インテル® Enpirion® 電源ソリューション

インテル® Arria® 10 電源ソリューションリファレンス・デザイン - 30Wコア

リファレンス・デザインの概要

©2017 Intel Corporation.無断での引用、転載を禁じます。Intel、インテル、Intel ロゴ、Altera、Arria ロゴ、EnpirionおよびEnpirion ロゴは、アメリカ合衆国およ

び/またはその他の国におけるIntel Corporationの商標です。*第三者の社名、製品名などは、一般に各所有者の表示、商標または登録商標です。インテルはFPGA

製品および半導体製品の性能がインテルの標準保証に準拠することを保証しますが、インテル製品およびサービスを予告なく変更される場合があります。インテ

ルが書面にて明示的に同意する場合を除き、インテルは記載されたアプリケーション、または、いかなる情報、製品、またはサービスの使用によって生じる一切

の責任を負いません。インテル製品の顧客は、製品またはサービスを購入する前、および、公開済みの情報を信頼する前には、デバイスの仕様を最新の バージョンにしておくことをお勧めします。

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目次

1. 説明 ............................................................................................................................................................................................. 4

1.1 デザイン性能の注目すべき点 ......................................................................................................................................................... 5

1.2 関連情報 .................................................................................................................................................................................................. 6

2. システムの概要 ...................................................................................................................................................................... 7

2.1 デザイン・コンポーネント・ブロック ....................................................................................................................................... 7

2.2 電源ソリューションのブロック図 ................................................................................................................................................ 9

2.3 注目製品情報 ...................................................................................................................................................................................... 10

3. デザインの検証とテスト結果 ......................................................................................................................................... 12

3.1 テスト方法 .......................................................................................................................................................................................... 12

3.2 パフォーマンス・サマリー .......................................................................................................................................................... 13

3.2.1 Arria® 10 デバイスのスタティック動作時の電源要求を満たす ........................................................................ 13

3.2.2 Arria® 10 デバイスのダイナミック動作時の電源要求を満たす ........................................................................ 15

3.2.3 熱特性 ...................................................................................................................................................................................... 18

4. 改訂履歴 .................................................................................................................................................................................. 19

図の一覧

図 1: ハードウェア内に実装されたリファレンス・デザイン ..................................................................................... 4

図 2: リファレンス・デザイン全体のパワーツリー ........................................................................................................ 9

図 3: リファレンス・デザインのパワーツリー - Arria® 10 の電源供給のみ表記 .............................................. 10

図 4: 低電力レギュレーター検証ツール (LPVRTT) ........................................................................................................ 13

図 5: VCC電源リップル波形 ...................................................................................................................................................... 14

図 6: EM2130L01QIスタティック精度とArria® 10 の電源要求との比較 .............................................................. 15

図 7: Arria® 10 デバイスの負荷変動時の許容電圧偏差 ................................................................................................ 16

図 8: 15A (50%) 負荷変動時のVCC過渡応答およびリップル ...................................................................................... 17

図 9: 全負荷 (30A) で20分間動作させたEM2130L01QIの赤外線画像 ................................................................... 18

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表の一覧

表 1: 関連情報 ................................................................................................................................................................................. 6

表 2: 主なインテル® Enpirion® 電源ソリューション ..................................................................................................... 11

表 3: Arria® 10 デバイスの推奨動作条件、VCC電源供給 .............................................................................................. 13

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1. 説明このリファレンス・デザインでは、補完的ペリフェラルを持つ30WコアのArria® 10 FPGAおよ

びSoC FPGAデザインに向けた回路構成を説明します。このリファレンス・デザインは、

インテル® のArria® 10 SoC開発キットで使用される電源ソリューション・デザインを更新した

バリアントです。このソリューションは、最適な消費電力とボード全体の高電力密度を実現す

る目的でインテル® Enpirion® 電源ソリューションを使用し、システムとして検証された

インテル® Arria® 10電源ソリューションの提供を目的としています。

このリファレンス・デザインは、完全な電源ツリーを提供します。インテル®は、図 1で見られ

るように、システム電源も含めたかたちで、テストと検証を実行する目的でハードウェアを準

備しています。このテストおよびそのテスト結果は、本資料のデザイン検証とテスト結果で確

認することができます。

図 1: ハードウェア内に実装されたリファレンス・デザイン

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1.1 デザイン性能の注目すべき点

VCC精度±8.7 mVを達成 (定常状態)。これはArria® 10の仕様 (±30 mV) を十分に満たしてい

ます。

VCC偏差<±2%を達成 (負荷応答時)。これはArria® 10の仕様 (±5%) を十分に満たしていま

す。

† テストでは、特定のシステムでの個々のテストにおけるコンポーネントの性能を文書化しています。ハードウェア、ソフトウェア、システム構成などの違いによ

り、実際の性能は掲載された性能テストや評価とは異なる場合があります。購入を検討される場合は、ほかの情報も参考にして、パフォーマンスを総合的に評価す

ることをお勧めします。性能やベンチマーク結果について、さらに詳しい情報をお知りになりたい場合は、www.intel.com/benchmarks (英語) を参照してくだい。

この資料のデザイン検証とテスト結果のセクションに、性能比較の方法と詳細な結果を記載しています。

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1.2 関連情報

表 1: 関連情報

リソース 説明

リファレンス・デザインの概要 このリファレンス・デザインのウェブページでは以下の内容を

確認できます:

リファレンス・デザイン回路図

リファレンス・デザインの概要

インテル® Enpirion®

電源ソリューション

Arria® 10 FPGAおよびSoCの電源供給に使用が推奨される、

Enpirion® 電源ソリューション製品についての追加情報です

インテル® Arria® 10 FPGA

サポートページ

Arria® 10 FPGAの電源設計を含むデザインリソース:

Arria® 10 デバイス・データシート

Arria® 10 ピン接続ガイド

Arria® 10 ハンドブック Arria® 10 デバイスのパワー・

マネージメント

パワー・シーケンスについてのガイドライン

インテル® Arria® 10 SoC

サポートページArria® 10 SoC の電源設計を含むデザインリソース:

Arria® 10 デバイス・データシート

Arria® 10 ピン接続ガイド

Arria® 10 ハンドブック Arria® 10 デバイスのパワー・

マネージメント

パワー・シーケンスについてのガイドライン

Early Power Estimator 設計者による独自のFPGAおよびSoCデザインの消費電力

の見積もりを可能にするツールです

インテル® Arria® 10Power DistributionNetwork Tool

独自のFPGAあるいはSoCデザインにおいて、最適なコスト

とパフォーマンスのトレードオフを実現するために使用す

るデカップリング・コンデンサーの個数を設計者が素早く

かつ正確に判断できるようにするツールです

2. システムの概要2.1 デザイン・コンポーネント・ブロック

このリファレンス・デザインは、インテル® の Arria® 10 SoC 開発キットで使用される電

源ソリューション・デザインをアップグレードしたバリアントです。これには、インテル®

の Arria® 10 SoC パワーレールだけではなく、さまざまなペリフェラル用のパワーレールも含

まれます。デザインは、インテル® Enpirion® 電源ソリューションの製品ラインの高度に統合さ

れた PowerSoC デバイスを使用します。完全な電源ソリューションは、以下を含む様々なコ

ンポーネント・ブロックへのサポートが可能となるように設計されています。

Arria® 10 FPGA あるいは SoC

インテル® Enpirion® 電源ソリューションの電源製品 (電源ソリューション・ブロック図の

セクションを参照) FPGAコンフィギュレーション回路

o アクティブシリアル (AS) ×1、または×4コンフィギュレーション (EPCQ256SI16N)

o システム・コントローラーとしての256ピンFBGAパッケージのMAX® V CPLD(5M2210ZF256)

o I/OマルチプライヤーCPLDとしての256ピンFBGAパッケージのMAX® V CPLD(5M2210ZF256)

クロック生成回路

o プログラマブル・オシレーター

o クロッククリーナー

o PCIeインターフェイス用100 MHzクロック・ジェネレーター

o SDIインターフェイス用148.5 MHz電圧制御オシレーター

メモリー・インターフェイス

o HPSメモリーサイズ (HILOカード):

2GB DDR3 (256Mb x 40 x デュアルランク)

1GB DDR3 (256Mb x 40 x シングルランク)

1GB DDR4 (256Mb x 40 x シングルランク)

o FPGAメモリーサイズ (HILOカード):

4GB DDR3 (256Mb x 72 x デュアルランク)

2GB DDR3 (256Mb x 72 x シングルランク)

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2GB DDR4 (256Mb x 72 x シングルランク) 16MB QDRV (4Mb x 36) 128MB RLDRAM3 (16Mb x 72)

o HPSブートフラッシュ (フラッシュカード):

NANDフラッシュ (x8): 128MB

QSPIフラッシュ: 128MB

microSDフラッシュカード: 4GB

o オプションのFPGAファイルフラッシュ (フラッシュカード)

NANDフラッシュ (x8): 128MB

QSPIフラッシュ: 128MB

microSDフラッシュカード: 4GB

通信ポート

o HPS通信ポート:

USB 2.0ポート

RGMII 10/100/1000イーサネット・ポート

USB-UARTポート

DB-9 RS-232ポート

I2Cポート (共有I/Oビット12および13のI2C1)

o FPGAのI/O接続:

FPGA V57.1高ピン数FMCスロット

FPGAインテル® 少ピン数FMCスロット

FMC_PCIe Gen2 x8 EPケーブル

FPGA PCIe GEN1/2/3 x8 RCスロット

o FPGA通信ポート:

SGMIIギガビット・イーサネット・ポート 2個

10Gb/s SFP+ポート 2個

ディスプレイ・ポート (DP)

SDI/SDOビデオポート

SPIポート

UARTポート

o FPGAデバッグポート:

16ビット・トレースポート (FPGAトレース)

LEDとディスプレイを含む一般ユーザーI/O

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2.2 電源ソリューションのブロック図 図 2は、このリファレンス・デザイン全体のパワーツリーを表しています。このツリーに

は、さまざまなペリフェラルに必要となるパワーレールだけでなくインテル® Arria® 10 FPGAあ

るいはSoCに対しても必要となるパワーレールも表示されています。図 3は、Arria® 10 の

パワーレールのみを表している簡略化されたパワーツリーです。このデザインのテストと検

証は、重要となるArria® 10 VCC コア電圧レールに焦点を当てています。Arria® 10 VCC コア電

圧レールは、インテル® Enpirion® 電源ソリューション・ファミリー製品であるEM2130L01QI

30A デジタルPowerSoCによって電源供給されます。

図 2: リファレンス・デザイン全体のパワーツリー

注意: *可変電圧: 1.2V、1.25V、1.3V、1.35V、1.5V、あるいは1.8V

注意: **可変電圧: 1.2V、1.35V、1.5V、あるいは1.8V

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図 3: リファレンス・デザインのパワーツリー - Arria® 10の電源供給のみ表記

このリファレンス・デザインは、以下の資料に記載されているインテル® Arria® 10 のパワー

レールの推奨事項に従っています。

Arria® 10 ピンコネクション・ガイドライン (英語): 電源入力ピンを含む各ピンの概要と

それらのピンのハードウェアでの接続方法、およびパワーレールの共有についてのガ

イダンスと推奨事項を提供します。

アプリケーション・ノート 692 (英語): パワーアップ時とパワーダウン時のArria® 10パワーレールのーケンスについて記述しています。

2.3 注目製品情報

インテル® Arria® 10 FPGAおよびSoC

インテル® Arria® 10 FPGAおよびSoCは、20nmで最高の性能を発揮します。Arria® 10 FPGA

およびSoCは、消費電力削減機能、25.78 Gbpsトランシーバー、ハード浮動小数点、1.5 GHzの

デュアルコアCPUが統合されたバリアントをはじめとする様々な機能を搭載しています。

インテル® Arria 10® FPGAとSoCの詳細な情報をお知りになりたい方は、

https://www.altera.co.jp/products/fpga/arria-series/arria-10/overview.htmlおよび

https://www.altera.co.jp/products/soc/overview.htmlへアクセスしてください。

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インテル® Enpirion® 電源ソリューション

インテル® Enpirion® 電源ソリューションは、FPGAおよびSoCそして補完的ペリフェラルに対し

て高効率のパワー・マネージメントを提供します。これらの堅牢で使いやすい製品は、いずれ

も小さなフットプリントでお客様の最も厳しい消費電力要求を満たします。

インテル® Enpirion® のPowerSoC製品は、高周波シリコンデザイン、デジタル・コミュニケー

ションおよびコントロール、インダクター、パッケージングなどの高度なテクノロジーを組み

合わせた製品です。PowerSoCは、ディスクリート電源製品とは異なり、十分なシミュレー

ション、特性評価、そして量産認定が行われた完全なパワーシステムを提供します。

インテル® FPGAとEnpirion® 電源製品を組み合わせることで、以下の特徴を備えた最適なシステ

ム・ソリューションが提供されます。

低消費電力と低発熱量によるシステム効率の向上

高集積化による電力密度の最大化と、迅速で低リスクなデザインサイクル 少ない部品点数と高い信頼性

さらに、インテル® Enpirion® 製品は完全に検証されているため、「Time-to-Market」が短縮さ

れるとともにボード改版が最小限に抑えられます。

表 2に、デザインで使用されるEnpirion® デバイスを示しています。

表 2: 主なインテル® Enpirion® 電源ソリューション

デバイス 出力電流 EM2130x01QI 30A

EN63A0QI 12A

EN6360QI 8A

EN6337QI 3A

ER2120QI 2A

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3. デザインの検証とテスト結果3.1 テスト方法

このセクションに含まれる電源性能テストの実行には、インテルのLow Power Voltage

Regulator Test Tool (LPVRTT)を使用しています。このツールを使用することで、広範かつ迅速

なシステム電源テストが可能となります。LPVRTTをArria® 10 FPGAあるいはSoCのフットプリ

ントに、Arria® 10 FPGAを想定した負荷として接続し、周波数領域全体におよぶ広範囲の負荷

条件における過渡応答といったさまざまな電源パラメーターを測定します。図 4に、LPVRTTを

示します。

この電源性能テストは、Arria® 10 SoC VCCパワーレールに焦点を当てています。このデザイン

では、Arria® 10 VCCパワーレールの電源供給にインテル® のEM2130L01QIの使用を推奨してお

り、最大30AのVCC負荷をサポートするよう設計されています。EM2130は、高性能FFPGAシス

テムの構築に必要な設計工数を簡素化する目的で設計されたデジタル30A PowerSoCです。

EM2130は、高効率で電力密度の高いフットプリント、デジタル制御アーキテクチャー、およ

びPMBusTM に準拠したデジタル制御インターフェイスを装備しています。EM2130は、

EM2120x01QI 20AデジタルPowerSoCおよびEM2140P01QI 40AデジタルPowerSoCとピン互

換であるため、このリファレンス・デザインは広範囲のArria® 10デザインに広く対応すること

が可能です。VCC パワーレールの電源供給には、EM2130L01QIの使用が最適です。この

EM2130L01QIは、非常に低い出力リップルを持つ0.5%のセットポイント精度およびバルク・

キャパシタンスを低減できる高速過渡応答性能を備えており、ユーザーはVCCスタティック動作

時およびダイナミック動作時の電源要求を容易に満たすことができます。

このデザインは、以下の試験装置を用いて検証されています:

30WコアArria® 10リファレンス・デザイン・デモボード (図 1)

インテル® 低電力レギュレーター検証ツール (LPVRTT)およびグラフィカル・ユーザー・

インターフェイス Tektronix* MSO 5204Bオシロスコープ FLIR ONE* 赤外線カメラ

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図 4: 低電力レギュレーター検証ツール (LPVRTT)

3.2 パフォーマンス・サマリー

3.2.1 Arria® 10デバイスのスタティック動作時の電源要求を満たす

Arria® 10 デバイスのスタティック状態のコア電圧電力供給 (VCC) 要件は表 3に記載されています。

この表は、Arria® 10 デバイス・データシートを参照しています。この表の標準値と最大値は、

DC (スタティック状態) 電源変動許容値のみを表し、ダイナミック許容値の要求は含まれていませ

ん。

表 3: Arria® 10デバイスの推奨動作条件、VCC電源供給

シンボ 説明 条件 最小 標準 最大 単位

VCC コア電源電圧 標準および

低消費電力0.87 0.9 0.93 V

1. この表は、0.9Vで動作させる -1、-2、および-3グレードのデバイスの仕様のみを示しています。

最新の情報および全ての推奨動作条件を確認するには、Arria® 10 デバイス・データシート を

参照してください。

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つまり、VCCコアのパワーレールへの電源供給は、VCC電圧精度を±30 mVで維持しなければなら

ないことを意味します。±30 mV電源供給の全体的なスタティック精度は、出力電圧精度と出力

電圧リップルの合計です。

Arria® 10デバイスの要求と比較した場合のこのデザインのスタティック性能を決定するために、

デバイスの生産テストで保証されているデバイス精度とデザイン・ハードウェア上で測定される

デバイス出力リップルを合計しました。

EM2130L01QI データシートに記載されているように、EM2130は0˚C < Tambient < 85˚Cで

±0.5%のセットポイント精度を達成します。

EM2130L01QIのリップルは、Tektronix* MSO 5204Bオシロスコープを用いて測定されていま

す。測定は、1MΩ終端とACカップリングを使用してArria® 10 VCC入力ピンの位置で250 MHzの帯

域幅で実行しました。

図 5で確認できるように、このデザインにおいてEM2130L01QIは、30Aの全負荷で8.4 mVP-P

リップルを達成しています。

図 5: VCC電源リップル波形

このデザインでは、Arria® 10 VCCレールを電源供給しているEM2130L01QIは、ひとつの12Vの

入力電圧から0.9Vに制御するよう設定されています。0.5%のセットポイント精度と8.4 mVP-P

リップル (±4.2 mV) の場合、実際のVCCレールの電圧は0.9V ± 8.7 mVの範囲となりますが、精

度は±4.5 mVでリップルは±4.2 mVとなります。

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したがって、このデザインはVCCレールを±30 mV以内で制御する必要があるArria® 10の定常状

態の電源要求を十分に満たしており、VCCの定常状態の仕様がArria® 10 FPGAおよびSoCのシー

ムレスな動作に適合し且つ、20 mVを超える設計マージンを提供しています。

図 6は、EM2130L01QIの定常状態の精度とArria® 10の電源供給を比較した概念図です。図 6a は

Arria® 10 VCCレールの全てのスタティック状態の精度要求を表しています。電源供給は、スタ

ティック状態のVCCを0.9V ± 30 mVの範囲で制御する必要があります。図 6b は、

EM2130L01QIがVCC = 0.9V with ±8.7 mVで制御することを表しています。

この数値には、デバイス精度と出力リップルによるスタティック状態のばらつきが含まれます。

(a) (b)

図 6: EM2130L01QIスタティック精度とArria® 10の電源要求との比較

3.2.2 Arria® 10のダイナミック動作時の電源要求を満たす

Arria® 10 のダイナミック・コア電圧電源供給 (VCC) 要件は、図 7に示すように、 Arria® 10 Power

Distribution Network (PDN) Tool 内にある「Information」タブの、表「Recommended settings for Arria® 10

device power rails」に記載されています。この表は、ダイナミックな電流の変化、つまり負荷変

動中の「ノイズ耐性」と呼ばれる電圧偏差の最大許容値を表しています。たとえば、0.9Vの

VCCコア電圧レールの場合、負荷ステップが50%であれば最大45 mVのオーバーシュートおよ

びアンダーシュートが許容可能です。

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図 7: Arria® 10の負荷変動時の許容電圧偏差

このデザインでは、VCCの電源供給にEM2130L01QIの使用を推奨しており、最大30AのVCC負

荷をサポートするよう設計されています。15A (50%) 負荷変動時におけるEM2130L01QIの負荷

応答特性の測定には、LPVRTTを使用しています。図 8は、LPVRTTグラフィカル・ユーザー・

インターフェイスで表示されるテスト条件およびその結果を表しています。EM2130L01QIは、

約±17.5 mVあるいは±1.94%に相当する、35 mVP-Pの偏差を達成しており、許容最大偏差であ

る±5%を十分に満たしています。

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図 8: 15A (50%) 負荷変動時のVCC過渡応答およびリップル

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3.2.3 熱特性

Arria® 10 VCCレールに電源供給しているEM2130L01QIの撮影には、FLIR ONE* 赤外線カメラを

使用しています。エアーフローを最小にした状態で、全負荷 (30A) で20分間動作させた結果、

ボードの温度は約44°C、そしてデバイスの統合されたPMBusインターフェイスとテレメトリー

機能を使用したEM2130L01QIの内部温度は50°Cとなることが測定されました。図 9は、その

赤外線画像です。

図 9: 全負荷(30A) で20分間動作させたEM2130L01QIの赤外線画像

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4. 改訂履歴

バージョン 内容 リリース

001 初版 2017年3月

©2017 Intel Corporation.無断での引用、転載を禁じます。Intel、インテル、Intel ロゴ、Altera、Arria ロゴ、EnpirionおよびEnpirion ロゴは、アメリカ合衆国およ

び/またはその他の国におけるIntel- Corporationの商標です。*第三者の社名、製品名などは、一般に各所有者の表示、商標または登録商標です。インテルはFPGA

製品および半導体製品の性能がインテルの標準保証に準拠することを保証しますが、インテル製品およびサービスを予告なく変更される場合があります。インテ

ルが書面にて明示的に同意する場合を除き、インテルは記載されたアプリケーション、または、いかなる情報、製品、またはサービスの使用によって生じる一切

の責任を負いません。インテル製品の顧客は、製品またはサービスを購入する前、および、公開済みの情報を信頼する前には、デバイスの仕様を最新のバージョンにしておくことをお勧めします。