ブーツ ウエッジタイプ...ウエッジ部詳細 技術の概要...

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951 2 0 2 5 3 3 1 建設技術審査証明書 技術名称:ブーツ ウエッジタイプ (下水道マンホール用可とう性継手および耐震性継手) [開発目標型] (開発の趣旨) マンホールと管きょの接続部においては,地盤の不等沈下,振動や偏荷重,路面荷重の影響等により,曲げやせん断 作用による管きょの破損,また,地震時においては管きょの屈曲や抜け出しによる被害が発生している。さらに,直近 では東日本大震災をうけ,下水道管きょの耐震化が求められている。可とう性・耐震性継手も開発され普及しているが, 専用工具を使用し,取り付け手順が複雑なものもある。そこで,優れた可とう性,耐震性を有し,マンホールへの取付 けが容易である本技術を開発した。 (開 標) 本技術の開発目標は,次に示すとおりである。 (1)可とう性:接続部において以下の条件で,外水圧 0.10 MPa および内水圧 0.05 MPa に耐える水密性を有すること。 なお,可とう性管の場合は偏平時(硬質塩化ビニル管・強化プラスチック複合管は外径の5%,リブ付硬質塩化ビ ニル管は外径の4%)にも同様の水密性を有すること。 1)ブーツEX ①屈曲角:2°,5°,10° ②軸方向直角変位:±3mm,± 10 mm ③軸方向変位:± 60 mm 2)ブーツ306 ①屈曲角:1° ②軸方向直角変位:±2mm ③軸方向変位:± 60 mm (2)耐震性:接続部において,レベル2地震動を想定した以下の複合条件で,外水圧 0.10 MPa および内水圧 0.05 MPa に耐える水密性を有すること。なお,可とう性管の場合は偏平時(硬質塩化ビニル管・強化プラスチック複合 管は外径の5%,リブ付硬質塩化ビニル管は外径の4%)にも同様の水密性を有すること。 1)ブーツEX ①屈曲角:1° ②軸方向変位:± 60 mm 2)ブーツ306 ①屈曲角:1° ②軸方向変位:± 60 mm (3)物性:本体ゴムは「JIS K 6353 水道用ゴム」(Ⅳ類)に規定する物性を有すること。 (4)施工性:工場内におけるマンホールへの取付けおよび現場作業における管きょの接続は,ステンレスバンドの締 付けにより容易にできること。 1)マンホールへの取付け マンホールへのブーツの取付けは 15 分以内に完了できること。 2)ブーツと管きょの接続 ブーツと管きょの接続は,管きょの挿入と取付けで 15 分以内に完了できること。(管きょの据付け作業は含 まない。) (公財)日本下水道新技術機構の建設技術審査証明事業(下水道技術)実施要領に基づき,依頼のあった 「ブーツ ウエッジタイプ」の技術内容について下記のとおり証明する。 なお,この技術は2015年3月10日に審査証明を取得し,更新された技術である。 2020 3 17 建設技術審査証明事業実施機関 公益財団法人 日本下水道新技術機構 理事長 1.審 査 の 結 果 上記すべての開発目標を満たしていると認められる。 2.審査証明の前提 (1)提出された資料には事実に反する記載がないものとする。 (2)本技術に使用する材料は,適正な品質管理のもとで製造されたものとする。 (3)本技術の施工は,標準施工手順に従い,適正な施工管理のもとで行われるものとする。 3.審査証明の範囲 審査証明は,依頼者から提出のあった開発目標に対して設定した審査方法により確認した範囲とする。 4.審査証明の詳細 ( 建設技術審査証明(下水道技術)報告書参照 ) 5.審査証明の有効期限 2025 3 31 6.審査証明の依頼者 株式会社イトーヨーギョー (兵庫県神戸市中央区中山手通五丁目1番3号) ブーツ ウエッジタイプ 下水道マンホール用可とう性継手および耐震性継手 令和元年度 建設技術審査証明事業(下水道技術) 技術概要書

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Page 1: ブーツ ウエッジタイプ...ウエッジ部詳細 技術の概要 ブーツウエッジタイプは,組立てマンホールと管きょの接続部に使用する部材であり,優れた可とう

建設技術審査証明事業

 下水道技術

 第1951号                     有

効期

限20

25年

3月31

(公財) 日本下水道新技術機構

建設技術審査証明書技術名称:ブーツ ウエッジタイプ

(下水道マンホール用可とう性継手および耐震性継手)

[開発目標型]

( 開 発 の 趣 旨 ) マンホールと管きょの接続部においては,地盤の不等沈下,振動や偏荷重,路面荷重の影響等により,曲げやせん断作用による管きょの破損,また,地震時においては管きょの屈曲や抜け出しによる被害が発生している。さらに,直近では東日本大震災をうけ,下水道管きょの耐震化が求められている。可とう性・耐震性継手も開発され普及しているが,専用工具を使用し,取り付け手順が複雑なものもある。そこで,優れた可とう性,耐震性を有し,マンホールへの取付けが容易である本技術を開発した。

( 開 発 目 標 ) 本技術の開発目標は,次に示すとおりである。

(1)可とう性:接続部において以下の条件で,外水圧 0.10 MPa および内水圧 0.05 MPa に耐える水密性を有すること。なお,可とう性管の場合は偏平時(硬質塩化ビニル管・強化プラスチック複合管は外径の5%,リブ付硬質塩化ビニル管は外径の4%)にも同様の水密性を有すること。1)ブーツEX

①屈曲角:2°,5°,10°  ②軸方向直角変位:±3mm,± 10 mm  ③軸方向変位:± 60 mm2)ブーツ306

①屈曲角:1°        ②軸方向直角変位:±2mm       ③軸方向変位:± 60 mm(2)耐震性:接続部において,レベル2地震動を想定した以下の複合条件で,外水圧 0.10 MPa および内水圧 0.05

MPa に耐える水密性を有すること。なお,可とう性管の場合は偏平時(硬質塩化ビニル管・強化プラスチック複合管は外径の5%,リブ付硬質塩化ビニル管は外径の4%)にも同様の水密性を有すること。1)ブーツEX

①屈曲角:1°  ②軸方向変位:± 60 mm2)ブーツ306

①屈曲角:1°  ②軸方向変位:± 60 mm(3)物性:本体ゴムは「JIS K 6353 水道用ゴム」(Ⅳ類)に規定する物性を有すること。(4)施工性:工場内におけるマンホールへの取付けおよび現場作業における管きょの接続は,ステンレスバンドの締

付けにより容易にできること。1)マンホールへの取付け

マンホールへのブーツの取付けは 15 分以内に完了できること。2)ブーツと管きょの接続

ブーツと管きょの接続は,管きょの挿入と取付けで 15 分以内に完了できること。(管きょの据付け作業は含まない。)

(公財)日本下水道新技術機構の建設技術審査証明事業(下水道技術)実施要領に基づき,依頼のあった「ブーツ ウエッジタイプ」の技術内容について下記のとおり証明する。なお,この技術は2015年3月10日に審査証明を取得し,更新された技術である。

2020年 3月 17日

建設技術審査証明事業実施機関公益財団法人 日本下水道新技術機構

理事長

1.審 査 の 結 果 上記すべての開発目標を満たしていると認められる。

2.審査証明の前提(1)提出された資料には事実に反する記載がないものとする。(2)本技術に使用する材料は,適正な品質管理のもとで製造されたものとする。(3)本技術の施工は,標準施工手順に従い,適正な施工管理のもとで行われるものとする。

3.審査証明の範囲審査証明は,依頼者から提出のあった開発目標に対して設定した審査方法により確認した範囲とする。

4.審査証明の詳細    (建設技術審査証明(下水道技術)報告書参照 )5.審査証明の有効期限  2025年 3月 31日6.審査証明の依頼者

株 式 会 社 イ ト ー ヨ ー ギ ョ ー  (兵庫県神戸市中央区中山手通五丁目1番3号)

ブーツ ウエッジタイプ下水道マンホール用可とう性継手および耐震性継手

令和元年度 建設技術審査証明事業(下水道技術)

技術概要書

Page 2: ブーツ ウエッジタイプ...ウエッジ部詳細 技術の概要 ブーツウエッジタイプは,組立てマンホールと管きょの接続部に使用する部材であり,優れた可とう

ウエッジ部詳細 ウエッジ部詳細

技術の概要

ブーツウエッジタイプは,組立てマンホールと管きょの接続部に使用する部材であり,優れた可とう

性を有して不等沈下や偏荷重による挙動などから接続部を守り,また,耐震性も有した下水道マンホー

ル用継手である。

構造は,本体ゴム,ウエッジ付き内部バンド,外部バンドで構成される。本体ゴムはエチレンプロピ

レンゴム(EPDM),各バンドはステンレス(SUS304)を使用している。

マンホールとの接続は,工場において,内部バンドのウエッジを締め付けることで内部バンドが拡径

され,本体ゴムがマンホール穿孔面に圧着される。管きょとの接続は,現場において,本体ゴムに管き

ょを挿入し外部バンドを締め付けることで完了する。

ブーツウエッジタイプは,バンドを締付けるだけで水密性が確保され,容易に施工でき取付け時間が

短いという特長を有する。

図-1 ブーツ ウエッジタイプの構造概要

ブーツウエッジタイプは,小口径対応(φ150~450 mm)の「ブーツEX」,中大口径対応(φ400~

1000 mm)の「ブーツ306」に区分され,さまざまな管種に対応することが可能である。

写真-1 ブーツEXの製品外観 写真-2 ブーツ306の製品外観

技術の概要

Page 3: ブーツ ウエッジタイプ...ウエッジ部詳細 技術の概要 ブーツウエッジタイプは,組立てマンホールと管きょの接続部に使用する部材であり,優れた可とう

技術の特長

技術の特長を以下に示す。

(1)可とう性

接続部において以下の条件で,外水圧0.10 MPaおよび内水圧0.05 MPaに耐える水密性を有する。

なお,可とう性管の場合は偏平時(硬質塩化ビニル管・強化プラスチック複合管は外径の5%,リ

ブ付硬質塩化ビニル管は外径の4%)にも同様の水密性を有する。

(2)耐震性

接続部において,レベル2地振動を想定した以下の複合条件で,外水圧 0.10 MPa および内水圧

0.05 MPa に耐える水密性を有する。なお,可とう性管の場合は偏平時(硬質塩化ビニル管・強化プ

ラスチック複合管は外径の5 %,リブ付硬質塩化ビニル管は外径の4 %)にも同様の水密性を有

する。

(3)物性

本体ゴムは「JIS K 6353 水道用ゴム」(Ⅳ類)に規定する物性を有する。

(4)施工性

工場内におけるマンホールへの取付けおよび現場作業における管きょの接続は,ステンレスバン

ドの締付けにより容易にできる。

1)マンホールへの取付け

マンホールへのブーツの取付けは 15 分以内に完了できる。

2)ブーツと管きょの接続

ブーツと管きょの接続は,管きょの挿入と取付けで 15 分以内に完了できる。

(管きょの据付け作業は含まない。)

技術の適用範囲

1) ブーツEX

① 屈曲角:2°,5°,10 °

② 軸方向直角変位:±3mm,±10 mm

③ 軸方向変位:±60 mm

2) ブーツ306

① 屈曲角:1°

② 軸方向直角変位:±2mm

③ 軸方向変位:±60 mm

1) ブーツEX

① 屈曲角:1°

② 軸方向変位:±60 mm

2) ブーツ306

① 屈曲角:1°

② 軸方向変位:±60 mm

(1)ブーツEX

施工区分:新設時

管種・管径:

硬質塩化ビニル管 呼び径 150~450

リブ付硬質塩化ビニル管 呼び径 150~200

鉄筋コンクリート管 呼び径 150~400

陶管 呼び径 150~350

マンホール:組立0~2号マンホール

組立楕円マンホール

(2)ブーツ306

施工区分:新設時

管種・管径:

硬質塩化ビニル管 呼び径 450~800

強化プラスチック複合管 呼び径 450~1000

鉄筋コンクリート管 呼び径 400~900

マンホール:組立1~4号マンホール

技術の特長

技術の適用範囲

Page 4: ブーツ ウエッジタイプ...ウエッジ部詳細 技術の概要 ブーツウエッジタイプは,組立てマンホールと管きょの接続部に使用する部材であり,優れた可とう

施工実績(抜粋)

年度 出荷数量 年度 出荷数量

2009年度 8,658 2009年度 43

2010年度 8,619 2010年度 52

2011年度 12,101 2011年度 144

2012年度 13,795 2012年度 125

2013年度 14,753 2013年度 186

2014年度 11,215 2014年度 58

2015年度 10,675 2015年度 62

2016年度 10,411 2016年度 25

2017年度 10,727 2017年度 128

2018年度 11,094 2018年度 67

合 計 112,048 合 計 890

(1)ブーツEX (2)ブーツ306

技術保有会社および連絡先

【技術保有会社】 株式会社イトーヨーギョー http://www.itoyogyo.co.jp/

【問合せ先】 株式会社イトーヨーギョー TEL 06-4799-8853

審査証明有効年月日

2020 年3月 17 日~2025 年3月 31 日

インターネットによる情報公開

・公益財団法人 日本下水道新技術機構 https://www.jiwet.or.jp/

・建設技術審査証明協議会 http://www.jacic.or.jp/sinsa/

施工実績(抜粋)

技術保有会社および連絡先

審査証明有効年月日

インターネットによる情報公開