電子スピン共鳴装置2 JES-FAシリ-ズがあなたのラボの...
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Serving Advanced Technology
JES-FA100/JES-FA200/JES-FA300
電子スピン共鳴装置
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JES-FAシリ-ズ があなたのラボの
新しいフルコンピュータコントロールのFAシリーズ
磁場制御システムを搭載したJEOLの超高感度ESR分光計は、
一台でルーチン測定からリサーチまで、あらゆるラジカル測定に対応します。
誰にでも使いやすいFAシリーズが、
あなたのベストラボパートナーになることをお約束します。
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ESR/EPR研究を変える
特徴■ WindowsをOSとしたフルコンピュータコントロール
■用途に応じて選べる3タイプのマグネット
■格段に向上した磁場設定精度と安定度
■マイクロ波周波数カウンタを内蔵
■誰にでも可能な安定した高感度測定
■ ESRのイメージを変える簡単なオペレーション
■微細なスペクトル分裂も確実にとらえるデータポイント
■応用範囲の広い自動連続測定モード搭載
■簡単なセッティングの豊富なアタッチメント
■コンピュータコントロールで設定可能なMnマーカ
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3タイプの高性能マグネット
FA100
FA200
FA300
T
0 1 2
磁場制御範囲
補助ポールピース磁場 0.65T
1.7T(Q-バンド専用機)
2.0T
1.3T
1.4T
最大磁場強度の異なる3タイプのマグネットを提供しています。FA200/FA300は、補助ポールピース(オプション)を設置することで、さらに高磁場での測定が可能となります。ただし、FA200にES-PP44(1.7T仕様)を装着した場合は、Q-バンド専用機となります。
ESR信号は、試料によって出現する磁場が異なります。目的試料の測定に適したマグネットを選択してください。特に金属錯体は、同一金属でも構造により信号を与える磁場が大きく異なるため、高磁場に対応したマグネットが必要なケースがありますのでご注意ください。
初心者から上級者まで、どなたにもお使いただけるESRを目指し、ESR技術の粋を結集して0.1%以下の磁場設定精度を実現しました。
JES-FA300JES-FA100 JES-FA200
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Q-Dip画面の機能共鳴磁場はアタッチメントや試料マトリックスにより変化します。FAシリーズでは、画面上で得られたスペクトルの中心磁場を、スライダの移動により視覚的に変更することができます(上から変更前、変更磁場に移動、設定)。
オートチューン
ダイレクト測定
Mnマーカ調整
Q値表示
中心磁場の設定AUTOTUNEボタンで、共振周波数のサーチ、結合度および位相の調整といった煩わしいマイクロ波の調整をワンタッチで行います。Mnマーカ強度の調整やQ値の確認も画面上で行います。Q-Dip画面からダイレクトに掃引を開始することもできます。
測定条件設定も簡単
試料の同定に用いられるg値は、マイクロ波周波数と磁場から決定します。FAでは測定前でもマイクロ波調整が完了していれば、画面上にポインタを置いた位置のg値表示が可能です。適切な磁場設定ができていることが簡単に確認できます。
測定前でもピーク位置確認
「ESRは難しい」を払拭する簡単な操作「ESRは難しい」を払拭する簡単な操作
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SIGNAL: Power 1 mWAmplitude 300
NOISE: Power 200 mWAmplitude 600
JEOLのESRは、低ノイズで安定したマイクロ波発振源であるGunn発振器とQ値が高く変調の均一性の良い内部変調方式の円筒(TE011)形キャビティを標準搭載しています。これにより誰にでも高感度測定が可能です。データは、1μM TEMPOLベンゼン溶液のスペクトルです。
6本の信号を与えるMn2+を中心磁場を20mTづつ変更して測定し、中央のスペクトルの磁場に合わせて表示しています。すべてのピークが揃っており、磁場の直線性が良好であることを表しています。
磁場直線性安定した高感度
ガルビノキシル(コッピンガー)ラジカルの最も小さい分裂を示すt-buthyl基の分裂(4.7μT)が得られます。
微細な分裂も検出する高分解能
50μT
微細な分裂を示すペリレンカチオンラジカルの中心付近をスキャンしたものです。吸収線の広幅化が生じていないことは、磁場が極めて安定していることを示しています。
1回掃引
50回積算
測定条件の異なる2波形を同時に取得できます。左下図は、ラジカル量の大きい試料をMnマーカと同時測定した例です。チャンネル1で試料信号、チャンネル2で増幅率を上げてMnマーカを測定しています。右下図ではチャンネル1に1st Harmonic、チャンネル2に2ndHarmonicを記録しています。
2チャンネル同時測定
磁場安定性
チャンネル1
チャンネル2
チャンネル1
チャンネル2
デ-タの信頼性を保証する高性能
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部分掃引スペクトルの部分掃引ができるため、任意の信号領域だけを測定することができます。最適な測定パラメ-タを決定する際に有用です。積算機能との併用も可能です。
信号強度は、測定して初めてわかるケースが多いですが、過渡的に生じるラジカルでは、再測定が困難な場合があります。FAシリーズは広いダイナミックレンジを確保していますので、オーバースケールによるデータのロスを回避することができます。
広いダイナミックレンジ
短寿命ラジカルの経時変化測定には、オートセーブ機能が便利です。予めAuto saveボタンをクリックすると、データのファイル名を指定できます。図はファイル名「FF-2」の4回目データ。
スペクトルのオートセーブ
[A] 336,539, g=2.00178
339,686, g=1.98082 [m2]
[A] 335.424, g=2.00598 [m1] 330,907, g=2.03337
2.00647 335.465
4.91076
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g値の測定g値を求める点をスペクトル上で指定するだけで、磁場と周波数から算出してg値を表示します。
g値の補正Mn2+信号をg値マーカとして用いて補正することで、より正確なg値を求めることができます。下図は、Mn2+の第3および第4信号をg値マーカとした例ですが、Mn2+の他の信号をマーカとして使用することもできますので、幅広いg値の補正に対応しています。
信号解析
スピン量定量
求めるピークを含む磁場領域を指定すると、ピーク高さおよび線幅を読み取って表示します。Mn2+ピーク高さを同様に読み取ると、相対強度を求めることができ、定量精度を向上させることができます。
ラジカル(スピン)の絶対量は、スペクトルの2回積分値に比例します。既知濃度の標準ラジカル(例:TEMPOL)で得られたスペクトルの積分値に対する、未知試料のスペクトルの積分値からスピン量が算出されます。下図では、20μMのTEMPOLを標準物質として、未知試料のスピン濃度をμM単位で求めています。
補正後
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測定したスペクトルから得られた信号強度、線幅、g値、スピン量の情報は全て各々テーブルファイルとして保存、印刷が可能です。求めた各値はスペクトルと共に印刷できます。
定性も定量もスムーズにする便利な機能
スペクトル間の減算目的スペクトルにバックグラウンドが含まれる場合、スペクトル上での減算が便利です。データは、黒のメインスペクトルから、試薬のバックグランドである緑のサブスペクトルを差し引き、赤のスペクトルを抽出した例です。スペクトルの加算も可能です。
スペクトルの部分拡大ベースライン補正ベースラインに歪みがある場合にはベースライン補正が可能です。ベースライン成分を直線あるいは多項式に近似し、補正します。
取込んだスペクトルの一部をマウスでドラッグして囲むと、拡大表示が可能です。64Kの高分解能により、拡大後も実用に耐えるスペクトルが得られます。
スムージングスペクトル取得後にスムージング処理を行うことにより、ノイズを低減できます。
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a)補正線の選択
b)補正後
シーケンシャル測定により得られた複数のスペクトルを1画面に表示します。二次元表示、三次元表示、等高線表示ができます。表示角度、目盛り線など右図に示したパラメータの変更が可能です。
自動連続測定(シーケンシャル測定) スタック表示
スタック表示(二次元) スタック表示(三次元)データはHypoxanthine-XanthineoxidaseのO2・-生成系にDMPOを添加して得られるDMPO-O2
-とDMPO-OHの経時変化を示したものです。初期(下段側)に見られるDMPO-O2
-が経時的に消失し、徐 (々上段側)にDMPO-OHが増加している様子を視覚的にとらえることができます。
試料に光照射しながら、生成するラジカルを経時的に測定したデータです。
増幅率や位相その他の測定条件を変化させながら、連続的にスペクトルを測定します。得られたスペクトルは自動的に保存されます。一定時間ごとの測定を実施すれば、スペクトルの経時変化を測定できます。マイクロ波出力や変調磁場を変えながら測定すれば、最適測定条件を簡単に求めることができます。温度可変装置(オプション)を用いて温度を自動的に変化させながら測定することも可能です。
1010
様々な測定に対応するプログラム
ルーチンワークをより便利に行うためのソフトウエアをご用意しています。
活性酸素消去能測定プログラム ES-16010
オプションプログラム
シミュレーションスペクトル解析に役立つシミュレーション(等方性/異方性)が標準で搭載されています。実測波形との比較からESRパラメータを決定します。
等方性シミュレーションマイクロ波周波数や信号の位置(g値)、核スピン(I)、超微細結合定数(a値)、分裂に関わる核の数、線形関数(ガウス形/ローレンツ形/混合形)、線幅を入力して線形計算します。
異方性シミュレーション等方性シミュレーションで用いるパラメータに加えて、異方性の情報(g値の異方性、a値の異方性、線幅の異方性)を用いて線形計算します。軸対称異方性および3軸異方性を扱うことができます。
活性酸素消去能評価専用プログラムです。データは、スーパーオキシド消去能評価の例です。左はDMPO-O2
-のスペクトルです。右は標準物質としてスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)を用いて作成した消去能の検量線です。これにより目的試料の消去能を算出します。同様に他の活性酸素種の消去能評価も可能です。
1111
スペクトルデータのテキスト化スペクトルデータは、64kポイントで取り込まれますが、ポイント数を減らしてテキスト化することによりExcel*等の表計算ソフトで加工できます。図は1024ポイントに変換した場合です。
*ExcelはMicrosoft社の商標です。
豊富な関連ソフトウエア
多様な測定を可能にするアタッチメント
温度可変装置ES-DVT4
-170℃から200℃の範囲で試料温度を任意に可変する装置です。光照射装置との併用が可能です。
挿入形デュワES-UCD3X
液体ヘリウム温度可変装置ES-CT470
2.5Kから470Kの範囲で試料温度を任意に可変する装置です(4.2K以下の冷却には、高排気量の真空ポンプ[オプション]が必要です)。光照射装置との併用が可能です。写真はユニバーサルキャビティと組合わせたES-CT470です。下のトランスファーチューブで冷媒をクライオスタットに移します。
液体窒素を満たしたデュワに試料管を固定し、77Kにて測定するユニットです。測定時に生じるバブルによるノイズを最小限に抑える構造となっており、安定した測定が可能です。光照射装置との併用が可能です。
低温での高感度測定
上図はCT470で測定したガラスマトリックス中の鉄錯体による信号の温度依存を示したものです。絶対温度に反比例して信号強度が増加しています。
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一般にESRの感度は低温にするほど高くなります。微量のラジカル検出に有用な3種類の低温ユニットを提供しています。ES-DVT4およびES-CT470は高温領域の温度コントロールも可能です。
リボフラビンは340nmの光により一重項酸素(102)を生成します。溶液中で102はTMPDをTMPD
・に変換するため、3本の等価な吸収線を与えます。囲み中は、矢印で示した信号強度の光照射に伴う時間変化を捉えたものです。〔TMPD:2,2,6,6-Tetramethyl-4-Piperidone〕
紫外線照射装置ES-USH500/USH500H/UXL500/UXL500H
照射時間(分)
ESR測定中の試料に紫外光および可視光を照射する装置です。光化学反応の研究や素材の光劣化促進試験、光触媒活性の評価に不可欠な装置です。光源ランプとして超高圧水銀ランプとキセノンランプの二種類をご用意しています。
水溶液のラジカルを高感度に測定するためのセルです。データは、製法の異なる光触媒薄膜2種(SheetA,B)を、スピントラップ剤DMPOに浸漬して光照射して得られたスペクトルです。製法により生成したDMPO-OH量が異なることが示され、各膜の光触媒活性を評価できます。
水溶液セルES-LC12
ヘリックスコイル形電極電解セル ES-EL30
従来の電解セルと異なり、作用電極(金製)をコイル状に成形しています。作用電極の表面積が大きいため、非常に高感度に目的のラジカルを検出することができます。図は、電解して得られたセミキノンラジカルのスペクトルです。
DMPO�OH
1313
sheet A
sheet B
1414
資料ご提供:独立行政法人 日本原子力研究開発機構 森下憲雄様
Q-バンドマイクロ波ユニット ES-SQ5
Q-バンド(34~36GHz)のESRは、X-バンド(9~9.5GHz)ESRに比べて、g値の違いが共鳴磁場の差により顕著に反映されるため、信号の分離が良く分解能が向上します。Qバンドは、信号が重なりやすい金属錯体などのスペクトル解析に威力を発揮します。
試料角度回転装置ES-12010
外部磁場に対する単結晶試料の方向を分光計から制御して回転させることができます。ES-DVT4やES-CT470との組合わせにも対応しています。
(a) 無定形固体粉末試料の室温でのESR(Xバンド)(b) 無定形固体粉末試料の室温でのESR(Qバンド)
時間分解ESR装置ES-CIDEP3
νh
.
.
C
O
P
O
O
C
O
PStep I
Step II
Monomer
.CCH2
O
P
H
OCH2CH3diphenyl-phosphinoyl (DPO)
2, 4, 6-trimethybenzoyl (TMB)
2, 4, 6-trimethyldiphenylphosphine oxide (TMDPO)
図は、フラーレンにレーザ光を照射して得られた励起フラーレンの信号です。緩和時間(T
1)が5.2マイクロ秒であることが示されました。
0(μs) 5 10 15 20 25
336(mT) 337 338
放射線や光を照射することにより生成するラジカルは、非常に寿命が短いため、磁場変調方式では検出できないことがあります。時間分解ESR装置では、ESRを直接検出することで、サブマイクロ秒の時間分解能が確保できます。このシステムにより、化学反応の過程で生成する短寿命中間体の同定や、反応性を追跡できる他、初期過程で見られるスピン分極の追跡が可能となります。
TMDPOに光照射して生成したDPOラジカルが、エチルビニルエーテルに付加反応したラジカルの信号の一部を2次元表示したものです。Laser
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電磁石
冷却水 12mm径
AC200V 三相2kVA
AC100V 単相500VA
1200
800
1400
710
800
VT用デュワ
電磁石
分光計/ データシステム
電磁石
1200
800
1400
810
685
613
電源
VT用デュワ
冷却水 22mm径
AC200V 三相13kVA
AC100V 単相500VA
800
冷却水 22mm径
AC200V 三相20kVA
1200
800
1600
803
990
703
AC100V 単相500VA
VT用デュワ
分光計/ データシステム
電源
電磁石
800
FA100 FA200 FA300分光計 寸法(mm) 1,200×800×950テーブル含む 質量(kg) 100電磁石 寸法(mm)1,400×710×1,105 1,400×810×1,190 1,600×990×1,190SHF台含む質量(kg) 520 1,000 2,300励磁電源 寸法(mm) 電磁石筐体組込み 685×613×895 703×803×1,114
質量(kg) 300 500
FA100 FA200 FA300所要電源 分光計 1φ100V、500VA、50/60Hz
電磁石 3φ200V、2kVA 3φ200V、13kVA 3φ200V、20kVAブレーカ容量 30A 60A 100A
電源変動 ±5%以内接地 D種(100Ω以下)冷却水 水圧(MPa) 0.05~0.2 0.15~0.3
水量(L/min) 4 8 16 16水温(℃) 15~25°C
蛇口外径(mm) 12 22設置室床最低耐荷重(MPa) 0.01 0.02 0.03室温 10~30°C(1時間あたりの変動は1°C以内)
湿度 70%以下(結露しないこと)
FA100 FA200 FA300感度 SS//NN 7×109 spins/0.1mT分解能(μT) 2.35電磁石最大磁場(T) 0.65 1.3 1.4掃引幅(mT) ±0.01~250 ±0.01~500磁場設定精度 ±5μTもしくは±0.1%以下(大きい方)長期安定度 5×10-6
磁極径(根元)/有効ギャップ(mm) 150/60 240/60 360/75マイクロ波ユニット周波数範囲(GHz) 8.750~9.650周波数カウンタ表示 標準7桁マイクロ波出力(mW) 0.0001~200マイクロ波チューニング 自動キャビティ共振モード 円筒TE011Q値(無負荷) 18,000ESRマーカ モータ制御データシステムOS Windowsスペクトル分解能(bit) 16取込み時同時データ処理 可部分積算 可2次元測定と処理 可マーカ補正 標準シミュレーション 標準(等方性および異方性)
主な仕様
設置室
外形寸法および質量
外形寸法:幅×奥行き×高さ
設置例JES-FA100
JES-FA200
JES-FA300
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金属ポルフィリン
フェリチン ヘモグロビン
プルシアンブルー
NOSHRP XOD
SOD
NADPH-OD
P450
フェレドキシン
金属フタロシアニン
酵素
錯体
遷移金属
構
造 解 析
光触媒
ラジカル イムノアッセイ
活性酸素 NO
補酵素 NADPH
ビタミン V.C,E,K,B
食品 過酸化脂質
ビール お茶
放射線/紫外線 損傷
スピン イムノアッセイ
薬物検出
石炭・石油 風化・変性
気相 H・NO O2・NO2 LB膜
液晶
宝石 ダイヤモンド
ルビー
半導体 a-Si
フラーレン
グラファイト CNT
アイオノマー
導電性ポリマ
ラジカル重合
耐候性
ポリマ劣化 バブル メモリー
YIG
ガラス
光ファイバ
有機
磁性体
超伝導体
光変換素子
磁性体
カラー センタ
アルカリ ハライド
石英
導電性 化合物
触媒
サンゴ
年代計測
ESR基礎研究・技術
構 造 欠 陥
生体R
ED OX反応解析
燃焼
真珠
生体膜流動性 タンパク変性
ESRの適用対象
その試料は、ESRの測定対象かもしれません。お取扱いの試料にもESRの適用をご検討ください。
●金属を含んでいる
遷移金属イオン錯体希土類金属錯体金属をドープしている
●その他
NMRで信号がブロードニングする試料ラジエーションした試料
●経時的に...
重合する弾力を失う退色する着色する濁る伝導度が変動する過酸化水素が生成する
※外観・仕様は改良のため予告なく変更することがあります。
No. 2104H060C (Kp)