マ ル レ ク 2015 2016 · マ ル レ ク 2015‐2016 丸山不二夫レクチャーシリーズ...

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マ ル レ ク 2015‐2016 丸山不二夫レクチャーシリーズ 2015‐2016 概要と実績 ( 2015 年 5 月 ~ 2016 年 4 月 ) 2016 年 2 月現在 丸山事務所 http://www.digital-life365.com/

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マ ル レ ク 2015‐2016

丸山不二夫レクチャーシリーズ 2015‐2016 概要と実績

( 2015 年 5 月 ~ 2016 年 4 月 )

2016 年 2月現在

丸山事務所

http://www.digital-life365.com/

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『マルレク 2015-2016』 開催趣旨

2015 年 3 月 丸山 不二夫

21世紀の最初の 15 年で、携帯電話は全世界のほとんど全ての人に普及しようとしてい

ます。現在グローバルな規模で急速に進行している携帯電話からスマート・デバイスの移

行は、世界人口の大部分が個人としてインターネット接続を果たす世界をもたらすでしょ

う。そうした変化を、おそらく 10 年以内に展望出来るところに我々はたっています。この

グローバル・ネットワークの成立は、20 世紀の後半から始まり現代の社会と経済に大きな

影響を与えてきた IT化の一つの段階が終わり次の段階が始まるという世界史的な変化とい

っていいものです。

この間、萌芽的に進んできたネットワーク・メディアによるコミュニケーションと情報

の共有・蓄積のスタイルの変化も、生産—流通—消費といった経済行為のあらゆる場面での

ネットワーク化の進展も、このグローバル・ネットワークのもとで、さらに新しい発展を

迎えるでしょう。楽観的に言えば、21 世紀の未来は、私たちに、社会的にも経済的にも、

より一層の「自由」を約束するでしょう。こうした歴史的な変化を牽引しているのは、科

学技術とビジネスのイノベーションであることは、言うまでもないことです。すでに、旧

世代の IT 技術・IT ビジネスとは一線を画する、多くのドラスティックなイノベーションが

生まれようとしています。そうした変化の波は、境界領域を巻き込んだ広く深いもので、

かつ、グローバルなものです。

「マルレク」では、IT 技術のグローバルな新しい波にフォーカスして、丸山が重要と考

えるトピックについて、ベンダー・フリーな立場から、出来るだけ新しい情報を、出来る

だけわかりやすく、出来るだけ多くの方に、伝えていこうと思います。「マルレク」の基本

的なメッセージの一つは、日本の IT 業界が日本の元気を牽引するようになる上でも、日本

の IT 業界が、グローバルな技術的イノベーションの一翼を担うことが必要だと言うことで

す。グローバルな動向をよく知り、自分の頭でよく考えることが、イノベーションの出発

点です。

「マルレク」は、直接には、新しい技術の「アーリー・アダプター」層をターゲットに

しています。その層を拡大し、その層のもつ技術的情報を豊かに出来ればいいと考えてい

ます。それは、イノベーションを担う層の裾野を広げ、間接的には、イノベーションを受

け入れる層を拡大することにつながると確信しています。

『マルレク・マルゼミ 2014-2015』協賛について

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「マルレク・マルゼミ 2014-2015」では以下の 企業・団体から協賛いただいています。

(順不同、敬称略)

● 富士通株式会社

● GMO インターネット株式会社

● 株式会社 NTT ドコモ

● 株式会社インターネットイニシアティブ

● さくらインターネット株式会社

● 日本マイクロソフト株式会社

● 株式会社 NTT データ

● 株式会社 Kaspersky Labs Japan

● クリエーションライン株式会社

2015-2016 年度の取り組みについて

1. 開催テーマ

昨年に引き続き「グローバル・ネットワークと技術革新の展望」を年間テーマと

して、次のようなトピックを取り上げます。

大規模分散システムの現在

デバイスとクラウド・サービス

Web 技術の浸透と変容

関数型言語の受容と拡大・Reactive プログラミング

IT 技術とものづくりの未来

AI と学習理論

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2. 開催予定

本年度の「マルレク」は、隔月で 6 回開催予定です。

今年度と同様に、「マルゼミ」を「マルレク」のフォローアップゼミとして開催しま

す。

3. マルレク以外の取り組み

マルレクのない月に、企業向けの出張セミナーを、積極的に開催します。

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『マルレク 2015-2016』開催テーマ (実績と予定)

『マルレク』開催テーマ

「グローバル・ネットワークと技術革新の展望」を年間テーマとして、

2015 年 5 月から 2016 年 4 月まで隔月毎に1回、計 6 回の開催を予定しています。

第一回 「Facebook Parse の世界 --- モバイルアプリ開発とクラウド利用 ---」

2015 年 5 月 14 日(木)開催

第二回 「大規模分散システムの現在 -- Twitter --」

2015 年 6 月 17 日(水)開催

第三回 「機械学習技術の現在」

2015 年 9 月 29 日(火) 開催

第四回 「機械学習技術の現在2」

2915 年 12 月 22 日(火) 開催

第五回 「ニューラル・ネットワーク+TensorFlow 入門講座」

2916 年 2 月 2 日(火)開催

第六回 「ニューラル・ネットと技術革新の展望+PROJECT ARA」

2016 年 3 月 12 日(土)開催

『 マルレク・マルゼミ以外の講演 』

クラウド研究会 第一回 「 クラウド OSとマクロサービス 」

2015 年 10 月 27 日(火)開催

会 場:日本 IBM 本社 箱崎事業所

定 員:130 人 (無料)

講 演:丸山不二夫、木内満歳、浦本直彦、山下克司

開催概要はこちらから。

講演資料の閲覧はこちらから。(丸山不二夫講演資料)

クラウド研究会 第二回 「 クラウドとコンテナー技術 」

2015 年 12 月 8 日(火)開催

会 場:日本マイクロソフト株式会社 品川本社

定 員:150 人 (無料)

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講 演:丸山不二夫、草間一人、門河善也、前佛雅人、

真壁徹・吉田雄哉

開催概要はこちらから。

講演資料の閲覧はこちらから。(丸山不二夫講演資料)

クラウド研究会 第三回 「 ニューラル・ネットワークと大規模分散処理 」

2016 年 4 月 4 日(月)開催

会 場:Google 本社 (六本木)

定 員:200 人 (無料)

講 演:丸山不二夫

萩原正義(MICROSOFT)

佐藤一憲(GOOGLE)

開催概要はこちらから。

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『マルレク・マルゼミ 2015-2016』開催概要

≪ マルレク 2015-2016 第一回 /5 月 14 日開催 ≫

● 開催テーマ:「 Facebook Parse の世界 --- モバイルアプリ開発とクラウド利用 --- 」

講 演:丸山不二夫

講演資料閲覧はこちらから。 (データサイズ 11.3 MB)

● 日 時 :2015 年 5 月 14 日(木) 19:00 ~ 21:00

( 開場 18:30 / 受付 18:30 ~ 19:30 )

● 会 場 :日本マイクロソフト株式会社 本社 セミナールーム (品川)

東京都港区港南 2-16-3 品川グランドセントラルビル)

● 定 員 : 150 人 無料(申込先着順)

● 申込受付開始 : 2015 年 5 月 7 日(木) 12:00~

受講申込み : こちらから。

講演概要

Learn Once, Write Everywhere !

Facebook Parse は、Facebook が提供する、クラウドと協調するモバイルアプリを簡単に

作成するためのフレームワークです。Android, iOS, Windows Phone, JavaScript, .NET,

PHP, … 等々、数多くのプラットフォームと言語に対応しています。

このことからも分かるように、Facebook Parse のアプローチは、かつての Java や近年の

HTML5 が標榜していた “Write Once, Run Everywhere” のアプローチとは異なっていま

す。Facebook Parse は、それを ”Learn Once, Write Everywhere “と呼んでいます。

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それは、HTTP と REST の考え方を一度学べば、どんな言語でも、REST で Web アプリ

のプログラムが書けるのに似ているかもしれません。

Mobile side で、Thin Cloud のプログラミング

現在のクラウド上のアプリやエンタープライズのアプリの大部分は、サーバーサイドの

Web アプリケーションです。処理は、基本的には、サーバー側・クラウド側で行われます。

それに対して Facebook Parse の処理は、基本的には、モバイル側で行われます。モバイ

ルアプリですのでそれは当然なのですが、Facebook Parse が強力なのは、モバイルアプリ

の開発に、クラウドの提供するサービスを最大限有効に利用しようとしていることです。

Facebook Parse は、モバイルに閉じたものではなく、モバイル+クラウドの開発フレーム

ワークです。

ただ、その大きな特徴は、クラウド側の処理を開発者がほとんど意識することなく、クラ

ウドのパワーを利用したモバイルアプリの開発が可能となるということです。

Parse Object がモバイルとクラウドをつなぐ

モバイルからのクラウドのサービスの利用で一般的なのは、モバイルからクラウドのサー

ビスを呼び出すことです。さまざまなプロトコル上で実装された RPC(Remote Procedure

Call)がそれを可能にします。クラウド上の Web サービスの呼び出しも、こうした PULL

型の RPC スタイルです。

ただ、Facebook Parse ではモバイルとクラウドの連携は、RPC によってではなく、基本

的には、モバイルとクラウド間で Parse Object を共有することによって行われます。

Facebook Parse にとってクラウドは、まず何よりも、各種の検索も可能な便利なデータの

格納場所です。しかも、多くの場合にはそれがクラウド上にあることも意識する必要もあ

りません。このことは、モバイルのプログラミングをとてもわかりやすいものにします。

それとは独立に、Facebook Parse は、クラウドからモバイルに対する強力な PUSH をサ

ポートしています。

Promise, Parse + React, React Native … Parse の世界の拡大が続いている

Facebook Parse の進化は現在も続いています。

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Facebook Parse では、様々な処理は、デフォールトで非同期のスタイルで行われます。こ

の点では、言語によってサポートにはばらつきがあるのですが、Facebook Parse の Promise

は、非同期処理のスマートな記述を可能にします。

Facebook の Web UI のフレームワークである React も、Parse との統合が急速に勧めら

れています。Parse + React は、Parse の標準的な UI 技術になろうとしています。ここで

は、Reactive プログラミングの手法が、どんどん取り入れられています。

同時に、React 自体も、ハードウェアの性能を最大限に引き出す React Native に進化し

ようとしています。

Facebook Parse の世界の中で起きている、これらの出来事は、非常に興味深いものです。

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≪ マルレク 2015-2016 第二回 /6 月 17 日開催 ≫

● 開催テーマ :「 大規模分散システムの現在 -- Twitter -- 」

講 演 :丸山不二夫

講演資料はこちらから。(27.6 Mb)

● 日 時 :2015 年 6 月 17 日(水) 18:30 ~ 20:30

(開場 18:00 / 受付 18:00 ~ 19:00 )

● 会 場 :富士通株式会社 富士通ソリューションスクエア (蒲田)

(東京大田区新蒲田1-17-25 )

● 申込受付開始 :2015 年 6 月 10 日(水) 12;00 ~

受講申込み :こちらから。

定 員 :200 人 無料(申込先着順)

講演概要

TWITTER のアプローチ -- 大規模分散システムの特徴の把握

大規模分散システムについての Twitter のアプローチは、Scalability と Availability の担

保を中核とした Google や Facebook の大規模分散システムのアプローチとは、一味、違っ

ています。そこでは、ネットワーク上のノードや Replica の配置といった具体的な問題より

は、大規模分散システムの特徴の抽象的な把握に大きな関心が寄せられているように思い

ます。

Twitter 的な見方をすれば、大規模なシステムというのは、まず何よりも、大規模なサー

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ビス(基本的なサービス+それと Cross Cutting なサービス)の集まりです。サービスは、

基本的には分散した非同期なネットワーク・サービスで、これらの様々なサービスが結合

して、新しいサービスを生み出します。その限りでいえば、それは、SOA 的なアプローチ

といっていいものです。

大規模分散システムを関数型言語で記述する --FINAGAL

ただ、Twitter のアプローチの最大の特徴は、サービスの結合によって構成されるシステ

ムの記述には、関数型のプログラム言語が、もっとも適合的だという積極的な主張にある

と思います。文字通りの意味で、「システム・プログラミング言語」に、関数型言語を用い

ること、関数はサービスの抽象化で、サーバーも抽象的には一つの関数であること、こう

した世界で本質的な役割を果たすのは、Future/Promise や flatmap であること。こうした

認識のスタイルは、Twitter のシステム理解の要になります。

Twitter は、こうしたアプローチに基づいて、システム構築に必要な基本的なライブラリ

ーをまとめている。それが finagal です。講演では、まず、この finagal のオーバービュー

をしてみたいと思います。

一秒間に 14 万ツイートを処理する分散データベース -- MANHATTEN

こうした一方で、Twitter は、リアルタイムに膨大な量の情報を処理する技術をつくりあ

げてきました。一秒間あたりの最大ツィート数は、2013 日年 8 月 2 日に日本が記録した 14

万 3,199 ツイート/秒だと言われています。こうした処理を支えているのは、超高速の

NoSQL 型の分散データベースです。

Twitter は、従来、Facebook の開発した Cassandra を利用してきたのですが、近年、そ

れを新しい分散データベースの manhattanに置き換えました。Twitterのmanhattanは、

まだオープンソースとしては公開されていませんが、この移行については、いくつかの情

報が出ています。講演では、それらを紹介したいと思います。

大規模分散システムの OS の提案 -- AURORA

Google や Facebook や Twitter の大規模分散システム、また、Amazon や Microsoft のク

ラウドの全体の構成は、とても複雑なものです。それは、これらの大規模分散システムや

クラウドの「利用者」が、個別的・具体的に受け取るサービスの総和ではありません。「利

用者」が直接には意識しないところで、様々なサービスが働いています。それらの中で、

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もっとも基本的なものは、システム全体のリソースの利用状況を正確に把握し、利用者の

要求に応じて、リソースを動的に割り当てるサービスです。Twitter Aurora は、まさに、

そうした働きをするサービスです。

興味深いことは、Twitter は、従来 Twitter 内部で同様のサービスを提供してきた Mesos

を、近年、クラウドの世界で急速に受容が進んでいる Docker に対応させるという方向で、

Aurora のオープンソース化を進めようとしていることです。そのことの持つ意味は、講演

で触れたいと思います。

AURORA の目指すもの

この間、Aurora 関連の資料に目を通していて、一番印象的だったのは、Aurora 開発の意

図について触れた次のフレーズです。

"It’s with the intent of modeling a world where the Twitters, Googles, and Facebooks

are no longer superpowers… just powers." (「Aurora は、次のような世界をモデル化し

ようという意図をもっている。そこでは、Twitter や Google や Facebook 達が、もはや隔

絶したパワーを持つわけではなく、単なるパワーを持つものの一つであるような世界」)

Aurora の目指すところに、期待したいと思います。

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≪ マルレク 2015-2016 第三回 /9 月 29 日開催 ≫

● 開催テーマ :「 機械学習技術の現在 」

講 演 : 丸山不二夫

講演資料の閲覧はこちらから。(データサイズ 49MB)

● 日 時 :2015 年 9 月 29 日(火) 19:00 ~ 21:00

(開場 18:30 / 受付 18:30 ~ 19:30 )

● 会 場 :GMOインターネット株式会社 本社11F ユアーズ (渋谷)

(東京都渋谷区桜丘 26-1 セルリアンタワー )

● 申込受付開始 :2015 年 9 月 18 日(金) 12:00 ~ 9 月 28 日(月)12:00

受講申込み :こちらから。

定 員 : 200 人 無料(申込先着順)

講演概要

はじめに

現代の IT技術とその利用の一つの新しい焦点は、ML(機械学習)技術と AI(人工知能)

技術にあります。機械が、人間のように学習し、人間のように思考する。これは科学者

たちの長い間の夢でした。私たちは、そうした夢が実現する時代の始まりに立っている

のかもしれません。

ただ、近年の機械学習技術・AI 技術とその利用の急速な発展と拡大は、現象的には、

これらの技術に対する人々の全体的な理解を難しくしています。これらの技術で、何が

出来て何が課題なのか、よく知ることがないと、空想的で根拠のない楽観論と技術否定

に通じかねない悲観論の両極に、技術の評価が振動します。

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今回のレクチャーは、機械学習技術・AI 技術の現在について、オーバービューを与え

ることを目的にしています。出来るだけ多くの人に、これらの技術の到達点と課題の概

略を知ってもらいたいと思います。畢竟、機械学習を知るためには人間の学習が必要で

あり、人工知能を作るには人間の知能が必要です。IT 技術者の方には、自身でこの分

野への問題意識を深めていくことを期待しています。

機械学習技術を構成する複数の流れ

最初に確認したいのは、機械学習技術・AI 技術は、単一の技術ではなく、それを構成する

複数の流れがあるということです。大雑把に言うと、次のようなものがあります。

A. データの統計的分析をもとに、数値予測・クラス分けを行うもの。

B. ニューラルネットワークの手法を用いて、生物の感覚・運動系の能力の相同物を

機械上で実現しようとするもの。

C. 人間固有の言語能力と経験的な知識・推論システムに関わるもの。

D. 人間の数学的・論理的な推論能力に関わるもの。

これらの領域は、相互に関連することもありますが、基本的には、独立です。興味のある

ところから、手をつけるのがいいと思います。現在、もっとも活発に研究・応用が進んで

いるのは、B. の領域ですが、機械学習・AI 技術の最終目標は、C. の領域にあるのではと、

僕は考えています。

パーソナル・アシスタント・システムの現在

Android の Google Now、iPhone の Siri、Windows の Cortana 等の、音声インターフェー

スのパーソナル・アシスタント・システムは、多くの人に、AI 時代の到来を印象付ける上

で大きな役割を果たしています。Amazon の Alexa、Facebook の M も、そうした動きに追

随しています。

これらの技術は、先の分類では、B. 領域の技術を用いて、この間、急速に精度を向上させ

た音声認識(Speech Recognithion)技術を、共通のベースにしています。レクチャーでは、

代表的なシステムの実装を紹介したいと思います。これらの音声質問応答システムの到達

点は、現在の機械学習技術・AI 技術の課題をよく示していると僕は考えています。

これらは、人間の知能にどう迫っているのでしょう? 残念ながら、その多くは、「Turing

Test Machine」 と呼ぶべきものです。パーソナル・アシスタント・システムを含む質問応

答システムの雄は、なんといっても、IBM Watson です。それは、単純な「Turing Test

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Machine」 を超えようという試みの一つです。レクチャーでは、Watson の技術について、

少し詳しく紹介しようと思います。

機械学習ソフトウェアのオープンソースでの提供

「はじめに」で、「出来るだけ多くの人に、これらの技術の到達点と課題の概略を知っても

らいたい」と述べましたが、その条件は大きく広がっています。クラウド上での安価で高

性能な機械学習サービス(これらの多くは、先の分類では A. 領域に属します)が開始さ

れると共に、優れた機械学習ソフトウェア(これらの多くは、先の分類では B. 領域に属

しています)が、誰でもアクセス出来る形で提供されています。

レクチャーでは、後者のオープンソースの動きにフォーカスして、その幾つかを紹介した

いと思います。次のようなものがあります。

Torch: https://goo.gl/Yg98OO

Caffe : http://caffe.berkeleyvision.org/

Sirius: http://sirius.clarity-lab.org/sirius/

MS のニューラル・ネットワークの構造を記述する言語 Net# も興味ふかいものです。

機械学習ハードウェアの変化とコンピュータの新しい形の模索

機械学習技術を支えるハードウェア・システムも、大きな変化の只中にあります。

「Google の猫」の認識に成功したシステムは、16,000 コアからなる巨大なシステムでした

が、現在は、GPU を利用してシステムは小型化し、研究室内のマシンでも同じ処理が可能

になっています。先に紹介したオープンソースの多くは、デフォールトで GPU の使用を想

定しています。また、MS の Catapult や Sirius のサーバーサイドのように、クラウド上に、

FPGA を使って高性能で低電力なシステムを構築する研究も活発に行われています。

ただ、ハードウェアをめぐる動きの中で特筆すべきなのは、「人間の脳にインスパイアされ

た」という IBM のニューロチップ TrueNorth だと思います。TrueNorth は、現在のフォ

ン・ノイマン型のコンピュータとは、異なるアーキテクチャーを持っています。レクチャ

ーでは、TrueNorth と、その開発言語 Corelet を、紹介したいと思います。

参考資料

「人間の思考、機械の思考 -- IT 技術者のための機械による知能研究入門」

「人間にできること 人間 vs 機械 」

「エンタープライズと機械学習技術」

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「エンタープライズと機械学習技術 Azure ML 編」

「「型の理論」と証明支援システム -- Coq の世界」

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≪ マルレク 2015-2016 第四回 /12 月 22 日開催 ≫

● 開催テーマ : 「 機械学習技術の現在 2 」

講 演 : 丸山不二夫

講演資料の閲覧はこちらから。(データサイズ 17.7MB)

● 日 時 :2015 年 12 月 22 日(火) 19:00 ~ 21:00

(開場 18:30 / 受付 18:30 ~ 19:30 )

● 会 場 :日本マイクロソフト株式会社 品川本社 セミナールーム (品川)

(東京都港区港南 2-16-3 品川グランドセントラルタワー )

● 受付開始 :2015 年 12 月 15 日(火) 12:00 ~12 月 21 日(月)12:00 まで

受講申込 :こちらから。

定 員 : 150 人 無料(申込先着順)

講演概要

前回のマルレクも、機械学習技術がテーマでしたが、今回も引き続き、同じテーマで開催

します。今回は、この間のこの分野の新しい動きとして、IBM Watson API, MS DMTK,

Google TensorFlow を取り上げます。

WATSON VS WATSON

今回取り上げる IBM の Watson API は、自然言語の処理を一つの特徴としています。その

意味では、前回のマルレクのテーマの一つだった、クイズ番組 Joepardy で人間相手に優勝

した Watson と同じ技術の発展系と思われるかもしれませんが、講演では、同じ名前を持つ

二つの Watson を、むしろその「違い」に注目して比較してみたいと思います。

MS DMTK と WORD2VEC

MS DMTKも自然言語の処理をターゲットにしています。基本的には、単語の「意味」に、

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複数の単語の意味の「近さ」を統計的に数値化することで近づこうとするアプローチです。

こうしたアプローチで有名なのは、Google の技術者が開発した Word2Vec というツールが

あります。講演では、Word2Vec も紹介しながら、こうした統計的アプローチの課題を考え

てみたいと思います。

GOOGLE TENSORFLOW

Google TensorFlow は、もうすこし汎用的な枠組みを提供しようとしています。それは、

この間、Deep Learning の世界で進行していた、Torch や Caffe のような、ニューラル・ネ

ットワークを記述する言語を構成しようという流れと、DMTK も志向しているような、機

械学習システムを、分散システムとして構築しようという、二つの流れの結節点に立って

いるプロジェクトです。その意味では、機械学習技術の「第二世代」の登場を意味する注

目すべきプロジェクトです。講演では、TensorFlow の紹介に、時間を割きたいと思ってい

ます。

改めて考えたいこと

「人工知能」や「機械学習」という言葉は、とてもホットな話題になっています。「シンギ

ュラリティ」に対する関心も高いものがあります。しかし、機械を作っているのは人間で

す。人間が、自ら、「知識とは何か」「知能とは何か?」「ことばとその意味とは何か?」「人

間の言語能力とは何か?」について考えることなしには、知能を持った機械を作ることは

できないはずです。それは、確かに難しい問題ですが、誰でも考えることのできる問題で

す。そうした「哲学的」ではあるけど、「常識的な批判力」を持つことの重要性を訴えられ

たらいいと思っています。

参考資料

IBM Watson API

Microsoft Distributed Machine Learning ToolkitI

Google TensorFlow

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≪ マルレク 2015-2016 第五回 /2016 年 2 月 2 日開催 ≫

● 開催テーマ :「 ニューラル・ネットワーク+TensorFlow 入門講座 」

講 演 :丸山不二夫

講演資料の閲覧はこちらから。(データサイズ 14.9MB)

● 日 時 :2016 年 2 月 2 日(火) 19:00 ~ 21:00

(開場 18:30 / 受付 18:30 ~ 19:30 )

● 会 場 :KDDI 株式会社 本社 会議室 (飯田橋・水道橋)

(東京都千代田区飯田橋 3-10-10 ガーデンエアタワー )

● 受付開始 :2016年 1 月26日(火) 12:00 ~2 月 1 日(月)12:00 まで

受講申込 :こちらから。

定 員 :200 人 無料(申込先着順)

講演概要

機械学習には、数値予測・自然言語処理等々いろいろな領域があるのですが、今回は、こ

の分野で近年もっとも活発に発展・応用が進んでいるニューラル・ネットワーク/ディー

プ・ラーニングにフォーカスした入門講座です。

また、ニューラル・ネットワークを扱うフレームワークとしては、昨年の 11 月に、Google

がオープンソースとして公開した、TensorFlow を取り上げます。TensorFlow の入門講座

としても役に立てればと考えています。

ニューラル・ネットワーク入門

ニューラル・ネットワーク入門では、まず、ニューラル・ネットワークの歴史と従来のコ

ンピューティング技術との対比を中心に、この技術が、何を目指しているのかを概観しま

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す。次いで、この技術の個別の構成要素、重みとバイアス、Back Propagation、コスト関

数、Gradient Decent、Convolution 等を簡単に説明します。最後に、この分野でのこれま

での達成について述べ、自然言語処理への挑戦を中心に、新しい動向を紹介します。

TENSORFLOW 入門

TensorFlow入門では、最初に、このプロジェクト登場の意味について考えたいと思います。

次いで、この技術で用いられている、基本的な術語、graph, tensor, operation, session,

device, kernel 等について説明します。最後に、簡単な数値予測のサンプルと少し複雑な画

像認識の cNN のサンプルで、tesorflow のプログラムの作り方を説明したいと思います。

参考資料

「人間の思考、機械の思考 -- IT 技術者のための機械による知能研究入門」

Google TensorFlow

TensorFlow White Paper (翻訳)

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≪ マルレク 2015-2016 第六回 /2016 年 3 月 12 日開催 ≫

● 開催テーマ:「 ニューラル・ネットと技術革新の展望+PROJECT ARA 」

講 演 :丸山不二夫

講演資料の閲覧はこちらから。(データサイズ 60.8MB)

● 日 時 :2016 年 3 月 12 日(土) 16:00 ~ 17:00 予定

● 会 場 :青山学院大学 青山キャンパス 17 号館 6 階 本多国際会議場

(日本アンドロイドの会 「ABC 2016 Spring」イベント会場 内 )

( 東京都渋谷区渋谷 4-4-25 )

● 申込受付開始:2016年 3 月 5 日(土) 12:00 ~

受講申込み : こちらから。 (満席)

定 員 : 200 人 無料(申込先着順)

講演概要

まず、学ぶことから始めよう

モバイルとクラウドの時代が始まって 10 年が経ちました。次の 10 年を展望した時、AI 技

術が、その新しい技術的中核として登場しようとしています。

ただ、モバイルが携帯電話の、クラウドがデータセンターの、ある意味では連続的な発展

だったのに対して、ニューラル・ネットワークは、ほとんどの技術者にとって全く新しい

技術です。そこには、技術的な「断絶」があります。

問題は明確です。我々は、来たるべき AI 新時代に向けて、学ぶことから始めなければなり

ません。同時に、重要なことは、今後の 10 年を展望すれば、それはすべての技術者にとっ

て必要な課題になるだろうだということです。

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何を学ぶべきか? 新年度のマルレクの概要を紹介します

では、ニューラル・ネットワークについて、何を学ぶことから始めるべきなのでしょう?

講演では、前回のマルレクの「ニューラル・ネットワーク入門」に続く、新年度からの次

のようなマルレクの予定とその概要を示したいと思います。

「Deep Learning とそのフレームワーク」(4/4 at Google)

「Convolutional Neural Network 入門」(次回マルレク)

「Recurrent Neural Network / LSTM 入門」(次次回マルレク)

「CNN と RNN の応用」(それ以降)

参考資料

「ニューラル・ネットワーク+TensorFlow入門講座」

「人間の思考、機械の思考 -- IT 技術者のための機械による知能研究入門」

PROJECT ARA への期待

今回の講演には、もう一つのトピックがあります。それが Project Ara です。

Project Ara のコンセプトが発表されてから 3 年近くになりますが、いろいろな紆余曲折が

あって、まだ製品化のめどはたっていません。 ただ、今年の Google IO では、新しい発表

があると言われています。Project Ara の製品化は、モバイルの新しい進化の道を示すもの

になると、僕は考えています。

今回の講演では、「ものづくり」の変化という観点から、あらためて Project Ara を取り上

げてみたいと思います。かつて Project Ara の中心にいた、Paul Eremenko のものづくり

のビジョンを、彼の DARPA 時代の仕事にさかのぼって紹介しようと思います。

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以上