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日本小児循環器学会雑誌 1巻2号 207~213頁(1986年)
先天性心疾患におけるベクトル心電図
一両室肥大所見の検討一
(昭和59年10月20日受付)
(昭和60年12月3日受理)
永沼万寿喜
東京都立八王子小児病院小児科
吉 武 克 宏 国立小児病院循環器科
小池 一行 高野 良裕 藤川 淳策
key words:ベクトル心電図,ベクトル心電図自動解析システム,両室肥大所見,先天性心疾患
要 旨
小児期のベクトル心電図(VCG)の両室肥大所見を心室中隔欠損症70例を対象として検討した. VCG
の検討は自動解析システムから得られたデータによった.VCGの両室肥大の診断は既に発表した右室肥
大判定基準と左室肥大判定基準の両所見を同時に合わせ持っていることまたはQz+Rzが高値を示すこ
ととした.
その結果,血行動態上両室負荷を来たしていると思われるQp/Qs≧2.0且つPp/Ps≧0.5の群で25例中
22例(88%)が,先に定めたVCG上の両室肥大所見を示した.逆にVCGの両室肥大所見を示した33例
中22例(68%)がQp/Qs≧2.0且つPp/Ps≧0.5を示した.これらの結果は標準12誘導心電図(ECG)上
の両室肥大所見と極めて類似した傾向を示していた.
VCGによる両室肥大の診断精度はECGに勝るとも劣らず,今後自動診断への応用が期待される.
著者らはベクトル心電図の小児期循環器疾患の診断
における有用性を高める目的で,各種指標の年齢別正
常値を設定し1),それに基き右室肥大診断基準2),左室
肥大診断基準3)について検討してきた.今回はさらに
両室肥大所見について検討したので報告する.
対象と方法
心臓カテーテル検査で確定診断された心室中隔欠損
症70例を対象とした.年齢は2ヵ月から14歳,男29例,
女41例であった.フラソク誘導心電図(以下VCG)を
記録し,解析はVCG自動解析システム(フクダ電子お
よび日本電子製EPC100)によった.同時に記録した標
準12誘導心電図(以下ECG)も検討した.
VCGの肥大所見は既に発表した右室肥大2)および
左室肥大3)の診断基準に基き,さらに両室肥大はこの
別刷請求先:(〒193)東京都八王子市台町4-33-13
東京都立八王子小児病院小児科
吉武 克宏
表1 ベクトル心電図心室肥大基準
右室肥大所見 左室肥大所見 両室肥大所見
Sx高値 Rx高値
Qz高値 Rz高値 右室肥大所見
Sx+Qz高値 Ry高値 +左室肥大所見
水平面QPS環 Rx+Rz高値時計方向又は8字型回転
20msecベクトル/ Qz+Rz高値LMSV低値
RMSV高値RMSV/LMSV高値 LMSV高値T環前方偏位 T環右方偏位
各指標の異常の判定は別に定めた年齢別正常値による.
両者の所見を同時に有するか,またはQz+Rzが年齢
別正常値を越えるときとした(表1).ECGの肥大所見
は小児心電図専門委員会による心室肥大判定所見の疑
徴または確徴4)によった.
心臓カテーテル検査の結果から症例を肺体血流量比
(Qp/Qs)1.5未満,1.5~2.0未満,2.0以上に分け,さ
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208-(72) 日小循誌 1(2),1986
表2 VSD 70例のVCG, EKG所見
所 見 正 常 左室肥大 両室肥大 右室肥大
群 Qp!Qs Pp/Ps VCG撒VCG愚 バVCGブ’VCG’一計
1 <1.5 <0.5 12 5
綴0 2 19
2 1.5≦ <2.0 <0,5 2 7 4 0 13
3 ≧2.0 <0.5 2 2 5 1 10
4 ≧2.0 ≧0.5 0 1 22 2 25
5 1、5≦ <2.0 ≧0.5 0 0 2 0 2
6 <1.5 ≧0.5 0 0 0 1 1
計16 醗 15 ’ 33 ’・ 繊 70
「
Qp/Qs
2.0
1.5
口 肥大なし ● 左室肥大 ▲両室肥大 ×右室肥大
VCG Qp/Qs ECG
口口 2 0
●● 2 ● 1
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 5 ▲▲▲▲▲▲▲ 22
▲▲▲▲▲▲▲▲
X 3群 1 X×4群
2
口口 2 0
●●●●●●● 7 ▲4▲ 2
▲▲▲▲ 4 0
2群0
5群0
口ロロロロロロロロロロロ
12
●●●●● 5
0
XX 1群2 X
6群1
2.0
1.5
口口 2 口 1
●● 2 ●●● 3
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 5 ▲▲▲▲▲▲▲ 20
▲▲▲▲▲▲▲
×
3群1 X
4群1
口巳口口 4 0
●●●●● 5 ▲▲ 2
▲▲▲▲ 4 0
2群 5群0
口口口口口口口口[]
9
●●●●●●●
7
▲ 1
××
1群2 ×
6群1
0.5 PP/Ps O.5
図1 VSD 70例の心カテ・データと心電図肥大所見
Pp/Ps
らにこれを肺体収縮期圧比(Pp/Ps)0.5未満と0.5以上
に分け,全部で6群に分け各群のVCGおよびECGの
肥大所見を見た(表2,図1).
結 果
Qp/Qs 2.0以上かつPp/Ps O.5以上の第4群の25例
中22例(88%)がVCG上の両室肥大を示した. ECGで
はこれが25例中20例(80%)であった.Qp/Qs 1.5未
満かつPp/Ps O.5未満の第1群ではVCG上の両室肥
大は1例もなかったが,ECG上の両室肥大は1例みら
れた(図2).
VCGの両室肥大を示した33例中22例(68%)が第4
群であった.ECG上の両室肥大を示した32例中20例
(63%)が第4群をしめた(図3).
VCGとECGの両室肥大所見の陽性と陰性が一致
したのは全対象例70例中61例(87%)であった.
McNemarの一致度の検定では両者の両室肥大所見の
表3 VSDにおける両室肥大所見
一VCGとEKGの一致度(McNemarの検定)一
V C G
陽 性 陰 性計
陽性EKG
陰性
28
5433
32
38
計 33 37 70
Uo=0.00 α=0.50
出現頻度に有意差はかかった(表3).
VCG上の両室肥大所見の現われ方としてQz+Rz
高値が29例(91%)の高頻度に見られ,その他右室肥
大所見としてQz高値, Sx+Qz高値, RMSV高値な
ど,左室肥大所見としてRx, Rz高値, LMSV高値,
Rz高値, Rx高値などが高頻度に見られた(表4),
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昭和61年3月1日
群 0ー 5
1
0 5 ⑳ー
1隠EヨIJI:4/13
4/13
15例
VCG2
ECG
31%
31%
VCG3
ECG
SO%
50%
5/10
5/10
・:::一:gc::・::耀:::㍑
・帽∵二1
1群:Qp/Qs<15
2群:L5≦QP/Qs<2.0
3群:QP/Qs ≧20
4群:Qp/Qs≧20
5群: 1.5≦Qp/Qs <20
6群:QP/Qs<L5
PP/PS<0.5
Pp/PS≧0.5
図2 VSD 70症例のVCG・ECGの両室肥大出現頻度
VCG上の両室肥大を示した33例中29例にQz+Rzが
高値を示したが,そのうち22例(76%)にV3のR波と
S波の和が6.OmV以上の高値を示した(Katz-Wach-
te1徴候).一方Qz+Rz高値がなかった4例は全例で
V3のR+Sが,6.OmV以下であった. Qz+Rz高値と
V3のR+S≧6.OmVの所見の陽性と陰性が一致した
のは70例中57例(81%)と比較的高く,両所見の出現
頻度に有意差はなかった(表5).
VCG上の両室肥大の時にみられるQRS環の形態
は主として3つのタイプに分けられた(図4).前後に
細長いA型12例(36%),前後だけでなく左方にも大き
く広いループを描くB型11例(33%),左前方から右後
方に大きなループを描くC型8例(24%)であった.
症 例
図5~図7に両室肥大を示した心室中隔欠損症例を
呈示した.これらに共通する所見は右室肥大所見とし
て前方成分であるQzが高値を示し,左室肥大所見と
して後方成分であるRzが高値を示すことである.そ
の結果,両者の和のQz+Rzが高値を示すことになる.
QRS環の形態を見ると,水平面で反時計方向回転をし
209-(73)
群
VCGl
ECG
VCG2
ECG
匿≡≡…≡≡ユ::
121S
125%
4/33
4/32
VCG3
ECG
151%
155%
5/33
5/32
VCG4
ECG
675%
625%
22/33
20/32
・1:1一ヨ:二:: VCG6
ECGlEIIIIi…≡ヨ?c::
1群:Qp/Qs<15
2群:15≦Qp/Qs〈2,0 Pp/Ps<o.5
3群:QP/QS≧2.0
4群:Qp/QS≧2・0
5群:1.5≦Qp/Qs<20 Pp/Ps≧o.5
6群:QP/Qs<L5
図3 両室肥大所見を呈した症例(VCG 33例, ECG 32
例)の各群の示める割合
表4 VCG両室肥大でよく見られる所見
一VCGで両室肥大を呈したVSD 33例について一
右室肥大所見 左室肥大所見
Qz高値 21例
Sx+Qz高値 17
RMSV高値 14Tベクトル前方偏位 6
Sx高値 6
Rx+Rz高値 22例
LMSV高値 19
Rz高値 16
Rx高値 13
Tベクトル右方偏位 3
Qz+Rz高値 29
表5 Katz・Wachtel徴候とETS徴候
VSD 70例について(McNemarの一致度の検定)
Katz-Wachtel徴候(R+SV3≧6.OmV)
陽 性 陰 性
ETS徴候 陽性(Qz+Rz高値)陰性
22
4737
29
41
26 44 70
Uo=1.206 0.11<α<0.12
ながら前後に細長いA型(図5),左前方から左後方へ
大きく膨らんだループを描くB型(図6),左前方から
右後方に大きいループを描くC型(図7)に分けられ
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210-(74) 日本小児循環器学会雑誌 第1巻 第2号
Z
X
Z
X
Z
X
A 型
(12例)
B 型 C 型
(11例) (8 例)
図4 VCG両室肥大症例(33例)の水平面QRS環の形態
そ の 他
(2 例)
Qp/Qs:=6. O Pp/Ps::O.9 Qp/Qs=2.1 Pp/Ps=0.5
一:1mV Z一
一F -
『
.H 〈 S ≡
-X “〃l l
一
1 ● .
∠/’一 (=ニレ〆 z
Y■
一
・Y
選諜
‘.L-1= L
1 菖
鋼麺.
Z -;一 ≡
㌫ぷ瀞皿塑
一一
N- IHJ7鷲一沽工廿
V, V2 V3 V。 V, V・
VCG所見 Sご:::::;:;ぽ㌔;)。漂と:;:1[9:::::;1.MSV.3,、{1.ト、。、
TH=132°(-06~31°)
ETS微候:Qz十Rz=4.ア(0.3~3.1)
():正常値
図5 症例.3ヵ月男児.心室中隔欠損症
る.もちろんそれぞれの中間型もある.例えば図8は
A型とB型の中間,図9はA型とC型の中間といった
ぐあいである.いずれも矢状面では前後に細長いルー
プを描くことになる.ECGではKatz-Wachtel徴候を
伴った両室肥大所見を示しており,VCGとECGの所
見は良く一致している.
考 察
肺血流量が増加し,しかも肺高血圧をきたす心室中
:0.50mV
F X
H▲ Zl「⊃・ S
1- Z下5> 7
I l
:7|’
一
1司7 Y w
又≡
1
蓼
II
藁
Y
lll
竺
豊
i’1’一一 。、 ÷-v-一
藪
8Vl ・Vト
彗藝
藝墾 V5 Vfi
VCG所見 RvH: Qz=1.59(O.2~L2}S:+Q2=L部(0.3~1.5)
LVH :Rx=2.50《O.6~2.2) Rx十R:=4.09(1.1~3.6)
ETS徴候:Qz十Rz±3.18(0.6~2.6) ():正常値
図6 症例.5歳女児.心室中隔欠損症
隔欠損症例は,血行動態上の両室負荷を生じていると
考えられる.このことがVCGにどう反映するかが問
題となる.著者らは既に発表したVCGの右室肥大お
よび左室肥大所見に関する知見をもとに,VCGの両室
肥大の診断基準を設け,それに基いた両室肥大の診断
の妥当性を臨床例を通して検討した.
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昭和61年3月1日 211-(75)
一1mV
Qp/Qs=4.2 Pp/P■=O.08
F I
l☆.X
A
H s
Z\
X
S 一
Zl ●〉 ‘〉
‘ ‘
-
w
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〉 °
一 醜Y’
x ≡
・日挫拡珪・
-挫.挫亘
≡」
一
Y「『」ぺ
lll aVH
趣稗
Z
aVl
F
Y
ト→:1mV
X
aVF
Qp/Qs=2.9 Pp/Ps=O、8
嗣棒
挫酬 V5 V4V3
捧㌦
H ’Z
X
S
一
一
z●
‘ 1
≡
●
一
Y -
}
VCG所見 RVH:Qz=3・93(0・2~L7)sx+Qz=5・29(0・4~2・7)RMsv=3.OS《0.3~2.2)
LVH:Rz=3.10(O~1.6)Ry十Rz=5.99(0.8~3.8)LMSV=4.67{1.1~3.旬
Ry=2.se(0.5~2.2) ETS徴候:Qz十Rz=7.03(O.3--3.1) (}:正常値
図7 症例.7ヵ月女児,心室中隔欠損症
議X」一
}≡ .
【嚢 ll ロ
麺璽竃三YR
薯轟 VI V2 V3
VCG所見 RVH:Qzニ2.9(0,2~1.7)
LVH:Rx =2.9 (0,5~2,2)
LMSVニ4.6 (1.1~3. O)
V4
a し a ド
鍾轟
捧 Sx十Qz=3.6(0.4~2.7) Rヱ=3.7 (0~1.6) TH=-145° (-66~31°)ETS徴候:Qz十Rz=6.6 (0.3--3.1)
():正常値
図8 症例.7ヵ月男児.心室中隔欠損症
「 Vs Ve
RMSV=3.3(0.3~2.2)
Rz十Rz=6,6 (0、8~3.4)
Qp/Qs=1.8 Pp/Ps=1.0
肺血流量が増加し(Qp/Qs≧2.0),中等度以上の肺
高血圧(Pp/Ps≧0.5)がある症例(第4群)で88%の
高率にVCG上の両室肥大が見られた(図2).一方
VCGで両室肥大と診断した症例の67%が第4群で
あった(図3).このことはVCGは血行動態上の両室
負荷を比較的忠実に反映すると考えられる.但し本研
究の対象に肺高血圧があって短絡量が減少した症例
(第5,第6群)の例数が少い点は,症例の偏りとして
考慮しなけれぽならない.
ECGによる両室肥大の診断率と比較すると,両者と
も類似した傾向を示した.VCG, ECG双方の両室肥大
所見の有無をつき合わせると87%の高率で一致した.
McNemarの検定でもその頻度に差はなく,両者とも
共通した所見を見ていることになる(表3).
所見として高頻度に認められたQz+Rzの高値は
QRSベクトルの前方成分と後方成分が大きいことを
意味し,ECGのKatz-Wachtel徴候5}に対応するもの
で,VCGではETS徴候と呼ぼれている6)7).本研究で
も両所見の有無の一致率は高く(表5),同じ現象を別
の角度から見ていることになる.
F
一:1mV
X
H
Y
Z
x
S
一
Z ,
-
1 Y
二z
1 皿皿aVR・aVしaVF豆奉理~亘趣i憂垂蓼
‡垂=彗1 至珪珪 V・ V。 V3 V。 V5 V。
VCG所見 RVH:Qz=2,8{0.3~1.7) Sx十Qz=3.8(0.5~2.1) RMSV=2.3(0.2~2.2}
LVH:Rz=2.1〔0~1,7} Rx十Rz=3.9(0,6~3,8) LMSV=3.2(1.2~2.8)
ETS徴候:Qz十Rzニ5.0 (0.5~3.0)
():正常値
図9 症例.1歳1ヵ月男児.心室中隔欠損症
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212-(76)
両室肥大における水平面QRS環の形態は特徴的で
(図5~図9),まとめると右室肥大のための初期前方
成分または末期右後方成分の増大と,左室肥大のため
の左方または左後方の中期から末期へかけての成分の
増大として現われる.
Tベクトルについては両室肥大との関連ではとくに
とり上げなかった.Tベクトルに異常が現われる場合
は,左室肥大に伴う変化や右室肥大に伴う変化であり,
両室肥大に特有な変化は示さないからである7).
以上から上記に定めたVCGの両室肥大診断基準に
よるとき,VCGはECGに勝るとも劣らない診断力を
持っているといえる.1960年代にVCGに関する研究
が数多く発表されたが,VCGの両室肥大を判定する力
はECGに比べて著しく劣るとされてきた8).これはか
つてのVCGの判読がベクトル・ループの向きや形態
などの定性的な面から行われたのに対し,著者らは自
動解析システムによる各種計測値を用いた定量的方法
を取ったことから来る違いによると思われる,
この診断基準を自動解析システムに組み込むことに
より,両室肥大の自動診断の可能性も開け,今後が期
待される.
本論文の要旨は第20回日本小児循環器学会(於:松山)で
報告した.
日本小児循環器学会雑誌 第1巻 第2号
文 献
1)Yoshitake, K: Normal vectorcardiographic
parameters in infants and children. Jap. Heart
J.,26:305,1985.
2)吉武克宏,永沼万寿喜,小池一行,高野良裕:先天
性心疾患におけるベクトル心電図一右室肥大所見
の検討一.日本小児循環器学会誌,1:35,1985.
3)吉武克宏,永沼万寿喜,小池一行,高野良裕:先天
性心疾患におけるベクトル心電図一左室肥大所見
の検討一,日本小児循環器学会誌,1:201,1985,
4)大国真彦:小児心電図肥大判定基準について.日
本小児科学会誌,75:1067,1971.
5)Katz, LN. and Wachtel, H、:The biphasic
QRS type of electrocardiogram in congenital
heart disease. Am. Heart J.,13:202,1937.
6)Elliot, LP., Taylor, WJ. and Schiebler, G.L.:
Combined ventricular hypertrophy in infancy.
vectorcardiographic observations with special
reference to the Katz-Wachtel phenomenons.
Am. J. CardioL,11:164,1963.
7)Castellanos, A., Lembeng, L, Gosselin, A. and
Castellanos, A. Jr.:Combined ventricular en・
largement during the first months of life. Am. J.
CardioL,13:767,1964.
8)Cabrera, E. and Caxiola, A、:Diagnostic con-
tribution of the vectorcardiogram in hemodynamic overloading. Am. Heart J.,60:
296,1960.
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昭和61年3月1日 213-(77)
Vectorcadiographic Criteria for Diagnosis of Combined Ventricular Hypertrophy
in Infants and Children with Congenital Heart Disease
Katsuhiro Yoshitake†, Masuyoshi Naganuma*,Kazuyuki Koike*,
Yoshihiro Takano*and Junsaku Fujikawa*
†Tokyo Metropolitan Hachioji Children’s Hospital
*National Children’s Hospital
We studied vectorcardiographic(VCG)findings in combined ventricular hypertrophy(CVH)in
infants and children. VCGs of 70 patients with VSD frorn the VCG auto-analysing system were analyzed.
The diagnosis of CVH was made when a patient had both criteria of right and left ventricular hyper-
trophy which the author had previously reported or higher voltage of Qz+Rz than normal ranges.
Out of 70 patients,25 were supPosed to have hemodynamic biventricular overload(QP/Qs≧2.O and
Pp/Ps≧0.5), of whom 22 patients(88%)fulfilled the criteria of CVH. Out of 70 patients,33 fulfilled the
criteria of CVH, of whom 22(670ro)showed hemodynamic biventricular overload(Qp/Qs≧2.O and
Pp∫Ps≧0.5). These results were similar to the incidence of CVH diagnosed with using the 121ead ECG.
High voltage of Qz+Rz was the commonest finding. High voltage of Qz, Sx+Qz and RMSV were
frequent findings of RVH and high voltage of Rx+Rz, LMSV and Rz were the ones of LVH. High
voltage of Qz+Rz has been called Elliot-Taylor-Schiebler(ETS)phenomenon and corresponds to Katz-
Wachtel phenomenon in 121ead ECG. Positivity and negativity of both phenomea were matched in 570f
70patients(81(70).
VCG diagnosis of CVH in patients with congenital heart disease was useful and automated diagnosis
may be possible, if the above-mentioned criteria is commposed in the VCG auto-analysing system.
Presented by Medical*Online