論文集) - MLIT · 1.はこはに...

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第20回 渡良瀬川工事安全施工研究発表会 論文集) 開催日: 平成3 0 年1 2 月6 日( 木) 所: 足利商工会議所友愛会館 渡良瀬川工事等安全協議会

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第20回 渡良瀬川工事安全施工研究発表会

( 論 文 集 )

開催日: 平成3 0 年1 2 月6 日( 木)

場 所: 足利商工会議所友愛会館

渡良瀬川工事等安全協議会

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発 表 論 文

№ 会 社 名 発表者 表 題 ページ

( 佐野河川支部) H29秋山川右岸大古屋地先護岸工1 村田 僚 4

河本工業株式会社 事における安全対策について

( 大間々砂防支部) H30花輪地区導流堤下流部工事2 石井 宏幸 8

岩澤建設株式会社 における安全対策について

( 足利支部) H29渡良瀬川左岸鹿島町地先堤防3 田所 八的 1 2

岩澤建設株式会社 補強工事における安全対策ついて

( 足尾砂防支部) H29久蔵口基礎工事における安全4 菊地 敦弥 1 6

中村土建株式会社 対策

( 桐生支部) H30境野町地先堤防法面補修他工5 岩見 弘平 2 0

石川建設株式会社 事における安全対策について

2

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発 表 論 文

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H29秋ああ

山山やややや

右右う や う

大大お お お

屋屋屋や や や あ

護右お や う

工工こ う こ

におにに安安あうあう

対対たたや た

ににたに

河河工河河河河河 H29秋山山右右大大屋屋屋護右工工

( 工工: 平平30年6月30日~平平31年1月31日)

現現現現現 ・ 監現監監監 武武 一一

○ 若若監監監 村村 む む た

僚 り り う

キキキキキ 「 増増増増増たい に !!」

( 出増工出出の施工)

1 . はこはに

河工工 は、秋山山右右におたに河河河河河( 河河) や不不しにたにこ し しむ 、河河を広げにたは施

工工工工 500mの護右を施工すに工工であり 、当当現現の施工におたには、出増工出出の施工や求は

むらにこ し しむ 、 そらに応こた安安対対や不不不し とに。

工工工工工

秋山山

伊保内新橋

伊保内橋

船津山橋

菊沢山排増機現

○ 完平イメキジ工○

施工箇所[施工工工500m]

H. W. L 24. 404

▽17. 7011: 2. 0

計画河河出心

測量出心線

縦縦ココココココ

大大大大ブブ ブ ブ

吸出し防防防

( 350kg/ m2以以)

( t =10mm)

基基ココココココ

総総

○ 標準河河工

一一一一

4

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2 .増増増増増たい に !!

近年 、安全の全国現河山を対対に施工施施を工工すにこ し にすり 、洪増や予測やらたし あに施工施

の堤防堤堤に戻す等の措工やであに工工ににたに、出増工におたにに施工であにすう にとい た。

こらにすり 、施工施工の平準平や余余を持い た工工の確保を促促し、生生生生以や働あ施方方の推促

を工にこ し やであに。施工を行う には、作河作や資機防等の退退となの適適と防防措工を講こにこ し 、

安安生や確保であにこ し を施前にし たう 条条やあに。

今年 は、非非に多た の台台や来た。

そらにすり 、秋山山の増工や増増したこ し

やあい た。 この施は準準工を行い にたた出

で、朝朝を行た8施おごには、写写①のす

う に秋山山の増工や以上し、高増高やで増

増した。表①のし おり 平非施増工(工2.60m)

しむ 、工6施出程度で 2.0mを超えにやで

(工4.74m)増増したこ し にとに。

この増工や普普の増工に戻にやで丸1日

ししい た。 こ う たい た出でに山の流らにす 写写① (秋山山増増堤秋)

い に堤防や洗一やら、施工に影影や出にこ し にあにし 想想やらに。

そう した、出増工の施工を行う たはに当当現現し しに、

計画・ 施工工工・ 作河作の安安を踏やえに 5 にの安安対対

を行う こ し し した。 表①( 台台24号施伊保内新橋増工計)

3 .出増工出出におにに安安対対

①河山増増施退難計画書を作平【 計画】

工工工若に伴た、過過の増工水測デキデを参参に河山増増

施の退難計画書を作平し、出増工出出に現現に入現すに際、

『 退難計画書に基づあ施工を行う 』 こ し を新新入現施新新に

に周周周周し、各各各河監の職工には、 ススキスス ス ス等で

見むらに【 山の防防情報】 を登登やさ( 写写① )、 雨や予想

やらに現場や台台等や発生すに現場は、 なこにたにに見にす

う にし、 すす にでに重機資機防等の退難や出来にすう に新新

・ 指指を行た施工を行い た。 写写① (山の防防情報新新堤秋)

平非施

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結結、出増工出出に何度し台台や大雨や予想やらたや、

増工の変平を気にしとやむ施工を行た、退難計画書に基

づたに現現に工たにあに重機は堤防堤増へ退難( 写写① )

やさたこ し にすり 、重機・ 資機防等の防災は発生しとし

い た。

写写 ① (重機退難堤秋)

①河山増増施の洗一防防対対【 施工工工】

施工 の第一普第し しに、 ブクキス作河ヤキキ確保の為、高増高の一一一一を施工しやす。 その際、

旧堤を含はに適切げを行う たは、以流上は一一したややの堤状や続あ、 そのややでは急に増工や以上

した際に高増高や山の流らにすい に洗一やらに恐らやあり やす。 そう した堤秋にとむとたすう に、当

日の施工施施施には、一一した以流上増上に袋袋は根根は (2.0t )を設工し、河山の流増流入を防ぎ洗

一防防に努はた。( 写写① )

そのそしにに 、洗一防防対対

し しに、緊急施緊の大大大のう

(1.0t )( 写写① ) を作平し、出

増工出出に増工や以上した現場

でに、即即に設工し河右上洗一

防防を工にこ し やであにすう に

あむしこはに作河作への周周を

行い た。 写写① (一一以流上袋袋根根設工) 写写① (緊急緊大大大のう )

①適大施河におにに養生【 施工工工】

高増高 の一一一一作河は、

高や 4.0mそなの適大施河し とに

一一掘掘でした。( 写写① ) 出増

工出出での施工し とり 、降雨量

や多た とにこ し や予想やらたの

で一一適大施河や完施した箇所

しむ、施河や雨増等で崩崩しと

たすう にブいキいキスで養生を 写写① (高増高一一堤秋) 写写 ① (適大施河養生堤秋)

行た( 写写① )、 屋山崩崩の防防に努はた。

やた増工以上施には、 ①で説説した大大大のう に施河施河に設工であにすう に準えた。

工 4.0m

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①現現気対情報の把握【 作河作の安安】

出増工出出 の施工し たう こ し で、現現では ←みややり 伝書伝

気対堤秋の把握や重重だし 参えやした。 その ( 現現出現上に設工)

たは、現現や休工出でに現現の気対情報やが

アいデイアで見むらに『 みややり 伝書伝』 を

設工した。

工事所 の PCだにに限むら、 ススキスス ス

スしむに閲閲であにたは、今現今現現でなら

だに雨や降い にたにのし、台風はならた むた

とのし、画河( 写写① ) を見ただにで現現の 写写① (みややり 伝書伝国現画河)

堤秋や把握であにし 共に、山の防防情報を元に出増工出出の現現の国現を行い た。

①若元作河作の安安対対【 作河作の安安】

当工工 を施工すに以で、鋼鋼鋼での仮仮適り

や構構構の撤過等でなう しにに作河作や河山内

へ行あ作河をすにこ し やあり やす。

重機資機防の退難計画にそう ですや、一一大工

とのは作河作の安安確保だし 参えやす。

そう たい た際に万や一に山へ落やにしやい にに

溺らたり 流やらたり しとたすう 、 作河作にはに

イスジイ イブ スの工緊( 写写① ) を周周やさ

出増工の施工を行た、 そのそしにに、緊急工状

に準えに浮あ輪を現現3 ヶ所に設工し、作河作

の安安確保に努はた。 写写① (緊急緊浮緊設工堤秋)

(仮仮適施工施にイスジイ イブ ス工緊)

4 . おやり に

河山工工 は、非出増工し とに冬工出や繁繁工し とり 、工工におにに安安対対や最重重であにし 参え

に。出増工だにではとた 、 こらしむの施工に増工無・ 増防災で工工完平を生しえむらにすう に、安安

国現に努はやす。

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H30花輪はな わ

地区ち く

導流堤どうりゅうてい

下流かりゅう

部外ぶほか

工事こ う じ

における安全あんぜん

対策たいさく

について

岩澤建設株式会社 H30 花輪地区導流堤下流部外工事

( 工期: 30 年6 月28 日~31 年3 月22 日)

現場代理人 〇石井い し い

宏幸ひ ろ ゆ き

監理技術者 黒田く ろ だ

裕之ひ ろ ゆ き

キーワード「 第3者に対する安全対策」「 緊急時の安全対策」「 各種見える化」

1 はじめに

本工事は渡良瀬川の河道に堆積している不安定土砂の二次移動を防止する事で、 土砂流出による

洪水氾濫等を防ぐ事を目的とした花輪床固群の一環である導流堤を施工する「 花輪地区」 と、 日暮沢

の3基の堰堤を管理する為の管理用道路を整備する「 日暮沢地区」 の2箇所が施工箇所となります。

現在、「 日暮沢地区」を主として施工を進めている中で、現場の状況に応じた安全管理を行っています。

2 工事諸元

工 事 名: H30花輪地区導流堤下流部外工事

工事場所: 群馬県みどり市東町花輪地先、 群馬県桐生市川内町地先

工 期: 平成30 年6 月28 日~平成31 年3 月22 日

工事内容:【 花輪地区】 流路 砂防土工一式 流路護岸工一式 仮設工一式

【 日暮沢地区】 舗装 舗装工( コンクリー ト舗装) 一式 法面工一式 構造物撤去工一式 仮設工一式

( 図1) 現場位置図

( 図2) 平面図( 花輪地区)

( 図3) 平面図( 日暮沢地区)

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3 現場の状況に対する安全対策

3 . 1 第3者に対する安全対策

「 日暮沢地区」の出入口から現場までの道路は、鳴神山へハイキングする一般者と共有しています。

その為、 本工事の工事車両と一般者との接触災害が懸念されました。

3 . 1. 1 一般者との分離措置等

バリケードにて歩行者通路を確保し、 安全に通行できる様にしています。 また工事車両には、 のぼ

り旗にて「 徐行」 を周知しています。 コンクリート 打設時は出入口に交通警備員を配置し、 一般者及

び工事車両の誘導を行い、 安全確保を図っています。

3 . 1. 2 大型車両通行時の周知等

「 日暮沢地区」 の大型車の通行は、 主にコンクリート 打設時・ 砕石搬入時・ 各種材料搬入時となり

ます。近隣住民の方には、工事着手前に回覧板等で大型車両が通行する事をお知らせしました。また、

大型車両が通行する日には「 本日大型車両が通行します」 ののぼり旗を現場出入口及び手前100m に

設置しています。なお、のぼり旗はハイキング等の外からの利用者への周知にもなっています。また、

現場出入口の公衆用掲示板の週間工程表においても、 大型車通行予定を記載し、 周知しています。

また安全対策ではありませんが、 現場休憩所に設置した「 快適ト イレ」 を一般解放しています。

特に女性の方から「 ハイキングコースにト イレが無いので助かります。」とお礼の言葉を頂いています。

これらの安全対策の維持・ 管理を徹底し今後も安全作業を進めていきます。

( 写真1) 歩行者用通路

( 写真4) のぼり旗

( 写真2) のぼり旗 ( 写真3) 交通警備員

( 写真5) 週間工程表 ( 写真6) 快適ト イレ

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( 写真7) 無線機

3 . 2 緊急時の安全対策

本工事着手前に現場確認を行ったところ、 電波状況が悪く 携帯電話が使用できない事がわかりまし

た。 その為、 現場内の連絡体制及び緊急時の連絡体制について課題がありました。

また、 施工延長が700mある状況で、 緊急時の避難体制について検討しました。

3 . 2. 1 現場内・ 緊急時の連絡体制

現場内では無線機を使用し連絡を取り合っています。

また、 現場内の連絡ができたとしても、 緊急時は現場外と連絡ができなければなりません。

そこで、 現場休憩所へ衛生電話を設置しています。 緊急時連絡表に衛生電話の番号も明記し、

迅速な対応ができる様にしています。 現場休憩所の外に「 衛星電話設置事務所」 の看板を設置し、

緊急時は一般者の方も使用できる様にしています。

3 . 2. 2緊急時の避難体制

緊急時の一時避難所は現場休憩所としています。 この一時避難所へ避難する際に単独行動を避け

避難する為、 災害時集合場所を設定しています。 災害時はこの集合場所へ移動し点呼後、 一時避難所

へ移動する事にしています。 集合場所は3箇所設定していて、 施工の進捗により変更しています。

避難経路・ 作業中止基準も集合場所に掲示し緊急時に

迅速な対応ができる様準備しています。

また現場には緊急時に担架になる「 レスキューベンチ」

を常備しています。

( 写真10) 避難経路・ 中止基準

( 写真8) 衛生電話 ( 写真9) 衛生電話設置看板

( 写真11) レスキューベンチ( 図4) 平面図

1 次避難場所

集合場所( 現在) 集合場所( 前回)

集合場所( 前々 回)

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( 写真14) 倒木箇所注意喚起 ( 写真15) 雨量計

( 写真12) 作業半径立入禁止表示板

( 写真18) 雨雲レーダー

( 写真13) 作業状況

( 写真19) ピンポイント 予報

3 . 3 各種安全対策の見える化

3 . 3. 1 重機稼働時の人身事故防止対策の見える化

重機稼働時における人身事故防止対策では、重機作業半径の明示を徹底しています。「 作業半径立入

禁止表示板」 を製作し設置しました。 表示板は大きめのサイズであり、 蛍光色かつ反射するものであ

り、作業員から「 わかりやすく 目立つので重機が稼働しているのが遠く から確認できる」と好評です。

3. 3. 2 自然災害に対する安全管理の見える化

日暮沢地区では、 現在までで降雨・ 台風後に倒木が同じ箇所で2度ありました。

幸い作業開始前の現場点検で発見されましたが、 1度目は作業員に朝礼時や作業打合せ時の周知だけ

でした。 2度目の倒木があった時は前回周知だけだった事を反省し、 倒木箇所に注意喚起看板を設置

しました。 新規入場者にもイメージしやすい様に倒木時の写真も貼り付けました。

現場事務所には雨量計を設置しモニターを事務所内から確認できる様にしており、 雨量をリアルタ

イムに確認しています。 また花輪地区では、 自社制作した吹き流し計測板の使用や、 現場専用の気象

情報サイト 「 KIYOMASA」 (NETIS KT-100110-VE)を使用し、 見える化を進めています。

4 おわりに

本工事は出水期が明けて、 今現在、 日暮沢地区と花輪地区の2箇所で作業を進めています。 それぞ

れの安全管理を今後も行い、「 安全は全ての作業に優先する」 を忘れず、「 全員一丸」 となって工事完

成まで、 安全な現場を進めていきたいと思います。

( 写真16) 吹き流し計測板

( 写真17) 現場専用気象情報サイト

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H29渡わた

良ら

瀬川せがわ

左岸さ が ん

鹿島町かしまちょう

地先ち さ き

堤防ていぼう

補強ほきょう

工事こ う じ

における安全あんぜん

対策たいさく

について

岩澤建設株式会社 H29渡良瀬川左岸鹿島町地先堤防補強工事

(工期 平成30年8月 1日~平成31年1月31日)

たどころやまと

現場代理人 〇田所八的

監理技術者 小林幸広

現場担当 大賀祐樹

キーワード 「平成30年度重点的安全対策」 「熱中症対策」 「創意工夫」

1.はじめに

本工事は渡良瀬川上流区間において左岸堤防を補強し、洪水時の治水安全度の向上をはかる工事です。

施工箇所の堤防川裏側には住宅密集の状況があり、堤防天端はサイクリングリロードに指定されている。

2.工事概要

工事名:H29渡良瀬川左岸鹿島町地先堤防補強工事

工事場所:栃木県足利市鹿島町地先

工期:平成30年8月1日~平成31年1月31日

工事内容:

(鹿島地区) 河川土工 盛土工21,000m3,法面整形工6,990m2, 法覆護岸工 コンクリー トブロック積工 コンクリー ト

ブロック基礎130m,コンクリー トブロック積207m3,天端コンクリー ト9m3,小口止コンクリー ト1m3,連節ブロック張

工 コンクリー トブロッック基礎237m,連節ブロック張5,900m2,護岸付属物工 1式,植生工8,000m2,補

強シ トー2,500m2,覆土工1式,付属物工1式,付帯道路工 路側防護柵工1式,アスファルト舗装工1

式,縁石工1式,構造物撤去工1式,仮設工1式

(福富地区) 河川土工 盛土工2,850m3,法面整形工1,330m2法覆護岸工 植生工1,330m2,付帯道路工 ア

スファルト舗装工1式,縁石工1式 仮設工1式

鹿島地区

福富地区

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3.現場の状況に対する安全管理

3.1平成30年度重点的安全対策について

工事の施工に当たり下記の重点的安全対策について留意し工事事故の防止を進めていきます。

Ⅰ.架空線等の損傷事故防止

施工前に事前調査を行います。今回の現場では、架空線がありませんでしたが、別途工事で鹿島橋の塗装

工事(吊り足場)が発注されているため、制限柵を設置し、のぼり旗・看板での注意喚起、重機にはステッカーの

貼付けを行なって損傷事故防止を行います。

Ⅱ.建設機械等の稼働に関連した人身事故防止

現場内には多くの重機や、大型ダンプが稼働している為、人身事故が予想されます。そのため、大型ダン

プ後退時には誘導員を配置し、安全訓練時には重機の作業半径やグーパー運動などを再度周知します。

Ⅲ.資機材等の下敷きによる人身事故防止

現場では、連節ブロック張を始め吊荷作業が存在します。そのため、吊荷が落下し下敷きになる事が予想さ

れます。当現場では、吊荷警報器を使用し警報音と音声で周りの作業員に注意喚起します。また吹き流しを

設置し、尚且つ携帯の風速計にて迅速かつ正確に現在の風速が把握できるようにしています。

写真1制限柵・のぼり旗・看板設置 写真2重機にステッカーを貼付け

写真3誘導員を配置 写真4作業半径の周知 写真5グーパー運動の周知

写真8吹流し・風速計写真7吊荷警報器の仕様写真6吊荷警報器の使用

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Ⅳ.地下埋設物の損傷事故防止

施工前に事前調査を行います。今回の現場では、埋設物がありませんでしたが、変更等であった場合は次

のような対応を行います。埋設業者に当時の資料を頂き、埋設ルートを確認します。その埋設ルートにはのぼ

り旗・看板を設置し、横断箇所には敷き鉄板で養生を行います。

Ⅴ.事故防止

事故防止対策として、日々 下請けの職長と工程や作業方法等の検討・打合わせを行っています。どんな些

細な事でも打合わせをすることにより、より安全で作業ができれば良いと思っています。また、新規入場者教育

では始業前点検の確認箇所を作業員含め全員で確認しています。

土砂運搬時には、過積載防止としてトラックスケールを用いての計測を行います。計測結果から積込み回

数を決めて、積込み用のオペレーターに周知させます。

安全訓練では、VR を使った教育を行っています。安全教育で危険な内容を伝えることはできても、その危

険を実際に体験することは事故にあわない限りできないことでしたが、VRを利用することで、仮想現実におい

て事故を体験することが可能になりました。これにより、各作業員は安全意識の大切さ、事故の恐怖を学ぶ事

が出来ます。VRですので危険体験を何度でも安全に体験できます。VRを体験するという行為は、一方的な

講義を受ける教育(受動的)ではなく、自ら率先して体験する(能動的)にあたります。これにより作業員への教

育の高い浸透性についても期待できます。また、安全教育に実際の現場と同じような設備を用意する場合は、

時間・場所が必要になりますが、VRの場合は、ヘッドマウントディスプレとヘッドホンのみで行なえるため、持ち

運びやすく、時間や場所を選ばなくてもいいというメリットがあります。

写真9作業工程打合せ 写真10点検確認箇所の周知 写真11過積載防止対策

写真12VR装置 写真13・14VRを用いた疑似体験

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3.2熱中症対策

当現場では、準備工等を8 月から始めました。その頃からすでに最高気温が35℃を超える日が多々 あり、

着手と同時に熱中症対策に取り組みました。

3.2.1注意喚起

現場事務所に注意喚起のポスターと環境管理温湿度計を設置しました。また、下請けの職長に黒球式熱中

症指数計の熱中アラームを付けていただきました。危険度レベルにより、4 段階でアラームと液晶表示で通知

されます。10 分毎にアラームが鳴るため、アラームの種類さえ覚えてしまえば作業を中断せず温度が分かる

ため、便利でした。

3.2.2対策用品

対策用品として休憩所の塩タブレットや冷蔵庫には清涼飲料水を常備しました。現場へ行く際は飲料水を作

りジャグで持って行ったり、各自の飲み物を冷やしておけるようにクーラーボックスをもって行ったりと、こまめ

な水分補給ができるように工夫しました。

4.おわりに

これから繁忙期を迎えます。元請はもちろんのこと、下請け作業員を含め全員で小さなリスクを摘み取ってい

き、安全な現場を進めて無事故・無災害で工事を完成できるよう頑張ります。

写真15ポスターの掲示 写真16熱中アラームの携帯 写真17熱中アラームの仕様

写真18冷蔵庫に水分の常備 写真20塩タブレットの設置写真19熱中対策応急セット設置

写真21持運び用ジャグ 写真22現場用クーラーボックス写真23ファン装着式作業服の着用

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H2 9 久蔵く ぞ う

口ぐち

山腹さんぷく

基礎き そ

工事こ う じ

における安全あんぜん

対策たいさく

中村土建株式会社 H2 9 久蔵口山腹基礎工事

( 工期: 平成30 年4 月1 日~平成31 年1 月31 日)

現場代理人 〇菊地き く ち

敦あつ

弥や

監理技術者 山やま

川かわ

政まさ

益えき

キーワード 「 リスクの低減」「 作業環境の改善」

1 . はじめに

本工事の施工箇所は、 栃木県日光市足尾町の渡良瀬川源流域である久蔵川、 松木川、 仁田元川の

三川が合流する足尾砂防堰堤上流、 久蔵川左岸側に位置する斜面崩壊地である。 この周辺は足尾銅山

より排出される亜硫酸ガスの影響及び山火事等により裸地化され、 斜面の荒廃は極限まで達し、 以来

洪水のたびに流域に大きな土砂災害を及ぼしてきた。 そのため砂防事業が現在まで進められ、 今では

民間団体による緑化活動も活発に行われ緑を取り戻しつつある。 本工事は山腹崩壊地からの土砂生

産・ 流出を防止するため、 崩壊した堆積土砂・ 不安定岩盤を撤去後、 落石防止網を張り、 かご枠工を

階段状に設置し安定勾配を確保した後に緑化し、 緑豊かで安全な斜面を目指す目的の斜面対策工事で

ある。

2 . 工事概要

工 事 名: H29 久蔵口山腹基礎工事

工事場所: 栃木県日光市足尾町地先

工 期: 平成30 年4 月1 日~平成31 年1 月31 日

工事内容: 斜面対策工 ・ 砂防土工 1 式 ・ 法面工 1 式 ・ 山腹水路工 1 式

・ 構造物撤去工 1 式 ・ 仮設工 1 式

足尾町

( 施工箇所位置図) ( 施工箇所詳細)

今回施工箇所

足尾砂防堰堤

モノ レール

ケーブルクレーン

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3 . リスクの低減

3 . 1 施工前検討会の開催

当社では本工事の施工計画前の段階で、「 品質」「 安全」

は元より様 な々視点で検討会を行う 。出席者は、当社役員・

土木部長・ 次長・ 工事担当者・ 他部署の社員により、 土木

の視点や土木以外の視点により検討会を行い、 様 な々意見

を出し問題に対する予防処置を検討した。 特に安全につい

ての主な検討内容として、「 急斜面での作業」「 法面上部か

らの落石防止対策」「 作業環境改善」 など、多種多様な視点から検討する事で潜伏している危険を洗い

出し、 着工時、 施工中のリスク低減・ 安全管理に役立てた。

3 . 2 急斜面作業でのリスク低減

施工箇所の地形は、急峻かつすり鉢状・ 狭隘箇所となり、

作業中の落石等の落下物が中心に集まりやすい為、 作業員

の可動範囲や同時作業の人員も制限する必要があった。 起

工測量を行う 段階では、 特に何らかの安全対策が必要とさ

れた。 従来工法では、 現地に人が立入り測量を行う か、 ノ

ンプリズムによる測量を基本としているが、 今回の施工箇

所は地形が入り組み、 従来測量では危険なため、 安全を考

慮し UAV( 無人航空機) を使用して測量を行った。現地測

量は、命綱設置・ UAV 測量に必要な評定点及び検証点の設置が必要であったが、従来に比べ半分程度

で作業を終了する事が出来た。 今回 UAV を使用し、 法面での作業を極力少なく したことで、 墜落・

転落、 落石による災害のリスク低減が図れた。

3 . 3 落石防止対策

落石防止対策として、 法面掘削時は法面中腹・ 既設コンクリート 擁壁天端に高さ 4mの落石防止網

を設置し落石の飛散防止とし、 最下部には大型土のう を2

段設置し土塁を設けた。 また、 最下部の施工時は中段にロ

ープスティ ックを使用し落石防止網を地山より高く 設置す

る事で落石による災害防止を行った。

既設工事用道路は、 他工事・ 植樹者・ 登山者・ ト レッキ

ング者が年間を通して多数通行しているため、 養生用枠組

足場を作成し落石対策及び第三者災害防止対策を講じた。

施工中落石も無く 作業を進めている。

4 . 作業環境の改善

4 . 1 週休2 日制モデル工事の試行

本工事は「 週休2 日制モデル工事」 の試行対象現場であり、 建設業における「 働き方改革」 を実施

している。 当社は以前から週休2 日相当の休日を設けていたが、 施工現場では初の試みとなるため当

UAV( 無人航空機) 測量

施工前検討会実施状況

枠組養生足場

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社の休日カレンダーを基に、 週休2 日相当の休日取得1 0 0 %を達成するべく 、 工程計画を行い工事

看板に、 週休2 日相当の休日取得確保試行工事P R看板を設置し、 一般の方々にも知って頂けるよう

P Rした。 また、 休日取得カレンダーを掲示板及び作業員休憩所に掲示し、 取得状況をリアルタイム

に更新する事で達成率を数値化( 見える化) した。

作業員休憩所の月間行事予定( ホワイト ボード ) に予め

“ 休工” と記入する事で作業所一体となって週休2 日を意

識付けた。 意識付けしたことから作業員からは、『 予め休

日が分かっている為、 会社に気兼ねなく 孫のピアノ 発表会

に出席できる』『 今までは、土曜日に地域ボランティ アがあ

った場合なかなか参加できなかったが今回は出席できる』

等のう れしい意見が貰えた。 良いリフレッシュ効果や作業

所内で、 仕事以外の会話など良いコミ ュニケーショ ンが得

られた。 週休2 日制を取り入れることで、 作業環境の改善はもちろん、 若手技術者( 担い手) の確保

にも繋がると私自身感じた。

4 . 2 現場内にWi-Fi の設置

施工箇所は山間部に多い携帯電話が繋がらない箇所での

作業の為、連絡手段は作業員休憩所での固定電話か、約400

m下流の足尾砂防堰堤まで行かないと電話が使用できない

ため、 休憩所に光回線を開設し施工箇所内で Wi-Fi を使用

できるよう 設置した。使用する事で、緊急時及び雷、雨雲、

台風等の情報を早期に収集する事が出来、 無料通話アプリ

(LINE)を使用する事で電話としての機能も使えた。通常現

場では、 ラジオ等のみの情報しか入らず雨雲がどのよう に

進んでいるかが分からないが、 何時間後に雨が降るかが分

かるため早期の避難や、 雨上がりの時間が把握できたため作業環境の改善が図られた。

施工箇所での今までは、 普段何気なく 使用している天気等の情報も山間部では携帯も使用できない

ため諦めていたが、 Wi-Fi を使用し早期に情報を収集する事で、 雨・ 雷・ 台風等の事前対策が出来、

作業所全体で共通認識が行えた。 現在まで大きな地震は無いが、 緊急地震速報が配信された場合は非

常に有効的な手段である。 今後の課題は、 範囲が限られて

しまう ため( 法面上部では使用できない) 範囲の拡大が出

来ないか模索中。

4 . 3 朝礼時の健康チェック

作業員の健康チェック方法として、 毎朝のラジオ体操・

顔色チェックはもとより、 定期的な血圧測定を実施してい

る。 長い間、 建設業就業者の高齢化が大きな問題となって

おり、 平成27 年時点のデータでは、 55 歳以上が約34%、

月間行事予定表

血 圧 測 定 状 況

Wi-Fi 使用状況(携帯圏外エリアで使用)

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29 歳以下が約 11%と高齢化が著しく 、 今後も深刻化が予測されている。 当作業所も同様に、 これま

で現場へ入場した作業員の平均年齢は約 43 歳と、 やや高めになっており、 これに伴い高血圧の確率

も上昇する傾向にある事から、 作業中に高血圧が原因で災害が起きぬよう 定期的に血圧測定を実施し

た。 定期的に測定する事で、 自分の感覚では気づかない体の異常を早期に発見することが出来、 その

結果に応じて作業内容等(高所作業・ 法面作業をさせない等)を考慮する事で、 体調不良等によるヒュ

ーマンエラーも無く 、 万全な体で安全作業に取り組めた。

4 . 4 メンタルヘルスの勉強会とスト レスチェックの実施

建設労働者の多く がスト レスを受ける場は建設現場であ

り、 そのスト レスの対処を行う 事が作業環境改善に効果が

あると考えられる。 また、 メンタルヘルス対策は不安全行

動防止にも効果的であることから、 それらを踏まえ当作業

所ではメ ンタルヘルスの勉強会とインターネット を活用し

た『 5 分でできる職場のスト レスセルフチェック』( 厚生労

働省ホームページより) を実施した。 結果は活気・ イライ

ラ感・ 疲労感・ 抑う つ感・ 身体愁訴、 全てにおいて『 問題

はみられない』 の結果だった。 しかし、 コメ ント 欄には、

下請特有の『 仕事のコント ロール度』( 自分で仕事の予定や

手順を決めることが出来ない事) で低く なると書いてあっ

た。 また、 スト レスの原因となりう る因子で身体的な負担

が高いとも記されていたため、 作業所では、 朝礼後や昼休

み後に全員で工程の打合せ( 当日、 翌日の予定を 1~2 分

程度) を行う ことで全員の意見を聞く よう にした。 また、

作業内容、 進捗に合わせ休憩時間を長く し対策を行ってい

る。

実際にスト レスを軽減できているかは正直分からないが、 作業環境改善の具体的な取組みを検討・

選定し対策を講じることや職場内の良いコミ ュニケーショ ンを取ることで、 心身ともに安定した作業

環境づく りに努め、 安全作業へと繋げていければと思う 。( PDCA サイクルの実施)

5 . おわりに

昨今、 建設従事者の高齢化や若手技術者・ 技能者の人材不足・ 離職等に伴い建設業が衰退している

現状を考えると、 作業環境改善は急務と考えられる。 作業環境を改善し働きやすい場所・ 環境を提供

できるかが今後の課題となり、 改善していかなければならない大切な事だと思う 。 また、 今回のキー

ワード の1 つ[ リスクの低減] は、 いかに現場のリスクを先読みし見積もれるか、 いかに現地にあっ

た対策がとれるか[ 先読み][ 全員参加][ 即実行] していけるかが『 決め手』 になる。 作業の進捗と

ともに新たな問題も発生すると思う が、『 現場には安全は存在しない』 を念頭に残り 2 か月気を引き

締め無災害に挑戦していく 。

スト レスセルフチェック

スト レスセルフチェック実施状況

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H30境野さかいの

町ちょう

地先ちさき

堤防法面ていぼうのりめん

補修ほしゅう

他ほか

工事こうじ

における安全あんぜん

対策たいさく

について

石川建設株式会社 H30境野町地先堤防法面補修他工事

(工期:平成30年10月19日~平成31年3月22日)

現場代理人・主任技術者 ○ 岩見いわみ

弘こう

平へい

キーワード:『現場の見える化』『危険の見える化』『重機災害の防止』

1.はじめに

本工事は、イノシシ被害の多い箇所にイノシシが堤防法面を掘起こさないよう、

表土を剥ぎ取り、購入土を盛付け、法面整形を行い補強シート ・ 張芝を施工する

法面補修工事です。

施工箇所は利根川水系渡良瀬川支川桐生川4.60k付近の両国橋右岸より下流

に340mの区間(上流工区)、4.00k付近の上濁沼橋右岸より下流に660mの

区間(下流工区)です。

どちらの施工箇所も堤防天端からの施工となりますが、天端幅が2.5mと非常に

狭く施工時の安全確保の徹底での作業を行うため、着工前に不安全要素を認識し対策を

とることが課題となりました。

2.工事概要

工 事 名 :H30境野町地先堤防法面補修他工事

工 期 :平成30年10月19日~平成31年3月22日

工 事 場 所:群馬県桐生市境野町地先他

工 事 内 容: 河川土工 法覆護岸工

掘削 310m3 張芝 8,060m2

法面整形 7,390m2 補強シート 9,687m2

平場仕上げ 680m2 樹木伐採工

伐木除根 500m2

上流工区

L=340m

下流工区

L=660m

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3.安全対策

3.1 『TREND-CORE』『TREND-POINT』を用いた【現場の見える化】

現場施工において、堤防天端からの施工という条件の中で、ましてや幅員2.5m

という狭い施工エリヤの中で、いかに安全に施工ができるのかが今回の課題とな

っています。

今回レーザースキャナーにて現況を測量し、そのデータを基に『TREND-

CORE』『TREND-POINT』内で編集を行い現場の見える化を行いました。

※TREND-POINT:NETIS登録No.KKー160043ーA

3.1.1 現場データの作成

レーザースキャナーは100m程の距離にレーザーを飛ばし毎秒6万点もの

点を取得します。不要な点まで取得してしまうので『TREND-POINT』内で

クリーニングという作業を行い不要な点を削除します。

施工方法図 使用機械:GLS-2000 クリーニング完了図(上流工区)

3.1.2 『TREND-CORE』内で編集 『TREND-POINT』に反映

先程のデータを基に、『TREND-CORE』内で重機や作業員等の配置を行い

実際に現場でどのような状況になるか【見える化】を行います。

作成した資料を使用し、新規入場時や安全訓練実施時に作業員の方々に現場

での不安全要素を説明し対策をとることで事故防止につなげます。

(現場状況をシミュレーション) (作業半径5.0m明示) (作業員目線)

(重機目線) (重機目線 法面を臨む) (誘導員目線) (ダンプ運転手目線)

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3.2『ダンプトラック運行管理(TRUCK VISION)』を用いた【現場の見える化】

表土の搬出は、10tダンプトラックにて現場から渡良瀬川右岸44.8k付近の

高水敷へ搬出を行います。

運搬距離はL=2.7kmとなっています。運搬経路内に学校や幅員の狭く歩行者

や自転車に乗ったひとが多く通る道があります。よって、そのような道を走行する

際は通学する方々等に十分注意する必要があります。『TRUCK VISION』を使用

することにより、ダンプ運転手に運搬経路を指示するとともに危険なポイントをデ

ータに入力することにより、危険ポイントの近くに入りますとガイダンスが流れ運

転手に注意を促すことができます。また、他の運搬車両がどの位置にいるのかも把

握できることができるので無線を行いながらの危険運転も行わずにすみます。

(危険ポイントを把握でき運搬車両がお互いの位置を把握できる)

※VasMap:NETIS登録No.QSー160016ーA

3.3『HERIMA SYSTEM』を用いた【重機災害の防止】

現場施工において、重機の施工範囲を明示することに加えこの『HERIMASYSTEM』

を使用することで重機施工範囲内に入ってしまった作業員と重機に、保護帽に装着

したライトにて危険を促します。

これにより、視覚にて危険を察知し事前に重機 災害を防ぐことができます。

磁界距離:半径4~9m

※HERIMA SYSTEM

NETIS登録No.KTー170001ーA

3.4『のぼり旗』による【重機災害の防止】

のぼり旗を法肩に設置することで、運転手への注意喚起となり法肩からの墜落・転

倒事故を未然に防ぐことができます。

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3.5安全訓練時に『VR』による【危険の見える化】

安全訓練を行う際に安全資料やビデオだけでなく『VR-バーチャルリアリティー-』

を使用します。

『VR』を使用することで、なぜ事故が起きたのか、実際の被災者の視点はどう

だったのか、また重機等の事故の場合には運転者の視点はどのようなものであった

のかをリアルに体験でき、労働災害の抑止につながります。

3.6『AED』の設置

各現場休憩所に『AED』を設置します。使用方法は会社にて講習を受けました。

(講習受講状況) (AED設置状況)

4.おわりに

現場の【見える化】を行うことにより、今までは着工してからでないと気付け

なかったことにも、着工前の段階で危険の予知を行い、対策を練ることができまし

た。

これからの建設業界においても I C T 化がより一層取り入れられていく中で、

今回のようなシステムをこの先も積極的に取り組んでいき、日々精進していきたいと

思います。

今後とも安全意識の向上をはかる工夫・努力を惜しまず、安全最優先・事故ゼロで

の工事完成を生涯目指していきます。

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