バスキュラーアクセス管理€Œバスキュラー...バスキュラーアクセス管理...
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バスキュラーアクセス管理~加圧式VAマッサージ~
臨床工学技士 川原田貴士
第4回福岡県CKD看護研究会
平成28年9月4日(日)13:00~14:30
九州大学医学部 百年講堂 中ホール3
「シャント管理困ってませんか?各施設どうしていますか?」
VAIVT VAIVT VAIVT
【背景】 VAIVT:Vascular Access Intervention Therapy
~経皮的血管拡張術~
~血栓除去術~
PTAでは、医師が拡張方法やバルーンのサイズ・種類を血管状態に合わせて選択し、VAの開存期間延長に努める。
~機能的評価~
VAIVT VAIVT VAIVT
VAエコー
VAエコー
VAエコー
VAエコー
VAエコー
【背景】 VAエコー
VAエコーでは、VAの状態・経過など現状を把握し治療方針の決定に役立てる。
~形態的評価~
VAIVT VAIVT VAIVT
VAエコー
VAエコー
VAエコー
VAエコー
VAエコー
【背景】 透析室
透析室 透析室
透析室が最も透析患者と関り、VAを毎透析触っている。
→透析室のVA管理が、PTAまでの期間を延長するカギとなってくる。
透析室で何ができるのか?
•理学的所見「診・聴・触」
•穿刺部位の選択(穿刺部位を増やす)
•除水制限(リフィリングの観察)
•患者指導(水分管理)
•適正体重管理(正しいDW)
•加圧式VAマッサージ(PVM)
透析室で何ができるのか?
•理学的所見「診・聴・触」
•穿刺部位の選択(穿刺部位を増やす)
•除水制限(リフィリングの観察)
•患者指導(水分管理)
•適正体重管理(正しいDW)
•加圧式VAマッサージ(PVM)
「加圧式?」加圧と聞いて思い浮かぶもの・・・
加圧トレーニング
加圧トレーニングとは「適切に血流を制限した状態で行うトレーニング方法」専用の加圧器具を使用して、腕の付け根(上腕二頭筋の基部)や脚の付け根(大腿部の基部)に各個人に合った適切な圧を掛けながら、目的に合ったトレーニングや運動を行います。
加圧トレーニングオフィシャルサイトより
【加圧トレーニングの問題点】
適正でない加圧をした場合、思わぬ危険を招く可能性があります。必ず資格者の指示を仰いでください。
加圧トレーニングオフィシャルサイトより
間違った加圧をすると静脈瘤のリスクが非常に大きい!!
と、懸念する血管外科の医師もいる!
【加圧式VAマッサージ(PVM)】
そのリスクを逆手に取りましょう!
<加圧トレーニングのリスクを少し応用>
狭窄部に静脈瘤を作るイメージ!※あくまでイメージです。
【加圧式VAマッサージ(PVM)】
~ポイント~
当院の加圧式VAマッサージは、両手で狭窄部位を挟むようにして行う。
①片方の手は狭窄の中枢でシャントの流れを一時的に遮断。
②もう片方の手で末梢から血管を加圧する。
※これにより狭窄部位の血管を伸展させる方法である。
ここに狭窄がある場合
【加圧式VAマッサージ(PVM)】
【加圧式VAマッサージ(PVM)】
①駆血する(慣れれば不要)
【加圧式VAマッサージ(PVM)】
②中枢側のシャント血管を圧迫しシャントの流れを遮断する
①駆血する(慣れれば不要)
③4指、3指、2指の順に圧迫し血液を狭窄部に向けて送りこむ(加圧)血管が怒張し狭窄部位が伸展していく
2指
3指
4指
【加圧式VAマッサージ(PVM)】
②中枢側のシャント血管を圧迫しシャントの流れを遮断する
①駆血する(慣れれば不要)
※穿刺前に30~60秒間施行
③4指、3指、2指の順に圧迫し血液を狭窄部に向けて送りこむ(加圧)血管が怒張し狭窄部位が伸展していく
2指
3指
4指
②中枢側のシャント血管を圧迫しシャントの流れを遮断する
①駆血する(慣れれば不要)
【加圧式VAマッサージ(PVM)】
週3回、穿刺前に狭窄部位へのPVMを30~60秒施行
狭窄部位(加圧ポイント)
上流から狭窄病変へ血液を送り込む
【加圧式VAマッサージ(PVM)】
動画
【症例報告】 2015年1月から12月における、同一病変の狭窄により頻回PTAとなっている当院維持透析患者2名
症例① 67歳男性 左前腕AVF 透析歴9年
症例② 37歳女性 右前腕AVF 透析歴19年
【症例報告】 2015年1月から12月における、同一病変の狭窄により頻回PTAとなっている当院維持透析患者2名
【結果】 超音波検査データ
1.46
0.63
1.16
1.89
0.57
0.94
0
1
2
3
4
5
6
7
狭窄径(mm) FV(mL/min) RI PI
加圧式VAマッサージ直前
加圧式VAマッサージ直後
1.57
0.420.57
2.04
0.33 0.41
0
1
2
3
4
5
6
狭窄径(mm) FV(mL/min) RI PI
加圧式VAマッサージ直前
加圧式VAマッサージ直後490
610
420
480
(+29.5%)
(+24.5%)
(+9.5%)
(+19.5%)
※(改善率%) ※(改善率%)
(+29.9%)
(+14.3%)
(+21.4%) (+28.1%)
急性効果において改善の傾向がみられた。
症例① 症例②
【結果】 開存期間(Day)
3ヵ月ルールに寄与する結果が得られた。
58.6
111
0
20
40
60
80
100
120
VAマッサージ開始前 VAマッサージ開始後
70
124
0
20
40
60
80
100
120
140
VAマッサージ開始前 VAマッサージ開始後
n=6 n=4
症例① 症例②
【まとめ】加圧式VAマッサージ
#1 血流の改善傾向がみられた。
#2 3ヵ月以上の開存期間を得ることができた。
#3 忙しい時間帯ではあるが約60秒という施行時間のため
業務に支障をきたすことはなかった。
#4 この方法は高額な医療機器をまったく必要とせず、
どこの施設でも明日から行える取り組みである。
効果の期待できる症例は多いことが予想される。
【加圧式VAマッサージ】
皆さんも狭窄音の気になる方に実践してみませんか?狭窄音の変化が聴けるかもしれません(^o^)