officers learned how to observe and maximize skills and technique of farmers, which contributed to building mutual trusts between the officers and farmers.

(4) The above mentioned activities by the Project were identified as effective to enhance competencies of extension officers in Vietnam, where the training system has not been fully established yet. This can be applied to the other similar rural development projects.

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第1章 プロジェクトの概要

1-1 背景

ベトナム社会主義共和国(以下、「ベトナム」と記す)は、人口 8,971 万人(2013 年)、国民 1人当たりの GDP は 1,300US ドル(2011 年ベトナム国統計局)、「ドイモイ(刷新)政策」導入以降、

市場経済の導入などで著しい経済成長を遂げる一方、都市 ・ 地方間の格差が拡大傾向にあり、同

国の持続的発展にとって、このような格差是正が大きな課題となっている。なかでも、北西部山

岳地域 4 省(ライチャウ省、ディエンビエン省、ソンラ省、ホアビン省)は、少数民族が人口の

約 8 割を占め、1 日 1US ドル以下で生活する貧困率もいまだ 50%近く(2010 年)と、貧困削減

重点地域とされている。

このうちディエンビエン(Dien Bien)省(以下、「DB 省」と記す)においては、農業は GDPの 37%、雇用の 79.6%を占め、年率約 5%(2000 ~ 2005 年平均)で成長している基幹産業であ

る。主な作物はコメ、トウモロコシ、大豆であり、2009 年目標生産量はそれぞれ約 14 万 5,000t、6 万 7,000t、1 万 5,000t を掲げている。特にコメは販売用としてディエンビエンフー市やハノイ

市へ輸送されており、一部はラオス人民民主共和国へ輸出されている。ディエンビエン米は、ブ

ランド米として一定のステイタスを確立しており、ベトナム人の間では、値段の割に食味が良く、

人気のあるコメとされており、商品価値が高い。

しかし、水利条件が比較的良いとされる DB 省のディエンビエン郡(以下、「DB 郡」と記す)

以外の郡は全国平均と比べて生産性が低く(例えばトウモロコシの単収は全国平均 3.9t/ha に対

して DB 省は 2.3t/ha、大豆の単収は全国平均の 1.5t/ha に対して DB 省は 1.3 t/ha)、灌漑設備の整

備が不十分なため冬水稲を作付けできる土地が少なく二期作が困難であるなど、全国平均と比べ

てその生産性は低い。また平地の少ない郡では山間傾斜地で森林伐採を行い、キャッサバやトウ

モロコシなどの自給用食料が生産されており環境への負荷が高いなどの課題が見受けられる。さ

らに行政機関の予算及び人材数、能力の不足などにより、農業生産を支える行政の役割も限定的

である。例えば、各コミューンに 1 名ずつ配置されている普及員は、配属当初の 1 ~ 2 週間程度

の職業訓練しか受けておらず、知識も実務経験も乏しいため、農家への指導が十分になされてい

ない。

このような背景の下、ベトナム政府は、わが国に対し、北西部地域の牽引産業として競争力の

ある農業の振興を図るための技術協力を要請した。

1-2 プロジェクトの要約

ベトナム政府の要請に基づき、DB 省において、基幹産業として地域開発の牽引力となること

が期待される農業について、①主要農産物の栽培、収穫後処理、販売の方法及びアプローチの改

善、②水資源配分及び灌漑施設管理の体制強化、③関連する地方行政(省、郡、コミューン人民

委員会)及びその下部組織、大衆組織や農業系企業の農村開発のための能力向上により、地方行

政組織を核とした体制強化と農村開発の促進をめざす「北西部山岳地域農村開発プロジェクト」

(以下、「プロジェクト」と記す)が、ベトナム側と JICA の合意により、2010 年 8 月より 2015年 7 月までの 5 年間の予定で実施されている。プロジェクトは、DB 省農業農村開発局(Department of Agriculture and Rural Development:DARD)をカウンターパート(Counterpart:C/P)機関に、そ

の他、対象 3 郡〔DB 郡、タンジャオ(Tuan Giao)郡(以下、TG 郡)、ムンチャ(Muong Cha)郡(以

- 1 -

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下、MC 郡)〕の人民委員会を関係機関に定め、各郡に設置した計 6 カ所のパイロットサイトで

活動を進めている。2013 年 2 月には中間レビューを実施し、プロジェクト活動、成果、目標の

適性を確認し、それぞれの評価指標について定量的に設定した。プロジェクトの概要を表1-1

に示す。

表1-1 プロジェクトの概要

上位目標 DB 省において、農村開発が促進される

プロジェクト目標

パイロット郡において、市場志向の農産物の生産、ポストハーベスト、

販売の推進のための郡行政機関を中核とした体制の強化を通じて、農村

開発が促進される

成果 1パイロット郡において、水稲、トウモロコシ、大豆などの農産物の生産、

ポストハーベスト、販売の手法が改善される

成果 2パイロット郡で水資源の配分が効率化するとともに、灌漑施設管理が改

善される

成果 3地方政府(省、郡、コミューン)職員及び関係組織の農村開発に係る能

力が向上する

活動 1

1-1. 候補コミューンにおいて、営農状況調査を行い、パイロットコミュー

ンを選定する

1-2. 選定されたパイロットコミューンにおいて、農産物の栽培、ポスト

ハーベスト、販売状況、農村インフラ、灌漑システム、農業普及体

制などについてのベースライン調査を実施する

1-3. 栽培、ポストハーベスト、販売に関するワークショップ(Workshop:WS)を実施し、その課題を抽出し農業と普及員の理解を深める

1-4. 特定された課題を踏まえ、栽培、ポストハーベストに係る課題に対

して、農業、普及員とともに改善計画を策定する

1-5. 農家に対して栽培、ポストハーベストに関する研修を実施するとと

もに、研修内容が営農にいかに活用されているか確認する

1-6. パイロットコミューンにおける上記の活動をモニタリング、検証す

るとともに、ニーズに根ざした、改善計画のつくり方を示すガイド

ライン / マニュアルを作成し、行政機関に配付する

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活動 2

2-1. 水資源の利用などにかかわる課題について WS を実施し、その課題

を抽出し農家・灌漑施設管理者の理解を深める

2-2. 課題を踏まえ、すべての農家にとって効率的・効果的な水利用に関

する改善計画を農家・灌漑施設管理者とともに策定し、実施する

2-3. 農業施設管理者に対して水利用に関する研修を実施し、その実践状

況を確認する

2-4. パイロットコミューンにおける上記の活動をモニタリング・検証す

るとともにニーズに根ざした改善計画のつくり方を示すガイドライ

ン / マニュアルを作成し、行政機関に配付する

2-5. 農村開発に付随する小規模インフラに関する課題を明確化し、農民

とともに解決する

活動 3

3-1. 普及員の知識・技術の向上及び意識の改善に必要な研修を行う

3-2. 地方政府(省、郡、コミューン)職員及び関連組織に対して、プロジェ

クト活動のフィードバックセミナーや農村開発に関する研修を実施

する

3-3. パイロット郡で構築した成果をパイロット郡以外の DB 省内の郡へ

普及するための道筋を示した活動計画など(アクションプラン)を

策定する

投入

(日本側)

長期専門家: チーフアドバイザー / 農村開発、灌漑 / 水資源管理 / 水管理

組織、業務調整 / 研修計画

短期専門家: 営農計画、作物栽培、小規模灌漑施設整備(渓流取水工)、

農業普及

研修、供与機材

投入

(ベトナム側)C/P の配置、プロジェクト事務所、関連プロジェクト情報、C/P 予算

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第2章 終了時評価の方法

2-1 目的

今回実施する終了時評価調査は、2015 年 7 月のプロジェクト終了を控え、中間レビュー以降

のプロジェクト活動の実績、成果を調査、確認するとともに、評価 5 項目(妥当性、有効性、効

率性、インパクト、持続性)の観点から、今後のプロジェクト活動に対する提言及び今後の類似

事業の実施にあたっての教訓を導くことを目的とする。

2-2 評価団員

評価団員を表2-1と表2-2に示す。

表2-1 日本側評価メンバー

担当分野 氏 名 所 属

団長 佐藤 武明 JICA 客員専門員

総合農村開発 又井 慎吾 農林水産省 東北農政局平鹿平野農業水利事業所

評価分析 白井 和子 株式会社かいはつマネジメント・コンサルティング

協力企画 山本 聡 JICA ベトナム事務所

表2-2 ベトナム側評価メンバー

氏 名 所 属

Mr. Tran Kim LongDeputy Director General,International Cooperation Department, Ministry of Agriculture and Rural Development

Mr. Nguyen Anh MinhDirector, Bilateral Cooperation Division, International Cooperation Department, Ministry of Agriculture and Rural Development

2-3 終了時評価の日程

本調査は、2015 年 1 月 27 日から 2 月 15 日までの 19 日間、表2-3の日程のとおり実施された。

表2-3 終了時評価の日程

Date Time Events Hotel PlaceRental

Car

27th TuesdayAM Narita → Hanoi

HanoiJP → VN -

PM Meetngin JICA Vietnam VN(Hanoi) 1 Hanoi

28th Wednesday

AM Hanoi → Dien Bien

Dien Bien

VN(Hanoi →

Dien Bien)1 Hanoi

PMMeetingwith Dien Bien DARD & JP

ExpertsVN(Dien Bien)

1 Dien

Bien

- 4 -

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29th Thursday Allday Site survey on 6 pilot project sites Dien Bien VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

30th Friday Allday Site survey on 6 pilot project sites Dien Bien VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

31st Saturday Allday Data Analysis & Documentation Dien Bien VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

1st, Feb Sunday

Allday Data Analysis & Documentation Dien Bien VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

PM Dien Bien → Hanoi -VN(Dien

Bien → Hanoi)-

2nd Monday Allday Site survey on 6 pilot project sites Dien Bien VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

3rd Tuesday Allday Site survey on 6 pilot project sites Dien Bien VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

4th Wednesday Allday Site survey on 6 pilot project sites Dien Bien VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

5th Thursday Allday Site survey on 6 pilot project sites Dien Bien VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

6th Friday Allday Site survey on 6 pilot project sites Dien Bien VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

7th Saturday

AM Narita → HanoiHanoi

JP → VN -

PM Meetng in JICA Vietnam VN(Hanoi) 1 Hanoi

Allday Data Analysis & Documentation Dien Bien VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

8th Sunday

AM Hanoi → Dien Bien

Dien Bien

VN(Hanoi →

Dien Bien)1 Hanoi

AM Data Analysis & Documentation VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

PM Meeting with Dien Bien JP Experts VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

9th Monday

AM Courtesy Visit to DARD

Dien Bien

VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

PMSite Survey on 2 pilot project sites in

Dien Bien PhuVN(Dien Bien)

1 Dien

Bien

10th Tuesday Allday

Meeting with Dien Bien DARD & JP

Experts, Making Terminal Evaluation

Report

Dien Bien VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

11th Wednesday Allday

Meeting with Dien Bien DARD & JP

Experts, Making Terminal Evaluation

Report

Dien Bien VN(Dien Bien)1 Dien

Bien

- 5 -

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12th Thursday

AM Finalizing Terminal Evaluation Report

Dien Bien

VN(Dien Bien)

1 Dien

Bien

AM Hanoi → Dien Bien VN(Hanoi →

Dien Bien)PM JCC

VN(Dien Bien)

13th Friday

AM Dien Bien → Hanoi

Hanoi

VN(Dien

Bien → Hanoi)

1 HanoiPM

Reporting to JICA Vietnam & Embassy

of JP VN(Hanoi)

All Day Dien Bien → Son La → HanoiVN(Dien

Bien → Hanoi)

14th SaturdayAM Making JP report on Terminal Evaluation

HanoiVN(Hanoi)

1 HanoiPM Hanoi → Narita VN → JP

15th Sunday AM Arrivalat Narita - JP -

2-4 評価手法

本終了時評価では、DARD をはじめとした省プロジェクト管理組織(Provincial Project Management Unit:PPMU)、郡プロジェクト管理組織(District Project Management Unit:DPMU)メ

ンバー、モデル・一般農家など、さまざまな関係者への聞き取り調査と現地踏査を実施した。付

属資料 4 に主要面談者リストを示す。

(1)合同評価

日本側及びベトナム側評価者は合同で、討議議事録(Record of Discussions:R/D)、プロジェ

クト・デザイン・マトリックス(Project Design Matrix:PDM)、活動計画(Plan of Operations:PO)に基づき、本プロジェクトの評価を実施した。評価分析、現地踏査や関連機関のスタッ

フ、受益者、日本人専門家などへの聞き取り調査を含む評価活動では、評価 5 項目による評

価手法を用いた。合同評価団は、日本側 4 名、ベトナム側 2 名で構成された。

(2)5 項目評価

評価 5 項目を表2-4に示す。

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表2-4 評価 5 項目

項 目 内 容

妥当性

プロジェクトのターゲットグループ(Target Group:T/G)のニーズへの整合性、

プロジェクト内容の先方政府と援助側の政策や優先順位との整合性、プロジェ

クトの戦略やアプローチの妥当性に関する視点

有効性プロジェクトの達成見込みと、その達成がアウトプットの達成によりもたらさ

れているかに関する視点

効率性

アウトプットの達成状況と投入がいかにアウトプットの達成に転換されている

か(量的、質的観点)に関する視点。ほかのアプローチと比して最も効率的な

方法を適用しているかも必要に応じ問う。

インパクト上位目標の達成見込みと、プロジェクトの直接 / 間接的影響。正 / 負、予期し

た / 予期していない影響も確認する。

持続性 プロジェクト終了後にプロジェクトがもたらす影響と持続性を問う視点。

(3)情報・データ収集方法

主な情報・データ収集方法を表2-5に示す。

表2-5 主な情報・データ収集方法

1 R/D、PDM、ミニッツ(Minutes of Meetings:M/M)

2 半期ごとプロジェクト報告書

3 プロジェクト進捗報告書など

4 投入実績

5 日本人専門家への聞き取り調査と協議

6 C/P への聞き取り調査と協議

7 現地踏査及び受益者への聞き取り調査と協議

(4)評価に使用した PDM本終了時評価に使用した現行の PDM(2013 年 3 月 15 日改訂版)を付属資料 5 に示す。

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第3章 プロジェクトの達成状況

3-1 投入実績

3-1-1 日本側投入実績

調査団は PDM 及び PO に基づき、下記の投入をもってプロジェクトを実施中であると確認し

た。詳細は付属資料 3 を参照のこと。

(1)専門家派遣

本プロジェクトには現在①チーフアドバイザー / 農村開発、②灌漑 / 水資源管理 / 水管理

組織、及び③業務調整 / 研修計画の長期専門家 3 名が派遣されている。

また、短期専門家は①作物栽培、②営農計画、③小規模灌漑施設整備、④農業普及、及び

⑤灌漑施設施工管理の分野で延べ 23 名が派遣されている。

(2)研修(本邦研修)

これまで、27 名の C/P を小規模灌漑施設整備及び日本の先進的な農業普及事業に関する

C/P 研修に派遣した。また、農民参加型水管理システム、農民参加による農業農村開発をテー

マとした集団研修にも計 12 名参加した。研修参加後は、PPMU、DPMU において経験と情

報の共有を図った。

(3)機材供与

これまでに、車両 2 台、プロジェクト事務所用パソコンなどの事務機器、測量機器など合

計で約 572 万円相当の機材を供与した。また、一部の車両については、JICA 北西部水源地

域における持続可能な森林管理プロジェクトとの共同運用がなされている。

(4)現地業務費支出

これまでに、土壌調査、水稲栽培実態調査、トウモロコシ・大豆栽培実態調査地形図作成

調査、流量調査、土壌浸食状況調査を含む在外事業強化費が合計 1 億 2,200 万円(≒ 221 億 7,200万 VND)支出された。

3-1-2 ベトナム側投入実績

(1)C/P の配置

ベトナム政府は、本プロジェクトの C/P として① PPMU:7 名(ディレクター 1、マネジャー

1、農業 2、水利 1、会計 1、庶務 1)、② TG 郡 DPMU:6 名、③ MC 郡 DPMU:6 名、④ DB郡 DPMU:6 名の計 25 名を配置している。

(2)施設・設備の提供

ベトナム政府は DB 省 DARD 内に、プロジェクトオフィスを 2 室、専門家執務、会議な

どのため提供している。また、DARD 内施設(会議室など)の利用もなされている。

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(3)プロジェクト運営費

2010 ~ 2014 年末まで、ベトナム側は PMU 職員給与、光熱費、日当、備品購入、会議費

などについて合計 16 億 4,629 万 8,400VND(905 万 4,641 円)を負担した。

3-2 アウトプットの達成状況

2013 年 3 月に実施された中間レビュー以降、PDM Ver 2.0 及び PO に沿って特段の遅滞や問題

なく進捗しており、以下の 3 つのアウトプットは、ほぼその目標を達成しつつあると判断される。

本評価調査時点までの各アウトプットの達成状況は以下のとおりである。

成果 1: パイロット郡において、水稲、トウモロコシ、大豆などの農産物の生産、ポストハー

ベスト、販売の手法が改善される。

本プロジェクトの農業分野における成果は以下のとおりおおむね達成されており、未達成の指

標もプロジェクト終了までに達成される見込みである。

(1)指標 1-1:改善計画で指摘された問題点のうち 60%以上が改善される

プロジェクトでは、農家へのワークショップ(活動 1-3 など)の結果から農家のニーズ、

問題点、課題を把握・整理し、改善目標1を設定した。これらの改善目標をベースに、具体

的な改善計画の課題を設定した(活動 1-4)。改善計画は水稲では収量の増加、生産費の節減、

及び研修の普及に関する改善計画が設置された。大豆とトウモロコシに関しては、収量の増

加と研修の普及の 2 点である。ポストハーベストや販売は改善計画には含まれなかったが、

ポストハーベスト、マーケティングの調査実施により課題は明確化されている(活動 1-3)。プロジェクトでは今後抽出された課題に基づき、DPMU メンバーに対し研修を実施する予定

である(活動 1-5)。プロジェクトでは、プロジェクト開始以降実証展示圃を使って、生育ステージに合わせて

冬春作と夏秋作水稲栽培研修会を計 150 回(5,992 人)、トウモロコシ栽培・技術研修会 20回(722 人)、大豆研修会 7 回(294 人)、有機肥料研修 37 回(818 人)を実施し、延べ 7,826人の農家や普及員が研修を受講した(活動 1-5)。

これら研修への受講を通じ、アンケートへ回答した対象農家(226 戸)2のうち、60%以上の

農家に改善計画に挙げられた全問題点において改善がみられたことから、本指標は達成され

たと判断された。アンケート結果を表3-1に示す。

1  ①栽培プロセスが理解できる、②予防を含む適切な病害虫対策ができる、③経済的で有効な施肥が実施できる、④毎年草丈の揃っ

た稲の栽培ができる、⑤二期作それぞれで高い収量が得られる、⑥資料を基にほかの人に研修内容が説明できる、⑦研修資料を

保存して後に皆で使える。2 プロジェクトの対象農家は 3 郡 6 コミューン合計 785 戸。

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表3-1 アンケート結果(改善計画達成度)

問題点 アンケート結果

病害虫 100%の農家が病害虫の見分け方と防除能力を向上させ、病害虫が減少した。

種子処理

全 6 カ所のパイロット集落で種子処理栽培を実施し、改善したのは 100%。た

だし、DB 郡の Noong Het コミューンでは対象農家全員が塩水選の方法を適用し

ていない3。

種子生産 6 カ所中、4 カ所のパイロット集落で実施し、100%の農家が種子生産を改善した。

種子播種量、間

引き、補植作業

種子の播種量、間引き・移植にかかる時間は 100%の農家が改善した。ただし、

MC 郡の Ma Thi Ho コミューン Ho Chim 区では夏秋作での条播は適用されてい

ない4。

農薬使用量 農薬の使用量は 99%が改善。1%は改善していない。

出所:プロジェクト作成資料から調査団作成

(2)指標 1-2:肥料にかかる知識習得により施肥の手法が改善される

プロジェクトでは、2012 年 5 月から有機肥料の研修を 6 回実施し、延べ 672 名の農家や

普及員がボカシ肥料など有機肥料に関する研修を受講した(活動 1-5)。結果として、本指

標は表3-2で示すとおり、達成されたといえる。なお、各郡でのインタビューでは、5 ~

6 名程度の農家がボカシ肥料を作成するようになったが、コメ糠が大量に必要、製造に時間

がかかるなど生産コストがかかることから、広く適用されるには課題があることも確認され

た。

表3-2 アンケート結果(肥料の知識習得)

改善の視点 アンケート結果

使用方法 68%の農家が施肥の利用方法が改善し、31%の農家が少し改善した。

使用量 61%の農家が改善(減量)し、37%の農家が少し改善した。

出所:プロジェクト作成資料から調査団作成

肥料の 3 大要素のバランスについては、表3-3のとおり明らかな改善がみられる。プロジェ

クト開始前は総じて、各対象コミューンでは最も生育量に直結する窒素 = 尿素のみを施す傾向

が強かった。現在 DB 郡では過剰な尿素を減らし、過少なカリを増やし施肥バランスを改善した。

MC 郡ではほとんど施用されていなかったリン酸を使用するようになった。Ma Thi Ho コミュー

ンではカリも不足していたが、Muong Tung コミューンでは過剰であった尿素とカリを減らした。

TG 郡では、一部の農家の尿素を除くと施肥量が過少であったので、全体的に増加した農家も多

かった。

3 農家向けアンケートによれば、塩水選はこれまで使用していない手法で、追加の手間が必要である、との回答であった。

4  主にモン族で構成される MC 郡 Ma Thi Ho コミューンでは夏秋作では早めに畑で苗を作る農慣行がある。これを変えるには時間

がかかるが、農家へのインタビューによれば、条播技術の優位性を理解する農家は増えつつあることが確認された。

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表3-3 肥料のバランス(人)

郡 名 コミューン名 分 類肥料量

増 減 不変 バランス

Dien Bien

Thanh Hưng開始前 0 0 0 0

現在 0 1 0 9

Noong Hẹt開始前 0 0 0 0

現在 0 1 0 9

Muong Cha

Ma Thi Ho開始前 0 0 0 0

現在 4 0 0 6

Muong Tung開始前 0 0 0 0

現在 0 0 0 10

Tuan Giao

Quai Cang開始前 0 0 0 0

現在 4 0 1 5

Muong Mun開始前 0 0 0 0

現在 10 0 0 0

出所:プロジェクト作成資料

(3)指標 1-3:種子にかかる知識習得により優良種子の生産手法、播種技術が改善される

プロジェクトでは種子生産技術や種子処理に関し、農家に対し技術を指導してきた。そ

の結果、対象農家の播種量は顕著に減少している。DB 郡、MC 郡 Muong Tung コミューン、

TG 郡とも開始前の 2 割~ 4 割減の 6 ~ 8 ㎏程度に減少した。MC 郡 Ma Thi Ho コミューンで

はやせた土地で施肥量も少ないため、多くまく傾向があるが、14.5 ~ 9kg と大幅に減った。

条播技術は手間がかかるので農家から好まれることはなかったが、適切な間隔をとる利点を

認識してから行うようになった。視察を行った全モデル農家において、栽培密度が低くなっ

たことを確認した。プロジェクトの農家アンケートでも、「種子生産技術」で「改善できた」

を選択した農家は 100%である。よって、本指標は既に達成されたといえる。アンケート結

果を表3-4に示す。

表3-4 アンケート結果(播種量の変化、使用種子量)

郡 名 コミューン名栽培面積

(m2)

種子量の変化 種子量(kg/1,000m2)

増 減 不変 開始前 現在量

Dien BienThanh Hưng 3,920 0 10 0 10.0 6.0

Noong Hẹt 3,480 0 9 1 10.0 6.0

Muong ChaMa Thi Ho 4,020 0 10 0 14.5 9.0

Muong Tung 2,800 0 10 0 11.7 7.1

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Tuan GiaoQuai Cang 1,705 0 7 3 9.0 7.0

Muong Mun 2,090 0 8 2 9.3 7.3

出所:プロジェクト作成資料

(4)指標 1-4: パイロット郡内全 56 コミューンの 60%以上の指導者がガイドライン / マニュア

ルの内容について理解を示す

プロジェクトでは、ガイドライン / マニュアル(案)がほぼ完成しており、作成において

は、これまで DARD、パイロット郡、パイロットコミューンの意見を聞きながら作成してい

る。マニュアルに掲載している栽培暦は既に対象 3 郡のパイロットコミューン以外の 25 の

コミューン5にも配付され、3 郡全体の約半分に対して本プロジェクトの成果物の一部が普

及された。WS において C/P がほかのコミューンへ実証展示圃の成果を波及させる努力を行

うなど農業技術の普及に関し理解も深まっている。プロジェクトの郡 PMU メンバーへのア

ンケートで、「実証展示圃の設置や WS、栽培研修会、農業担当者会、有機質肥料製造実習、

本邦研修、ガイドライン・マニュアル(作業中)などの普及ツールの作成などのインパクト・

成果は理解されているか」に対して、15 名中全員(100%)が「理解している」と回答した。

今後、プロジェクトはパイロット郡内のほかのコミューンに対してもガイドライン / マニュ

アルを説明する予定(活動 1-6)である。よって、本指標は達成されると見込まれる。

成果 2:パイロット郡で水資源の配分が効率化するとともに、灌漑施設管理が改善される。

本プロジェクトの灌漑・水管理分野における成果は、終了時評価時点で未達成だが、以下のと

おりプロジェクト終了までに達成される見込みである。

(1)指標 2-1: パイロット集落で策定された改善計画に示された活動6のうち60%以上が実施さ

れる

プロジェクトでは 2012 年 8 月から 6 カ所のパイロットサイトで水利組合(Water Users’ Group:WUG)の組織化を進め、水管理に関する改善計画

7を策定し、農家も参加しながら

設計及び施工を実施した(活動 2-2)。各サイトでの施設整備は 2013 年 10 月~ 11 月と 2014年 10 月~ 11 月の 2 グループに分かれて進められ、2015 年 1 月に全サイトの整備が終了した。

プロジェクトの水利組合農家へのアンケートで、「大きく改善された」と回答した農家は回

答者数 329 名中 240 名(73%)、「多少改善された」が 89 名(27%)であった。よって、本

指標はプロジェクト終了までにおおむね達成されると見込まれる。

(2)指標 2-2:パイロット集落の 60%以上の農家の水管理が改善される

329 農家に対し実施された聞き取り調査の結果、73%(240 農家)が「大きく改善」し、27%(89

5 3 郡のコミューンは全部で 56。

6 活動例として定例会の設置、ルールづくり、維持管理活動等が PDM の欄外に示されている。

7 改善計画: ①地元の水管理検討体制の構築、②農民水管理組織規約の制定、③総会、定例会議の開催、④施設改善計画の作成と実行、

⑤維持管理計画の作成と実行、⑥農民の水利用マナー改善、⑦施設の維持管理・改善にかかる費用・労務等の分担の

明確化。

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農家)が「多少改善」した。各対象コミューンの農家は WUG を設置し、規則を定め、定期

会合を開催し、施設の維持管理を行っている(活動 2-2)8。また、水利費

9の徴収を既に開始

しており、維持管理などに活用されている。他方、灌漑施設が 2015 年 1 月に完工し、次の

雨期(2015 年 5 月)に効果が明白になる地区もある。よって、本指標はプロジェクト終了

までに達成されると見込まれる。

(3)指標 2-3: パイロット郡内コミューン人民委員会(Commune People’s Committee:CPC)水

利担当者及び灌漑管理公社(Irrigation Management Company:IMC)の技術者の

75%以上にガイドライン / マニュアルが理解される

プロジェクトで進められてきた 6 カ所の灌漑施設整備は 2015 年 1 月に完了した。現在、

水管理改善にかかる活動の成果を取りまとめて、ガイドライン / マニュアル(案)を策定中

である。策定においては、DB 省及びパイロット郡の水利担当者から聞き取りを行いつつ、

共同で作成作業を行っている。ガイドライン / マニュアルが完成した後は、パイロット郡内

のパイロットコミューン以外のコミューンへの速やかな普及、説明(活動 2-4)により、本

指標はプロジェクト終了までに達成可能と見込まれる。

成果 3: 地方政府(省、郡、コミューン)職員及び関係組織の農村開発にかかる能力が向上す

る。

本プロジェクトの地方政府職員の能力向上における成果は、おおむね達成しており、未達成の

指標は、プロジェクト終了までに達成される見込みである。

(1)指標 3-1: パイロットコミューンの農業普及員・集落長などのうち、研修に参加した 60%以上の研修員が普及方法を習得する

プロジェクトでは普及員の知識・技術向上及び意識の改善のため、農業担当者定例会を

2013 年 7 月から 2015 年 1 月まで 17 回実施している(活動 3-1)。定例会では、省栽培部、

郡 PMU の農業担当者、実証展示圃のモニタリング担当普及員、普及推進員、日本人専門家

が研修や栽培暦、マニュアルなどの意見交換を行っている。郡の農業指導の中心的役割を担

う若手の郡普及員に対し、「農業技術講師養成研修(Training of Trainers:TOT)」も 2 回実施し、

主体的に研修を実施できる能力の向上を図った。9 名が認定証を得、少数民族の言葉で農家

と対話できるまでに成長した普及員も育った。

プロジェクトが実施した研修に参加した、各 3郡のDPMU所属のCPC委員長及び副委員長、

コミューン普及推進員(モニタリングスタッフ)を対象としたアンケートの結果、全員(100%)

が「プロジェクトの農業分野の取り組み(実証展示圃の設置や WS、栽培研修会、農業担当

者会、有機質肥料製造実習、本邦研修、ガイドライン・マニュアル(作業中)などの普及ツー

ルの作成など)を理解した」と回答した。これらの状況から、本指標は達成したと判断された。

8  プロジェクトでは WUG の役員向けに農家説明会を実施し、整備完了後の施設の運用管理・点検・補修のポイントを説明してい

る(活動 2-3)。9 水利費の設定の仕方は、10,000 ~ 20,000VND/ 農家 / 作や、2kg の籾 / 農家 / 年など組合によってさまざまである。

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(2)指標 3-2: 研修実施機関〔植物防疫支局、農業普及センター(Agriculture Extension Centre:AEC)など〕において、研修手法が改善されたと評価する

本指標は以下の事項により達成したと判断される。

1)植物防疫支局

DB 省植物防疫支局(以下、「植防支局」と記す)は省内の植物防疫の活動や植物

に害を及ぼす病害虫防除を実施している。また、植物防疫に関する農業・林業普及活

動を実施し、農業生産開発に関する先進技術を調査・実証・活用・移転している。こ

れらの業務を進めるために、支局には国家レベルの総合的病害虫管理(Integrated Pest Management:IPM)講師が 2 名、MARD、DARD、植防支局で行われる研修を受講した

講師が 35 名在席している。毎年、支局は農家向けの栽培・植物防疫に関する能力向上

研修、コミューン推進普及員向けの栽培・植物防疫研修、農家向けの水稲、トウモロコ

シ、大豆などの栽培技術研修を実施している。

プロジェクトでは植防支局は以下の活動に参加した(活動 3-1 ほか)。

① 水稲栽培技術研修会や農業技術講師養成研修の講師

② 病害虫の虫見板の作成

③ 水稲、トウモロコシ、大豆の栽培マニュアル及び栽培暦の作成・コメント

④ プロジェクトの実証展示圃(水稲)の結果を評価する WS

植防支局は TOT も通常業務として行っているが、プロジェクト(NORRD)が実施し

た TOT と表3-5のとおり異なる。植防支局の講師はプロジェクトによる TOT を実施

する過程で、研修の計画及び資料作成に関する能力が向上され、特に、講師の技能や状

況対応技能などが改善された。栽培マニュアルや栽培暦の作成を通じ、植防支局職員の

研修計画や資料作成に関する能力も向上した。

表3-5 TOT の違い

従来型の TOT NORRD の TOT

・ 教室内で実施する

・ 技術的な内容を指導する

・ 宿題 / 課題で評価する

・ 教室での指導に加えて、フィールド訪問を行う

・ 技術的な内容に加えて、指導者としての責任や姿勢を教える

・ 質問票、テスト、フィールドでの実践などから総合的に評価する

出所:植物防疫支局でのインタビュー

2)DB 省 AECAEC は DB 省の DARD 傘下の組織で、農業普及事業を主管している。実証展示圃を使っ

た普及も従来から行っており、プロジェクトとは協力関係にある。AEC は以下の活動

に参加した(活動 3-1 ほか)。

① トウモロコシ・大豆栽培技術研修会

② 水稲、トウモロコシ、大豆の栽培マニュアル及び栽培暦の作成・コメント

③ プロジェクトの実証展示圃(トウモロコシ・大豆)の結果を評価する WS

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AEC の職員もトレーナーとしての経験は以前からあったが、プロジェクトによって

日本人の指導アプローチを学び、特に農家のニーズに基づいた研修実施能力や研修後の

モニタリング能力を向上させた。

(3)指標 3-3: 地方政府(省、郡、コミューン)及び関連組織などからのプロジェクト成果フィー

ドバックセミナー参加者の 75%以上がプロジェクトの成果を理解する

プロジェクトの成果を反映するガイドライン / マニュアルは、農民及び郡の関係者と農業

担当者会議や灌漑担当者会議などにおいて常時意見交換をしながら取りまとめられている

(活動 3-1)。この意見交換は、フィードバックセミナーの役割を果たしている。これに参加

している省(DARD)、パイロット郡、パイロットコミューンの各 C/P はアンケートなどに

おいて栽培分野は 100%、灌漑分野は 86%が「理解している」を選択している。これらの状

況から、本指標は既に達成されている。

(4)指標 3-4: パイロット郡以外の郡指導者の 60%以上がアクションプランは実行可能である

と評価する

プロジェクトでは、パイロット郡以外への成果の普及について情報共有を開始したところ

であり、アクションプランは今後作成される(活動 3-3)。ガイドライン / マニュアルの承認

と並行して、プロジェクト終了までに 3 郡以外の郡の関係者に対し、普及セミナーなどによ

り、アクションプランを説明することもプロジェクトで計画中である。これらの状況から、

本指標はプロジェクト終了までに達成されると見込まれる。

3-3 プロジェクト目標の達成状況

プロジェクト目標:パイロット郡において、市場志向の農産物の生産、ポストハーベスト、

販売の推進のための郡行政機関を中核とした体制の強化を通じて、農村開発が促進される。

指標:パイロット集落における 60%以上の農家の営農状態が向上10する。

以下の調査結果から、プロジェクト目標は既に達成されている。

プロジェクトでは全 3 郡 6 コミューンにおいて 785 戸の農家数を対象とし活動を実施してい

る11。プロジェクトによる 226 戸を対象としたサンプル調査の結果、対象農家の 99.1%が水稲の収

量を増加させたことが分かった。表3-6にサンプル調査結果を示す。

10 「営農状態の向上」の内容例として、生産量増加、コスト削減等が PDM の欄外に示されている。

11 NORRD データ(2014 年 12 月時点)

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表3-6 サンプル調査結果

アンケート

箇所

郡 Dien Bien Tuan Giao Muong Cha合計

(人)割合

(%)

コミューン Noong Het Thanh Hung Quai Cang Muong Mun Ma Thi Ho Muong Tung

集落 Team 18 & 19 Team 9 & 10 Sang Muong Mot Ho Chim 1 & 2 Pom Cai

回答農家数 38 34 40 46 25 43 226

プロジェクト

前後の収量

増加 38 32 40 46 25 43 224 99.1

変わらない 0 2 0 0 0 0 2 0.9

減少 0 0 0 0 0 0 0 0.0

出所:調査団作成

水稲、大豆、トウモロコシの詳細な達成状況は以下のとおりまとめられる。

(1)水稲

表3-7のとおり、実証展示圃での水稲栽培面積は 3 郡合計で約 18,000m2、収量増加率は

15.5%となった。

表3-7 水稲の収量変化

郡 名 コミューン名 分 類栽培面積

(m2)

収量の変化開始前収量

(kg/1,000m2) 収量増加率

(%)増 減 不変

現在収量

(kg/1,000m2)

Dien Bien

Thanh Hưng開始前

3,9200 0 0 553

12.4現在 10 0 0 622

Noong Hẹt開始前

3,4800 0 0 602

11.1現在 10 0 0 668

Muong Cha

Ma Thi Ho開始前

4,0200 0 0 390

25.0現在 10 0 0 488

Muong Tung開始前

2,8000 0 0 443

16.5現在 10 0 0 516

Tuan Giao

Quai Cang開始前

1,7050 0 0 475

12.4現在 10 0 0 534

Muong Mun開始前

2,0900 0 0 471

18.9現在 10 0 0 560

合計 18,015 15.5

出所:プロジェクト作成資料

DB 省の特に DB 郡のコメは食味がよく市場価格も他地域のコメよりも高いといわれてい

る。本調査での農家向けインタビューでは、販売価格に目立った差はなく、生産量を上げる

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こと、及びコストを削減することによる利潤の向上への農家の意欲が顕著に確認された12。

本プロジェクトでも生産コストの削減は「営農状態の向上」を示すものとして提示されてい

る。生産費の削減状況については、以下のとおり13。

① 播種量

上記指標 1-3 で記載したとおり、著しく播種量は軽減した。

② 農薬散布回数

総じて減っている。DB 郡では 10 回以上であったが、7 回程度に減少した。MC 郡

Muong Tung コミューンでは 6 回前後から 3 回前後に減少した。Ma Thi Ho コミューンでは、

もともと少ないが、さらに減少した。TG 郡では Quai Cang コミューンで 5 回から 4 回へ

と減ったが、もともと 3 回程度であった Muong Mun コミューンでは変わらなかった。

③ 施肥

上記指標 1-2 で記載したとおり、肥料の量が抑えられ必要要素のバランスがとれるよう

になった。

④ 間引き・補植作業時間

DB 郡と MC 郡のほとんどの農家が削減されたと答えたが、もともと播種量の少なかっ

た TG 郡では変わらないと答えた農家も多かった。アンケート結果を表3-8に示す。

表3-8 間引き・補植作業時間の変化

郡 名 コミューン名 分 類 栽培面積(m2)間引き補植時間 開始前

増 減 不変 現在時間

Dien Bien

Thanh Hưng開始前

3,9200 0 0 41

現在 0 10 0 32

Noong Hẹt開始前

3,4800 0 0 39

現在 0 9 1 31

Muong Cha

Ma Thi Ho開始前

4,0200 0 0 43

現在 0 9 0 32

Muong Tung開始前

2,8000 0 0 46

現在 0 10 0 32

Tuan Giao

Quai Cang開始前

1,7050 0 0 39

現在 0 7 3 34

Muong Mun開始前

2,0900 0 0 33

現在 0 2 8 32

出所:調査団作成

(2)大豆

大豆は、TG 郡のみ実証展示圃を設置している。本終了時評価による大豆の収量、施肥手法、

12 DB 郡モデル農家インタビュー

13 NORRD による聞き取り

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優良種子の播種技術に関する改善状況の聞き取り調査の結果、表3-9のとおりすべての農

家において改善がみられた。

表3-9 大豆栽培改善状況

郡 Tuan Giao

コミューン Quai Cang Muong Mun

集落 Cuong Muong1 区

対象作物 大豆 大豆

人口(2011 年) 680 459

全農家数 61 99

対象農家数 50* 55

回答農家数 51 46

プロジェクト目標

プロジェクト前後の収量

増加 51 46

変わらない 0 0

減少 0 0

病害虫の見分け方と防除

改善 51 46

少し改善 0 0

改善せず 0 0

施肥手法の改善(アウトプット 1、指標 1-2)

(1)肥料の利用方法

改善 51 46

少し改善 0 0

改善せず 0 0

(2)肥料の使用量

改善 51 46

少し改善 0 0

改善せず 0 0

(3)農薬の使用量

改善 51 46

少し改善 0 0

改善せず 0 0

優良種子の播種技術の改善(アウトプット 1、指標 1-3)

(1)土作りと播種技術

改善 51 46

少し改善 0 0

改善せず 0 0

(2)種子の播種量

改善 51 46

少し改善 0 0

改善せず 0 0

- 18 -

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(3)間引き・補植の時間

改善 51 46

少し改善 0 0

改善せず 0 0

* 同一世帯から複数名(例えば夫婦)が参加していた世帯があったと推察される

出所:調査団作成

(3)トウモロコシ

トウモロコシも TG 郡のみ実証展示圃を設置している。プロジェクトによるトウモロコシ

の収量、経済効果に関する調査14結果、表3- 10 のとおり TG 郡の 2 カ所の対象コミューン

の収量は慣行圃場と比較して増加している。支出総額も増加しているものの、所得は上がっ

ていると農家は納得している。

表3- 10 トウモロコシの経済効果

TG 郡 Quai Cang コミューン

項 目

収 入支出総額

(VND)

所得金額

(VND)収 量

(t/ha)単 価

(VND/kg)収入金額

(VND)

実証圃場 8.58 550,000 47,190,000 32,760,000 14,430,000

慣行圃場 6.11 550,000 33,605,000 30,245,000 3,360,000

差 2.47 13,585,000 2,515,000 11,070,000

TG 郡 Muong Mun コミューン

項 目

収 入支出総額

(VND)

所得金額

(VND)収 量

(t/ha)単 価

(VND/kg)収入金額

(VND)

実証圃場 8.68 550,000 47,740,000 24,275,000 23,465,000

慣行圃場 3.16 550,000 17,380,000 15,825,000 1,555,000

差 5.52 30,360,000 8,450,000 21,910,000

出所:プロジェクト作成資料

3-4 上位目標達成の見込み

上位目標:DB 省において、農村開発が促進される。

以下の情報から、プロジェクトや対象郡の一部は、既に DB 省パイロット郡以外の地域におい

て、プロジェクトで導入した技術が対象コミューン外で使われるための一歩を踏み出している。

外部条件が整えば、上位目標はある程度達成されると見込まれる。

14 2014 年 7 月実施

- 19 -

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(1)指標 1: 2020 年までに、本プロジェクトで策定された行動計画(アクションプラン)がパ

イロット郡以外の DB 省内の郡において DB 省と郡の行政機関により活用される

パイロット郡においては、既に表3- 11 のように、本プロジェクトの活動を対象サイト

以外のコミューンに展開・拡大する動きが確認されたため、本指標は、2020 年までに達成

される見込みである。

表3- 11 プロジェクト活動の拡大

パイロット郡 本プロジェクト活動の拡大の動き

DB 郡

・ 郡で実施する研修に本プロジェクトの技術内容を取り込み、既に 25 コミュー

ンで研修を実施した。

・ 有機質肥料の研修を受け実践している農家がパイロットサイト以外に対して製

造研修(Farmer to Farmer 研修)を行い、19 コミューンから約 40 名が参加した。

MC 郡

・ 2015 年の活動計画に「実証展示圃」と「研修活動」を含め、DPC の承認を得た。

予算額は 2 億 4,000 万 VND(約 132 万円)で、うち 1 億 800 万 VND(約 59 万円)

が研修に充当される。

・ 同計画は、5 つのコミューンで、それぞれ 1 地区を選んで実施する。各地区に

は、1ha ほどの実証展示圃を設置し、10 農家を対象に指導を行う(裨益農家数

は 50)。・ プロジェクトでの実践を基に、小面積の実証展示圃を設置して研修を実施し、

農家指導にはプロジェクトの TOT で養成された職員をトレーナーとして使う計

画。

TG 郡・ 2014 年、TG 郡の「実証展示圃」の成果を普及させるために、WS を 6 回開催し、

パイロットサイト以外のコミューンの区長や農業担当者を招いた15。

出所:PPMU、DPMU、日本人専門家へのインタビュー

上表の内容に加えて、3 つのパイロット郡において、プロジェクトで作成した栽培暦が

2014 ~ 2015 年の夏秋作では 35 コミューン、冬春作では 42 コミューンに既に配付されている。

このように、DB 省全体への普及の先駆けとして、対象サイト以外のコミューンに向けた活

動が展開されている。

(2)指標 2: 2020 年までに、DB 省において、水稲、トウモロコシ、大豆などの農業栽培技術

が理解されることにより、営農状態が向上する。

プロジェクトが対象とする農家数は、表3- 12 のとおり対象コミューン全体の 10%であ

る。今後の活動が DB 省全体にどのように普及し、営農状態の向上につながり得るか、把握

することはやや困難である。一方で、DARD は省の農業セクター 5 カ年計画に本プロジェク

ト活動の内容を含めることを考えており、パイロット郡以外の郡のコミューンにおいても営

農状態の向上が期待できる。よって、本指標は 2020 年までに達成される見込みである。

15  水稲・トウモロコシ・大豆についてそれぞれ各パイロットサイトで 1 回、合計 6 回実施した。1 回の WS には 60 ~ 70 名の農家

が参加し、約半数が対象コミューン外からの参加者であった。同様の WS は、DB 郡でも水稲について 5 月に実施する予定である。

MC 郡においても実施検討中である。

- 20 -

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表3- 12 パイロットコミューンの営農改善状況

郡 名 人 口全コミュ

ーン数

全世帯

数コミューン

コミューン

内の世帯数

コミューン

内世帯数合計区 区世帯数

水稲作付

世帯数

メイズ

作付世

帯数

大豆作

付世帯数

対象世

帯数

対象コミュー

ンのうち対象

世帯数割合

Dien Bien 113,651 25 26,929

Thanh Hung 1,676

3,755

チーム 10 71 70

208 5.6Noong Het 2,079

チーム 18 80 80

チーム 19 58 58

Tuan Giao 79,447 19 16,508Quai Cang 1,616

2,715

Sang 89 88

399 14.7Cuong 61 61 50

Moung Mun 1,099 Moung 1 99 85 60 55

Moung Cha 42,414 12 7,999Ma Thi Ho 680

1,433Ho Chim 2 114 111

178 12.5Moung Tung 753 Pom Cai 72 67

合計 235,512 56 51,436 7,903 7,903 644 501 179 105 785 10.0

出所:プロジェクト資料より調査団作成

(3)上位目標達成のための外部条件

PDM2.0 には、上位目標達成のための外部条件として、以下の 6 点が挙げられている。各

外部条件の現状、プロジェクト終了後の見通しは以下のとおり。

1)生産、ポストハーベスト、農業インフラ維持への DB 省の戦略が変更しない

策定中の次期 DB 省社会経済開発 5 カ年計画(2016 ~ 2020 年)においても現行の戦略

は継続される見込みである。さらに“Agriculture and Rural Development Strategy for Dien Bien Province in Period 2011-2015/2020 with a vision to 2030”においても重点分野とされている。

2)農産品の価格が大幅に下落しない

コメの市場価格は上昇傾向にある。また、DB 産のコメは、依然として人気があり、ハ

ノイまで流通している。また、ベトナム政府による貧困削減プログラムによって道路整備

が進み、DB 省内のマーケットへのアクセスは各段に改善されている。

3)(作物の生産に及ぼす)病害虫や洪水、干ばつなど著しい異常気象が起きない

これまでの実証展示圃での栽培において、いもち病、白葉枯病、トビイロウンカ、カメ

ムシが発生した。2013 年 12 月~ 2014 年 1 月にかけて発生した異常低温のため、発芽し

た稲が枯死するなど被害も出たが、DPMU メンバーの適切な対応により被害が最小限に抑

えられた。秋冬作のトウモロコシ栽培は天候の影響を受けるため、雨が少ないと生育に支

障が出るなど課題もある。栽培暦で天候に応じた対策に関する指導や、洪水に備えて代替

作物の栽培を推奨するなど、プロジェクト活動において天候リスクへの対処法を技術移転

している。

4)能力開発された職員が辞めない

研修などプロジェクト活動に参加した PPMU、DPMU メンバー、コミューンレベルの普

及員がこれまで辞めたという事項は確認されていない。今後の行政職員の定着についても、

部局内での昇進などによる異動はあるものの、全体として多くの職員がとどまる可能性が

高い。

5)DB 省の大幅な人員削減がなされない

PPMU、DPMU メンバーは途中で数名交代したものの、これまで DB 省に大幅な人員削

減がなされた、という事項は確認されていない。

- 21 -

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6)DB 省の農業関連予算が大幅に減額されない

DB 省 DARD の予算は表3- 13 のとおり、DARD の計画額と実績額は過去 5 年間増加

傾向にあるが、計画額に対する実績額の割合は 2013 年以降下降傾向にある。プロジェク

ト終了後の DARD の予算措置については、中央政府から DB 省への予算配賦による。

表3- 13 DARD の予算傾向

年計 画

(1,000 VND)

実 績 *(1,000 VND)

計画額に対する

実績額の比率(%)

2010 5,149,850 5,992,683 116.3

2011 6,118,000 6,151,001 100.5

2012 8,550,000 10,467,791 122.4

2013 8,100,000 7,489,218 92.4

2014 10,523,790 8,409,000 79.9

2015 10,600,900 7,149,000 67.4

合計 49,042,540 45,658,693 93.1

*2010 ~ 2013 年は補助金が配布されている。特に 2013 年は農業分野の職業訓練にかかる補助

金が中央政府から配布された。

出所:DARD

3-5 実施プロセス

3-5-1 報告システム

プロジェクト(日本人専門家)は以下のとおり JICA ベトナム事務所に対し報告を行っている。

① 半年ごとのプロジェクト管理概要表の提出

② プロジェクトリーダーによる半年ごとの進捗報告書及び事業完了報告書提出

③ 長期専門家による業務完了報告書提出

④ 短期専門家による業務完了報告書提出

JICA ベトナム事務所はこれら報告書、日本人専門家や C/P との議論を通じプロジェクトの進

捗を把握し、必要に応じ支援を行っている。

3-5-2 意思決定とモニタリングのメカニズム

JCC はプロジェクトの最高意思決定機関として以下のとおり実施されている。

第 1 回 2011 年 6 月 23 日: ①パイロット郡及びコミューンの選定、②プロジェクトの活動、

③第 2 回 JCC における PDM Ver. 1.0 の改訂について承認された。

第 2 回 2013 年 3 月 15 日:中間レビューとともに実施され、PDM Ver. 2.0 に改訂がなされた。

第 3 回 2014 年 3 月 18 日:活動報告と次年度の計画協議がなされた。

第 4 回 2015 年 2 月 12 日: 終了時評価調査とともに実施され、合同評価レポート内容が承認

された。

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3-5-3 省及び郡のプロジェクト管理組織(PMU)会議

省レベルの PMU 会議は必要に応じて随時 DARD 事務所にて開催されている。また郡レベル

の PMU 会議は各郡の PMU 事務所で毎月開催されており、関係者間の定期的なプロジェクトの

モニタリングがなされている。プロジェクトはチームとして密なコミュニケーションをとり合

い、いつ、どのような問題が生じてもともに解決している。

3-5-4 農業担当者会定例会と灌漑担当者定例会

プロジェクトは 3 郡の DPMU 農業担当、コミューンレベルの普及員、日本人専門家で構成

される農業担当者会を、2013 年 7 月から 2015 年 1 月まで計 17 回開催してきた。同会では、各

郡もち回りの現地調査と「PH・EC 測定実習」「土づくり」「生育ステージと施肥」「病害虫、雑

草対策」などの研修や栽培暦、「農業普及ガイドライン・水稲 / トウモロコシ / 大豆栽培技術マ

ニュアル」の作成に関する意見交換などを行っている。灌漑分野では、省の水利担当、3 郡の

DPMU 水利担当、日本人専門家によって灌漑担当者定例会が構成され、原則月 1 回、これまで

に 12 回の定例会が開催されている。会議では、活動のレビューと計画が共有され、活動を反映

した「農民組織による水管理改善ガイドライン・マニュアル」を共同作成している。

3-6 中間レビュー調査時の提言への対応

2013 年 3 月に実施された中間レビュー調査の結果、協力期間後半のプロジェクト活動の円滑

な実施に向け、技術的側面及び運営管理に関する 6 つの提言がなされた。各提言とプロジェク

トの対応に関する詳細は付属資料 7 を参照のこと。

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第4章 評価 5 項目による評価

4-1 妥当性

以下の要因から、本プロジェクトの妥当性は「高い」と評価される。

(1)ベトナム政府の政策・制度との整合性

ベトナム政府は社会経済開発 5 カ年計画(2011 ~ 2015 年)において、「経済成長維持のた

めには、高付加価値経済活動の割合を高めるための経済構造改革、少数民族の生活向上、環

境保護の強化、自然災害に対する耐性を強化し、気候変動による影響を最小にとどめること

が必要である」とし、貧困状態にある辺境地、山岳地、少数民族地域に暮らす国民の生活向

上をめざしている。重点地域にはプロジェクトの対象地域である DB 省も含まれている。農

業分野については、農業への投資を増加させ、新しい農村モデルの構築をめざすことが謳わ

れており、食糧安全保障を実現するために、機械化の促進、農村部や稲作農家への支援策を

打ち出すことで 381 万 2,000ha の稲作面積を保持することを目標としている。農業農村開発

セクター 5 カ年計画(2011 ~ 2015 年)においても、コメ、大豆、トウモロコシなどの生産

量を増加させることを目標としている。以上のことから、本プロジェクトの方向性はベトナ

ム政府の政策と合致していることが確認された。

(2)日本の開発援助政策との整合性

日本国政府の対ベトナム社会主義共和国国別援助方針(2012)では、援助重点 3 分野の 1つに、成長の負の側面に対処すべく「脆弱性への対応」を掲げており、脆弱性への対応の 1つとして、貧困削減、格差是正を図るため「農村・地方開発」の支援を謳っている。事業展

開計画(2013)においても、本プロジェクトは、農村部の持続的な経済振興を図ることを目

的とする「農村・地方開発プログラム」に貢献するものと位置づけられていることから、本

プロジェクトとわが国の援助政策の整合性は確保されている。

(3)対象地域・受益者ニーズとの合致

1)DARD の開発ニーズとの整合性

DB 省は国内でも最も貧困率が高い地域である16。省の人口の約 85%が農村部に居住し、

多くが農業に従事している。個人所得に占める農業分野の割合は減少傾向にあるが、いま

だに 40%ほどを占めており、農業は重要なセクターである17。DB 省は、人口の 8 割が少数

民族で占められており、DB 省内の郡においても DB 郡とそれ以外の経済格差が存在し18、

DARD は農業による地域格差是正をめざしている。DARD は、中央政府の政策の下、コメ

生産量の増加及び農地の効果的な利用を目標にして、トウモロコシや大豆などの代替作物

16  個人所得(月額)は全国で 2 番目に低く、819,400 VND/ 月、ハノイは、2,944,900 VND/ 月である(Household Living Standards Survey 2012 年)。DB 省の貧困率は 50.8%で全国最下位。ベトナム全国では 14.2%(Household Living Standard Survey2010 年)。

17 Household Living Standards Survey 2011 年

18  ベトナム国北西部山岳地域農村生活環境改善マスタープラン作成調査(2008 年)によると、最も貧困率の低い Dien Bien Phu 市

は 3.88%であるが、DB 郡は 39.5%、MC 郡は 45.81%、TG 郡は 57.22%であった。

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へ栽培転換することを基本的な方針としている19。

灌漑設備については、既存の灌漑施設を改善・強化し、灌漑受益面積の拡大をめざして

いる20。さらに、DARDは山岳地域や貧困地域のコミューンにおける普及指導を強化すべく、

2011 年からコミューンレベルの普及員の増員を行っている21。こうしたことから、本プロ

ジェクトは DARD の開発ニーズに適合している。

2)普及員のニーズとの整合性

普及員は、郡及びコミューンレベルにそれぞれ配置される22。対象地域では、農家自身

による技術習得・能力向上は難しく、また、農家間の連携は十分でないため、農業生産の

向上における普及員の役割は重要である。しかしながら、普及員が研修・訓練を受ける機

会は限定的で、技術的な知識及び普及指導能力は十分なレベルに達しておらず、普及員の

能力を向上させるニーズが高かった。こうした状況において、本プロジェクトは実証展示

圃における実践的な指導、研修の実施、指導員の養成などを通じて、技術的・科学的な栽

培知識、農家への指導方法、WS の運営方法などの技術移転を行った。このような指導は、

普及員のニーズに高く応えるものである。灌漑分野については、従来から農民参加による

灌漑スキームは点在していたが、組織的な運営が十分になされていなかった。しかし今後、

ベトナム政府は灌漑運営への農民負担をさらに増していく意向を有しており、参加型水管

理を促進するニーズがあった。したがって、プロジェクトが参加型水管理の効果的な運営

方法を指導することは、灌漑担当職員のニーズに一致する。

3)農家のニーズとの整合性

対象地域の農家は農業生産において技術的な課題を抱えているが、技術・知識を獲得す

る機会が限られている23。そのため、従来型の栽培方法

24が広く行われ、収量の増加、生産

性の向上を改善する余地が大きかった。本プロジェクトは、各郡の栽培課題に基づいて

研修を計画し、郡やコミューンの普及員の現地訓練(On the Job Training:OJT)を兼ねて、

農家に対して直接的な技術指導を実施している。研修を通じた栽培技術の習得は、学習機

会が限られるなかで収量の増加及び生産性の向上を希望する農家のニーズに応えるもので

あり、継続的な研修実施が望まれている。灌漑分野については、政府によって灌漑スキー

ムが整備されている場所は限定的である。中央政府からコミューンレベルにわたって「管

理ガイドライン」も存在していたが、管理プロセスは具体的でなかった25。プロジェクト

は参加型水管理の手法を移転することで農民の主体的な参加を促進し、その結果、施設を

整備する箇所や水利費の額などについての規約が農民の合意に基づいて決められた。この

ような住民主体の水管理は農民のニーズに沿っており、理解を伴って受け入れられている。

19  質問票への DARD の回答に基づく。2014 ~ 2015 年の計画では、水稲栽培面積 15,000ha から、トウモロコシ面積 5,000ha、大豆

面積 1,000ha へ転換し、2016 ~ 2020 年では、水稲栽培面積 85,000ha から、トウモロコシ面積 25,000ha、大豆面積 6,000ha への転

換を計画している。20

 質問票への DARD の回答に基づく。2015 年までに受益面積を 1,000ha 増加し、水路 417km を強化することを計画している。21

  1 コミューンに 2 名の普及推進員を配置する計画である。現時点は、130 コミューンに 229 名の普及推進員が配置されている。

大半は専門学校を卒業している(質問票への AEC の回答に基づく)。22

  郡の普及員は、郡の「農業農村開発部」の下にある「農業振興ステーション」に所属する。コミューンの普及員(普及推進員)は、

各コミューンに直接雇用される。23

 本プロジェクトが 2012 年 9 月に実施した世帯調査において当課題が明らかになった。24

 例えば、水稲栽培では種植えは「散播」によって行われ、その後の間引き・補植に多大な労力をかけている。25

 MC 郡 PMU 聞き取り

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Page 48: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

以上のことから、本プロジェクトの内容は、対象地域の省レベルから農家に至る各層のニー

ズに沿ったものであると考えられる。

(4)計画の妥当性

中間レビュー調査の結果、当初の PDM は、プロジェクトの達成度を測るうえで、指標の

内容や評価対象者、目標値など、論理性、かつ実現可能性の観点から問題があると判断され

た。そのため、上位目標及びプロジェクト目標である「農村開発の促進」を測る指標を、当

初の「農業粗利益・生産量の増加」から「営農状態の向上」という総合的な指標に置き換え、

アウトプットの指標もそれぞれ明確にした。その結果、プロジェクト活動の方向性が定まり、

かつ農家が達成し得るレベルに応じて指標を設定できるようになり、プロジェクト関係者は

着実に日々の活動に取り組むことができたことが確認された。

4-2 有効性

以下の要因から有効性は「高い」と評価される。

(1)プロジェクト目標の達成見込み

上記3-4で示したとおり、これまでのプロジェクトは農家の水稲、大豆、トウモロコシ

の生産量増加に貢献してきた。プロジェクト目標の指標に照らし合わせれば、プロジェクト

目標は達成したといえる。成果未達成でのプロジェクト目標達成であることから、当初の予

想を超える指標間の相乗効果により、評価時点の指標達成度にもかかわらず、プロジェクト

目標が実現したと推測される。

(2)アウトプットの達成によるプロジェクト目標達成への貢献

プロジェクトは「農家の栽培技術の向上」、「水管理の向上」、「普及員など行政組織の能力

向上」を通じ、農業を主体とした農村開発をめざしている。実証展示圃に整備した灌漑用水

が安定的に供給されている。郡普及員とコミューン普及員の栽培指導が向上し、農家との信

頼関係が強化されている。よって、3 つのアウトプットはプロジェクト目標の達成へ大きく

貢献していると判断される。

4-3 効率性

以下の要因から、効率性は「やや高い」と評価される。

プロジェクト前半は、日本・ベトナム国側双方において必ずしも適時に派遣可能な専門家が確

保されず、また C/P も配置されなかったため、十分な活動が実施できなかった。プロジェクト中

盤以降、それらが大きく改善され、効率性は高まった。

(1)各アウトプットの達成状況

上記3-4で示したとおり、現時点でそれぞれのアウトプットはほぼ達成、もしくはプロ

ジェクト終了まで達成されると見込まれる。

(2)投入

日本側、ベトナム側からなされた投入(人材、資機材 / 施設、資金)の質、量、タイミン

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Page 49: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

グは以下のとおりであった。

1)日本側投入

中間レビュー時以降、農業普及の専門家が切れ目なく派遣されており、栽培サイクルに合

わせた技術指導や、マニュアル開発が顕著に進められている。灌漑分野の専門家は、郡の水

利担当者、農家はもとより、施工管理を行う業者に対しても技術指導を行い、工事の質を担

保した。条播機など供与した機材は有効活用され、適切に維持管理されている。プロジェク

ト車両は他プロジェクト26と共有され、有償資金協力

27で設立されたコミュニティセンター

が農業担当者会議などで活用される、といった連携事例も確認された。

本邦研修へは、灌漑分野は「小規模灌漑施設整備」(2011 年 9 月)、農業分野は「日本に

おける農業普及事業に関する研修」(2013 年 8 月)など、延べ 27 名の PPMU 及び DPMU メ

ンバーが参加した。研修員は農家のニーズや課題を把握しながら実施する日本の農業普及活

動や水管理の現場を実際に見て学んだことで、プロジェクトの方向性をより理解することと

なった。

2)ベトナム側投入

2012 年に数名の DPMU メンバーが交代した以降はメンバーも定着し、プロジェクト活動

に積極的に取り組んでいる。提供されている専門家のための執務室、光熱費、国内の日当

など適切に支出されている。PDM には記載されていないが、パイロットサイトの一部には、

農民が自主的に灌漑施設を整備する農民施工もなされたパイロットサイトもあった。

4-4 インパクト

以下の要因からインパクトは「やや高い」と評価される。

(1)上位目標の達成見通し

本プロジェクトの上位目標は「2020 年までに普及のためのアクションプランがパイロット郡

以外の DB 省で活用され」、「水稲、トウモロコシ、大豆などの栽培技術が理解され、営農状態

が向上すること」である。上記3-4で示したとおり、プロジェクトでは既に非対象コミュー

ンにおいて、モデル農家による有機質肥料の製造研修(実習)、製造に関する農家による実演指

導、実証展示圃の成果普及のための WS、並びに水稲栽培暦の配付と説明会などさまざまな取り

組みを実施している。

他方、DB 省は 1 市 1 町 8 郡、52 万 7,000 人の人口を有し、その 85 %(44 万 8,000 人)が農

村部に居住し28、タイ、モン族など少数民族も 80%近くを占める特殊な地域である

29。このよう

な背景のなか、全対象コミューンに対するプロジェクトが対象とした農家の割合は 3 郡で平均

10%である(上表3- 12 参照)。

DB 省の全地域で水稲、トウモロコシ、大豆が栽培されているとは限らず、また、2015 年度

予算でプロジェクトの成果をほかのコミューンに拡大する計画が既に承認された郡もあるなど、

普及はある程度進むと見込まれる。外部条件が満たされれば、5 年後までに上位目標がある程度

達成することが期待できる。

26 北西部水資源地域における持続可能な森林管理プロジェクト

27 貧困地域小規模インフラ整備事業(SLP6)

28 Statistical Year Book of Vietnam, 2013

29 詳細計画策定調査報告書(2009 年 11 月

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(2)政策面でのインパクト

2014 年 6 月に始まったゲアン省農業振興プログラムにおいて、ゲアン省人民委員会の幹

部と DARD 職員が本プロジェクトにおいて現地研修を実施した際、本プロジェクトの C/P自らがプロジェクトの経験について説明・質疑応答を行った。その際、C/P は山岳地域の少

数民族への生計向上支援の難しさについて伝え、ゲアン省の農業振興プログラムにおけるマ

スタープラン策定に影響を与えた。

(3)技術面でのインパクト

TG 郡の植物防疫ステーションは、プロジェクト活動によって、農家によるパネルディス

カッション方式のワークショップ運営方法を学んだ。その後、植物防疫ステーションは同手

法を本プロジェクト外の通常業務に取り入れ、3 名の農家をパネラーとして IPM の WS を開

催している。

(4)環境、経済・社会的なインパクト

プロジェクトでは「ボカシ」などの有機肥料の製造・利用方法を普及したが、そのことが

化学肥料の使用量の減少につながり、土壌が改善したり、収穫残渣(もみ殻)や焼却物が減

少した。コメの収量が増加したことで、通年のコメ自給が可能となり借金がなくなったこと、

畑作を主とした自給自足的経済を営むモン族が、コメの生産技術の改善により、プロジェク

トが推奨している水稲の冬春作(二期作)に取り組む面積が増加傾向となる30など、生産活

動の面でのインパクトが複数確認された。経済面では有機肥料を製造し販売を始めた農家や

灌漑施設整備により水田のみならず養殖池への水供給も改善された農家が確認された。

(5)ネガティブインパクト

本調査中にプロジェクトからのマイナスのインパクトは確認されなかった。

4-5 持続性

以下の要因から持続性は中程度と評価される。

(1)政策面

ベトナム政府のDB省を含む北西部地域における農作物の生産量増加を重視した政策31や、

少数民族支援を目的とした貧困対策プログラムは今後とも実施されていくものと見込まれて

いる。

(2)組織面

プロジェクトの活動は DARD の所管範囲に合致しており、植物防疫支局や AEC など関係

機関との連携も研修やマニュアル開発などを通じ強化されてきた。郡レベルにおいても、郡

30 Muong Cha 郡 Ma Thi Ho コミューンの冬春作水稲作付けの拡大状況(単位:m2)

年 2011-2012 2012-2013 2013-2014

作付面積 8,387 28,268 47,479

出所:プロジェクト資料31

 農業農村開発セクター 5 カ年計画(2011 ~ 2015 年)

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人民委員会と植物防疫ステーションが連携しながら普及活動を実施していく体制が強化さ

れ、プロジェクト終了後もその関係が維持されることが期待される。

(3)財政面

DARD の予算は前述のとおり過去 5 年間増加傾向にあるが、プロジェクト終了後の予算措

置については、中央政府から DB 省への予算配賦によって中身が決まる。DARD は、省農業

セクター 5 カ年計画に本プロジェクト活動内容を含めることを予定しており、策定中の次期

DB 省社会経済開発計画においても生産、ポストハーベスト、農業インフラ維持が現行の省

戦略を維持し、DB 省農業農村開発戦略上でも重点分野となっていることから、一定の予算

配賦が期待できる。

(4)ターゲットグループのオーナーシップ

本プロジェクトの主たるターゲットは郡やコミューンレベルの普及員である。特に中間レ

ビュー以降、栽培暦の開発、栽培研修、WS などが普及員の主体性をもって実施され、オー

ナーシップが醸成されたことが確認された。灌漑分野においても、普及員は技術協力プロジェ

クトにおける人材育成の趣旨を十分理解し、施設整備と併せ WUG の組織強化を進め、住民

の意向を尊重しながら適宜支援していく姿勢が確認された。こうした意識の変化は顕著であ

り、プロジェクト終了後も継続されると見込まれる。

(5)知識と技術

郡、コミューンレベルとも、普及員の栽培技術はこれまで一般的なものであり、圃場の外

から指導するなど、農家とのコミュニケーションは必ずしも密にとられているとはいえな

かった。プロジェクトによる研修や栽培マニュアル、栽培暦の開発などの活動を通じ、彼ら

の技術面、コミュニケーション力は飛躍的に向上した。プロジェクト終了後、「課題が生じ

た際は普及員に頼る」との全インタビュー対象農家の声は、普及員の知識と技術の向上及び

プロジェクト活動を通じた関係性の強化とその持続性を表しているといえる。

4-6 効果発現にかかる貢献・阻害要因

(1)効果発現に貢献した要因

1)農家のニーズに基づく研修導入

従来の一般的かつ概略的な研修と異なり、プロジェクトでは各地域の農家の課題を踏ま

え、地域性も十分に検討し、ニーズに基づいた研修を実施した。このような研修によって

細やかな栽培技術を移転してきたことは、各対象農家の収量を上げる大きな要因となった。

研修では科学的かつ体系的な栽培技術を作物の生育段階に応じて分かりやすく伝えた。そ

のため、モデル農家及び周辺の一般農家の技術が栽培プロセスごとに向上したことが確認

された。

2)定例会、各研修を通した普及員の能力育成

プロジェクトはほぼ毎月、農業担当者定例会を実施し、郡普及員が栽培技術や知識・経

験を共有し、コミュニケーションを向上させる機会を提供した。普及員は定例会で得た知

識を自らの現場の活動に生かし、より幅広くかつ柔軟に課題に対処できる能力を身につけ

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ることができた。若手普及員に対しても農業技術者養成研修を行い、各郡の水稲栽培研修

会において研修アシスタントとして経験(実習)を積み重ねている。プロジェクトでは、

2014 年 /2015 年冬春作から、郡の職員が講師として栽培研修会を実施している。

3)少数民族言語による農民研修実施

Farmer to Farmer 方式で実施した研修はタイ語など少数民族の言葉で行われた。少数言

語を使用することで、農家の理解を促進すると同時に、パイロット農家の自信につながる

効果が確認された。

4)OJT アプローチによる組織強化

灌漑分野では、施設整備をしながら参加型水管理手法を伝えた。組織化並びに組織強化

を行う OJT 的なアプローチが、DPMU 水利担当者や住民の従来の受け身の姿勢を効果的

に変えたといえる。また、灌漑整備終了後に降った大雨で土砂災害が起きた際、プロジェ

クトの研修を受けた WUG の農家が自主的に灌漑の復旧作業を農民施工により行った。こ

れを契機に農家は主導的に責任分担をして施設補修・施設管理をするようになった。

5)C/P の主体的参加による研修実施に関する技術移転

C/P に対する研修実施のための準備に関する技術移転も、C/P の主体性を醸成するうえ

で効果的であったといえる。

(2)効果発現にかかる阻害要因

寒害など天候不順により病気が発生し、プロジェクトが移転した技術を用いても思うよう

に作物が育たない地域や、伝統的な栽培方法から新しい方法に容易に移行できない農家もあ

ることが確認された。

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第5章 結論

これまでのプロジェクトの、特に中間レビュー以降の活動が改訂版 PDM に沿って遅滞・障害

なく実施され、期待された成果やプロジェクト目標達成に向けて着実に進捗してきたことを確認

した。評価結果は、持続性こそ中程度だが、残り 4 項目は、高い、やや高いと評価でき、したがって、

今後の継続的な努力によりプロジェクト終了までにその目標が成功裏に達成されると見込まれる

ことから、本プロジェクトは予定どおり終了することが適切であるものと調査団は結論する。

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第6章 提言

本プロジェクトに対し、以下の提言を行う。

(1)上述のとおり、プロジェクトは DB 省の発展に向けてプロジェクト目標を達成した。プロ

ジェクトの成果を持続させるためには、プロジェクト終了後も DARD は栽培暦の印刷、定

例会の開催、研修の実施、普及員の活動経費などのための予算を確保するよう努力すべきで

ある。

(2)ガイドライン / マニュアルについて以下を行うこと。

1)ガイドライン / マニュアル(農業普及)をパイロット郡内の CPC 農業担当者へ説明。

2)ガイドライン / マニュアル(水管理改善)をパイロット郡内の CPC 水利担当者と IMC 担

当者へ説明。

3)上記ガイドライン / マニュアルをパイロット郡内の CPC と IMC へ配付。

(3)プロジェクトにより策定されたガイドライン / マニュアルは、他コミューンへの普及のた

めにも早急に DB 省 PPC/DARD によって承認されるべきである。

(4)事後評価がプロジェクト終了後 5 年以内に行われることになっている。上位目標の達成度

を定量的に評価するために、プロジェクトは以下の基本的なデータの収集を開始すべきであ

る。

①稲、トウモロコシ、大豆の栽培面積と単収

②野菜など他作物の種類

③肥料、農薬、種子の種類と使用量

④農家収入

⑤水利組合の数、他

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第7章 教訓

本プロジェクトから得られた教訓は以下のとおりである。

(1)プロジェクトの開始当初は日本人栽培 / 普及専門家のリクルートが進まなかったこともあ

り、プロジェクトの円滑な実施がやや困難であった。プロジェクトフレームワークをつくる

際は、日本人専門家が容易に確保できるかどうかも十分に検討すべきであった。

(2)以前は、普及員は一方的に農家を指導していた。プロジェクトで行った対象 3 郡もち回り

の農業担当者会は普及員の幅広く実践的な知識の習得や普及員間のコミュニケーションの醸

成に効果的であった。日本人専門家が実証圃で直接農家に指導する姿も普及員の従来の受け

身の姿勢を変えるうえで大きな影響を及ぼした。

(3)栽培マニュアルは日本の知識経験と併せ、既存の研修機関の知識、農家の知識や経験も踏

まえて作成された。こうした活動に参加することにより、普及員は地元に昔からある技術に

も目を向けそれらを吸収し、現場の活動に効果的に応用するようになった。農家とのコミュ

ニケーションも密になり両者の信頼関係も高まった。

(4)ベトナムでは普及員になるための研修システムが不十分であり、かつ、事前研修を充実さ

せるのも困難な状況において、上述したような OJT による能力強化は効果的であり、他の

農村開発プロジェクトに適用できるものである。

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第8章 団員所感

8-1 団長所感

2012年の中間レビューに参加して以来 2年ぶりに本プロジェクトを訪れた。中間レビュー時は、

種々の理由によりそれまでのプロジェクト活動が遅れていたが、その後の活動の進展はめざまし

く、終了時評価時点で成果の一部の指標が未達成の部分はあるが、プロジェクト目標は達成され

ていると判断した。これは日本人専門家をはじめベトナム側 C/P や関係者の努力の結果であり、

心より敬意を表したい。対象 3 郡の 6 パイロットコミューンにおいては、集中的な指導がなされ、

周囲の農家やコミューンにとってもモデルとなるような成果(収量増、生産コスト削減、水管理

改善など)が出ていることを確認した。モデル農家からは、自分がリードしながら新しい技術や

ノウハウを周辺農家へ伝播していくのだという気概が感じられ、周辺農家も技術を学ぼうという

意欲を見せていることなど、まさに、農家のニーズに合った協力であったことを再認識した。

本プロジェクトの大きな成果の 1 つは、当事者(農民及び普及員)が受け身でなく積極的に活

動に参加しようとする姿勢に変化したことが挙げられる。ベトナムでは上からの命令・指導に

よって物事が進むことが多いといわれているが、例えば WUG の設立や運営においても、農民が

皆で意見を出し合い、話し合いによって種々のルールなどを民主的に決めていくプロセスが採用

された。また、普及員もより現場を重視した手法を学ぶことによって、農民との距離が一層近く

なったことも、今後この地域の農業が発展していくうえで、大変有意義なものであると考える。

以上のような成果を上げ、プロジェクトは予定どおり終了することとなるが、いかにこの成果

を DB 省全体に広げていくかが今後の課題となる。パイロット地区だけが箱庭のように輝いて周

囲に広がっていかないということにならないようにしなければならない。この点については、ベ

トナム側が今後も引き続き主体性をもち続けるかにかかっている。特に、活動に必要な予算や機

材は大きな部分が日本側から手当てされていたことを考慮すると、プロジェクト終了後は相当の

覚悟をもって取り組まなければ活動が停滞することになりかねない。

本プロジェクトの C/P である DB 省 DARD 局長によれば、本プロジェクトの成果は省の農業・

農村開発にとって有効なものであり、同省の農業開発 5 カ年計画においても本成果を取り込んで

いきたいとしていることなど、先方の積極性は感じられることから、政策的には成果は引き継が

れることになるであろう。また、持続性の観点で最も重要とされる予算であるが、同局長から、

予算や人員についても農村部の住民の生計向上は重点分野であるため、引き続き確保していくと

の表明があった。本プロジェクトを振り返ってみると、確かにアフリカ諸国や隣国のカンボジア

やラオスとの比較においては、先方の負担事項はある程度満たされている。今後も予算が確保

され続けていくことを期待したいが、DB 省の予算については中央に依存しており、省独自では

コントロールできない面もあるため不確定要素があることも事実である。2013、2014、2015 年

の予算をみてみると、計画額は伸びているものの、配賦額は計画額に対しそれぞれ 92%、80%、

68%と査定によるカット率も増加しており、成果の継続・発展に必要な額が将来にわたって実際

に配賦されるかどうかを注視していく必要がある。1 つの方法として、ベトナムの他の JICA 関

係プロジェクトで行ったように、PPC からの文書を取りつけ、予算の裏づけを確認しておくこと

も有効であろう。

最後にプロジェクトの実施体制について一言述べると、技術協力プロジェクトの成否はさまざ

まな要素によって左右されるが、1 つは、日本人専門家が必要な分野にきちんと配置されること

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が必要である。本プロジェクトでは、教訓にも述べられているように、プロジェクト前半におい

て適切な栽培 / 普及の専門家の派遣の問題があり一部の活動は停滞した。後半になってようやく

シャトル型の専門家を確保し挽回に努め、最終的には成果を達成することとなったが、効率性に

少なからず影響を与えた。過去にも他プロジェクトにおいて同様の事例はみられることから、プ

ロジェクトを形成する際には、先方のニーズを勘案するだけでなく、日本側の専門家の派遣の可

能性も検討したうえでフレームワークを作成しなければならない。場合によっては、協力対象分

野の縮小や変更も柔軟に検討することが必要である。

8-2 総合農村開発担当団員所感

中間評価時の総合農村開発担当団員所感では PDM におけるプロジェクトのアウトプットごと

に、中間評価時に確認されたこと、その後の課題及びその対応案について記述していた。終了時

評価における当該団員所感では、中間評価時の内容と対照するため、NORRD の活動成果等の所

感について PDM のアウトプットごとに記述する。

(1)作物栽培に関して生産・ポストハーベスト・販売手法の改善

中間評価時の当該団員所感では作物の品質、生産性の向上について持続可能な手法の採用

についての必要性を指摘していた。パイロットサイトの農家は生産量の向上、生産コストの

低減に対する要望が高く、NORRD ではその点を考慮して活動が行われてきた結果、終了時

評価時において営農方法の改善を通してすべてのパイロットサイトで水稲、大豆、トウモロ

コシの収量が増加し、生産コスト及び労力が低減されたことが確認された。また、NORRDによる営農方法の指導は、絵や写真を多用した資料と実際に圃場において実践的な指導によ

り行われ、モデル農家、研修機関である植物防疫支局、AEC のインタビュー結果では栽培

暦、虫見板、マニュアル、実地による指導等は理解しやすいと好評である。今後他のコミュー

ンに対してもマニュアルを説明していく予定となっているが、栽培暦は既に他のコミューン

への配付が始まっている。営農指導等を通じて農家と普及員の交流も増え、双方の積極性、

主体性の向上につながっている。Noong Het コミューンの現地視察においては、モデル農家

以外の農家も NORRD が指導した営農手法を実践する意欲があることをモデル農家から聞い

た。数世帯の農家は自発的に NORRD の営農手法にならって耕作を始めているようである。

技術的な習熟が必要であるため、現在は夏秋作のみで実施しているようであるが、今後冬春

作においても実施されるようになることが期待される。NORRD の営農手法を実践したいと

思っている周辺農家は、営農手法の転換に係る障害の 1 つに営農手法の習熟に時間を要する

ことを挙げているようである。普及資材等に要する予算があることが前提となるが、積み上

げた実績を基に NORRD の営農手法のメリットを説いていけば、自発的に広がっていく可能

性が大きいと感じた。

(2)水資源配分及び灌漑インフラ管理の改善

中間評価では、すべてのパイロット集落において WUG の設立、灌漑管理の規則の制定が

行われていなかったため、各灌漑系統を適切に維持管理するために早急な WUG の設立及び

規則の制定が必要であるという提言がなされており、技術団員所感でも同様の点を指摘して

いた。終了時評価時点では、一部未制定であった WUG の規約も全農家が参加する WS を通

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Page 58: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

して農家の理解を深めながら内容を決めていき、すべてのパイロットサイトにおいて WUGの設立、WUG 規約が制定された。WUG で構築した維持管理体制の下、既に清掃活動等の

維持管理活動を始めているパイロットサイトもある。農地の単位面積に応じた賦課金を設定

しており、一部のコミューンでは徴収も始まっている。従来から参加型水管理に似た取り組

みがあったコミューンもあるようだが、NORRD による WS や現地での指導等を通じて農家

を組織的に管理活動に参加させることに成功している点で従来と異なっているようである。

専門家の提案により、大雨により被災した完成済みの灌漑施設の復旧に直営施工を導入する

など、農家の主体性を醸成する取り組みも行われた。DB 郡のパイロットサイトの現地調査

では水利担当者が、参加型水管理を通して農家同士が情報を共有し合い、主導的に活動して

もらえるようになったと話しており、NORRD の活動により農家の姿勢に変化が現れている

ことを現地でも感じられた。灌漑施設改善工事は 2015 年 1 月に全パイロットサイトで完了

したばかりで、これから WUG の維持管理活動が実践される所もあるが、順調に活動が行わ

れることが期待される。

(3)行政機関の能力向上

中間評価時の当該団員所感では関係機関との情報共有及び普及手法に関する意見交換の必

要性について指摘していた。農家への技術研修を担当する植物防疫支局、AEC の職員に対

して NORRD から研修方法に関する指導を行ってきた結果、普及担当職員は NORRD による

指導内容をよく理解したほか、研修企画力も向上している。中間評価以降は、2013 年 7 月

より計 17 回農業担当者により研修方法等に関して定例会を継続的に実施している。栽培や

普及等に関する技術的な意見交換の場となり、パイロットサイト間の普及員や農家等の交流

が進んでおり、農業担当者会関係者へのインタビューからは、従前より農家とのコミュニケー

ションに自信をつけている様子がうかがえる。また、コミューンの普及員らは他サイトの取

り組みを、自サイトの活動に取り込む意欲を示しており、パイロットサイト間で技術交流が

進んでいる。こうした状況から、中間評価時における状況は大きく改善していると考える。

プロジェクトでは今後、パイロット郡以外の郡にプロジェクト成果の情報共有を行っていく

計画であり、省やパイロット郡関係者の継続的な協力があれば、他郡の関係者にもプロジェ

クトの成果をより理解してもらい、技術の普及につなげることができるだろう。

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付 属 資 料

1. 合同終了時レビュー調査報告書(英文)

2. PO(活動実績)

3. 投入実績一覧

4. 面談者リスト

5. PDM(Ver. 2.0)6. 評価グリッド調査結果表

7. 中間レビュー調査時の提言への対応

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1.合同終了時レビュー調査報告書(英文)

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- 79 -

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- 80 -

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- 81 -

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- 82 -

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- 83 -

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ANNEX 4

-84

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ANNEX 4

-85

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-86

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-88

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-89

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-91

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-92

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-100

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-103

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4

.

# (

)

1T

OY

OT

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3,1

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79,4

23

2012/0

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2T

OY

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2012/0

2/0

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5,3

24,5

76

.

# (

)

1(

)448/

540

270

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00

2012/1

0/0

8P

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ffice

Partially

used

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during

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2012/1

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8P

roject o

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3

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2012/1

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8P

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.

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92

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05

5

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2010/0

8/1

6P

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24

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AN

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00

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2010/0

8/1

7P

roject o

ffice4,1

20

3L

G18000

14,7

00,0

00

114,7

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00

2010/0

8/3

0P

roject o

ffice57,6

83

4S

harp

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-5520D

28,3

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00

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00

2010/0

8/3

0P

roject o

ffice111,0

49

5U

PS

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00V

A850,0

00

1850,0

00

2010/0

8/3

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35

6U

PS

Son T

ax 5

00V

A850,0

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1850,0

00

2010/0

8/3

0P

roject o

ffice3,3

35

7C

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F-4

320D

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00

16,3

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00

2010/0

8/3

0P

roject o

ffice24,7

21

8D

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oard

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00

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20,0

00

2010/0

8/3

0P

roject o

ffice40,4

96

9A

uto

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Sharp

AR

-RP

11,6

50,0

00

111,6

50,0

00

2010/0

9/1

7P

roject o

ffice45,7

15

10

Desk

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)V

iCO

M E

1930N

, Disp

lay: SA

MS

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G 1

9",

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oard

and M

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90,0

00

17,4

90,0

00

2010/0

9/2

9P

roject o

ffice29,3

91

11

Pix

MA

iP4760

2,7

80,0

00

12,7

80,0

00

2010/0

9/2

9P

roject o

ffice10,9

09

12

LG

9000B

TU

7,5

00,0

00

17,5

00,0

00

2011/0

1/0

5P

roject o

ffice29,4

30

13

HD

D320G

B1,4

80,0

00

11,4

80,0

00

2011/0

1/0

5P

roject o

fficeIn

stalled to

Desk

top(2

)5,8

08

14

Dig

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elocity m

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P211 S

/N: 1

145163095

37,0

23,3

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137,0

23,3

60

2011/0

1/1

3P

roject o

ffice145,2

80

15

Electro

mag

netic cu

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Model A

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1-D

S/N

: 758

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00

1128,2

89,1

00

2011/0

1/1

9P

roject o

ffice503,4

06

16

Auro

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660C

1,9

50,0

00

11,9

50,0

00

2011/0

1/2

4P

roject o

ffice2012/1

2 b

roken

beyo

nd rep

air7,6

52

17

Acer 4

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11,8

00,0

00

111,8

00,0

00

2011/0

5/1

0P

roject o

ffice46,3

03

18

Mitsu

bish

i XD

221U

14,8

50,0

00

114,8

50,0

00

2011/0

5/1

2P

roject o

ffice58,2

71

19

HY

2500L

E14,5

50,0

00

114,5

50,0

00

2011/0

5/1

2P

roject o

ffice57,0

94

20

Desk

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)V

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M P

196H

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00

17,6

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00

2011/0

5/1

2P

roject o

ffice30,1

76

21

UP

SS

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00V

A990,0

00

1990,0

00

2011/0

5/2

5P

roject o

ffice3,8

85

22

Grain

Moistu

re meter

GM

K-3

03 S

/N: K

D0848

7,2

50,0

00

17,2

50,0

00

2011/0

7/1

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2013/1

1 B

roken

beyo

nd rep

air28,4

49

23

Portab

le scaleO

HA

US

CL

2000T

1,7

50,0

00

11,7

50,0

00

2011/0

7/1

8-

2013/1

1 B

roken

beyo

nd rep

air6,8

67

24

Desk

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)V

iCO

M G

195H

QV

, Disp

lay: acer 19",

Keyb

oard

and M

ouse

12,7

00,0

00

112,7

00,0

00

2011/0

9/2

3P

roject o

ffice49,8

35

25

(1) P

ink

SO

NY

DS

C-S

3000/P

S/N

: 5430527

2,3

00,0

00

12,3

00,0

00

2011/0

9/2

3T

G D

-PM

U9,0

25

26

(2) P

ink

SO

NY

DS

C-S

3000/P

S/N

: 5430529

2,3

00,0

00

12,3

00,0

00

2011/0

9/2

3-

2013/1

1 b

roken

beyo

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25

27

(3) B

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-S3000/P

S/N

: 5448715

2,3

00,0

00

12,3

00,0

00

2011/0

9/2

3P

-PM

U9,0

25

28

(4) S

ilver

SO

NY

DS

C-S

3000/P

S/N

: 5447734

2,3

00,0

00

12,3

00,0

00

2011/0

9/2

3-

2013/1

bro

ken

beyo

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air9,0

25

29

(5) S

ilver

SO

NY

DS

C-S

3000/P

S/N

: 5447778

2,3

00,0

00

12,3

00,0

00

2011/0

9/2

3M

C D

-PM

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25

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(6) B

lackS

ON

Y D

SC

-S3000/P

S/N

: 5448634

2,3

00,0

00

12,3

00,0

00

2011/0

9/2

3-

2012/1

0 b

roken

beyo

nd rep

air9,0

25

31

(7) B

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SC

-S3000/P

S/N

: 5448635

2,3

00,0

00

12,3

00,0

00

2011/0

9/2

3T

G D

-staff9,0

25

32

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12920484

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00

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2011/1

2/3

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roject o

ffice98,8

46

33

(2)

Mitsu

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: 0018838

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00,0

00

114,3

00,0

00

2012/0

3/1

9P

roject o

ffice56,1

13

34

Dig

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SO

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90

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2012/0

3/1

9P

roject o

ffice38,8

08

35

Portab

le scaleO

HA

US

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2000T

SN

111007

1,0

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70

11,0

81,6

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2012/0

5/0

9T

G D

-PM

U4,2

44

36

Portab

le scaleO

HA

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2000T

SN

111008

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70

11,0

81,6

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2012/0

5/0

9P

roject o

ffice4,2

44

37

Portab

le scaleO

HA

US

CL

2000T

SN

110931

1,0

81,6

70

11,0

81,6

70

2012/0

5/0

9M

C D

-PM

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44

38

Sch

mid

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45,3

99,2

00

145,3

99,2

00

2012/0

5/0

9P

roject o

ffice178,1

46

39

Grain

Moistu

re meter (2

)G

MK

-303 S

/N: K

D1920

6,0

50,0

00

16,0

50,0

00

2012/0

5/2

9P

roject o

ffice2014/0

5 B

roken

beyo

nd rep

air23,7

40

4-1

-104

Page 126: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

PO(活動実績)

ベトナム社会主義共和国北西部山岳地域農村開発プロジェクト

2010年~2015年(5年間) 年 次

四半期 I II III IV I II III IV I II III IV I II III IV I II III IV

(年)

(四半期) III IV I II III IV I II III IV I II III IV I II III IV I II

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画

実績

計画:

2015

2014年12月時点

1年次 2年次 3年次 4年次 5年次

1-6. PCにおける上記の活動をモニタリング、検証するとともに、ニーズに根ざした、

改善計画のつくり方を示すガイドライン/マニュアルを作成し、行政機関に配付する

2010 2011 2012 2013 2014

<アウトプット 1>パイロット郡において、水稲、トウモロコシ、大豆などの農産物の生産、ポストハーベスト、販売の手法が改善される

1-1. 候補コミューンにおいて、営農状況調査を行い、PCを選定する

1-2. 選定されたPCにおいて、農産物の栽培、ポストハーベスト、販売状況、農村イ

ンフラ、灌漑システム、農業普及体制等についてのBL調査を実施する

1-3. 栽培、ポストハーベスト、販売に関するWSを実施し、その課題を抽出し農業と普及員の理解を深める

1-4. 特定された課題を踏まえ、栽培、ポストハーベストに係る課題に対して、農業、普及員とともに改善計画を策定する

1-5. 農家に対して栽培、ポストハーベストに関する研修を実施するとともに、研修内容が営農にいかに活用されているか確認する

2-1. 水資源の利用等にかかわる課題についてWSを実施し、その課題を抽出し農家・灌漑施設管理者の理解を深める

2-2. 課題を踏まえ、すべての農家にとって効率的・効果的な水利用に関する改善計画を農家・灌漑施設管理者とともに策定し、実施する

2-3. 農業施設管理者に対して水利用に関する研修を実施し、その実践状況を確認する

2-4. PCにおける上記の活動をモニタリング・検証するとともにニーズに根ざした改

善計画のつくり方を示すガイドライン/マニュアルを作成し、行政機関に配付する

2-5 農村開発に付随する小規模インフラに関する課題を明確化し、農民とともに解決する

<アウトプット 2>パイロット郡で水資源の配分が効率化するとともに、灌漑施設管理が改善される

評価計画

3-1. 普及員の知識・技術の向上及び意識の改善に必要な研修を行う

3-2. 地方政府(省、郡、コミューン)職員及び関連組織に対して、プロジェクト活動

のFBセミナーや農村開発に関する研修を実施する

3-3. パイロット郡で構築した成果をパイロット郡以外のディエンビエン省

内の郡へ普及するための道筋を示した活動計画等(アクションプラン)を策

定する

<アウトプット 3>地方政府(省、郡、コミューン)職員及び関係組織の農村開発に係る能力が向上する

Version 1.1

Cultivation Exp

Marketing Exp

Cultivation Exp

Marketing Exp Marketing Exp Marketing Exp

Pest Control Exp

Improvement Plan

Mid-term Eva

Baseline Survey Report guidelines/manuals

Cultivation

Food Processing Exp

Cultivation Exp

Irrigation Facility Exp

Drainage Management ExpDrainage Management Exp

Crop Variety Exp

Rice Terrace Exp

Improvement PlanBaseline Survey Report guidelines/manuals

Reports submitted to JICA Office from the Project

Reports made by Evaluation Team

Short Term Experts

Action Plan

Agricultural Management

Cultivation Exp

Irrigation Exp

Cultivation

Extension Exp

Cultivation Exp

Baseline Survey Report

Baseline Survey Report

Mid-term Eva Terminal Eva1

Improvement

Improvement

1Terminal Eva

Construction Exp

1-2 Extension (There are some absent periods)

-105

2.

PO(活動実績)

Page 127: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

4

.

# ( )

1 TOYOTA PRADO 3,179,423 1 3,179,423 2012/02/02 DARD 1USD=76.61Yen

2 TOYOTA Pickup 2,145,153 1 2,145,153 2012/02/02 DARD 1USD=76.61Yen

5,324,576

.

# ( )

1( ) 448/

540 270 145,800 2012/10/08 Project office

Partially used in the pilot sites

during the 2012 dry paddy

season.

2 2kg 121000 1 121,000 2012/10/08 Project office

3

RH T&D TU72Ui

8,000 x2

25330 5 126,650 2012/10/08 Project office

Installed in the pilot sites

during the 2012 dry paddy

season.

393,450

. * JICA 2012/12 VND 1=JPY 0.003924

① * JICA 2015/2 VND 1=JPY 0.0055

#

1 1,000,000 1 1,000,000 2010/08/16 Project office 3,924

2 Safe TAN A 1,050,000 1 1,050,000 2010/08/17 Project office 4,120

3 LG18000 14,700,000 1 14,700,000 2010/08/30 Project office 57,683

4 Sharp AR-5520D 28,300,000 1 28,300,000 2010/08/30 Project office 111,049

5 UPS Son Tax 500VA 850,000 1 850,000 2010/08/30 Project office 3,335

6 UPS Son Tax 500VA 850,000 1 850,000 2010/08/30 Project office 3,335

7 Canon NF-4320D 6,300,000 1 6,300,000 2010/08/30 Project office 24,721

8 Desktop(1)ORIENT B1920NX, Display: SAMSUNG 19",

Keyboard and Mouse10,320,000 1 10,320,000 2010/08/30 Project office 40,496

9 Automatic sheet feeder Sharp AR-RP 11,650,000 1 11,650,000 2010/09/17 Project office 45,715

10 Desktop(2)ViCOM E1930N, Display: SAMSUNG 19",

Keyboard and Mouse7,490,000 1 7,490,000 2010/09/29 Project office 29,391

11 PixMA iP4760 2,780,000 1 2,780,000 2010/09/29 Project office 10,909

12 LG9000BTU 7,500,000 1 7,500,000 2011/01/05 Project office 29,430

13 HDD320GB 1,480,000 1 1,480,000 2011/01/05 Project office Installed to Desktop(2) 5,808

14 Digital water velocity meter Model FP211 S/N: 1145163095 37,023,360 1 37,023,360 2011/01/13 Project office 145,280

15Electromagnetic current meter for

riverModel AEM1-D S/N: 758 128,289,100 1 128,289,100 2011/01/19 Project office 503,406

16 Aurora AS660C 1,950,000 1 1,950,000 2011/01/24 Project office 2012/12 broken beyond repair 7,652

17 Acer 4733Z 11,800,000 1 11,800,000 2011/05/10 Project office 46,303

18 Mitsubishi XD221U 14,850,000 1 14,850,000 2011/05/12 Project office 58,271

19 HY2500LE 14,550,000 1 14,550,000 2011/05/12 Project office 57,094

20 Desktop(3)ViCOM P196HQL, Display: acer 19",

Keyboard and Mouse7,690,000 1 7,690,000 2011/05/12 Project office 30,176

21 UPS Son Tax 500VA 990,000 1 990,000 2011/05/25 Project office 3,885

22 Grain Moisture meter GMK-303 S/N: KD0848 7,250,000 1 7,250,000 2011/07/15 - 2013/11 Broken beyond repair 28,449

23 Portable scale OHAUS CL2000T 1,750,000 1 1,750,000 2011/07/18 - 2013/11 Broken beyond repair 6,867

24 Desktop(4)ViCOM G195HQV, Display: acer 19",

Keyboard and Mouse12,700,000 1 12,700,000 2011/09/23 Project office 49,835

25 (1) Pink SONY DSC-S3000/P S/N: 5430527 2,300,000 1 2,300,000 2011/09/23 TG D-PMU 9,025

26 (2) Pink SONY DSC-S3000/P S/N: 5430529 2,300,000 1 2,300,000 2011/09/23 - 2013/11 broken beyond repair 9,025

27 (3) Black SONY DSC-S3000/P S/N: 5448715 2,300,000 1 2,300,000 2011/09/23 P-PMU 9,025

28 (4) Silver SONY DSC-S3000/P S/N: 5447734 2,300,000 1 2,300,000 2011/09/23 - 2013/1 broken beyond repair 9,025

29 (5) Silver SONY DSC-S3000/P S/N: 5447778 2,300,000 1 2,300,000 2011/09/23 MC D-PMU 9,025

30 (6) Black SONY DSC-S3000/P S/N: 5448634 2,300,000 1 2,300,000 2011/09/23 - 2012/10 broken beyond repair 9,025

31 (7) Black SONY DSC-S3000/P S/N: 5448635 2,300,000 1 2,300,000 2011/09/23 TG D-staff 9,025

32 Laser distance meter Leica DISTO D8 S/N: 512920484 25,190,000 1 25,190,000 2011/12/30 Project office 98,846

33 (2) Mitsubishi ED200U S/N: 0018838 14,300,000 1 14,300,000 2012/03/19 Project office 56,113

34 Digital HD Video Camera SONY Handycam HDR-CX190E S/N: 1580873 9,890,000 1 9,890,000 2012/03/19 Project office 38,808

35 Portable scale OHAUS CL2000T SN111007 1,081,670 1 1,081,670 2012/05/09 TG D-PMU 4,244

36 Portable scale OHAUS CL2000T SN111008 1,081,670 1 1,081,670 2012/05/09 Project office 4,244

37 Portable scale OHAUS CL2000T SN110931 1,081,670 1 1,081,670 2012/05/09 MC D-PMU 4,244

38 Schmidt hammer Silver Schmidt BL 45,399,200 1 45,399,200 2012/05/09 Project office 178,146

39 Grain Moisture meter (2) GMK-303 S/N: KD1920 6,050,000 1 6,050,000 2012/05/29 Project office 2014/05 Broken beyond repair 23,740

4-1

- 107 -

3.投入実績一覧

Page 128: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

4

40 Grain Moisture meter (3) GMK-303 S/N: KD1945 6,050,000 1 6,050,000 2012/05/29 MC D-PMU 23,740

41 Grain Moisture meter (4) GMK-303 S/N: KD1918 6,050,000 1 6,050,000 2012/05/29 TG D-PMU 23,740

42 SHARP SJ-245S-SL S/N: 120510649 6,600,000 1 6,600,000 2012/12/03 Project office 25,898

43 (1) 1,619,000 1 1,619,000 2012/12/28CPC-

Extension staff6,353

44 (2) 1,619,000 1 1,619,000 2012/12/28 - 2014/8 broken beyond repair 6,353

45 (3) 1,619,000 1 1,619,000 2012/12/28CPC-

Extension staff6,353

46 (4) 1,619,000 1 1,619,000 2012/12/28CPC-

Extension staff6,353

47 (5) 1,619,000 1 1,619,000 2012/12/28 Project office 6,353

48 (6) 1,619,000 1 1,619,000 2012/12/28 MC D-PMU 6,353

49 (7) 1,619,000 1 1,619,000 2012/12/28 MC D-staff 6,353

50 (8) 1,619,000 1 1,619,000 2012/12/28 DB D-staff 6,353

51 3,200,000 1 3,200,000 2013/01/05 Project office 12,557

488,138,670 1,915,456

52 12,100

53 53,350

54 53,350

55 53,350

56 18,150

57

18,150

58 18,150

59 18,150

60 18,150

61

3,740

62 11,275

63

11,275

64

11,275

54,630,000 300,465

PC

#

1Microsoft Office Basic 2007

(Word, Excel, Outlook)00132-302-808-610 3,494,000 1 3,494,000 2010/08/30 Project office Installed to Desktop(1) 13,710

2 Windows 7

Product ID: 00346-OEM-8925047-33648

Product key: MVG73-JQWK8-VW6HX-JJQ7D-

MQD3B

1,920,000 1 1,920,000 2010/08/30 Project office Installed to Desktop(1) 7,534

3Lac Viet Tu Dien

(Dictionnary VN-EN)No. Seri. 512186 250,000 1 250,000 2010/08/30 Project office Installed to Desktop(1) 981

4 Windows 7 1,900,000 1 1,900,000 2010/09/29 Project office Installed to Desktop(2) 7,456

5Microsoft Office Basic 2007

(Word, Excel, Outlook)

00132-301-455-356 Key: MPCB8-YKY92-

BPFT2-42GPD-QT3433,470,000 1 3,470,000 2010/09/29 Project office Installed to Desktop(2) 13,616

6Lac Viet Tu Dien

(Dictionnary VN-EN)No. Seri. 153589 190,000 1 190,000 2010/09/29 Project office Installed to Desktop(2) 746

7 Windows 7 Home Basic 32 bit COA: 00178250863480 2,100,000 1 2,100,000 2011/05/10 Project office Installed to Laptop 8,240

8Microsoft Office 2010 Basic

(Word, Excel, PowerPoint)SKU- 79G02123 3,200,000 1 3,200,000 2011/05/10 Project office Installed to Laptop 12,557

9 Windows 7 COA: 00178250491753 2,150,000 1 2,150,000 2011/05/12 Project office Installed to Desktop(3) 8,437

10Microsoft Office 2010 Basic

(Word, Excel, PowerPoint)SKU- 79G02543 3,200,000 1 3,200,000 2011/05/12 Project office Installed to Desktop(3) 12,557

11Lac Viet Tu Dien

(Dictionnary VN-EN)No. Seri. 55060 190,000 1 190,000 2011/05/12 Project office Installed to Desktop(3) 746

12 Windows 7Product key: GKWKHM-8CR9C-FB4QC-

JFWCW-RCRBD2,300,000 1 2,300,000 2011/09/23 Project office Installed to Desktop(4) 9,025

13Microsoft Office 2010 Basic

(Word, Excel, PowerPoint)

Product key: 7WRXX-XQTWJ-3TYCF-

8MHRK-9WYBQ3,100,000 1 3,100,000 2011/09/23 Project office Installed to Desktop(4) 12,164

14 AutoCad LT2012 S/N: 361-03230349 Product key: 057D1 26,200,000 1 26,200,000 2011/09/23 Project office Installed to Desktop(4) 102,809

53,664,000 210,578

15Acrobat Professional 11

international

1 user, License IE (65195519), WIN Serial

Number: 1118-1369-1685-1240-2186-190810,880,000 1 10,880,000 2013/06/13 Project office Installed to Desktop(4) 42,693

16Microsoft Office Home and

Student 2013 (1)

32 bit/x64, English/Vietnamese, Product Key:

N768C-8HXMV-JQQGT-M3HHT-MKJDF2,500,000 1 2,500,000 2013/06/28 Project office Installed to Laptop(1) 9,810

17Microsoft Office Home and

Student 2013 (1)

32 bit/x64, English/Vietnamese, Product Key:

J9MND-4FB7V-D98PD-HYJGY-WHROF2,500,000 1 2,500,000 2013/06/28 Project office Installed to Laptop(2) 9,810

18Microsoft Office Home and

Student 2013 (1)

32 bit/x64, English/Vietnamese, Product Key:

Y6MW9-NG7C2-8DFBW-D77KM-6VGKR2,500,000 1 2,500,000 2013/06/28 Project office Installed to Laptop(3) 9,810

18,380,000 72,123

614,812,670 2,498,622

VND

VTD

VTD

VND

VND

4-2

- 108 -

Page 129: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

投入実績一覧 別添4

2.日本側投入

(1) 専門家

ア. 長期専門家

氏名 指導科目 ベトナム着任日 ベトナム離任日

1 内山 直治 チーフアドバイザー/農村開発 2010/8/1 2012/3/31

2 藤田 覚 灌漑/水資源管理/水管理組織 2010/8/1 2013/7/31

3 大隅 悦子 業務調整/研修計画 2011/2/8 2013/2/7

4 瀬田 文治 チーフアドバイザー/農村開発 2012/4/16 2014/3/28

5 緒方 治子 業務調整/研修計画 2013/1/12 2015/7/31

6 土屋 健太郎 灌漑/水資源管理/水管理組織 2013/7/15 2015/7/31

7 山田 潤一郎 チーフアドバイザー/農村開発 2014/3/14 2015/7/31

イ.  短期専門家

氏名 指導科目 ベトナム着任日 ベトナム離任日

1 徳永 豊 営農計画 2011/1/4 2011/1/29

2 遠藤 洋* 作物栽培(ベトナム国内:193日+174日) 2011/2/8 2012/2/16

3 北出 幸也 小規模灌漑施設整備(渓流取水工) 2011/10/23 2011/11/19

4 白石 正明* 作物栽培 2012/10/7 2013/9/11

5 江藤 清剛 農業普及 2013/1/8 2013/2/2

6 江藤 清剛 農業普及 2013/4/16 2013/6/1

7 江藤 清剛 農業普及 2013/6/11 2013/8/3

8 山下 政明 農業普及 2013/7/20 2013/8/10

9 山下 政明 農業普及 2013/8/20 2013/11/16

10 中野 敏信* 灌漑施設施工監理 2013/9/21 2013/12/24

11 江藤 清剛 農業普及 2013/11/5 2013/12/21

12 山下 政明 農業普及 2013/12/14 2014/1/28

13 江藤 清剛 農業普及 2014/2/8 2014/3/29

14 山下 政明 農業普及 2014/3/11 2014/5/10

15 江藤 清剛 農業普及 2014/4/15 2014/6/10

16 山下 政明 農業普及 2014/6/3 2014/7/22

17 矢野 雅彦 農業普及 2014/7/19 2014/8/5

18 江藤 清剛 農業普及 2014/7/19 2014/8/12

19 山下 政明 農業普及 2014/8/19 2014/10/25

20 矢野 雅彦 農業普及 2014/9/27 2014/11/4

21 江藤 清剛 農業普及 2014/11/1 2014/12/27

22 山下 政明 農業普及 2015/1/6 2015/2/14

23 江藤 清剛 農業普及 2015/1/17 2015/2/14* 業務実施契約簡易型 2015年1月時点

ウ.  運営指導

氏名 指導科目 ベトナム着任日 ベトナム離任日

1 白石 正明 運営指導1次(作物栽培) 2012/2/25 2012/3/25

2 白石 正明 運営指導2次(作物栽培) 2012/4/7 2012/5/21

3 白石 正明 運営指導3次(作物栽培) 2012/6/2 2012/7/9

4 戸來 昭夫 運営指導(農業普及) 2012/9/4 2012/9/22

5 濱 省吾 有機質肥料 2013/4/13 2013/4/22

6 山下 政明 運営指導(農業普及) 2013/6/18 2013/7/2

4-3- 109 -

Page 130: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

投入実績一覧 別添4

3. 本邦研修(地域別、集団)

No コースタイトル 研修期間 研修員氏名 所属

1 Ms. Vu Thi Yen Dien Bien省農業農村開発局水利支局技術・計画部副部長(省PMU水利担当)

2 Mr. Pham Ngoc Thinh Dien Bien郡農業農村開発部副部長(Dien Bien郡PMU水利担当)

1 Mr. Trinh Quoc Cuong Dien Bien省農業農村開発局栽培部長(省PMU、プロジェクトマネジャー)

2 Ms. Pham Thi Hoa Dien Bien省農業農村開発局栽培(省PMU Muong Cha郡栽培担当)

3

地域別研修「アジア地域 農民参加型用水管理システム(c)(ベトナム)」Participatory Irrigation Management SystemFor Paddies For Asian Countries(C) (Viet Nam)

2012/6/5~2012/7/27

1 Mr. Mai The Su Dien Bien省農業農村開発局水利支局副局長

1 Mr. Tran Van Phuong Dien Bien省農業農村開発局栽培部(省PMU Dien Bien郡栽培担当)

2 Ms. Nguyen Thi Van Anh Dien Bien郡農業水産振興ステーション(Dien Bien郡PMU栽培担当)

5

地域別研修「アジア地域農民主体型用水管理システム(B)(ベトナム)」Participatory Irrigation Management SystemFor Paddies For Asian Countries(B) (Viet Nam)

2013/6/5~2013/7/24

1 Mr. Lo Van Thuan Dien Bien省農業農村開発局水利支局技術計画部

1 Mr. Ha Xuan Mung Dien Bien省農業農村開発局農村開発支局地域財政管理部長(Head of Rural Economy Administration)

2 Ms. Le Thi Huyen Dien Bien省農業農村開発局計画財政部

1 Mr. Trinh Ngoc Ha Dien Bien省農業農村開発局水利支局技術計画部

2 Mr. Nguyen Xuan Trang Dien Bien灌漑建設及びサービス合資有限会社技術計画部ユニット1ユニット長

イ. 本邦研修(プロジェクト企画)

No コースタイトル 研修期間 研修員氏名 所属

1 Mr. Tran Ha Son DARD副局長(灌漑担当)

2 Mr. Dang Duc Hinh Dien Bien省水利支局計画・技術部部長

3 Mr. Pham Van Bach Dien Bien郡人民委員会副委員長(Dien Bien郡PMUダイレクター)

4 Mr. Nguyen Van Tuy Tuan Giao郡人民委員会農業農村開発部(Tuan Giao郡PMU水利担当)

5 Ms. Vu Thi Thu Nhung Muong Cha郡人民委員会農業農村開発部(Muong Cha郡PMU水利担当)

1 Mr. Nguyen Van Dinh Dien Bien省水利支局長

2 Mr. Nguyen Duc Dang Dien Bien省農業農村開発局農業農村開発プロジェクト管理ユニット長

3 Mr. Pham Ngoc Thinh Dien Bien郡農業農村開発部副部長(Dien Bien郡PMU水利担当)

4 Mr. Nguyen Thanh Ha Dien Bien省灌漑サービス及び建設有限会社代表

5 Mr. Nguyen Van Duyen Dien Bien農業灌漑管理会社技術・計画部部長

6 Mr. Hoang Van Binh Tuan Giao郡農業農村開発部水利技術者

7 Mr. Dinh Xuan Tien Muong Cha郡人民委員会副委員長(Muong Cha郡PMUダイレクター)

8 Mr. Bui Tuan Thanh Muong Cha郡農業農村開発部部長

2

小規模灌漑施設整備(水路・圃場)及び末端水管理Development of Small scale irrigation facilitiesand Water management

2012/9/24~2012/10/6

7

課題別研修「アジア地域農民主体型用水管理システム(B)(ベトナム)」Participatory Irrigation Management SystemFor Paddies For Asian Countries(B) (Viet Nam)

2014/6/11~2014/7/29

1

小規模灌漑施設整備(渓流取水工)Small scale irrigation facilities (Water IntakeWorks on the Torrent Streams)

2011/9/25~2012/10/8

4

集団研修「農民参加による農業農村開発(A)」Integrated agriculture and rural developmentthrough the participation of local farmers (A)

2012/9/3~2012/10/4

6

集団研修「農民参加による農業農村開発(A)」Integrated agriculture and rural developmentthrough the participation of local farmers (A)

2013/8/12~2013/9/21

1

地域別研修「アジア地域 農民参加型用水管理システム(c)(ベトナム)」Participatory Irrigation Management SystemFor Paddies For Asian Countries(C) (Viet Nam)

2011/6/7~2011/7/29

2

集団研修「農民参加による農業農村開発(A)」Integrated agriculture and rural developmentthrough the participation of local farmers (A)

2011/8/9~2011/9/23

4-4- 110 -

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投入実績一覧 別添4

No コースタイトル 研修期間 研修員氏名 所属

1 Mr. Dao Trong Hai Muong Cha郡農業農村開発部部長(Muong Cha郡PMU業務調整)

2 Mr. Tran Duc Doi Muong Cha郡農業水産振興ステーション (MuongCha郡PMUメンバー)

3 Mr. Vu Van Duc Tuan Giao郡人民委員会副委員長(Tuan Giao郡PMUダイレクター)

4 Ms. Vu Thi Van Tuan Giao郡植物防疫ステーション副ステーション長(Tuan Giao郡PMUメンバー)

5 Ms. Hoang Thi Hong Tuan Giao郡植物防疫ステーション(元Tuan Giao郡PMUメンバー)

6 Ms. Dang Thi Hong Dien Bien郡農業水産振興ステーション副ステーション長 (Dien Bien郡PMU業務調整)

7 Ms. Duong Thuy Huong Dien Bien省農業農村開発局総務部会計(Dien Bien省PMUメンバー)

1 Mr. Trinh Quoc Cuong Dien Bien省農業農村開発局栽培部長(Dien Bien省PMUプロジェクトマネジャー)

2 Mr. Tran Cong Ngu Dien Bien郡Noong Hetコミューン人民委員会副委員長 (Dien Bien郡PMU)

3 Mr. Nguyen Ngoc Ngan Dien Bien郡Thanh Hungコミューン人民委員会委員長 (Dien Bien郡PMU)

4 Mr. Lo Van Van Tuan Giao郡Muong Munコミューン人民委員会副委員長 (Tuan Giao郡PMU)

5 Mr. Lo Van Tam Tuan Giao郡Quai Cangコミューン人民委員会副委員長 (Tuan Giao郡PMU)

6 Mr. Lu Van Van Muong Cha郡Muong Tungコミューン人民委員会委員長 (Muong Cha郡PMU)

7 Mr. Hang A Nanh Muong Cha郡Ma Thi Hoコミューン人民委員会委員長 (Muong Cha郡PMU)

4

組織的な営農手法の改善に関する研修Training on overall improved farming in Japan

2014/8/23~2014/9/2

3

日本における先進的な農業普及事業に関する研修Training on the advanced agricultural extensionservice in Japan

2013/8/31~2013/9/10

4-5- 111 -

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5-1

面談者リスト

分 類 氏 名 役 職

省プロジェクト

管理委員会

(P-PMU)

Mr. Pham Duc Hien DARD 局長

Mr. Trinh Quoc Cuong DARD 栽培部部長

Mr. Lo Hong Phong DARD 農業森林計画設計センターセンター長

Ms. Duong Thuy Huong DARD 総務部会計

Ms. Vu Thi Yen 水利支局計画技術部副部長

Tuan Giao 郡プ

ロジェクト管理

委員会(D-PMU)

Ms. Pham Thi Tuyen 農業農村開発部副部長

Ms. Vu Thi Van 植物防疫ステーション副ステーション長

Mr. Lo Van Van Muong Mun コミューン人民委員会副委員長

Mr. Lo Van Tam Quai Cangコミューン人民委員会副委員長

Muong Cha 郡プ

ロジェクト管理

委員会(D-PMU)

Mr.Dinh Xuan Tien 郡人民委員会副委員長

Mr.Dao Trong Hai 農業農村開発部部長

Mr. Tran Duc Doi 農業振興ステーション農業担当

Ms.Vu Thi Nhung 農業農村開発部水利担当

Mr.Lu Van Van Muong Tung コミューン人民委員会委員長

Mr.Hang A Nanh Ma Thi Ho コミューン人民委員会委員長

Dien Bien郡プロ

ジェクト管理委

員会(D-PMU)

Mr. Pham Van Bach 郡人民委員会副委員長

Ms. Dang Thi Hong 農業振興ステーション副ステーション長

Mr. Pham Ngoc Thinh 農業農村開発部水利担当

Ms. Nguyen Thi Van Anh 農業振興ステーション農業担当

Mr. Tran Cong Ngu Noong Het コミューン人民員会副委員長

Mr. Nguyen Ngoc Ngan Thanh Hung コミューン人民委員会委員長

DARD 農業普及

センター

Ms. Pham Thi Tuoi 農業普及センター長

Mr. Le Ngoc Minh 栽培林業副部長

Mr. Vu Dinh Tan 栽培林業部職員

Mr. Hoang Khac Tan 栽培林業部職員

植物防疫支局 Mr. Chu Van Bach 技術部長

Ms. Dao Thi Khuyen 技術部職員

Ms. Nguyen Thi Nhat 技術部職員

Ms. Le Thi Nga 技術部職員

Ms. Bui Thi Thuy 技術部職員

普及員 Ms. Hoang Thi Hong Quai Cang コミューン植防ステーション所属普

及員

Ms. Lo Van Sim Muong Mun コミューン植防ステーション所属

Mr. Lo Van Hung Moung Tung コミューン普及員

Mr. Vang A Na Ma Thi Ho コミューン普及員

- 112 -

4.面談者リスト

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5-2

分 類 氏 名 役 職

Mr. Vu Trong Sang Noong Het コミューン普及員

Mr. Pham Tien Thanh Thanh Hung コミューン普及員

Quai Cangコミ

ューン、Cuong

(Tuan Giao郡)

Mr. Lo Van Chung モデル農家

Mr. Lo Van Un モデル農家

Mr. Lo Van Muon モデル農家

Ms. Lo Thi Phuc モデル農家

Mr. Quang Van Sinh モデル農家

Ms. Lo Thi Hoan モデル農家

Mr. Lo Van Thuy モデル農家

Quai Cangコミ

ューン、Sang区

(Tuan Giao郡)

Mr. Lo Van Binh モデル農家

Ms. Lo Thi Huong モデル農家

Mr. Bac Cam Toan モデル農家

Mr. Lo Van Suong モデル農家

Mr. Lo Van Som モデル農家

Mr. Quang Van Son モデル農家

Muong Mun コミ

ューン

(Tuan Giao 郡)

Mr. Lo Van Chinh モデル農家/区長/水利委員会の支部長

Mr. Luong Van Thien 水利組合メンバー

Mr. Lo Van Sang モデル農家

Mr. Lo Van Ngoan モデル農家

Mr. Lo Van Khien モデル農家

Mr. Lo Van Hom モデル農家

Mr. Lo Van Na 水利組合の支部副長

Mr. Ca Van Ui 水利組合メンバー

Mr. Lo Van Pom 水利組合メンバー監事

Ma Thi Ho コミ

ューン、

Ho Chim 2 区

(Muong Cha 郡)

Mr. Lo Van Hoang モデル農家

Mr. Lo Van Tham モデル農家

Mr. Lo Van Thang モデル農家

Mr. Lo Van La モデル農家/区長/水利組合長

Ms. Dieu Thi Xuyen 水利組合会計

Ms. Lo Thi Thiep 水利組合メンバー

Ms. Dieu Thi Doai 水利組合メンバー

Mr. Dieu Chinh Chuong 水利組合メンバー

Moung Tung コ

ミューン、

Pom Kai 区

(Muong Cha 郡)

Mr. Lo Van Muu モデル農家

Mr. Lo Van Choi モデル農家

Mr. Lanh Van Chuyen モデル農家

Mr. Vu Lia Vu モデル農家

- 113 -

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5-3

分 類 氏 名 役 職

Mr. Ho A Ly モデル農家

Mr. Sung A Pha モデル農家

Ms. Ly Thi Di モデル農家

Mr. Hang A Ho 区長/水利組合長

Mr. Ho Nu Giang 水利組合メンバー

Mr. Ho Sa Sung 水利組合メンバー

Mr. Mua A Tru 水利組合メンバー

Mr. Ho A Mua 水利組合メンバー

Mr. Lo Van Phan 水利組合会計

Noong Het コミ

ューン、Team18

(Dien Bien 郡)

Mr. Lo Van Thieu モデル農家

Mr. Lo Van Thinh モデル農家

Mr. Lo Van Hanh モデル農家

Mr. Khoang Van Phon モデル農家

Ms. Lo Thi Nen モデル農家

Mr. Lo Van Coi モデル農家

Mr. Lo Van Than モデル農家/区長/水利組合長

Mr. Luong Van Luu 水利組合メンバー

Ms. Khoang Thi Vuong 水利組合メンバー

Ms. Khoang Thi Muon 水利組合メンバー

Ms. Lu Thi Thuy 水利組合の農家 1 グループ長

Ms. Lo Thi Thuong 水利組合の農家 2 グループ長

Noong Het コミ

ューン、Team19

(Dien Bien 郡)

Mr. Lo Van Chung モデル農家

Mr. Vi Van On モデル農家

Mr. Ca Van Pieng モデル農家

Mr. Quang Van Hac モデル農家

Ms. Quang Thi Thien モデル農家

Ms. Lo Thi Bien チーム 19 区長

Thanh Hung コミ

ューン、

Team10 区

(Dien Bien 郡)

Mr. Vi Van Don モデル農家/区長

Mr. Lo Van Hom モデル農家

Mr. Luong Van Dung モデル農家

Mr. Luong Van Dinh モデル農家

Mr. Luong Van Thu モデル農家

Mr. Luong Van Thi 水利組合メンバー

Ms. Nguyen Thi Mui 水利組合メンバー

Ms. Pham Thi Tuyet 水利組合メンバー

- 114 -

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1. プロジェクト名:ベトナム社会主義共和国北西部山岳地域農村開発プロジェクト

2. 協力期間:2010 年 8 月~ 2015 年 7 月(5 年間)

3. 対象地域:ディエンビエン省(Dien Bien 郡、Tuan Giao 郡、Muong Cha 郡)

4. ターゲットグループ:地方政府(省、郡、コミューン人民委員会等)、地方政府の下にある各種団体等

5. ベトナム側実施機関:ディエンビエン省人民委員会

Ver.2.02013 年 3 月 15 日第 2 回 JCC にて合意

プロジェクトの要約 指 標 入手手段 外部条件

上位目標

DB 省において、農村開発が促進される。 1. 2020 年ごろまでに、本プロジェクトで策定

された行動計画(アクションプラン)が P郡以外の DB 省内の郡で DB 省と郡等の行政

機関により活用される。

1. 行政機関向けインタビュー

2. パイロット郡内外の DB 省の農家向けイ

ンタビュー(サンプル)

1.2 共通:DB 省の各種統計資料

2. 2020 年ごろまでに、DB 省において、水稲、

トウモロコシ、大豆などの農業栽培技術が

理解されることにより、営農状態が向上す

る。

プロジェクト目標

パイロット郡(P 郡)において、市場志

向の農産物の生産、ポストハーベスト、

販売の推進のための郡行政機関を中核と

した体制の強化を通じて、農村開発が促

進される。

パイロット集落における 60%以上の農家の営農

状態が向上する(*1)。1. パイロット集落(*2)の農家向けインタ

ビュー

2. 試験耕作の結果

3. DB 省の統計

4. パイロット郡の統計

① 生産、ポストハーベスト、農業インフラ

維持への DB 省の戦略が変更しない。

②農産品の価格が大幅に下落しない。

③ (作物の生産に及ぼす)病害虫や洪水、

干ばつ等の著しい異常気象が起こらない。

④能力開発された職員が辞めない。

⑤ DB 省の大幅な人員削減がなされない。

⑥ DB 省の農業関連予算が大幅に減額され

ない。

-115

5.

PD

M(

Ver. 2

.0)

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プロジェクトの要約 指 標 入手手段 外部条件

アウトプット

1. パイロット郡において、水稲、トウ

モロコシ、大豆などの農産物の生産、

ポストハーベスト、販売の手法が改

善される。

各パイロット集落において、 1-1,2,3. パイロット農家向けインタビュー

1-2. コミューンの指導者向けインタビュー

全共通:パイロットコミューンの統計

① DB 省の生産、ポストハーベスト、販売、

農業インフラ整備促進の政策が変化しな

い。1-1. 改善計画で指摘された問題点のうち 60%以上が改善される。

1-2. 肥料にかかる知識習得により施肥の手法

が改善される。

1-3. 種子にかかる知識習得により優良種子の

生産手法、播種技術が改善される。

1-4. パイロット郡内全 47 コミューンの 60%以

上の指導者がガイドライン / マニュアルの

内容について理解を示す。

2. パイロット郡で水資源の配分が効率

化するとともに、灌漑施設管理が改

善される。

2-1. パイロット集落で策定された改善計画に

示された活動(*3)のうち 60%以上が実

施される。

2-1. パイロット集落の農民水管理組織への

インタビュー

2-2. パイロット集落の農家インタビュー

2-3. CPC 水利担当者及び灌漑管理公社の

技術者へのインタビュー2-2. パイロット集落の 60%以上の農家の水管

理が改善される。

2-3. P 郡内コミューン人民員会(CPC)水利担

当者及び灌漑管理公社の技術者の 75%以

上にガイドライン / マニュアルが理解され

る。

3. 地方政府(省、郡、コミューン)職

員及び関係組織の農村開発に係る能

力が向上する。

3-1. PC の農業普及員・集落長等のうち、研修

に参加した、60%以上の研修員が普及方

法を習得する。

3-1. 農業普及員・集落長等へのインタ

ビュー

3-2. 研修実施機関へのインタビュー

3-3. 地方政府(省、郡、コミューン)及び

関連組織等へのインタビュー

3-4. パイロット郡以外の郡指導者へのイン

タビュー

3-2. 研修実施機関(植防支局、農業普及セン

ター等)において、研修手法が改善され

たと評価する。

3-3. 地方政府(省、郡、コミューン)及び関

連組織等からのプロジェクト成果 FB セミ

ナー参加者の 75%以上がプロジェクトの

成果を理解する。

3-4. P 郡以外の郡指導者の 60%以上がアク

ションプランは実行可能であると評価す

る。

-116

Page 137: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

プロジェクトの要約 指 標 入手手段 外部条件

活動 投入 ① (作物の生産に及ぼす)病害虫や洪水、

干ばつ等の著しい異常気象が起こらない。

②能力開発された職員が辞めない。

③ DB 省の大幅な人員削減がなされない。

④ DB 省の農業関連予算が大幅に減額され

ない。

1-1. 候補コミューンにおいて、営農

状況調査を行い、パイロットコ

ミューン(PC)を選定する。

日本側 ベトナム側

1-2. 選定された PC において、農産物

の栽培、ポストハーベスト、販売

状況、農村インフラ、灌漑システ

ム、農業普及体制等についての

BL 調査を実施する。

1. 長期専門家 3 名

①チーフアドバイザー / 農村開発

②灌漑 / 水資源管理 / 水管理組織

③業務調整 / 研修計画

2. 短期専門家延べ 23 名

①作物栽培

② 普及(ポストハーベスト・販売含む)

他(必要に応じ)

3. 機材 プロジェクトに必要な機材

4. プロジェクト活動費

5. 研修

本邦研修、第三国研修、国内研修

1. 人員

①プロジェクトディレクター

②プロジェクトマネジャー

③カウンターパート

2. 資機材、施設

日本人専門家執務室及び家具

3. プロジェクト運営費1-3. 栽培、ポストハーベスト、販売に

関する WS を実施し、その課題を

抽出し農業と普及員の理解を深め

る。

1-4. 特定された課題を踏まえ、栽培、

ポストハーベストに係る課題に対

して、農業、普及員とともに改善

計画を策定する。

1-5. 農家に対して栽培、ポストハーベ

ストに関する研修を実施するとと

もに、研修内容が営農にいかに活

用されているか確認する。

1-6. PC における上記の活動をモニタ

リング、検証するとともに、ニー

ズに根ざした、改善計画のつくり

方を示すガイドライン / マニュア

ルを作成し、行政機関に配付する。

2-1. 水資源の利用等にかかわる課題に

ついて WS を実施し、その課題を

抽出し農家・灌漑施設管理者の理

解を深める。

2-2. 課題を踏まえ、すべての農家に

とって効率的・効果的な水利用に

関する改善計画を農家・灌漑施設

管理者とともに策定し、実施する。

2-3. 農業施設管理者に対して水利用に

関する研修を実施し、その実践状

況を確認する。

-117

Page 138: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

プロジェクトの要約 指 標 入手手段 外部条件

2-4. パイロットコミューンにおける上

記の活動をモニタリング・検証す

るともにニーズに根ざした改善計

画のつくり方を示すガイドライン /マニュアルを作成し、行政機関に

配付する。

前提条件

2-5. 農村開発に付随する小規模インフ

ラに関する課題を明確化し、農民

とともに解決する。

調整員会が設立される

3-1. 普及員の知識・技術の向上及び意

識の改善に必要な研修を行う。

3-2. 地方政府(省、郡、コミューン)職

員及び関連組織に対して、プロジェ

クト活動の FB セミナーや農村開発

に関する研修を実施する。

3-3. P 郡で構築した成果を P 郡以外の

DB 省内の郡へ普及するための道筋

を示した活動計画等(アクション

プラン)を策定する。

*1: 「営農の改善」の内容例:生産量増加、コスト削減等

*2: 集落:コミューンよりも下の住民の集合体だが、行政機関ではない

*3: 活動例:定例会の設置、ルールづくり、維持管理活動等

-118

Page 139: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価グリッド(実績の検証)

評価項目:実績の検証

評価設問必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

投入は計画どお

りか。

専門家は予定どおり派遣された

か。

実績と計画との比較

結果

プロジェクト資料 *専 門 家、JICA ベ ト

ナム事務所

・ 栽培の専門家の派遣が断続的で、行政機関の活動強化に関する経験を採用の条件

にしていなかった。その後、作物栽培技術を農家に指導する経験と技術を有する

日本の行政機関である農業改良普及所業務の経験者を招へいし活動が進展した。

・ 年間を通じて行われる栽培に対応して指導ができるよう、複数の専門家の交代赴

任による切れめのない指導体制を整備した。

予定どおりプロジェクトに必要

な機材が供与されたか。

実績と計画との比較

結果

専門家 ・ 機材は予定どおり供与されている。

機材の利用状況、管理体制に問

題ないか。

専門家コメント

観察結果

プロジェクト資料

専門家、DARD供与された機材類は専門家と C/P により適切に利用管理されている。

C/P 研修は予定どおり実施され

たか。

実績と計画との比較

結果

プロジェクト資料

DARD・ JCC 議長である省人民委員会副議長を日本の農業・農村開発に関する知識情報収

集のため、短期専門家が所属していた福岡県を中心に、DARD 局長とともに本邦

研修を実施。

・ 省、郡 PMU メンバーを中心に関係者を参加させ、農村開発・水管理、農業技術

普及の最新知識の取得を図った。

・ 「日本における先進的な農業普及事業」を 2013 年 8 月 31 日から 9 月 11 日にかけ

て実施し、DARD 及び郡レベルの PMU メンバー 7 名(DB 省 DARD1 名、DB 郡 1 名、

MC 郡 2 名、TG 郡 3 名)を福岡における農業普及事業を実際経験しながら学ばせた。

日本側からのローカルコスト負

担はどの程度何に対して行われ

たか。

実績と計画との比較

結果

実績取りまとめ表

専門家

・ 灌漑施設整備のコストは想定の範囲で収まっている。当初の設計を見直すととも

に、特に 2014 年度はベトナム事務所よりプロジェクト年度予算の削減を求められ

たため、一部の工事を農民施工での実施、ベトナム側の貧困対策プロジェクトと

の役割分担等を行い、コストの削減に努めた。

・ 2010 年度~ 2014 年 12 月末まで、1 億 2,194 万 6,000 円支出。【土壌調査、水稲栽

培実態調査、メイズ・大豆栽培実態調査地形図作成調査、流量調査、土壌浸食状

況調査含む】

プロジェクト運営に必要な予算

がベトナム側から配賦され、効

率的に執行されたか。

実績と計画との比較

結果

プロジェクト資料

DARD、PPMU・ 2014 年 12 月末まで合計 16 億 4,629 万 8,400VND【1. 個人への支出(書類管理者、

運転手、経理等、PMU プロジェクト給与)、2. 専門業務のための支出(電気光熱費、

インターネット代、郵送代、文房具など消耗品、本邦研修へ行くためベトナム国

内の日当など、3. 購入・修理のための支出(執務室デスク、椅子、棚等)、4. その

他支出(プロジェクト車両登録料・保険料、会議費)】

C/P、運営管理スタッフはベトナ

ム側から予定どおり配置された

か。

実績と計画との比較

結果

プロジェクト資料

DARD、PPMU・ 中間レビュー調査以降、PPMU、DPMU メンバーは固定している。

-119

6.評価グリッド調査結果表

Page 140: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価項目:実績の検証

評価設問必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

事務所、家具、通信手段及び業

務用機材等は予定どおり配置さ

れたか。

観察結果

提供資機材の状態

プロジェクト資料

専門家

DARD

・ 配置されている。

PDM の 指 標 か

ら見て、アウト

プットは計画ど

おり産出された

か。

アウトプット 1:パイロット郡において、水稲、トウモロコシ、大豆などの農産物の生産、ポストハーベスト、販売の手法が改善される

各パイロット集落において ;1-1:改善計画で指摘された問題

点のうち、60%以上が改善され

る。

改善計画

農家の意見

プロジェクト資料

専門家

DARD、普及員、対

象農家、コミューン

の指導者

・ 農家は発芽本数の調節技術、病害虫対策、管理作業の優位性を考え、条播栽培が

収入向上に効果があると評価している。

・ アンケートへ回答した対象農家(226 戸) のうち、60%以上の農家に改善計画に挙

げられた全問題点(病害虫、種子処理、種子生産、種子播種量、間引き移植時間、

農薬使用量)において改善がみられた。

1-2:肥料にかかる知識習得によ

り施肥の手法が改善される。

肥料に関する研修、

調査結果

・ 肥料の使用方法 :68%の農家が施肥の利用方法が改善し、31%の農家が少し改善

した。

・ 肥料の使用量:61%の農家が改善(減量)し、37%の農家が少し改善した。

1-3:種子にかかる知識習得によ

り優良種子の生産手法、播種技

術が改善される。

種子に関する研修、

調査結果

世帯調査結果

・ DB 郡、MC 郡 Muong Tung コミューン、TG 郡とも開始前の 2 割から 4 割減の 6kgから 8kg 程度に減少した。

・ MC 郡 Ma Thi Ho コミューンでは痩せた土地で施肥量も少ないため、多く播く傾

向があるが、14.5kg から 9kg と大幅に減。

1-4:パイロット郡 47 コミュー

ンの 60%上の指導者がガイドラ

イン / マニュアルの内容につい

て理解を示す。

指導者の意見

プロジェクト作成

のガイドライン / マニュアル類

・ ガイドライン / マニュアル(案)はほぼ完成段階であるが、これまで省(DARD)、

パイロット郡、パイロットコミューンの意見を聞きながら作成しており、パイロッ

ト郡内の他コミューンにおいても理解されている。

・ 本プロジェクトで作成した栽培暦については、既に、対象郡 3 つにおいて、パイロッ

トコミューン以外のコミューンにも配付している。3 郡合計で 25 のコミューンに

配付した。3 郡全体で 56 コミューンあるので、3 郡全体の半分に対して本プロジェ

クトの成果物の一部が普及されている。

・ WS において他のコミューンへ実証展示圃の成果や生産性を波及させる努力を行

うなど農業技術の普及に関し C/P の理解が深まっている。

PDM の 指 標 か

ら見て、アウト

プットは計画ど

おり産出された

か。

アウトプット 2:パイロット郡で水資源の配分が効率化するとともに、灌漑施設管理が改善される

2-1:パイロット集落で策定され

た改善計画に示された活動のう

ち 60%が実施される。

改善計画

水利担当者、WUG長の意見

プロジェクト資料

専門家

DARD、普及員、対

象農家、コミューン

人民委員会水利担当

者、灌漑管理公社技

術者、対象地農家

・ 改善計画:①地元の水管理検討体制の構築、②農民水管理組織規約の制定、③総

会、定例会議の開催、④施設改善計画の作成と実行、⑤維持管理計画の作成と実行、

⑥農民の水利用マナー改善、⑦施設の維持管理・改善にかかる費用・労務等の分

担の明確化。

・ 全 6 パイロット集落において水管理改善計画が実施されている。

-120

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評価項目:実績の検証

評価設問必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

2-2:パイロット集落の 60%以

上の農家の水管理が改善される。

水管理に関する研修

結果

農家意見

・ 水管理改善計画 7 項目:①地元の水管理検討体制を構築する②農民水管理組織規

約を制定する③総会、定例会議を開催する④施設改善計画を作成し、実行する⑤

維持管理計画を作成し、実行する⑥農民の水利用マナーを改善する⑦施設の維持

管理・改善にかかる費用・労務等の分担を明確にする

・ 各パイロット集落で組織された水管理組織の農家への聞き取り調査で 73%の農家

が水管理の改善を十分認識し、27%が多少改善した、と認識している

2-3:パイロット郡内コミューン

人民委員会水利組合担当者及び

灌漑管理公社の技術者の 75%以

上にガイドライン / マニュアル

が理解される。

ガ イ ド ラ イ ン / マニュアル類

水利担当者、灌漑公

社技術者意見

・ ガイドライン / マニュアル(案)はほぼ完成段階だが、省(DARD)、パイロット郡、

パイロットコミューンの水利担当者の意見を聞きながら作成中。

・ プロジェクト終了までに、郡内関係者に説明され、機関ごとに配付される予定。

アウトプット 3:地方政府(省、郡、コミューン)職員及び関係組織の農村開発に係る能力が向上する

3-1:パイロットコミューンの農

業普及員・集落長等のうち、研

修に参加した 60%以上の研修員

が普及方法を習得する。

研修記録

普及方法、意識の変

プロジェクト資料

専門家

DARD、普及員、農

民組織、企業、郡指

導者、植防支局、農

業普及センター職員

・ 農家の経験に頼った農業のやり方に対して、指導者は技術情報を一方的に伝える

傾向があった。しかし、今作で寒害を受けた稲のまき直しに際し、植物防疫ステー

ションの職員が育苗・移植を農家に勧めるなかで、自ら率先垂範して育苗作業を

行うなど、これまでにない農家に寄り添う姿が見られた。

・ パイロットコミューンの農業普及員(モニタリングスタッフ)へのアンケートで、

全普及員(100%)がプロジェクトの普及方法について理解を示し、パイロット区

の集落長自身も参加したプロジェクト活動による農業の改善を認識。

3-2:研修実施機関(植防支局、

農業普及センター等)において、

研修手法が改善されたと評価す

る。

植防支局、農業普及

センター作成の研修

資料、意見

プロジェクト資料

専門家

DARD、普及員、対

象農家

・ 研修資料を植防支局に作成してもらいプロジェクト関係者(専門家、DARD、郡

PMU)と植防支局で話し合い、農家に分かりやすい表記の研修内容に修正し作成

したことで植防支局から自発的に分かりやすい研修資料が提出されるようになっ

てきた。

・ プロジェクトの研修を通じ、農業普及センターの職員は、①研修方法②指導技術

③研修資材の点で、能力を向上した。

3-3:地方政府(省、郡、コミュー

ン)及び関連組織等からのプロ

ジェクト成果 FB セミナー参加

者の 75%以上がプロジェクトの

成果を理解する。

FB セミナー記録

参加者意見

・ プロジェクトの成果を反映するガイドライン / マニュアルの作成において、プロ

ジェクト成果の確認と取りまとめというフィードバックセミナーと同等の活動を

行っている。これに参加している省(DARD)、パイロット郡、パイロットコミュー

ンの各担当者はアンケート等においてプロジェクト成果への理解を示し、自身が

理解したプロジェクトの成果をガイドライン / マニュアルの作成に反映している。

・ ガイドライン / マニュアルの成文化の後、プロジェクト終了までに 3 郡以外の郡

の関係者、他ドナーに対し、もしくは非対象郡に訪問し、普及セミナーを行うこ

とを検討中。

3-4:パイロット郡以外の郡指導

者の 60%以上がアクションプラ

ンは実行可能であると評価する。

アクションプラン

郡指導者意見

・ アクションプランの作成は今後の活動であるが、引き続き、省、郡の意見を聞き

ながら作成する予定。

・ ガイドライン / マニュアルの承認と並行して 3 郡以外の郡関係者に対し普及セミ

ナーなどによりアクションプランを説明することも計画中。

-121

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評価項目:実績の検証

評価設問必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

PDM の指標から

見て、プロジェ

クト目標【パイ

ロット郡におい

て、市場志向の

農産物の生産、

加工、販売の推

進のための郡行

政機関を中核と

した体制の強化

を通じて、農村

開発が促進され

る】の達成見込

みはあるか。

指標:パイロット集落の 60%以

上の農家の営農状況が改善する。

・ パイロット集落の

農家数

・ 「営農状況の改善」

を示す事項と数値

・ 試験耕作の結果

・ DB 省、パイロッ

ト郡の統計

プロジェクト資料

専門家 DARD普及員、対象農家

・ 3 郡に 2 カ所ずつ、計 6 カ所のコミューンの世帯数は 7,903 戸、パイロット集落(区)

農家数は 644(2015 年 1 月)。本プロジェクトの対象農家数は延べ 785(水稲 501、メイズ 179、大豆 105、重複あり)。

・ 対象農家 644 戸のうち、226 戸に対して実施したインタビューの結果、224 戸が「水

稲の収量は増加した」と回答。他方、「変わらない」と回答した農家も 2 戸あった。

・ 3 郡の収量数と平均増加率:15.5%・ TG 郡 QC コミューンと MM コミューンのメイズ予備調査における経済効果結果

は、それぞれ上がった。

・ TG 郡の QC、MM コミューンの大豆も収量増、肥料方法・量、農薬量、播種、間引き・

補植が改善された。

DB 省において

農村開発は促進

される見込みか

(上位目標)。

指標 1:2020 年ごろまでに、本

プロジェクトで策定された行動

計画がパイロット郡以外の DB省内の郡で DB 省と郡等の行政

機関により活用される。

パイロット郡以外の

DB 省内の郡の現時

点での活用度合

・ 既に、ベトナム側の予算により、プロジェクトの研修・展示圃による技術移転の

手法がパイロット集落以外の 5 集落への拡大することが予定されていること(MC郡)や、ベトナム側自身によりプロジェクト技術(研修内容等)がパイロットコ

ミューン以外への研修の利用(DB 郡)が行われている。このような自発的な活

動が見られるとともに、またコメ等の増産は引き続き省の目標である。

指標 2:2020 年ごろまでに DB省において、水稲、トウモロコシ、

大豆等の農業栽培技術が理解さ

れることにより営農状態が向上

する。

プロジェクト対象農

家の割合

DARD の意見

農業関連政策

プロジェクト資料

専門家

DARD、DPMU

・ プロジェクトが対象とする農家数は対象コミューン全体の 10%である。今後の活

動が DB 省全体にどのように普及し、営農状態の向上につながり得るか、把握す

ることはやや困難である。

・ DARD は省の農業セクター 5 カ年計画に本プロジェクト活動の内容を含めること

を考えている。

-122

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評価グリッド(実施プロセスの検証)

評価項目:実施プロセスの検証

評価設問必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

活動は計画どお

りに実施された

か。

当初の PO と変更しながら行っ

た活動の進捗と成果はどのよう

なものが出ているか。

・ 実績と計画との比

較結果

・ PO

専門家、プロジェク

ト関係者

・ ガイドライン・マニュアルの「作成」から「配付」に変更したが、プロジェクト

は既にマニュアルを研修用資料や普及活動に活用している。

・ 「作成されたガイドライン / マニュアルに基づき郡内の他のコミューンでの農業普

及活動を普及員等が実践することを支援する OJT を実施する」は PDM Ver.2.0 で

は削除されたが、既に他のコミューンに対し、暦を配付し、代表者を WS に呼ん

で活動の成果を伝える、といった活動は行われている。

PDM を改訂した効果はあった

か。

プロジェクト運営上

の効果

専門家、プロジェク

ト関係者

・ 農家の認識レベルに応じた指標となっている。

・ 目標が明確になったので関係者は動きやすくなった。

技術移転の方法

に問題はなかっ

たか。

・ 技術移転の方法は適切か。

・ 技術移転の対象者は適切か。

研修内容、方法、移

転技術レベルに関す

る:

・ 専門家意見

・ DARD 等意見

・ 研修機関意見

プロジェクト資料

専門家、DARD、D/PPMU、普及員、対

象地域農家、研修機

関等

< 対象者 >・ 展示圃場実施の目的を農家への直接技術移転の場ではなく、行政機関が農家に対

して技術移転するための場として実施した。

・ 研修は農家に対して必要な情報を計画的にわかりやすくするための行政機関に対

する指導の場として行い、農家の段階的能力向上のための計画の策定、研修参加

者の能力に合った資料の作成、若手の郡職員を対象に研修講師養成研修(TOT)を実施した。

< 移転方法・専門家の態度 >・ 普及員はプロジェクトの熱心でオープンハートで役に立つやり方を教わり、専門

家と一緒に仕事してきた。

・ 展示圃場の設置の WS に植物防疫支局の研修担当者も出席させ、展示圃の設置内

容を共有し、展示圃場で行う水稲栽培の内容と研修内容を合致させた。

・ TG 郡植防ステーションでは、プロジェクトサイトに隣接するコミューンの普及推

進員の依頼を受け、水稲栽培農家講習会を実施した。これは、冬春作水稲で実施

した WS に他コミューンの代表者や普及推進員を呼んで、パネルディスカッショ

ンの手法でプロジェクトの成果を広報した成果。

・ 改善計画を踏まえつつ、栽培シーズン前の WS 等での区長やモデル農家等の対話

を通じて、農家のニーズを踏まえた研修や展示圃場等を通した技術指導を行うこ

とを普及員へ指導している。また、プロジェクトの完了後を見据えて、2014 年度

からは郡自らが研修計画を立案し、研修を実施する方式としている。

-123

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評価項目:実施プロセスの検証

評価設問必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

プロジェクトの

マネジメント体

制( モ ニ タ リ

ングの仕組み、

意思決定過程、

JICA ベ ト ナ ム

事務所の機能、

プロジェクト内

のコミュニケー

ションの仕組み

など)に問題は

なかったか。

・ 実施中のモニタリングによる

軌道修正へ JICA ベトナム事

務所が迅速に対応、助言して

いるか、コミュニケーション

を十分とれていたか。

・ 専門家意見

・ JICA ベトナム事

務所担当者意見

プロジェクト資料

専 門 家、JICA ベ ト

ナム事務所

プロジェクト関係者

・ 担当者の現地訪問や専門家からの総括表、報告書を通じプロジェクトの進捗につ

いては確認されている。

・ プロジェクトの各活動のモニ

タリングをプロジェクトはど

のように行い、その結果とし

て何が改善されたか。

・ モニタリングの課題と改善、

今後の対応

・ 専門家意見

・ DARD 等関係者意

プロジェクト資料

専門家

プロジェクト関係者

・ モニタリング関連

記録

・ 事業完了報告書

・ プロジェクト開始当初は栽培部長(PM)から DARD 局長(PD)に説明がなされ

ていなかったため、チーフアドバイザーが直接毎月の活動を文書で提出していた。

その後、C/P と共同で作成したレポートを PM が PD に説明している。

・ 関係機関との連携ではプロジェクトにかかわる農業担当者会を発足させ、2013 年

7 月 29 日に 1 回目を開催した。プロジェクトのめざすもの、実証圃の設置内容の

確認と能力向上のための研修会を実施した。毎月 1 回定例的に開催し、連絡調整

や連携、能力向上に向けた取り組みを行い、関係機関の連携の重要性の理解促進

を図る。

・ 農業担当者会は各郡のもち回りで現地調査も実施し、講義や意見交換で能力向上

を図っている。従来は農業担当者の郡を超えた交流はなく、郡内のコミューン間

についても DB 郡を除き連携はなかった(DB 郡農業水産振興ステーションがコ

ミューンの普及員を集めた農業普及員会議を行っている)。同会では技術やマニュ

アルの検討を共同で行い、他郡の事例等を実際に見て知ること等で農業担当者と

しての資質・技術力の向上が図られた。また、農業担当者会において他郡の担当

者と知り合い、親しくなったことで、病虫害の状況を他郡の担当者に聞ける等の

横のコミュニケーションができるようになった

(第 2 回:2013 年 8 月 22 ~ 23 日、第 3 回:9 月 18 日~ 19 日、第 4 回:11 月

11 日 DB 郡の研修会と同時開催。第 5 回:12 月 16 日~ 17 日:TG 郡で、第 6 回:

2014 年 1 月 20 日~ 21 日に MC 郡で、第 7 回:2014 年 2 月 17 日~ 18 日に DB 郡、

第 8 回:2014 年 3 月 24 ~ 25 日に TG 郡で、第 9 回:4 月 21 ~ 22 日に MC 郡で、

第 10 回:5 月 19 ~ 20 日に DB 郡で、第 11 回:6 月 23 ~ 24 日に TG 郡で、第 12 回:

7 月 31 日~ 8 月 1 日に MC 郡、第 13 回:8 月 28 ~ 29 日に DB 郡で、第 14 回:9月 29 ~ 30 日に TG 郡で、第 15 回:11 月 13 ~ 14 日に DB 郡で、第 16 回:12 月

18 ~ 19 日に DARD で、第 17 回:1 月 29 日~ 30 日に DARD で開催)

・ 灌漑担当者会議はこれまで 12 回開催し、ガイドライン / ハンドブックを共同で作

成中。

実施機関や C/Pのプロジェクト

に対する認識 /参 加 度 は 高 い

か。

適切な C/P が配

置されたか。

DARD はプロジェクト活動に対

しどのように認識してきたか。

・ DARD の C/P 意見 プロジェクト資料

DARD 関係者

・ 幹部級の一部のメンバーは多忙なことから、月次定例会出席に消極的。

・ ガイドライン / マニュアルの作成は、まず省 PMU との打合せで大枠を決め素案を

作成した。農業分野では、省植防支局、省農業普及センターとともに素案を作成

した。その後、省、パイロット郡、コミューンの担当者と複数回の内容の打合せ

等を行い、その意見を取り入れて成案としている。アクションプランの作成はこ

れからだが、ガイドライン / マニュアルの作成と同様に、省とパイロット郡の意

見を聞きながら作成する予定。

-124

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評価項目:実施プロセスの検証

評価設問必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

・ DARD 以外の関係機関の参加

度は高かったか。

・ T/G の参加度は高かったか。

・ 対 象 3 郡 の DPC(DARD、 農 業 普

及センター)

・ CPC、農業普及員

(D/PPMU)

・ 対象コミューンの

農民

プロジェクト報告書

専門家

農業普及センター、

普及員、農家

D P I、D O F、D T I、DONR

・ 3 郡の PMU メンバーは積極的に活動している。

・ 2014 夏秋作の展示圃でも、DPMU メンバーが主体的に計画し希望農家を募り開始

している。

・ 研修会で使用する資料を植物防疫支局で作成し、プロジェクト関係者(JICA 専門

家、DARD、郡 PMU)と植物防疫支局の担当者で農家に理解しやすい資料とした。

特に写真や図等を用い栽培の重要なポイントを記載し、農家が理解しやすいよう

に工夫した。回数を重ねることにより農家に分かりやすい資料が自発的に作成さ

れるようになった。資料は写真や図があり分かりやすくなったと答える農家が増

加した。

毎回、研修資料を植物防疫支局にまず作成してもらい、プロジェクト関係者

(JICA 専門家、DARD、郡 PMU)と植物防疫支局で話し合って、農家に分かりや

すい表記(写真や図による説明や重要な単語や数字だけを明記して農家が覚えや

すくするなどの工夫)の研修内容にすべく修正し作成してきた。毎回そのように

やってきたことで、植物防疫支局から農家に分かりやすい研修資料が自発的に徐々

に提出されるようになった。

適切な C/P が配

置されたか。

C/P(DARD 職員)は計画どお

り配置されたか。

・ 配置状況 プロジェクト資料

専門家

DARD

プロジェクト開始当初は C/P が決まらず、活動の進捗に影響を及ぼしたが、2012 年

頃から固定した配置となった。

C/P の人数、位置づけ、役職、

能力及び配属先は妥当であった

か。

関係者意見 プロジェクト資料

専門家、DARDC/P はもともと DARD 栽培部や普及を行う部署の所属であり、かつ所属長も PPMU、

DPMU メンバーに含まれている。

直接的裨益者以外の組織の巻き

込み状況はどの組織にどの程度

あったか。

・ T/G 以外の組織で

プロジェクトに大

きくかかわってい

る組織と活動内容

・ 留意点

・ 植物防疫支局、植

防支局、農業普及

センター

・ 植防支局は、プロジェクトで実施した農業技術講師養成研修の講師を務めた。 TOT 実施にあたっては、日本人専門家と緊密な関係をとった。TOT 計画に対して

専門家から詳細なフィードバックが役立った。日本人専門家から学んだ主な点は、

①受講者に指導者としての責任や姿勢を教えること②受講者を総合的に評価する

こと(質問票、テスト、サイトでの実践などの組み合わせによって評価する)である。

・ これまでプロジェクトは省の農業普及センターとの関係はメイズの研修会講師依

頼などに限られていたが、2014 年 3 月に郡レベルでつくる稲作暦の作成連絡会議

に所長に出席してもらい支援協力を取りつけた。

・ プロジェクト活動を通じ、振興センターの職員は、①研修方法②指導技術③研修

資材の点で、能力を向上した。特に、①農家のニーズに基づいて研修をする②研

修後にモニターすることを学んだ。

-125

Page 146: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価項目:実施プロセスの検証

評価設問必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

中間レビュー調

査時の提言に対

し適切な対応が

とられたか。

① 改訂版 PDM の指標に基づく

情報収集。

プロジェクトの指標

関連情報収集状況

プロジェクト資料

専門家

DARD

・ プロジェクトにて農家、DPMU 等関係者に対しアンケート調査を実施した。

・ 本調査でもインタビューを通じ上記アンケート調査の裏づけとともに、定性的な

情報を収集した。

② 灌漑施設のための水利組合の

設置や規則の制定。

水利組合のリスト、

運営状況

プロジェクト資料

専門家

DARD、P 郡普及員、

農家、水利組合担当

・ 各コミューンで水利組合が設置され、各水利組合の規約も作成された

・ DB 郡で予定された灌漑施設整備は、Thanh Hung コミューンが 2013 年度、

Noong Het コミューンが 2014 年度に完了。2014 年度に水管理に係る活動の成果

を取りまとめて、水管理改善に係るガイドライン・マニュアル(案)を策定して

いる。

中間レビュー調

査時の提言に対

し適切な対応が

とられたか。

③ パイロット集落の相互訪問に

よる学び合い・先進地訪問。

相互訪問の記録

関係者意見

プロジェクト資料

専門家

DARD、P 郡普及員、

農家

・ 有機質肥料の製造ではモデル農家とコミューン の普及推進員が先進地での製造研

修(実習)を受け、地元で製造について実演した。再製造の計画を PUM 栽培担

当者やコミューン の普及推進員、農家と確認している。その際、他の農家へ波及

させることも了承し、PMU 栽培担当者は農家選定を行っている。

・ 普及推進員は、毎月、他の郡にある実証を見学に行きプロジェ クトの専門家や先

輩たちから水稲、大豆、メイズ、有機質肥料 などさまざまに学習した。

・ 農家の移動手段は限られており難しい面もあるが、TG 郡の WS では、他のパイロッ

ト郡の担当者、パイロットコミューン以外の周辺のコミューンの担当者、周辺の

パイロット区以外の区長、他のパイロット区の担当者(Muong Mun コミューンと

Quai Can コミューン間)が参加しており、また、有機肥料の農家―農家(farmer to farmer)研修でモデル農家が他のパイロット区へも指導することなど、プロジェ

クトとしてパイロット集落を超えた交流を支援している。

④ ベトナム人材のポストハーベ

スト、販売分野等での活用。

ベトナム人材の活用

プロジェクト資料

専門家

DARD

・ 地域で農家講師を育成し、農家による技術普及拠点ができあがっている JICA 草

の根技術協力事業「ベトナム 農民参加型 木炭多用途利用技術 普及計画」(フエ省

バックマー国立公園緩衝地帯)の有機肥料づくりのベトナム人講師を栽培対象区(3カ所)に呼び、有機肥料づくりに興味がある現地の農家を呼んで研修を行った。

そ の 他、 プ ロ

ジェクトの実施

過程で生じてい

る 問 題 は あ る

か。その原因は

何か。

灌漑施設の施工工事では、発注

者責任が希薄になるような請負

契約方式になっている。

施行工事の進捗、灌

漑施設の質

プロジェクトの品質

管理

プロジェクト資料

専門家

DARD

施工管理については、日常的な確認作業等を施工監理業者へ委託するとともに、郡

のスタッフ、日本人水管理専門家とともに監理した。2013 年度の工事期間には、施

工監理の短期専門家を招へいし、施工監理業者、郡業者、工事業者への施工監理、

品質管理に関する指導を行った。2014 年度には、施工監理業者、郡担当者、省担当

者による管理を行い、コンクリート配合試験への立会い、現地への抜き打ち検査を

行うとともに、厳しい指導を行った。写真管理等これまで現地では取り組まれてい

ない管理方法についても、指導を行った。

DPI:Department of Planning and InvestmentDOF:Department of FinanceDTI:Department of Trade and IndustryDONRE:Department of Natural Resource and Environment

-126

Page 147: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価グリッド(妥当性)

評価項目:妥当性

評価設問判断基準・方法 必要なデータ 情報源 データ収集方法 調査結果

大項目 小項目

必要性

「パイロット郡の市場志

向の農産物の生産、加

工、販売の推進のための

郡行政機関を中核とし

た体制の強化を通じた

農村開発の促進」(プロ

ジェクト目標)は、ベト

ナム社会の農業・農村

開発の課題を解決する

方策として現在も整合

性があるか。

「パイロット郡の市場志

向の農産物の生産、加

工、販売の推進のための

郡行政機関を中核とし

た体制の強化を通じた

農村開発の促進」が DB郡の農業 GDP の引き上

げに貢献している。

・ DB 県の農業

GDP、雇用比

・ パイロット郡

(P 郡)の農業

現状

・ 特に、加工・

販売に関する

現状

・ ベトナム統計

総局

・ Statistic Yearbook 最新

・ プロジェクト

報告書

・ 日本人専門家

・ DARD 等関係

・ 市場

文献調査

インタビュー調

質問票

・ DB 省は国内 2 位の貧困地域であるのみならず、DB 省内の

郡においても DB 郡とそれ以外の経済格差が存在し、DARDは農業による地域格差是正をめざしている。

・ 省の人口 (52 万 7,300 人、2013 年 )のうち、約 85%が農村

部に居住している。(*1)・ 個人所得に占める農業分野の割合は減少傾向にあるが、い

まだに 40%ほどを占めており、重要なセクターである。

・ DB 省の穀類生産量は 2005 年で 17 万 6,000 t、2013 年は 23万 5,000 t と増加している(コメとメイズの生産量は増加傾

向にある)。

プロジェクトは現在も

DARD(ターゲットグ

ループ)のニーズに合致

しているか。

DARD の ミ ッ シ ョ ン、

ニーズにプロジェクト

が合致している。

・ DARD のミッ

ション、ニー

ズ確認

プロジェクト報

告書

DARD

文献調査

インタビュー調

質問票

・ DB 省の計画:(栽培分野)水稲栽培面積を拡大し、食糧生

産を開発し、生産量を増加する。水稲栽培が地方の食糧需

要にこたえた地域では、農地を効果的に利用するために、

他作物への転換を支援する。(灌漑分野)既存の灌漑施設

を改善・強化し、2015 年までに受益面積を 1,000ha 追加し、

水路 417km を強化する。

プロジェクトは現在も

関係機関(ターゲットグ

ループ)のニーズに合致

しているか。

プロジェクトは植防セ

ンターや農業普及セン

ターのニーズに合致し

ている。

DARD 以外の関

係機関のニーズ

の変化

・ プロジェクト

報告書

・ 植 防 セ ン

ター、農業普

及センター

インタビュー ・ (プロジェクトの主たる T/G は、DARD、DPC、CPC、農業

普及センター、植防センター)

・ プロジェクトの活動は、農業普及センター、植防支局の活

動内容に一致している。

・ 当地において農家自身による技術習得、能力向上は難しく、

また、農家の横の連携は必ずしも十分であるとはいえない

と考えられ、このため、行政の普及員、担当官の役割は重

要、有効であり、基本である。しかしながら、普及員が研修・

訓練を受ける機会は限定的で、技術的な知識及び普及指導

能力は十分なレベルに達していない。

プ ロ ジ ェ ク ト は DPI、DOF、DTI、DONDE、

対象 3 郡の DPC(DARD、

農業ステーション)、

CPC、農業農業普及員(D/P-PMU)など関係機関

のニーズに合致してい

る。

DPI、DOF、DTI、DONDE、対象 3 郡の DPC(DARD、農業ス

テーション)、

CPC、農業

農業普及員

(D/P-PMU)

インタビュー ・ 郡の農業農村振興ステーションは、DB 郡を除き、作物栽培

の陣容が弱く人材が不足している。農家や現場は知ってい

るが、技術の裏づけ、科学的な知識が不足している(書物

等権威筋からの技術を抽象的に伝える傾向があるので、信

頼感がうまれず相互の溝が埋まらないきらいがある、PH 計

や温度計を使いこなし、科学的、客観的な普及指導法を用

いることや理由をきちんと説明できる知識が必要である)。

・ コミューン普及員は、研修機会がほとんどない。

-127

Page 148: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

プロジェクトは現在も

対象コミューンの農家

のニーズに合致してい

るか。

プロジェクトは現在も

対象コミューンの農家

のニーズに合致してい

る。

農家のニーズの

変化

・ プロジェクト

報告書

・ 対象農家

・ 普及員

文献調査

インタビュー調

質問票

・ 農業生産において技術的な課題を抱えているが、技術・知

識を獲得する機会が限られている 。そのため、従来型の栽

培方法が広く行われており 、収量及び生産性を改善する余

地が大きい。

・ プロジェクトは農家ニーズや行政ニーズを基に、実施機関

が協調したい技術を中心に展示圃を実施している。

・ 改善計画は各郡の農家、郡の意見を聞いて、改善すべき内容、

対象作物等を決定している。研修内容や資料といった具体

的な活動は、各郡の状況(地形・気候条件、技術レベル等)

や農家のニーズに応じるため、郡ごとに内容を変えて作成

している。

・ プロジェクトの活動は対象コミューン、対象区に好意的、

熱心に受け入れらた。

・ 農家の声:学習した技術を継続したいという意向を示して

いる。

・ 農家の声:研修で学んだことは忘れない。肥料や農薬のや

り方、株密度のとり方はすべて必要なことである。

・ 農家の声:今後もメイズの収量を増やしたい。現在は 600kg程度だが、1,000kg まで増やしたい。

優先度

プロジェクトは、終了時

評価時点においても、ベ

トナムの開発政策にお

ける農業・農村開発の

方針に合致しているか。

プロジェクトは、ベトナ

ムの開発政策における

農業・農村開発の方針

に合致している。

・ 社会経済開発

10 カ 年 戦 略

(2011 ~ 2020年)、社会経済

開発 5 カ年計

画計画(2011~ 2015 年)、

・ 政府関係者の

各種政策に関

する認識

・ 戦略文書

・ 計画投資省

文献調査、

JICA 事務所

【社会経済開発 10 カ年戦略(SEDS)2011 ~ 2020 年】

・ 2020 年までに工業国への仲間入りを果たすための基盤づく

りを第一の目標に掲げている。 

【第 9 次社会・経済開発 5 カ年計画(SEDP)(2011 ~ 2015)】・ 引き続き低所得国からの脱却(2010年)を経た工業国化(2020年)をめざす。

・ 農村経済及び農業生産への投資を増加させ、新しい農村モ

デルの構築を強力に推進。

・ 381 万 2,000ha の稲作面積を確保し、同時にコメ生産地方・

農家を保護する特別規定・政策を実施して国家食糧の安定

確保をめざす。

・ 僻地、山岳地、離島、特別貧困地域、少数民族地域での生

活向上を図る。少数民族、山岳地、国境地域、離島の住民

を安定させる計画を立案する。

・ 政府と各地方政権のシステムを強化し、早い段階で都市権

限モデルを実験的に行う。中央と地方の分権(地方分権)

に関する規定を再検討して改定する。http://www.chinhphu.vn/portal/page/portal/English/strategies/strategiesdetails?categoryId=30&articleId=10052505

灌 漑 施 設 の 利

用、管理に関す

るガイドライン

の内容

DB 省 DARD 決

議文書(2010 年

9 月)

DB 省における灌漑施設の利用・管理・補修のための水利組合

の設立、体制強化、発展に対するガイドライン(2010 年 9 月)

において、水利組合の設置及び活動について規定が設置され

た。

-128

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プロジェクトは日本の

援助政策・JICA の援助

実施方針との整合性は

あるか。

プロジェクトは日本の

援助政策・JICA の援助

実施方針に沿っている。

・ わが国の支援

基本方針と重

点分野

・ 事業展開計画

におけるプロ

ジェクトの位

置づけ

国 別 援 助 方 針

(2012 年 12 月)

事 業 展 開 計 画

(2013 年 11 月)

文献調査 【対ベトナム国別援助方針】

重点分野の 1 つとして、脆弱性への対応を挙げ、社会・生活

面の向上と貧困削減、格差是正を図るための農村・地方開発

を支援を表明している。

【事業展開計画】

農水産品の高付加価値化を促進し農村部の持続的な経済振興

を図るため、農水産物・食品の安全性確保、農民組織化、自

然資源の持続的活用等、観光開発、農村部の生計手段の多様

化、地方インフラ整備等を支援する「農業地方開発プログラム」

の一部として本プロジェクトは位置づけられている。

手段としての適切性

プロジェクトは農業・

農村開発分野の開発課

題に対する戦略として

適切か。

対象コミューンは適切

に選択された(不適切

と判断される証拠はな

い)。

・ 6 つの対象コ

ミューンの選

択の妥当性の

変化

プロジェクト報

告書

日本人専門家

JCC、農業担当

者会記録

DPMU、普及員、

村民

文献調査

インタビュー調

質問票

・ パイロットサイトは、2011 年に実施したベースライン調査

に基づいて選定された。

・ 上位計画では DB 省全体を対象としており、このためには

気候的、地形的、民族構成等が異なる 3 郡をパイロット郡

として対象とすることは必要かつ適切であったと考えてい

る。

対象区は適切に選択さ

れた(不適切と判断され

る証拠はない)。

・ 選択された各

コミューン内

の対象区選択

基準と現時点

での妥当性の

変化

・ パイロットサイトは、遠隔地であることから道路未整備区

間が多く、郡の人民委員会事務所からもパイロットサイト

へのアクセスに多大な時間がかかっている。しかし、イン

フラ整備が進み、プロジェクト開始当初と比べると現在は

アクセスが改善されている。

対象作目は適切に選択

された。

・ コメ、メイズ、

大豆を選択し

た妥当性の変

・ DB 省の計画及び農家のニーズを基に、選択された。

-129

Page 150: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

・ Farmer to Farmer の 方

法が適切であった(パ

ネルディスカッショ

ン形式が適切であっ

た)。

・ 参加型灌漑施設管理

をめざすアプローチ

は適切であった。

・ 農家ニーズに基づい

た研修手法は適切で

あった。

・ 実証展示圃場を使っ

た技術指導、普及は適

切であった。

・ Farmer to Farmer による

WS の効果

・ 参加型灌漑管

理に対する農

家、DPMU の

理解度の変化

プロジェクト報

告書

日本人専門家

DPMU、普及員、

村民

文献調査

インタビュー調

質問票

・ パネルディスカッション:TG 郡では、展示圃の結果を普

及するため収穫直前に農家やパイロットサイト以外のコ

ミューンの役員を集めて WS が開かれた。従来型のセミナー

はリーダーのみを招待し、専門家が発表するだけであった。

パネルディスカッション方式では農家が発表することで参

加者の理解が進んだ。教える側の農家は他の農家に教えた

責任があり、より指導者として向上心をもつようになる。

農家は自信をもって経験を共有していた。パネルディスカッ

ション方式は、IPM ワークショップにも活用したが、うま

くいった(* 植物防疫ステーションが実施)。

・ 参加型灌漑管理:農家参加による水利組合を設立し、規約

に基づいて定期会合を開催したり、農民施工を行うなど、

参加型水管理の手法は農家に受入れられている。また、水

利担当者は、本邦研修で日本の土地改良区による水管理の

仕組みを学び、意識と理解を向上した。

・ 研修手法:農家のニーズを研修内容に反映させることで、

農家にとってより適切な研修を実施できた。プロジェクト

は tailor made の研修実施のプロセスを指導した。同時に、

WS をファシリテートする方法など、研修スキル、研修手

法を指導した。農業担当者は手法を学ぶことの重要性を認

識しており、同手法を今後も継続する意向を表明している。

・ 実証圃場を使った能力向上と普及:実証圃場は、郡の行政

機関が農家の栽培技術向上を図るための手法として設置し

た。郡自らの能力向上をめざすものである。そのため、農

家ニーズや行政ニーズを基に、実施機関が強調したい技術

を中心に実証展示圃を実施している。農家にとっても、実

証展示圃の実施を通じて、技術や知識を習得している。「実

証圃」を使った普及は従来から行っていた。従来型では、

実証圃の面積が大きく、一度に多くの農家を呼んで普及す

る。一方プロジェクトでは、実証圃は小さいプロットで行

い、技術の実証をより詳細に実施した、 指導農家を絞るた

め、うまく技術を実施できる農家とできない農家の違いが

それほど大きくなく、学習レベルを確保できる。同スタイ

ルの実証圃は農業担当者に理解され、引き続き実施を継続

したいと述べている(MC 郡では、同スタイルの実証圃指

導を 2015 年の活動計画に含めた)。

・ 栽培暦:いつ、何をすればよいか分かりやすい。

・ 虫見板: 分かりやすい、・作成コストは、5,000 ~ 10,000 VDN/ 枚ほどであり、安い。

-130

Page 151: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

C/P 機関(DARD)の選

択は適切であったか。

C/P 機関(DARD)の選

択は適切であった(協力

内容に対するニーズは

高い)。

・ DARD に決定

した経緯と現

状での適切性

プロジェクト資

日本人専門家

文献調査

インタビュー調

・ DARD は農業開発を通じて農村に暮らす人々の生活を向上

させることを役割としている。よって、DARD は現在でも

プロジェクトの C/P として適切である(ミッションと一致

する)。

T/G(DARD、DPI、DOF、DTI、DONRE、対象 3 郡の DPC(DARD、

農業ステーション)、

CPC、農業普及員(D/P-PMU))の選定は適切

か(対象、規模、男女比

等)。

T/G(DARD、DPI、DOF、DTI、DONRE、対象 3 郡の DPC(DARD、

農業ステーション)、

CPC、農業普及員(D/P-PMU)の選定は適切

であった。

・ 各機関の対象

者の TOR・ プロジェクト

における役割

・ プロジェクト

資料

・ 日本人専門家

・ 各機関の T/G

インタビュー調

査 

質問票

・ (プロジェクトの主たる T/G は、DARD、DPC、CPC、農業

普及センター、植防センター)

・ 植物防疫支局は栽培及び農業普及技術をもっている。活動

内容も本来業務に合致する。C/P ではないが、連携先(T/G)

としては適切である。

T/G 以外への波及性は

あったか。

T/G 以外への波及効果が

あった。

T/G 以外への波

及効果事例

・ T/G 以外の関

係者(例:農

民、他にどう

いった人がい

るか)

文献調査

インタビュー調

・ Tuan Giao 郡の WS では、他のパイロット郡の担当者、パ

イロットコミューン以外の周辺のコミューンの担当者、周

辺のパイロット区以外の区長、他のパイロット区の担当者

(Muong Mun コミューンと Quai Can コミューン間)が参加

しており、また、有機肥料の農家―農家(farmer to farmer)研修でモデル農家が他のパイロット区へも指導することな

ど、プロジェクトとしてパイロット集落を超えた交流を支

援している。

日本の技術の優位性は

あるか。(対象技術のノ

ウハウが蓄積されてい

るか、日本の経験を活用

できるか。)

棚田保全技術等、日本の

技術や経験が生かされ

ている。

関連案件を通じ

た経験、ノウハ

ウの活用状況

・ プロジェクト

資料

・ JICAWeb サ イ

・ 日本人専門家

文献調査

インタビュー調

・ 日本の稲作暦にならい、各郡の関係者と省(栽培部、植防

支局、普及センター)の支援を取りつけ、郡ごとに水稲、

メイズ、大豆暦を作成した。

・ その他、塩水選技術、温水消毒技術、堆肥製造技術、虫見版、

土地改良区による水管理に係る経験等を活用した。

・ 日本の普及事業からの経験を普及員指導に生かした。その

結果、例えば、農家を動かすために「農家と一緒になって

圃場に入り作業をする」という報告があったり、農家との

距離を縮めてニーズを理解する姿勢を身につけている、自

ら率先して育苗作業を行うなど農家に寄り添う姿が見られ

ている。

-131

Page 152: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

中間レビュー以降、プロジェクトをとりまく環境の変化

日本の対ベトナム政策

に大きな変化が生じて

いないか。

対ベトナム支援方針の

変化の有無の確認

・ 国別援助方針 ・ プロジェクト

資料

・ 外務省 HP・ JICA 本 部、

JICA ベトナム

事務所

文献調査

インタビュー調

特に変更はない。

ベトナムの農業・農村

開発分野政策に大きな

変化は生じていないか。

関連政策の変異の有無

の確認

農業農村開発セ

ク タ ー 5 カ 年

計 画(2006 ~

2010 年)の更新

版(2010 ~?)

MARD の方針

詳細計画策定調

査報告書

政策文書

MARD の Webサイト

文献調査

インタビュー調

質問票

・ 大きな変更は生じていない。

・ MARD の農業農村開発セクター 5 カ年計画(2011 ~ 2015 年)

においても、コメ、大豆、メイズ等の生産量を増加させる

ことを目標としている。

・ 現在策定中(未承認のため未公表)の省の新しい 5 カ年計

画(農業分野のみでなく全般的なもの)のなかで、引き続き、

省、各郡はコメ、大豆、メイズ等の生産量を増加させるこ

ととしており、この計画のなかで、プロジェクトが作成す

るガイドライン / マニュアルや普及のためのアクションプ

ランは有効に活用できると考えている。

・ “Agriculture and Rural Development Strategy for Dien Bien Province in period 2011-2015/2020 with a vision to 2030”があ

る(DANIDA 支援で作成、現在承認待ち)でも、生産性の

向上、ポストハーベスト、農業インフラの整備は開発対象

とされている。

【メイズ生産拡大(転作)】(*2)・ MARD(2014 年 1 月 13 日発表):2014 年、稲作面積 13 万

ha を減少させて、他の作物栽培に利用する。メイズについ

ては、各省に 123 万 ha 拡大するように指示し、これは 2013年より 7 万 3,000ha の増加になる。メイズは全国で 566 万 tの生産をめざしている。

・ DARD の基本方針:水稲から他の作物への転換を強化する。

(2014 ~ 2015)水稲栽培面積 1 万 5,000ha から、メイズ面積

は 5,000ha、大豆面積は 1,000ha を転換する、(2016 ~ 2020)水稲栽培面積 8 万 5,000ha から、メイズ面積は 2 万 5,000ha、大豆面積は 6,000ha を転換する。

ベトナムの経済・社会

状況に伴う大きな変化

が生じていないか。

道路網の整備による DB省社会・経済への影響

がある。

・ プロジェクト

資料

・ 日本人専門家

・ DARD、 普 及

文献調査

インタビュー調

・ 農村部の道路整備が進んでいる。

(*1)ベトナム統計総局 Statistics Year Book 2013(*2)ベトナム農業農村開発省(MARD)Web サイト(http://www.mard.gov.vn/en/Pages/news_detail.aspx?NewsId=1051&Page=1)(*3)同上 Web サイト(http://www.mard.gov.vn/en/Pages/news_detail.aspx?NewsId=35&Page=3)(*4)同上 Web サイト(http://www.mard.gov.vn/en/Pages/news_detail.aspx?NewsId=660&Page=2)

-132

Page 153: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価グリッド(有効性)

評価項目:有効性(予測)

評価設問判断基準・方法 必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

プロジェクト目標の達成

「パイロット郡の市場志

向の農産物の生産、加

工、販売の推進のため

の郡行政機関を中核と

した体制の強化を通じ

た農村開発促進」(プロ

ジェクト目標)は達成さ

れるか。

パイロット集落にお

ける 60%以上の農家

の営農状況が向上す

る。

・ パイロット集落の

農家数

・ 「営農状況の改善」

を示す事項と数値

・ 試験耕作の結果

・ DB 省、パイロッ

ト郡の統計

プロジェクト資料

専門家

DARD、DPMU、 モ

デル農家

「実績の検証」参照

・ 全 3 郡 6 コミューンで 785 戸の農家数を対象としている

・ 営農状況の改善 = 収量、種子量、肥料量、農薬量、間引き移植時間数、経

済効果を踏まえ、定量的な変化を確認した。

・ 226 戸を対象としたサンプル調査の結果、99.1%の対象農家が水稲の収量が

増加したと示している。

・ 年ごとに水稲の生産量が上がっており、コメの自給やメイズの家畜への投

入が増え、農家の生活も改善してきた。

JICA の他のスキームと

の連携、他の援助機関の

案件との協力による相

乗効果はあったか。

・ 類似案件の教訓の

活用事例がある。

・ 各種類似案件の現

・ 連携の事例

プロジェクト資料

専門家

JICA ベトナム事務

① 北西部水資源地域における持続可能な森林管理プロジェクト(技術プロジェ

クト、2010 年 8 月~ 2015 年 8 月)

プロジェクトは森林プロジェクトと車両の共有を行っている。

② 貧困地域小規模インフラ整備計画にかかる参加型水管理推進プロジェクト

(円借款付帯技術プロジェクト、2010 年 11 月~ 2013 年 11 月)

・ 上記プロジェクトが実施されているハノイ水利研究所において、実施され

た参加型水管理のためのトレーナー研修に、DARD 水利支局 2 名などプロ

ジェクトの灌漑関係者 5 名が参加した。改修実施予定の灌漑施設の関係者

が研修に参加し水管理システムについてより理解した。

③貧困地域小規模インフラ整備事業(III)(円借款、SPL6)・ SPL6 で建設された TG 郡のコミュニティプロモーションセンターを、郡と

の月次ミーティングや農業担当者会で利用している。

④ ファンリー・ファンティエット農業開発プロジェクト (円借款付帯プロ

ジェクト、2011 年 3 月~ 2014 年 3 月)

・ ベトナム国内の灌漑施設改善先行プロジェクトの事例を参考とするため、

ファンティエットの宇野専門家を招請し工事実施調達に関する打合せを

行った。

・ 地域で農家講師を育成し、農家による技術普及拠点ができあがっている

JICA 草の根技術協力事業「ベトナム 農民参加型 木炭多用途利用技術普及

計画」(フエ省バックマー国立公園緩衝地帯)の有機肥料づくりのベトナム

人講師を栽培対象区(3 カ所)に呼び、有機肥料づくりに興味がある現地の

農家を呼んで研修を行った。

・ 運営指導調査として上記案件の専門家に直接農家に指導頂いた。

・ DANIDA プロジェクトでは 2012 年で DB 郡で 6 サイト、180 人への灌漑関

係研修があったなどと聞いているが、プロジェクトへの影響は特にない。

-133

Page 154: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価項目:有効性(予測)

評価設問判断基準・方法 必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

因果関係

「市場志向の農産物の生

産、加工、販売の推進

のための郡行政機関を

中核とした体制の強化

を通じた農村開発促進」

はアウトプット達成に

よって引き起こされた

か。

・ 各アウトプットと

プロジェクト目標

の間のロジックが

整合している。

・ 各アウトプットが

プロジェクト目標

達成に貢献してい

る。

・ 各アウトプットが

相互に影響してい

る。

・ 貢献、阻害要因 プロジェクト資料

専門家、DARD、

DPMU

・ 当地において農家自身による技術習得、能力向上は難しく、また、農家の

横の連携は必ずしも十分であるとはいえないと考えられ、このため、行政

の普及員、担当官の役割は重要、有効であり、基本である。

・ 栽培指導をしているサイトと灌漑活動のサイトは同一である。灌漑設備が

土台となって、指導した技術を使って稲作を行い、収量を増加している。

・ プロジェクトの灌漑施設改善工事によりサイト内の水路がコンクリート化

したことで圃場への水供給が安定的になって、生産に良い影響を与えた。

アウトプット→プロ

ジェクト目標への外部

条件が満たされる見込

みは高いか。

DB 省の生産、ポス

トハーベスト、販売、

農業インフラ整備促

進の政策が変化しな

い。

DB 省の農業関連政

策文書

プロジェクト資料

DARD・ 政策に大きな変化はなく、影響はない。

アウトプット以外のプ

ロジェクト目標達成へ

の貢献 / 阻害要因は。

実施プロセスで特に

プロジェクト目標達

成に貢献した要因が

ある。

・ 農業担当者会、灌

漑担当者会など

テーマ別の担当者

会の実施効果

・ 農家の相互訪問の

効果

プロジェクト資料

専門家、DARD、

DPMU

・ 農業担当者会が 2013 年 7 月~ 2014 年 12 月まで計 16 回、各郡 PMU もち回

りで開催された。省、郡、コミューンの担当者間の連携を強化し、普及業

務へのやる気や栽培技術に対する向上心を発揮させるうえで非常に効果的

であった(例:コミューンの普及推進員自らが郡を越えた植物防疫ステー

ションに害虫被害の様相を電話で問い合わせ助言を受けるなど)。

・ 相互に現地訪問する学習効果も高く、他郡の栽培の現状を参考にし、助言

や提言を受けて自分の担当地域の改善について考えるようになってきた。

・ 中間レビュー前は日本側、ベトナム側双方に適時の人材配置に問題があっ

た。以降、人材が定着してから、阻害要因は確認されなかった。

-134

Page 155: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価グリッド(効率性)

評価項目:効率性

評価設問判断基準・方法 必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

アウトプットの算出

3 つのアウトプットは達

成したか。

3 つのアウトプット

がそれぞれ達成し

た。

・ アウトプットの内

容、プロジェクト

目標とのロジック

確認と、各指標の

目標数値の設定結

プロジェクト資料

専門家

プロジェクト関係者

「実績の検証」参照

アウトプット 1:・ 改善計画で示された課題(栽培プロセス、病害虫対策、施肥、収量、研修

資料の保存など)が改善された。

・ 肥料に係る知識習得により施肥手法が改善された。

・ 種子に係る知識習得により播種技術が改善され種子量が減った。

パイロット郡内の非対象コミューンに対してもガイドライン / マニュアルが

説明される予定である。

アウトプット 2:・ 改善計画に示された活動(定例会の設置、ルールづくり、維持管理活動など)

が実施された。

・ パイロット集落の農家の水管理が改善された。なお、次の雨期(2015 年 5 月)

に効果が明白になる地区もある。

・ 今後パイロット郡内のコミューン人民委員会水利担当者と灌漑管理公社の

技術者にガイドライン / マニュアルが説明される予定。

アウトプット 3:・ 3 郡の DPMU 所属の郡関係者はプロジェクトの取り組み(実証圃設置、

WS、栽培研修会、農業担当者会、有機肥料製造実習、ガイドラインマニュ

アル作成など)を理解した。

・ 研修実施機関(植防支局、農業普及センター等)の研修手法が改善した。

・ 省(DARD)、パイロット郡、パイロットコミューンのすべての担当者はプ

ロジェクトの成果を理解した。

・ ガイドライン / マニュアルの承認とともに、プロジェクトは 3 郡以外の郡の

関係者等に対し、普及セミナー等を行い、アクションプランを説明する方向。

-135

Page 156: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価項目:効率性

評価設問判断基準・方法 必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

達成されたアウトプットから見て投入の質・量・タイミングは適切か

専門家派遣人数、専門分

野、派遣時期は適切か。

計画値との比較 派遣実績

専門家の働きぶり

関係者意見

派遣リスト

専門家、DARD「実績の検証」参照

・ 中間レビュー以降は適時的確な人材を配置できている。

・ 専門家の働く時間は作物の作型に基づいたほうが良い。専門家の休暇は年

末に配置したほうが良い(長い休暇であれば、毎年の 11 月がふさわしい、

10 日以下の短い休暇であれば、作型中であれば、交代のアレンジがあった

方が良い。理由はプロジェクトの目標は技術の支援なので、パイロットサ

イトは 6 カ所もあり、作型の差がほとんどないため、技術の指導は連続で

あるべき)。

供与機材の種類、量、設

置時期は適切か。

機材実績

利用状況

機材リスト、管理状

DARD、専門家

「実績の検証」参照

・ おおむね問題なく活用され、維持管理されている。

研修員受入人数、分野、

研修期間、受入時期は適

切か。

研修員受入実績

帰国研修員意見

研修リスト

報告書

DARD、専門家

「実績の検証」参照

・ DARD の理解もあり、プロジェクトが意図する人材を派遣することができ

た。

・ コミューンレベルの普及員まで計画的に派遣できた。

・ 本邦研修は研修の本体が少なくとも 10 日間で、移動の時間を合わせ、15 日

間でふさわしい。

DARD 人数、配置状況、

能力は適切か。

DARD 配置状況

関係者意見

DARD 配置実績表

DARD、専門家

「実施プロセス」参照

・ 2012 年以降は C/P は定着し、一部兼業者がいるもののプロジェクト業務に

支障はない。

建物、施設の質、規模、

利便性に問題はないか。

建物、施設の質、規

模、利便性に問題は

ない。

建物、施設の現状、

機材配置状況

関係者意見

DARD 配置実績表

DARD、専門家

「実績の検証」参照

・ 問題は確認されなかった。

-136

Page 157: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価項目:効率性

評価設問判断基準・方法 必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

因果関係

プロジェクトの予算は

適正規模か。

DARD による予算配

賦額、配賦時期は適

切である。

DARD によるコスト

負担実績

DARD、専門家 「実績の検証」参照

・ DARD からは 2014 年 12 月末まで合計 16 億 4,629 万 8,400VND 相当の予算

が配賦されている。

アウトプットを産出す

るために十分な活動で

あったか。

活動の追加によるア

ウトプット産出への

影響

活動記録

関係者意見

プロジェクト資料

専門家

プロジェクト関係者

「実施プロセス」参照

・ PDMVer.2 で、ガイドライン / マニュアルの作成のみならず、関係者への配

付も含まれることになったが、プロジェクトでは終了までに実施予定であ

る。こうした活動は普及を進める一助となる。

活動→アウトプットへ

の外部条件は満たされ

ているか。

① 病害虫や洪水、干

ばつなど著しい異

常気象が起こらな

い。

気象状況と作物の生

育への影響

プロジェクト資料

専門家、DARD、普

及員、植防センター、

対象農家

・ 2013 年冬春作において、いもち病、白葉枯病、トビイロウンカ、カメムシ

が発生した。

・ 2013 年 12 月~ 2014 年 1 月にかけての異常低温のため、発芽した稲が枯死

するなど被害が出た。DPMU メンバーの適切な対応により被害が最小限に

抑えられた。

・ MC 郡 Ma Thi Ho コミューンの 1 農家は鳥害を受け移植栽培に変更したため

生育は大幅に遅延しているが、この農家を除く、他の農家(他のコミュー

ンを含む)の展示圃は病害虫の発生も少なく、順調な生育。

・ 2014 年 4 月に Ma Thi Ho で雹害があった。

・ 秋・冬作のメイズ実証について、天候の影響を受けるため、雨が少ないと

生育に支障が出る。

② 能力開発された職

員が辞めない。

職員の移動・退職状

プロジェクト資料

専門家

プロジェクト関係者

2012 年までに、C/P の交代はあったものの、その後能力開発した職員が辞め

た事例は確認されなかった。

③ DB 省の大幅な人

員削減がなされな

い。

DB 省の人員体制 プロジェクト資料

専門家、DARD人員削減がなされた、という事項は確認されなかった。

④ DB 省の農業関連

予算が大幅に減額

されない。

DARD の農業関連予

算額

DARD DARD の過去 5 年間の予算動向は計画額は増額傾向にあり 2010 ~ 2013 年は

補助金も配布された。他方、2014 年からは補助金はなく、計画額と実績額の

差は開く傾向にある。「大幅な」削減とはいえない。

コスト

アウトプットは投入し

ているコストに見合っ

ているか。

より低いコストで達

成できる代替手段は

なかったか。

・ これまでのプロ

ジェクト費用

・ 類似案件費用

・ 関係者意見

プロジェクト資料

専門家

中間レビュー時に、灌漑施設整備のコストを落とすため、スペックを落とす

ことが検討されたが、想定の範囲で収まっている。これについては、当初の

設計を見直すとともに、特に 2014 年度については、ベトナム事務所よりプロ

ジェクト年度予算の削減を求められたため、一部の工事を農民施工での実施、

ベトナム側の貧困対策プロジェクトとの役割分担等を行い、コストの削減に

努めた。

-137

Page 158: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価項目:効率性

評価設問判断基準・方法 必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

先行実施した / 実施中の

各種プロジェクトで育

成した人材、成果、資機

材は活用されているか。

先行実施した / 実施

中の各種プロジェク

トで育成した人材、

成果、資機材は活用

されている。

① 貧困地域小規模

イ ン フ ラ 事 業

(SPL6)(円借)

② 農業生産性向上の

ための参加型水管

理推進計画プロ

ジェクトフェーズ

2 等とプロジェク

トとの連携事例

プロジェクト資料

専 門 家、JICA ベ ト

ナム事務所

① 北西部水資源地域における持続可能な森林管理プロジェクト(技術プロジェ

クト、2010 年 8 月~ 2015 年 8 月)

プロジェクトは森林プロジェクトと車両の共有を行っている

② 貧困地域小規模インフラ整備計画にかかる参加型水管理推進プロジェクト

(円借款付帯技術プロジェクト、2010 年 11 月~ 2013 年 11 月)

・ 上記プロジェクトが実施されているハノイ水利研究所において、実施され

た参加型水管理のためのトレーナー研修に、DARD 水利支局 2 名などプロ

ジェクトの灌漑関係者 5 名が参加した。改修実施予定の灌漑施設の関係者

が研修に参加し水管理システムについてより理解した。

③ 貧困地域小規模インフラ整備事業(III)(円借款、SPL6)・ SPL6 で建設された TG 郡のコミュニティプロモーションセンターを、郡と

の月次ミーティングや農業担当者会で利用している。

④ ファンリー・ファンティエット農業開発プロジェクト (円借款付帯プロ

ジェクト、2011 年 3 月~ 2014 年 3 月)

・ ベトナム国内の灌漑施設改善先行プロジェクトの事例を参考とするため、

ファンティエットの宇野専門家を招請し工事実施調達に関する打合せを

行った。

・ 他ドナー・ベトナム

国家プロジェクトと

の重複はないか。

・ 連携の内容やコスト

面での協力効果は。

・ ベトナム関連機関と

の連携

他ドナー / ベトナム

国家プロジェクトと

の重複はない。

コスト面での協力が

ある。

・ 他ドナー援助方針

とプログラムの最

新状況

・ 研修の T/G と内容

面での棲み分け

プロジェクト資料

専 門 家、JICA ベ ト

ナム事務所、DARD、

農業普及センター

①世銀 Irrigated Agriculture Improvement Project ・ JICA の予算不足で灌漑工事を縮小した際、JICA 側でできなかった工事を世

銀がカバーした。

・ DB 省計画投資局が担当してる。マニュアル類を作成しているかは不明。

・ MC 郡で施設整備が行われているが、管理が不適切で下流のプロジェクトの

灌漑施設まで通水しないという問題が起きている。反面教師として、WUG組織化が進んだともいえる。

② 30A プログラム

・ 「30A プログラム」は政府のプログラムで、貧困地域の郡政府(国境付近の

5 つの郡)を対象に農業生産を支援するため、種などのインプットの供与、

インフラ整備等を行っている。JICA プロジェクトのような技術移転は実施

していない。本プロジェクトの対象 3 郡は、30A の支援対象に入っていない。

-138

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評価グリッド(インパクト)

評価項目:インパクト(予測)

評価項目判断基準・方法 必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

上位目標の達成予測

プロジェクト終了後 3 年

程度の時点で、「DB 省

の農村開発は促進され

る(上位目標)」見込み

か。

① 2020 年までに本

プロジェクトで策

定された行動計画

がパイロット郡以

外の DB 省内の郡

で DB 省と郡等の

行政機関により活

用される。

・ 関係者意見

・ DB 省の各種統計

プロジェクト資料

専門家、

DARD、DPMU、 普

及員

・ DB 郡では、郡で実施する研修に本プロジェクトの技術内容を取り込み、既

に 25 のコミューンで研修を実施した。有機質肥料の製造でモデル農家が他

の 19 コミューンでの製造研修(実習)を行った。

・ TG 郡では、「実証圃」の成果を普及させるために、WS を 6 回開催し、パイロッ

トサイト以外のコミューンの区長や農業担当者を招いた 。他コミューンの

代表者や普及推進員を呼んで、パネルディスカッションの手法でプロジェ

クトの成果を広報した。

・ 3 つのパイロット郡は、プロジェクトで作成した栽培暦を 3 郡全体の半数に

あたる 56 コミューンに既に配付している。

② 2020 年ごろまで

に DB 省において

水稲、トウモロコ

シ、大豆等の農業

栽培技術が理解さ

れることにより営

農状態が向上す

る。

プロジェクト資料

専門家、

DARD、普及員、農

・ 本プロジェクトが対象とする農家数は、対象コミューン全体の 10%にすぎ

ない。

上位目標を達成する

ための取り組みが行

われている・計画さ

れている。

DARD、DPMU 意見、

計画内容

プロジェクト資料

専門家、

DARD、DPMU

・ 日本の普及事業を見聞した DB 郡農業振興ステーション所長は、プロジェ

クトサイト以外でも新人教育として植防支局による農家講師集会を経験さ

せている。

・ プロジェクトによって経験を得たことを生かし、2015 年の活動計画

(Operation Plan)に実証圃と研修活動を含め、承認を得ることができた。予

算額は、2 億 4,000 万 VND(約 1 万 2,000USD)、うち 1 億 800 万 VND が研

修予算。承認にあたっては、DPMU の協力を得た。同計画では、プロジェ

クトのように小さい面積で実証圃を実施する。5 つのコミューンで、各コ

ミューンから 1 地区を選び、各地区には、1ha ほどの実証圃を設置し、10農家を対象に指導を行う。指導では、プロジェクトの TOT で養成された職

員をトレーナーとして使う(MC 郡)。

上位目標の達成を阻

害する要因はない。

DARD、DPMU、 植

防支局、農業普及セ

ンター意見

プロジェクト資料

DARD、DPMU、 植

防支局、農業普及セ

ンター

・ 開始当初の 2010 年と比較すると、コメの収量は増加した。灌漑施設も整備

された。しかし、コミューンレベルは予算がない(DB 郡)。

・ ボカシのつくり方、適時の田植え、化学肥料や種子量の減らし方を指導し

たり、フィールドでの WS を開催し、普及を継続したいが(植物防疫ステー

ションには)予算がない(TG 郡)。

・ 植物防疫支局では、10 郡でそれぞれ年に 2 回研修を実施している。研修予

算に限りがあるため、1 回の研修で 1 日しか開催できない。そのため、プロ

ジェクトで学んだ研修方法を使いたいが、予算不足で叶わない。他の予算

源を探すか、省の人民委員会に予算を要求するしかない。

-139

Page 160: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価項目:インパクト(予測)

評価項目判断基準・方法 必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

因果関係

DB 県における農村開発

促進(上位目標)とパイ

ロット郡における農村

開発(プロ目)はかい離

していないか。

普及に向けた DARDの意識レベル

DARD 意見 プロジェクト資料

専門家、

DARD、普及員

・ DARD は、省の農業戦略に本プロジェクト活動の内容を含めることで、郡

における普及活動を確実に実行させることができると考えている。

プロジェクト目標→上

位目標の外部条件は現

在でも正しいか。外部条

件が満たされる可能性

は高いか。

① 生産、ポストハー

ベスト、農業イン

フラ維持への DB省の戦略が変更し

ない。

DB 省の農業戦略

関係者意見

プロジェクト資料

DARD、農業普及セ

ンター

・ 策定中の次期 DB 省社会経済開発 5 カ年計画(2016 ~ 2020 年)において

も現行の戦略は継続される見込みである。さらに“Agriculture and Rural Development Strategy for Dien Bien Province in Period 2011-2015/2020 with a vision to 2030”においても重点分野とされている。

② 農産品の価格が大

幅に下落しない。

農産品の価格推移 プロジェクト資料

専門家

市場、普及員

・ コメの市場価格は上昇傾向にある。また、DB 産のコメは、依然として人気

があり、ハノイまで流通している。また、ベトナム政府による貧困削減プ

ログラムにおいて、道路整備が進み、DB 省内のマーケットへのアクセスは

各段に改善されている。

③ 病害虫や洪水、干

ばつ等著しい異常

気象が起きない。

気象状況の変化

病害虫の発生状況

プロジェクト資料

専門家、普及員、農

家、植防センター

・ 「気候」については、栽培暦で天候に応じた対策を指導したり、洪水に備え

て代替作物の栽培を推奨したりしている(既にプロジェクト活動でリスク

に対処している)。

④ 能力開発された職

員が辞めない。

職員の異動・退職の

有無

プロジェクト資料

DARD、DPMU、 農

業普及センター

< 郡レベル >・ 異動に特別な決まりはないが、能力や専門性があれば管理レベルに昇格す

る。

・ 郡レベルから省レベルに異動することは稀である。

・ 正職員には人員の「割り当て」がある(5 名)ため、退職者が出ない限り新

しい人員を採用することはない。

・普及員は異動が頻繁に行われる。DARD 内での部署移動がある。異動頻度

はわからないが、50%以上は昇進、部署移動等、何らかの異動をしている。

異動があるため、新しい職員に対して継続的に訓練をする必要がある。新し

いスタッフも 2 年後には異動する可能性がある(農業普及センター)。

⑤ DB 省の大幅な人

員削減がなされな

い。

人材配置の動向と見

込み

プロジェクト資料

DARD・ PPMU、DPMU メンバーは、途中で数名交代したものの、これまで DB 省に

大幅な人員削減がなされた、という事項は確認されていない。今後の人員

配置については、植物防疫支局と栽培部との統合が検討されているが、人

員削減につながる可能性は低い。

⑥ DB 省の農業関連

予算が大幅に減額

されない。

予算の動向と見込み プロジェクト資料

DARD・ 過去 2 年間、予算は減少傾向にある。

-140

Page 161: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価項目:インパクト(予測)

評価項目判断基準・方法 必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

波及効果

上位目標以外の効果・

影響は想定されるか。

・政策策定、法律・制

度、基準等への影響

・ジェンダー、人権、貧

富等社会・文化的側面

への影響

・環境、技術、社会、プ

ロジェクト関係者、受益

者等への経済的影響

上位目標以外の正負

のインパクト

・ 政策、法律、制度、

基準への影響

・ 環境への影響の有

・ 女性、貧困層の変

・ 大衆組織(農民連

合、青年連合、女

性連合)への影響

・ 10%以下の傾斜で

ある土地を対象地

域としたことによ

る農家の生活への

影響など

プロジェクト資料

専門家

プロジェクト関係者

環境への影響の有無: ・ 堆肥づくりや適切な肥料投入によって、土壌が改善された。

・ 適切な農薬・肥料投入によって、水質汚染が減少した。

・ 有機肥料の活用によって、廃棄物、焼却物の減少につながった。

技術の変化:

・ 農家のなかには自己資金でも条播機械を購入したいと希望する農家が現れ

た。

・ MC 郡 MT コミューンでは農村労働者向けの育成コースを 2 回実施し、100名の参加者を得た。 T/G 郡の植物防疫ステーションは、プロジェクトの活

動によって、農家によるパネルディスカッション方式の WS 運営方法を学

んだ。その後、自身の活動に同手・法を取り入れ、3 名の農家をパネラーと

して IPM(総合防除管理)のワークショップを既に開催している。

社会・経済への影響: ・ 以前はコミューンの協議事項について区長が 1 人で決定することが多かっ

たが、本プロジェクトでコミューン活動に多くの農家が参加するようにな

り、現在は、多くの農家が話し合って決めるようになった。

・ 水稲用の灌漑施設整備が養殖池への安定的水供給につながった。

・ ボカシ肥料を販売する農家が現れた。

・ MTH コミューンのモン族に水稲の 2 期作が始まった。

マイナスの影響があ

る場合、それを軽減

するための対策はと

られている。

・ プロジェクトによ

り地域の経済格差

を生み出していな

いか。

専門家、プロジェク

ト関係者

・ これまでの実証展示圃での栽培において、いもち病、白葉枯病、トビイ

ロウンカ、カメムシが発生した。また、2013 年 12 月~ 2014 年 1 月にか

けて発生した異常低温のため、発芽した稲が枯死するなど被害が出たが、

DPMU メンバーの適切な対応により被害が最小限に抑えられた。秋・冬作

のメイズ栽培は天候の影響を受けるため、雨が少ないと生育に支障が出る

など課題もある。栽培暦で天候に応じた対策に関する指導や、洪水に備え

て代替作物の栽培を推奨するなど、プロジェクト活動において、天候リス

クへの対処法を技術移転している。

*1 江藤専門家業務完了報告書 2014 年 6 月、8 月

*2 江藤専門家業務完了報告書 2014 年 6 月

*3 山下専門家業務完了報告書 2014 年 7 月

-141

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評価グリッド(持続性)

評価項目:持続性(見込み)

評価設問判断基準・方法 必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

政策・制度面

現在の政策支援は協力

後も継続するか。

現在の政策支援は協

力後も継続する。

・ 社会経済開発 5 カ

年計画(SEPD2011~ 2015)と農業農

村開発セクター 5カ年計画最新版の

動向

プロジェクト資料

専門家

MARD、DARD

・ ベトナム側自身によりプロジェクト技術(研修内容等)がパイロットコ

ミューン以外への研修の利用(DB 郡)が行われている。このような自発的

な活動がみられるとともに、またコメ等の増産は引き続き省の目標である。

・ 少数民族支援を目途とした貧困対策プログラムも引き続き実施されていく

と見込まれる。

関連規制、法制度は整備

されているか。整備され

る予定か。

関連規制、法制度は

整備される・されて

いる。

・ 関連規制、法制度

・ MARD、DARD 意

プロジェクト資料

MARD、DARD特筆すべき農業関連規制、法制度での変更はみられない。

パイロットサイト外へ

の広がりを支援する取

り組みは担保されてい

るか。

パイロットサイト以

外の地域への広がり

が進む仕組みができ

ている・予定されて

いる。

DARD、DPC、 農

業 普 及 セ ン タ ー、

CPC、普及員の意見

プロジェクト資料

専門家、プロジェク

ト関係者

・ プロジェクト終了後に郡独自で研修会が開催できるよう養成研修は水稲栽

培の研修会が開催されるごとに植防支局の講師が同行しアシスタントを務

め一部講師として農家に指導している。講師養成研修員により全郡におい

て資料作成が進められている。

・ 講師養成研修の具体的手法がマニュアル化され毎年更新される仕組みとな

る。

・ プロジェクトのマニュアルを他のプロジェクトで使用するには、DARD の

科学委員会(Scientifi c Council)で承認を得る必要がある。

組織・財政面

協力終了後も、効果を上

げていくための活動を

実施するに足る人材配

置、意思決定プロセス、

他組織との連絡調整な

ど実施機関としての組

織能力はあるか。

郡 PMU はプロジェ

クト終了後もプロ

ジェクト活動を維持

するための組織とし

て存続する。

DARD、郡 PMU、ロー

カルスタッフの意見

プロジェクト資料

DARD、郡 PMU・ DPMU はプロジェクト終了後に解散となる。

・ プロジェクトが行ってきた実証圃の設置、WS、栽培研修会、農業担当者会、

有機肥料製造実習について普及員、ローカルスタッフへの意識調査の結果、

いずれの職員も影響を受けており技術や新たな手法を習得しておりこれら

を今後の活動に生かしたいと意欲を示している。

・ TG 郡 PMU の農業担当が講師となってメイズ、水稲、大豆の圃場に成果を

多くの農家に知ってもらうため、圃場説明と農家間意見交換会を行った。

普及員の配置状況が

改善する。

大衆組織との連携が

強化される。

DARD 意見

DPC、CPC 意見

プロジェクト資料

専門家

DARD、DPMU、普

及員

・ 正職員には人員の「割り当て」がある(5 名)ため、退職者が出ない限り新

しい人員を採用することはない。

・ 大衆組織(青年組合、女性組合など)との連携は強化された。

省の植防支局、農業

普及センターと郡

の農業 / 植防ステー

ションとの連携が進

んでいる。

植防支局、植防支局、

農業普及センター、

普及員意見

プロジェクト資料

専門家、省植防支局、

農業普及センター、

郡農業ステーショ

ン、植防ステーショ

・ 農業担当者会が 2013 年 7 月~ 2014 年 12 月まで計 16 回、各郡 PMU もち回

りで開催された。関係者の連携を強化するうえで非常に効果的であった。

・ 植防支局が実施している農家研修のノウハウを郡の農業振興ステーション

や植防ステーションの職員に伝授し、研修が郡で行えるよう、件数講師養

成研修を実施している。その際、植防支局の職員に郡職員が同行し、一部

講師役を担うなどチームワークで技術移転がなされている。

-142

Page 163: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価項目:持続性(見込み)

評価設問判断基準・方法 必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

組織・財政面

実施機関(DARD)の将

来に向けてのオーナー

シップは十分に確保さ

れているか。

DARD、DPMU の将

来に向けてのオー

ナーシップは十分に

確保されている。

・ DARD、DPMU 意

プロジェクト資料

専門家

DARD、DPMU

・ プロジェクトでは、できるだけ C/P が前に出て説明や指導を農家に直接行

うように配慮してきた。

・ 実証 展示圃の設置について、新たな実証展示圃の提案がある等 D-PMU が

主体的に各パイロットサイトの農家の要望を踏まえて課題を設定している 。また、障害の発生等運営に ついても適切に対応している。さらに、実証

展示圃の成果を生産性を含め WS において農家フィードバックや他の WSにおいて他の コミューンへ波及させる努力を行うなど農業技術の普及に関

し C/P の理解が深まっている。

・ DARD は今後の数年、プロジェクトがまだ展開していない郡に対し、普及

する、との意向がある

・ プロジェクトが来てから、郡の月 1 回の普及員会議が各コミューンもち回

りで開催されるようになった。

・ 実証圃の結果を宣伝活動を行い、聞き手が納得し適用できるため、郡の他

のコミューンにも積極的に普及できている。郡全体に普及していくための

指示・指導をしたい。

・ 郡 PMU メンバーはそれぞれの所属組織で高い職位であることから、プロ

ジェクトで行ってきた活動の継続や発展につなげられる可能性がある。

受益者の将来に向けて

のオーナーシップは芽

生えているか。

農家が自発的にプロ

ジェクトの学んだこ

とを実践している。

対象農家意見 プロジェクト資料

専門家

対象農家、DPMU

・ 以前は、圃場の看板が盗難される恐れを危惧していた。しかし、長年にわ

たるプロジェクトの活動によって、村人たちは当活動に敬意をもつように

変化した。そのため、現在は盗難のおそれはない。分かりやすく目にとま

るよう田んぼの中央に設置されており、展示圃看板としての役割は果たし

ている。

・ 区長は、1 週間に 1 回は圃場を確認している。病害虫の発生時期には週に 2~ 3 回は訪問して点検している。病害虫が発生するタイミングには、他の

農家たちに注意を促すように声をかけている。

-143

Page 164: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価項目:持続性(見込み)

評価設問判断基準・方法 必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

組織・財政面

経常経費を含む予算確

保は行われているか。

来プロジェクトの成

果を持続させていく

ための予算確保のた

めの対策がとられて

いる。

・ DARD、DPMU の

予算の流れと長期

的見通し

プロジェクト資料

プロジェクト関係者

DARD、DPMU、 植

防支局、農業普及セ

ンター

<DARD、植防支局 >・ 普及活動の予算を許可する省人民委員会に対して、年間計画(提案書)を

提出する。他の部署との予算獲得競争が行われる。例えば、10 ある提案の

うち、承認されるのは 1 ~ 2 程度。

・ 本プロジェクト活動の予算は、今年 8 月分まで確保されている。その後に

ついては、農業セクターの予算として獲得する必要がある。予算を獲得す

るためには、① JICA のプロジェクト目標(特に活動 3-3)を達成し、②成

果をレビューして際立った成果を取りまとめたうえで、人民委員会に活動

の提案を行う必要がある。DARD 局長がそれらを指揮する権限をもってい

る。局長は、農業戦略(Sectorial Strategy)に本プロジェクトの活動を含め

るべきとの見解。

・ 植防支局は研修実施予算はあるが、研修資材を作成する予算はなく、虫見

板の再編や幅広い普及は困難。

< 農業普及センター >・ 農業普及センターは、職員の給与予算があるのみで、活動のための予算は

ない。ときどき National Extension Center から予算が配賦されることがある。

活動のための主な予算源はプロジェクトである。プロジェクトがないと予

算はつかない。

< コミューンレベル >・ 農家は新しい技術や情報を求めており普及員の訪問を待っている。普及員

が活動しやすい環境(能力向上や旅費の確保)が必要。

・ コミューンの普及推進員は、コミューン人民委員会との契約で、2012 年 7月から月額 190 万 VND と報酬が上がったが、正職員とは異なり、出張日当、

交通費の支給がなく、ガソリン代にかなり費やしている(*1)。

プロジェクト実施に

より将来の予算が増

える可能性がある。

・ 郡人民委員会の 2015 年度予算でプロジェクトの研修・展示圃による技術移

転の手法がパイロット集落以外の 5 集落への拡大が予定されている(MC郡)。

・ 2015 年度の計画に水利組合の設立とサポート、規約を作成するための WS開催、ガイドラインとマニュアル改訂を計画にいれる(MC 郡)。

・ 郡人民委員会に栽培技術研修の内容と方法を適用、水稲とメイズの技術の

適用、栽培暦とガイドラインの作成と郡全体の普及、ボカシ肥料製造促進

を提案する(DB 郡)。

-144

Page 165: ベトナム社会主義共和国 北西部山岳地域農村開発プロジェク …序 文 ベトナム社会主義共和国は、経済発展が急速に進む一方で、産業間・地域間の経済的格差が顕

評価項目:持続性(見込み)

評価設問判断基準・方法 必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

技術面

プロジェクトで用いら

れる技術移転の手法は

受容されつつあるか / プロジェクト終了後も活

用される見込みは高い

か。

・ 新技術の移転にか

かる手法自体が適

切である。

・ 農家がプロジェク

トが導入している

技術を受け入れて

いる。

・ マニュアル / ガイ

ドラインが活用さ

れている。

・ プロジェクト終了

後の継続的活用の

見込みが高い。

・ 技術の移転方法

・ 農家、普及員、植

防支局、農業普及

センターの意見

・ ガイドライン / マニュアル、アク

ションプランの作

成・活用状況

プロジェクト資料

専門家、DARD、

DPMU、普及員、植

防支局、農業普及セ

ンター

・ 栽培マニュアルと普及活動マニュアルの素案を修正し、農業担当者会、郡

の機関、省の機関で検討を行っている。マニュアルの素案を基に、2014 ~

15 年冬春作水稲栽培研修会の資料が C/P 関係者により作成されており、指

導資料としての役割を果たしている。

・ ガイドライン / マニュアル、栽培暦、虫見版等、今後の現場の普及活動で

使える普及ツールを作成し、配付している / する。特にプロジェクト完了

後を見据え、栽培暦は今後郡自身が更新できるよう、(省の関係機関やプロ

ジェクトが指導しつつも)郡自らに作成させてきた。また、実証圃の計画

や研修も、2014 年からは郡主体で行えるよう、従来のプロジェクトの指導

方法を変更してきている。さらに、郡の普及能力を向上するため、郡の職

員に対して研修講師養成研修を実施し、今作(2014 ~ 2015 年冬春作)から

より良い研修を郡自らに実施させている。

・ 2014 年より実証圃の計画を郡が立てて研修等を実施し、TG 郡では実証圃

の成果発表の WS を郡自ら企画して実施している。

・ モデル農家が講師となる研修には、堆肥製造研修、実証圃の成果発表 WSがある。これをプロジェクト終了後も継続するには、予算の確保が重要で

ある。このためには、郡、コミューン等関係者の理解をより深めることが

重要であるが、既に、ベトナム側の予算によりプロジェクト手法による研

修・展示圃の実施がパイロット集落以外へ拡大されることが予定されてい

る郡(MC 郡)もある。

これまでプロジェクト

で投入した資機材はプ

ロジェクト終了後も適

切に管理される見込み

か。

資機材の供与先が決

まっている。

現行の機材管理状況

関係者意見

機材管理リスト

プロジェクト資料

専門家、DARD、

DPMU

・ おおむね供与先は DARD であるが、それ以外は今後検討する。

普及のメカニズムはプ

ロジェクトに取り込ま

れているか。

普及のための活動計

画がプロジェクトで

策定された。

普及のための活動計

プロジェクト資料

専門家、植防支局、

農業普及センター、

普及員

「実績の検証」(指標 3-4 の達成状況)

・ 普及においては郡の役割が重要と考えており、これまで郡の普及能力の向

上を図ってきている。また、コミューンにおいては、区長がキーパーソン

であり、パイロット区では区長へすぐに使える分かりやすい資料として栽

培暦の提供をしている。

・ MC 郡では普及のための活動計画が策定され承認された。

DARD が普及のメカニ

ズムを維持できる可能

性はどの程度あるか。

DARD が普及のメカ

ニズムを維持できる

可能性は高い。

DARD 意見

普及計画

プロジェクト資料

専門家、DARD「実績の検証」(指標 3-4 の達成状況)

・ マニュアルは使うことが重要である。省内に宣伝、普及する必要がある。

この点は、PDM の活動 3-3 に関連する。省内で、対象郡以外の郡に普及す

る計画がある。

・ 本プロジェクトで作成した栽培暦は対象 3 郡のパイロットコミューン以外

のコミューンにも配付している。3 郡合計で 25 のコミューンに配付した。3郡全体で 56 コミューンあるので、3 郡全体の半分に対して本プロジェクト

の成果物の一部が普及された。

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評価項目:持続性(見込み)

評価設問判断基準・方法 必要なデータ 情報源 調査結果

大項目 小項目

パ イ ロ ッ ト 郡・ コ

ミューンから他の郡・

コミューンに普及でき

る技術か。

技術レベルが継続的

に普及するのに高す

ぎない。

普及員意見

農家意見

プロジェクト資料

専門家、DPMU、普

及員、農家

・ 郡の普及員のために、農業技術講師養成研修を実施し、受講した 9 名の普

及員全員が修了証を得た。他方、ただちに講師として活躍には至らないと

考えられている。引き続き OJT で能力向上を図り自立できるように支援す

る必要がある。(*2)・ 栽培マニュアルは農業普及センターや植防支局が従来使っていた研修資料、

日本の知識、3 郡の資料を含めて編集した。3 郡を選んだので地域性をもっ

たマニュアルとなり、省全体の普及につながる内容となった。

社会・文化・環境面

女性、貧困層、社会的弱

者、伝統的組織への配慮

不足により、持続的効果

を妨げる可能性はない

か。

・ 対象コミューンと

対象外コミューン

との経済格差が大

きくない。

・ 民族の違いからく

る問題がない。

・ 対象コミューンと

対象外コミューン

の経済状況

・ 民族の違いからく

る問題

プロジェクト資料

専門家、普及員、農

・ ベトナムでは農業において女性が担っている作業は数多くあり、プロジェ

クトの研修にも女性が多数参加している(男性より多い)。

・ 講師養成研修を受講した普及員が民族の言葉で農家に対応できるように能

力を上げており、民族の違いからくる問題は確認されなかった。

環境への配慮不足によ

り持続的効果を下げる

可能性はないか。

環境への配慮不足に

より持続的効果を下

げる可能性はない・

低い。

・ 土壌への長期的な

影響

・ 農地確保のための

土地利用への影響

(森林伐採など)

プロジェクト資料

専門家、普及員、農

・ プロジェクト活動で農薬や化学肥料の使用量が減ったことにより環境への

負の影響を軽減している。

*1 山下専門家業務完了報告書 2013 年 11 月 P.2*2 江藤専門家業務完了報告書 2014 年 6 月 P.10

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中間レビュー調査時の提言への対応

中間レビュー調査時の提言 対応

1-1. PDM の改訂(プロジェクト目標)

プロジェクト目標、上位目標、アウトプットの表現は変更しない。

他方、プロジェクト目標の達成度は実現性にかんがみ、「パイロッ

ト郡」という表記から「パイロット集落」という具体的な標記に

変更するべきである。なお、指標は農業粗利益や生産量といった

個別の指標で農村開発の状況を測ることは困難であることから、

総合的な指標すなわち、「営農状態の向上」で測る。営農状態の内

容については、今後設定されるインタビューやアンケートの質問

項目で具体的に示す。併せて実証圃場の試験結果も反映させるべ

きである。

「パイロット郡」という表記から「パイロット集落」という具体的な表記

に変更した。

指標は「営農状態の向上」に変更した。営農状態の向上は、プロジェクト

が実施したアンケート、実証圃の試験結果、インタビューで測った。

1-2. PDM の改訂(上位目標)

上位目標の達成時期(=事後評価時期)を 2020 年に設定し、対象

郡以外の省内の郡での営農状態の改善状況を測るべきである。

上位目標の達成時期(=事後評価時期)を 2020 年に設定した。

指標は「営農状態の向上」に変更した。

1-3. PDM の改訂(成果)

アウトプット 1、2 共通で、測定対象を「パイロットコミューン」

から「パイロット集落」に変更し限定する。アウトプット 1 は改

善計画の問題解決、肥料や優良種子の使用方法の改善等の達成度

を測り、アウトプット 2 はグループ活動の達成状況と、個別の改

善度合いを測る。アウトプット 3 は、「パイロット郡」から「パイ

ロットコミューン」に変更・限定し、普及員、集落長の具体的な

研修の目標値を設置するべきである。また、新たに研修実施機関

を対象とした目標を設置する。アウトプット 1~3 共通で、指標の

最後にパイロット郡以外の郡への拡大に関する指標をそれぞれ挿

入し、上位目標達成への布石としての位置づけを明確化する必要

測定対象を「パイロットコミューン」から「パイロット集落」に変更した。

アウトプット 1 は改善計画の問題解決、肥料や優良種子の使用方法の改善

等の達成度を測った。

アウトプット 2 はグループ活動の達成状況と、改善度合いを測った。

アウトプット 3 は、「パイロット郡」から「パイロットコミューン」に変

更した。普及員、集落長の具体的な研修の目標値を設置するために、指標

を「パイロットコミューンの農業普及員・集落長等のうち、研修に参加し

た、60%以上の研修員が普及方法を習得する」に変更した。

アウトプット 1~3 共通で、指標の最後にパイロット郡以外の郡への拡大

に関する指標をそれぞれ挿入した。

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7.中間レビュー調査時の提言への対応

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中間レビュー調査時の提言への対応

がある。

2. 灌漑施設維持管理

作物生産量を増加させるための重要な道具である灌漑施設は、農

民によって適切に管理されなければならない。現時点では、すべ

ての集落に水利組合や灌漑管理の規則があるわけではない。これ

らがまだない集落においては、適切な設計や維持管理のためにも、

各灌漑系統に早急に水利組合の設立や規則を制定していくべきで

ある。

プロジェクトは水利組合の設立を支援し、その結果、すべてのパイロット

集落で組合が組織化された。

すべての組合で規約が作成された。規約に基づき、定例会合、共同作業(清

掃、メンテナンス)、組合費の徴収が開始されている。

灌漑施設についても、すべてのパイロット集落で完成した。

3. 技術交換

パイロット集落ではさまざまな試みがなされているが、農村開発

の相乗効果を生み出すために、集落がお互いに訪問しあうことに

より、それぞれの良いところや自分の集落に応用すべきことを学

ぶべきである。また、パイロット集落同士の視察以外にも、省内

にいくつか存在する先進地区の視察も強く推奨される。

有機質肥料の研修を受けたモデル農家が、パイロットサイト以外に対して

製造研修(Farmer to Farmer 研修)を行い、19 コミューンから約 40 名が参

加した。

4. ベトナム人人材の活用

ベトナム国内の人材は、効果的・効率的なプロジェクトの実施の

ために必要に応じ活用されるべきである。彼らは言語や文化の面

からもプロジェクト活動に優位に働くことが期待される。例えば、

日本人専門家の確保が難しいポストハーベストや販売の分野へ、

ベトナム人専門家が参加することによって日本人専門家をサポー

トすることができれば大きな助けになる。

研修資料、ガイドライン/マニュアル、栽培暦の作成には、農業普及セン

ターや植物防疫支局が参加した。また、植物防疫支局は普及員養成研修

(TOT)にあたっても指導員として参加した。

プロジェクトは郡レベルの普及員の能力強化を図るために、若手職員に

TOT を実施し、9 名の普及員を養成した。養成された職員は既に自ら農家

への研修を実施できるほどに成長している。

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