オーガニック産業発展のための政策提言Sainsbury's(セインズベリー)...

1

1

オーガニック産業発展のための政策提言～EU・アメリカ・日本を比較して～

明治大学政治経済学部大森正之ゼミナール 3年佐藤有紀佐野翔太古澤龍之水嶋彩絵宮川直子

2013年12月10日

目次

2

はじめに

第1章オーガニック産業の歴史

第2章 EU・アメリカ・日本のオーガニック産業の分析と

目指すべきモデルの検討

第3章 EUをモデルとした

日本のオーガニック産業の発展のシナリオ

第4章シナリオを実現するための政策

おわりに

参考文献・資料・URL 調査協力企業

有機農業は、農薬・化学肥料を原則使用しない

貿易拡大拡大

日本

はじめに① テーマ設定の背景

拡大世界

日本国内の環境保全に貢献世界の環境保全にも貢献

生産流通消費

生産流通消費

3

の保全

オーガニック産業が発展したら…

有機製品＝エコ製品

水質環境生物多様性

Ex：農薬や化学肥料に含まれる窒素化合物やリンが水辺の富栄養化を引き起こす。

EUをモデルとする日本がEU水準の発展を遂げるためのシナリオを描き、政策提言を行う

はじめに② オーガニック産業の発展類型

4

EU

政策主導型

生産支援が充実

アメリカ

市場主導型

市場の発展が生産・消費を牽引

日本

発展初期段階

市場が未発達生産支援も不十分

はじめに③ オーガニック産業発展のためのシナリオと政策提言

5

オーガニック産業における「選択的拡大」（輸入拡大、国内生産拡大）

生産

20年後に

イタリア水準に成長

流通

20年後に

イギリス水準に成長

消費

20年後に

EU水準に成長

シナリオ

有機農業への転換補助

有機加工食品の認証基準の拡大

地方税としての農薬・化学肥料税

環境ODA

有機食品への軽減税率

「オーガニック公共調達」

流通

生産消費

給食への有機農産物の供給

6

はじめに④ オーガニック産業発展のためのシナリオと政策提言

政策提言

生産・流通・消費に対してバランス良く政策を行うことが重要

今までの政策は生産に偏っていた

有機製品の関税引き下げ

EU アメリカ日本

1990 l 2000

(92) 有機農家への支援政策の制定 (93) EU共通の有機認証制度開始 (90’s後半)市場拡大

(90’s)有機食品市場が10億ドル規模に拡大

2000 l 2010

(04)CAP改革 →支援強化

(02) 有機認証制度(NOP)の開始 (02) 農業法改正 →支援政策の制定

(00) 有機認証制度(有機JAS)開始 (06) 有機農業の推進に関する法律 →支援政策の制定

第１章オーガニック産業の歴史

世界に先駆けた政府支援

市場がいち早く発達

政府支援が遅れた

7 *独自に作成

C 消費に関する指標

c1 有機食品への一人あたりの年間平均出費額

c2 購入理由に環境保全を挙げる消費者の割合

B 流通に関する指標

b1 国内の食品売り上げに占める有機食品の割合

b2 総合スーパーマーケットにおける有機食品の販売の実態

A 生産に関する指標

a1 有機農地の割合

a2 政府支援の特徴

＊独自に作成

第2章 EU・アメリカ・日本のオーガニック産業の分析

2-1 理想的なオーガニック産業のモデルの指標

8

アメリカ

Walmart

イギリス(EU代表)

TESCO 日本

イオン

0.00% 2.00% 4.00% 6.00% 8.00%

10.00% 8.74%

0.60%

2-1-1 生産に関する比較

イタリア

アメリカ

日本

9 *The World of Organic Agriculture 2012より作成

稲作の日本有畜畑作のEU諸国

全人口に占める農業従事者の割合が日本と近似するイタリアを選定

農業構造異なる

0.23%

有機に転換するインセンティブを与えられない

有機に転換するインセンティブを付与

有機に転換するインセンティブを付与

・新規有機農家、既存有機農家の区別なく定額の補助金

・多様な補助制度(ex.検査・認証経費の負担)

・EUにならい、有機農業への転換中に手厚い補助

・多様な補助制度(ex.若手農業者支援) ・有機農業への転換中に手厚い補助

a2 政府支援の特徴 a1 全農地に占める有機農地の割合(2010)

2-1-2 流通に関する比較①

イギリス

約2.7％

日本

約0.3％

b1 国内の食品売り上げに占める有機食品の割合

しかし・・・

10

世界の有機食品の売上高(2010)

4400億円

2600億円

2500億円

2000億円

1500億円

1300億円

1300億円

1200億円

7800億円アメリカ

2兆6200億円

世界の有機食品市場の

45% アメリカ

約3.5％

*The World of Organic Agriculture 2012より作成

EUで総合スーパーマーケット（GMS）における有機食品の販売が最も発達している

イギリスをモデルにするべき 11

総合スーパーマーケット

有機食品専門店

その他

５７％１４％

３８％２５％４５％

１８％１２％１７％

有機食品の購入先(2009) *SIPPO&FiBL(2011)より作成

イギリスドイツフランス

2-1-2 流通に関する比較① イギリスを選定した理由

(General Merchandise Store)

日本の有機食品市場は閉ざされた市場(生協など)からオープンな市場( など)に移行しつつあるスーパーマーケット

イオン

テスコ(TESCO) (売上高約6兆8,0 00億円) セインズベリー(Sainsbury’s) (売上高約4兆8,000億円)

アズダ(ASDA) (売上高約3兆5,000億円)

ウォルマート(Walmart) (売上高約26兆4,000 )

コストコ(Costco) (売上高約7兆7,000億円)

クローガ―(Kroger) (売上高約5兆9,000億円)

イオン (売上高約5兆6000億円)

セブン&アイ・ホールディングス (売上高約3兆5,000億円)

ユニーグループ・ホールディングス (売上高約8000億円)

2-1-2 流通に関する比較② 総合スーパーマーケットにおける有機食品の販売の実態

12

イギリス

日本

アメリカ

国内市場上位のGMSと、2012年の売上高(商品全体)

イギリス・アメリカ GMSでの有機食品の

取り扱い多

日本 GMSでの有機食品の

取り扱い少

約26兆4,000億円

全食品に占める有機食品の数の割合

約5.53%

約6.86%

約0.06%

*各企業Webサイトより独自に算出

テスコ(TESCO) ウォルマート (Walmart)

クローガ― (売上高約5兆9,000億円)

コストコ (売上高約7兆7,000億円)

27%

23% 19%

9% 7%

4% 2% 1%

8% Tesco(テスコ)

Sainsbury's(セインズベリー)

Waitrose(ウェイトローズ)

Asda(アズダ)

Morrisons(モリソン)

Co-operative(コーオペレーティブ)

Marks&Spencer(マークス＆スペンサー)

Lidl(リドル)

その他出典：Soil Association, 2012, p.10

ウォルマート (売上高約26兆4,000億円)

イギリスのスーパーマーケットにおける有機食品の販売シェア(2011年)

アメリカは巨大資本の独走

2-1-2 流通に関する比較③ イギリスとアメリカの比較

13 *各企業Webサイトより独自に算出

ASDA

TESCO

Sainsbury’s

イギリスは競争的

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

EU アメリカ日本 0

2,000

4,000

6,000

8,000

EU アメリカ日本

4,766円

1,040円

43.0%

24.0%

27.5%

購入理由に環境保全を挙げる消費者の割合

2-1-3 消費に関する比較

*“European Consumer‘s Conception of Organic Food ”, OTA “Annual Report”, “OMR 2010~2011”より作成 14

日本の消費者は有機食品への出費が少ない

EUの消費者は有機食品の環境保全性を評価

年間の平均出費額(1人当たり)

(円)

8,450円

生産流通消費

生産支援の充実有機農業の普及

全食品に占める有機食品の割合高

消費者が環境保全性を評価

2-3 理想的なオーガニック産業のモデルの検討

GMSの自由競争による流通拡大

有機食品≠健康

→環境保全性を評価する消費者の増加が不可欠

政府支援が生産だけでなく

流通・消費も支えた

EUでは、生産・流通・消費がうまく循環している

日本でもEUのような発展を目指すべき

*独占市場はその企業が価格を操作可能⇒望ましくない

EU EU EU

15

農業基本法(1961) 「農業の選択的拡大」国内生産拡大→野菜、米、果物、畜産物輸入拡大→大豆、麦類、トウモロコシ

オーガニック産業における「選択的拡大」が必要！

国内生産拡大→野菜、米、果物、緑茶

国内産と輸入品の共存共栄 →畜産物・畜産加工品

第3章日本のオーガニック産業発展のシナリオ

3-1 日本のオーガニック産業における「選択的拡大」

輸入拡大→大豆、コットン、コーヒー

16

・有機格付け割合が高い

・特別栽培制度が

整備されている

・有機格付け割合が高い

・国際競争力が高い

野菜・米・果物・緑茶は国内生産の拡大が期待できる

3-1-1 「第2の選択的拡大」：国内生産の日本国内で格付された有機農産物

(2011年)

＊農林水産省(2013) より独自に作成。

野菜・米

果物・緑茶

「選択的拡大」：国内生産の拡大

17

69% 17%

4% 3%

2% 2% 3%

野菜米果物緑茶

大豆小麦その他

18

3-1-2 「第2の選択的拡大」：国内生産と輸入の共

畜産物とその加工品「選択的拡大」：国内生産と輸入の共存共栄

・畜産の有機JAS規格制度は 2005年と遅い・生産支援制度がいまだに存在しない

日本国内で生産支援制度の新設政策による有機食品への需要拡大

生産の拡大

国内生産海外からの輸入 (オーストラリア、ニュージーランドなど)

日本への輸入増加

共存

共栄

・有機畜産は盛んに行われている

・日本への輸出はわずか

18

3-1-3 2の選択的拡大」：輸入の拡企業名業種

有機大豆

イオン(株) 小売

(株)マルサンアイ製造名古屋製酪(株) 製造ヤマサ醤油(株) 製造

オーガニックコットン

伊藤忠商事(株) 卸売

(株)良品計画小売

オーガニックコーヒー

UCC上島珈琲(株) 製造

(株)モスフードサービス外食

「選択的拡大」：輸入の拡大

⇒商品差別化戦略に利用する企業増

⇒CSR活動の一環として利用する企業増

大豆

コットン・コーヒー

19

※レインフォレストアライアンス →持続可能に

経営される農園に対し認証を付与

3-2 20年後の生産・流通・消費に関するシナリオ

・日本の支援政策はEUに20年遅れている

・自分たちの子供たちの世代までに、日本で有機食品が日常的に選択されるようになるべき

Ex:自分の子供たちの食べる給食が有機であってほしい、スーパーマーケットで有機食品がたくさん陳列されてほしい

20

*厚生労働省の調査より

なぜ20年後なのか？

※出産の平均年齢…30歳 (2013年) 20年後、子供は10歳（小学生）*

0.00%

2.00%

4.00%

6.00%

8.00%

10.00%

有機農地面積の割合（現状と20年後の目標値）

3-2-1 生産に関するシナリオ

21 *The World of Organic Agriculture 2012より作成

生産はイタリア水準になる

有機農地面積の割合が

現在の約40倍 (0.23%から9.00％)になる

生産支援が有機農業への転換を促進

選択的拡大により米、野菜、果物、緑茶、畜産物の生産量が増加する

0.00%

1.00%

2.00%

3.00%

4.00%

有機食品市場の規模（現状と20年後の目標値）

3-2-2 流通に関するシナリオ

22 *The World of Agriculture 2012より作成

流通はイギリス水準になる

食品市場に占める有機食品の割合が

現在の約10倍 (0.32%から3.00％)になる

コットン、コーヒーを始め様々な製品の輸入が増加

GMSでの有機食品の取り扱い増加

3-2-3 消費に関するシナリオ購入理由に環境保全を挙げる

消費者の割合 (現状と20年後の目標値)

23 “European Consumer‘s Conception of Organic Food ”, OTA Annual Report ”, “OMR 2010~2011”より作成

消費はEU水準になる

有機食品への消費者の平均年間出費額が現在より3500円増加する 0%

10%

20%

30%

40%

50%

日常的に有機が選択されるようになる

購入理由に環境保全を挙げる消費者の割合が

現在の約1.5倍（27.5％から45.0％）になる

3-2 20年後の生産・流通・消費に関するシナリオ

生産

流通

消費

「環境保全性」を評価して有機製品を購入する消費者の割合 →EU水準の65.0％！

野菜、米、果物、緑茶、畜産物の国内生産拡大

農地に占める有機農地の割合 →イタリア水準の9.0％！

国内流通を公共調達や企業間競争によって促進

食品市場に占める有機食品の割合 →イギリス水準の3.0％！

24


有機加工食品の認証範囲の拡大


環境ODA

有機食品への軽減税率適用



第4章オーガニック産業発展のための政策

国内生産(加工)拡大政策


流通・貿易促進政策

消費者の需要拡大政策

25

4-1-1① 有機農業への転換補助の強化

現在、有機農業への支払いはあるが、なぜ転換期間中の補助を強化する必要があるのか？

有機農業は慣行農業より社会的便益大

転換期間

時間

※独自に作成

収穫量減投下労働量増

有機農業への転換期間中と転換後の農家の収入

農家の収入

大

有機JASマーク貼付によるプレミアムにより

収入を補てん

３年間 ※ここでいう社会的便益とは水質環境改善や生物多様性

の保全などの農場周辺にもたらす効果

有機農業への支払いのうち、特に転換期間中の補助を強化するべき

26

27

32.0%

58.4%

9.6%

4-1-1② 有機農業への転換補助の強化

転換補助金によってさらなる有機農業への参入を促すべき！

2012年の有機JAS法の改正 →有機農業への転換期間中も有機JASマークがつけられるようになった

以前よりも有機農業参入へのハードルは下がりつつある

慣行農家の有機農業への参入動向

参入したい関心はあるが参入する

つもりはない関心もない

※OMR(2012)より作成

27

9割以上の慣行農家が有機農業に関心がある

*

*1年以上経過した圃場

加工食品を製造しやすくなり、参入する企業増 28

アメリカと日本の有機加工食品の表示の違い

有機原料含有量有機の記載

日本アメリカ

100%

95%以上

70%以上有機と記載不可 Made with organicと記載可

①95%以上のほかに

②「70%以上」まで認証範囲を拡大

増

「有機○○使用」と記載できるように

するべき！

4-1-2 加工食品の認証範囲の拡大

4-1-3 地方税としての農薬・化学肥料税の導入

29

農薬税の徴収の流れとその使途

販売者

購入者

購入者情報

毒物・劇物に指定される農薬の購入には

氏名・住所などの個人情報が必須

農薬購入者の情報は自治体が管理

農薬の購入状況に応じて課税

その財源を有機農業支援へ

農薬

地方自治体

法定外目的税としての農薬税の導入

国税として導入した場合の国内農業への大打撃を回避しつつ、農薬・化学肥料の使用を抑制できる

なぜ国税ではなく地方税か

化学肥料税の導入には購入者情報の登録義務はなしつまり税の導入域外から化学肥料を購入すれば

課税を免れることが可能

農薬と同様に住所を含む購入者情報の提示義務を新たに設けるべき

○○ △△△ -- -- --




環境ODA









30

調達を促進する品目に

有機食品が含まれる

調達を促進する品目に

有機食品が含まれない

グリーン公共調達(GPP) グリーン購入法 EU 日本

4-2-1 有機食品の公共調達

日本も有機食品の政府調達を促進すべき

「オーガニック公共調達」 Ex:役所の食堂、大学の学食、学校給食、病院食など

民間企業私立の教育機関民間病院

波及

31

政府が環境に良い物品を率先して購入

流通拡大

Green Public Procurement

(慣行製品から環境に良い物品への)

需要の転換

政府が公共調達する物品をグリーン化すると･･･

4-2-1 有機製品の関税引き下げの検討

環境配慮型物品の貿易が重要視されるようになった

(２０１１年、環境物品の関税引き下げ合意がAPECで実現)

有機製品の貿易促進には関税の引き下げが必要

「有機製品」が①HSコードに含まれ、

②環境物品にも含まれれば、

関税引き下げも不可能ではない

※環境物品とは環境配慮型の物品

HSコードで分類主に工業製品

HSコードに「有機認証を受けたもの」が含まれる必要性

32

4-2-2① 有機製品の関税引き下げの検討

※HSコードとは国際貿易商品の分類を世界的に統一するためのコード番号

4-2-2② 有機製品の関税引き下げの検討

33

関税率の高い菓子類は

大幅な輸入増加

重要5項目代表的な品目名

関税を維持関税を撤廃米精米、玄米あられ、せんべい

麦小麦、オオムギ、小麦粉ビスケット、シリアル

乳製品脱脂粉乳アイスクリーム、ヨーグルト、チーズ

甘味資源作物てんさい糖、さとうきびアメ、ガム、チョコレート

※十勝毎日新聞ニュースより作成

有機製品の輸入を促進するTPPの聖域交渉はこうあるべき！～重要5項目586品目～菓子類と畜産物

畜産物・畜産加工品は共存共栄の実現

牛・豚肉関税を段階的に下げる枝肉、タン、ハム、ソーセージ

菓子類

－有機食品を普及させるうえで重要な品目

雑貨店などでの陳列が増加→流通増加

←*PLAZA ルミネ新宿店

・関税なし ⇒有機原材料としての調達が容易

・アメリカ・カナダ産が多く、中国産は少ない

・契約栽培による中国からの調達が増えつつある

4-2-3 企業の有機大豆の輸入における競争的調達の拡大

カナダ

16%

中国

3% その他

アメリカ

61%

34

*財務省貿易統計より作成例：マルサンアイ株式会社

間接的に企業間の競争的調達を促進

有機大豆生産増加

一般大豆の輸入先の割合(2012) (＊有機大豆の情報は公表されていない)

大豆輸入の現状

中国アメリカ・カナダ

政府による有機食品の消費促進キャンペーン活動

日本への輸出増加

35

4-2-4 オーガニックコットン・コーヒー生産への環境ODAの実施

環境ODA

企業の有機食品の調達がより容易に

企業のCSR活動としての有機製品の調達を環境ODAによって促進すべき

環境ODA CSRとしてのオーガニックコットン・コーヒーの調達

労働環境の改善、自然環境の保全を目的とする点で共通

促進

（有機農業の指導、有機種子の配布など）

海外のオーガニックコットン・コーヒー

生産拡大

35

＜参考＞伊藤忠商事株式会社と株式会社クルックの

プレオーガニックコットン（POC）プログラム

<POC取扱いブランド> Lee

URBAN RESEARCH UNITED ARROWS など

Leeの製品

SUIT COMPANYの製品

年月

農家の収入

インド・世界でも有数のコットン生産国・遺伝子組み換えコットンの普及による労働環境・土壌環境の悪化が深刻

→インドのコットン農家のオーガニックコットン生産への移行をサポートするプログラム

POC生産への移行開始

移行完了

・非遺伝子組み換え種子の配布・有機農業の指導・収穫されたコットンを「プレオーガニックコットン (POC)」としてプレミアをつけて購入などの支援

(人件費の増加, 収穫量の低下により農家の収入は減少する。)

(「オーガニック」のプレミアをつけてコットンを販売できるため収入は回復・成長する)

3年の年月が必要

36




環境ODA






37




＜エミリア=ロマーニャ州＞など約20の州・市(イタリア)

州法によって学校給食への有機農産物の利用が義務付けられている

地方自治体で

給食への地元産有機農産物の導入

条例によって奨励すべき

＜愛媛県今治市＞今治市食と農のまちづくり条例

（第11条）引用今治市は、学校給食での今治産の有機農産物等の安全な食材の使用割合を高めること（中略）を定めます。 38

4-3-1 学校給食への地元産有機農産物の供給促進

農地の少ない都市部 (Ex.東京都)では、市・区単位ではなく都・県単位で実行

成功例

食料自給率の向上

自然環境の保全

国名標準税率食品の税率

イギリス 17.5% 0.0%

フランス 19.6% 5.5%

ドイツ 17.0% 6.0%

イタリア 20.0% 10.0%

日本 5.0% 5.0%

各国の標準税率と食品の税率

5% 増税

標準税率

5%

有機食品の税率

消費者は有機食品を選好する

据え置き

有機食品への軽減税率の適用

4-3-2 消費税における有機食品への軽減税率の適用

8%

39 *各国政府HPより作成

おわりに①

実現可能性

高

実現可能性

低

40

即実行すべき

20年以内に実行すべき





環境ODA







環境ODA


おわりに②


流通

生産消費


生産・流通・消費に対してバランス良く政策を行うことが重要

41


残された課題

・本研究では各政策について、マクロな視点での検証のみで、ミクロな視点での検証がなされていない。・生産、流通、消費3つのシナリオを設定する際、EUの水準をそのまま適用するにとどまり、日本の特性を反映することができなかった。

42

1. Biological Farmers of Australia(2012) “Australian Organic Market Report 2012”

2. CostcoWholesale Corporation(2012)“Annual Report 2012”

3.European Commission(2010)“An analysis of the EU organic sector”

4.EuropeanCommission(2011)“Buyinggreen!: A handbook on green

public procurement”

5.FiBL and IFOAM(2006)“The world of organic agriculture: Statistics

and emerging trends 2006”

6. FiBL and IFOAM(2010)“The world of organic agriculture: Statistics


7. FiBL and IFOAM(2012)“The world of organic agriculture: Statistics


8. Hanne Torjusen, Lotte Sangstad, Katherine O'Doherty Jensen, Unni Kjærnes

(2004)”European consumers‘ conceptions of organic Food: A review of available

research”

参考文献・資料①

43

44

9. Joel Forman, Janet Silverstein(2012)“Organic foods: Health and environmental

advantages and disadvantages” Pediatrics, 130, p.e1406-e1415

10. Kroger (2012) “Fact Book 2012”

11. Organic Trade Association(2010)“US families’ organic attitudes & beliefs: 2010

tracking study”

12. Organic Trade Association(2011)””

13. Sainsbury’s Supermarket Ltd.(2013)”Annual Report and Financial Statements

2013”

14. SIPPO and FiBL(2011)“The organic market in europe: Overview and market

access information”

15. Soil Association (2010)“Organic market report 2010”

16. Soil Association (2012)“Organic market report 2012”

17. Tesco(2013)“Annual Report2013”

参考文献・資料②

44

18.イオン株式会社(2013)「有価証券報告書」

19. 小川孔輔, 青木恭子(2006)「有機農産物の生産流通システムに関する調査研究

―講演および調査視の要約」『イノベーション・マネジメント』第3号p.p.123-160

20. 小川孔輔, 酒井理(2007)『有機農産物の流通とマーケティング』農山漁村文化協会

21. 環境省(2011)「国等によるグリーン購入の実績及びその環境負荷低減効果等」

22. シュムペーター(塩野谷祐一, 中山伊知郎, 東畑精一訳)『経済発展の理論』岩波

文庫, 1977年(Joseph A. Schumpeter, Theorie der wirtschaftlichen Entwicklung, 2.

Aufl., 1926)

23.財団法人日本特産農産物協会(2009)『平成20年度大豆の品質に関する調査報告書』

24. 財務省(2013)「日本貿易統計」

25. 生源寺眞一(2006)『現代日本の農政改革』東京大学出版会

26. 生源寺眞一(2011)『日本農業の真実』筑摩書房

27. セブン＆アイホールディングス(2013)「有価証券報告書」

28.高田具視(2004)「食品等に関する軽減税率の導入問題」『税務大学校論叢』46号

p.p.152-266

参考文献・資料③

45

46

29. 蔦谷栄一(2006)『オーガニックなイタリア農村見聞録』家の光協会

30. 東畑精一(1968)『日本農業の変革過程』岩波書店

31. 特定非営利活動法人IFOAM ジャパンオーガニックマーケット・リサーチ

プロジェクト(2010)「日本におけるオーガニック・マーケット調査報告書」

32. 特定非営利活動法人日本有機農業研究会(2012)「有機農業への消費者の理

解増進調査報告―消費者意識アンケートと生産者・消費者の交流事例」日本

有機農業研究会

33. 独立行政法人農業環境技術研究所(2011)「農業環境研究2001-2010」独立行

政法人農業環境技術研究所

34. 農林水産省(2011)「食品産業動態調査」

35. 農林水産省(2012)「平成23年度認定事業者に係る格付実績」

36. 農林水産省(2013)「日本の大豆の年次別国別輸入状況」

37. 福士正博, 北林寿信, 四方康行(1992)『ヨーロッパの有機農業』家の光協会

38. ユニーグループ・ホールディングス(2013)「有価証券報告書」

39. 阮蔚(2005)「日本の農林水産物輸出促進の動き―競争力強化をねらう『攻め』

への方向転換」『農林金融』2005年6月号p.p.36-54 農林中央金庫

参考文献・資料④

46

1. FAOSTAT

http://faostat.fao.org/

2. MSN産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/

3.Orgabits

http://orgabits.com/about/

difference/

4. ORGANIC FARMING – EUROPA

http://ec.europa.eu/agriculture/

organic/splash_en

5. United States Department of

Agriculture

http://www.usda.gov/

fundinglapse.htm

6.外務省

http://www.mofa.go.jp/mofaj/

7. 環境省 http://www.env.go.jp/

8. 国税庁 http://www.nta.go.jp/

9. 在日オーストラリア大使館 http://www.australia.or.jp/

10.十勝毎日新聞ニュース

http://www.tokachi.co.jp/news/201310/ 20131026-0016948.php

10. 西尾道徳の環境保全型農業レポート http://lib.ruralnet.or.jp/nisio/

11. 農林水産省 http://www.maff.go.jp/

12. プレオーガニックコットンプログラム http://www.preorganic.com/

参考URL

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訪問企業

1．MIE PROJECT株式会社

（訪問日 2013年5月24日）

2．松本牧場

（訪問日 2013年5月25日）

3．株式会社ナチュラルマート

（訪問日 2013年5月27日）

4．オーサワジャパン株式会社

（訪問日 2013年5月28日）

5．株式会社ナチュラルハウス

（訪問日 2013年6月14日）

6．内外食品株式会社

（訪問日 2013年6月15日）

7．特定非営利活動法人日本オーガニック

＆ナチュラルフーズ協会（JONA）

（訪問日 2013年6月20日）

8．特定非営利活動法人 IFOAMジャパン

（訪問日 2013年7月2日）

9．伊藤忠商事株式会社

（訪問日 2013年7月22日）

質問票回答企業

10．株式会社鎌倉ハム村井商会

（質問票への回答 2013年5月13日）

11．オーストラリア大使館


12．農林水産省


アンケート回答企業

13．株式会社ノヴァ

（アンケート回答 2013年6月21日）

14．株式会社ミトク


15．むそう商事株式会社


16．株式会社オーガニックス


調査協力企業

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ご静聴ありがとうございました

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2013年5月24日 MIE PROJECT株式会社 Duco Delgorgeさん

2013年6月14日株式会社ナチュラルハウス一見昌寛さん

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オーガニック産業発展のための政策提言Sainsbury's(セインズベリー)...

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