茶をめぐる情勢 - maff.go.jp...4.6 % [荒茶価格] 1,652 円 /kg [特徴]...

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茶をめぐる情勢 令和2年3月

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茶 を め ぐ る 情 勢

令 和 2 年 3 月

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1.我が国におけるお茶生産の位置付け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12.お茶の生産動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33.荒茶価格の動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44.お茶の消費動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55.消費市場の変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66.消費者ニーズを獲得する新たな動き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・77.茶産地が直面する現状①・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・88.茶産地が直面する現状②・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・99.生産力強化に向けた取組①(スマート農業の展開)・・・・・・・・・・・・・ 1010. 生産力強化に向けた取組②(生産性の向上)・・・・・・・・・・・・・・・・ 1111. 荒茶工場における販売額向上の取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1212. お茶の輸出入の動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1313. お茶の輸出実績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1414. 輸出統計品目表(HSコード表)の改正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1515. 有機栽培(有機JAS)茶の輸出について ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1616. 輸出拡大に向けた環境整備の取組 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1817. 輸出拡大に向けたプロモーション、インバウンド対策・・・・・・・・・・・・ 19

[ 目 次 ]

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機密性○情報 ○○限り

順位 府県名

H30栽培面積(ha)

H30荒茶生産量(t) 生産の特色

1 静岡 16,500 33,400 「せん茶」、特に「深蒸しせん茶」を主体とした生産

2 鹿児島 8,410 28,100 「せん茶」を主体とした生産。多様な品種構成

3 三重 2,880 6,240 「かぶせ茶」の生産が全国1位

4 京都 1,570 3,070 「玉露」及び「てん茶」の生産が全国1位

5 福岡 1,540 1,890 「玉露」の生産が全国2位。「かぶせ茶」の生産が多い。

6 宮崎 1,390 3,800 「せん茶」主体の生産。「釜炒り茶」の生産が全国1位

7 熊本 1,260 1,260 「玉緑茶」の生産が全国3位

8 埼玉 855 898 「せん茶」を主体とした生産

9 佐賀 795 1,270 「玉緑茶」の生産が全国2位

10 長崎 742 733 「玉緑茶」の生産が全国1位11 愛知 521 863 「てん茶」の生産が多い。

全国 41,500 86,300

○ お茶は、生葉の収穫後、産地で荒茶に加工され、消費地において製茶にブレンドして販売。荒茶段階では約1,000億円の産業規模。

○ 主要産地は、①静岡県、②鹿児島県、③三重県、④京都府、⑤福岡県。上位3県で全国の栽培面積の約7割を占める。

○ 「せん茶」を主体とする静岡県、鹿児島県、宮崎県、「かぶせ茶」の生産が多い三重県、福岡県、「玉緑茶」の生産が多い長崎県、佐賀県、熊本県、「玉露」や「抹茶」の生産が多い京都府など、府県ごとに特色ある茶生産が行われている。

あらちゃ

荒茶

しあげちゃ仕上茶(製茶)

いんようちゃ

飲用茶

蒸し・揉み・熱乾燥

各産地の荒茶をブレンド

なまは

生葉

○ お茶の形態変化と産業規模

1,028億円資料:H29生産農業所得統計

○ お茶の主産県と生産の特色

1.我が国におけるお茶生産の位置付け

たまりょくちゃ

荒茶(大きさが不揃いで、茎も混じっている状態)

仕上茶(大きさが均一化され、茎も除去された状態)

1注:順位は面積の平成30年の調査対象県のものである。資料:農林水産省「作物統計」

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種 類 特徴及び主な産地 荒茶生産割合及び荒茶価格(H30年)

[特徴]・最も一般に飲まれるお茶。新芽を蒸して揉んで乾燥させて製造。[主な産地]・全国

[生産割合]55.9%

[荒茶価格]1,271円/kg

[特徴]・棚を用いて藁や寒冷紗などで、収穫前20日前後の被覆栽培を行い、煎茶と同様に製造。

[主な産地]・京都府、福岡県

[生産割合]0.3%

[荒茶価格]5,468円/kg

[特徴]・藁や寒冷紗などで、収穫前1週間程度の被覆栽培を行い、煎茶と同様に製造。

[主な産地]・三重県、福岡県

[生産割合] 4.6%

[荒茶価格] 1,652円/kg

[特徴]・摘採期前に棚施設等を利用して茶園をよしず、コモ、寒冷紗などの被覆資材で2~3週間程度覆った「覆下茶園」から摘採した茶葉を蒸熱し、揉まないでてん茶炉等で乾燥させて製造。

・てん茶を茶臼等で微粉末状に製造したものが「抹茶」。[主な産地]・京都府、愛知県

[生産割合]4.0%

[荒茶価格]2,758円/kg

[特徴]・煎茶の製造方法と異なり、最後に形を細長く整える工程がないため、茶葉の形が丸みを帯びている。

[主な産地]・熊本県、佐賀県、長崎県

[生産割合] 2.5%

[荒茶価格] 1,711円/kg

せん茶

かぶせ茶

玉緑茶

てん茶(抹茶)

玉露

資料:荒茶生産割合及び荒茶価格(全茶期)は全国茶生産団体連合会調べ

たまりょくちゃ

ぎょくろ

(参考)お茶の種類

参考:玉露、かぶせ茶及びてん茶を称して「おおい茶」という。 2

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1,472

3,387

0

1,000

2,000

3,000

4,000

19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30年度

平成

静岡 鹿児島 三重 京都 福岡 宮崎 熊本

H12 0.7 1.5 0.5 0.9 0.5 1.2 0.6

H17 0.8 2.1 0.9 1.1 0.8 1.7 0.8

H22 1.0 3.0 1.3 1.3 0.9 2.2 1.1

H27 1.2 3.3 1.5 1.5 1.1 2.1 1.1

【主産県における販売農家1戸あたりの栽培面積の推移】

2.お茶の生産動向

【お茶の作付面積・生産量の推移】

資料:農林水産省「作物統計」

○ 栽培面積は緩やかに減少。生産量は、緑茶飲料需要の増加を受けて平成16年産が10万トンを超えたが、近年は約8万トンで推移。

○ 茶期別生産量では、近年、主にリーフ茶向けの一番茶の生産量は減少しているが、安価なドリンク等向けに三番茶や四番茶・秋冬番茶の生産は増加傾向。また、需要の高まっているてん茶の生産についても増加傾向。

○ 茶農家の栽培面積は拡大が進んでおり、特に鹿児島県では規模拡大が顕著。

(t)

生産量

(千㌧)

栽培面積

(千㌶)

資料:農林水産省「農林業センサス」注:平成22年の販売農家における栽培面積は推計。

平成

85 84 92

101

100

9294 96 86 85 84 88 85 84 80 80 82 86

5050 50494949484847474646454544434242

0

10

20

30

40

50

60

0

20

40

60

80

100

120

13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30生産量 面積

H26 H27 H28 H29 H30

一番茶 33,264 32,530 31,515 30,192 32,900

二番茶 23,620 20,544 20,285 20,963 22,577

三番茶 5,886 5,801 6,312 7,053 6,384

四番茶・秋冬番茶 18,573 18,534 20,458 22,022 22,906

【茶期別生産量の推移】

生産量

(㌧)

資料:全国茶生産団体連合会調べ

【てん茶の生産量の推移】

資料:全国茶生産団体連合会調べ

(ha)

3

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○ お茶の価格については、ペットボトル緑茶飲料の需要の伸びに呼応する形で平成16年までは上昇。その後、需要の停滞により低下傾向。

○ また、お茶の価格は①茶種による価格差、②茶期による価格差等が大きく、これに品質に応じた価格差が加わるため、農家によっては大きな差。

(参考)中国産輸入緑茶価格の推移平成21年 22年 23年 24年 25年 26年 27年 28年 29年 30年 令和1年

245 252 261 285 382 476 582 520 577 588 612

単位:円/kg

単位:円/kg

円/kg

資料:全国茶生産団体連合会調べ

資料:財務省貿易統計(CIF価格)

3.荒茶価格の動向

【茶期毎の価格の推移(平成30年産の荒茶)】

おおい茶 せん茶

番茶 その他緑茶

玉露 かぶせ茶 てん茶 せん茶 玉緑茶

一番茶 5,468 1,992 3,394 1,910 2,216 739 1,168

二番茶 - 1,040 1,787 781 752 482 588

三番茶 - - - 445 489 393 284

秋冬番茶 - - - 424 - 367 371

全茶期平 均 5,468 1,652 2,758 1,271 1,711 418 653資料:全国茶生産団体連合会調べ

平成0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年 25年 26年 27年 28年 29年 30年

【お茶価格の推移(荒茶・普通せん茶)】

一番茶 二番茶

三番茶 全茶期平均

4

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0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

29歳以下 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70歳以上

緑茶 茶飲料1世帯当たりの年間支出額[円]

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

15年16年17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年28年29年30年リーフ茶 茶飲料

5,802

4.お茶の消費動向○ 緑茶の消費量について、緑茶(リーフ茶)は減少傾向で推移していたが、近年は横ばい。

緑茶飲料は増加傾向で推移。○ 緑茶(リーフ茶)と茶飲料の1世帯当たりの年間支出金額の合計は、約1万円で推移しているが、リーフ茶と茶飲料の支出金額が逆転するなど簡便な形態での飲用にシフト。特に若年層ではその傾向が顕著。【1世帯当たりのリーフ茶消費量の推移】

資料:総務省家計調査

【1世帯当たりの緑茶・茶飲料の年間支出金額】(円)

11,051

3,879

7,172

6,138

4,627

【清涼飲料等の消費量の推移】

10,765

平成

平成

平成

平成19年以降、茶飲料の消費支出額が緑茶のそれを上回る。

5,290

【年齢別の緑茶と茶飲料の消費動向(平成30年)】

資料:総務省家計調査

資料:総務省家計調査

5

11,092

0

200

400

600

800

1,000

1,200

15年16年17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年28年29年30年

1,146798

(g)

31.6

26.023.4

28.9

4.6

8.3

0

5

10

15

20

25

30

35

13年14年15年16年17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年28年29年30年

炭酸飲料

コーヒー飲料

緑茶飲料

ミネラルウォーター紅茶飲料

ウーロン茶飲料

一人あたり消費量(

㍑/人)

資料:(一社)全国清涼飲料連合会

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26%

35%

1%

10%

4%

4%14%

6%

38%

29%1%

10%

4%

1% 9%8% 一般小売店

スーパー

コンビニエンスストア

百貨店

生協・購買

ディスカウントストア

通信販売

その他

【緑茶の購入先の変化】

H26H11

11,809

9,769

6,381

2,786 2,322 1,607

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

H14 H19 H26

【茶類小売業及び卸売業の事業所数の推移】

○ 消費者による緑茶の購入は、平成11年では茶専門店を含む一般小売店からが最も多かったが、その後、スーパーからの購入等が増加。

○ 茶類小売業の事業所数は平成14年から平成26年でおよそ半減。

茶類小売業

茶類卸売業

事業所数

スーパーからの購入が増加。

通信販売の利用が増加。

5.消費市場の変化

平成14年比、46%減少。

6

資料:総務省「全国消費実態調査」

資料:経済産業省「商業統計」

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6.消費者ニーズを獲得する新たな動き

○ 消費者の「本物」志向の高まりを受け、産地や茶業者が消費者の嗜好に合わせた商品や器具を開発・展開。

○ 料理に合わせて産地の特徴のある茶を組み合わせて提供する「ティーペアリング」の取組も行われている。

【ネスレ】・ 20種類以上のお茶が楽しめるカプセル式ティーマシンを開発。それぞれの茶葉に適した温度と蒸らし時間でお茶を提供。

抹茶かりんとう

新たな器具の開発

ティーペアリングの開発

【フレンチレストラン「やまもも」】・ 静岡県伊東の高級老舗旅館内のレストランにおいて、地元食材を使ったフレンチと日本茶のペアリングを行い、料理一皿ごとに最良の日本茶を開発。

・ 日本茶の価値を高める取組が評価され、小規模で上質なホテルを対象とする国際的な賞(ワールドブティックホテルアワード)を受賞。 料理に合わせた日本茶 ティーペアリングの例

【静岡茶ガールプロジェクト】・ 静岡博報堂とお茶屋がプロジェクトチームを結成し、もらったら嬉しいお土産として、県内の希少な茶葉の飲み比べができる商品を開発。

新たな茶土産の開発

7

8種類の茶葉のティーバッグが入った「8茶くらべ」 ティーマシンとカプセル

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1 3 2 7 4 7 5 3 2 4 2 1 0

10

20

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

一番茶

○ 年齢別基幹的農業従事者数は年々減少するとともに、平成12年には49%であった65歳以上の割合が、27年には56%と高齢化が進展。

○ 機械化が困難である傾斜地では労働時間の季節的偏在が存在し、特に摘採時期の労働負荷が大きい。一部の産地では、早生、晩生の品種導入により摘採期の分散が図られている。

5 4 4 6

15 13

7 4 3 3 8

5 0

10

20

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

(時間/10a) 一番茶

二番茶

秋番茶

傾斜地

平坦地

【労働時間の季節的偏在】

経営規模:3ha労働時間:77時間/10a

経営規模:8ha労働時間:41時間/10a

二番茶

三番茶

秋番茶

【年齢別基幹的農業従事者数(工芸作物)】(人)

7.茶産地が直面する現状①

【産地別の品種構成 (%)】

資料:農林水産省「農林業センサス」

【主産県における販売農家数の推移】

静岡 鹿児島 三重 京都 福岡 宮崎 熊本 全国

H12 24,019 4,309 4,598 1,330 2,217 820 1,277 53,687

H17 17,731 3,072 2,294 1,035 1,629 642 973 37,617

H22 13,933 2,216 1,455 825 1,385 513 695 28,116

H27 9,617 1,744 967 653 980 399 529 20,144

(戸)静岡 鹿児島 京都 愛知 全国

ゆたかみどり(早生) 0.04 27.1 0 0.5 6.1さえみどり(早生) 0.5 12.5 0.8 1.2 3.9

さやまかおり(やや早生) 1.8 0 0.7 1.4 2.0やぶきた(中生) 91.5 33.3 63.1 55.5 72.4さみどり(中生) 0.02 0 7.9 25.1 0.7おくみどり(晩生) 0.6 4.8 11.7 11.6 3.2その他 5.5 22.2 15.8 5.3 11.7合計 100 100 100 100 100

農林水産省調べ(平成30年度)

(時間/10a)

8

0

5,000

10,000

15,000

20,000

平成12年 平成17年 平成22年 平成27年

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(ha)

02,0004,0006,0008,000

10,000

未成園 ~10年 11~20年 21年~30年 30年以上

11%5%

23% 23%

38%

○ 全国の茶園の約4割が中山間地に位置し、傾斜等の要因により乗用型機械の導入が遅れている地域も存在。

○ 茶園の約4割が、樹齢30年以上と老園化し、収量、品質の低下が懸念。改植等への支援を行うものの、実施面積は全体の7%程度。

【樹齢別の茶園面積(平成30年度)】

改植では、・ 茶園の若返りによる品質・生産力の向上が期待。・ 優良品種の作付けによって、付加価値向上。・ 品種の組み合せにより、作期を分散させ、収穫・加工作業の集中化を回避。

資料:農林水産省調べ

8.茶産地が直面する現状②

H27(ha) 備 考

全国平坦地 15,532中山間地 10,276

中山間地割合(%) 39.8

静岡平坦地 8,570中山間地のうち5割が傾斜度15

度以上*であり、乗用機械の導入が困難。*平成6年時点

中山間地 3,205中山間地割合(%) 27.2

鹿児島平坦地 3,450中山間地においても傾斜度は小さ

く、基盤整備が進んでいるため、ほとんどの地域で乗用型機械の利用が可能。

中山間地 1,860中山間地割合(%) 35.0

京都平坦地 177

8割が傾斜度10度以下、15度以上は6%中山間地 768

中山間地割合(%) 81.3

愛知平坦地 216

8割が傾斜度5度以下、15度以上は0%中山間地 66

中山間地割合(%) 23.4

【農業地域別茶栽培面積の動向】

0

1000

2000

3000

H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

茶改植等支援事業

実施累計面積

[ha]

【茶改植等支援事業実施累計面積】

資料:農林水産省調べ台数 導入面積ha 導入割合%静岡県 3,472 10,416 63.1鹿児島県 1,406 8,106 96.4京都府 94 265 16.9愛知県 78 236 45.3計 6,937 24,436 60.5

【乗用型摘採機の導入状況(平成30年度)】

9

資料:農林水産省調べ

資料:農林水産省調べ

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9.生産力強化に向けた取組①(スマート農業の展開)○ 技術発展の著しいロボット・AI・IoT等の先端技術について、生産現場に導入・実証することで「スマート農業」の社会実装を加速化するスマート農業実証事業を開始。

〇 茶については、静岡県と鹿児島県の2カ所で実証中。

静岡県スマート茶業実証コンソーシアム(静岡県)

○ 高齢化と労働力不足が深刻な産地において、茶産業維持のためには規模拡大が必要。

○ このため、茶園管理のロボット化、畑かん施設の多目的有効活用、経営の見える化等により、大規模茶園における新しい茶業の実現を目指す。

【IoT技術・ロボット化技術を活用した大規模スマート茶業一貫体系の実証】実証面積:116ha(鹿児島堀口製茶)

多目的散水装置 ロボット茶園管理機

堀口製茶スマート実証コンソーシアム(鹿児島県)

【LoRaを活用した茶園ネットワークの形成による、分散茶園の省力管理と茶工場の品質コントロールを核とした、茶業経営一貫技術体系の実証】実証面積:127ha(茶夢茶夢ランド菅山園、エコグリーン勝間田、ハラダ製茶農園)

○ 茶園が分散しており、作業時間の増加や生葉品質の均一管理が課題。

○ このため、作業記録ツール等の導入による作業の効率化や、茶生育ステージのAI解析技術等の導入による適期摘採による品質向上により、生産者の経営の安定化を目指す。作業記録ツール リモートセンシング

フィールドサーバー茶生育ステージのAI解析技術

ドローン

情報の一元化と見える化10「スマート農業実証プロジェクト」パンフレットより

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10.生産力強化に向けた取組②(生産性の向上)

○ 共同茶工場を中心とした茶農家の法人化や、耕作放棄茶園の再生による高付加価値の有機茶栽培など、生産性の向上に向けた取組が実践されている。

○ 静岡県の川根を拠点に、2016年12月に有志の若手農家により設立された農業生産法人。有機てん茶を栽培し、付加価値の高い有機抹茶を販売。中山間地の耕作放棄茶園を再生し、有機栽培に適した茶園とするなど、生産を拡大。消費者向けの農業体験イベントや、古い茶工場をリノベーションしたカフェの展開など、様々な取組を実施。

耕作放棄茶園の再生

Matcha Organic Japan(静岡県)

茶工場をリノベーションしたカフェ

○ 鹿児島県曽於市において、5戸の茶農家が株式会社として法人化し、新たに茶工場を整備。需要が高まっているティーバッグ用原料を生産し、全量を飲料メーカーとの契約取引により供給。法人内での作業分担や機械の共同利用により、省力・効率化を図り、広域の生葉収集体制を確立。

分担作業による省力化

たからべ製茶(鹿児島県)

ティーバッグ専用荒茶工場

11

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0

1000

2000

3000

H18一番茶 H18二番茶 . H28一番茶 H28二番茶

荒茶平均単価

[円/k

g]

(有)ネクト 茶市場

11.荒茶工場における販売額向上の取組○ 静岡県内の共同茶工場の経営状態については、平成21年から26年までの5年間で、7割の工場において販売額が減少した一方で、13%の茶工場で増加・維持するなど、二極化が進展。

○ 販売額が増加・維持となった茶工場においては、茶商と直接価格や生産量について協議をするなど、茶商と連携した取組が多く見られた。

○ 自販率を高めることで、市場取引に比べて有利な販売を実践する例もある。

直売所の運営や、通販、営業担当者の設置による営業活動の拡大などにより、自販チャネルを拡大し、より有利な価格決定ができる体制の構築に努めることで、市場単価に比べ有利な販売を実践。

0

20

40

価格、生産量

を協議

茶商の研修会に

茶工場が参加

契約生産 販売先が

資金支援取組割合

[%]

「増加・維持」工場「2 割以上減少」工場

茶商との連携を深め収益を向上させるケース荒茶販売額を増加・維持した工場と2割以上減少した工場との取組の比較

増加・維持

10~20%減少

20%以上減少

68%

19%

13%

静岡県内の共同茶工場の経営状況(5年前との比較)

自販率の向上により荒茶単価を向上させた事例H18 自販率20%程度 H28 自販率35%程度(107%)

(151%)

(144%)

(129%)

※( )内の数値は、市場取引単価に対する比率

(平成26年度静岡県茶業農産課調べ)

A社 12

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12.お茶の輸出入の動向

○ 輸入量は平成16年に緑茶飲料向けとして急増したが、その後、緑茶飲料用原料の国産割合が高まったことから、輸入量はこの10年間で半分以下に減少。

○ 米国等における日本食ブームの影響、健康志向の高まりにより、輸出量はこの10年間で約3倍に増加。輸出先国としては、米国が全体輸出量の約3割を占める。

【緑茶の輸出入の推移】 【主な輸出先国(上位5カ国地域・R1)】(輸出量シェア)

資料:財務省貿易統計

資料:財務省貿易統計

13

29%

27%7%

6%

5%

26%アメリカ合衆国

台湾

ドイツ

シンガポール

タイ

その他

84%

6%

6%

中華人民共和国

ベトナム

オーストラリア

台湾

ミャンマー

その他

599 762 760 872 1,0961,576

1,6251,7011,958

2,2322,387

2,3512,9423,5…4,127

4,108 4,6425,102

5,108

17,739

11,790

10,242

16,995

15,187

11,2549,591

7,326

5,8655,9065,393

5,4734,8754,180

3,4733,618

3,970

4,7304,390

20,000

15,000

10,000

5,000

0

5,000

10,000

15,000

20,000

H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1

輸出量(t)

輸入量(t)

【主な輸入先国(上位5カ国地域・R1)】(輸入量シェア)

資料:財務省貿易統計

(トン)

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○ 令和元年の緑茶の輸出額は146億円と、平成30年と比べ5%減。○ 米国向け・EU向けの輸出額は最近5年間でいずれも増加傾向で推移。

13.お茶の輸出実績

【緑茶の輸出実績(EU向け)】

資料:財務省貿易統計

648534

596

420

(億円)(トン)

【緑茶の輸出実績(世界)】

589

【緑茶の輸出実績(米国向け)】(億円)(トン)

H27 H28 H29 H30 R1

2,449 2,812 3,093 3,005 2,867

【緑茶の輸出価格の推移】 単位:円/kg

662

14

1,550 1,698

1,420

1,407 1,595 1,485

3444

48

5968

65

0

20

40

60

80

0

500

1,000

1,500

2,000

H26 H27 H28 H29 H30 R1輸出量 輸出額

1520

23 2325

23

0

5

10

15

20

25

30

0

200

400

600

800

H26 H27 H28 H29 H30 R1ドイツ フランス オランダ

英国 その他 輸出額(EU計)

1,096

1,576

1,625

1,701

1,958

2,232

2,387

2,351

2,942

3,516

4,127

4,108

4,642

5,102

5,108

21

31 32 33 3442

4751

66

78

101

116

144153

146

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000(億円)(トン)

輸出量(トン)

輸出額(億円)

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14.輸出統計品目表(HSコード表注)の改正○ 近年国内外で需要が高い抹茶を含む「粉末状の緑茶」の輸出実態を把握するため、HSコード『0902 茶(香味を付けてあるかないかを問わない。) 』に「粉末状のもの」を創設(平成31年1月1日から適用)。

○ 今回の改正により、輸出相手国ごとの輸出品目をより細かく把握・分析することが可能。

0902.10緑茶(発酵していないもので、正味重量が3kg以下の直接包装にしたものに限る。)

<輸出統計品目表の改正内容>○ 粉末状の緑茶のHSコードを新設。

※0902.20:その他の緑茶(発酵していないものに限る。)も同様

0902.10-100 粉末状のもの

0902.10-900 その他のもの

【イメージ】

抹茶 粉末茶

煎茶 粉茶

0902.10 -緑茶(発酵していないもので、正味重量が3kg以下の直接包装にしたものに限る。)0902.10-100-粉末状のもの0902.10-900 -その他のもの

0902.10-000 -緑茶(発酵していないもので、正味重量が3kg以下の直接包装にしたものに限る。)

【改正前】 【改正後】

※ 0902.20も同様

<改正による効果>○ 今回の改正で、輸出相手国ごとにどのような茶製品が輸出されているかが把握可能。

【2019年の輸出実績】

○ 「粉末状のもの」は以下のとおり。・抹茶 -碾茶(覆下栽培した茶葉を碾茶炉等で揉まず

に乾燥したもの)を茶臼等で微粉末状に製造したもの

・粉末茶-茶を粉砕器等により粉末にしたもの

(参考)粉茶(仕上げ工程でふるい分けされた粉末状の茶をいう。荒茶、切断された葉を含む)はHSコード上では「その他のもの」に含まれる。

海外市場の正確な分析や販路拡大のきめ細かい取組が可能に。

(注)HSコードは財務省貿易統計に関するHPを参照http://www.customs.go.jp/toukei/sankou/howto/faq.htm

輸出量(トン) 輸出額(百万円)

粉末状 その他 合計 粉末状 その他 合計

米国 983(66%)

502(34%)

1,485 4,604(71%)

1,881(29%)

6,485

EU 228(35%)

420(65%)

648 1,277(55%)

1,031(45%)

2,308

台湾 103(7%)

1,286(93%)

1,389 372(24%)

1,155(76%)

1,527

世界計

2,200(43%)

2,908(57%)

5,108 8,893(61%)

5,749(39%)

14,642

※括弧内は、形状別の割合

15

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165

24

27 83 89

141 223

360

444 260

6

0

200

400

600

800

H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

【同等性の仕組みを利用した

有機栽培茶輸出数量の推移】

米国 カナダ EU スイス

(t)

【茶の輸出量に占める有機JASの割合(平成29年)】

輸出量(t)(A)

有機栽培※(t)(B)

割合(%)(B/A)

米国 1,407 165 11.7

EU 589 260 44.1

15.有機栽培(有機JAS)茶の輸出について

4,945

2,618

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

H13H14H15H16H17H18H19H20H21H22H23H24H25H26H27H28H29

【茶の有機JAS格付実績の推移(国内)】

緑茶(荒茶) 緑茶(仕上げ茶)

(t)

○ 有機栽培茶は海外でのニーズが高く、同時に残留農薬基準のクリアも可能なことから、輸出に適していると評価されている。

○ 茶の有機JAS格付実績は増加傾向。平成29年産荒茶生産量(82,000トン)の6%程度。○ 有機認証制度の同等性等の仕組みを活用した有機栽培茶輸出数量は増加傾向。特にEU向けでは大きな割合を占めている。

44%

24%

8%

8%5%

11%鹿児島県

静岡県

京都府

宮崎県

三重県

その他

【有機JAS格付数量の県別の割合※ (平成26年)】

※本データは事例調査であり、調査対象となっている格付数量は1,466トン(格付数量2,323トンの約6割)。

※有機認証制度の同等性等の仕組みを利用して輸出したもの。

16資料:農林水産省調べ

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〈参考〉世界におけるお茶の動向

【世界における緑茶の貿易量の見通し(FAO予測)】

○ 近年の緑茶生産量及び輸出量は増加傾向。○ 今後、世界の緑茶貿易量は10年で1.6倍に増加すると予測されている。

出典:International Tea Committee 「Annual Bulletin of Statistics」

【世界における緑茶の生産量及び輸出量の推移】

出典:FAO茶に関する政府間協議資料

177.3

365.4

37.260.5

0.0

50.0

100.0

150.0

200.0

250.0

300.0

350.0

400.0

2017 2027

(万トン)

生産量 貿易量

2.1倍に増加

1.6倍に増加

0

50

100

150

200

250

300

350

400

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

1800

2000

H24 H25 H26 H27 H28

中国 ベトナム 日本 インドネシア その他 輸出量

生産量(千トン)

輸出量(千トン)

17

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16.輸出拡大に向けた環境整備の取組

○ 輸出相手国において我が国で使用されている主要な農薬の残留農薬基準を設定するため、必要なデータの収集や相手国への申請を推進。

○ 相手国の残留農薬基準をクリアする防除体系を確立するため、米国等向けの茶病害虫防除マニュアルの作成や各地での現地実証を通じて防除体系の確立を推進。

○ EU市場向けにニーズが高く、同時に残留農薬基準のクリアも可能な有機栽培茶の生産も重要。

・ 米国、EU、台湾向けの茶病害虫防除マニュアルを作成。(平成27・28年度)

・ 「輸出先国の規制に対応するためのサポート体制整備事業」により、防除体系の確立・導入に向けた技術的指導等を実施。

・ 平成28年度~平成30年度にかけて、静岡県、鹿児島県、京都府、福岡県、宮崎県において防除体系の確立に向けて、現地実証。その後、マニュアル作成、現場普及を予定。

【輸出相手国に対応した生産体制の確立】【輸出相手国の残留農薬基準の設定申請】

【各国における残留農薬基準値の設定数(令和元年10月時点)】

日本米国 EU 台湾うち日本と同等 うち日本と同等 うち日本と同等

農薬数 207 36 31 79 21 116 30

令和2年2月時点

令和元年度支援(申請、データ取得等)件数

令和2年度以降申請予定申請

件数うち登録件数

米国 7 7 2令和2年度までに要望の強い薬剤(約30剤)

の半数を申請

EU 2 - 4令和3年度までに茶栽培で通常使われる薬剤(20剤程度)のうち10

剤程度を申請

18

資料:農林水産省調べ

※不検出、検出限界の剤をのぞく

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17.輸出拡大に向けたプロモーション、インバウンド対策○ 現地店舗、在外公館と連携し、世界の各地域において日本茶の売り込みを強化。○ 国際会議等の機会を活用し、各国の要人に対して日本茶をPR。○ インバウンド(訪日外国人)の増加を踏まえ、インバウンド向けにウェブサイトで日本茶を情報発信。

日本茶輸出促進協議会ユーロジャパンクロッシング、日本旅行

G20新潟農業大臣会合

・ 日本茶のヨーロッパでの普及拡大を図るため、パリ及びドイツのユニクロ店舗内において、日本茶の試飲とアンケート調査を実施。のべ6日のイベントで合計

3,500人が様々な日本茶を試飲。

・ 新潟市で開催されたG20農業大臣会合のレセプションにおいて、34か国・機関の代表団に対し、メニューの1つとして村上茶を提供。会場内に設置した茶室

での呈茶も実施。

・ 海外在住のNPO法人日本茶インストラクター協会会員のうち、若干名を「在外技能者」に認定、現地輸出促進活動に協力。

・ 展示会のみならず、継続的な輸出促進活動、現地社会への浸透に貢献。

・ 62の企業等が参画し、観光名所、飲食店、交通案内など訪日外国人向けの観光情報をワンストップで発信。

・ 年間約3,000本の記事コンテンツや約300本の動画コンテンツを配信。緑茶の種類・飲み方や、抹茶を使ったスイーツ等の情報を発信。

Live Japan

19

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1 法律の目的この法律は、農林水産大臣による基本方針の策定について定めるとともに、生産者の経営安定、消費の拡大及びこれに資する

お茶を活用した食育の推進並びに輸出の促進、お茶の伝統に関する知識等の普及の措置等を講じ、茶業の健全な発展及び豊かで健康的な国民生活の実現に寄与することを目的とする。

2 法律の概要(1)基本方針の策定(第2条)農林水産大臣は、次に掲げる事項について基本方針を策定する。① 茶業及びお茶の文化の振興の意義及び基本的な方向② お茶の需要の長期見通しに即した生産量の目標設定③ 茶業の振興のための施策④ お茶の文化の振興のための施策⑤ その他茶業及びお茶の文化の振興のために必要な事項

(2)振興計画の策定(第3条)都道府県は、基本方針に即し、振興計画を定めるよう努める。

(3)国及び地方公共団体による支援施策(第4条~第10条)国及び地方公団体は、次に掲げる事項について支援施策を実施するよう努める。① 生産者の経営安定(茶園の基盤整備、茶樹の改植支援、災害予防促進等)② 加工・流通の高度化(農業、製造業、小売業等の一体的な取組による新たな付加価値を生み出す取組等に対する支援)③ 品質の向上の促進④ 消費拡大⑤ 輸出促進⑥ お茶の文化の振興⑦ 茶業及びお茶の文化の振興に寄与した者の顕彰

(4)国の援助(第11条)国は、地方公共団体に対し、必要な情報提供、助言、財政上の措置等を講じるよう努める。

〈参考〉お茶の振興に関する法律について

○ 「お茶の振興に関する法律」が、平成23年4月に施行

20