エネルギー政策について - 北海道開発局 · 2019-12-12 ·...

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エネルギー政策について 2019年10月31日 経済産業省北海道経済産業局 資源エネルギー環境部 エネルギー対策課 令和元年度 北海道官庁施設等地球温暖化対策連絡会議 資料

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エネルギー政策について

2019年10月31日経済産業省北海道経済産業局

資源エネルギー環境部 エネルギー対策課

令和元年度 北海道官庁施設等地球温暖化対策連絡会議 資料

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本日の内容

1.日本のエネルギーを巡る現状2.日本のエネルギー政策

~省エネルギー政策を中心に~

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1.日本のエネルギーを巡る現状

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日本のエネルギー需給構造(2017年度)

3

電力天然ガス石炭再エネ等石油原子力

36%35%19%7%3%

転換ロス等

発電ロス

ガソリン・軽油

灯油

都市ガス

コークス等

電力用43%

非電力用57%

25%

75%

58%

42%

89% 74%

26%電力消費

燃料消費

家庭業務(オフィス・店舗)産業運輸(電車)

家庭・業務での給湯・冷暖房

自動車用

産業用等

送電ロス等

37%

5%

11%

<一次エネルギー(転換前のエネルギー)供給構造>

<二次エネルギー(一次エネルギーを転換)供給構造>

例:天然ガス→電力、石油→ガソリン

<最終エネルギー消費構造>

石油

石炭

天然ガス

再エネ等

原子力

39%

25%

23%

11%

1%

出典:「エネルギー白書2019」106頁、エネルギーバランスフローをもとに北海道経済産業局作成

20,035 (1015J)(原油換算:5億17百万kl)

転換損失等▲6,653 (1015J)(原油換算:▲1億72百万kl)

13,382 (1015J)(原油換算:3億45百万kl)

需要家が消費する電力やガソリン等は、石油や天然ガス、石炭等を転換して作り出される。石油等の供給を一次エネルギー供給、電気やガソリン等の供給を二次エネルギー供給と呼ぶ。

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日本の原油・LNG・石炭輸入量(2018年)と燃料価格

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化石エネルギーの自給率は、0.5%未満(原油)~2.5%(天然ガス)で、殆どを海外に依存。原油の中東依存度は高水準。LNG(液化天然ガス)、石炭は、中東以外の国々からの輸入が多い。

LNG輸入量約8,285万t

石炭輸入量1億1,367万t

カタール12.0%

アラブ首長国連邦 6.0%

オマーン3.7%

オーストラリア34.6%

マレーシア13.6%

ロシア8.1%

インドネシア6.2%

ブルネイ5.0%

パプアニューギニア3.8%

ナイジェリア 1.9% その他 2.1%

中東依存度約22%

中東依存度0.0%

オーストラリア71.5%

インドネシア11.8%

ロシア10.8%

カナダ 1.7%中国 0.7%

アメリカ合衆国2.8%

その他 0.8%

原油輸入量約11.0億バレル

サウジアラビア38.6%

アラブ首長国連邦25.4%

カタール7.9%

クウェート7.7%

イラン4.3%

イラク1.8%

オマーン1.7% ロシア

4.8%

メキシコ 1.1% その他 5.0%

中東依存度約86%

アメリカ合衆国 1.7% アメリカ合衆国 3.0%

(参考)日本のエネルギー自給率9.5%(2017年)

国際原油価格、LNG輸入価格の推移

IEA原油価格見通し(新政策シナリオ)

2030年: 96ドル/バレル2040年:112ドル/バレル

出典:貿易統計、IEA World Energy Outlook 2018を基に作成

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エネルギーコストの変化①電気料金

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東日本大震災以降、電力各社の値上げが相次ぎ、産業向け電気料金は震災前比で約38%上昇(2014年度)。その後、原油価格下落により一時は低下したものの、2017年度は再び上昇。

出典:発受電月報、電力会社決算資料を基に作成

電気料金平均単価の推移

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エネルギーコストの変化②再エネ賦課金

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固定価格買取制度(FIT)により、エネルギー自給率の向上に貢献する再生可能エネルギーは導入が拡大する一方、国民負担(再エネ賦課金)が増加。

固定価格買取制度導入後の賦課金の推移「再生可能エネルギー固定価格買取制度」は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。今はまだコストの高い再生可能エネルギーの導入を支えることで、発電設備の高い建設コストなども回収の見通しが立ちやすくなり、より普及が進みます。

固定価格買取制度で、再生可能エネルギー電気の買取りに要した費用は、電気の使用者から広く集められる再エネ賦課金によってまかなわれます。再生可能エネルギーで発電された電気は、日々使う電気の一部として供給されているため、再エネ賦課金は、毎月の電気料金とあわせていただいています。

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温室効果ガス排出量の増加

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東日本大震災以降、日本の温室効果ガス排出量は増加し、2013年度には、過去最高となる14億トンもの温室効果ガスを排出(石炭火力の焚き増しによるもの)。2013年度以降は減少に転じ、2017年度は2010年度(東日本大震災前)の温室効果ガス排出量を下回った。(ただし、電力分は2010年度比で8%増加)世界における日本の排出量シェアは、2.7%。(2018年)

日本の温室効果ガス排出量の推移

出典:総合エネルギー統計、環境行動計画(電気事業連合会)、日本の温室効果ガス排出量の算定結果(環境省)を基に作成

世界の温室効果ガス排出量の推移

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2.日本のエネルギー政策

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~省エネルギー政策を中心に~

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日本のエネルギー政策の基本方針と2030年エネルギーミックス■「エネルギー」について日本を取り巻く環境は・・・

日本はエネルギー源のほとんどを海外からの

輸入に依存。

原油輸入先の多くが中東地域に偏っており、

地政学的リスクにより供給面や価格が不安定。

再生可能エネルギーの導入が増える一方、

再エネ賦課金も上昇し、国民負担が増加。

化石エネルギーの多消費により、地球温暖化

が進行。

■2030年エネルギーミックス(望ましいエネルギー需給構造)実現に向けて、

① 徹底した省エネルギー(原油換算

5,030万㎘の削減)を行った上で、

② 再生可能エネルギーの最大限の導

入(国民負担の抑制との両立)や、

③ 原発*依存度の低減(震災前比)と

火力発電の高効率化 などを進め、

各エネルギー源(石油、石炭、天然ガス、再エネ、原子力)の最適な組み合わせで、メリットを最大化!

経済成長1.7%/年

*安全最優先の原発再稼働を行った上で、

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第5次エネルギー基本計画(2018年7月閣議決定)の概要「3E+S」 ⇒ 「より高度な3E+S」

〇 安全最優先(Safety) + 技術・ガバナンス改革による安全の革新〇 資源自給率(Energy security) + 技術自給率向上/選択肢の多様化確保〇 環境適合(Environment) + 脱炭素化への挑戦〇 国民負担抑制(Economic efficiency) + 自国産業競争力の強化

2030年に向けた対応~温室効果ガス26%削減に向けて~~エネルギーミックスの確実な実現~

-現状は道半ば -計画的な推進-実現重視の取組 -施策の深掘り・強化

<主な施策>〇 再生可能エネルギー・主力電源化への布石・低コスト化,系統制約の克服,火力調整力の確保

〇 原子力・依存度を可能な限り低減・不断の安全性向上と再稼働

〇 化石燃料・化石燃料等の自主開発の促進・高効率な火力発電の有効活用・災害リスク等への対応強化

〇 省エネ・徹底的な省エネの継続・省エネ法と支援策の一体実施

〇 水素/蓄電/分散型エネルギーの推進

2050年に向けた対応~温室効果ガス80%削減を目指して~~エネルギー転換・脱炭素化への挑戦~

-可能性と不確実性 -野心的な複線シナリオ-あらゆる選択肢の追求

<主な方向>〇 再生可能エネルギー・経済的に自立し脱炭素化した主力電源化を目指す・水素/蓄電/デジタル技術開発に着手

〇 原子力・脱炭素化の選択肢・安全炉追求/バックエンド技術開発に着手

〇 化石燃料・過渡期は主力、資源外交を強化・ガス利用へのシフト、非効率石炭フェードアウト・脱炭素化に向けて水素開発に着手

〇 熱・輸送、分散型エネルギー・水素・蓄電等による脱炭素化への挑戦・分散型エネルギーシステムと地域開発(次世代再エネ・蓄電、EV、マイクログリッド等の組合せ)

基本計画の策定 ⇒ 総力戦(プロジェクト・国際連携・金融対話・政策) 10

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日本の最終エネルギー消費の推移2017年度の最終エネルギー消費は、実質GDPの増加(前年比+1.9%)に加え、厳冬による暖房需要の増加により、前年比で+0.4%と7年ぶりに増加。オイルショック後から比べると、実質GDPが2.6倍に増加する中で、最終エネルギー消費の増加は1.2倍に留まっている。

【出典】総合エネルギー統計、国民経済計算年報、EDMCエネルギー・経済統計要覧。

最終エネルギー消費1973-2017年度

1.7倍

2.1倍

0.9倍

2.0倍

1.0倍

全体:1.2倍

運輸部門

家庭部門

産業部門

業務他部門 企業・事業所他部門

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徹底した省エネルギー推進の意義これまでの省エネ努力によって、日本は経済成長と世界最高水準の省エネを同時に達成。既に、各部門ともに、エネルギー消費量の増加傾向には歯止め。省エネの徹底は、

①日本のエネルギー需給の安定化 ②事業者・家庭のエネルギーコストの低減 ③事業者のエネルギー生産性の向上にも貢献。

日本の実質GDPとエネルギー効率の推移(エネルギー供給量/実質GDP)

実質GDP当たりのエネルギー消費の主要国比較(2016年)

(注1)「総合エネルギー統計」は、1990年度以降の数値について算出方法が変更されている。(注2)1993年度以前のGDPは日本エネルギー経済研究所推計。出典:資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」、内閣府「国民経済計算」、日本エネルギー経済

研究所「エネルギー・経済統計要覧」を基に作成

(注)一次エネルギー消費量(石油換算トン)/実質GDP(米ドル、2010年基準)を日本=1として換算。

出典:IEA 「World Energy Balances 2018 Edition」、World Bank 「World Development Indicators 2018」を基に作成 12

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長期エネルギー需給見通しにおけるエネルギー消費・消費効率長期エネルギー需給見通しにおいては、徹底した省エネルギー対策により、2030年度に最終エネルギー消費を対策前比で原油換算5,030万kl程度削減することが目標(対策前比▲13%)。目標達成には、オイルショック後並みのエネルギー消費効率(最終エネルギー消費量/実質GDP)の改善(35%)が求められる。

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長期エネルギー需給見通しにおける最終エネルギー消費 エネルギー消費効率の改善

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エネルギーミックス実現に向けた部門別の省エネルギー対策各部門における省エネルギー対策の積み上げにより、原油換算で5,030万kl程度の省エネルギーを実現。

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産業部門 <▲1,042万kl程度> 業務部門 <▲1,226万kl程度>

家庭部門 <▲1,160万kl程度>

運輸部門 <▲1,607万kl程度>

主要4業種(鉄鋼、化学、セメント、紙・パルプ)⇒ 低炭素社会実行計画の推進

工場のエネルギーマネジメントの徹底⇒ 製造ラインの見える化を通じたエネルギー効率の改善

革新的技術の開発・導入

業種横断的に高効率設備を導入⇒ 低炭素工業炉、高性能ボイラ、コジェネレーション 等

次世代自動車の普及、燃費改善⇒ 2台に1台が次世代自動車に⇒ 燃料電池自動車:年間販売最大10万台以上

交通流対策・自動運転の実現

建築物の省エネ化⇒ 新築建築物に対する省エネ基準適合義務化

高効率設備の導入⇒ LED等高効率照明の普及

BEMSによる見える化・エネルギーマネジメント⇒ 約半数の建築物に導入

国民運動の推進

住宅の省エネ化⇒ 新築住宅に対する省エネ基準適合義務化

LED照明・有機ELの導入⇒ LED等高効率照明の普及

HEMSによる見える化・エネルギーマネジメント⇒ 全世帯に導入

国民運動の推進

<各部門における主な省エネ対策>

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エネルギーミックスの省エネ対策の進捗状況(2017年度)

業務部門 <省エネ量▲1,227万kl>

運輸部門 <省エネ量▲1,607万kl>

産業部門 <省エネ量▲1,042万kl>

家庭部門 <省エネ量▲1,160万kl>

2017年度時点で▲239万kl(進捗率:23.0%) 2017年度時点で▲253万kl(進捗率:20.6%)

2017年度時点で▲362万kl(進捗率:22.5%) 2017年度時点で▲219万kl(進捗率:18.9%)

主な対策• LED等の導入[116.0万kl/228.8万kl (50.7%) ]• 高効率な冷凍冷蔵庫やルーター・サーバー等の導入

[41.3万kl/278.4万kl (14.8%) ]• BEMSの活用等によるエネルギー管理の実施

[48.3万kl/235.3万kl (20.5%) ]

主な対策• LED等の導入[115.1万kl/201.1万kl (57.2%) ]• トップランナー制度等による機器の省エネ性能向上

[15.9万kl/133.5万kl (11.9%) ]• 住宅の省エネ化[24.4万kl/356.7万kl (6.8%) ]

主な対策• 次世代自動車の普及[71.5万kl /938.9万kl(7.6%) ]※• その他の運輸部門対策[290.7万kl/668.2万kl (43.5%) ](内訳)貨物輸送[143.5万kl /337.6万kl(42.5%) ]

旅客輸送[147.3万kl /330.5万kl(44.6%) ]

主な対策• LED等の導入[58.4万kl/108.0万kl (54.1%) ]• 産業用ヒートポンプの導入[6.1万kl/87.9万kl (6.9%) ]• 産業用モータの導入[11.0万kl/166.0万kl (6.6%) ]• FEMSの活用等によるエネルギー管理の実施

[8.9万kl/67.2万kl (13.2%) ]

全体 <省エネ量▲5,030万kl> 2017年度時点で▲1,073万kl(進捗率:21.3%)※

2016年度時点で▲876kl(進捗率17.4%)2015年度時点で▲597kl(進捗率11.8%)

※「次世代自動車の普及」は2017年度実績が未集計のため、2016年実績値

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日本の省エネルギー政策の全体像(規制措置)

産 業 部 門 業 務 部 門 運 輸 部 門

●産業・業務部門の事業者に対して・事業者へ原単位削減目標等の判断基準を提示・特定事業者(年間エネルギー使用量1,500kl以上)へのエネルギー管理者等の選任義務、定期報告義務

●自動車・家電・建築材料等の製造・輸入事業者に対して・トップランナー規制(32品目)

●自動車・家電等の卸・小売事業者に対して・省エネ性能の表示義務

●エネルギー多消費産業の事業者に対して・ベンチマーク指標と目標水準の設定(定期報告)

製品等

●住宅メーカーに対して・住宅メーカー(年間150戸以上)の住宅に対するトップランナー規制

住宅所有者の省エネに貢献

家庭やオフィスにおける自動車・家電・建築材料等の使用者の省エネに貢献

●全てのエネルギー使用者に対して・エネルギーの使用の合理化への取組の努力義務

●荷主に対して・輸送事業者のエネルギーの使用の合理化に資する取組への努力義務・荷主へ原単位削減目標等の判断基準を提示・特定荷主(年間輸送量3,000万トンキロ以上)への定期報告義務

●輸送事業者に対して・輸送事業者へ原単位削減目標等の判断基準を提示・特定輸送事業者(トラック200台以上保有等)への定期報告義務

建築物省エネ法

●特定建築物(2,000㎡以上の非住宅建築物)に対して・新築時等に建築物のエネルギー消費性能基準(省エネ基準)への適合義務・基準適合について所管行政庁又は登録判定機関(創設)の判定を受ける義務●その他の建築物(300㎡以上の住宅・非住宅建築物)に対して・新築、増改築に係る計画の所管行政庁への届出義務

家 庭 部 門

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エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)の概要

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工場等の設置者、輸送事業者・荷主に対し、省エネ取組を実施する際の目安となるべき判断基準(設備管理の基準やエネルギー消費効率改善の目標(年1%)等)を示すとともに、一定規模以上の事業者にはエネルギーの使用状況等を報告させ、取組が不十分な場合には指導・助言や合理化計画の作成指示等を行う。特定エネルギー消費機器等(自動車・家電製品等)の製造事業者等 注)に対し、機器のエネルギー消費効率の目標を示して達成を求めるとともに、効率向上が不十分な場合には勧告等を行う。 注)生産量等が一定以上の者

エネルギー使用者への直接規制

使用者への間接規制

工場・事業場 運輸

工場等の設置者・事業者の努力義務

貨物/旅客輸送事業者・事業者の努力義務

荷主(自らの貨物を輸送事業者に輸送させる者)・事業者の努力義務

努力義務の対象者

特定貨物/旅客輸送事業者(保有車両トラック200台以上等)・計画の提出義務・エネルギー使用状況等の定期報告義務

特定荷主(年間輸送量3,000万トンキロ以上)・計画の提出義務・委託輸送に係るエネルギー使用状況等の定期報告義務

報告義務等対象者

一般消費者への情報提供特定エネルギー消費機器等(トップランナー制度)

製造事業者等(生産量等が一定以上)

・自動車や家電製品等32品目のエネルギー消費効率の目標を設定し、製造事業者等に達成を求める

特定事業者・特定連鎖化事業者(エネルギー使用量1,500kl/年以上)・エネルギー管理者等の選任義務・中長期計画の提出義務・エネルギー使用状況等の定期報告義務

家電等の小売事業者やエネルギー小売事業者・消費者への情報提供(努力義務)

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1.連携省エネルギー計画の認定制度の創設「連携省エネルギー計画」の認定を受けた事業者は、連携省エネ取組による省エネ量を計画に参加する事業者間で分配して報告できる。 (工場等設置者、荷主、貨客輸送事業者)

2.認定管理統括事業者制度の創設企業グループの親会社等が、グループの一体的な省エネ取組を統括管理する者として認定を受けた場合、当該親会社等(認定管理統括事業者)による定期報告等の義務の一体的な履行を認める。

(工場等設置者、荷主、貨客輸送事業者)

3.荷主の定義の見直し貨物の所有権を問わず、契約などで輸送の方法等を決定する事業者を荷主とする。

4.準荷主の位置づけ荷主が決定した輸送方法等の下で到着日時等を指示できる貨物の荷受側の事業者を新たに「準荷主」と位置づけ、貨物輸送の省エネへの協力を求める。

5.中長期計画の提出頻度の軽減省エネ取組の優良事業者を対象に「中長期計画」の提出頻度を軽減する。

(工場等設置者、荷主、貨物輸送事業者、旅客輸送事業者、貨客輸送事業者)

6.エネルギー管理士免状交付事務の外部委託エネルギー管理士の免状交付事務を指定試験機関に委託できるようにする。 18

第196回通常国会において、国会での審議を経て、衆議院・参議院ともに全会一致で可決。平成30年6月6日に成立、6月13日に公布、12月1日に施行(平成30年法律第45号)。

改正省エネ法の概要

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改正省エネ法の概要 ~連携省エネルギー計画の認定制度の創設~※改正法第46条から第50条まで(工場・事業場規制)、第117条から第121条まで(荷主規制)、第134条から第138条まで(輸送事業者規制)関係

事業者ごとのエネルギー消費量に基づき評価 「連携省エネルギー計画」の認定を受けた者は、連携省エネの省エネ量を事業者間で分配して定期報告可能に

【現行法】 【改正法】

19

ケース1 同一業界の事業者間の設備集約

現行法では、設備統合側の評価は悪化。省エネ量を分配可能とし、双方にとってプラスとなるようにする。

ケース3 荷主間連携による物流効率化

現行法でも双方ともプラスに評価されるが、取組への関与の度合い等に応じた柔軟な省エネ量の分配を可能とすることで取組を促進する。

C社 D社

気象情報に基づく需要予測の共有

生産ロス削減 食品 食品ロス削減

ケース2 サプライチェーン連携による最適化

B社

上工程

統合・集約

廃止下工程

下工程

A社 製品

製品上工程

省エネ

増エネ

全体で省エネ

省エネ全体で省エネ

荷主についても同様に連携による省エネ量の分配を認める。

物流拠点の共同化/共同輸配送

イオン中部

花王豊橋工場

中継地静岡

荷物入替

イオン関東

花王川崎工場

省エネ

省エネ

省エネ

省エネ

全体で省エネ

E社 E社

F社 F社

関東 関西

少し省エネ

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改正省エネ法の概要 ~認定管理統括事業者制度の創設~※改正法第29条から第44条まで(工場・事業場規制)、第113条から第116条まで(荷主規制)、第130条から第133条まで(輸送事業者規制)関係

20

親会社

1,500kl(特定事業者)

関連会社B

1,800kl(特定事業者)

子会社A

親会社

1,800kl

子会社A

認定管理統括事業者

1,500kl

関連会社B

管 理 関 係 事 業 者

省エネ法の義務

省エネ法の義務

不要に不要に

省エネ法の義務

2,000kl(特定事業者)

改正前 改正後認定管理統括事業者が

一体的に担う

2,000kl

:エネルギー管理統括者 :エネルギー管理企画推進者 :定期報告及び中長期計画省エネ法の義務 現行法 改正法

定期報告・中長期計画の提出 全ての特定事業者が報告・提出 認定管理統括事業者が一体的に提出

エネルギー管理統括者等の選任 全ての特定事業者で選任 認定管理統括事業者において選任

(工場・事業場規制の場合)

• 一定の資本関係等の密接性を有しており、一体的に省エネ取組を行っている企業グループの親会社等が、グループの一体的な省エネ取組を統括管理する者として認定を受けた場合、当該親会社等による定期報告等の義務の一体的な履行を認める。

• なお、子会社等の管理関係事業者のエネルギーの使用状況等についても引き続き把握できるように措置する。

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改正省エネ法の概要 ~中長期計画の提出頻度の軽減(工場等規制)~

• 工場等規制において、直近過去2年度以上連続でS評価の場合、翌年度以降、最後に提出した中長期計画の計画期間内は、S評価を継続している限りにおいて、中長期計画の提出を免除する。

21

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度

定期報告書の評価 A S S S S S

中長期計画書 提出 提出 提出(免除申請)

免除 免除 提出

(ケース1)中長期計画の計画期間中はS評価が継続した場合

(ケース2) 中長期計画の計画期間中にS評価でなくなった場合

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度

定期報告書の評価 A S S S A S

中長期計画書 提出 提出 提出(免除申請)

免除 提出 提出

中長期計画の計画期間3年の場合

中長期計画の計画期間3年の場合

※なお、中長期計画の提出頻度の軽減の条件を満たしている事業者であっても、「中長期計画」を提出することは可能。

(2020年度~2022年度)

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ベンチマーク制度について• 既に省エネ取組を進めてきた事業者の省エネの状況を適切に評価するため、エネルギー消費効率の年

1%改善とは別に、業種・分野別に中長期的に目指すべき水準(ベンチマーク)を設定。• 産業部門から導入開始。平成31年4月に全産業のエネルギー消費の70%をカバーを達成。• 現在、15業種19分野(産業部門:製鉄業 等、業務部門:コンビニ業 等)に制度導入済み。

平成20年:ベンチマーク制度検討スタート

平成21年~平成22年:産業部門ベンチマーク制度導入

平成26年:業務部門における省エネ取組の評価制度に関する研究会において業務部門のベンチマーク制度を本格的に検討開始

平成28年4月:コンビニエンスストア業のベンチマーク制度施行

平成27年8月:省エネルギー小委員会取りまとめにおいて「業務部門におけるベンチマーク制度の創設」を検討すべき

平成27年11月:安倍総理から業務部門へベンチマーク対象業種の拡大指示

<産業部門:6業種10分野>①高炉による製鉄業②電炉による普通鋼製造業③電炉による特殊鋼製造業④電力供給業⑤セメント製造業⑥洋紙製造業⑦板紙製造業⑧石油精製業⑨石油化学系基礎製品製造業⑩ソーダ工業

<業務部門:9業種9分野>①コンビ二エンスストア ②ホテル ③百貨店④貸事務所 ⑤スーパー ⑥ショッピングセンター⑦大学 ⑧パチンコホール業 ⑨国家公務

平成21年:ベンチマーク制度を検討する研究会

平成29年4月:ホテル業・百貨店業のベンチマーク制度施行

平成30年4月:食料品スーパー業・ショッピングセンター業・貸事務所業のベンチマーク制度施行

22平成31年4月:大学・パチンコホール業・国家公務

のベンチマーク制度施行

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日本の省エネルギー政策の全体像(支援措置)

エコカー減税・グリーン化特例住宅リフォーム減税

クリーンエネルギー自動車、充電インフラ、省エネ建機、低炭素ディーゼルトラック

トラック・タクシー、海上輸送分野の省エネ実証

家庭用燃料電池(エネファーム)

製造プロセス改善に資する技術開発への補助金

産 業 部 門 業 務 部 門 家 庭 部 門 運 輸 部 門

省エネ設備、トップランナー機器導入の際の利子補給

省エネ技術開発への研究委託・補助(高効率火力発電、蓄電池、自動車、自動走行システム等)

中小企業向けの無料省エネ診断

省エネ補助金(設備更新、省エネ改修、電力ピーク対策、エネルギーマネジメント・システム導入)

住宅・建築物のネット・ゼロ・エネルギー化(ZEB・ZEH)への補助

省エネ設備導入の際の融資制度

既築住宅・建築物への高性能建材

省エネ地域プラットフォーム事業

個別機器等の導入補助

省エネ再エネ高度化投資促進税制(特別償却、税額控除)等

税制

技術開発

気付き

実証 バーチャルパワープラント構築実証

業務・産業用燃料電池

省エネルギー促進に向けた広報事業

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