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心電図を用いた呼吸検出方法 - JST...2 O) 赤線:抽出した筋電図の差分信号...
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心電図を用いた呼吸検出方法
会津大学 コンピュータ理工学部
コンピュータ理工学科 上級准教授 朱 欣
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背景(1)睡眠時無呼吸症候群について
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SASは近年注目されてきた疾患であり、世界的な有病率は30-60歳の男性の4%、女性の2%と報告されており、ほぼ喘息と同程度の頻度と考えられています。
循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン2010より
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(2)睡眠時無呼吸症候群と心疾患の関連性
2010年には日本循環器学会において、『循環器領域における
睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン』も発表されました。ガイドラインでは、心不全におけるSAS合併率は76%に
及び、すべての心不全患者さんにおける睡眠呼吸障害のスクリーニングを推奨しています。
循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン2010より
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終夜睡眠ポリグラフ検査 (精密検査)
夜間19時-21時頃より、検査装置を装着します(脳波,心電図,鼻流計,顎筋電図等)。終夜睡眠ポリグラフ検査装置のセットに約30分程度を要します。
当日夜間は普通に就寝して頂き、寝返りやポータブルトイレの利用も可能ですが、検査のケーブルの範囲の行動制限があります。
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簡易呼吸監視装置
• 簡易型検査装置によるスクリーニング検査を行います。多くは鼻口気流、気管音、SpO2を記録するものですが、呼吸運動や体動、心電図など測定できる項目が多い装置もあります。
循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン2010より
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従来技術とその問題点
長時間呼吸計測については、既に実用化されているものには、終夜睡眠ポリグラフ検査、簡易呼吸監視装置等があるが、
終夜睡眠ポリグラフ検査は入院検査が必要、日常生活に於ける呼吸計測は不可能。
従来の簡易睡眠解析装置でも、2-3チャンネルのデータ計測が必要、特に呼吸計測センサ(ベルトセンサ、サーミスタセンサ)は計測精度、計測快適度は欠ける。
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新技術の特徴
• 心電図から心電図信号を完全に除去し、呼吸筋の活動量を示す筋電図を導出する。
• 本技術の適用により、心臓病、呼吸器のモニタリングを同時に行うことができる。
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(1)電極装着位置:主に胸部のCC5誘導を使用
正常安静呼吸では、吸気は主に横隔膜の収縮によって行われ、また外肋間筋も使用される。呼気は筋肉を用いず、伸展された肺の受動的反跳(ふくらんだ肺が自然にもとに戻ろうとする力)によって行われる。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%BC%E5%90%B8
%E7%AD%8B
(2)信号処理方法
心電図A1
PQRST波区分点を検出A2
P波終点、QRS波始点
のデータを用い、ノイズレベルを測定A3
PQRST波のテンプレートを作成A4
心電図からPQRST波を除去A5
PQRST波を除去した残存信号のQRS波始点、終点の間
に、ノイズレベルを超えた信号を検出、median filterで除
去するA6
残存信号は筋電図のみを視て、Hilbert変換又は差
分積分法によって、呼吸波を推定するA7
推定した呼吸波から呼吸数を測定A8
推定した筋電図、心電図の基線動揺からSASを測
定A9
心電図A1
心電図からPQRST波を除去A5
ノイズレベルを超えた信号を検出、median filterで除去するA6
呼吸波を推定するA7
A7の差分、整流
呼吸波の反転
実際に計測した呼吸信号
検証結果:19人に対し、30分の心電図を計測し、呼吸波形を推定した。実の呼吸信号と比べ、感度:93.1% 特異度:94.5%
実の呼吸信号
推定した呼吸波形
呼吸特徴点
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(3)OSASのシミュレーション
呼気障害のシミュレーション呼吸筋訓練器(スレショルド)
PEP(呼気用)で呼気負荷をかける
吸気障害のシミュレーション呼吸筋訓練器(スレショルド)
IMT(吸気用)で吸気負荷をかける
上気道は、吸気時の陰圧により容易に閉塞する
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通常呼吸の際に (呼吸筋訓練器を使用せず)
赤線:抽出した筋電図の差分信号黒い線:推定した呼吸信号
深呼吸の際に(呼吸筋訓練器を使用せず)
呼気
吸気
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中枢型睡眠時無呼吸症候群のシミュレーション:有意に呼吸を止める
呼吸を止め始める
呼吸を止め終る
赤線:抽出した筋電図の差分信号黒い線:推定した呼吸信号
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閉塞型睡眠時無呼吸症候群のシミュレーションI:努力呼吸によって、吸気困難(負荷値は、29 cm H2O)
赤線:抽出した筋電図の差分信号黒い線:推定した呼吸信号
心電図の基線動揺は現れ
負荷吸気の際に、筋電図増加
負荷吸気を始める
青線:CC5心電図生波形緑線:ベルトセンサの呼吸信号
呼気
上気道は吸気時に閉塞すると、肋間筋などは吸気できるように更に活動を増やし、胸腔内圧は更に増える。
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閉塞型睡眠時無呼吸症候群のシミュレーションII:努力呼吸(負荷最小値)によって呼気。 負荷値は、最小値の5 cm H2O
赤線:抽出した筋電図の差分信号黒い線:推定した呼吸信号
吸気を始める
青線:CC5心電図生波形緑線:ベルトセンサの呼吸信号
負荷呼気を始める
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閉塞型睡眠時無呼吸症候群のシミュレーションIII:努力呼吸(負荷中間値)によって呼気少し困難。負荷値は、約15 cm H2O
赤線:抽出した筋電図の差分信号黒い線:推定した呼吸信号
青線:CC5心電図生波形緑線:ベルトセンサの呼吸信号
吸気を始める 負荷呼気を始める
空気は膨らむときに筋電図最大
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閉塞型睡眠時無呼吸症候群のシミュレーションIV:努力呼吸(負荷最大値)によって、呼気困難。負荷値は、最大値の20 cm H2O
赤線:抽出した筋電図の差分信号黒い線:推定した呼吸信号
青線:CC5心電図生波形緑線:ベルトセンサの呼吸信号
吸気を始める 負荷呼気を始める
呼気する際に呼吸補助筋は活発になり、筋電図増加
呼気負荷は持続すると、呼吸補助筋は疲労が現れ、筋電図の振幅は弱くなる。
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従来技術との比較
• 従来技術の問題点であった、長期計測が困難、計測センサーの装着不快などを解決。
• 心電図から心電図信号を完全に除去し、呼吸筋の活動量を示す筋電図を導出する。
• 本技術の適用により、心疾患、呼吸疾患のモニタリングを同時に行うことができる。
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想定される用途
• 長時間の呼吸監視システム。
• 日常生活においてウェアラブル装置を用いた呼吸モニタリング。
• 睡眠時無呼吸症候群のスクリニング、慢性閉塞性肺疾患、喘息などの疾患のモニタリング。
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実用化に向けた課題
• 現在、学生などの若い被験者を用い検証しているが、お年寄りや患者の臨床検証も行うべきである。
• 日常生活の呼吸監視の他に、呼吸負荷の計測、睡眠時無呼吸症候群の診断における有用性を検証すべきである。
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企業への期待
• 本アルゴリズムを心電図を計測できるスマートフォン、ウェアラブル健康装置に実装し、日常の応用を実現して欲しい。
• また、ウェアラブル健康装置を開発中の企業、医療・ヘルスケア分野への展開を考えている企業には、本技術の導入が有効と思われる。
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本技術に関する知的財産権
• 発明の名称 :呼吸検出装置、呼吸検出方法および呼吸検出用プログラム
• 出願番号 :特願2016-126337
• 出願人 :公立大学法人会津大学
• 発明者 :朱 欣、陳 文西
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産学連携の経歴
2013年-2015年 うつくしま次世代医療産業集積プロジェクトに採用され、アサヒ電子(社)共同研究実施
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お問い合わせ先
会津大学
産学官連携コーディネーター 石橋 史朗
TEL 0242-37 -2776
FAX 0242-37 -2778
e-mail ubic-adm@ubic-u-aizu