抗菌薬の適正使用 - Japanese Red Cross Society...抗菌薬のよくある間違いⅡ ③「CRPが下がり止まったので、別の抗菌薬に変更しよう」 ・効果判定はやはり臓器症状を重視する
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抗菌薬の適正投与
平成28年10月17日(月)中会議室
院内感染対策室 大西宏明
①感染症を疑い、微生物を同定②抗菌薬を選択③抗菌薬を評価
「彼を知り己を知らずんば百戦危うからず」(微生物)(患者背景・抗菌薬)
参考文献「JAID/JSC感染症治療ガイド2011」
ライフサイエンス出版「抗菌薬Navi」南山堂
「トライアングルモデルで身につける感染症診療の考え『型』」
羊土社
抗菌薬の適正投与
• 感染症を疑うこと
• 培養検査の重要性
• ガイドラインを参考
• 抗菌薬の特性・副作用を理解
• デエスカレーションも考慮
• PK/PDを理解して投与
• 血中濃度測定
①疑い、微生物を同定
②抗菌薬を選択
③抗菌薬を評価
感染症トライアングルモデル
TriangleModel
微生物
患者背景
対象臓器
選択すべき抗菌薬
忘れてはいけないPitfall
Pitfall
今後のマネジメント
抗菌薬
今後のマネジメント
68歳男性• X月13日昼食後に前胸部痛。かかりつけAクリニック受診。ACSが疑われてB病院に紹介された。B病院でECG・UCG施行ACSは否定された。
• 既往歴:逆流性食道炎・前立腺癌
• 意識清明 E4V5M6、BP 175/88、呼吸音:肺胞音、心音:整、腹部:正中部圧痛、マーフィー徴候なし
• 急性胃炎として対応された
初診時検査所見
8.0
4.7
11.5
0.57
0.7
24
30
194
139
4.1
105
0.05
g/dl
g/dl
mg/dl
mg/dl
mg/dl
IU/L
IU/L
IU/L
IU/L
mEq/L
mEq/L
mEq/L
mg/dl
TP
ALB
BUN
CRE
T-Bil
AST
ALT
ALP
LDH
Na
K
Cl
CRP
WBC
NEU
LYM
MONO
EOS
BASO
RBC
Hb
Ht
PLT
6850
86.0
12.3
1.5
0.1
0.1
510 x 104
15.7
44.3
18.7 x 104
/μl
%%%%%/μl
g/dl
%/μl
68歳男性
68歳男性• X月13日昼食後に前胸部痛。かかりつけAクリニック受診。ACSが疑われてB病院に紹介された。B病院でECG・UCG施行ACSは否定された。
• 急性胃炎として対応された
• 帰宅後も嘔吐、腹痛も改善せず、部位が右に変化してきたためC病院受診。
• 右季肋部に圧痛・筋性防御→胆のう炎(疑)
12時間後検査所見
7.8
4.6
13.4
0.61
1.5
26
29
206
223
137
3.8
103
5.31
g/dl
g/dl
mg/dl
mg/dl
mg/dl
IU/L
IU/L
IU/L
IU/L
mEq/L
mEq/L
mEq/L
mg/dl
TP
ALB
BUN
CRE
T-Bil
AST
ALT
ALP
LDH
Na
K
Cl
CRP
WBC
NEU
LYM
MONO
EOS
BASO
RBC
Hb
Ht
PLT
12620
88.0
7.6
4.2
0.1
0.1
499 x 104
15.5
43.1
20.0 x 104
/μl
%%%%%/μl
g/dl
%/μl
68歳男性
腹部CT:胆嚢腫大、壁肥厚、周辺脂肪織の混濁
68歳男性• 胆嚢炎のため入院、ABPC/SBT開始
• 消化器内科転科
• 入院翌日、炎症増悪しPTGBD(経皮胆嚢ドレナージ)
• 一旦退院
• X+2月5日、腹腔鏡下胆嚢摘出術
TriangleModel
微生物・大腸菌・クレブシエラ・プロテウス・嫌気性菌・腸球菌
患者背景60代男性
対象臓器胆嚢
●アンピシリン・スルバ●セフメタゾール●セフトリアキソン+メトロニダゾール
●観血が必要な場合●上腹部痛の鑑別●胆道系腫瘍?
Pitfall
外科的治療のタイミングを密に相談
抗菌薬
今後のマネジメント
胆嚢炎トライアングル→膿は外に出す
82歳男性• 5日前にマレーシアから帰国。本日の昼過ぎから急に悪寒・発熱(40℃)が出現。
• 既往歴:胆嚢摘出術
• 意識清明 E4V5M6、BP 153/76、呼吸正常、呼吸音:肺胞音、心音:整、腹部:膨満、発汗
• 輸入感染症が疑われて入院となった
初診時検査所見
6.7
3.4
21.4
0.93
1.9
46
20
336
284
141
4.1
105
0.75
2.35
g/dl
g/dl
mg/dl
mg/dl
mg/dl
IU/L
IU/L
IU/L
IU/L
mEq/L
mEq/L
mEq/L
mg/dl
ng/ml
TP
ALB
BUN
CRE
T-Bil
AST
ALT
ALP
LDH
Na
K
Cl
CRP
PCT
WBC
NEU
LYM
MONO
EOS
BASO
RBC
Hb
Ht
PLT
インフルエンザ肺炎球菌レジオネラ血液培養
4030
88.9
9.4
0.2
1.5
0.0
426 x 104
14.7
43.4
15.6 x 104
ーーー
/μl
%%%%%/μl
g/dl
%/μl
82歳男性
細菌検査
材料:静脈血
塗抹結果:グラム陰性桿菌(2/2セット)
グラム陰性桿菌による菌血症と診断され治療が行われた
発熱患者→培養検査(血液培養2セット)
菌血症=血流感染症=敗血症
カテーテル関連血流感染症
その他の菌血症
(腸管由来など)
肺炎
尿路感染症
腸炎など
<敗血症=Sepsis>
(mild~severe)(complicated)
GNR嫌気性菌
<菌血症or血流感染症>
SIRSを伴うもの
全身性炎症反応症候群(SIRS):体温>38または<36、心拍数>90、呼吸数>20またはPaCO2<32、WBC>12000または<4000
細菌検査
材料:静脈血
塗抹結果:グラム陰性桿菌(2/2セット)
培養同定:E. coli 1+
感受性結果
ABPC >16R
PIPC <64R
ABPC/SBT <8 S
CEZ <4 S
CAZ <4 SIPM/CS <1 SMEPM <1 SCFPM <0.5 S
AMK <4 SMINO =2 SFOS <4 SLVFX <0.5 S
良い喀痰と悪い喀痰①
Miller&Jones分類 適応
M1:唾液、完全な粘性痰 ×
M2:粘性痰の中に少量の膿性痰 △
P1:膿性部分が1/3以下の痰 ○
P2:膿性部分が1/3~2/3の痰 ◎
P3:膿性部分が2/3以上の痰 ◎
検査に適している
M1の痰 P3の痰
良い喀痰と悪い喀痰②細胞数/視野(100倍)
白血球数 扁平上皮
1 <10 >25 ×
2 10~25 >25 ×
3 >25 >25 ×
4 >25 10~25 ○
5 >25 <10 ◎
6 <25 <25 △
Geckler分類
口腔内汚染された材料
炎症を疑う材料
*6郡は気管吸引痰や気管支洗浄液の場合適している
M1の痰(Geckler1)
扁平上皮
M1の痰
口腔内
抗菌薬の適正投与
• 感染症を疑うこと
• 培養検査の重要性
• 各臓器のガイドラインを遵守して抗菌薬選択
• デエスカレーションも考慮
• PK/PDを理解して投与(AUC・Cmax>MICなのかTAMなのか)、血中濃度測定
• 抗菌薬の特性・副作用を理解
抗 菌 薬
合成抗菌薬
抗生物質
抗悪性腫瘍剤
化学療法薬
病原微生物に対する化学療法薬は、「抗菌薬」と総称される
化学療法とは化学物質を用いて病原微生物または悪性腫瘍細胞を宿主の生体内で発育抑制または死滅させる方法である。宿主に害を与えず疾病の予防および治療を行うことが重要である。この化学物質を化学療法薬という。
生物(微生物含む)が産生する化学質であって、低濃度で他の微生物の生育を阻止する物質
25歳男性• 12月31日から発熱(40℃)・咳、31日に休日当番医院受診。インフルエンザ抗原陰性であり、カロナールとクラリスが処方された。
• 解熱しないため、 1月1日に別の当番医療施設である病院を受診、インフルエンザ抗原陰性であり解熱剤としてロキソニンが処方された。
• 1月3日、発熱が続き摂食困難のため当番医ではだめだろうと考えて当院を受診。
診察時
• 摂食不可・咳・発熱:39度・喀痰なし・右腰痛
• 呼吸音:全肺野で肺胞音聴取、副雑音:聴取せず。SPO2=97%、BP120/76。
• 血液検査 CRP 11.6 H
LDH 256 H
BUN 7.2 L
Cre 0.81
WBC 3600
RBC 551 H
Plt 12.5
流行地域で発熱があることより、インフルエンザと診断してもいいかも?
胸部XP・CT
右下葉には軟部濃度や淡いスリガラス状影や斑状影などがみられ、気管支の壁肥厚を伴っている。(気管支肺炎:
マイコプラズマ肺炎の可能性?)
TriangleModel
微生物・非定型菌マイコプラスマクラミドフィラレジオネラ・細菌(定型菌)肺炎球菌インフルエンザ菌モラクセラ
患者背景若年男性生来健康
対象臓器肺
●ミノサイクリン●アジスロマイシン●クラリスロマイシン●レボフロキサシン
●常に結核の可能性●膠原病肺も考慮●重症度評価
Pitfall
ルーチンの追加検査不要
抗菌薬
今後のマネジメント
肺炎トライアングル
非定型肺炎(マイコプラズマ疑)
• 確定診断のために、喀痰培養(マイコプラズマ含)
• 入院して補液
• 抗菌薬:マクロライド系であるクラリスを服用していたので、耐性マイコプラズマと考えて、クラビット点滴(500mgx1/日)開始
• 呼吸器科に転科して1月11日に退院
2013.1.10
抗菌薬の適正投与
• 感染症を疑うこと
• 培養検査の重要性
• 各臓器のガイドラインを遵守して抗菌薬選択
• デエスカレーションも考慮
• PK/PDを理解して投与(AUC・Cmax>MICなのかTAMなのか)、血中濃度測定
• 抗菌薬の特性・副作用を理解
薬物動態
PK/PD
PK(Pharmacokinetics)
生体内における薬物の吸収,分布,代謝,排泄
薬力学
PD(Pharmacodynamics)
感染巣内の病原体に対する生体内での抗菌作用
PK/PD
坂本光男,柴孝也:内科92(5):832-835,2003を基に作図
生体内で薬剤がどれだけ有効に利用され、また作用しているかを考えたもので,
投与量に対する作用と時間の関係を示すもの
(血中であって組織ではないことに注意)
42
4
121086
6
2
1
8
時 間(時)Tmax
血中濃度(
μg/mL)
T1/2β
Cmax
Time above MIC
MIC(最小発育阻止濃度)
AUC above MIC
AUC sub MIC
AUC = AUC above MIC + AUC sub MIC
桑原章吾、山口惠三:抗微生物薬の基礎知識.南山堂1998
薬剤投与後の血中濃度(抗菌薬のPK/PD)
治療効果に影響する抗菌薬の体内動態パラメーター
ペニシリン系薬セフェム系薬
アミノグリコシド系薬フルオロキノロン系薬
カルバペネム系薬グリコペプチド系薬マクロライド系薬
抗菌薬
Time Above MIC
AUC/MIC, Cmax/MIC
Time Above MIC
AUC/MIC
PK/PDパラメーター
時間依存性
濃度依存性
時間依存性
短いかなし
あり
あり
薬力学的特徴
殺菌作用 PAE
戸塚恭一:日常診療に役立つ抗菌薬のPK/PD
抗菌薬のPKPDパラメータ と抗菌作用
抗菌薬 菌の分類 増殖抑制作用を
示す %>MIC
最大殺菌作用を示す %>MIC
ペニシリン系
グラム陽性菌 30%以上 50%以上(40~50%)
グラム陰性菌 30~40% 70%以上
セフェム系
グラム陽性菌 40%以上 60~70%(40~50%)
グラム陰性菌 30~40% 70%以上
カルバペネム系 グラム陽性菌
グラム陰性菌
20~30% 40~50%
戸塚恭一「日常診療に役立つ抗菌薬のPK/PD」
抗菌薬 菌の分類 増殖抑制作用を示すAUC/MIC
増殖抑制作用を示すCmax/MIC
フルオロキノロン系 グラム陽性菌
グラム陰性菌
AUC/MIC>25~30
AUC/MIC≧100~125
(コンプロマイズドホスト等)
Cmax/MIC≧
8~10
(コンプロマイズドホスト等)
200mg×2/日療法はより高いAUCが得られる
NQは、AUC(血中濃度曲線下面積)と臨床効果が相関する
NQの効果= = AUICAUC
MIC90
キノロン薬は1回投与量を増やすとAUCを大きくとることができ、高い臨床効果が期待できます。
(長崎大学医学部 内科学第2 教授 河野茂)
クラビット100mg×3/日 クラビット200mg×2/日
(μg/mL) (μg/mL)
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
0 5 10 15 20 25 (hr)
1.7倍
AUC
投与量
1.3倍
AUC=21.2μg・hr/mL
時 間
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
0 5 10 15 20 25 (hr)
時 間
AUC=35.2μg・hr/mL
(第一製薬株式会社研究所データ)
AUIC:area under the inhibitory time curve
血中濃度
― カルベニン 0.5g×4/日(点滴:30分)
― カルベニン 1.0g×2/日(点滴:1時間)
中島光好 他:CHEMOTHERAPY 39(3);242-264
0
10
20
30
40
50
(μg/mL)
12 180 24(hr)
時 間
%Time above MIC
1μg/mL 2μg/mL
0.5g×4/日 73.3% 58.5%
1.0g×2/日 48.5% 39.3%
6
カルベニンの投与設計の違いによる%T>MICの変化
PK/PDのまとめ
•セフェム系・カルバペネム系→投与回数を増やしてTAMを増やす
•アミノグリコシド・キノロン系→一回投与量を増やして、AUC・Cmaxを上げる
アミノグリコシドを分割投与セフェム系・カルバペネム系を回数を増やさずに1回量を増やす
ICTはここをみている
ペニシリン系
• β-ラクタム系抗菌薬、%T>MICに依存
• 天然ペニシリン・SBT/ABPC・TAZ/PIPC
• グラム陽性菌に強い、陰性菌の一部も
• アナフィラキシー反応が強い
• ペニシリンG:ペニシリナーゼを産生しないレンサ球菌(肺炎球菌)・髄膜炎菌に特に有効→感染性心内膜炎
• SBT/ABP:腸球菌・肺炎球菌・A群溶連菌→肺炎
• TAZ/PIPC:肺炎、誤嚥性肺炎、複雑性膀胱炎
ペニシリンG・ピシリバクタ(ユナシン)・ゾシン
内服ではAMPC(アモキシシリン):腸管からの吸収の良いABPC:サワシリン・オーグメンチン
セフェム系
• β-ラクタム系抗菌薬、%T>MICに依存
• CEZ・CTM・CAZ・CFPM
• グラム陽性菌~陰性菌の一部(腸球菌には無効)
• 比較的安全
• CEZ:SSIただし3時間を越えるOPでは追加投与
• CTM:ブドウ球菌・レンサ球菌→肺炎
• CFPM:MRSA・MRCNS・嫌気性菌に無効→発熱性好中球減少症
セファメジンα・パセトクール・モダシン・セフェピム
カルバペネム系
• β-ラクタム系抗菌薬、%T>MICに依存
• MEPM・BIPM・DRPM・PAPM/CS
• グラム陽性菌・陰性菌・嫌気性菌(最も広い)
• ほとんどのβ‐ラクタマーゼに安定
• 原因菌がわからない時点でのempiric therapy
• 弱点:MRSA・MDRP・S. maltophilia・メタロβ‐ラクタマーゼ菌・腸球菌
メロペン・オメガシン・フィニバックス・カルベニン
キノロン系
• DNAトポイソメラーゼ阻害、AUC>MICに依存
• 1世代・CPFX・LVFX・GRNX
• グラム陽性菌・陰性菌・非定型菌・嫌気性菌
• 比較的毒性が少ない、カマグにより吸収障害
• CPFX:グラム陰性菌(カルバペネム無効にも)
• LVFX:肺炎球菌・インフルエンザ菌・マイコプラスマ+肺移行→呼吸器用キノロン
• GRNX:第3世代+嫌気性菌・肺炎球菌↑
シプロキサン・クラビット・ジェニナック
第2世代以降をニューキノロンとかフルオロキノロンという
アミノグリコシド系
• 安定安全、Cmax>MICに依存(30分で投与)
• AMK・ABK
• グラム陰性菌のみ・+MRSA
• 耐性菌が少ない
• β‐ラクタム系抗菌薬と相乗効果
• 弱点:聴器毒性・腎毒性
アミカシン・ハベカシン
抗MRSA系
• AUC>MICに依存、VCM・TEICではトラフ15~20
• VCM・TEIC・LZD (補助としてRFP・FOM)
• MRSA・MRCNS・グラム陽性菌(耐性腸球菌)
• レッドネック症候群・腎毒性
• VCM:MRSA感染症(肺・皮膚・骨への移行悪い)、グ
ラム陽性菌による心内膜炎、発熱性好中球減少症、カテーテル関連感染症など
• TEIC:VCMより半減期が長い(23:8時間)
• LZD:腎機能低下、重症MRSA肺炎、骨・皮膚感染症
バンコマイシン・タゴシッド・ザイボックス
ダプトマイシン
• ダプトマイシンは、新しいリポペプチド系の静注抗菌薬で、MRSA感染による皮膚軟部組識感染や敗血症、右心系感染性心内膜炎などの治療薬。
• グラム陽性菌に抗菌力があり、MRSAを含む黄色ブドウ球菌、β溶血性連鎖球菌、α連鎖球菌、バンコマイシン耐性腸球菌を含む腸球菌などに対して比較的強い抗菌力を持っています。またグラム陽性桿菌や一部のグラム陽性嫌気性菌に対しても抗菌力。
• 血管内カテーテルや人工弁や人工関節など人工充填物の感染症で問題になるバイオフィルムに透過性があるといわれている。その一方で肺炎には無効。
• 副作用は少ないが、消化器症状・アレルギー・CPK上昇・筋肉障害があるので、週1回CPKをモニター。
キュビシン
ホスホマイシン
• 経口薬は腸管からの吸収が悪いが、嫌気性条件においてMICが低下するため、腸管感染症に適している
• 腸管感染症の原因菌であるサルモネラ菌・病原大腸菌・赤痢菌・カンピロバクター属に抗菌活性を示し、βーラクタマーゼに安定
• 注射薬では、セフェム系・ニューキノロン系と相乗効果や腎保護作用
抗菌薬の副作用と対策
ペニシリン系セフェム系カルバペネム系
マクロライド系
キノロン系
アミノグリコシド
VCM・TEIC
LZD
アレルギー間質性腎炎肝障害血球減少
肝障害QT延長
中枢神経系腎障害QT延長
腎障害聴力障害
Red neck症候群腎障害血球減少
血小板減少
問診・ショック対策
併用薬注意
併用薬注意
TDM(1回投与)
点滴時間を長くする
TDM
長期投与を避ける
抗菌薬TDMガイドライン
• バンコマイシン: 目標トラフ10~20 μg/mL
• テイコプラニン: 目標トラフ10~30 μg/mL
• アルベカシン: 目標Cpeak15~20 μg/mL
• アミカシン
• ボリコナゾール: 目標トラフ>1~2 μg/mL
日本化学療法学会/日本TDM学会
孫子の兵法
「彼を知り己を知らずんば百戦危うからず」
「百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」
竹簡孫子
抗菌薬の知識も大事だけれど、感染対策の知識も重要だよ