サイドスラスター 取扱説明書 -...

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YSS25D/160 YSS30D/260 1230 発行2007年7月 山本機工株式会社 サイドスラスター 取扱説明書

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YSS25D/160YSS30D/260

1230

発行2007年7月

山本機工株式会社

サイドスラスター 取扱説明書

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  圧力損失2~3Mpa程度加算して下さい。  圧力は理論値です。油圧流量とその流量で必要な圧力、その時発生する推力は以下の通りです。

165Kg10.9MPa55ℓ/min195Kg12.8MPa60ℓ/min230Kg14.9MPa65ℓ/min260Kg17.1MPa70ℓ/min推力圧力流量

YSS30D/260 ( 36cc/rev )

92Kg6.1MPa40ℓ/min115Kg7.7MPa45ℓ/min140Kg9.4MPa50ℓ/min160Kg10.7MPa54ℓ/min推力圧力流量

YSS25D/160 ( 28cc/rev )

油圧流量と圧力

YSS25D→325-151-300YSS30D→325-150-300プロペラ

325-131-401  ザガネ328-212-400R ナット328-212-400S ナイロンナット

YSS25D→SUS-M8*1.25*40 六角ボルト1本YSS30D→SUS-M8*1.25ナット2個

325-194-400 アース線

(FRPダクトのみ付属)

325-190-310 プロペラカバー

328-121-400 保護亜鉛

補用部品 一覧

F矢視図

(タンクまで単独配管)

ドレンポート PT3/8

A・Bポート PT3/4

BA

Fφ160

(本体全長)308

226

DC

A B 335290

1000 337317500500276252 300300600

337317250250500276252

250250500アルミ

3025005001000250300300600335302137173310290250137143280

FRP

DCBA全長DCBA全長ダクト材質YSS-30D/260

YSS-25D/160

主要寸法

仕様

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ご使用上の注意点

検査と修理をされて予備にお持ちになることをお勧めします。物を巻いてしまった時は、出来るだけプロペラは新しいものに取り替え、せっかく船を下ろしてから、再度上架が必要、とならないよう曲がりや歪みは思わぬ障害となります。1800rpmという高速回転でプロペラが回りますから、特に本機は、小口径で大きな推力が得られるよう、

❹プロペラの曲がり、歪みは振動や騒音、スラスターの故障原因となります。

上架時には必ず消耗程度をご確認いただき、早めに交換して下さい。亜鉛の消耗は条件により大きく変わります。

❸半年に一度は、保護亜鉛を交換して下さい。

油圧回路の油が運転中常に流れています。ギアを使わないモーターダイレクトタイプですから、

❷本機への給油、油交換は必要ありません。

レバーを倒す、これだけでスラスターは大幅に長もちします。一旦レバーを中立にしてプロペラが止まったころを見計らってから、お願いする使用上の注意点は、ほとんどこれだけです。

❶操作レバー(叉は、操作ツマミ)の左右切り返しを急激に行わないで下さい。

ご使用上の注意点

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船体への取付1

最適です。またメンテナンスも外部からのみでOKですから角度も自由に取り付けられます。上部にモーターなどの大きな突起もなくモーターダイレクト型(YSS-30Dなど)ですと、

この部分にスラスターを取り付ける船も最近では多くなってます。この理由から、バルパスのある船では、

A=11m

B=10m

旋回の中心

直感的にもご理解いただけると思いますが、出来る限り前に取り付けて下さい。

①取り付け位置について 

このように旋回させようとする力は、【A】のほうが10%大きくなります。 Bの場合の旋回させようとする力(トルク)=100Kg推力×10m=1000Kg-m Aの場合の旋回させようとする力(トルク)=100Kg推力×11m=1100Kg-mスラスターからの推力が100Kgfとした場合、上図のように、旋回中心から10mと11mの位置にスラスターを取り付けた場合を比較します。

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船体への取付1

ダクトを斜め下に向ける造船所様が多くなり、好結果を得られています。スラスターを取り付けることが出来ない場合が多く、その打開策として下図のように船体が軽量で喫水の浅い現在の漁船では、以上①②のような条件を満足する位置に

【C】【B】

【A】

1/3×φD

φ D

φ Dφ D

4/4×φD

3/4×φD

喫水

1/2×φD

喫水より下げると理想的です。これは最低ラインです。出来れば3/4以上(下図【B】)から4/4の範囲で(下図【C】)一般的にダクト内径の1/2以上喫水から下げるようにと言われていますが(下図【A】)、 水圧がかかっているほど、プロペラの最大効率を引き出すことが出来ます。 海面から空気を吸い込まないため。出来るだけ深く取り付ける必要があります。理由は以下の二点です。

②取り付け深さについて

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船体への取付2

R=0.1×φD

φD

R=0.1×φD

キャビテーションの発生や、騒音増大の原因となりますので 下図のようにダクトの入口は、曲面に仕上げて下さい。 加工半径は、ダクト内径の10%が目安です。

④ ダクト入口の加工

6倍を越えると明らかに性能低下を引き起こします。おおよそダクト内径の2~4倍(YSS30Dなら60~120cm)が目安です。最適なダクトの長さは、

③ ダクトの長さについて

キャビーテーション発生

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あまり長いと摩擦や抵抗が増えて推力を減少させます。 逆にあまり短いと特に下図のような部分でキャビテーションが発生し、 推力が減少し騒音も大きくなります。

ここでキャビーテーション発生

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船体への取付2

人間

上から見て

デフレクター

視線

ダクトの後端

上記方法で整形する場合、形状や大きさは船体形状に大きく依存しますが、 基本的な考え方としては、船体中心線上に立って船体を見たとき、 ダクトの後端が見えないように加工します。

走行時の水流がダクトにぶつかって船速に及ぼす悪影響を低減させるためには、 下図Aのような形状に加工するのが一般的です。 スピードの速いパワーボートなどでは下図Bのようなデフレクターを設ける場合もあります。

B矢視図A矢視図

A

⑤走行時のダクト抵抗を低減するために

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BA

TP

切替弁を使用して下さい。切替途中がオールポートオープンになる注意

回路を切り替える切替弁を入れて

BA

TP分流弁

BA

TP

P1

揚網機などスラスター

BA

TP

BA

TP

右図のような方法を御検討下さい。スラスター専用の油圧ポンプを増設するか、エンジン負担は大きくなり、油温も上がります。しかし高圧である上、消費馬力も27%近く余計に必要、リリーフ圧を23Mpaまであげる方法もあります。この状態でスラスター推力を260kgfまで上げるには、

左図のような回路を考えます。 仮にスラスターからタンク間(太線部分)の 配管抵抗が分流弁や切替弁の為に 5Mpaあるとします。 すると、スラスターが使える有効圧は 18Mpa-5Mpa=13Mpaしかありません。 折角流量は70ℓ/min流しても、 スラスターは13Mpa分しかプロペラを 回すことが出来ません。 実際には約10ℓ/min近くが、リリーフ弁から タンクに戻ってしまい、 この時の推力はおおよそ195Kgfです。

18Mpaリリーフ設定圧力

必要な圧力17.1Mpa必要な流量70ℓ/min推力260Kgf発生時

分流弁

揚網機など

BA

TP

リリーフ弁

P1

揚網機などYSS30Dスラスター

BA

TP

揚網機などの一般的な漁労機では、流量さえ流せば低圧でも回りはじめ、 負荷がかかった時に速度が落ち、それ以上の負荷がかかると停止します。 スラスターは水中でプロペラを回すため、常に負荷のかかった揚網機のような状態です。 なおかつ揚網機と異なる点は、回転を10%上げる為に油量を10%あげると、 必要圧力も20%上がることです。 もしすでにリリーフ設定圧付近まで回路の圧力が上がっているとすると、 仮に油量を10%上げてもプロペラ回転は変化せず、増量した油圧はリリーフ弁から タンクへ戻ってしまうだけです。推力は全く変化しません。

❶必ず流量と共に必要な有効圧力が確保できるよう回路を設計して下さい。

油圧回路を設計される場合、以下の点 にご注意下さい。

油圧回路の設計

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❹ リングメイン回路での駆動をご計画の場合は、あらかじめ御相談下さい。

油圧回路の設計

スラスターは必要な圧力が高いため、他の漁労機器が止まる可能性があります。 またその状態で、スラスターを中立にしたとたん漁労機器が回り出す危険性があります。

❸ シリーズ回路を組む場合、漁労機器との同時操作は避けて下さい。

リリーフ圧力が18Mpaを越えない 通常の使用状態で最大圧力が10Mpa程度。 リリーフが噴くような使用をしない機器。

従来品(ギヤ駆動)のスラスターで使用していたM3Bモーターと異なり、 背圧に対してもかなり耐久性が向上しているので、以下のような条件内であれば 差しつかえありません。

❷シリーズ回路でスラスターの後に漁労機がくる場合、以下の点に御注意下さい。

タンクへ戻ってしまっています。この時、油圧ポンプは油を吐き出してますが、ほぼ全量がリリーフ弁からそして、もっとも低圧になった辺りでは、水流音は聞こえなくなるはずです。スラスターから発生する水流音が低くなっていくのが体感できるはずです。低圧側にゆっくり回していって下さい。普段の状態でスラスターを働かせながら、リリーフの調圧ネジをこのことは実際に船で試すことが出来ます。

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クレーンのように圧力変動が大きい、使用圧力が高い、常時最大圧力がかかる機器の 前には絶対スラスターを入れないで下さい。 条件によっては、スラスター本体ボディーのボルト部が破損します。

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電磁弁は、防水型ではありません。この電磁弁は、リングメイン回路ではお使いいただけません。注意

シンボル

ba

BA

TP

  中立から切替までの間がオールポートオープン 中立時、オールポートオープン以下の条件で選定して下さい。上記以外の電磁弁をご使用になる時は、

切替弁

ポート口径は何れの電磁弁でもドレンがRc3/8、それ以外はRC3/4です。

油タンク

T P

油タンク

Dr A B

AB

単独でタンクへ戻して下さい。

ドレンポート Rc3/8

Aポート(Rc3/4)Bポート(Rc3/4)

BA

ドレンP T

別置き型

本機直結型

専用に2種類のタイプの電磁弁をご用意いたしております。 スペースに余裕があれば直結型のほうが、高圧ホース2本節約出来ますし、 その分リスクも少なくて済みます。 使用する電磁弁、リリーフ弁は同じものでサブプレートの形状だけが異なります。 工場出荷時に実際に圧力をかけて油漏れのチェックと圧力セットを行ってます。

❶電磁弁で制御する場合。

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力推↑

プロペラ回転数≒モーターへの流量

100%

90%

80%

70%

60%

50%

40%

30%

20%

10%

050%50% 70% 100%

 下グラフのようになります。 プロペラの一般的な特性として、プロペラ回転数と発生する推力の関係は、電磁比例弁により流量制御で推力を変化させようとする時、以下の点にご注意願います。

❸ 電磁比例弁で制御する場合。

             MRVSX-04C-60ERS-4310(電動)YSS25D/160 大電株式会社製 MRVPC-04E-FTF (手動)              MSVSS-06C-60ERS-3310(電動)YSS30D/260  大電株式会社製 MRVPC-20E-FTF  (手動)

お勧めします。以下のモデルを選定しています。他メーカー製の場合も同様スペックのモデルを選定されることを通常弊社で御要望によりスラスターとセットでご用意する場合は、

必ず流量と共に必要な有効圧力が確保できるよう切替弁を選定して下さい。

❷ 舶用弁で制御する場合。

切替弁

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流量が半分になると 推力は1/4になります。

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SUS-M8  バネザガネSUS-M8*1.25*40 六角ボルト

YSS25D

SUS-M8*1.25 ナット2個328-122-400 立て込みボルト

YSS30D

保護亜鉛(部品番号328-121-400)は共通です。YSS30Dと25Dで取付方法が異なります。❷ 保護亜鉛の交換

ボックスレンチ(対辺27mm)

325-133-400 キー

325-131-401 ザガネ

328-212-400R ナット328-212-400S ナイロンナット

  この取り外し工具は、当社YSS25,30,35全機種4翼プロペラに   共通でご使用いただけます。

専用取り外し工具(部品番号898-514-301)をご使用下さい。

❶プロペラの取り外し

保守、整備

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保守、整備

注意

詳細は、モーターカートリッジ付属の説明書を参照願います。モーターカートリッジも専用工具を用いて❸同様比較的簡単に交換が出来ます。

❹ モーターカートリッジの交換

⒜ シールカバーとプロペラ軸を一緒に抜き出して下さい。

⒝ キーを外し、プロペラ軸からシールカバーを抜き出して下さい。

  シールカバーAssy       328-192-400 (YSS25D/30D共通です)  オイルシール/Oリングキット 328-191-400 (YSS25D/30D共通です)こちらでの交換をお勧めします。弊社で専用工具を用いてオイルシールを組み込んだシールカバーAssyをご用意いたしておりますので組み込みミスによるオイル漏れで再上架、というトラブルを未然に避ける為、交換用としてオイルシール/Oリングのキットもありますが、

ビニールテープ等でキー溝を覆って下さい。オイルシールを傷めないように必ずカバーを復旧する時、

シールカバー

  (対辺6mm六角レンチ)プロペラ軸、シールカバーが抜きだせます。M8*1.25*25 六角穴付きボルト4本を外すと、

プロペラを外す

❸オイルシール/プロペラ軸の交換

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(M10*1.5*30六角穴付きボルトを2本ご用意下さい。)

ネジが(二ケ所)切ってあります。ボルトを抜いたシールカバーの穴にM10*1.5のジャッキ用として、

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