通信キャリア提供のシステムも 自由に操作できる 業務をイメー … ·...

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BluePrism.com/Japan 通信キャリア提供のシステムも 自由に操作できる 業務をイメージしながら 実装できるツール Customer Case Study

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Page 1: 通信キャリア提供のシステムも 自由に操作できる 業務をイメー … · は、Salesforceをインプットとする業 ... 意分野。業務改革にあたって、人的リソースの関係でやれな

BluePrism.com/Japan

通信キャリア提供のシステムも自由に操作できる業務をイメージしながら実装できるツール

Customer Case Study

Page 2: 通信キャリア提供のシステムも 自由に操作できる 業務をイメー … · は、Salesforceをインプットとする業 ... 意分野。業務改革にあたって、人的リソースの関係でやれな

判断を必要としない8割をピックアップし、自動化することにした。

業務改善に大きな影響を果たしたのは、Salesforceをインプットとする業務と基幹システムからリストを生成し、それを通信キャリアのシステムに登録する業務である。通信キャリアのシステムは他社のものであり、APIが提供されていない。そのため、システム化することはできないが、一定ボリュームがある業務である。

「通信キャリアから事前に変更通知が来るので、ロボットの修正は済ませておきます。ただ、テストができないことはネックですね。現時点では、リリース日に一気に修正をやり切って、新しいロボットを動かすことで対応しています。万一問題があっても、1~2日だけ人の対応へと戻して、早期に自動化へと戻す体制は整えています。Salesforceの作業としては人とロボットが同時に進めることができるよう、設定を調整して対応している。」(佐藤氏)

そのほか、明細書の発行業務など、現在、適用したのは53業務。中には月間百数十時間を削減した業務もあり、当初の目標どおり月間900~ 1000時間の削減を果たした。

ノウハウを伝え、さらなる浸透を

宮地氏は、「RPAの存在をさらに社内に浸透させていきたいのです」と話す。「ロボットの挙動がおかしい場合に、よく調べると社内システムに更新があったというケースがありました。通信キャリアのシステムは事前に変更予定を教えてく

れますが、社内はおろそかになりがちです。周知されると共に、RPAのメリットについても理解してもらいたいですね」。

実際に、社内にCoEのような組織を作りたいという考えもある。北迫氏は、「膨大な定型業務を伴うものであればRPAの得意分野。業務改革にあたって、人的リソースの関係でやれないと考えてしまうのではなく、“RPAが前提の業務設計”をしてもいいのではないかと考えています」と話す。現場から広く業務改革のアイデアを募ることができれば、RPA前提の改革アイデアが出てくるかもしれない。

宮地氏は、「RPAは極めて有用なツールです。最初に苦労したぶんだけ、愛着もあります。現在使用しているのは自部門だけですが、他部門でも効率化できる業務はあるはずです。ソニーグループの定例会でも情報交換をしているのですが、社内やグループ内でBlue Prismを使ってみたいと考えている人たちに、私たちのノウハウを積極的に提供していきたいと考えています」と話している。

当初は、「そもそもRPAとは何か?」という初歩の初歩から調べ始め、複数のソフトウェアメーカーを訪問。コンサルティング会社にも提案を依頼した。「製品スペックは各社変わらず、それだけを並べて比較するのは困難でした。そこで、業務にフィットするかどうかという視点で2つに絞り込み、Blue Prismの採用を決めました。Blue Prismは、複雑で分岐の多い業務にフィットすると評価しました」(北迫氏)。

業務をイメージしながら設計・開発

ソニーネットワークコミュニケーションズの改善課題であった業務は、オペレーターが手入力するいわゆる転記作業が多く、Blue Prismならその流れをスムーズにトレースできた。また、処理するデータの軸である顧客を中心に、業務をフローチャートのように分岐させてオペレーターの動きを可視化しながら設計できることも魅力だった。そして、最も重要なのは、通信キャリア(回線接続先となる通信会社)が提供するシステムをうまく操作できるかどうかだ。この部分もBlue Prismはクリアした。

運用課 チーフ 佐藤 公志氏は、「Blue Prismは、比較したソフトに比べると、すべてを平準化して吸収した上で画面操作できるイメージでした。私たちの業務は通信キャリアと密に関係していますから、このメリットがBlue Prism採用の決め手になりました」と話す。

操作研修は約20時間。これで基礎は学べたが、実際の業務に適用しようとなるとさらなる学びが必要だった。初期導入はコンサルティング会社に任せることにし、約半年間で実際にBlue Prismの開発にかかわりながらソフトの知識を深めていった。「複

雑な処理をしようとすると、プログラミングの知識があった方が良い部分もありました。そうした感覚の穴埋めのために、初期開発は貴重な時間でした」(佐藤氏)。

運用課 宮地 竜介氏は、導入が決まってからプロジェクトに参画。新卒で入社して2

年目に配属された部署だった。「私はプログラミングの経験すらなく、正直なところ、初めて触れたときは敷居の高いツールだなと感じました。ただ、Blue Prismを

使うと業務をイメージできるのです。コンサルティング会社の開発した“お手本”を参考にしながら運用することで、技術は自然と身についていきました」。

初期に洗い出された業務は、合計月間1200時間。その中から、人の手がどうしても必要になる業務を外し、900~ 1000時間分を当初のターゲットとした。顧客の入会時から、すべてのライフサイクルをサポートする業務の所々にBlue Prismが適用されている。大きな改善を果たしたのは、以下の2業務だ。

1つは、サポートデスクからの処理依頼を受ける業務。サポートデスクからの処理依頼は月間約6000件に及び、リクエストの種類は数百に及ぶ。とはいえ、各種のリクエストが均等に来るわけではなく、主なものをロボットに任せるだけでも大きな価値がある。そこで上位32のリクエストの中から、人の

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社(以下、ソニーネットワークコミュニケーションズ)は、Blue Prismを採用し、顧客のライフサイクルをサポートする業務のさまざまな場面で活用。通信キャリアのシステムとの連携部分など、システム化にコストのかかる定型業務などに適用し、月間900~ 1000時間の業務時間削減効果を得た。

Blue Prism & ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 2

複雑で分岐の多い業務にフィット

ソニーネットワークコミュニケーションズは、ソニーグループのインターネットサービスプロバイダー(ISP)として1996年より「So-net」を運営する企業だ。日本のインターネットの黎明期から抜群の知名度を誇っている。現在では独自の光回線を利用した超高速インターネットサービス「NURO 光」を提供するなど、会員数は300万人を超える。こうして培ってきたネットワークインフラ運営のノウハウは現在、IoT分野など新規事業への進出へと生かされている。

その同社において、カスタマーコミュニケーション部門は顧客満足度を高めるために重要なサービス窓口となるサポートデスクを担当する。同部門は大きく、直接的に顧客に接する部署と、業務プロセスを改善することで業務を効率化し、低コストかつ高品質なサービスを担保する部署に分かれる。今回RPA

の導入に携わったのは後者である業務設計部 運用課だ。

同課は、さまざまな業務効率化に携わっており、中でも大きな改革になったのがRPAの導入だ。すでに導入していたさまざまなシステムをまたぎ、オペレーターの業務時間を大幅に短縮する。始まりは、2017年の2月。RPAという言葉がバズワードとして浸透してきたことを受け、本格的な検討を開始した。

カスタマーコミュニケーション部門 業務設計部 運用課 課長 北迫 勇樹氏は、「新規システムの導入や既存システムの改修では高額になり、ROIを出せないものの、業務効率化のためにやりたいことはありました。そこにRPAが当てはまるのではないかと考えたのがきっかけです」と当時を振り返る。

プロジェクト対象範囲バックオフィス業務の業務改善プロジェクトとして実施。

サポートデスク

システム・ Salesforce ・ お客様向けマイページ ・ サポートデスク向けマイページ・ 各業務システム群 ・ ファイルサーバー等

・ 電話・ メール・ Webチャット・ LINE

・ 申込書類精査・ データ管理 (登録/変更/削除)・ ファイル管理 (精査/振分/ UP・DL)

バックオフィス

お客様情報管理

提携企業

・ コールセンター・ システム

コールセンター

お客様対応プロジェクト対象範囲

お客様

お問合わせ

コール(IN)メール(受信)

WEBチャット WEB

紙資料 スマホアプリ

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判断を必要としない8割をピックアップし、自動化することにした。

業務改善に大きな影響を果たしたのは、Salesforceをインプットとする業務と基幹システムからリストを生成し、それを通信キャリアのシステムに登録する業務である。通信キャリアのシステムは他社のものであり、APIが提供されていない。そのため、システム化することはできないが、一定ボリュームがある業務である。

「通信キャリアから事前に変更通知が来るので、ロボットの修正は済ませておきます。ただ、テストができないことはネックですね。現時点では、リリース日に一気に修正をやり切って、新しいロボットを動かすことで対応しています。万一問題があっても、1~2日だけ人の対応へと戻して、早期に自動化へと戻す体制は整えています。Salesforceの作業としては人とロボットが同時に進めることができるよう、設定を調整して対応している。」(佐藤氏)

そのほか、明細書の発行業務など、現在、適用したのは53業務。中には月間百数十時間を削減した業務もあり、当初の目標どおり月間900~ 1000時間の削減を果たした。

ノウハウを伝え、さらなる浸透を

宮地氏は、「RPAの存在をさらに社内に浸透させていきたいのです」と話す。「ロボットの挙動がおかしい場合に、よく調べると社内システムに更新があったというケースがありました。通信キャリアのシステムは事前に変更予定を教えてく

れますが、社内はおろそかになりがちです。周知されると共に、RPAのメリットについても理解してもらいたいですね」。

実際に、社内にCoEのような組織を作りたいという考えもある。北迫氏は、「膨大な定型業務を伴うものであればRPAの得意分野。業務改革にあたって、人的リソースの関係でやれないと考えてしまうのではなく、“RPAが前提の業務設計”をしてもいいのではないかと考えています」と話す。現場から広く業務改革のアイデアを募ることができれば、RPA前提の改革アイデアが出てくるかもしれない。

宮地氏は、「RPAは極めて有用なツールです。最初に苦労したぶんだけ、愛着もあります。現在使用しているのは自部門だけですが、他部門でも効率化できる業務はあるはずです。ソニーグループの定例会でも情報交換をしているのですが、社内やグループ内でBlue Prismを使ってみたいと考えている人たちに、私たちのノウハウを積極的に提供していきたいと考えています」と話している。

当初は、「そもそもRPAとは何か?」という初歩の初歩から調べ始め、複数のソフトウェアメーカーを訪問。コンサルティング会社にも提案を依頼した。「製品スペックは各社変わらず、それだけを並べて比較するのは困難でした。そこで、業務にフィットするかどうかという視点で2つに絞り込み、Blue Prismの採用を決めました。Blue Prismは、複雑で分岐の多い業務にフィットすると評価しました」(北迫氏)。

業務をイメージしながら設計・開発

ソニーネットワークコミュニケーションズの改善課題であった業務は、オペレーターが手入力するいわゆる転記作業が多く、Blue Prismならその流れをスムーズにトレースできた。また、処理するデータの軸である顧客を中心に、業務をフローチャートのように分岐させてオペレーターの動きを可視化しながら設計できることも魅力だった。そして、最も重要なのは、通信キャリア(回線接続先となる通信会社)が提供するシステムをうまく操作できるかどうかだ。この部分もBlue Prismはクリアした。

運用課 チーフ 佐藤 公志氏は、「Blue Prismは、比較したソフトに比べると、すべてを平準化して吸収した上で画面操作できるイメージでした。私たちの業務は通信キャリアと密に関係していますから、このメリットがBlue Prism採用の決め手になりました」と話す。

操作研修は約20時間。これで基礎は学べたが、実際の業務に適用しようとなるとさらなる学びが必要だった。初期導入はコンサルティング会社に任せることにし、約半年間で実際にBlue Prismの開発にかかわりながらソフトの知識を深めていった。「複

雑な処理をしようとすると、プログラミングの知識があった方が良い部分もありました。そうした感覚の穴埋めのために、初期開発は貴重な時間でした」(佐藤氏)。

運用課 宮地 竜介氏は、導入が決まってからプロジェクトに参画。新卒で入社して2

年目に配属された部署だった。「私はプログラミングの経験すらなく、正直なところ、初めて触れたときは敷居の高いツールだなと感じました。ただ、Blue Prismを

使うと業務をイメージできるのです。コンサルティング会社の開発した“お手本”を参考にしながら運用することで、技術は自然と身についていきました」。

初期に洗い出された業務は、合計月間1200時間。その中から、人の手がどうしても必要になる業務を外し、900~ 1000時間分を当初のターゲットとした。顧客の入会時から、すべてのライフサイクルをサポートする業務の所々にBlue Prismが適用されている。大きな改善を果たしたのは、以下の2業務だ。

1つは、サポートデスクからの処理依頼を受ける業務。サポートデスクからの処理依頼は月間約6000件に及び、リクエストの種類は数百に及ぶ。とはいえ、各種のリクエストが均等に来るわけではなく、主なものをロボットに任せるだけでも大きな価値がある。そこで上位32のリクエストの中から、人の

Blue Prism & ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 3

複雑で分岐の多い業務にフィット

ソニーネットワークコミュニケーションズは、ソニーグループのインターネットサービスプロバイダー(ISP)として1996年より「So-net」を運営する企業だ。日本のインターネットの黎明期から抜群の知名度を誇っている。現在では独自の光回線を利用した超高速インターネットサービス「NURO 光」を提供するなど、会員数は300万人を超える。こうして培ってきたネットワークインフラ運営のノウハウは現在、IoT分野など新規事業への進出へと生かされている。

その同社において、カスタマーコミュニケーション部門は顧客満足度を高めるために重要なサービス窓口となるサポートデスクを担当する。同部門は大きく、直接的に顧客に接する部署と、業務プロセスを改善することで業務を効率化し、低コストかつ高品質なサービスを担保する部署に分かれる。今回RPA

の導入に携わったのは後者である業務設計部 運用課だ。

同課は、さまざまな業務効率化に携わっており、中でも大きな改革になったのがRPAの導入だ。すでに導入していたさまざまなシステムをまたぎ、オペレーターの業務時間を大幅に短縮する。始まりは、2017年の2月。RPAという言葉がバズワードとして浸透してきたことを受け、本格的な検討を開始した。

カスタマーコミュニケーション部門 業務設計部 運用課 課長 北迫 勇樹氏は、「新規システムの導入や既存システムの改修では高額になり、ROIを出せないものの、業務効率化のためにやりたいことはありました。そこにRPAが当てはまるのではないかと考えたのがきっかけです」と当時を振り返る。

RPA導入経緯「サービス」×「販路」×「手続き」ごとに業務が存在し、

多品種少量の業務が大半を占める。

処理件数の多い業務

処理件数が一定数ある業務

処理件数の少ない業務

10種

20種

440種

30%

20%

50%

全タスク タスクボリューム 稼働時間割合

作業ボリュームが少ない業務について、システム化を行なった場合、費用対効果が見込めない。

RPAによる業務改善

470種

既存プロセスをコピー &ペーストし、新規プロセスを開発どの担当が開発しても、大体同一のフォーマットで

プロセス開発が可能。可読性の維持。

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判断を必要としない8割をピックアップし、自動化することにした。

業務改善に大きな影響を果たしたのは、Salesforceをインプットとする業務と基幹システムからリストを生成し、それを通信キャリアのシステムに登録する業務である。通信キャリアのシステムは他社のものであり、APIが提供されていない。そのため、システム化することはできないが、一定ボリュームがある業務である。

「通信キャリアから事前に変更通知が来るので、ロボットの修正は済ませておきます。ただ、テストができないことはネックですね。現時点では、リリース日に一気に修正をやり切って、新しいロボットを動かすことで対応しています。万一問題があっても、1~2日だけ人の対応へと戻して、早期に自動化へと戻す体制は整えています。Salesforceの作業としては人とロボットが同時に進めることができるよう、設定を調整して対応している。」(佐藤氏)

そのほか、明細書の発行業務など、現在、適用したのは53業務。中には月間百数十時間を削減した業務もあり、当初の目標どおり月間900~ 1000時間の削減を果たした。

ノウハウを伝え、さらなる浸透を

宮地氏は、「RPAの存在をさらに社内に浸透させていきたいのです」と話す。「ロボットの挙動がおかしい場合に、よく調べると社内システムに更新があったというケースがありました。通信キャリアのシステムは事前に変更予定を教えてく

れますが、社内はおろそかになりがちです。周知されると共に、RPAのメリットについても理解してもらいたいですね」。

実際に、社内にCoEのような組織を作りたいという考えもある。北迫氏は、「膨大な定型業務を伴うものであればRPAの得意分野。業務改革にあたって、人的リソースの関係でやれないと考えてしまうのではなく、“RPAが前提の業務設計”をしてもいいのではないかと考えています」と話す。現場から広く業務改革のアイデアを募ることができれば、RPA前提の改革アイデアが出てくるかもしれない。

宮地氏は、「RPAは極めて有用なツールです。最初に苦労したぶんだけ、愛着もあります。現在使用しているのは自部門だけですが、他部門でも効率化できる業務はあるはずです。ソニーグループの定例会でも情報交換をしているのですが、社内やグループ内でBlue Prismを使ってみたいと考えている人たちに、私たちのノウハウを積極的に提供していきたいと考えています」と話している。

当初は、「そもそもRPAとは何か?」という初歩の初歩から調べ始め、複数のソフトウェアメーカーを訪問。コンサルティング会社にも提案を依頼した。「製品スペックは各社変わらず、それだけを並べて比較するのは困難でした。そこで、業務にフィットするかどうかという視点で2つに絞り込み、Blue Prismの採用を決めました。Blue Prismは、複雑で分岐の多い業務にフィットすると評価しました」(北迫氏)。

業務をイメージしながら設計・開発

ソニーネットワークコミュニケーションズの改善課題であった業務は、オペレーターが手入力するいわゆる転記作業が多く、Blue Prismならその流れをスムーズにトレースできた。また、処理するデータの軸である顧客を中心に、業務をフローチャートのように分岐させてオペレーターの動きを可視化しながら設計できることも魅力だった。そして、最も重要なのは、通信キャリア(回線接続先となる通信会社)が提供するシステムをうまく操作できるかどうかだ。この部分もBlue Prismはクリアした。

運用課 チーフ 佐藤 公志氏は、「Blue Prismは、比較したソフトに比べると、すべてを平準化して吸収した上で画面操作できるイメージでした。私たちの業務は通信キャリアと密に関係していますから、このメリットがBlue Prism採用の決め手になりました」と話す。

操作研修は約20時間。これで基礎は学べたが、実際の業務に適用しようとなるとさらなる学びが必要だった。初期導入はコンサルティング会社に任せることにし、約半年間で実際にBlue Prismの開発にかかわりながらソフトの知識を深めていった。「複

雑な処理をしようとすると、プログラミングの知識があった方が良い部分もありました。そうした感覚の穴埋めのために、初期開発は貴重な時間でした」(佐藤氏)。

運用課 宮地 竜介氏は、導入が決まってからプロジェクトに参画。新卒で入社して2

年目に配属された部署だった。「私はプログラミングの経験すらなく、正直なところ、初めて触れたときは敷居の高いツールだなと感じました。ただ、Blue Prismを

使うと業務をイメージできるのです。コンサルティング会社の開発した“お手本”を参考にしながら運用することで、技術は自然と身についていきました」。

初期に洗い出された業務は、合計月間1200時間。その中から、人の手がどうしても必要になる業務を外し、900~ 1000時間分を当初のターゲットとした。顧客の入会時から、すべてのライフサイクルをサポートする業務の所々にBlue Prismが適用されている。大きな改善を果たしたのは、以下の2業務だ。

1つは、サポートデスクからの処理依頼を受ける業務。サポートデスクからの処理依頼は月間約6000件に及び、リクエストの種類は数百に及ぶ。とはいえ、各種のリクエストが均等に来るわけではなく、主なものをロボットに任せるだけでも大きな価値がある。そこで上位32のリクエストの中から、人の

Blue PrismについてBlue Prismは、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)のパイオニア、イノベーター、市場リーダーとして、世界中で新たな働き方を実現するデジタルワークフォースの成功に貢献しています。デジタルワーカーは、業務に新たなキャパシティを創出し、重要な業務を自動化するためのインテリジェント スキルを提供し、セキュリティ、コンプライアンス、スケーラビリティという重大かつ厳重な IT要件を満たします。Blue Prismは最先端のAIおよびコグニティブテクノロジを実現するためのスケーラブルで堅牢な実行プラットフォームを提供しており、Fortune

500社が選ぶ信頼できるセキュアなRPAプラットフォームとして認知されるようになりました。詳細はwww.blueprism.com/japanをご覧ください。お問合せ先:[email protected]

Blue Prism & ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 10180401

複雑で分岐の多い業務にフィット

ソニーネットワークコミュニケーションズは、ソニーグループのインターネットサービスプロバイダー(ISP)として1996年より「So-net」を運営する企業だ。日本のインターネットの黎明期から抜群の知名度を誇っている。現在では独自の光回線を利用した超高速インターネットサービス「NURO 光」を提供するなど、会員数は300万人を超える。こうして培ってきたネットワークインフラ運営のノウハウは現在、IoT分野など新規事業への進出へと生かされている。

その同社において、カスタマーコミュニケーション部門は顧客満足度を高めるために重要なサービス窓口となるサポートデスクを担当する。同部門は大きく、直接的に顧客に接する部署と、業務プロセスを改善することで業務を効率化し、低コストかつ高品質なサービスを担保する部署に分かれる。今回RPA

の導入に携わったのは後者である業務設計部 運用課だ。

同課は、さまざまな業務効率化に携わっており、中でも大きな改革になったのがRPAの導入だ。すでに導入していたさまざまなシステムをまたぎ、オペレーターの業務時間を大幅に短縮する。始まりは、2017年の2月。RPAという言葉がバズワードとして浸透してきたことを受け、本格的な検討を開始した。

カスタマーコミュニケーション部門 業務設計部 運用課 課長 北迫 勇樹氏は、「新規システムの導入や既存システムの改修では高額になり、ROIを出せないものの、業務効率化のためにやりたいことはありました。そこにRPAが当てはまるのではないかと考えたのがきっかけです」と当時を振り返る。

導入に当たっての考慮

リトライロジックを多用 ・ Web系のシステムは対向システムのレスポンス、ネットワーク環境などにより、処理時間が一定ではない。

・ 処理時間が規定を超える場合、リトライするなどRPA処理を継続させる工夫が必要。

夜間帯を活用 ・ RPAは、Javascriptを多用しているなど、最近のリッチコンテンツ(ポップアップ、横タブ)の認識が苦手、時間がかかる。

・ RPA処理に時間がかかることを前提に、夜間帯の有効活用など、スケジュール設計が必要。