チェーンにかかる張力計算 - Mekatoro...D<50 50≦D<65 65≦D<75 75≦D<100...

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D<50 50≦D<65 65≦D<75 75≦D<100 100≦D ローラ径D(㎜) グリース給油 チェーンにかかる張力計算はコンベヤチェーンが運行中に起こりうる最大張力を計算しなければいけません。各コンベヤについ ての張力計算式はそれぞれ後述しますが、ここには代表的な場合についての計算式を示します。 これによってチェーン張力の近似値を計算することができます。 1表 f1の値 1.一般式 ただし、(1)第3項の(f1H-V)<0のときは第3項は0とする。 (2)第4項のhが150mm以下のときは、この項は省略しても差し支えありません。 ただし、(V-fH)<0のときはこの項は0とします。 2.垂直輸送の式(例・バケットエレベータなど) 但し、バケットエレベータでは、ブーツで輸送物のすくい込みによる損失を見越して、 実際の中心距離より下記の値を増して計算して下さい。 (a)連続式バケットエレベータ 1.5 m (b)間隔式バケットエレベータ 3.0 m T=16.7 (V+f2 H)+W(V+f 1 H)+1.1W(f 1 H-V)+f 3 h 2 H QSHP= 4500 n T-W(V-f1 H) 1.1 S { } T=(16.7 S +W)C Q HP 250 n 1 QC 給油なし 0.15 0.14 0.13 0.12 0.11 0.20 0.19 0.18 0.17 0.16 石灰 コークス ぬれた灰 乾燥した砂 石灰石 輸送物 f f2の値 0.300.60 0.350.70 0.550.65 0.600.90 0.350.55 石灰 コークス セメントクリンカー 砕石 輸送物 f f3の値 80150 4060 約200 約200 20以下 30 40 50 60 70 チェーン速度(m/min) 安全率 57 69 710 813 915 1017 3.水平輸送の式 (A) ストラットコンベヤ、エプロンコンベヤのように輸送物を乗せて輸送する場合 (B) トラフコンベヤ、フライトコンベヤのように輸送物を掻いて輸送する場合 4.チェーンの大きさの決定 コンベヤチェーンの大きさの決定は、前述の計算式から求めたチェーンの最大張力に、ある程度の安全率をかけて、強度 的に所要チェーンを選定することができます。しかし強度のほかにチェーンの磨耗、すなわち軸受荷重によってチェーン を選定するのが適正です。強度安全率のみで単純にチェーンを決定することは危険ですが、チェーン選定の目安として利 用することができますので、簡単に2表に示します。この安全率はチェーンの平均引張強さに対する安全率です。なお、安 全率を求めるには概略次式により、最低安全率は2表のように57として下さい。 ただし S=安全率 V=チェーン速度(m/min) Z=鎖車の歯数 T=(16.7 S + 2.1 W )f1 C Q HP= 4500 n (16.7Q+2.1WS)f1 C 1 .1 1 S= Z 4V T=(16.7 S +2.1W)f1 C Q HP= 4500 n ( 16 .7 Q f 2 + 2.1 W S ) f1 C 1.1 1 T=チェーンに掛る最大張力(kgf) Q=起こり得る最大輸送量(t/h) S=輸送(m/min) V=垂直鎖車中心距離(m) H=水平鎖車中心距(m) C=鎖車中心距離(m) W=運行部の重量(チェーン、バケット、エプロンなどを含む)(kgf/m) 1=チェーンとガイドレールとの摩擦係数 2=輸送物と底板、側板との摩擦係数 3=輸送物による係数(kgf/m 3 ) h =輸送物がトラフや側板を滑って輸送される 場合の積載高さ(m) n =駆動部の伝動機械効率 HP=所要馬力 2表 チェーン速度と安全率 駆動車 駆動車 駆動車 チェーンにかかる張力計算 駆動車 駆動車 駆動車 - 68 -

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D<50

50≦D<65

65≦D<75

75≦D<100

100≦D

ローラ径D(㎜) グリース給油

チェーンにかかる張力計算はコンベヤチェーンが運行中に起こりうる最大張力を計算しなければいけません。各コンベヤについ

ての張力計算式はそれぞれ後述しますが、ここには代表的な場合についての計算式を示します。

これによってチェーン張力の近似値を計算することができます。

1表     f1の値

1.一般式

     ただし、(1)第3項の(f1H-V)<0のときは第3項は0とする。

         (2)第4項のhが150mm以下のときは、この項は省略しても差し支えありません。

     ただし、(V-fH)<0のときはこの項は0とします。

2.垂直輸送の式(例・バケットエレベータなど)

     但し、バケットエレベータでは、ブーツで輸送物のすくい込みによる損失を見越して、

     実際の中心距離より下記の値を増して計算して下さい。

(a)連続式バケットエレベータ 1.5 m

(b)間隔式バケットエレベータ 3.0 m

T=16.7 (V+f2H)+W(V+f1H)+1.1W(f1H-V)+f3h2HQS

HP=4500

・n T-W(V-f1H)

1.1 S{    }

T=(16.7S+W)C

QHP

250・

n1 QC

給油なし

0.15

0.14

0.13

0.12

0.11

0.20

0.19

0.18

0.17

0.16

石灰

コークス

ぬれた灰

乾燥した砂

石灰石

輸送物 f

f2の値

0.30~0.60

0.35~0.70

0.55~0.65

0.60~0.90

0.35~0.55

石灰

コークス

セメントクリンカー

砕石

輸送物 f

f3の値

80~150

40~60

約200

約200

20以下

30

40

50

60

70

チェーン速度(m/min) 安全率

5~7

6~9

7~10

8~13

9~15

10~17

3.水平輸送の式

(A) ストラットコンベヤ、エプロンコンベヤのように輸送物を乗せて輸送する場合

 

(B) トラフコンベヤ、フライトコンベヤのように輸送物を掻いて輸送する場合   

4.チェーンの大きさの決定

   コンベヤチェーンの大きさの決定は、前述の計算式から求めたチェーンの最大張力に、ある程度の安全率をかけて、強度

   的に所要チェーンを選定することができます。しかし強度のほかにチェーンの磨耗、すなわち軸受荷重によってチェーン

   を選定するのが適正です。強度安全率のみで単純にチェーンを決定することは危険ですが、チェーン選定の目安として利

   用することができますので、簡単に2表に示します。この安全率はチェーンの平均引張強さに対する安全率です。なお、安

   全率を求めるには概略次式により、最低安全率は2表のように5~7として下さい。

    ただし S=安全率 V=チェーン速度(m/min) Z=鎖車の歯数

T=(16.7S +2.1W)f1C

Q

HP=4500

・n(16.7Q+2.1WS)f1C

1.1 1

S=Z

4V

T=(16.7S +2.1W)f1C

Q

HP=4500

・n(16.7Qf 2+2.1WS)f1C

1.1 1

T=チェーンに掛る最大張力(kgf)

Q=起こり得る最大輸送量(t/h) 

S=輸送(m/min)

V=垂直鎖車中心距離(m)

H=水平鎖車中心距(m)

C=鎖車中心距離(m)

W=運行部の重量(チェーン、バケット、エプロンなどを含む)(kgf/m)

f1=チェーンとガイドレールとの摩擦係数

f2=輸送物と底板、側板との摩擦係数

f3=輸送物による係数(kgf/m3)

h =輸送物がトラフや側板を滑って輸送される

場合の積載高さ(m)

n =駆動部の伝動機械効率

HP=所要馬力

2表 チェーン速度と安全率

駆動車

駆動車

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チェーンにかかる張力計算

駆動車

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