溶融亜鉛めっきを施すためのポイントyokohama.z-mekki.com/technology/pdf/point.pdf ·...

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豊かな社会環境づくりのお手伝い

【めっき君】

【ガ ル】【エコちゃん】

溶融亜鉛めっきを施すためのポイント

INDEX目 次

亜鉛めっきを施すためには

このカタログは弊社ホームページからもご覧いただけます。

http://yokohama.z-mekki.com本書をご

覧いただく事で

少しでも皆様のお

役に

立てればと思いま

す。

トップページから技術情報をクリック。 溶融亜鉛めっきを施すためのポイントをクリック。

1 めっき規格

2

4 前処理工程で除去できないもの

5 吊り方に関するポイント

6 めっき浴へ浸せきするための条件

7 製品の孔あけポイント

A:形鋼製品の場合

B:パイプ製品の場合

C:パイプその他の場合

8 溶接合せ加工について

9 めっきによる歪について

10

P 1P 2・P 3

P 5P 6P 7

P 8・P 9P10P11P12P13・P14P15・P16

めっき可能な素材サイズ3

めっき試験方法

P 4

歪を抑える為の方法

11 判別方法

12 かん合のクリアランス

13

P17P18P19マスキング(非めっき)処理方法

14 P20高力ボルト添接面の処理方法

15 P21溶融亜鉛めっきの関連リンク

溶融亜鉛めっきとは、約450℃に溶けた亜鉛の中へ製品を浸せきしてめっきする方法です。亜鉛めっきするためには、様々な加工条件が必要となります。このカタログでは亜鉛めっきを施すために必要なポイントを解説していますので、ご参考にして頂ければと思います。

「溶融亜鉛めっき」めっき規格1

めっきの規格

エコZについて

鉛レス・カドミウムレス溶融亜鉛めっき(RoHS指令等環境規制対応)

■「エコZ」の化学成分 ■「エコZ」の使用亜鉛地金

1

厚さ5㎜以下の鋼材・鋼製品、鋼管類、直径12㎜以上のボルト・ナット及び厚さ2.3㎜を超える座金類。

(JIS H8641より)

1種

2種

厚さ1㎜以上2㎜以下の鋼材・鋼製品、直径12㎜以上のボルト・ナット及び厚さ2.3㎜を超える座金類。

HDZ 55以上の長期的な防錆が要求される鋼材・鋼製品。※素材にショットブラスト加工が必要とされる

厚さ5㎜を超える鋼材・鋼製品、鋼管類及び鋳鍛造品類。

4回

5回

28~42

35~49

49以上

56以上

63以上

69以上

76以上

HDZ A

HDZ B

HDZ 35

HDZ 40

HDZ 45

HDZ 50

HDZ 55

EZA

EZB

EZ 35

EZ 40

EZ 45

EZ 50

EZ 55

厚さ2㎜を超え3㎜以下の鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。

厚さ3㎜を超え5㎜以下の鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。

厚さ5㎜を超える鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。

過酷な腐食環境下で使用される鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。

*平均めっき膜厚、適用例は参考となります。

1. HDZ55のめっきを要求するものは、素材の厚さ6㎜以上であることが望ましい。素材の厚さが6㎜未満のものに適用する場合は、事前に受渡当事者間の協定による。 (ISO規格でも、付着量550g/㎡を得るためには素材の厚さを6㎜以上としています。)2. 表中、適用例の欄で示す厚さ及び直径は、呼称寸法による。3. 過酷な腐食環境は、海塩粒子濃度の高い海岸、凍結防止剤の散布される地域などをいう。4. めっき膜厚とは、めっき表面から素材表面までの距離をいう。5. 1種A及び1種Bの平均めっき膜厚欄の数値は、硫酸銅試験回数から推定した最小めっき皮膜厚さの範囲を示す。6. 平均めっき膜厚は、めっき皮膜の密度を7.2g/㎤として付着量を除した値を示す。7. HDZ110のめっきについては、JIS標準規格ではありませんので事前協議が必要とされます。(板厚選択・材料成分の選定、ブラスト処理等)

備 考

種類・記号 平均めっき硫酸銅試験方法 膜厚μm(参考)

350以上

400以上

450以上

500以上

550以上

- 152以上当社特別仕様 EZ 110 1,100以上

付着量g/㎡

RoHS指令値(閾値)

エコZ(浴・被膜成分)

従来のめっき浴

試験回数当社記号(鶴見工場エコZ)

0.1以下(1,000ppm以下)

0.02以下(200ppm以下)

0.8~1.3

0.01以下(100ppm以下)

0.005以下(50ppm以下)

0.05~0.13

99.5以上

97.5以上

亜鉛(%)

カドミウム(%)

鉛(%)

エコZ

従 来

99.995以上

98.5以上

最純亜鉛地金

蒸留亜鉛地金1種

0.002以下

0.4以下

0.003以下

1.3以下

カドミウム(%)

0.001以下

すず(%)

鉛(%)

0.002以下

0.025以下

鉄(%)

亜鉛種類 (%)

適 用 例 (参考)

『エコZ』は、RoHS指令を完全にクリアした鉛レス・カドミウムレス高純度溶融亜鉛めっき(JISH8641に準拠)です。従来の優れた防食性能は保持しつつ環境負荷物質を極限まで抑制した環境対応型溶融亜鉛めっきですので、あらゆる分野における環境対応型商品の防錆処理に適しています。

均一性試験

付着量試験

地球環境に、とっても優しいめっきで~す♥

2

JIS H 0401溶融亜鉛めっき試験方法めっき試験方法2

試験片をめっき前に秤量して、めっき後再び秤量し、その増量から付着量(g/㎡)を算出する方法。

磁力式測定装置(電磁膜厚計)を用いて製品のめっき皮膜厚さを測定し、その皮膜厚さから換算によって付着量を算出する方法。

めっき皮膜厚さ測定箇所数は、切断面(板厚面)または端部及び角から10㎜以内の部分は除き製品の大きさによって❶~❺のいずれかに依る。

❶ 2㎡以上の場合は3ヶ所以上。

1カ所につき5点以上を測定し、その平均値を1ヶ所当たりのめっき皮膜厚さとする。なお、測定点数は受渡当事者間の協定によって5点以外としてもよい。

換算付着量は、めっき皮膜密度を7.2g/㎤として換算する。

❷ 100㎠以上2㎡未満の場合は1ヶ所以上。❸ 100㎠未満の場合は1ヶ所。

必ず試験片を用意してください。試験片は、受渡当事者間の協定によって、次のいずれかの方法で採取する。

❶素材をそのまま試験片とする。❷製品を代表する素材から試験片を切り取る。※管類の場合は、両端からそれぞれ長さ約60㎜の管状試験片を1個採取する。※圧延鋼材類及び加工品類の場合、長さは約100㎜とする。板の場合は約100㎜×約100㎜とする。

❸素材から試験片を切り取ることができない場合は、それに使われたものと同一材料から試料を採取し試験片とする。

❹ 2mを超える長さの場合は、両端及び中央の3ヶ所。❺ 2m以下の場合は、中央の1ヶ所。

直接法

めっきされた試験片を秤量した後、塩酸でめっき皮膜を溶解除去し、再び秤量し、その減量から付着量(g/㎡)を算出する方法。

間接法

試験方法

付着量(g/㎡)=7.2×めっき厚さ(μm)

付着量試験

磁力式厚さ試験

測定箇所

操作及び付着量への換算

3

仕上げ完了後、ハンドリングによるめっき皮膜の亀裂、又は剥離の有無を調べる。めっき皮膜に亀裂または剥離がない場合は、合格とする。

必ず試験片を用意してください。JIS H 0401に規定されたハンマで試験片に打撃を加えた時のめっき皮膜の表面状態を調べる。試験片は、表面が平坦で約40㎜以上×40㎜以上×厚さ8㎜以上とする。打撃は、4㎜間隔で平行に5点行い、その打痕間の剥離及び浮き上がりを調べる。ただし、角または端から10㎜以内は試験対象外とし、また同一箇所を2回以上叩いてはならない。ハンマ試験を行った結果、打痕間に連続した浮き上がりまたは剥離がない場合は、合格とする。

必ず試験片を用意してください。めっきされた試験片を硫酸銅溶液の中に60秒浸漬し、これを規定回数繰り返し、試験片表面の金属銅析出の有無を目視で判定する方法。

■100㎜×100㎜試験片の測定箇所 ■製品の溝形鋼2,100㎜を試験片とした場合の測定箇所

100㎜

100㎜

10㎜

10㎜

t

2,100㎜

❶~❺箇所

❻~10箇所

11~15箇所

❷ ❸

❹ ❺

※■の範囲は測定除外です。※1箇所につき5点測定し、両端及び中央の3箇所、 計15箇所します。5点測定の平均値を1箇所当た りの、めっき皮膜厚さとします。

※硫酸銅試験1回当たりの浸漬では、8μm程度の厚さが減少する。

❶(5点測定)

(5点測定)

(5点測定)

磁力式厚さ試験(膜厚測定)

硫酸銅試験

密着性試験

ハンマ試験参考例

目視による方法

ハンマ試験

測定参考例

60 90° 試験片

頭部質量213±3g

かし材・質量約70ga 90° 硬さ(ビッカース硬さ)HV284以上

先端角度90°刃先R0.8以下

a部詳細

R7520

4

各工場のご紹介めっき可能な素材サイズ3

2サイズの釜(めっき槽)を有し、サイズに適した“めっき”と環境問題に取り組み、高品質を可能に。鶴 見

小山工場吊能

力は

国内最大級だ

よ!!

かなり重たい

製品も

めっきが出来

るのだ!

凄いぞYG!!

鶴見工場について

長さ12,200㎜、深さ3,000㎜まで対応可能な大型めっき槽完備。小 山

SINCE1951

SINCE1998

小山工場について

↑は引き上げ方向、( )は有効寸法です

12,500×2,100×3,200

2,100(2,000)

3,200(3,000)

3,200(3,000)

12,500(12,200)

幅2,000㎜

幅2,000㎜

深さ3,000㎜

3,600

小釜 3,600×1,300×1,7001 基

大釜 6,500×1,300×1,900

    1 基

(3,300)

↑は引き上げ方向、( )は有効寸法です

1,300(1,200)

1,700(1,600)

6,500(6,200)

1,300(1,200)

1,900(1,700)

幅1,200㎜

幅1,200㎜

小釜1,600㎜大釜1,700㎜

最新の技術情報と環境対応型商品の亜鉛めっきを始めた鶴見工場。横浜ガルバーの最新技術及び高品質を支えるスタッフと設備がここにあります。

複雑で大型な鋼構造物に対応するための最新鋭機械設備と、充分な幅と深さを有する12m級の大型めっきラインは、敷地面積の大きさと相まって、ハンドリングも含め、大規模な処理能力を発揮します。

コラム柱のめっき可能な仕口部の最大寸法

コラム柱のめっき可能な仕口部の最大寸法

国内最大級

吊能力20t/単重

吊能力3t/単重

脱脂(ニスや油脂の除去)で除去出来ないもの

※P17参照(マーキングは水性マーカーを使用して下さい)

サビが多くて深

くて...

サビ止めプライ

マーが付着...

.

困ったなぁ...

前処理で除去

できないよ...

前処理は大切だワン!

■厚いニスや油脂類の焼付き■油性のペイントマーカーやマジック※

酸洗(錆や黒皮の除去)で除去出来ないもの

■深い赤錆■熱処理による厚いスケール

1:脱脂時のご注意

2:酸洗時のご注意

他に、こんな物も前処理で除去出来ません

■シール粘着跡 ■塗料の付着■溶接スラグ  ■スパッタ■スパッタ防止剤 ■鋳 砂

3:その他のご注意

5

前処理はキレイなめっきの重要な工程前処理工程で除去出来ないもの4

キレイな仕上りの為に上記の付着がある場合は、ブラスト処理等、機械的に除去する必要があります

苛性ソーダ・オルソケイ酸ソーダ5~12%溶液70~90℃

硫酸5~15%溶液溶液40~60℃または塩酸5~15%溶液、常温

深さ

吊り金具溶接

※吊り孔・吊り金具が無い場合

ℓ2

ℓ1―520~50

ℓ1

ℓ1―5 ℓ2―5 ℓ2―5

吊り孔10φ以上

6

めっき用吊り孔と吊り方について吊り方に関するポイント5

深さ

※鶴見工場ℓ1=6,200ℓまで 小山工場ℓ1=12,200ℓまで

吊り方は

安全性はもちろ

ん、

めっきの仕上りに

影響しますよ。

吊り孔と、吊り金具は、製品の形状や重さによって変わりますので、ご相談下さい。

吊り孔と吊り金具の例

製品の吊り方の例

階 段

例:鉄板類 例:肉厚重量加工品

溝形鋼

枠製品

架 台

7

確認ポイント紹介めっき浴へ浸せきするための条件6

確認ポイント:3

←貼り合わせ

鉄の比重…7.85 溶融亜鉛の比重…約6.6

■鉄と亜鉛は比重が近く、製品内に空気が入って いると、めっき浴の中に製品を浸せきする事が 出来ません。

■製品上部には空気を抜く孔。下部には亜鉛を 入れて抜くための開口が必ず必要になります。

■密閉構造や貼り合せ部に前処理液などの水分が 入った場合、体積が約3,000倍に膨張して水蒸気 爆発を起こす危険性があります。※貼り合わせ部の溶接についてはP12を参照願います。

空気や亜鉛の流れをスムーズにしないと

「歪み」や「やけ」の原因になったり

「水蒸気爆発」を起こし、製品が破損したりする等

安全面に影響をするので十分注意してね。

←空気を抜く孔が必要

←底面は開口(孔の場合は出来るだけ大きく)

空気

空気が入っていませんか?

空気、亜鉛抜きの孔、開口はありますか?

密閉構造になっていませんか?貼り合わせの様な二重構造になっていませんか?

確認ポイント:1

確認ポイント:2

8

A.形鋼製品の場合 ❶製品の孔あけポイント7

改良スカラップ工法・ノンスカラップ工法の加工例

ノンスカラップ工法の不具合例

亜鉛溜まりや、不めっきが発生する可能性がありますので営業担当者と打ち合わせ願います。

梁フランジ

スカラップR35mm以上

孔加工 径35mm以上

スカラップ R40mm以上

ウェブ

回し溶接部止端

ウェブ

柱フランジ

梁フランジ

柱フランジ

隅角部 改良スカラップ工法での柱梁接合部

ノンスカラップ工法での柱梁接合部

すみ肉サイズ+5㎜以上

すみ肉サイズ+5㎜以上

9

A.形鋼製品の場合 ❷

めっきにはスカラップが必要ダヨ!!ヨシ!!

袋状になる箇所には空気が溜まり、ニス・油脂・錆・黒皮などを前処理工程で除去出来ないため、不めっきになります。また、亜鉛が流出できない場合、亜鉛溜まりが起こります。

空気溜まりはめっきの大敵です。

スカラップの取り方の例

空気溜まり=不めっき

空気溜まり=不めっき

スカラップ

スカラップ

スカラップ

スカラップ

スカラップ

スカラップ スカラップ

1 2

3

3つの面が集まる部分にはスカラップが必要です亜鉛溜まり

スカラップ

スカラップ スカラップ

スカラップ

スカラップ

スカラップ

10

B.パイプ製品の場合製品の孔あけポイント7

推奨空気抜き用孔径(例)

製品を溶融亜鉛めっきする際は、空気を抜く孔や亜鉛を流入、流出する孔が必ず必要です!

亜鉛めっきに孔は絶対必要です!

内部孔の方が

外部孔に比べ

高品質になる

よ!

パイプ径 50A [60.5ø] 40A [48.6ø] 32A [42.7ø] 25A [34.0ø] 20A [27.2ø] 15A [21.7ø]

推奨孔径※ 22ø 20ø 16ø 14ø 12ø 10ø

オープン

同 径

孔はなるべく際に!

内部孔の場合

立体加工の孔位置

外部孔の場合

内部貫通孔 孔あけ

空気抜きの孔はパイプ内径とほぼ同径が必要となります。コーナー付近の孔はなるべく際にあけてください。

※孔径は製品構造によっても変りますので、事前にご相談下さい。

■穴あけ加工例

孔あけ 孔あけ

孔あけオープン オープン

オープン

オープンオープン

オープンオープン

オープン

孔あけ

孔あけ

孔あけ

孔あけ

内部貫通孔

内部貫通孔

11

C.パイプ、その他の場合

密閉構造の場合

内面にカエリがある場合

ダイヤフラム部の孔あけ目安

両端とも内径に等しく開放できない場合、図のような切欠きを付ける。

丸パイプ 角パイプ

オープン

孔あけ

孔あけ

孔あけ

オープン

孔あけ

孔あけ

孔あけ

仕切板

ボックスサイズ[H+W]

中央孔直径A

四隅孔半径B

200 150

150 130

150 100

150 75

130 75

100 75

100 50

75 50

600+600

450+450

400+400

350+350

300+300

250+250

200+200

150+150

*単位㎜

■切欠きの大きさは内面積の30%以上解放されているものとし、素材直径が76㎜未満は45%以上とする。

孔あけの目安

右の早見表を

活用してね。

AB

(ベース側) (ベース側)

H W

※1 ※2

※3

12

溶接での貼り合わせ溶接合せ加工について8

貼り合せ品のめっきについては事前相談した方が安心です。

※1 密閉状態で溶接ピンホールから水分がしみこみますと、めっき時、亜鉛浴中で水蒸気爆発を起こし大変危険です。

※2 貼り合わせ隙き間に水分が入りますので、めっき後の錆汁発生はまぬがれません。

※3 貼り合わせ部の面積が400㎠を超える場合は左の図の様に全周溶接を行い、Bに孔を開けAと栓溶接を行い穴を埋め、溶接部分は、平滑に仕上げを行う方法もあります。a×b=400㎠を超える毎に1箇所加工を行う。穴径については板厚によって異なるため、事前打合せを行って下さい。

鉄板の貼り合せ時のご注意

密閉状態にならない様な対策はされていますか?

長尺品貼り合わせ時のご注意

断続溶接または、ちどり溶接がされていますか?

鉄板の貼り合わせ

長尺品の貼り合わせ

AAA

A

A

B

B

BBB

栓溶接

全周溶接

断続溶接 全周溶接

変形例

a

b

■貼り合わせ構造部は爆発事故を防止する為、必ず孔あけ又は断続溶接を行い密閉状態にならない様に しなければなりません。面積が大きい場合は溶接せず、単品毎めっきを行いボルト接合とするか400㎠を 超える毎に1個所の栓溶接をする事も一つの方法です。

■長尺品の合わせ構造は、図の様に断続溶接または、ちどり溶接を行って下さい。部材間の板厚差が大きい場合、 溶接割れや板厚が薄い部材に変形及び亀裂が発生する場合があります。

10ø以上の孔

※防止策として長尺製品を分割する事で変形及び亀裂の発生を軽減できます。

13

めっきによる歪について9歪の発生パターン❶

歪についてもっと知ろう!

歪の発生には多くの要因が起因します。

単体の場合[溶接加工が無い場合]

■鋼材の板厚の薄い物、長尺の物ほど歪量が大きくなる。

歪の原因は

1つじゃない

んだぁ。

考えてたら、

ボクまで

歪んできたよ

うな ....

波打ち歪が発生めっき前 全体的な湾曲の歪が発生

溝形鋼山形鋼

H形鋼の場合は捻れる事もあります

H鋼

丸パイプ 角パイプ

■歪の発生には、製品の構造・寸法及び構成する部材の形状・板厚、製作工程における曲げ加工や溶接の残留応力、 更にめっき条件等の数多くの要因が関与します。従って、めっき歪量を事前に定量的に予測する事は 極めて困難ですが、左右対称の構造であれば歪は少なく、溶接箇所が少ない方が単純な歪となります。

例:鉄板類

例:形鋼類

例:鋼管類

■小径管の場合、長さに比例して全長に対する歪量が増加する。■径大管の場合、管径に比例して真円度が悪くなる。

例:鋼板類の残留応力

■熱間加工時に生じた歪みを冷間加工で矯正すると、残留応力が 生じます。めっき時の加熱によりこの残留応力が解放されて、 もとの状態に戻ろうとするため、歪みを生じることとなります。

めっき前

鋼板

めっき前 冷間加工の残留応力による歪み

14

歪の発生パターン❷めっきによる歪について9

溶接加工

溶接方法

■溶接方法と歪みの関係は、基本的には下図のようなことがいえますが、全体的な構造や溶接条件などに より発生しない場合もあります。

めっき前

めっき後

■異なる素材の組合せの場合 ■板厚差が大きい組合せの場合

歪発生し易い

歪発生し易い

歪やや発生し易い

歪最も発生し易い

波打ち発生反りと捻れ発生

LH

波打ち発生

溶接の残留応力による歪めっき前

縞鋼板

溝形鋼

発生例

残留応力による発生例

溶接側に引っ張られて全体的な反りが発生します。又、薄物の場合には波打ちが発生します。

歪発生少ない

歪発生少ない

15

歪を軽減することは可能です❶

1:素材の板厚が大きく異なる組合せは極力避け、めっき後ボルト接合をするのが望ましい。2:2.3㎜以下の薄板の溶接加工は避けた方が望ましい。3:折り曲げや溝つけ加工にする。

4:補強を入れる。

5:応力を逃す孔をあける。

7:部材間の溶接の板厚比を2.5以下にする。

6:溶接で拘束しない構造(縁切り)にする。

歪を抑える為の方法10

ここは、要チェックだワン!t2÷t1≦2.5以下が望ましいです。

拘束しない

■薄板加工や溶接構造物の場合、歪発生はまぬがれませんが、次に挙げる方法によって、多少は発生を 抑える事ができます。

拘束しない

■鋼構造部材では、補強材のあるものは歪が小さくなる。

■孔をあける事によって鉄板の波打ちを少しは抑える事ができます。

■板厚比が大きく異なると熱膨張の度合が異なり、波状の変形や 溶接部の破損が生じます。

■上部を分割する等によってさらに波打ちを抑える事ができます。

または

など

t1(薄板)

t2(厚板)(厚板)(薄板)

16

歪を軽減することは可能です❷歪を抑える為の方法10

適した加工を

すれば

歪は軽減でき

るんだ!

歪が減る事で

品質の向上に

繋がります。

径大管の歪み防止対策

歩廊・階段踊り場の歪み防止対策

W

階 段 踊り場

■径大管の場合、一般的に管径に比例して真円度が悪くなったり、溶接の 接続部において座屈を起こすことがあります。これらの現象を防止するため には、下記のような対策をとることが必要です。 ⅰ)管径に応じて板厚を増やす。(管長が管径の3倍以上の場合) ⅱ)歪・座屈を防止するため端部・内面に補強材を入れる。

W=1,000未満 ▶ 板厚4.5㎜以上

W=1,000以上 ▶ 板厚6.0㎜以上

管 径 必要最低板厚

t>3.2㎜

1500>D<500

1000>D<1000

D<1500

t>4.5㎜

t>6.0㎜

t>8.0㎜

裏面にFBまたはアングル材を400㎜以下の間隔で入れる。        ※写真参照

歪み防止のために好ましい板厚

歪み防止のための補強材の取り方

踊り場部をコの字型加工し分割にする。               ※図参照

歪み防止のための分割形式

裏面に補強材を入れた床板

踊り場分割部の拡大図

D<500

17

マーキングの方法及び注意点判別方法11

めっき前の塗料による判別方法

めっき後の判別方法

マーキングが消えちゃった ...どうしよう.....

本体に溶接

■亜鉛めっき前処理工程(脱脂・酸洗)で除去可能な塗料、水性マーカー等をお使いください。 (推奨銘柄としてはサクラ水溶性マーカー WSC、ピグマックスマーカー、三菱ユニポスカ等)

文字は大きく、打刻は深く!■本体または金札に刻印(文字サイズ10㎜以上)を できるだけ深く打刻して下さい。

打ち抜き、または溶接!

金札に溶接記号

金札に刻印

溶接での本体マーキングも効果的!■本体に溶接で文字・数字を図のように描く方法は、 使用範囲が限定されますが、有効な方法の1つです。

金札の取り付けには、10番線より太い番線を使用して下さい。

■金札に文字・数字を写真のように溶接で描く。 また、打ち抜く方法も有効です。

1:刻印付のメタルタグを取り付ける

2:溶接札を取り付ける

3:製品に直接刻印する

18

ボルト、ナット及び可動部分のめっきについてかん合のクリアランス12

クリアランスは規格で異なります。

[1]ボルト・ナットのクリアランス

[2]ボルト孔径のクリアランス

[3]可動部等のクリアランス

d:ボルト径 r:ボルト孔径

スリーブジョイント 可動部

ボルト 標準寸法

ナット 0.4㎜タッピング(めっき後)

d≦20 r≦d+1.4~1.6

d>20 r≦d+1.9~2.1

ボルト 標準寸法

ナット 0.6㎜タッピング

0.3㎜減少

A  種 B  種

0.3㎜タッピング

■溶融亜鉛めっき鋼板桁橋梁設計示方書(案)では、 締付特性、ナット引張強さ、ねじ精度の管理面に より、めっき後ナットを0.4 ㎜タッピングするよう 規定しています。

■通常寸法のボルト・ナットをめっきすると、めっき皮膜によってはめ合わせが出来ないため、めっき前に オーバータップするか、めっき後、タップ立てする必要があります。めっき前にあらかじめオーバータップ する場合のクリアランスは次のように、ボルトサイズ、種々の団体規格により異なっています。

日本橋梁建設協会の標準クリアランス

ボルト 標準寸法

ナット 0.8㎜タッピング(めっき前)

■現在M8以上、付着量HDZ-35の場合は、ナットを 左記のようにオーバータップした後、めっきします。

鉄塔用ボルト・ナット

ただし、付着量HDZ-55の場合は、めっき後ナットを0.4㎜タッピングします。

■左記寸法によってオーバータップした後、めっき します。

■通常、黒素材のボルト孔のクリアランスは国土交通省 告示により、M20以下の場合、+1.0㎜、M20以上で +1.5㎜と定められています。しかし、めっきの場合、 規格・構造・板厚によってめっき皮膜が厚くなる為 標準寸法より0.4㎜~0.6㎜拡大する必要があります。

■スリーブ、シャフト、シャックル、ハンドル、ヒンジ等の かん合部、可動部のある素材は分解してめっきする 必要があり、通常直径 2.0㎜以上のクリアランスを 必要とします。ただし、用途、精度上、一様に規定 することは困難ですので事前にご相談ください。

参 考<日本電気工業会>

めっき用ボルト・ナットのクリアランスは、用途によって多少相違があります。

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ボルト、ナットや部分非めっきについてマスキング[非めっき]処理方法13

[1]ネジ部と部分非めっき処理

現地溶接作業等で必要とされる非めっき処理については

必ず事前に連絡してね。

■ボルトやナット単体ではめっき後に遠心分離機等により、ネジ部のたれ切りが可能ですが、鉄骨構造物に ついている場合は次のような処置を施しています。

タッピング加工

ナット→

■めっき前には非めっき部分にボルトやパテ養生や特殊な塗料を塗布する。

めっき前に非めっき処理

■めっき後、小径の場合タッピングによるネジさらいにて除去する。

めっき後の亜鉛除去

■部分非めっき処理することで、めっき後の溶接も 可能です。

めっき後の溶接加工

タッピング加工

↓ タップ

耐熱特殊塗料をめっき前に塗布

ナット内径部にマスキング(パテ等)

シール材を巻いてボルト締め

※めっき後はずす

ボルト

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溶融亜鉛めっき高力ボルトによる摩擦接合高力ボルト添接面の処理方法14

表面処理をすることで基準値以上のすべり係数を得られます

溶融亜鉛めっき高力ボルト接合設計施工指針および溶融亜鉛めっき高力ボルト接合施工管理要項が改訂になりました。

タナカ‒FC処

理って

とっても簡単

だし、

便利だなぁ!

ショットブラ

スト処理より

コストもぐぅ

~んと安いよ

!!

タナカ‒FC処理後

タナカ‒FC処理 施工中

■通常、溶融亜鉛めっき処理した鋼材をそのままの状態で高力ボルトによる摩擦接合した場合、建築基準法に 定められたすべり係数は得られません。 しかし溶融亜鉛めっき施工後に摩擦接合面へ下記のような表面処理をすることで、基準値 0.4 以上の すべり係数を得ることができます。

■国土交通省認定の「溶融亜鉛めっき高力ボルト接合工法」は、設計施工指針ならびに施工管理要領が 2010年に改定され、溶融亜鉛めっき高力ボルト技術協会よりタナカFC処理が指定されています。

■タナカ̶FC処理は、一度登録すると、以後の工事におけるすべり耐力試験を省略できます。■タナカ̶FC処理液と異なる種類のリン酸処理液でリン酸処理した摩擦面の組合せは使用してはいけません。

■ショットブラスト、グリッドブラスト、 サンドブラスト等によって表面粗度を (50μmRz)以上にすれば、0.45~0.50 程度のすべり係数が得られる。

ブラスト処理

■摩擦接合面を目荒らしした後に所定の、 りん酸亜鉛処理液を塗布し、その後 自然乾燥させるだけで規定のすべり 耐力が得られる。

タナカーFC処理(リン酸処理)

タナカ̶FC処理の登録したすべり試験結果は、繰り返し有効です

※ブラスト作業によりめっき合金層付近からめっき 皮膜が剥離する事があるので注意が必要です。

溶融亜鉛めっきを施すための製作上のポイント

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ホームページのご案内溶融亜鉛めっきの関連リンク15

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横浜ガルバー株式会社http://yokohama.z-mekki.com

秋田ガルバー株式会社http://z-mekki.com/company/c04.html

溶融亜鉛めっき鉄筋http://yokohama.z-mekki.com/new/data/

tekkin_pamphlet2.pdf

田中亜鉛鍍金株式会社http://z-mekki.com

エコZ(ROHS指令対応/鉛・カドミウムレスめっき)http://eco.z-mekki.com

日本溶融亜鉛鍍金協会http://www.aen-mekki.or.jp

初 版 平成23年 1月第二版 平成26年11月

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本社工場<JIS表示認証工場>〒010-1601 秋田市向浜1-7-3(向浜金属団地内) TEL 018-864-7500(代)

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