自分の肺がんタイプ - Xalkori.jp病・医院名 〈肺がん治療と遺伝子検査〉...

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病・医院名 〈肺がん治療と遺伝子検査〉 監修:近畿大学医学部 内科学腫瘍内科部門 主任教授 中川和彦 先生 自分の肺がんタイプ 知っておきたい 2017年5月作成 XLK57C007E 自分に合った治療を、 遺伝子検査から。 がんを学ぶ http://ganclass.jp/ ひとりのがんにみんなで向き合っていく為に 必要な情報をわかりやすく解説したサイト

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病・医院名

〈肺がん治療と遺伝子検査〉

監修:近畿大学医学部 内科学腫瘍内科部門 主任教授 中川和彦 先生

自分の肺がんタイプ知っておきたい

2017年5月作成XLK57C007E

自分に合った治療を、遺伝子検査から。

がんを学ぶ http://ganclass.jp/ひとりのがんにみんなで向き合っていく為に必要な情報をわかりやすく解説したサイト

ファイザー ザーコリ冊子 表 1-4

サイズ : A5 カラー:プロセス 4C

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がんと遺伝子変異

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わたしたちの身体はたくさんの「細胞」で構成されています。正常な細胞は、必要なときに増殖し、不要なときには増殖しないという一定のルールに従うことで、増えすぎないように、「遺伝子」によりコントロールされています。しかし、この仕組みをコントロールしている遺伝子に異常(変異)が起こると、細胞が限りなく増殖するようになってしまいます。こうして限りなく増殖する性質をもった細胞を「がん細胞」といい、「がん細胞」が集まったものを「がん」といいます。

がんは遺伝子変異によって起こる

患者さん1人ひとりに合った治療を考える「個別化治療」が中心に

最近の研究により、それぞれのがんに特有な遺伝子変異が存在することがわかってきています。肺がんでは「ROS1融合遺伝子」、「ALK融合遺伝子」、「EGFR遺伝子変異」といった遺伝子変異がみられ、これら以外にもさまざまな遺伝子変異のタイプが存在することがわかってきました。現在、肺がんでは、この3つの遺伝子変異をターゲットとした治療を行うことができるようになり、患者さん1人ひとりに合った治療を考える「個別化治療」が中心となっています。

アルクロスワン イージーエフアール

❶ がんと遺伝子変異 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p2

❷ 「ROS1融合遺伝子」「ALK融合遺伝子」 「EGFR遺伝子変異」とは? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p3

❸ 遺伝子変異はどうやって調べるの? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p5

❹ 遺伝子変異があるとどうなるの? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p6

❺ 肺がんの遺伝子変異タイプ: ROS1融合遺伝子、ALK融合遺伝子 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p7

目 次

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ファイザー ザーコリ冊子 P1-2

サイズ : A5 カラー:プロセス 4C

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「ROS1融合遺伝子」「ALK融合 遺伝子」「EGFR遺伝子変異」とは?

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がん細胞 がん細胞

遺伝子変異により、がん細胞の増殖のスイッチが常にオンに

肺がんにみられる「ROS1融合遺伝子」、「ALK融合遺伝子」および「EGFR遺伝子変異」は、 いずれもがん細胞の増殖に大きくかかわっています。

 EGFR遺伝子変異「EGFR」とは、がん細胞が増殖するためのスイッチのような役割を果たしているタンパク質のことで、がん細胞の表面にたくさん存在しています。このEGFRを構成する遺伝子の一部(チロシンキナーゼ部位)に変異があると、がん細胞を増殖させるスイッチが常にオンとなっているような状態となり、がん細胞が限りなく増殖してしまいます。

 ROS1融合遺伝子「ROS1融合遺伝子」とは、なんらかの原因により「ROS1遺伝子」と他の遺伝子が融合することでできる特殊な遺伝子のことです。「ROS1融合遺伝子」があると、この遺伝子からできるタンパク質(ROS1融合タンパク)の作用により、がん細胞を増殖させるスイッチが常にオンとなり、がん細胞が限りなく増殖してしまいます。

がん細胞を増殖させるスイッチがオンに! がん細胞を増殖させる

スイッチがオンに!

 ALK融合遺伝子「ALK融合遺伝子」とは、なんらかの原因により「ALK遺伝子」と他の遺伝子が融合することでできる特殊な遺伝子のことです。「ALK融合遺伝子」があると、この遺伝子からできるタンパク質(ALK融合タンパク)の作用により、がん細胞を増殖させるスイッチが常にオンとなり、がん細胞が限りなく増殖してしまいます。

ROS1融合タンパク EGFR遺伝子変異 なし EGFR遺伝子変異 あり

ROS1遺伝子

他の遺伝子 ROS1融合遺伝子

ROS1融合遺伝子

がん細胞を増殖させるスイッチがオンに!

ALK融合タンパク

他の遺伝子

ALK遺伝子 ALK融合遺伝子

ALK融合遺伝子

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ファイザー ザーコリ冊子 P3-4

サイズ : A5 カラー:プロセス 4C

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遺伝子変異があるとどうなるの?

遺伝子変異はどうやって調べるの?

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肺がんでは、レントゲン写真などで肺がんが疑われた場合に、気管支鏡という器具等を使って肺の組織や細胞を採取したり、痰を採取したりして、そのなかに本当にがんがあるかどうかを調べます。これを確定診断といいます。肺がんと確定診断された場合には、ROS1融合遺伝子、ALK融合遺伝子またはEGFR遺伝子変異があるかどうかを検査します。ROS1融合遺伝子やALK融合遺伝子、EGFR遺伝子変異は、多くの場合、確定診断のときに使った「組織」や「細胞」を用いてそれぞれ検査を実施します。

肺がん診断時の組織や細胞を用いて検査を実施 遺伝子変異のタイプに合わせた治療を行うことが可能

ROS1融合遺伝子が認められた場合は「ROS1チロシンキナーゼ阻害剤(ROS1阻害剤)」、ALK融合遺伝子が認められた場合は「ALKチロシンキナーゼ阻害剤(ALK阻害剤)」、EGFR遺伝子変異が認められた場合は「EGFRチロシンキナーゼ阻害剤」というお薬を使うことができます。ROS1融合遺伝子、ALK融合遺伝子、EGFR遺伝子変異のいずれも認められなかった場合には、従来の抗がん剤による治療やがん免疫療法注)を行います。日本肺癌学会によるガイドラインでも、遺伝子検査を行って遺伝子変異があるかどうかを調べた上で、患者さんに合った治療を選択することを推奨しています。

「ROS1融合遺伝子」、「ALK融合遺伝子」、「EGFR遺伝子変異」があるかどうかを確認

遺伝子変異と治療の関係

遺伝子検査

従来の抗がん剤による治療または

がん免疫療法注)

従来の抗がん剤による治療

従来の抗がん剤による治療

EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による治療

ROS1チロシンキナーゼ阻害剤による治療

または または

ROS1融合遺伝子

ありEGFR遺伝子変異

あり遺伝子変異

なし

きかんしきょう そ がいざい

EGFR

従来の抗がん剤による治療

ALKチロシンキナーゼ阻害剤による治療

または

ALK融合遺伝子

あり

EGFRALKALK

ROS1ROS1

注)医師の診察により、がん免疫療法が適応と判断される場合のみ

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ファイザー ザーコリ冊子 P5-6

サイズ : A5 カラー:プロセス 4C

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肺がんの遺伝子変異タイプ:ROS1 融合遺伝子、ALK融合遺伝子

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ROS1融合遺伝子は、近年新しくみつかったがん細胞の増殖にかかわる遺伝子です。最近、ROS1融合遺伝子をターゲットとするお薬も登場したことから、注目を集めています。ROS1融合遺伝子は、肺がん(非小細胞肺がん)の患者さんの約 1~2%に認められ、非小細胞肺がんのなかでも腺がんに特異的にみられます。

新たに注目を集めるROS1融合遺伝子

ALK融合遺伝子は、ROS1融合遺伝子と同様に新しくみつかったがん細胞の増殖にかかわる遺伝子です。ALK融合遺伝子は、がん細胞の増殖にかかわる遺伝子のなかでも特にがん増殖能が強いことから、「横綱がん遺伝子」とも呼ばれ、肺がん治療における重要なターゲットとして注目されています。ALK融合遺伝子は、肺がん(非小細胞肺がん)の患者さんの約3 ~ 5%に認められ、非小細胞肺がんのなかでも腺がんに特異的にみられます。

肺がん治療のターゲットとして重要なALK融合遺伝子

ROS1融合遺伝子やALK融合遺伝子はいろいろな特徴をもった患者さんでみつかる

ROS1融合遺伝子やALK融合遺伝子は、たばこを吸わない患者さん、比較的年齢の若い患者さんに認められやすいことがわかっています。ただし、これら以外の患者さんでもみつかることがあるため、どんな患者さんでもROS1融合遺伝子やALK融合遺伝子があるかどうかを確認することは大切です。

すでにEGFR遺伝子変異について検査を行っている場合でも、ROS1融合遺伝子やALK融合遺伝子があるかどうかを調べるためには、あらためて検査を行う必要があります。

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ファイザー ザーコリ冊子 P7-8

サイズ : A5 カラー:プロセス 4C

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M E M OM EM O

ファイザー ザーコリ冊子 P9-10

サイズ : A5 カラー:プロセス 4C