景観法及び札幌市景観条例に係る

事前協議・届出の手引き

札幌市まちづくり政策局

都市計画部地域計画課

平成 29年（2017 年）７月

は じ め に

札幌市では昭和 56年(1981年)から景観施策を展開し、景観法（平成 16年法律第 110号）が制定され

て以降は「札幌市都市景観基本計画（平成９年策定）」や「札幌市景観計画（平成 19年策定）」、「札

幌市都市景観条例（平成 19年条例第 54号）」に基づき取組を進めてきました。

しかしながら、近年、人口減少・超高齢社会の到来など、社会経済情勢が大きく変化してきているこ

とに加え、新たな上位計画である「札幌市まちづくり戦略ビジョン（平成 25年策定）」を策定したこと

などから、これらの計画と条例の変更・一部改正を行い、「札幌市景観計画（平成 29年 2月策定）」と

「札幌市景観条例（札幌市都市景観条例を平成 28年 12月に一部改正）」として平成 29年 4月から共に

施行しています。

景観計画や景観条例では、地域特性を生かした優れた景観づくりを行うため、景観計画区域内及び景

観計画重点区域内における届出や行為の制限（ルール）、そして事前協議などを定めています。

この手引き書は、建築物等を計画される市民、設計者や事業者の皆様に届出や事前協議などの手続に

ついてわかりやすく具体的に示したほか、Ｑ＆Ａ方式を用いて疑問点を解いています。

本手引き書は、景観法に基づく「札幌市景観計画」及び「札幌市景観条例」を踏まえ、届出の際の

事務手続、提出に必要な書類や記入例などについてわかりやすく具体的に説明しています。

第１章 届出に係る事務手続

事前協議や届出から工事着手までの手続の各段階における流れや留意事

項、必要書類等をまとめています。

第２章 届出に必要な書類等の記入例

景観計画区域、景観計画重点区域及び景観まちづくり推進区域における

事前協議や届出の際に必要な書類等の記入例を記載しています。

第３章 届出に関するＱ＆Ａ

事前協議、届出等の手続や審査に関する疑問等について、解説しています。

【参考】申請に係る規定（景観法及び札幌市景観条例より抜粋）

手引き書のねらい

構 成

― 目 次 ―

第 1章 届出に係る事務手続

（１）届出フロー 1

（２）事前協議 2

（３）届出手続 3

（４）通知 5

（５）変更時の手続 6

（６）記載事項変更時の手続 8

（７）工事完了時の手続 9

第２章 届出に必要な書類等の記入例

（１）記入例Ａ 札幌市景観計画区域内行為事前協議書 10

（２） Ｂ 札幌市景観計画区域内行為届出書 11

（３） Ｃ 札幌市景観計画重点区域内除却等届出書 12

（４） Ｄ 札幌市景観まちづくり推進区域内行為届出書 13

（５） Ｅ 札幌市景観計画区域内行為通知書 14

（６） Ｆ 札幌市景観まちづくり推進区域内行為通知書 15

（７） Ｇ 札幌市景観計画区域内行為変更届出書 16

（８） Ｈ 札幌市景観計画重点区域内除却等変更届出書 17

（９） Ｉ 札幌市景観まちづくり推進区域内行為変更届出書 18

（10） Ｊ 記載事項変更届 19

（11） Ｋ 景観計画区域内行為竣工届 20

（12） Ｌ 自己診断カルテ 21

（13） Ｍ 自己診断カルテ（景観計画重点区域） 30

（14） Ｎ 自己診断カルテ（景観まちづくり推進区域） 32

第３章 届出に関するＱ＆Ａ

（１）届出に関する Ｑ＆Ａ 34

【 参 考 】

（１）申請に係る規定（景観法及び札幌市景観条例より抜粋） 35

1

審査結果通知書の受理

着 手

しゅん工

竣工届の提出

（１）届出フロー

第１章 届出に係る事務手続

事前協議

届

出

着

手

竣工届の受理

届出書の受理

・

審 査

※１

※２

※１：基準を満たしていない場合は、勧告や変更命令等を行う場合があります。

※２：変更が生じた場合は、変更部分の工事時に着手する 30 日前に変更の届出が必要とな

ります。詳細については、Ｐ６（５）変更時の手続を参照してください。

※２

【申請者】

構想段階の景観プレ・アドバイス（都市計画審議会に付議する前）

事前協議書の申請 協議書の受理

協議済書の受理 協議済の通知

届出書の申請

審査結果の通知

届出から３０日

経過した後

事前協議

【札幌市】

設計段階の景観プレ・アドバイス （工事着手の１８０日前）

＊手続きの詳細については「景観プレ・アド

バイスの手引き」をご参照ください。

景観プレ・アドバイスの協議対象行為に該当する場合

2

正本、副本共

①札幌市景観計画区域内行為事前協議書 【記入例Ａ→Ｐ10】

・副本は、正本のコピーでかまいません。

②付近見取図

③配置図

・植栽、屋外照明、塀、工作物等の位置や大きさ等を記載してください。

④各階平面図 （建築物である場合に限ります。）

⑤立面図（各面）

・各部分の仕上げ及び色彩※を明示してください。

⑥断面図

⑦完成予想図及びパース

⑧現況カラー写真

・計画敷地の周囲がどのようになっているか分かる写真と、どの方向か

ら撮影したのかが分かる図面を添付してください。

⑨自己診断カルテ 【記入例Ｋ→Ｐ21、記入例Ｌ→Ｐ30、記入例 M→P32】

⑩委任状 （代理者によって申請を行う場合）

＊正本は、できる限りファイルに綴って提出してください。

（２）事前協議 （市条例第 16 条）

正本 副本

事前協議

申請書の

コピー

事前協議済書 事前協議

申請書の

コピー

提出書類（正本、副本）

書類一式

書類一式

市より「札幌市景観計画区域事前協議済書」を交付し、副本を返却します

景観法に基づく届出を行う前に、設計について自己診断カルテを参考にしながら、

協議を行います。周辺景観への配慮がなされているか、景観計画に示されている良

好な景観形成に関する方針や行為の制限に適合しているかについて、確認します。

「札幌市景観計画区域内行為事前協議書」を市へ提出する ※申請書類の様式は

以下よりダウンロード

可能です。

http://www.city.sappo

ro.jp/keikaku/keikan/

※景観に配慮した設

計については、届出

に関する Q&A(P34)

Ｑ５を参照ください。

※札幌の景観色 70色

に準じた色彩もしく

は、マンセル値を記入

してください。

【ポイント】

・良好な景観形成には、周辺の歴史・自然・地形等を生かした設計を行うこと

が必要で、設計で検討した点について説明をいただきながら協議を行います。

・確認申請を提出する前のできるだけ早い段階から協議に来ていただけると、

届出の手続がよりスムーズになります。

・コンセプト図や簡単な配置図程度でかまいません。

書類

一式

事前協議

申請書 ※正本は必ず紙ファイル等

に綴じてお持ちください。

3

※提出書類は以下の２パターンがあります。

【パターン①】

正本

① 札幌市景観計画区域内行為届出書 【記入例Ｂ→Ｐ11】

又は 札幌市景観計画重点区域内除却等届出書【記入例Ｃ→Ｐ12】

（重点区域内の除却、広告物の設置等の場合）

又は 札幌市景観まちづくり推進区域内行為届出書【記入例Ｄ→Ｐ13】

②事前協議済書のコピー

② 委任状 （代理者によって届出を行う場合）

副本

① 札幌市景観計画区域内行為届出書のコピー

又は 札幌市景観計画重点区域内除却等届出書のコピー

又は 札幌市景観まちづくり推進区域内行為届出書のコピー

【パターン②】

正本

① 札幌市景観計画区域内行為届出書 【記入例Ｂ→Ｐ11】

又は 札幌市景観計画重点区域内除却等届出書【記入例Ｃ→Ｐ12】

（重点区域内の除却、広告物の設置等の場合）

又は 札幌市景観まちづくり推進区域内行為届出書【記入例Ｄ→Ｐ13】

②委任状 （代理者によって届出を行う場合）

副本

① 札幌市景観計画区域内行為届出書のコピー

又は 札幌市景観計画重点区域内除却等届出書のコピー

又は 札幌市景観まちづくり推進区域内行為届出書のコピー

②事前協議の際にお返しした副本

・事前協議済書も添付してください。

【パターン①】

【パターン②】

正本 副本

事前協議

済書の

コピー

届出書

届出書

のコピー

（３）届出手続 （景観法第 16 条 1 項、市条例 24 条 1 項）

事前協議から変更や追加がない場合

【注意】

変更内容によっては

再度、事前協議が必

要な場合もございます

ので、ご相談ください。

【注意】

届出をせず、工事に

着手した場合、罰則

や勧告の対象となりま

す。（景観法 18 条）

※着手制限の詳細に

ついては Q&A（p34）

を参照してください。

提出書類（正本、副本）

「札幌市景観計画区域内行為届出書」又は

「札幌市景観計画重点区域内除却等届出書」又は

「札幌市景観まちづくり推進区域内行為届出書」を市へ提出する

正本 副本

届出書

届出書

のコピー

事前協議

の際の書

類一式

コピー

事前協議

済書

4

正本、副本共

・上記の書類の他に、変更に関わる部分の図面一式を提出してください。

【パターン①】

【パターン②】

提出書類

一式

提出書類

一式

正本 副本 事前協議

済書の

コピー

届出書

届出書

のコピー

審査結果

通知書

事前協議から変更や追加がある場合

工事着手

提出書類

一式

届出書

のコピー

提出書類（正本、副本）

市より「札幌市景観計画区域内行為審査結果通知書」又は

「札幌市景観計画重点区域内行為審査結果通知書」又は

「札幌市景観まちづくり推進区域内審査結果通知書」を交付し、副本を返却します。

審 査

提出書類

一式

提出書類

一式

正本 副本 届出書

届出書

のコピー

事前協議

の際の書

類一式

コピー

事前協議

済書

事前協議

の際の書

類一式

コピー

事前協議

済書

パターン②の場合

5

正本、副本共

① 札幌市景観計画区域内行為通知書 【記入例Ｅ→Ｐ14】

又は 札幌市景観まちづくり推進区域内行為届出書【記入例 F→Ｐ15】

・副本は、正本のコピーでかまいません。

②書類一式（P2 提出書類②～⑨参照）

③公共デザインガイドラインチェックシート※

④委任状 （代理者によって通知を行う場合）

正本

審査結果

通知書

副本

「札幌市景観計画区域内行為通知書」を提出する

（４）通 知 （景観法第 16 条第 5 項）

書類一式

地方公共団体が行う行為については、景観法上は通知のみとなりますが、より

良好な景観形成を図るため、事前協議及び公共デザインガイドラインのチェック

シートの作成をお願いしております。

【先に事前協議の申請を行っていただいている場合】

事前協議済書のコピーを添付いただければ、②、③の提出を省略

することができます※。

通知書 書類一式 通知書

のコピー

書類一式 通知書

のコピー

協 議

※公共施設等景観

デザインガイドライン

参照

提出書類（正本、副本）

※③の省略は、事

前協議の際に「③

公共デザインガイド

ラインチェックシー

ト」を添付した場合

のみ可能となりま

す。

「札幌市景観計画区域内行為審査結果通知書」又は

「札幌市景観まちづくり推進区域内審査結果通知書」を交付し、

副本を返却します

6

正本、副本共

① 札幌市景観計画区域内行為事前協議書 【記入例Ａ→Ｐ10】

・副本は、正本のコピーでかまいません。

②変更部分の図面

③委任状 （代理者によって申請を行う場合）

（５）変更時の手続 （市条例第 16 条、24 条 2 項、景観法第 16 条 2項）

事前協議

事前協議

申請書

事前協議

申請書の

コピー

変更部分

の図面

変更部分

の図面

正本 副本

事前協議

申請書の

コピー

変更部分

の図面

届出内容に変更が生じた場合は、変更部分の工事に着手する前に、変更届を提

出してください。変更部分について、行為の制限に適合しているか、周辺景観へ

配慮されているかなどについて協議します。特に色彩については、着手後に変更

する場合が考えられます。その場合についても、変更届の提出をお願いします。

市より「札幌市景観計画区域事前協議済書」を交付し、副本を返却します

「札幌市景観計画区域内行為事前協議書」を市へ提出する

提出書類（正本、副本）

変更

事前協議

済書

7

※提出書類は以下の２パターンがあります。

【パターン①】

正本

① 札幌市景観計画区域内行為変更届出書 【記入例Ｇ→Ｐ16】

又は 札幌市景観計画重点区域内除却等変更届出書【記入例Ｈ→Ｐ17】

（重点区域内の除却、広告物の設置等の変更の場合）

又は 札幌市景観まちづくり推進区域内行為変更届出書【記入例Ｉ→Ｐ18】

②変更の事前協議済書のコピー

③委任状 （代理者によって届出を行う場合）

副本

① 札幌市景観計画区域内行為変更届出書のコピー

又は 札幌市景観計画重点区域内除却等変更届出書のコピー

又は 札幌市景観まちづくり推進区域内行為変更届出書のコピー

【パターン②】

正本

① 札幌市景観計画区域内行為変更届出書 【記入例Ｇ→Ｐ16】

又は 札幌市景観計画重点区域内除却等変更届出書【記入例Ｈ→Ｐ17】

（重点区域内の除却、広告物の設置等の変更の場合）

又は 札幌市景観まちづくり推進区域内行為変更届出書【記入例Ｉ→Ｐ18】

② 委任状 （代理者によって届出を行う場合）

副本

① 札幌市景観計画区域内行為変更届出書のコピー

又は 札幌市景観計画重点区域内除却等届出書のコピー

又は 札幌市景観まちづくり推進区域内行為届出書のコピー

②変更の事前協議の際にお返しした副本

・事前協議済書も添付してください。

【パターン①】

変更届

正本

変更

事前協議

済書の

コピー

変更届

のコピー

副本

【注意】

変更届が提出され

ていない状態で、

変更部分の工事を

着手した場合は、

罰則の対象となり

ます。

（景観法 18 条 1

項）

「札幌市景観計画区域内行為変更届出書」又は

「札幌市景観計画重点区域内除却等変更届出書」又は

「札幌市景観まちづくり推進区域内行為変更届出書」を市へ提出する

提出書類（正本、副本）

届出手続

8

【パターン②】

正本、副本共

① 記載事項変更届 【記入例Ｊ→Ｐ19】

・副本は、正本のコピーでかまいません。

②委任状 （代理者によって届出を行う場合）

変更

事前協議

の際の書

類一式

変更

事前協議

の際の書

類一式

コピー

変更

審査結果

通知書

（６）記載事項変更時の手続

記載事項

変更届

記載事項

変更届

のコピー

正本 副本

記載事項

変更届

のコピー

受付日

変更届

のコピー

届出者、設計者、施工者の変更など軽微な変更の場合に提出をお願いします。

「記載事項変更届」を市へ提出する

受付日を記入し、副本を返却します

工事着手

審 査

市より「札幌市景観計画区域内行為審査結果通知書」又は

「札幌市景観計画重点区域内行為審査結果通知書」又は

「札幌市景観まちづくり推進区域内行為審査結果通知書を交付し、

副本（パターン②の場合のみ）を返却します

提出書類（正本、副本）

変更届

変更届

のコピー

変更

事前協議

済書

変更

事前協議

済書

パターン②の場合

9

① 景観計画区域内行為竣工届 【記入例Ｋ→Ｐ20】

②竣工写真

（建物外観など全体の分かる写真や、植栽・屋外照明などの外構部分を確

認できる写真も添付してください。）

③委任状 （代理者によって届出を行う場合）

（７）工事完了時の手続

「景観計画区域内行為竣工届」を市へ提出する

届出された行為が完了したときは、竣工届の提出をお願いします。

提出書類（正本のみ）

10

第２章 届出に必要な書類等の記入例

札幌市計画区域内行為事前協議書

記入例 Ａ

11

札幌市景観計画区域内行為届出書

記入例 Ｂ

※増築の場合、内数を記入してください。

12

札幌市景観計画重点区域内除却等届出書

記入例 Ｃ

13

札幌市景観まちづくり推進区域内行為届出書

記入例 Ｄ

14

札幌市景観計画区域内行為通知書

記入例 Ｅ

15

札幌市景観まちづくり推進区域内行為通知書

記入例 F

16

札幌市景観計画区域内行為変更届出書

記入例 G

17

札幌市景観計画重点区域内除却等変更届出書

記入例 H

18

札幌市景観まちづくり推進区域内行為変更届出書

記入例 I

19

記載事項変更届

記入例 J

20

景観計画区域内竣工届

記入例 K

21

自己診断カルテ

記入例 L

ここでは、建築物の新築を行う場合の自己診断カ

ルテの記入例をご紹介します。

22

23

24

25

26

27

28

29

30

●法に基づく行為の制限

配慮すべき項目 配慮した点

建築物

位置

建築物の壁面は、道路境界から後退させるとともに、

その後退部分は、歩道と一体感をもったデザイン化や

緑化等をすることにより、憩いとうるおいのあるオー

プンスペースを確保するよう努める。

・道と一体的な広がりのある空間をつくるた

め、大通に面した１階部分は壁面を後退さ

せた。

壁面後退は、低層部分では３メートル以上とするよう

努めるとともに、１階部分のみ後退させる場合の軒高

は、３メートル以上とする。

規模

小規模な敷地に計画する建築物は、隣接する建築物等

との共同化を図るように努める。 ・隣接する敷地も併せて計画した。

形態

１階部分には、ショーウィンドウ・カフェテラス・レ

ストラン等のサービス施設を配置するなど、歩行者に

快適さを与えるよう努めるとともに、休日や夜間の景

観にも配慮する。

・１階に設けるカフェのにぎわいが通りにに

じみ出るように外装をガラスとし、夏期に

はオープンカフェとして使用できるよう

な仕様とした。

シャッターを配置する場合には、ショーウィンドウの

内側に配置するか、又はグリルシャッターを使用する

よう努める。

・シャッターの設置はしない。

車の出入口は、やむを得ない場合を除き、公園に面し

て設置しない。

・公園側ではなく西側道路に出入口を設置

し、大通の賑わいを遮らないよう配慮し

た。

外壁の色彩

公園や周辺の建築物との調和を図る。 ・公園内の樹木を美しく見せるため、高層部

は空に溶け込むように「白樺」近似色とす

る。

・歩行者の目線に入る低層部にはレンガを使

用し、あたたかみや落ち着いた印象を演出

する。

あたたかみのあるものとし、派手な色彩を大面積で使

用しないようにする。

なお、色彩は、別記「色彩景観基準」に準じて行う。

外壁の素材

汚れにくいものや変色しにくいものなど、美観を保持

しやすい材質を使用する。 ・低層部にはレンガ素材を用い、時間ととも

に味わいが出て、街並みになじむよう配慮

した。 道路から見える側面も、正面と同様の仕上げとする。

塔屋・屋上設備等

塔屋・屋上設備等は、道路から見えない位置に配置す

るように努める。

・屋上設備は、道路から見えない位置に配置

するとともに、目隠し壁で隠した。

道路から見える位置に配置された屋上設備等は、壁面

と調和したルーバー等で目かくしをする。

・目隠し壁は、外壁と同素材にし、一体的に

見えるように配慮した。

建築物・屋上広告物以外の工作物

外構

道路に面したオープンスペースは、植栽を施すととも

に、開放的なつくりとなるよう努める。

・壁面後退部分には、歩行者の動線を遮らな

いように植栽を設け、アプローチを演出す

るとともに、歩道に日陰をつくり、人が溜

まる空間となるよう配慮した。

・隣地との間に出来た隙間にフェンスを設け

るが、建物と一体的に見えるように素材や

色彩に配慮した。

フェンスや石垣等の外柵類は、道路境界から後退させ

るとともに、その後退部分は緑化に努める。

駐車場

屋外駐車場は、道路側に植栽するなど、景観に配慮す

る。 ・別棟では設置しない。

車の出入口は、やむを得ない場合を除き、公園に面し

て設置しない。

自己診断カルテ（景観計画重点区域 大通地区）

記入例 M ※景観計画重点区域のカルテは地区毎に内容が異なります。

31

その他

自動販売機類は、公園に面して設置しないよう努め

る。 ・自動販売機は設置しない。

●都市景観条例に基づく行為の制限

配慮すべき項目 配慮した点

屋外広告物

共通

原則として、ビルの名称を表示するなど、自家用に

供するもののみとし、位置・規模・色彩等は、建築

物全体のデザインと調和するよう配慮する。

・自家用広告物とする。

・建物との調和、掲出する広告物同士の統一

感が取れるように、使用する基調色をそろ

えた。

発光を伴うものは、動光の変化をしないものとする。 ・照明は外照式とし、照明器具は景観上支障

ないように遮蔽した。

色彩は、多色やけばけばしいものを使用しない。

屋上広告物

原則として、建築物１棟につき１カ所とする。

・屋上広告物は、新設しない。 建築物と比べて極端に大きくならないよう、建築物

との調和に十分配慮する。

壁面広告物

必要最小限の数・面積とし、建築物の形態や外壁の

色彩等と調和のとれたものとする。

・外壁と調和するように配慮し、ビル名をチ

ャンネル文字で掲出する。

窓面広告物は、ショーウインドウ内を除き、原則と

して表示しない。

・催事に併せて広告物を窓面に掲出すること

も想定されるため、ｶﾞﾗｽ面を美しくみせな

がら掲出できるように、窓面内側に掲出す

るスペースを設置する。

突出広告物

敷地内にまとめて共同表示するよう努める。

・突出広告物は掲出しない。 文字等の色彩は、派手なものを使用せず、基調とな

る色を統一するよう努める。

32

自己診断カルテ（景観まちづくり推進区域）

記入例 N ※景観まちづくり推進区域のカルテは地区毎に内容が異なります。

33

34

Ｑ１）いつ頃までに、事前協議を行えばよいですか。

Ａ) 確認申請を提出する前に、可能な限り早い段階で協議を行ってください。コンセプト段階で全ての図

面が揃っていない状態でもかまいません。

Ｑ２）届出については、いつ頃までに行えばよいですか。また、どのくらいで工事に着手してよいですか。

Ａ 届出については、工事着手の３０日前までには提出してください。

届出申請後３０日経過するまで、もしくは札幌市から審査結果通知書が交付されるまでは、根切り工事、

山留め工事、その他基礎工事などを除き、着手できません。

届出を行わずに工事に着手した場合は、景観法１０３条の罰則規定の対象となります。

Ｑ３）計画の内容に変更が生じました。届出が必要ですか。

Ａ 変更部分に着手する３０日前には、変更の届出が必要となります。外観や外構など変更内容が軽微と

思われる場合でも、行為の制限に該当する部分については届出が必要となりますので、まずご相談くだ

さい。

また届出の前に事前協議をしていただくことで、手続がよりスムーズになります。

Ｑ４）既存の建物の外壁を塗り替えます。届出が必要ですか。

Ａ 外観の過半を超える外壁の塗替えは、同じ色彩であっても必要となります。既存のマンションの場合、

同じ色彩で塗り替えを行うと、行為の制限にそぐわないことも想定されます。居住者の合意により色彩

を決定する前に、事前に協議をお願いいたします。

Ｑ５）景観に配慮した設計を行うには、どのような視点が必要ですか。

Ａ 届出の対象となる行為は、計画する地域において大規模な建築物等であり、周辺に影響をおよぼすこ

とが考えられます。そのため、計画地の周辺の歴史・自然・地形や街並みなど地区の特性を考慮し、周辺

との調和を考えることが大切となります。

景観計画の中に定められている、行為の制限の内容を理解し、良好な景観を形成する為には周辺へどの

ように配慮し計画すればよいかなどを、自己診断カルテ（P2(2)事前協議参照）でチェックしながら設計

を行いましょう。

また、公共施設等景観デザインガイドライン※第２章、第３章で、景観的な視点から設計を行うための

手がかりについて解説しておりますので、ご活用ください。

Ｑ６）特定届出対象行為とはどのような場合ですか。

Ａ 届出対象行為となる建築物のうち、その容積率が用途地域に関する都市計画で定められた容積率の数

値以上になるものや、その高さが高度地区に定められた高さの限度を超えるものなど、建築物の形態に

関係の深い制限について緩和を受けた建築物の建築等に関する行為を特定届出対象行為としています。

特定届出対象行為に該当する建築物が、行為の制限に適合しない場合、変更命令や原状回復命令を札幌

市から命じることができます。（詳しくは、景観計画区域パンフレットＰ５、景観計画重点区域パンフ

レットＰ４をご覧ください。）

Ｑ＆Ａ

第３章 届出に関する Ｑ＆Ａ

（１） 届出に関する Ｑ＆Ａ

※札幌市公共施設等景観デザインガイドラインとは…

公共施設等を対象としてはいますが、景観的な視点から設計を行う手がかりを丁寧に解説しており、幅広くみなさまに活

用頂ける内容となっております。札幌市役所ホームページの「都市景観」(http://www.city.sapporo.jp/keikaku/keikan/)から

ダウンロード、もしくは地域計画課で冊子の配布を行っております。

35

※法：景観法、条例：札幌市景観条例とする。

法第 16 条第 1 項・第 2 項

(届出及び勧告等)

景観計画区域内において、建築等の行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令

で定めるところにより、行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日その他国土交

通省令で定める事項を景観行政団体の長に届け出なければならない。（2 項は変更）

法第 16 条第 5 項

（届出及び勧告等)

国の機関又は地方公共団体が行う行為については、第 1項の届出をすることを要しない。

この場合において、当該国の機関又は地方公共団体は、同項の届出を要する行為をしよ

うとするときは、あらかじめ、景観行政団体の長にその旨を通知しなければならない。

法第 18 条第 1 項

(行為の着手の制限)

法第 16 条第 1 項又は第 2 項の規定による届出をした者は、景観行政団体がその届出を

受理した日から三十日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為(根切り工事等に

係るものを除く。)に着手してはならない。

条例第 16 条 1 項

（事前協議）

景観計画区域内において、法第 16条第 1項若しくは第 2項又は第 24条の規定による届

出が必要な行為を行おうとする者は、当該届出を行う前に当該行為の設計、施行方法等

について、市長に協議することができる。

条例第 24 条第 1 項・第 2 項

（建築物等の除却等の届出）

景観計画重点区域において、建築物等の除却、広告物の表示等を行おうとする者は、当

該行為に着手する３０日前までに、規則で定めるところにより、その内容を市長に届出なけ

ればならない。（２項は変更）

法第 103 条

（罰則）

次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

一 第 16条第 1項又は第 2項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者

（１）申請に係る規定（景観法及び札幌市景観条例より抜粋）

【参 考】

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