システム名称...

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団体名 国立大学法人 福井大学 医学部 救急医学 住所 〒910-1193 福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3 システム概要 急性心筋梗塞発症患者の救命率の向上に資するため、タ ブレット/スマートフォンを用いた12誘導心電図とGPS救急 画像をクラウド上で共有するシステムを開発 全国の60%を占める人口規模が10万人以下の消防本部 で導入可能なクラウド型救急医療連携システムを実現 VPC(仮想プライベート・クラウド)内に医療圏ごとのVPN (仮想プライベート・ネットワーク)を構築 大規模災害時など、2次医療圏を超える広域搬送事案に 対し、ネットワークを柔軟に組替える “VPCトランスフォーム” で可撓性のある運用が可能 担当者 医学部 技術専門職員 笠松 眞吾 連絡先 電話:0776-61-3111 (内線) 2610 電子メール Email: bh sk @ u- fukui. ac. jp (スペースを外してください) 利用ユーザー像 ユーザー数 福井県急性心筋梗塞指定病院・ 救命救急センター 5病院 福井県内消防本部・救急隊・防災ヘリ 6本部・13隊 24施設 導入済み消防本部 管内人口 福井県 嶺北消防組合消防本部 122,000人 福井県 勝山市消防本部 24,000人 福井県 大野市消防本部 35,000人 福井県 南越消防組合消防本部 97,000人 福井県 若狭消防組合消防本部 57,000人 335,000人 提供価値 患者:これまで9名の急性心筋梗塞患者の心電図を病院に伝送し遠隔で判定、緊急心臓カテーテル治療により救命に大きな役割を果たした 病院: 緊急PCI可能な病院に直接搬送することで、搬送時間が短縮、同時に病院到着から40分以内に治療ができた。 地域医療: 本システムが稼働を開始することによって、へき地の住民が大都市部の急性心筋梗塞患者と遜色のないサービスを受けることができ、最後のセーフティー ネットとして機能する事が明らかになった。 利用者の評価 今後の課題 患者:心電図を伝送してくれたので九死に一生を得た。お陰様で後遺症も 無く退院出来ました。心電図と的確な救急隊の判断があって、運が良かった。 医師:自宅に居る時も救急からの心電図がスマホで見れるので、直ぐ病院 に駆けつけ心カテの準備が早まり患者を救えた。 救急隊員:ST上昇型急性心筋梗塞を疑い、心電図を送った患者が元 気で退院したと聞くと隊員のスキルとモチベーションが大きく高まった。 へき地における救急医療連携の重要性から、消防側の費用負担が難しい場合は、 都道府県単位の財政支援と医療機関側の援助が不可欠である 域内の緊急PCI施設までの搬送時間が1時間を超える地域では、県境を超えた 救急連携に常時対応することで急性心筋梗塞患者の救命率向上を目指す 本システムは、着実に効果を上げていることから、競争的研究資金依存体制から 脱却し、事業型NPOを立ち上げ研究成果を社会に還元して行く予定である クラウド型救急医療連携システム システム名称 本研究は、平成27.28年度消防庁消防科学技術研究推進制度、福井県12誘導心電図伝送実証事業(代表研究者 木村哲也)、平成2326年度総務省戦略的情報通信研究開発制度の成果である 1 平成29年1月より協同運用機関の参加を全国から募集しています。 救急隊、救急病院向け機器(12誘導心電計、受信端末)の無償協力が可能です。

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Page 1: システム名称 クラウド型救急医療連携システムブレット/スマートフォンを用いた12誘導心電図とGPS救急 画像をクラウド上で共有するシステムを開発

団体名 国立大学法人 福井大学 医学部 救急医学

住所 〒910-1193 福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3

システム概要

急性心筋梗塞発症患者の救命率の向上に資するため、タブレット/スマートフォンを用いた12誘導心電図とGPS救急画像をクラウド上で共有するシステムを開発

全国の60%を占める人口規模が10万人以下の消防本部で導入可能なクラウド型救急医療連携システムを実現

VPC(仮想プライベート・クラウド)内に医療圏ごとのVPN(仮想プライベート・ネットワーク)を構築

大規模災害時など、2次医療圏を超える広域搬送事案に対し、ネットワークを柔軟に組替える “VPCトランスフォーム”で可撓性のある運用が可能

担当者 医学部 技術専門職員 笠松 眞吾

連絡先 電話:0776-61-3111 (内線) 2610

電子メール Email: bh sk @ u- fukui. ac. jp (スペースを外してください)

利用ユーザー像 ユーザー数

福井県急性心筋梗塞指定病院・救命救急センター

5病院

福井県内消防本部・救急隊・防災ヘリ 6本部・13隊

計 24施設

導入済み消防本部 管内人口

福井県 嶺北消防組合消防本部 122,000人

福井県 勝山市消防本部 24,000人

福井県 大野市消防本部 35,000人

福井県 南越消防組合消防本部 97,000人

福井県 若狭消防組合消防本部 57,000人

計 335,000人

提供価値

患者:これまで9名の急性心筋梗塞患者の心電図を病院に伝送し遠隔で判定、緊急心臓カテーテル治療により救命に大きな役割を果たした 病院: 緊急PCI可能な病院に直接搬送することで、搬送時間が短縮、同時に病院到着から40分以内に治療ができた。 地域医療: 本システムが稼働を開始することによって、へき地の住民が大都市部の急性心筋梗塞患者と遜色のないサービスを受けることができ、最後のセーフティーネットとして機能する事が明らかになった。

利用者の評価 今後の課題

患者:心電図を伝送してくれたので九死に一生を得た。お陰様で後遺症も無く退院出来ました。心電図と的確な救急隊の判断があって、運が良かった。

医師:自宅に居る時も救急からの心電図がスマホで見れるので、直ぐ病院に駆けつけ心カテの準備が早まり患者を救えた。

救急隊員:ST上昇型急性心筋梗塞を疑い、心電図を送った患者が元気で退院したと聞くと隊員のスキルとモチベーションが大きく高まった。

へき地における救急医療連携の重要性から、消防側の費用負担が難しい場合は、都道府県単位の財政支援と医療機関側の援助が不可欠である

域内の緊急PCI施設までの搬送時間が1時間を超える地域では、県境を超えた救急連携に常時対応することで急性心筋梗塞患者の救命率向上を目指す

本システムは、着実に効果を上げていることから、競争的研究資金依存体制から脱却し、事業型NPOを立ち上げ研究成果を社会に還元して行く予定である

クラウド型救急医療連携システムシステム名称

本研究は、平成27.28年度消防庁消防科学技術研究推進制度、福井県12誘導心電図伝送実証事業(代表研究者 木村哲也)、平成23~26年度総務省戦略的情報通信研究開発制度の成果である

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平成29年1月より協同運用機関の参加を全国から募集しています。 救急隊、救急病院向け機器(12誘導心電計、受信端末)の無償協力が可能です。

Page 2: システム名称 クラウド型救急医療連携システムブレット/スマートフォンを用いた12誘導心電図とGPS救急 画像をクラウド上で共有するシステムを開発

暗号化されたセキュアーな

仮想ネットワーク

発災時VPCの可撓性を

活かし支援地域のセグメントと被災地をクラウド上で結合

ICTで支援

広域災害VPCトランス

フォームで他のクラウドと連携

クラウド型救急医療連携システム

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既存の生体モニターから12誘導心電図送信

PCI施設に直接搬送

緊急PCI治療開始

救急隊から送信

語句説明 STEMI: ST上昇型急性心筋梗塞 MC指示: 医師の指示に基づいて行われる救急救命処置 VPC: バーチャル(仮想)プライベートクラウドPCI治療: 心臓カテーテル治療 IoT端末: 機器をインターネットに接続するための装置 VPN: バーチャル(仮想)プライベートネットワーク

在宅の高齢者

胸痛STEMI

タッチパネル付きIoT端末

仮想プライベートクラウド(VPC)仮想サーバー群

インターネット

スマートフォンによる救急画像送信

福井県内中核5病院で稼働中

救急車到着前に手術スタッフ準備

患者到着前にバイタルサインと12誘導心電図でSTEMIの診断が可能

救急隊本部とのGPS救急画像伝送共有

大規模災害時:二次医療圏ユニット同士が相互に連携する広域連携ネットワークを構築

双方向 受信確認的確な

MC指示と記録

MC下で処置

LTE/3G タブレット携帯型端末心電図と救急画像を搬送要請先から送信

タブレット端末

携帯用バッグ

携帯型心電計

SSL-VPN

SSL-VPN

生存退院率と退院後QOLの向上

SSL-VPNVPC

Bluetooth

LTE/3G モバイルルータ

光インターネット

LTE モバイルルータ

双方向

双方向

梗塞から心筋の壊死1秒でも早いPCIが必要

被災地救急隊

本研究は、平成27.28年度消防庁消防科学技術研究推進制度、福井県12誘導心電図伝送実証事業(代表研究者 木村哲也)平成23~26年度総務省戦略的情報通信研究開発制度の成果である

国立大学法人 福井大学 医学部救急医学

システム名称

Page 3: システム名称 クラウド型救急医療連携システムブレット/スマートフォンを用いた12誘導心電図とGPS救急 画像をクラウド上で共有するシステムを開発

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HTML5、Dockerなど最

新Web技術を駆使した

Webアプリケーションでロー

カル環境と遜色のない操作

性とセキュリティーを実現

病棟用セントラルモニター、

人工呼吸器などの遠隔モニ

タリングで培った技術を活

用し、救急車用心電計と生

体モニターをIoT化

携帯型12誘導心電計とタ

ブレットは、Bluetoothで

接続、NFC付き血圧計など

からバイタルサインの取り込

みが可能

ネットワークサーバー群や

VPNルータなどの機器を

すべてVPC(仮想プライ

ベート・ネットワーク)に収容

マルチ(キャリア、デバイス、

ベンダー)環境対応、特定

の通信回線、心電計、アプ

リに依存せず移植性に優る

タッチモニタ付きIoT端末

LTEモバイルルータ

スマートフォンにPUSH型メールで詳細な情報を配信 GPS救急画像で救急現場の状況が一目瞭然

防災ヘリとGPS座標系を統一し迅速な航空支援

写真の場所と座標を表示

携帯バッグにタブレット、12誘導心電計、電極がすべて収納

軽量コンパクトで山岳遭難事案に対応

救急隊、病院側端末のすべての作業を、ボタン3回以内の操作に簡略化、マニュアルレスで覚えなくても使えるシステム

消防防災科学技術研究推進制度および総務省SCOPEを活用し開発 平成28年7月より福井県内全域で福井県の補助を受け運用中

本研究は、平成27.28年度消防庁消防科学技術研究推進制度、福井県12誘導心電図伝送実証事業(代表研究者 木村哲也)、平成23~26年度総務省戦略的情報通信研究開発推進制度の成果である

クラウド型救急医療連携システムシステム名称

瞬時に 12誘導心電図とGPS救急画像を 救急隊 ⇔ 病院で共有

国立大学法人 福井大学 医学部救急医学