Eeハ fz!アニュノサフsヘwノ - Chiba U · 2号...

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第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について -373-

高低容量酸素吸ヲ試験とくにその血行力学に

たいする影響について

千葉大学医学部第二内科(指導斎藤十六教援〉

謝 照光

TERUMITSU SHA

(昭和 32年 5月 13日受付〉

目 次

本文ならびに図表中の略号 10) 心電曲線上の菱化

は し カ ミ き 3 この篇の考案

工程性的観察 4 この篇のまとめ

f 実験対象ならびに実験方法 E 定量的観察

2 実験成績 1実験方法ならびに実験対象

1) 動脈血酸素飽和度 2 実験成績

2) 呼吸数 1) 健常

3) 1回換気量 2) 心疾患

4) 分時呼吸量 3) 甲状腺機能充進症 ノF

5) 脈拍数 4) 甲状腺機能充進性心疾患

6) 分時送血量 3 この篇の考案

7) 全末柏脈管抵抗 4 この篇のまとめ

8) 容積弾性率 参考文献

9)血圧

本文ならびに図表中の略号

W法 Wezler法 E Volume Elasticity

M 型 Minutenvolumenhochdruck PR Pulse Rate

W 型 Widerstandshochdruck BP Blood Pressure

E型 Elastizi ta tshochdrck TV Tidal Volume

MV Minute Volume RMV Respiratory Minute Volume

SV Stroke Volume RR Respiratory Rate

R Peripheral Resistance 02-Sat 02-Saturation

はしがき

低容量酸素(以下低酸素と略す)吸引試験を臨床的に利用する試みはすでに 1939年以来

心冠疾患の診断をなすにあたっりらによって行われて来たすなわちBiorcklt)Levy(13

て 低酸素吸引により 心筋の低酸素症をおこさせ 心電曲線上の変化を追及することであ

った一方 かような目的からではなし低酸素を用い 呼吸循環機能を調べることは

c HeymansSchmidtComroe~ 斎藤(11)(17)らによって種々行われてきたさらに近

年教室の斎藤森(14)らは臨床的に用いられる程度の低酸素の生体に及ぼす影響を呼

吸中枢ならびに未梢化学受容体のありかたを考慮しながら観察しているわたくしもま

たこのような立場から低酸素ならびに 100酸素をヒトに吸引させた場合に生体の

-374- 千葉医学会雑誌 第 33巻

現わす反応を第 1に主として定性的にその気相ならびに循環の面から第 2にそ

れぞれの気体吸引中のJ酸素消費量の変動に注目して主として定量的に検討した

I定性的観察

1 実験対象ならびに実験方法

被検者は以下に述べるように千葉大学第二内

-科入院患者 8例ほかに健常例1例の計 9例であ

る種々の要約により例数は比較的すくない患

者の内訳は種々の病期にある高血圧症 6例すな

わち) KeithWagenerの分類にしたがえば m型

2例 (うち 1例は Schroederの いわゆる

ldquoEarly Malignant Hypertension)rr型 3例

また僧帽弁膜症との合併あるもの 1例でほかに

気管枝性目指息肺気腫 それぞれ1例である

実験方法 20分間臥床安静を保たせた患者に

窒素で稀釈した 10酸素を可及的長時間の吸入

を目標として 15なしし 20分間にわたって吸引

させついで活栓によって連続的に 100酸素

吸引にきりかえ 10ないし 20分間吸引させそ

の後は室内空気を呼吸させてこれら実験経過中

のF 呼吸循環諸量を測定したなお 1例のみで

あるが低酸素濃度の差をみるために 14の酸素

を吸引させた

1) 肺容量の測定は Benedict長 oth型スパイ

全末梢脈管抵抗容積弾性率等の測定は Wezler

の新法(1949)を改良した教室の方法で行った

4) 血糖の測定は Hagedron-Jensenの法によ

り動脈血を使用して行った

5) なお以上の経過中たえず千葉電気社製

3エレメジト心電計によりその斐化を追及した

2 実 験 成 績

低酸素吸引時の動脈血酸素飽和度動脈血中

O2CO2pHなど個々のものの斐動については

教室の森が述べているのでわたくしは主として

換気ならびに循環数値の安動を実験経過と関

聯させて追及したこれら実験成績は表 1に健常

例を表 2に高血圧症例を表 3に肺疾患例をそ

れぞれ一括して示したつぎに本実験の基木型

ともしうべき健常の 1例を示す(図

この例は 22才め男性であり 10酸素およ

び 100酸素の吸引時聞はそれぞれ 22分 12

分間であり室内空気吸引にもどしてからさらに

10分間経過を観察した低酸素吸引により動脈血

酸素飽和度は 3分で 651と急激にさがりあと

は 7分で 60215分で 536と徐々に下降し

ロメータへならびに Douglas-bagを使ったておりこれにつれて 呼吸数は 5分ころより

2) 血液ガス諸量 pHは三田村製直続式振動

容量型ガラス電極水素イオン測定器を用い O 2

CO2 の測定はVan Slyke-Nei1lの方法にょっ

3) 循環諸量血圧値は Sanborn製エレグト

や~まし 7~8 分あたりで最高となり それか

らまた減る 1回換気量は低酸素吸引後や

く 2~3 分くらいでいわゆる即時反応性にや

く30また 遅延反応性に 7ないし 10分に

わたってゃく 12くらい増加するが 100酸素

ロマノメータで測定した心拍出量分時送血量吸51にきりかえてからは 1ないし 3分間にそ

Tab 1 CardiorespiratoryChanges of normal health

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第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について 一375ー

Tab 2 CardiorespiratoryChanges of Hypertension

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-376ー 千 葉 学 会 雑 誌yen

第 33巻

Tab 3 Cardiorespiratorychanges of Pulmonary Diseases

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的に 33--56もふえるがこの値は 100酸素

吸引後 3分くらじでほとんどもとの値に戻る

これに反して全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率は 10酸素吸引により軽度の低下を示し

100酸素吸引によっては軽度に上昇ししかも

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いわゆる機能的神経除去 (FunctionalDenerv-

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ら軽度のアルカレミアに傾いてはいるが 100

酸素によりもとの値に戻る一方循環系で心拍

出量は増し脈拍数もまた低酸素吸引後 3な

いし 7分にかけて増すので分時送血量も一方

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決復傾向は心拍出量に比較して遅しそれゆ1その

えこれら循環力学的因子の組合せからその低酸

素吸引における縮期圧弛期庄は あまり愛化せ

3132

3627

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響につして -377-

ず 100酸素吸引時にはもちろん尋常の範囲 増加はいわゆる機能的神経除去によって全例

内ながら血圧値は上昇気味であるまた低酸素十とも急激に減少し 1--3分後における被少率は

吸引 3 分ころより被検者の指(~J)端 r~暦など 219土61であった以後は しだしに また増

に軽度のチアノーゼが認められたが自覚的には し 7 --10分における減少は 5例でその減少率は

全く異常がなかった 13334と 1~3 分での値に比して少くなり

以上伐代表的な実験鰯邑であるがつぎにこ 増加は 4例となる事実本実験とは別にわたく

れにもとづいて各項目別に全例を検討した成績 しが協研者川辺長谷川らとシアシソーダによ

を述べる るヒトの過呼吸反応を利用して 100酸素吸引に

1) 動脈血酸素飽和度実験前の値は 819-- よるいわゆる機能的神経除去を目論んだ実験で

969であるが 10酸素吸引の 8例においては 100酸素吸引を 20--30分間行った気管枝性哨息

3--5分で 692土4597分で 618士73915分 の3例ではシアン反応の抑制される時間はきわ

で627土683とさがりまた 14酸素吸引の 1 めて短時間で 1--2分以内であった この 1例を

例においては 3分で 8487分で 83715分 図2に示す

で821とさがるすなわち動脈血酸素飽和度の 4) 分時呼吸量この値の~動はもちろん呼

さがりかたは大体 3分くらいまでのうちに急に 吸数 ならびに 1図換気量によって規定されるの

下降しその後は 15 分くらいまでたいした~動 であるがその低酸素吸引中の愛動は 3分で実

がなし 100酸素吸引にしてからは 3--5分以 験前値の 456150の増加 7分で 343主 164

内にほとんどの例で実験前値以上を示すが本実 の増加 15分で 219土 124の増加を示すまた

験は Oximeterのコシトローノレなしに行われたの 100酸素吸引に切りかえ 1分後の減少率は 249土

でいわゆる飽和時間についてははっきりした 154である

値が得られなかった つぎに以上のような呼吸反応のなかで特異な

2) 呼吸数低酸素吸引後 3分での斐動は増加 型を呈した 23の例をあげる

は3例その増加率平均は 11不斐は 3例被少 例 1(No 3図 3)は本態性高血圧症K-W

は3例 15であり不安例中には 14酸素吸引 E 型の 42才男性の患者この患者はすでに

例ならびに健常例が含まれてしら 7分では 20才代生命保険加入のさいに高血圧を指摘され

増加7例その増加率平均 24減少 2例 7であ ており歩行時のめまい感頭宣肩こりなどを

るこのうちとくに肺気腫例 (No のにおい 主訴として入院した入院時血圧は縮期圧 190

ては 82の増加率を示した 15分では増加 7 弛期圧 120mmHgでありこの僚は安静臥床に

例 24減少 2例 7である 100酸素吸引にし よりそれぞれ 160110 mmHg にさがり寒冷

てからはほとんどの例において減少しその低酸 昇圧試験 ヒスタミン試験は陽性であった心電

素吸引 15分値にたいする減少率平均は 1分後 10 曲線上では 左室肥大 ならびに 創苛曲線を示

3分後 1810分後 16であり 10分後減少 し W 法では W 型腎機能には異常がなかっ

せずに増加した例は健常例と No7とである た

3) 1回換気量低酸素吸引後 3分では増加 8 わたくしの取り扱った高血圧症例では低酸素吸

例減少 1例で その増加率は 543209であ 引時とくにその即時性気相反応が他の例に比

していちじるしかったことは上にも述べたがこであるまた実4104酸素吸引例では14り

験前より慢性の低酸素血症の状態にあった No7 の例においてその 3分における 1回換気量の増加

におけるその増加率は 64であり高血圧症例 率は 721分時呼吸量のそれは 700である

ではその増加率がほとんど平均値以上であっ 例 2(No 7図めは高血圧症に僧帽弁膜症を

たかえって減少した 1例は肺気題例 No9であ 合併した 45才の女性この患者はゃく 1カ月前

る 7分での増加例数は 3分の時と全く同じであ より心惇允進呼吸困難発作がありこれらを主

りその増加率は 278土199である No 7の7 訴として入院した心濁音界は左右にそれぞれ

分での増加率は 32である 15分における増加例 ゃく 1横指ほど拡大し入院時には肺右後下部に

は6例減少は 2例でその増加率は 202士171 半有響性湿性ラ音多数を聞き 肝も15横指陪ど触

である lOO酸素吸引に切りかえてからは この れ著明な心不全の状態にあったが実験時には

-378ー 千葉医 学 会 雑 誌 第 33巻

Fig 3 N T 口 42yrs Essential Hypertension (K W IT)

8136710 71mBmr

巧 7 W Jii a F Iυ

Fig 4 S T 0 45 yrs M s i+Hypertension

lJ 5 10

素飽和度のさがりかたはむしろ他の例に比して

軽く 15分で 683であるまた 1回換気量分

は M 型であったが このほかに血色素 (Sahli 時呼吸量の増加率も 吸号13分で それぞれ 64

値)72赤血球数320X104~程度の貧血があり 2657分で 32 161であり 100酸

動脈血酸素飽和度は実験前より 819と低下して 素吸513分後における減少率は それぞれ 50

いた 0であった ζのことは慢性低酸素血症により

この例には実験前すでに慢性低酸素血症が 化学受容体が常時刺激されてしるためそれにたい

あったにもか Lわらず低酸素吸引による動脈血酸 する呼吸反応のldquo慣れの現象であると思われるe

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響につして -379-

例 3(No 9図 5)は高度の肺気腫をもっ 69 5) 脈拍数低酸素吸引後脈拍数は全例で増

才の男性 10数年来いわゆるJlsquo療もちであっ 加し続けその実験前値にたしする平均増加率は

たがゃく 6カ月前よりこれが激しくなってきた 3分で 267分で 2415分で 29でありま

ので入院したこの患者の肺容量は 肺活量 2800 た 100酸素吸引によりこれらは 全例におい

CC残気量 2779CC全肺容量 5279CC残気率 526 で誠り その低酸素吸引 15分値にたいする減少率

分時最大呼吸量 3531min気速指数 054であ は 3分で 3610分で 35であったこのうち

り胸部レ線像でも著明な肺気腫像を示した 14酸素吸引例でも その吸弓 13分での増加率は

この例では低酸素吸引後 2--3分で呼吸困難 2315分で 24100酸素吸引にして 1分後の

感が強くなり低酸素吸引は 10分までしか続けら 減少率は 275分では 23であった

れなかったしかも動脈血酸素飽和度は低酸素 6) 分時送血量 低酸素吸引中のこの値の褒動

吸引 5分で 686までさがっているにもか Lわら はある時点においては多少減ずる例もあるには

ず 1回換気量分時呼吸量は 3分でそれぞれ あるが悪性高血圧症例 No6を除いて 他の例

12242の率でかえって減り 7分において はほとんど全例において増加したすなわち

は 1回換気量が 193の減少分時呼吸量は 468 低酸素吸引後 3分では実験前値にたいする増加率

の増加を示しさらに 10分では 1囲換気量は は 322士215 7分では 261+155 15分では

151の減少分時呼吸量は 620の増加を示し 460土141で 100酸素吸引にしてからは 全

たすなわち即時反応が見られず吸引後 7分で 例において 減少が見られ f[酸素吸引 15分値に

呼吸数は 82の増加を示し 中枢性の遅延反応が たいするその減少率は 1--3分後 382土83 5恥

良〈見られた肺気腫のように胸廓の強直がある 分後 253t91であるすなわち この時点で

時にはldquo Pneu~otaxic 1加pulseの成り立ちが 大体実験前fi直に反ることになる悪性高血圧症ゐ

あるにもかふわらず呼吸運動が即応せず CO2の 例ではしかしながら6分後なお実験前値以

愛化が問題となりかつ中枢の発動が問題となる 下であり室内空気吸引 10分後にいたり ょうや

ような時点ではじめて呼吸運動刺激症状が出てい く実験前値に近づく

る 100酸素吸引としてからは 1回換気量分 η 全末梢脈管抵抗低酸素吸手l後 3分では 2

時呼吸量は ともに 239311の減少率を示 例だけが軽度に増しているほかは 7例において減

す 少し実験前値にたいする減少率は 321士108で

Fig 5 S M 口 69yrs Emphysema thoracis

b

l

-380ー 千葉医学会雑誌 第 3a巻

あり 7分では 1例だけが増し他の 8例は減り

その減少率は 304166さらに 15分では全例

において滅りその減少率は 311士549るであった

また 100酸素吸引によって全例において増加

し 1- 3分では 4471655--7分では 503士

150の増加率であったしかも これらの増減

と血中 CO2濃度との関係は全くなく とくに

高血圧症例において W 法による型との関係は見

られなししかしながら NO6の悪性高血圧症の

例においては 100酸素吸引にしてからの全末梢

脈管抵抗の増加は他の例に比してきわめて著し

かったo

8) 容積弾性率低酸素ならびに 100酸素

吸引中この値はしろいろに~動し全末梢脈管抵

抗のように一定の傾向がなかったが一般には減

少の傾向にあるすなわち低酸表吸引後 3分で

は増加は 5例平均133の増加率減少は 3

例その減少率は 1967分では増加が3例で

143減少は 5例で 14115分では増加が2

例で 81減少が 6例で 103100酸素吸引後

1--3分では増加が4例平均増加率は 205

減少が 2例で 17810分では増加が4例で 466

減少が 2例で 157である

9) 血圧5)6)7)8)で述べたような循環

因子によって規定される血圧値の愛動はまたき

わめて区々としでいたすなわち 1[酸素吸引中

その血圧値の増加するものは 4例で縮期庄は 2--

6の増加率弛期庄は 2--25の増加率である

被少は 5例で縮期圧は 1-15の滅少率弛期庄

は 5--18の減少率である 100酸素吸引にして

からは血圧値の増加する例が多くとくに 1--a

3分では増加が7例その縮期庄は 1--20ヲる弛

期圧は 1--35の増加率を示すこのうちとくに

悪性高血圧症例においては 100酸素吸引直後の

血圧値の上昇が著しく 1分で縮期庄は 243

弛期圧は 710の増加を示した

以上この実験における循環系反応のなかでー

般とちがった態度を呈した悪性高血圧症例 No 6

を図 6に示す

この患者は 52才の女性でゃく 2カ月前よりの

霧視どうき息ぎれなどを主訴としてス院した

ス院時の血圧値は縮期圧 230弛期圧 130mmHg

であったが l-Hydrazinophthalazine (Apresol

ine ldquoCibaつ Reserpine (Serp~si1 ldquoCibaつの

使用により実験時の血注値は縮期圧 210弛期

圧 120mmHgであった心濁音界は左方へ 2横

指拡大し 心尖部第 1音は不純で肝は 2横指蝕

れ眼底所見に乳頭浮腫はないが K-W m型であ

心電曲線上では型M+W+E(法ではWり

左室肥大曲線腎機能検査では P S Pの15分

値は比色不能腎血流量 39ccmin糸球体濯過量

7 ccminで血中残余窒素は 40mgdl低酸素吸

司臨

Fig 6 M K 0 52 yrs MalignantHypertension

4

第 2号 謝高侭容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について -381-

引前の動脈血酸素飽和度は 860と少しさがって 生体の Homeostasisが成立する場合 ST-Tの恋

いるが呼吸系の反応はほど基本型であるo こ 化は軽微に止ることが知られてしるたとえこ

lsquoれにたいして分時送血量は低酸素吸引にょっ の菱化が高度であっても 100酸素を吸引させる

て一方的に絞りまた全末梢脈管抵抗も減って とこれらの斐化はきわめて短時間に快復する

いるので血圧値もこれに応じて 7分では縮期圧 図に例を示す (No1No 7)全例において

245弛期圧 349の率でさつがているこの分 ST同 T の菱化は 100酸素吸引により元の値に戻

時送血量の減少は 100酸素吸引時も依然とし った低酸素吸引により R-R間隔が短縮すること

て続き吸引中止後 10分で はじめて実験前の値 を考えに入れても大部分の Q間隔は図8に

に戻った これにたレして 全末梢脈管抵抗は 示すように Hegglin-Holzmannの計算値の Vari-

100酸素の血管への直接作用の結果 吸引 l分後 ationのうちで短縮の方向へ向い 100酸素吸引

には低酸素吸引 15分値の 12733分では 1204 では延長方向へ斐化するた Yし No6および

6分では 2523の増加を示すこのため 血 No7のように始めから この計算値の下界以下

圧値は侭酸素吸引 15分値にたいして縮期圧 372 にある例は低酸素吸引によってむしろ延長に向

弛期庄 710の増加を示すq このことは木例 う

の血管収縮性がきわめて充進していることを思わ 10) 血糖 図 9に示すように全例において低

せるo 酸素吸引時軽度ながら上昇する

10) 心電曲線上の ~1t 侭酸素吸引にたいして

Fig 7 Electrocardiographic Changes

No l M K 口 22yrs_ No 7 S T 0 45 yrs

Normal Health M s i+Hypertension

3 6 7 10

ast

QT

τE

ST

u

Timeti min

100

Fig 8 Changes in the Q-T Interval and its Relation Fig 9 Hypoxia and Blood Sugar

to the Holzmann-Hegglins Formula 11ω infin

Nll

Qτ( ~ETHETH8ec)

loo~a10ラOz 20

501

~ Bejoj棺

bull IlJ otof)1l

26

30

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Beere 35 7 10 15 20 8 8 7 10 nllle on in

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60 50 60 70 80 90 100 110

Pul8eRare~府仇

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたLする影響につして -383-

3 この篇の考案 で低酸素吸引後大体 7分前後でおこってしる司

臨床的に低酸素症をヒトにおこさせる場合吸 こLで呼吸数はさらに増加の度を増しでレる

引酸素容量の吟味がまず必要である心不全 ので明らかに中枢性のものと考えられるこの

肺気腫肺炎などのようにamp動脈血酸素飽和度を大 時点では呼吸数の増加があるために分時呼吸量

いにさげる疾患でもその動脈血酸素飽和度は多 の増加は 3分の時より一層著ししこれらのこ

くの場合 80以下にならなしさらに低酸素症 とから考えると低酸素症においてはやはり末

の場合いつも問題となる末梢化学受容体の低酸素 梢化学受容体の役割は重要でありこの点にかんし

刺激にたいする闘値は ComroeV Eulerゆなど では C HeymansSchmidtComroe(16)らの

によれば吸引ガスの酸素容量が 16あるいは 成績と同様である末梢性より量的には強くない

13~14 であるとされており しかも Drippら刊 が低酸素症により呼吸は中枢性にも興奮するこ

によれば 10酸素吸引による動脈血酸素飽和度 とは明らかであるこの末梢f昨受容体(頚脈動

は平均73であるとされているすなわちわ 体ならびに大動脈体〉の働らきは吸引酸素張

れわれが臨床で取り扱っている低酸素症とは ブ7が 670mmHg以上になると低酸素刺激にた

Wiggers(18)のしう低酸素症の時点にあるもので いして大体反応しなくなると考えられており

文字どおりの Anoxiaのそれではなし この点を このいわゆる機能的神経除去については Watt

考えてわたくしの実験でも高度な低酸素吸引を Dumke(19)らが動物で実際に頚動脈体および

さけ 10のものを使ったこのことは臨床的に 大動脈体の神経を除去し その前後で 100酸素

低酸素症の生休反応を見る場合にきわめて必要な 吸引を行わせ化学受容体のありかた如何によるこ

ことと考える同様な考え方から教室の森(1のは とを見ているわたくしの実験でも低酸素吸引に

かような比較的軽度な低酸素症の場合にも末梢化 つぐ 100酸素吸引の場合 当然このことが期

学受容体のldquointegrityが大切であると同時に 待されてよい事実 100酸素吸引によってそ

このことを過評価しではならないことまたこれ の気相反応は ゃく 20も減少した Comroe(り

らの生体反応には個体差が大きいことを述べた は慢性低酸素症の状態にあるものに急に 100

わたくしの実験例でも気相ならびに循環反応 酸素を吸引させる時とくに肺機能不全の状態に

でその度数分布が広い点はあながち小数例を あるものでは止息昏迷さらに昏睡にまでい

扱うからであるとしう理由ばかりによらないこ L たるものがあることを報告しているわたくしの実

にこの個体差のあることを考えるo 気相反応と化 験例にはこのようなものはなかった一般に高

学受容体のありかたについても上述のことがしえ 所に馴化されたヒトの千昨受容体の活動性は減少す

るすなわちこれを低酸素吸引の時間的経過とと るといわれておりまた Rahn(15)は高所に馴化

もにみると吸引後大体 3- 5分にもちろん されたヒトを急に常気圧下にもたらした場合そ

その発現の仕方はかならずしも一致するわけで の subnormalventilationがおとり しかも

はないが呼吸数 1回換気量 分時呼吸量などの 22000 feetに馴化された時にはそれが 30分間も

増加がありとくに 1回換気量は この時点で最 継続することを見たわたくしの取り扱った例7

大の増加率を示したこれはいわゆる即時反応 にはやはりこのようなことが考えられるすな

と呼ばれるもので末梢化学受容体反射によるもの わち その他の例では 末梢化学受容体反射は充

である高血圧症においてはこの末梢化学受容体 分にあり また 100酸素吸引時の subnormal

反射の過敏性があるあるいはないと議論の多 venti1ationも大体数分継続するにすぎないが

いところであるがく12)わたくしの扱った高血圧症 この例では末梢化学受容体反射も量的に少くか

例のこの時点における気相反応ば平均値を上廻 つ subnormal ventilationの継続が室内空気

るものが多かったそれゆえある程度その過敏 吸引後 10分でもなお認められてしるロ これら

性の存在を考えさせるのではないだろうかもちる の反射は Bjurstedtゅのいうようにまた酸

ん低酸素吸引中の血圧の下降による血圧受容体呼 塩基平衡とも関係してしるのでこの面からの研究

吸反射による影響も加味されているかも知れない も必要となる

がこの血圧値のさがりかたは小さし呼吸反応の 低酸素症の循環反応にかんしては繰り返し

第 2の山はいわゆる遅延反応と呼ばれるもの SchneiderTruesdellHeymansV Euler

-384- 千葉医 学会雑誌 第 33巻

Harrison(8)などによって述べられてしるしかし 例ではその収縮作用したがって全末梢脈管抵

ながら循環因子の個々について呼吸反応との相 抗の高まりかたは強いようであるこのことは

関において論じたものはない低酸素症にたいする No6で明らかに見られるこの増加率は実に

生体反応がもともと換気の増大循環血液量の 吸引後 1分で 12736分で 2523でありこれ

増加などにより減少しつつある血液の酸素運搬能 に伴なって血圧値もかなりの充進を示す容積弾

の代償機転であることを考える時これらの相関を-性率についてはもちろん各例ごとに違うが吸

見ることは必要である Wiggers(lめは低酸素症の 引の後期にいたって その減少する 間の多くなるのa

時期においては循環促進 (cardiacaccerelation) は一つの代償機転の失調の現れであると息われ

が換気の菱化に先行すると述べているがわたく る血圧値にかんしては C Heymansゆ V

しの実験例では末梢反射性には気相反応とほ Euler斎藤(11)らによって 化学受容体にたいす

とんど同一時点において即時反応が見られ遅延友 る低酸素刺激の直接作用により一般に上昇する

応と見られる時点での菱化は一般に気相反応の とされているがわたくしの例では区々であり

出現よりも後期すなわち 10---15分あたりにそ 検体の特性吸引条件などを考慮して論じなければ

の最大反応が現われているようであったこのこ ならなし

とはとくに分時送血量全末梢脈管抵抗容積 心電曲線では低酸素吸引中そのLTの増大

弾性率などについていえる分時送血量について することが知られているがわたくしの例で と

は これらのことならびに 14酸素吸引例に くにその電気的収縮時間 QT がはじめより

おいてもその充分な増加のある点から考えて Hegglin-Holzlllannの計算値以上に延長していた

Harrison(9)らのいうように分時送血量の斐動を No 6NO7では他のt例と反対に 低酸素吸引

Anoxemia thresholdとじてかならずしも動 によりますます延長したがこのことは心効率

脈血酸素飽和度との関聯の下に考えることはできな の悪化した兆候とみなされることに No6で

いわたくしの実験例では分時送血量は 1例を は分時送血量が減少した教室の森は 100酸

除いて全例において増加した全末梢脈管抵抗 素吸引を行った場合その脈管収縮性の高まってい

は低酸素吸号|の後期にいたりほとんど全例で るような例では STT のさがりかたが低酸素吸

下降しているがこの観察時間内の範囲にかんする 引中より むしろ 100酸素吸引直後に高度とな

かぎり血中 CO2濃度とは関係がないようである ることを狭心症の 1例に見ているしかしわた

また 一般に 100酸素吸引の効果は その脈 くしの実験例の範囲にはこのようなものがなかっ

管にたいしては a 直接作用として収縮性に た

b 末梢化学受容体を介しては反射的に拡張性に 血糖については一般にいわれているような成績

作用する二つの異った因子の総合であるが とく であったl

に高血圧症のように脈管収縮性の高まっている

4 との篇のまとめ

いろいろな病期にある高血圧症 6例 肺疾患 2例 健常者 1例に低酸素 (10)ならび

に 100酸素を連続的に吸引きせその聞の呼吸および 循環数値の変動を化学受容体

のありかたを考慮しながら検討した

1) 低酸素吸引後その即時反応は 3-5分 遅延反応は 710分に最大点があるこの

場合呼吸においては即時反応が循環においては遅延反応の方がそれぞれより優勢で

あり循環の遅延反応は呼吸のそれよりいくぶん遅れて現れるまた即時反応におい

ては末梢化学受容体の役割が中枢のそれよりさらに重要である

2) 化学受容体反射とくに末梢化学受容体反射の低酸素ならびに高容量酸素にた

いする反応度は疾患の種類またその低酸素血症の程度などにより異るが高血圧症にお

Am

r

d

A

第 2号 謝高 fJf容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について

いては一般に低酸素でその充進があるO

3) Wezler法により時間を追って測定した分時送血量全末檎脈管抵抗容積弾性率な

どで一般には低酸素吸引によって分時送血量の増加全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率の減少が見られるがこれら循環数値の変動はその他の循環因子および心筋の状態

などを考慮した上で論ずる必要がる

lsquo 4) 高容量酸素吸引によって血圧値が異常に上昇するような例ではその全体柏末脈管抵

抗の増大のあることより考えてそれは脈管収縮性の高まりによるものと思われるO

11 定量的観察

1 実験方法ならびに実験対象 Cas長斗 ~JH C Landen(lO)は特殊な Ergometerを用

い 心肺疾患患者に運動負荷を与え そのあいだN01 Age r山 IBefぽ e112 0~I Air 180 O2

の酸素消費量肺活量分時最大呼吸量などを 1届y 11日8い76 戸7同J spir句 raphischに測定して種々の機能検査を行 2 1属1s81 210 1 184 I219 1 216

低酸素吸引に置き換えたすなわち Knipping3l-員 1JMI 220 I 18司 215 1 206

っているがわたくしはこの運動負荷の部分を

I届lY装置2台を用いその気槽中にあらかじめ満して 4 MI 226 I 213 I戸47 I 230

おいた 12酸素 21酸素(室内空気) 80酸 5 1 ~ IK KI 168 1 165 I 135 1 188 素を呼気中の炭酸ガスは苛性カ Dによって除去し

61 ~ 1C EI 192 1 139 1 219 1 187 ながらこの順序でそれぞれ 3分間逐次的に

被検者に吸引させ その各部分における酸素消費 7届luTI 168 I 146 I 168 1 181

量を吸引 3分自の spirographischeKurveから 8 HI 265I 231 お f 幻 1昼lu I 255

算定したなお被検者にゃく 20分間安静を保

たせたのち同時に安静時酸素消費量の測定を行つ 9 1届1T NI 200 I 174 I 矧 1221

た らびに血液ガス所見とともに表 5に示すこの

対象は千葉大学第二内科にス院した心疾患 16 うち症例 1から 6までは臨床的に心不全の兆

例 甲状腺機能允進症 12例 甲状腺機能允進性心 候が明らかなものでありそれは主として左室不

疾患2例ほかに健常例9例である 全ないしは二次性両室不全の例であるこれら

2 実験成績 心疾患での吸引成績を心不全例と代償例とに分け

1) 健常例この測定の実際は図 10に示図す て図 11に示すすなわち心不全例では 12酸

こ示すすなわち安静時酸14また実験成績は表 素吸引時の酸素消費量は安静時のそれに比して

素消費量は 12酸素吸引によってやふ減り気 健常例におけるよりもーだんと少くなり さら

味であり 21さらに80酸素吸写へと愛動はあ に 21酸素吸引にすると著明に増加し 80酸

るがそれは大体 30 ccmin以内であり 80 素のもとでは 21吸引時よりは軽度の被少ない

酸素吸引時の酸素消費量はほとんど実験前値に し不安でこの値はまた実験前値にや込及

戻るこれをいまその安静時酸素消費量にたい ばない代償例ではこれらの傾向が軽度となり

する吸引各部分の酸素消費量の比率で現わすと むしろ健常例に近くなるこれを前項同様そ

図 11のようになるすなわち 12酸素吸引時の の安静時酸素消費量にたいする比率からみれば心

酸素消費量の安静時のそれにたいする比率は 不全例広おいては 12酸素吸引時 048--078

072--098平均08721酸素吸引時には 074-- 平均 06621酸素で 090--148平均工0780

125平均09980酸素吸引時には 093--111 酸素では bull081--120平均 097であり代償例で

平均103となる はそれぞれ 078---109平均094081--145

2) 心疾患例この実験成績はその肺容量な 平均10686--159平均112であるつぎに例

23

-386ー 千葉医学会雑誌 第33巻

をもって説明するFig 1L l2~ 21 ~ 1) 1例 (No80

tfClrmal 協 yen 彰刻 yen 開 t yen

軒ldquo~ldquoldquoldquoldquo(lt087 ldquouldquoldquoldquo~悩~仏99 区~悩術省官伺

103

伽元町蜘動~ Dsease 脇

Decolllp側 S蜘閥 yen

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112 際yen協 yen

066 10す 091

日狩剖rtL]n品ism 協yen 協 yen協 yen 1ρa 113

園oz-Up-ta長e α-l]p-ta~e t別館ch peT(entfOICJSen

帽弁狭窄閉鎖不全症

才の女性でゃく 6カ月

前からの体動時の息ぎ

れどうきなどがあり

さらに夜間発作性呼吸

困難が加わってきたので

入院したこの第1回検

査時の状態は胸部レ線

像上左第 234弓 および右第 2弓の軽度

な拡大があり肺うつ血

の像も著明で胸部右後

下部に湿性ラ音を開く

心電曲線上は僧帽性

P V3 -V日までの STTの下降があり心筋傷

害ないし心筋の低酸

素症を思わせた静脈圧

は135mmH 20W 法に

よる分時送血 量は 811minであった第2回検査時にはジギタリス

葉末で維持しているとき

であったがなお軽lsquoHeart Diseases 5 Tab 1

z芯r制杭出問ご討出治慌f刊t士官|医医臨立立2 lトトN尚陶陶陥a町叩m叩I紅me悶e

iq|引2認貌務矧話認判i22|読2ljziZ到引|器3j2| 5釘7完捻街1|関悶完詔引戸戸邦判

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I3611 200 1 1 Kl-I1~I10

227 1 230 11 1心中aFIJ「τ f 問

昨竺 i1 951 j868 1 33

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

~袋113に示す T 11ii誌片I~1 1 l i立lizii2引誌 i1誌託ii 引引 2isI Hlz1 22lI2引33|11おhellip

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5 I gI 1 Y J 203 l叫2541叫 372 6 I ~ yenH KI 212 1197]叫 221] 155

7 I~ I1 T[25o I 2431261 1 28~ 1 200

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可玄jKHj-20S--j吋州 247r 270

loJg- 百戸戸「五j1MI 216 1

にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

1私らい

弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

bull bull bullbull

-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

NyNo Age

O2Sat

Before||1022ll Air|18002VCCC-I|R V-ilMBC y|liHaY町PeDKritauhgrynr田 draism|flaeobis 02Up-take ccl|Lung VOIRZ血 es

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53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

1~IKHrてγidism 7251004 881 528242 142 286 2 I ~ IKH

961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

Card Disdi iacs 倒岱皿H tFiqyHFpr品 曲叫陶

Normal 制 帽

bullalsquo

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nimH20で肝はやく 2横指

触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

120 21妬0 80XO

弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

らよ幽

吋B~H~A~O B~H~A~O sHArarrow B8eJOTe (in theAiT)

以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

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第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

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-392ー 謝論文附図 (ll) 第 33巻

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-374- 千葉医学会雑誌 第 33巻

現わす反応を第 1に主として定性的にその気相ならびに循環の面から第 2にそ

れぞれの気体吸引中のJ酸素消費量の変動に注目して主として定量的に検討した

I定性的観察

1 実験対象ならびに実験方法

被検者は以下に述べるように千葉大学第二内

-科入院患者 8例ほかに健常例1例の計 9例であ

る種々の要約により例数は比較的すくない患

者の内訳は種々の病期にある高血圧症 6例すな

わち) KeithWagenerの分類にしたがえば m型

2例 (うち 1例は Schroederの いわゆる

ldquoEarly Malignant Hypertension)rr型 3例

また僧帽弁膜症との合併あるもの 1例でほかに

気管枝性目指息肺気腫 それぞれ1例である

実験方法 20分間臥床安静を保たせた患者に

窒素で稀釈した 10酸素を可及的長時間の吸入

を目標として 15なしし 20分間にわたって吸引

させついで活栓によって連続的に 100酸素

吸引にきりかえ 10ないし 20分間吸引させそ

の後は室内空気を呼吸させてこれら実験経過中

のF 呼吸循環諸量を測定したなお 1例のみで

あるが低酸素濃度の差をみるために 14の酸素

を吸引させた

1) 肺容量の測定は Benedict長 oth型スパイ

全末梢脈管抵抗容積弾性率等の測定は Wezler

の新法(1949)を改良した教室の方法で行った

4) 血糖の測定は Hagedron-Jensenの法によ

り動脈血を使用して行った

5) なお以上の経過中たえず千葉電気社製

3エレメジト心電計によりその斐化を追及した

2 実 験 成 績

低酸素吸引時の動脈血酸素飽和度動脈血中

O2CO2pHなど個々のものの斐動については

教室の森が述べているのでわたくしは主として

換気ならびに循環数値の安動を実験経過と関

聯させて追及したこれら実験成績は表 1に健常

例を表 2に高血圧症例を表 3に肺疾患例をそ

れぞれ一括して示したつぎに本実験の基木型

ともしうべき健常の 1例を示す(図

この例は 22才め男性であり 10酸素およ

び 100酸素の吸引時聞はそれぞれ 22分 12

分間であり室内空気吸引にもどしてからさらに

10分間経過を観察した低酸素吸引により動脈血

酸素飽和度は 3分で 651と急激にさがりあと

は 7分で 60215分で 536と徐々に下降し

ロメータへならびに Douglas-bagを使ったておりこれにつれて 呼吸数は 5分ころより

2) 血液ガス諸量 pHは三田村製直続式振動

容量型ガラス電極水素イオン測定器を用い O 2

CO2 の測定はVan Slyke-Nei1lの方法にょっ

3) 循環諸量血圧値は Sanborn製エレグト

や~まし 7~8 分あたりで最高となり それか

らまた減る 1回換気量は低酸素吸引後や

く 2~3 分くらいでいわゆる即時反応性にや

く30また 遅延反応性に 7ないし 10分に

わたってゃく 12くらい増加するが 100酸素

ロマノメータで測定した心拍出量分時送血量吸51にきりかえてからは 1ないし 3分間にそ

Tab 1 CardiorespiratoryChanges of normal health

B 3 5 7

1 3 7

Respiratoay System Circuratory System

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838 110C119 65948 735 1975 2017 20 391 782 67 651 738 1356 1997 20 137611169 638 98119 68507 1014 85

18 484 871 口 602 737 1254 2095 22 14681 1369 557 97123437 961 94 657915 536 736 1118 2100 18 166511498 465 95450 810 90 117

1 MK 10 18 437 787 865 1942 20 1299 835 1036 129368 736 64 140 77 966 1205 771 1132 113302012 1951 19 461 876 64 139 8022 1

20 1195 740 1215 4461 922 62 139 81103 20 134 78 1133 750 1122 131437 874 66

10 18 1133 804 1201 138150 91437 787 71

562575026一77417079一6450

764935636一34775925一4127

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第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について 一375ー

Tab 2 CardiorespiratoryChanges of Hypertension

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-376ー 千 葉 学 会 雑 誌yen

第 33巻

Tab 3 Cardiorespiratorychanges of Pulmonary Diseases

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吸引後 3分くらじでほとんどもとの値に戻る

これに反して全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率は 10酸素吸引により軽度の低下を示し

100酸素吸引によっては軽度に上昇ししかも

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れぞれ 3ないし 18の滅少を見 この値は吸

引 10分で ふた Lび前の値に戻る この減少は

いわゆる機能的神経除去 (FunctionalDenerv-

ation)による動脈血 pHは尋常の範囲内なが

ら軽度のアルカレミアに傾いてはいるが 100

酸素によりもとの値に戻る一方循環系で心拍

出量は増し脈拍数もまた低酸素吸引後 3な

いし 7分にかけて増すので分時送血量も一方

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決復傾向は心拍出量に比較して遅しそれゆ1その

えこれら循環力学的因子の組合せからその低酸

素吸引における縮期圧弛期庄は あまり愛化せ

3132

3627

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響につして -377-

ず 100酸素吸引時にはもちろん尋常の範囲 増加はいわゆる機能的神経除去によって全例

内ながら血圧値は上昇気味であるまた低酸素十とも急激に減少し 1--3分後における被少率は

吸引 3 分ころより被検者の指(~J)端 r~暦など 219土61であった以後は しだしに また増

に軽度のチアノーゼが認められたが自覚的には し 7 --10分における減少は 5例でその減少率は

全く異常がなかった 13334と 1~3 分での値に比して少くなり

以上伐代表的な実験鰯邑であるがつぎにこ 増加は 4例となる事実本実験とは別にわたく

れにもとづいて各項目別に全例を検討した成績 しが協研者川辺長谷川らとシアシソーダによ

を述べる るヒトの過呼吸反応を利用して 100酸素吸引に

1) 動脈血酸素飽和度実験前の値は 819-- よるいわゆる機能的神経除去を目論んだ実験で

969であるが 10酸素吸引の 8例においては 100酸素吸引を 20--30分間行った気管枝性哨息

3--5分で 692土4597分で 618士73915分 の3例ではシアン反応の抑制される時間はきわ

で627土683とさがりまた 14酸素吸引の 1 めて短時間で 1--2分以内であった この 1例を

例においては 3分で 8487分で 83715分 図2に示す

で821とさがるすなわち動脈血酸素飽和度の 4) 分時呼吸量この値の~動はもちろん呼

さがりかたは大体 3分くらいまでのうちに急に 吸数 ならびに 1図換気量によって規定されるの

下降しその後は 15 分くらいまでたいした~動 であるがその低酸素吸引中の愛動は 3分で実

がなし 100酸素吸引にしてからは 3--5分以 験前値の 456150の増加 7分で 343主 164

内にほとんどの例で実験前値以上を示すが本実 の増加 15分で 219土 124の増加を示すまた

験は Oximeterのコシトローノレなしに行われたの 100酸素吸引に切りかえ 1分後の減少率は 249土

でいわゆる飽和時間についてははっきりした 154である

値が得られなかった つぎに以上のような呼吸反応のなかで特異な

2) 呼吸数低酸素吸引後 3分での斐動は増加 型を呈した 23の例をあげる

は3例その増加率平均は 11不斐は 3例被少 例 1(No 3図 3)は本態性高血圧症K-W

は3例 15であり不安例中には 14酸素吸引 E 型の 42才男性の患者この患者はすでに

例ならびに健常例が含まれてしら 7分では 20才代生命保険加入のさいに高血圧を指摘され

増加7例その増加率平均 24減少 2例 7であ ており歩行時のめまい感頭宣肩こりなどを

るこのうちとくに肺気腫例 (No のにおい 主訴として入院した入院時血圧は縮期圧 190

ては 82の増加率を示した 15分では増加 7 弛期圧 120mmHgでありこの僚は安静臥床に

例 24減少 2例 7である 100酸素吸引にし よりそれぞれ 160110 mmHg にさがり寒冷

てからはほとんどの例において減少しその低酸 昇圧試験 ヒスタミン試験は陽性であった心電

素吸引 15分値にたいする減少率平均は 1分後 10 曲線上では 左室肥大 ならびに 創苛曲線を示

3分後 1810分後 16であり 10分後減少 し W 法では W 型腎機能には異常がなかっ

せずに増加した例は健常例と No7とである た

3) 1回換気量低酸素吸引後 3分では増加 8 わたくしの取り扱った高血圧症例では低酸素吸

例減少 1例で その増加率は 543209であ 引時とくにその即時性気相反応が他の例に比

していちじるしかったことは上にも述べたがこであるまた実4104酸素吸引例では14り

験前より慢性の低酸素血症の状態にあった No7 の例においてその 3分における 1回換気量の増加

におけるその増加率は 64であり高血圧症例 率は 721分時呼吸量のそれは 700である

ではその増加率がほとんど平均値以上であっ 例 2(No 7図めは高血圧症に僧帽弁膜症を

たかえって減少した 1例は肺気題例 No9であ 合併した 45才の女性この患者はゃく 1カ月前

る 7分での増加例数は 3分の時と全く同じであ より心惇允進呼吸困難発作がありこれらを主

りその増加率は 278土199である No 7の7 訴として入院した心濁音界は左右にそれぞれ

分での増加率は 32である 15分における増加例 ゃく 1横指ほど拡大し入院時には肺右後下部に

は6例減少は 2例でその増加率は 202士171 半有響性湿性ラ音多数を聞き 肝も15横指陪ど触

である lOO酸素吸引に切りかえてからは この れ著明な心不全の状態にあったが実験時には

-378ー 千葉医 学 会 雑 誌 第 33巻

Fig 3 N T 口 42yrs Essential Hypertension (K W IT)

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Fig 4 S T 0 45 yrs M s i+Hypertension

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素飽和度のさがりかたはむしろ他の例に比して

軽く 15分で 683であるまた 1回換気量分

は M 型であったが このほかに血色素 (Sahli 時呼吸量の増加率も 吸号13分で それぞれ 64

値)72赤血球数320X104~程度の貧血があり 2657分で 32 161であり 100酸

動脈血酸素飽和度は実験前より 819と低下して 素吸513分後における減少率は それぞれ 50

いた 0であった ζのことは慢性低酸素血症により

この例には実験前すでに慢性低酸素血症が 化学受容体が常時刺激されてしるためそれにたい

あったにもか Lわらず低酸素吸引による動脈血酸 する呼吸反応のldquo慣れの現象であると思われるe

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響につして -379-

例 3(No 9図 5)は高度の肺気腫をもっ 69 5) 脈拍数低酸素吸引後脈拍数は全例で増

才の男性 10数年来いわゆるJlsquo療もちであっ 加し続けその実験前値にたしする平均増加率は

たがゃく 6カ月前よりこれが激しくなってきた 3分で 267分で 2415分で 29でありま

ので入院したこの患者の肺容量は 肺活量 2800 た 100酸素吸引によりこれらは 全例におい

CC残気量 2779CC全肺容量 5279CC残気率 526 で誠り その低酸素吸引 15分値にたいする減少率

分時最大呼吸量 3531min気速指数 054であ は 3分で 3610分で 35であったこのうち

り胸部レ線像でも著明な肺気腫像を示した 14酸素吸引例でも その吸弓 13分での増加率は

この例では低酸素吸引後 2--3分で呼吸困難 2315分で 24100酸素吸引にして 1分後の

感が強くなり低酸素吸引は 10分までしか続けら 減少率は 275分では 23であった

れなかったしかも動脈血酸素飽和度は低酸素 6) 分時送血量 低酸素吸引中のこの値の褒動

吸引 5分で 686までさがっているにもか Lわら はある時点においては多少減ずる例もあるには

ず 1回換気量分時呼吸量は 3分でそれぞれ あるが悪性高血圧症例 No6を除いて 他の例

12242の率でかえって減り 7分において はほとんど全例において増加したすなわち

は 1回換気量が 193の減少分時呼吸量は 468 低酸素吸引後 3分では実験前値にたいする増加率

の増加を示しさらに 10分では 1囲換気量は は 322士215 7分では 261+155 15分では

151の減少分時呼吸量は 620の増加を示し 460土141で 100酸素吸引にしてからは 全

たすなわち即時反応が見られず吸引後 7分で 例において 減少が見られ f[酸素吸引 15分値に

呼吸数は 82の増加を示し 中枢性の遅延反応が たいするその減少率は 1--3分後 382土83 5恥

良〈見られた肺気腫のように胸廓の強直がある 分後 253t91であるすなわち この時点で

時にはldquo Pneu~otaxic 1加pulseの成り立ちが 大体実験前fi直に反ることになる悪性高血圧症ゐ

あるにもかふわらず呼吸運動が即応せず CO2の 例ではしかしながら6分後なお実験前値以

愛化が問題となりかつ中枢の発動が問題となる 下であり室内空気吸引 10分後にいたり ょうや

ような時点ではじめて呼吸運動刺激症状が出てい く実験前値に近づく

る 100酸素吸引としてからは 1回換気量分 η 全末梢脈管抵抗低酸素吸手l後 3分では 2

時呼吸量は ともに 239311の減少率を示 例だけが軽度に増しているほかは 7例において減

す 少し実験前値にたいする減少率は 321士108で

Fig 5 S M 口 69yrs Emphysema thoracis

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l

-380ー 千葉医学会雑誌 第 3a巻

あり 7分では 1例だけが増し他の 8例は減り

その減少率は 304166さらに 15分では全例

において滅りその減少率は 311士549るであった

また 100酸素吸引によって全例において増加

し 1- 3分では 4471655--7分では 503士

150の増加率であったしかも これらの増減

と血中 CO2濃度との関係は全くなく とくに

高血圧症例において W 法による型との関係は見

られなししかしながら NO6の悪性高血圧症の

例においては 100酸素吸引にしてからの全末梢

脈管抵抗の増加は他の例に比してきわめて著し

かったo

8) 容積弾性率低酸素ならびに 100酸素

吸引中この値はしろいろに~動し全末梢脈管抵

抗のように一定の傾向がなかったが一般には減

少の傾向にあるすなわち低酸表吸引後 3分で

は増加は 5例平均133の増加率減少は 3

例その減少率は 1967分では増加が3例で

143減少は 5例で 14115分では増加が2

例で 81減少が 6例で 103100酸素吸引後

1--3分では増加が4例平均増加率は 205

減少が 2例で 17810分では増加が4例で 466

減少が 2例で 157である

9) 血圧5)6)7)8)で述べたような循環

因子によって規定される血圧値の愛動はまたき

わめて区々としでいたすなわち 1[酸素吸引中

その血圧値の増加するものは 4例で縮期庄は 2--

6の増加率弛期庄は 2--25の増加率である

被少は 5例で縮期圧は 1-15の滅少率弛期庄

は 5--18の減少率である 100酸素吸引にして

からは血圧値の増加する例が多くとくに 1--a

3分では増加が7例その縮期庄は 1--20ヲる弛

期圧は 1--35の増加率を示すこのうちとくに

悪性高血圧症例においては 100酸素吸引直後の

血圧値の上昇が著しく 1分で縮期庄は 243

弛期圧は 710の増加を示した

以上この実験における循環系反応のなかでー

般とちがった態度を呈した悪性高血圧症例 No 6

を図 6に示す

この患者は 52才の女性でゃく 2カ月前よりの

霧視どうき息ぎれなどを主訴としてス院した

ス院時の血圧値は縮期圧 230弛期圧 130mmHg

であったが l-Hydrazinophthalazine (Apresol

ine ldquoCibaつ Reserpine (Serp~si1 ldquoCibaつの

使用により実験時の血注値は縮期圧 210弛期

圧 120mmHgであった心濁音界は左方へ 2横

指拡大し 心尖部第 1音は不純で肝は 2横指蝕

れ眼底所見に乳頭浮腫はないが K-W m型であ

心電曲線上では型M+W+E(法ではWり

左室肥大曲線腎機能検査では P S Pの15分

値は比色不能腎血流量 39ccmin糸球体濯過量

7 ccminで血中残余窒素は 40mgdl低酸素吸

司臨

Fig 6 M K 0 52 yrs MalignantHypertension

4

第 2号 謝高侭容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について -381-

引前の動脈血酸素飽和度は 860と少しさがって 生体の Homeostasisが成立する場合 ST-Tの恋

いるが呼吸系の反応はほど基本型であるo こ 化は軽微に止ることが知られてしるたとえこ

lsquoれにたいして分時送血量は低酸素吸引にょっ の菱化が高度であっても 100酸素を吸引させる

て一方的に絞りまた全末梢脈管抵抗も減って とこれらの斐化はきわめて短時間に快復する

いるので血圧値もこれに応じて 7分では縮期圧 図に例を示す (No1No 7)全例において

245弛期圧 349の率でさつがているこの分 ST同 T の菱化は 100酸素吸引により元の値に戻

時送血量の減少は 100酸素吸引時も依然とし った低酸素吸引により R-R間隔が短縮すること

て続き吸引中止後 10分で はじめて実験前の値 を考えに入れても大部分の Q間隔は図8に

に戻った これにたレして 全末梢脈管抵抗は 示すように Hegglin-Holzmannの計算値の Vari-

100酸素の血管への直接作用の結果 吸引 l分後 ationのうちで短縮の方向へ向い 100酸素吸引

には低酸素吸引 15分値の 12733分では 1204 では延長方向へ斐化するた Yし No6および

6分では 2523の増加を示すこのため 血 No7のように始めから この計算値の下界以下

圧値は侭酸素吸引 15分値にたいして縮期圧 372 にある例は低酸素吸引によってむしろ延長に向

弛期庄 710の増加を示すq このことは木例 う

の血管収縮性がきわめて充進していることを思わ 10) 血糖 図 9に示すように全例において低

せるo 酸素吸引時軽度ながら上昇する

10) 心電曲線上の ~1t 侭酸素吸引にたいして

Fig 7 Electrocardiographic Changes

No l M K 口 22yrs_ No 7 S T 0 45 yrs

Normal Health M s i+Hypertension

3 6 7 10

ast

QT

τE

ST

u

Timeti min

100

Fig 8 Changes in the Q-T Interval and its Relation Fig 9 Hypoxia and Blood Sugar

to the Holzmann-Hegglins Formula 11ω infin

Nll

Qτ( ~ETHETH8ec)

loo~a10ラOz 20

501

~ Bejoj棺

bull IlJ otof)1l

26

30

35

4淵

4長

Hト 50

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可~L

Beere 35 7 10 15 20 8 8 7 10 nllle on in

A 1110事弘

55

ωω

60 50 60 70 80 90 100 110

Pul8eRare~府仇

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたLする影響につして -383-

3 この篇の考案 で低酸素吸引後大体 7分前後でおこってしる司

臨床的に低酸素症をヒトにおこさせる場合吸 こLで呼吸数はさらに増加の度を増しでレる

引酸素容量の吟味がまず必要である心不全 ので明らかに中枢性のものと考えられるこの

肺気腫肺炎などのようにamp動脈血酸素飽和度を大 時点では呼吸数の増加があるために分時呼吸量

いにさげる疾患でもその動脈血酸素飽和度は多 の増加は 3分の時より一層著ししこれらのこ

くの場合 80以下にならなしさらに低酸素症 とから考えると低酸素症においてはやはり末

の場合いつも問題となる末梢化学受容体の低酸素 梢化学受容体の役割は重要でありこの点にかんし

刺激にたいする闘値は ComroeV Eulerゆなど では C HeymansSchmidtComroe(16)らの

によれば吸引ガスの酸素容量が 16あるいは 成績と同様である末梢性より量的には強くない

13~14 であるとされており しかも Drippら刊 が低酸素症により呼吸は中枢性にも興奮するこ

によれば 10酸素吸引による動脈血酸素飽和度 とは明らかであるこの末梢f昨受容体(頚脈動

は平均73であるとされているすなわちわ 体ならびに大動脈体〉の働らきは吸引酸素張

れわれが臨床で取り扱っている低酸素症とは ブ7が 670mmHg以上になると低酸素刺激にた

Wiggers(18)のしう低酸素症の時点にあるもので いして大体反応しなくなると考えられており

文字どおりの Anoxiaのそれではなし この点を このいわゆる機能的神経除去については Watt

考えてわたくしの実験でも高度な低酸素吸引を Dumke(19)らが動物で実際に頚動脈体および

さけ 10のものを使ったこのことは臨床的に 大動脈体の神経を除去し その前後で 100酸素

低酸素症の生休反応を見る場合にきわめて必要な 吸引を行わせ化学受容体のありかた如何によるこ

ことと考える同様な考え方から教室の森(1のは とを見ているわたくしの実験でも低酸素吸引に

かような比較的軽度な低酸素症の場合にも末梢化 つぐ 100酸素吸引の場合 当然このことが期

学受容体のldquointegrityが大切であると同時に 待されてよい事実 100酸素吸引によってそ

このことを過評価しではならないことまたこれ の気相反応は ゃく 20も減少した Comroe(り

らの生体反応には個体差が大きいことを述べた は慢性低酸素症の状態にあるものに急に 100

わたくしの実験例でも気相ならびに循環反応 酸素を吸引させる時とくに肺機能不全の状態に

でその度数分布が広い点はあながち小数例を あるものでは止息昏迷さらに昏睡にまでい

扱うからであるとしう理由ばかりによらないこ L たるものがあることを報告しているわたくしの実

にこの個体差のあることを考えるo 気相反応と化 験例にはこのようなものはなかった一般に高

学受容体のありかたについても上述のことがしえ 所に馴化されたヒトの千昨受容体の活動性は減少す

るすなわちこれを低酸素吸引の時間的経過とと るといわれておりまた Rahn(15)は高所に馴化

もにみると吸引後大体 3- 5分にもちろん されたヒトを急に常気圧下にもたらした場合そ

その発現の仕方はかならずしも一致するわけで の subnormalventilationがおとり しかも

はないが呼吸数 1回換気量 分時呼吸量などの 22000 feetに馴化された時にはそれが 30分間も

増加がありとくに 1回換気量は この時点で最 継続することを見たわたくしの取り扱った例7

大の増加率を示したこれはいわゆる即時反応 にはやはりこのようなことが考えられるすな

と呼ばれるもので末梢化学受容体反射によるもの わち その他の例では 末梢化学受容体反射は充

である高血圧症においてはこの末梢化学受容体 分にあり また 100酸素吸引時の subnormal

反射の過敏性があるあるいはないと議論の多 venti1ationも大体数分継続するにすぎないが

いところであるがく12)わたくしの扱った高血圧症 この例では末梢化学受容体反射も量的に少くか

例のこの時点における気相反応ば平均値を上廻 つ subnormal ventilationの継続が室内空気

るものが多かったそれゆえある程度その過敏 吸引後 10分でもなお認められてしるロ これら

性の存在を考えさせるのではないだろうかもちる の反射は Bjurstedtゅのいうようにまた酸

ん低酸素吸引中の血圧の下降による血圧受容体呼 塩基平衡とも関係してしるのでこの面からの研究

吸反射による影響も加味されているかも知れない も必要となる

がこの血圧値のさがりかたは小さし呼吸反応の 低酸素症の循環反応にかんしては繰り返し

第 2の山はいわゆる遅延反応と呼ばれるもの SchneiderTruesdellHeymansV Euler

-384- 千葉医 学会雑誌 第 33巻

Harrison(8)などによって述べられてしるしかし 例ではその収縮作用したがって全末梢脈管抵

ながら循環因子の個々について呼吸反応との相 抗の高まりかたは強いようであるこのことは

関において論じたものはない低酸素症にたいする No6で明らかに見られるこの増加率は実に

生体反応がもともと換気の増大循環血液量の 吸引後 1分で 12736分で 2523でありこれ

増加などにより減少しつつある血液の酸素運搬能 に伴なって血圧値もかなりの充進を示す容積弾

の代償機転であることを考える時これらの相関を-性率についてはもちろん各例ごとに違うが吸

見ることは必要である Wiggers(lめは低酸素症の 引の後期にいたって その減少する 間の多くなるのa

時期においては循環促進 (cardiacaccerelation) は一つの代償機転の失調の現れであると息われ

が換気の菱化に先行すると述べているがわたく る血圧値にかんしては C Heymansゆ V

しの実験例では末梢反射性には気相反応とほ Euler斎藤(11)らによって 化学受容体にたいす

とんど同一時点において即時反応が見られ遅延友 る低酸素刺激の直接作用により一般に上昇する

応と見られる時点での菱化は一般に気相反応の とされているがわたくしの例では区々であり

出現よりも後期すなわち 10---15分あたりにそ 検体の特性吸引条件などを考慮して論じなければ

の最大反応が現われているようであったこのこ ならなし

とはとくに分時送血量全末梢脈管抵抗容積 心電曲線では低酸素吸引中そのLTの増大

弾性率などについていえる分時送血量について することが知られているがわたくしの例で と

は これらのことならびに 14酸素吸引例に くにその電気的収縮時間 QT がはじめより

おいてもその充分な増加のある点から考えて Hegglin-Holzlllannの計算値以上に延長していた

Harrison(9)らのいうように分時送血量の斐動を No 6NO7では他のt例と反対に 低酸素吸引

Anoxemia thresholdとじてかならずしも動 によりますます延長したがこのことは心効率

脈血酸素飽和度との関聯の下に考えることはできな の悪化した兆候とみなされることに No6で

いわたくしの実験例では分時送血量は 1例を は分時送血量が減少した教室の森は 100酸

除いて全例において増加した全末梢脈管抵抗 素吸引を行った場合その脈管収縮性の高まってい

は低酸素吸号|の後期にいたりほとんど全例で るような例では STT のさがりかたが低酸素吸

下降しているがこの観察時間内の範囲にかんする 引中より むしろ 100酸素吸引直後に高度とな

かぎり血中 CO2濃度とは関係がないようである ることを狭心症の 1例に見ているしかしわた

また 一般に 100酸素吸引の効果は その脈 くしの実験例の範囲にはこのようなものがなかっ

管にたいしては a 直接作用として収縮性に た

b 末梢化学受容体を介しては反射的に拡張性に 血糖については一般にいわれているような成績

作用する二つの異った因子の総合であるが とく であったl

に高血圧症のように脈管収縮性の高まっている

4 との篇のまとめ

いろいろな病期にある高血圧症 6例 肺疾患 2例 健常者 1例に低酸素 (10)ならび

に 100酸素を連続的に吸引きせその聞の呼吸および 循環数値の変動を化学受容体

のありかたを考慮しながら検討した

1) 低酸素吸引後その即時反応は 3-5分 遅延反応は 710分に最大点があるこの

場合呼吸においては即時反応が循環においては遅延反応の方がそれぞれより優勢で

あり循環の遅延反応は呼吸のそれよりいくぶん遅れて現れるまた即時反応におい

ては末梢化学受容体の役割が中枢のそれよりさらに重要である

2) 化学受容体反射とくに末梢化学受容体反射の低酸素ならびに高容量酸素にた

いする反応度は疾患の種類またその低酸素血症の程度などにより異るが高血圧症にお

Am

r

d

A

第 2号 謝高 fJf容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について

いては一般に低酸素でその充進があるO

3) Wezler法により時間を追って測定した分時送血量全末檎脈管抵抗容積弾性率な

どで一般には低酸素吸引によって分時送血量の増加全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率の減少が見られるがこれら循環数値の変動はその他の循環因子および心筋の状態

などを考慮した上で論ずる必要がる

lsquo 4) 高容量酸素吸引によって血圧値が異常に上昇するような例ではその全体柏末脈管抵

抗の増大のあることより考えてそれは脈管収縮性の高まりによるものと思われるO

11 定量的観察

1 実験方法ならびに実験対象 Cas長斗 ~JH C Landen(lO)は特殊な Ergometerを用

い 心肺疾患患者に運動負荷を与え そのあいだN01 Age r山 IBefぽ e112 0~I Air 180 O2

の酸素消費量肺活量分時最大呼吸量などを 1届y 11日8い76 戸7同J spir句 raphischに測定して種々の機能検査を行 2 1属1s81 210 1 184 I219 1 216

低酸素吸引に置き換えたすなわち Knipping3l-員 1JMI 220 I 18司 215 1 206

っているがわたくしはこの運動負荷の部分を

I届lY装置2台を用いその気槽中にあらかじめ満して 4 MI 226 I 213 I戸47 I 230

おいた 12酸素 21酸素(室内空気) 80酸 5 1 ~ IK KI 168 1 165 I 135 1 188 素を呼気中の炭酸ガスは苛性カ Dによって除去し

61 ~ 1C EI 192 1 139 1 219 1 187 ながらこの順序でそれぞれ 3分間逐次的に

被検者に吸引させ その各部分における酸素消費 7届luTI 168 I 146 I 168 1 181

量を吸引 3分自の spirographischeKurveから 8 HI 265I 231 お f 幻 1昼lu I 255

算定したなお被検者にゃく 20分間安静を保

たせたのち同時に安静時酸素消費量の測定を行つ 9 1届1T NI 200 I 174 I 矧 1221

た らびに血液ガス所見とともに表 5に示すこの

対象は千葉大学第二内科にス院した心疾患 16 うち症例 1から 6までは臨床的に心不全の兆

例 甲状腺機能允進症 12例 甲状腺機能允進性心 候が明らかなものでありそれは主として左室不

疾患2例ほかに健常例9例である 全ないしは二次性両室不全の例であるこれら

2 実験成績 心疾患での吸引成績を心不全例と代償例とに分け

1) 健常例この測定の実際は図 10に示図す て図 11に示すすなわち心不全例では 12酸

こ示すすなわち安静時酸14また実験成績は表 素吸引時の酸素消費量は安静時のそれに比して

素消費量は 12酸素吸引によってやふ減り気 健常例におけるよりもーだんと少くなり さら

味であり 21さらに80酸素吸写へと愛動はあ に 21酸素吸引にすると著明に増加し 80酸

るがそれは大体 30 ccmin以内であり 80 素のもとでは 21吸引時よりは軽度の被少ない

酸素吸引時の酸素消費量はほとんど実験前値に し不安でこの値はまた実験前値にや込及

戻るこれをいまその安静時酸素消費量にたい ばない代償例ではこれらの傾向が軽度となり

する吸引各部分の酸素消費量の比率で現わすと むしろ健常例に近くなるこれを前項同様そ

図 11のようになるすなわち 12酸素吸引時の の安静時酸素消費量にたいする比率からみれば心

酸素消費量の安静時のそれにたいする比率は 不全例広おいては 12酸素吸引時 048--078

072--098平均08721酸素吸引時には 074-- 平均 06621酸素で 090--148平均工0780

125平均09980酸素吸引時には 093--111 酸素では bull081--120平均 097であり代償例で

平均103となる はそれぞれ 078---109平均094081--145

2) 心疾患例この実験成績はその肺容量な 平均10686--159平均112であるつぎに例

23

-386ー 千葉医学会雑誌 第33巻

をもって説明するFig 1L l2~ 21 ~ 1) 1例 (No80

tfClrmal 協 yen 彰刻 yen 開 t yen

軒ldquo~ldquoldquoldquoldquo(lt087 ldquouldquoldquoldquo~悩~仏99 区~悩術省官伺

103

伽元町蜘動~ Dsease 脇

Decolllp側 S蜘閥 yen

~ 隊yen膨活 yen

112 際yen協 yen

066 10す 091

日狩剖rtL]n品ism 協yen 協 yen協 yen 1ρa 113

園oz-Up-ta長e α-l]p-ta~e t別館ch peT(entfOICJSen

帽弁狭窄閉鎖不全症

才の女性でゃく 6カ月

前からの体動時の息ぎ

れどうきなどがあり

さらに夜間発作性呼吸

困難が加わってきたので

入院したこの第1回検

査時の状態は胸部レ線

像上左第 234弓 および右第 2弓の軽度

な拡大があり肺うつ血

の像も著明で胸部右後

下部に湿性ラ音を開く

心電曲線上は僧帽性

P V3 -V日までの STTの下降があり心筋傷

害ないし心筋の低酸

素症を思わせた静脈圧

は135mmH 20W 法に

よる分時送血 量は 811minであった第2回検査時にはジギタリス

葉末で維持しているとき

であったがなお軽lsquoHeart Diseases 5 Tab 1

z芯r制杭出問ご討出治慌f刊t士官|医医臨立立2 lトトN尚陶陶陥a町叩m叩I紅me悶e

iq|引2認貌務矧話認判i22|読2ljziZ到引|器3j2| 5釘7完捻街1|関悶完詔引戸戸邦判

iiz i 釦引irけ誌器~i1 i引釦i可emn2詰認訟ZIMIEnd勺包|E引 f l努凱判f引inlfit訂判1 12刻|ドKYI(立払μよムふ

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1531 1 1516引781川51 g Is KI M s 1 7781111沌沼 日 臼 f 219 61付89制 20 6川|副AS[d陀件白似今infinc OI官官芯設2E担汗 lバ4叫191r川日叫211 170 1761吋Tt 問附

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I3611 200 1 1 Kl-I1~I10

227 1 230 11 1心中aFIJ「τ f 問

昨竺 i1 951 j868 1 33

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

~袋113に示す T 11ii誌片I~1 1 l i立lizii2引誌 i1誌託ii 引引 2isI Hlz1 22lI2引33|11おhellip

切ら川島削除ぬよ

同院協附除物陰惨帆

3181M SI 199 r叫叫 ml240

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4出MHI 174 j同州州 140

5 I gI 1 Y J 203 l叫2541叫 372 6 I ~ yenH KI 212 1197]叫 221] 155

7 I~ I1 T[25o I 2431261 1 28~ 1 200

8 1 ~ 1MuI172い43[州 242[ 153

可玄jKHj-20S--j吋州 247r 270

loJg- 百戸戸「五j1MI 216 1

にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

1私らい

弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

bull bull bullbull

-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

NyNo Age

O2Sat

Before||1022ll Air|18002VCCC-I|R V-ilMBC y|liHaY町PeDKritauhgrynr田 draism|flaeobis 02Up-take ccl|Lung VOIRZ血 es

541879 1

53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

1~IKHrてγidism 7251004 881 528242 142 286 2 I ~ IKH

961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

Card Disdi iacs 倒岱皿H tFiqyHFpr品 曲叫陶

Normal 制 帽

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bull bull- bull bull

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- bull bull lsquo

bullbull bullbull bullbull ーbull

ー~ bull

d

nimH20で肝はやく 2横指

触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

120 21妬0 80XO

弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

らよ幽

吋B~H~A~O B~H~A~O sHArarrow B8eJOTe (in theAiT)

以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

参者文献

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第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

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第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について 一375ー

Tab 2 CardiorespiratoryChanges of Hypertension

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第 33巻

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的に 33--56もふえるがこの値は 100酸素

吸引後 3分くらじでほとんどもとの値に戻る

これに反して全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率は 10酸素吸引により軽度の低下を示し

100酸素吸引によっては軽度に上昇ししかも

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いわゆる機能的神経除去 (FunctionalDenerv-

ation)による動脈血 pHは尋常の範囲内なが

ら軽度のアルカレミアに傾いてはいるが 100

酸素によりもとの値に戻る一方循環系で心拍

出量は増し脈拍数もまた低酸素吸引後 3な

いし 7分にかけて増すので分時送血量も一方

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えこれら循環力学的因子の組合せからその低酸

素吸引における縮期圧弛期庄は あまり愛化せ

3132

3627

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響につして -377-

ず 100酸素吸引時にはもちろん尋常の範囲 増加はいわゆる機能的神経除去によって全例

内ながら血圧値は上昇気味であるまた低酸素十とも急激に減少し 1--3分後における被少率は

吸引 3 分ころより被検者の指(~J)端 r~暦など 219土61であった以後は しだしに また増

に軽度のチアノーゼが認められたが自覚的には し 7 --10分における減少は 5例でその減少率は

全く異常がなかった 13334と 1~3 分での値に比して少くなり

以上伐代表的な実験鰯邑であるがつぎにこ 増加は 4例となる事実本実験とは別にわたく

れにもとづいて各項目別に全例を検討した成績 しが協研者川辺長谷川らとシアシソーダによ

を述べる るヒトの過呼吸反応を利用して 100酸素吸引に

1) 動脈血酸素飽和度実験前の値は 819-- よるいわゆる機能的神経除去を目論んだ実験で

969であるが 10酸素吸引の 8例においては 100酸素吸引を 20--30分間行った気管枝性哨息

3--5分で 692土4597分で 618士73915分 の3例ではシアン反応の抑制される時間はきわ

で627土683とさがりまた 14酸素吸引の 1 めて短時間で 1--2分以内であった この 1例を

例においては 3分で 8487分で 83715分 図2に示す

で821とさがるすなわち動脈血酸素飽和度の 4) 分時呼吸量この値の~動はもちろん呼

さがりかたは大体 3分くらいまでのうちに急に 吸数 ならびに 1図換気量によって規定されるの

下降しその後は 15 分くらいまでたいした~動 であるがその低酸素吸引中の愛動は 3分で実

がなし 100酸素吸引にしてからは 3--5分以 験前値の 456150の増加 7分で 343主 164

内にほとんどの例で実験前値以上を示すが本実 の増加 15分で 219土 124の増加を示すまた

験は Oximeterのコシトローノレなしに行われたの 100酸素吸引に切りかえ 1分後の減少率は 249土

でいわゆる飽和時間についてははっきりした 154である

値が得られなかった つぎに以上のような呼吸反応のなかで特異な

2) 呼吸数低酸素吸引後 3分での斐動は増加 型を呈した 23の例をあげる

は3例その増加率平均は 11不斐は 3例被少 例 1(No 3図 3)は本態性高血圧症K-W

は3例 15であり不安例中には 14酸素吸引 E 型の 42才男性の患者この患者はすでに

例ならびに健常例が含まれてしら 7分では 20才代生命保険加入のさいに高血圧を指摘され

増加7例その増加率平均 24減少 2例 7であ ており歩行時のめまい感頭宣肩こりなどを

るこのうちとくに肺気腫例 (No のにおい 主訴として入院した入院時血圧は縮期圧 190

ては 82の増加率を示した 15分では増加 7 弛期圧 120mmHgでありこの僚は安静臥床に

例 24減少 2例 7である 100酸素吸引にし よりそれぞれ 160110 mmHg にさがり寒冷

てからはほとんどの例において減少しその低酸 昇圧試験 ヒスタミン試験は陽性であった心電

素吸引 15分値にたいする減少率平均は 1分後 10 曲線上では 左室肥大 ならびに 創苛曲線を示

3分後 1810分後 16であり 10分後減少 し W 法では W 型腎機能には異常がなかっ

せずに増加した例は健常例と No7とである た

3) 1回換気量低酸素吸引後 3分では増加 8 わたくしの取り扱った高血圧症例では低酸素吸

例減少 1例で その増加率は 543209であ 引時とくにその即時性気相反応が他の例に比

していちじるしかったことは上にも述べたがこであるまた実4104酸素吸引例では14り

験前より慢性の低酸素血症の状態にあった No7 の例においてその 3分における 1回換気量の増加

におけるその増加率は 64であり高血圧症例 率は 721分時呼吸量のそれは 700である

ではその増加率がほとんど平均値以上であっ 例 2(No 7図めは高血圧症に僧帽弁膜症を

たかえって減少した 1例は肺気題例 No9であ 合併した 45才の女性この患者はゃく 1カ月前

る 7分での増加例数は 3分の時と全く同じであ より心惇允進呼吸困難発作がありこれらを主

りその増加率は 278土199である No 7の7 訴として入院した心濁音界は左右にそれぞれ

分での増加率は 32である 15分における増加例 ゃく 1横指ほど拡大し入院時には肺右後下部に

は6例減少は 2例でその増加率は 202士171 半有響性湿性ラ音多数を聞き 肝も15横指陪ど触

である lOO酸素吸引に切りかえてからは この れ著明な心不全の状態にあったが実験時には

-378ー 千葉医 学 会 雑 誌 第 33巻

Fig 3 N T 口 42yrs Essential Hypertension (K W IT)

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Fig 4 S T 0 45 yrs M s i+Hypertension

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素飽和度のさがりかたはむしろ他の例に比して

軽く 15分で 683であるまた 1回換気量分

は M 型であったが このほかに血色素 (Sahli 時呼吸量の増加率も 吸号13分で それぞれ 64

値)72赤血球数320X104~程度の貧血があり 2657分で 32 161であり 100酸

動脈血酸素飽和度は実験前より 819と低下して 素吸513分後における減少率は それぞれ 50

いた 0であった ζのことは慢性低酸素血症により

この例には実験前すでに慢性低酸素血症が 化学受容体が常時刺激されてしるためそれにたい

あったにもか Lわらず低酸素吸引による動脈血酸 する呼吸反応のldquo慣れの現象であると思われるe

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響につして -379-

例 3(No 9図 5)は高度の肺気腫をもっ 69 5) 脈拍数低酸素吸引後脈拍数は全例で増

才の男性 10数年来いわゆるJlsquo療もちであっ 加し続けその実験前値にたしする平均増加率は

たがゃく 6カ月前よりこれが激しくなってきた 3分で 267分で 2415分で 29でありま

ので入院したこの患者の肺容量は 肺活量 2800 た 100酸素吸引によりこれらは 全例におい

CC残気量 2779CC全肺容量 5279CC残気率 526 で誠り その低酸素吸引 15分値にたいする減少率

分時最大呼吸量 3531min気速指数 054であ は 3分で 3610分で 35であったこのうち

り胸部レ線像でも著明な肺気腫像を示した 14酸素吸引例でも その吸弓 13分での増加率は

この例では低酸素吸引後 2--3分で呼吸困難 2315分で 24100酸素吸引にして 1分後の

感が強くなり低酸素吸引は 10分までしか続けら 減少率は 275分では 23であった

れなかったしかも動脈血酸素飽和度は低酸素 6) 分時送血量 低酸素吸引中のこの値の褒動

吸引 5分で 686までさがっているにもか Lわら はある時点においては多少減ずる例もあるには

ず 1回換気量分時呼吸量は 3分でそれぞれ あるが悪性高血圧症例 No6を除いて 他の例

12242の率でかえって減り 7分において はほとんど全例において増加したすなわち

は 1回換気量が 193の減少分時呼吸量は 468 低酸素吸引後 3分では実験前値にたいする増加率

の増加を示しさらに 10分では 1囲換気量は は 322士215 7分では 261+155 15分では

151の減少分時呼吸量は 620の増加を示し 460土141で 100酸素吸引にしてからは 全

たすなわち即時反応が見られず吸引後 7分で 例において 減少が見られ f[酸素吸引 15分値に

呼吸数は 82の増加を示し 中枢性の遅延反応が たいするその減少率は 1--3分後 382土83 5恥

良〈見られた肺気腫のように胸廓の強直がある 分後 253t91であるすなわち この時点で

時にはldquo Pneu~otaxic 1加pulseの成り立ちが 大体実験前fi直に反ることになる悪性高血圧症ゐ

あるにもかふわらず呼吸運動が即応せず CO2の 例ではしかしながら6分後なお実験前値以

愛化が問題となりかつ中枢の発動が問題となる 下であり室内空気吸引 10分後にいたり ょうや

ような時点ではじめて呼吸運動刺激症状が出てい く実験前値に近づく

る 100酸素吸引としてからは 1回換気量分 η 全末梢脈管抵抗低酸素吸手l後 3分では 2

時呼吸量は ともに 239311の減少率を示 例だけが軽度に増しているほかは 7例において減

す 少し実験前値にたいする減少率は 321士108で

Fig 5 S M 口 69yrs Emphysema thoracis

b

l

-380ー 千葉医学会雑誌 第 3a巻

あり 7分では 1例だけが増し他の 8例は減り

その減少率は 304166さらに 15分では全例

において滅りその減少率は 311士549るであった

また 100酸素吸引によって全例において増加

し 1- 3分では 4471655--7分では 503士

150の増加率であったしかも これらの増減

と血中 CO2濃度との関係は全くなく とくに

高血圧症例において W 法による型との関係は見

られなししかしながら NO6の悪性高血圧症の

例においては 100酸素吸引にしてからの全末梢

脈管抵抗の増加は他の例に比してきわめて著し

かったo

8) 容積弾性率低酸素ならびに 100酸素

吸引中この値はしろいろに~動し全末梢脈管抵

抗のように一定の傾向がなかったが一般には減

少の傾向にあるすなわち低酸表吸引後 3分で

は増加は 5例平均133の増加率減少は 3

例その減少率は 1967分では増加が3例で

143減少は 5例で 14115分では増加が2

例で 81減少が 6例で 103100酸素吸引後

1--3分では増加が4例平均増加率は 205

減少が 2例で 17810分では増加が4例で 466

減少が 2例で 157である

9) 血圧5)6)7)8)で述べたような循環

因子によって規定される血圧値の愛動はまたき

わめて区々としでいたすなわち 1[酸素吸引中

その血圧値の増加するものは 4例で縮期庄は 2--

6の増加率弛期庄は 2--25の増加率である

被少は 5例で縮期圧は 1-15の滅少率弛期庄

は 5--18の減少率である 100酸素吸引にして

からは血圧値の増加する例が多くとくに 1--a

3分では増加が7例その縮期庄は 1--20ヲる弛

期圧は 1--35の増加率を示すこのうちとくに

悪性高血圧症例においては 100酸素吸引直後の

血圧値の上昇が著しく 1分で縮期庄は 243

弛期圧は 710の増加を示した

以上この実験における循環系反応のなかでー

般とちがった態度を呈した悪性高血圧症例 No 6

を図 6に示す

この患者は 52才の女性でゃく 2カ月前よりの

霧視どうき息ぎれなどを主訴としてス院した

ス院時の血圧値は縮期圧 230弛期圧 130mmHg

であったが l-Hydrazinophthalazine (Apresol

ine ldquoCibaつ Reserpine (Serp~si1 ldquoCibaつの

使用により実験時の血注値は縮期圧 210弛期

圧 120mmHgであった心濁音界は左方へ 2横

指拡大し 心尖部第 1音は不純で肝は 2横指蝕

れ眼底所見に乳頭浮腫はないが K-W m型であ

心電曲線上では型M+W+E(法ではWり

左室肥大曲線腎機能検査では P S Pの15分

値は比色不能腎血流量 39ccmin糸球体濯過量

7 ccminで血中残余窒素は 40mgdl低酸素吸

司臨

Fig 6 M K 0 52 yrs MalignantHypertension

4

第 2号 謝高侭容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について -381-

引前の動脈血酸素飽和度は 860と少しさがって 生体の Homeostasisが成立する場合 ST-Tの恋

いるが呼吸系の反応はほど基本型であるo こ 化は軽微に止ることが知られてしるたとえこ

lsquoれにたいして分時送血量は低酸素吸引にょっ の菱化が高度であっても 100酸素を吸引させる

て一方的に絞りまた全末梢脈管抵抗も減って とこれらの斐化はきわめて短時間に快復する

いるので血圧値もこれに応じて 7分では縮期圧 図に例を示す (No1No 7)全例において

245弛期圧 349の率でさつがているこの分 ST同 T の菱化は 100酸素吸引により元の値に戻

時送血量の減少は 100酸素吸引時も依然とし った低酸素吸引により R-R間隔が短縮すること

て続き吸引中止後 10分で はじめて実験前の値 を考えに入れても大部分の Q間隔は図8に

に戻った これにたレして 全末梢脈管抵抗は 示すように Hegglin-Holzmannの計算値の Vari-

100酸素の血管への直接作用の結果 吸引 l分後 ationのうちで短縮の方向へ向い 100酸素吸引

には低酸素吸引 15分値の 12733分では 1204 では延長方向へ斐化するた Yし No6および

6分では 2523の増加を示すこのため 血 No7のように始めから この計算値の下界以下

圧値は侭酸素吸引 15分値にたいして縮期圧 372 にある例は低酸素吸引によってむしろ延長に向

弛期庄 710の増加を示すq このことは木例 う

の血管収縮性がきわめて充進していることを思わ 10) 血糖 図 9に示すように全例において低

せるo 酸素吸引時軽度ながら上昇する

10) 心電曲線上の ~1t 侭酸素吸引にたいして

Fig 7 Electrocardiographic Changes

No l M K 口 22yrs_ No 7 S T 0 45 yrs

Normal Health M s i+Hypertension

3 6 7 10

ast

QT

τE

ST

u

Timeti min

100

Fig 8 Changes in the Q-T Interval and its Relation Fig 9 Hypoxia and Blood Sugar

to the Holzmann-Hegglins Formula 11ω infin

Nll

Qτ( ~ETHETH8ec)

loo~a10ラOz 20

501

~ Bejoj棺

bull IlJ otof)1l

26

30

35

4淵

4長

Hト 50

E開

可~L

Beere 35 7 10 15 20 8 8 7 10 nllle on in

A 1110事弘

55

ωω

60 50 60 70 80 90 100 110

Pul8eRare~府仇

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたLする影響につして -383-

3 この篇の考案 で低酸素吸引後大体 7分前後でおこってしる司

臨床的に低酸素症をヒトにおこさせる場合吸 こLで呼吸数はさらに増加の度を増しでレる

引酸素容量の吟味がまず必要である心不全 ので明らかに中枢性のものと考えられるこの

肺気腫肺炎などのようにamp動脈血酸素飽和度を大 時点では呼吸数の増加があるために分時呼吸量

いにさげる疾患でもその動脈血酸素飽和度は多 の増加は 3分の時より一層著ししこれらのこ

くの場合 80以下にならなしさらに低酸素症 とから考えると低酸素症においてはやはり末

の場合いつも問題となる末梢化学受容体の低酸素 梢化学受容体の役割は重要でありこの点にかんし

刺激にたいする闘値は ComroeV Eulerゆなど では C HeymansSchmidtComroe(16)らの

によれば吸引ガスの酸素容量が 16あるいは 成績と同様である末梢性より量的には強くない

13~14 であるとされており しかも Drippら刊 が低酸素症により呼吸は中枢性にも興奮するこ

によれば 10酸素吸引による動脈血酸素飽和度 とは明らかであるこの末梢f昨受容体(頚脈動

は平均73であるとされているすなわちわ 体ならびに大動脈体〉の働らきは吸引酸素張

れわれが臨床で取り扱っている低酸素症とは ブ7が 670mmHg以上になると低酸素刺激にた

Wiggers(18)のしう低酸素症の時点にあるもので いして大体反応しなくなると考えられており

文字どおりの Anoxiaのそれではなし この点を このいわゆる機能的神経除去については Watt

考えてわたくしの実験でも高度な低酸素吸引を Dumke(19)らが動物で実際に頚動脈体および

さけ 10のものを使ったこのことは臨床的に 大動脈体の神経を除去し その前後で 100酸素

低酸素症の生休反応を見る場合にきわめて必要な 吸引を行わせ化学受容体のありかた如何によるこ

ことと考える同様な考え方から教室の森(1のは とを見ているわたくしの実験でも低酸素吸引に

かような比較的軽度な低酸素症の場合にも末梢化 つぐ 100酸素吸引の場合 当然このことが期

学受容体のldquointegrityが大切であると同時に 待されてよい事実 100酸素吸引によってそ

このことを過評価しではならないことまたこれ の気相反応は ゃく 20も減少した Comroe(り

らの生体反応には個体差が大きいことを述べた は慢性低酸素症の状態にあるものに急に 100

わたくしの実験例でも気相ならびに循環反応 酸素を吸引させる時とくに肺機能不全の状態に

でその度数分布が広い点はあながち小数例を あるものでは止息昏迷さらに昏睡にまでい

扱うからであるとしう理由ばかりによらないこ L たるものがあることを報告しているわたくしの実

にこの個体差のあることを考えるo 気相反応と化 験例にはこのようなものはなかった一般に高

学受容体のありかたについても上述のことがしえ 所に馴化されたヒトの千昨受容体の活動性は減少す

るすなわちこれを低酸素吸引の時間的経過とと るといわれておりまた Rahn(15)は高所に馴化

もにみると吸引後大体 3- 5分にもちろん されたヒトを急に常気圧下にもたらした場合そ

その発現の仕方はかならずしも一致するわけで の subnormalventilationがおとり しかも

はないが呼吸数 1回換気量 分時呼吸量などの 22000 feetに馴化された時にはそれが 30分間も

増加がありとくに 1回換気量は この時点で最 継続することを見たわたくしの取り扱った例7

大の増加率を示したこれはいわゆる即時反応 にはやはりこのようなことが考えられるすな

と呼ばれるもので末梢化学受容体反射によるもの わち その他の例では 末梢化学受容体反射は充

である高血圧症においてはこの末梢化学受容体 分にあり また 100酸素吸引時の subnormal

反射の過敏性があるあるいはないと議論の多 venti1ationも大体数分継続するにすぎないが

いところであるがく12)わたくしの扱った高血圧症 この例では末梢化学受容体反射も量的に少くか

例のこの時点における気相反応ば平均値を上廻 つ subnormal ventilationの継続が室内空気

るものが多かったそれゆえある程度その過敏 吸引後 10分でもなお認められてしるロ これら

性の存在を考えさせるのではないだろうかもちる の反射は Bjurstedtゅのいうようにまた酸

ん低酸素吸引中の血圧の下降による血圧受容体呼 塩基平衡とも関係してしるのでこの面からの研究

吸反射による影響も加味されているかも知れない も必要となる

がこの血圧値のさがりかたは小さし呼吸反応の 低酸素症の循環反応にかんしては繰り返し

第 2の山はいわゆる遅延反応と呼ばれるもの SchneiderTruesdellHeymansV Euler

-384- 千葉医 学会雑誌 第 33巻

Harrison(8)などによって述べられてしるしかし 例ではその収縮作用したがって全末梢脈管抵

ながら循環因子の個々について呼吸反応との相 抗の高まりかたは強いようであるこのことは

関において論じたものはない低酸素症にたいする No6で明らかに見られるこの増加率は実に

生体反応がもともと換気の増大循環血液量の 吸引後 1分で 12736分で 2523でありこれ

増加などにより減少しつつある血液の酸素運搬能 に伴なって血圧値もかなりの充進を示す容積弾

の代償機転であることを考える時これらの相関を-性率についてはもちろん各例ごとに違うが吸

見ることは必要である Wiggers(lめは低酸素症の 引の後期にいたって その減少する 間の多くなるのa

時期においては循環促進 (cardiacaccerelation) は一つの代償機転の失調の現れであると息われ

が換気の菱化に先行すると述べているがわたく る血圧値にかんしては C Heymansゆ V

しの実験例では末梢反射性には気相反応とほ Euler斎藤(11)らによって 化学受容体にたいす

とんど同一時点において即時反応が見られ遅延友 る低酸素刺激の直接作用により一般に上昇する

応と見られる時点での菱化は一般に気相反応の とされているがわたくしの例では区々であり

出現よりも後期すなわち 10---15分あたりにそ 検体の特性吸引条件などを考慮して論じなければ

の最大反応が現われているようであったこのこ ならなし

とはとくに分時送血量全末梢脈管抵抗容積 心電曲線では低酸素吸引中そのLTの増大

弾性率などについていえる分時送血量について することが知られているがわたくしの例で と

は これらのことならびに 14酸素吸引例に くにその電気的収縮時間 QT がはじめより

おいてもその充分な増加のある点から考えて Hegglin-Holzlllannの計算値以上に延長していた

Harrison(9)らのいうように分時送血量の斐動を No 6NO7では他のt例と反対に 低酸素吸引

Anoxemia thresholdとじてかならずしも動 によりますます延長したがこのことは心効率

脈血酸素飽和度との関聯の下に考えることはできな の悪化した兆候とみなされることに No6で

いわたくしの実験例では分時送血量は 1例を は分時送血量が減少した教室の森は 100酸

除いて全例において増加した全末梢脈管抵抗 素吸引を行った場合その脈管収縮性の高まってい

は低酸素吸号|の後期にいたりほとんど全例で るような例では STT のさがりかたが低酸素吸

下降しているがこの観察時間内の範囲にかんする 引中より むしろ 100酸素吸引直後に高度とな

かぎり血中 CO2濃度とは関係がないようである ることを狭心症の 1例に見ているしかしわた

また 一般に 100酸素吸引の効果は その脈 くしの実験例の範囲にはこのようなものがなかっ

管にたいしては a 直接作用として収縮性に た

b 末梢化学受容体を介しては反射的に拡張性に 血糖については一般にいわれているような成績

作用する二つの異った因子の総合であるが とく であったl

に高血圧症のように脈管収縮性の高まっている

4 との篇のまとめ

いろいろな病期にある高血圧症 6例 肺疾患 2例 健常者 1例に低酸素 (10)ならび

に 100酸素を連続的に吸引きせその聞の呼吸および 循環数値の変動を化学受容体

のありかたを考慮しながら検討した

1) 低酸素吸引後その即時反応は 3-5分 遅延反応は 710分に最大点があるこの

場合呼吸においては即時反応が循環においては遅延反応の方がそれぞれより優勢で

あり循環の遅延反応は呼吸のそれよりいくぶん遅れて現れるまた即時反応におい

ては末梢化学受容体の役割が中枢のそれよりさらに重要である

2) 化学受容体反射とくに末梢化学受容体反射の低酸素ならびに高容量酸素にた

いする反応度は疾患の種類またその低酸素血症の程度などにより異るが高血圧症にお

Am

r

d

A

第 2号 謝高 fJf容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について

いては一般に低酸素でその充進があるO

3) Wezler法により時間を追って測定した分時送血量全末檎脈管抵抗容積弾性率な

どで一般には低酸素吸引によって分時送血量の増加全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率の減少が見られるがこれら循環数値の変動はその他の循環因子および心筋の状態

などを考慮した上で論ずる必要がる

lsquo 4) 高容量酸素吸引によって血圧値が異常に上昇するような例ではその全体柏末脈管抵

抗の増大のあることより考えてそれは脈管収縮性の高まりによるものと思われるO

11 定量的観察

1 実験方法ならびに実験対象 Cas長斗 ~JH C Landen(lO)は特殊な Ergometerを用

い 心肺疾患患者に運動負荷を与え そのあいだN01 Age r山 IBefぽ e112 0~I Air 180 O2

の酸素消費量肺活量分時最大呼吸量などを 1届y 11日8い76 戸7同J spir句 raphischに測定して種々の機能検査を行 2 1属1s81 210 1 184 I219 1 216

低酸素吸引に置き換えたすなわち Knipping3l-員 1JMI 220 I 18司 215 1 206

っているがわたくしはこの運動負荷の部分を

I届lY装置2台を用いその気槽中にあらかじめ満して 4 MI 226 I 213 I戸47 I 230

おいた 12酸素 21酸素(室内空気) 80酸 5 1 ~ IK KI 168 1 165 I 135 1 188 素を呼気中の炭酸ガスは苛性カ Dによって除去し

61 ~ 1C EI 192 1 139 1 219 1 187 ながらこの順序でそれぞれ 3分間逐次的に

被検者に吸引させ その各部分における酸素消費 7届luTI 168 I 146 I 168 1 181

量を吸引 3分自の spirographischeKurveから 8 HI 265I 231 お f 幻 1昼lu I 255

算定したなお被検者にゃく 20分間安静を保

たせたのち同時に安静時酸素消費量の測定を行つ 9 1届1T NI 200 I 174 I 矧 1221

た らびに血液ガス所見とともに表 5に示すこの

対象は千葉大学第二内科にス院した心疾患 16 うち症例 1から 6までは臨床的に心不全の兆

例 甲状腺機能允進症 12例 甲状腺機能允進性心 候が明らかなものでありそれは主として左室不

疾患2例ほかに健常例9例である 全ないしは二次性両室不全の例であるこれら

2 実験成績 心疾患での吸引成績を心不全例と代償例とに分け

1) 健常例この測定の実際は図 10に示図す て図 11に示すすなわち心不全例では 12酸

こ示すすなわち安静時酸14また実験成績は表 素吸引時の酸素消費量は安静時のそれに比して

素消費量は 12酸素吸引によってやふ減り気 健常例におけるよりもーだんと少くなり さら

味であり 21さらに80酸素吸写へと愛動はあ に 21酸素吸引にすると著明に増加し 80酸

るがそれは大体 30 ccmin以内であり 80 素のもとでは 21吸引時よりは軽度の被少ない

酸素吸引時の酸素消費量はほとんど実験前値に し不安でこの値はまた実験前値にや込及

戻るこれをいまその安静時酸素消費量にたい ばない代償例ではこれらの傾向が軽度となり

する吸引各部分の酸素消費量の比率で現わすと むしろ健常例に近くなるこれを前項同様そ

図 11のようになるすなわち 12酸素吸引時の の安静時酸素消費量にたいする比率からみれば心

酸素消費量の安静時のそれにたいする比率は 不全例広おいては 12酸素吸引時 048--078

072--098平均08721酸素吸引時には 074-- 平均 06621酸素で 090--148平均工0780

125平均09980酸素吸引時には 093--111 酸素では bull081--120平均 097であり代償例で

平均103となる はそれぞれ 078---109平均094081--145

2) 心疾患例この実験成績はその肺容量な 平均10686--159平均112であるつぎに例

23

-386ー 千葉医学会雑誌 第33巻

をもって説明するFig 1L l2~ 21 ~ 1) 1例 (No80

tfClrmal 協 yen 彰刻 yen 開 t yen

軒ldquo~ldquoldquoldquoldquo(lt087 ldquouldquoldquoldquo~悩~仏99 区~悩術省官伺

103

伽元町蜘動~ Dsease 脇

Decolllp側 S蜘閥 yen

~ 隊yen膨活 yen

112 際yen協 yen

066 10す 091

日狩剖rtL]n品ism 協yen 協 yen協 yen 1ρa 113

園oz-Up-ta長e α-l]p-ta~e t別館ch peT(entfOICJSen

帽弁狭窄閉鎖不全症

才の女性でゃく 6カ月

前からの体動時の息ぎ

れどうきなどがあり

さらに夜間発作性呼吸

困難が加わってきたので

入院したこの第1回検

査時の状態は胸部レ線

像上左第 234弓 および右第 2弓の軽度

な拡大があり肺うつ血

の像も著明で胸部右後

下部に湿性ラ音を開く

心電曲線上は僧帽性

P V3 -V日までの STTの下降があり心筋傷

害ないし心筋の低酸

素症を思わせた静脈圧

は135mmH 20W 法に

よる分時送血 量は 811minであった第2回検査時にはジギタリス

葉末で維持しているとき

であったがなお軽lsquoHeart Diseases 5 Tab 1

z芯r制杭出問ご討出治慌f刊t士官|医医臨立立2 lトトN尚陶陶陥a町叩m叩I紅me悶e

iq|引2認貌務矧話認判i22|読2ljziZ到引|器3j2| 5釘7完捻街1|関悶完詔引戸戸邦判

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92811 1551~771 9831 414 i 141 1 87[ 97 1iM sIF HI918 86 1891 552 1100 If18101225 1 191 1 256 1 234 1 75 1

I3611 200 1 1 Kl-I1~I10

227 1 230 11 1心中aFIJ「τ f 問

昨竺 i1 951 j868 1 33

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

~袋113に示す T 11ii誌片I~1 1 l i立lizii2引誌 i1誌託ii 引引 2isI Hlz1 22lI2引33|11おhellip

切ら川島削除ぬよ

同院協附除物陰惨帆

3181M SI 199 r叫叫 ml240

峨らら削除一

4出MHI 174 j同州州 140

5 I gI 1 Y J 203 l叫2541叫 372 6 I ~ yenH KI 212 1197]叫 221] 155

7 I~ I1 T[25o I 2431261 1 28~ 1 200

8 1 ~ 1MuI172い43[州 242[ 153

可玄jKHj-20S--j吋州 247r 270

loJg- 百戸戸「五j1MI 216 1

にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

1私らい

弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

bull bull bullbull

-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

NyNo Age

O2Sat

Before||1022ll Air|18002VCCC-I|R V-ilMBC y|liHaY町PeDKritauhgrynr田 draism|flaeobis 02Up-take ccl|Lung VOIRZ血 es

541879 1

53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

1~IKHrてγidism 7251004 881 528242 142 286 2 I ~ IKH

961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

Card Disdi iacs 倒岱皿H tFiqyHFpr品 曲叫陶

Normal 制 帽

bullalsquo

bull bull- bull bull

hellip切さ符相会

lsquo bull 畠 会 lsquo bull bull

ebullbull bull bull bull bull ~ bull

2infinbullbullbull - 晶

A

- -

-

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- bull bull lsquo

bullbull bullbull bullbull ーbull

ー~ bull

d

nimH20で肝はやく 2横指

触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

120 21妬0 80XO

弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

らよ幽

吋B~H~A~O B~H~A~O sHArarrow B8eJOTe (in theAiT)

以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

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第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

(忠弘司ロ凶的)

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-392ー 謝論文附図 (ll) 第 33巻

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1656

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-376ー 千 葉 学 会 雑 誌yen

第 33巻

Tab 3 Cardiorespiratorychanges of Pulmonary Diseases

rJl

【 J~

JIロ4p

官 S1ロ I

M

ω凶〈 円

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Zωωωυ

Name aMWS

8lt)1 旦 -+-gt lt)1

旦ω

~ ~ IS吋晶高|ー

1555Mlb ~I ~出 64 961yen 809 1280 1576

心 l 64 781 674 1055 1736

口123l 61 931 877 816

的に 33--56もふえるがこの値は 100酸素

吸引後 3分くらじでほとんどもとの値に戻る

これに反して全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率は 10酸素吸引により軽度の低下を示し

100酸素吸引によっては軽度に上昇ししかも

8 IM tlu -+-gt0

181~] 10

65 1068 545 1478 67 855 515 1549 72 887 558 1557 82 1019 636 1451

136 1341 144 151

83124 442 355 2206

1767 2116 2065 1799 3068

m

-E

Fig 1

明ハ】

岡山村

盟副

ω MULH

れぞれ 3ないし 18の滅少を見 この値は吸

引 10分で ふた Lび前の値に戻る この減少は

いわゆる機能的神経除去 (FunctionalDenerv-

ation)による動脈血 pHは尋常の範囲内なが

ら軽度のアルカレミアに傾いてはいるが 100

酸素によりもとの値に戻る一方循環系で心拍

出量は増し脈拍数もまた低酸素吸引後 3な

いし 7分にかけて増すので分時送血量も一方

口 9 SM

au nu

134 74 126 71 467 431 1819 124 73

134 77 425 346 2415

1341 76 480 368 2271 3213 81 380 326 3769 1135 3769

決復傾向は心拍出量に比較して遅しそれゆ1その

えこれら循環力学的因子の組合せからその低酸

素吸引における縮期圧弛期庄は あまり愛化せ

3132

3627

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響につして -377-

ず 100酸素吸引時にはもちろん尋常の範囲 増加はいわゆる機能的神経除去によって全例

内ながら血圧値は上昇気味であるまた低酸素十とも急激に減少し 1--3分後における被少率は

吸引 3 分ころより被検者の指(~J)端 r~暦など 219土61であった以後は しだしに また増

に軽度のチアノーゼが認められたが自覚的には し 7 --10分における減少は 5例でその減少率は

全く異常がなかった 13334と 1~3 分での値に比して少くなり

以上伐代表的な実験鰯邑であるがつぎにこ 増加は 4例となる事実本実験とは別にわたく

れにもとづいて各項目別に全例を検討した成績 しが協研者川辺長谷川らとシアシソーダによ

を述べる るヒトの過呼吸反応を利用して 100酸素吸引に

1) 動脈血酸素飽和度実験前の値は 819-- よるいわゆる機能的神経除去を目論んだ実験で

969であるが 10酸素吸引の 8例においては 100酸素吸引を 20--30分間行った気管枝性哨息

3--5分で 692土4597分で 618士73915分 の3例ではシアン反応の抑制される時間はきわ

で627土683とさがりまた 14酸素吸引の 1 めて短時間で 1--2分以内であった この 1例を

例においては 3分で 8487分で 83715分 図2に示す

で821とさがるすなわち動脈血酸素飽和度の 4) 分時呼吸量この値の~動はもちろん呼

さがりかたは大体 3分くらいまでのうちに急に 吸数 ならびに 1図換気量によって規定されるの

下降しその後は 15 分くらいまでたいした~動 であるがその低酸素吸引中の愛動は 3分で実

がなし 100酸素吸引にしてからは 3--5分以 験前値の 456150の増加 7分で 343主 164

内にほとんどの例で実験前値以上を示すが本実 の増加 15分で 219土 124の増加を示すまた

験は Oximeterのコシトローノレなしに行われたの 100酸素吸引に切りかえ 1分後の減少率は 249土

でいわゆる飽和時間についてははっきりした 154である

値が得られなかった つぎに以上のような呼吸反応のなかで特異な

2) 呼吸数低酸素吸引後 3分での斐動は増加 型を呈した 23の例をあげる

は3例その増加率平均は 11不斐は 3例被少 例 1(No 3図 3)は本態性高血圧症K-W

は3例 15であり不安例中には 14酸素吸引 E 型の 42才男性の患者この患者はすでに

例ならびに健常例が含まれてしら 7分では 20才代生命保険加入のさいに高血圧を指摘され

増加7例その増加率平均 24減少 2例 7であ ており歩行時のめまい感頭宣肩こりなどを

るこのうちとくに肺気腫例 (No のにおい 主訴として入院した入院時血圧は縮期圧 190

ては 82の増加率を示した 15分では増加 7 弛期圧 120mmHgでありこの僚は安静臥床に

例 24減少 2例 7である 100酸素吸引にし よりそれぞれ 160110 mmHg にさがり寒冷

てからはほとんどの例において減少しその低酸 昇圧試験 ヒスタミン試験は陽性であった心電

素吸引 15分値にたいする減少率平均は 1分後 10 曲線上では 左室肥大 ならびに 創苛曲線を示

3分後 1810分後 16であり 10分後減少 し W 法では W 型腎機能には異常がなかっ

せずに増加した例は健常例と No7とである た

3) 1回換気量低酸素吸引後 3分では増加 8 わたくしの取り扱った高血圧症例では低酸素吸

例減少 1例で その増加率は 543209であ 引時とくにその即時性気相反応が他の例に比

していちじるしかったことは上にも述べたがこであるまた実4104酸素吸引例では14り

験前より慢性の低酸素血症の状態にあった No7 の例においてその 3分における 1回換気量の増加

におけるその増加率は 64であり高血圧症例 率は 721分時呼吸量のそれは 700である

ではその増加率がほとんど平均値以上であっ 例 2(No 7図めは高血圧症に僧帽弁膜症を

たかえって減少した 1例は肺気題例 No9であ 合併した 45才の女性この患者はゃく 1カ月前

る 7分での増加例数は 3分の時と全く同じであ より心惇允進呼吸困難発作がありこれらを主

りその増加率は 278土199である No 7の7 訴として入院した心濁音界は左右にそれぞれ

分での増加率は 32である 15分における増加例 ゃく 1横指ほど拡大し入院時には肺右後下部に

は6例減少は 2例でその増加率は 202士171 半有響性湿性ラ音多数を聞き 肝も15横指陪ど触

である lOO酸素吸引に切りかえてからは この れ著明な心不全の状態にあったが実験時には

-378ー 千葉医 学 会 雑 誌 第 33巻

Fig 3 N T 口 42yrs Essential Hypertension (K W IT)

8136710 71mBmr

巧 7 W Jii a F Iυ

Fig 4 S T 0 45 yrs M s i+Hypertension

lJ 5 10

素飽和度のさがりかたはむしろ他の例に比して

軽く 15分で 683であるまた 1回換気量分

は M 型であったが このほかに血色素 (Sahli 時呼吸量の増加率も 吸号13分で それぞれ 64

値)72赤血球数320X104~程度の貧血があり 2657分で 32 161であり 100酸

動脈血酸素飽和度は実験前より 819と低下して 素吸513分後における減少率は それぞれ 50

いた 0であった ζのことは慢性低酸素血症により

この例には実験前すでに慢性低酸素血症が 化学受容体が常時刺激されてしるためそれにたい

あったにもか Lわらず低酸素吸引による動脈血酸 する呼吸反応のldquo慣れの現象であると思われるe

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響につして -379-

例 3(No 9図 5)は高度の肺気腫をもっ 69 5) 脈拍数低酸素吸引後脈拍数は全例で増

才の男性 10数年来いわゆるJlsquo療もちであっ 加し続けその実験前値にたしする平均増加率は

たがゃく 6カ月前よりこれが激しくなってきた 3分で 267分で 2415分で 29でありま

ので入院したこの患者の肺容量は 肺活量 2800 た 100酸素吸引によりこれらは 全例におい

CC残気量 2779CC全肺容量 5279CC残気率 526 で誠り その低酸素吸引 15分値にたいする減少率

分時最大呼吸量 3531min気速指数 054であ は 3分で 3610分で 35であったこのうち

り胸部レ線像でも著明な肺気腫像を示した 14酸素吸引例でも その吸弓 13分での増加率は

この例では低酸素吸引後 2--3分で呼吸困難 2315分で 24100酸素吸引にして 1分後の

感が強くなり低酸素吸引は 10分までしか続けら 減少率は 275分では 23であった

れなかったしかも動脈血酸素飽和度は低酸素 6) 分時送血量 低酸素吸引中のこの値の褒動

吸引 5分で 686までさがっているにもか Lわら はある時点においては多少減ずる例もあるには

ず 1回換気量分時呼吸量は 3分でそれぞれ あるが悪性高血圧症例 No6を除いて 他の例

12242の率でかえって減り 7分において はほとんど全例において増加したすなわち

は 1回換気量が 193の減少分時呼吸量は 468 低酸素吸引後 3分では実験前値にたいする増加率

の増加を示しさらに 10分では 1囲換気量は は 322士215 7分では 261+155 15分では

151の減少分時呼吸量は 620の増加を示し 460土141で 100酸素吸引にしてからは 全

たすなわち即時反応が見られず吸引後 7分で 例において 減少が見られ f[酸素吸引 15分値に

呼吸数は 82の増加を示し 中枢性の遅延反応が たいするその減少率は 1--3分後 382土83 5恥

良〈見られた肺気腫のように胸廓の強直がある 分後 253t91であるすなわち この時点で

時にはldquo Pneu~otaxic 1加pulseの成り立ちが 大体実験前fi直に反ることになる悪性高血圧症ゐ

あるにもかふわらず呼吸運動が即応せず CO2の 例ではしかしながら6分後なお実験前値以

愛化が問題となりかつ中枢の発動が問題となる 下であり室内空気吸引 10分後にいたり ょうや

ような時点ではじめて呼吸運動刺激症状が出てい く実験前値に近づく

る 100酸素吸引としてからは 1回換気量分 η 全末梢脈管抵抗低酸素吸手l後 3分では 2

時呼吸量は ともに 239311の減少率を示 例だけが軽度に増しているほかは 7例において減

す 少し実験前値にたいする減少率は 321士108で

Fig 5 S M 口 69yrs Emphysema thoracis

b

l

-380ー 千葉医学会雑誌 第 3a巻

あり 7分では 1例だけが増し他の 8例は減り

その減少率は 304166さらに 15分では全例

において滅りその減少率は 311士549るであった

また 100酸素吸引によって全例において増加

し 1- 3分では 4471655--7分では 503士

150の増加率であったしかも これらの増減

と血中 CO2濃度との関係は全くなく とくに

高血圧症例において W 法による型との関係は見

られなししかしながら NO6の悪性高血圧症の

例においては 100酸素吸引にしてからの全末梢

脈管抵抗の増加は他の例に比してきわめて著し

かったo

8) 容積弾性率低酸素ならびに 100酸素

吸引中この値はしろいろに~動し全末梢脈管抵

抗のように一定の傾向がなかったが一般には減

少の傾向にあるすなわち低酸表吸引後 3分で

は増加は 5例平均133の増加率減少は 3

例その減少率は 1967分では増加が3例で

143減少は 5例で 14115分では増加が2

例で 81減少が 6例で 103100酸素吸引後

1--3分では増加が4例平均増加率は 205

減少が 2例で 17810分では増加が4例で 466

減少が 2例で 157である

9) 血圧5)6)7)8)で述べたような循環

因子によって規定される血圧値の愛動はまたき

わめて区々としでいたすなわち 1[酸素吸引中

その血圧値の増加するものは 4例で縮期庄は 2--

6の増加率弛期庄は 2--25の増加率である

被少は 5例で縮期圧は 1-15の滅少率弛期庄

は 5--18の減少率である 100酸素吸引にして

からは血圧値の増加する例が多くとくに 1--a

3分では増加が7例その縮期庄は 1--20ヲる弛

期圧は 1--35の増加率を示すこのうちとくに

悪性高血圧症例においては 100酸素吸引直後の

血圧値の上昇が著しく 1分で縮期庄は 243

弛期圧は 710の増加を示した

以上この実験における循環系反応のなかでー

般とちがった態度を呈した悪性高血圧症例 No 6

を図 6に示す

この患者は 52才の女性でゃく 2カ月前よりの

霧視どうき息ぎれなどを主訴としてス院した

ス院時の血圧値は縮期圧 230弛期圧 130mmHg

であったが l-Hydrazinophthalazine (Apresol

ine ldquoCibaつ Reserpine (Serp~si1 ldquoCibaつの

使用により実験時の血注値は縮期圧 210弛期

圧 120mmHgであった心濁音界は左方へ 2横

指拡大し 心尖部第 1音は不純で肝は 2横指蝕

れ眼底所見に乳頭浮腫はないが K-W m型であ

心電曲線上では型M+W+E(法ではWり

左室肥大曲線腎機能検査では P S Pの15分

値は比色不能腎血流量 39ccmin糸球体濯過量

7 ccminで血中残余窒素は 40mgdl低酸素吸

司臨

Fig 6 M K 0 52 yrs MalignantHypertension

4

第 2号 謝高侭容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について -381-

引前の動脈血酸素飽和度は 860と少しさがって 生体の Homeostasisが成立する場合 ST-Tの恋

いるが呼吸系の反応はほど基本型であるo こ 化は軽微に止ることが知られてしるたとえこ

lsquoれにたいして分時送血量は低酸素吸引にょっ の菱化が高度であっても 100酸素を吸引させる

て一方的に絞りまた全末梢脈管抵抗も減って とこれらの斐化はきわめて短時間に快復する

いるので血圧値もこれに応じて 7分では縮期圧 図に例を示す (No1No 7)全例において

245弛期圧 349の率でさつがているこの分 ST同 T の菱化は 100酸素吸引により元の値に戻

時送血量の減少は 100酸素吸引時も依然とし った低酸素吸引により R-R間隔が短縮すること

て続き吸引中止後 10分で はじめて実験前の値 を考えに入れても大部分の Q間隔は図8に

に戻った これにたレして 全末梢脈管抵抗は 示すように Hegglin-Holzmannの計算値の Vari-

100酸素の血管への直接作用の結果 吸引 l分後 ationのうちで短縮の方向へ向い 100酸素吸引

には低酸素吸引 15分値の 12733分では 1204 では延長方向へ斐化するた Yし No6および

6分では 2523の増加を示すこのため 血 No7のように始めから この計算値の下界以下

圧値は侭酸素吸引 15分値にたいして縮期圧 372 にある例は低酸素吸引によってむしろ延長に向

弛期庄 710の増加を示すq このことは木例 う

の血管収縮性がきわめて充進していることを思わ 10) 血糖 図 9に示すように全例において低

せるo 酸素吸引時軽度ながら上昇する

10) 心電曲線上の ~1t 侭酸素吸引にたいして

Fig 7 Electrocardiographic Changes

No l M K 口 22yrs_ No 7 S T 0 45 yrs

Normal Health M s i+Hypertension

3 6 7 10

ast

QT

τE

ST

u

Timeti min

100

Fig 8 Changes in the Q-T Interval and its Relation Fig 9 Hypoxia and Blood Sugar

to the Holzmann-Hegglins Formula 11ω infin

Nll

Qτ( ~ETHETH8ec)

loo~a10ラOz 20

501

~ Bejoj棺

bull IlJ otof)1l

26

30

35

4淵

4長

Hト 50

E開

可~L

Beere 35 7 10 15 20 8 8 7 10 nllle on in

A 1110事弘

55

ωω

60 50 60 70 80 90 100 110

Pul8eRare~府仇

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたLする影響につして -383-

3 この篇の考案 で低酸素吸引後大体 7分前後でおこってしる司

臨床的に低酸素症をヒトにおこさせる場合吸 こLで呼吸数はさらに増加の度を増しでレる

引酸素容量の吟味がまず必要である心不全 ので明らかに中枢性のものと考えられるこの

肺気腫肺炎などのようにamp動脈血酸素飽和度を大 時点では呼吸数の増加があるために分時呼吸量

いにさげる疾患でもその動脈血酸素飽和度は多 の増加は 3分の時より一層著ししこれらのこ

くの場合 80以下にならなしさらに低酸素症 とから考えると低酸素症においてはやはり末

の場合いつも問題となる末梢化学受容体の低酸素 梢化学受容体の役割は重要でありこの点にかんし

刺激にたいする闘値は ComroeV Eulerゆなど では C HeymansSchmidtComroe(16)らの

によれば吸引ガスの酸素容量が 16あるいは 成績と同様である末梢性より量的には強くない

13~14 であるとされており しかも Drippら刊 が低酸素症により呼吸は中枢性にも興奮するこ

によれば 10酸素吸引による動脈血酸素飽和度 とは明らかであるこの末梢f昨受容体(頚脈動

は平均73であるとされているすなわちわ 体ならびに大動脈体〉の働らきは吸引酸素張

れわれが臨床で取り扱っている低酸素症とは ブ7が 670mmHg以上になると低酸素刺激にた

Wiggers(18)のしう低酸素症の時点にあるもので いして大体反応しなくなると考えられており

文字どおりの Anoxiaのそれではなし この点を このいわゆる機能的神経除去については Watt

考えてわたくしの実験でも高度な低酸素吸引を Dumke(19)らが動物で実際に頚動脈体および

さけ 10のものを使ったこのことは臨床的に 大動脈体の神経を除去し その前後で 100酸素

低酸素症の生休反応を見る場合にきわめて必要な 吸引を行わせ化学受容体のありかた如何によるこ

ことと考える同様な考え方から教室の森(1のは とを見ているわたくしの実験でも低酸素吸引に

かような比較的軽度な低酸素症の場合にも末梢化 つぐ 100酸素吸引の場合 当然このことが期

学受容体のldquointegrityが大切であると同時に 待されてよい事実 100酸素吸引によってそ

このことを過評価しではならないことまたこれ の気相反応は ゃく 20も減少した Comroe(り

らの生体反応には個体差が大きいことを述べた は慢性低酸素症の状態にあるものに急に 100

わたくしの実験例でも気相ならびに循環反応 酸素を吸引させる時とくに肺機能不全の状態に

でその度数分布が広い点はあながち小数例を あるものでは止息昏迷さらに昏睡にまでい

扱うからであるとしう理由ばかりによらないこ L たるものがあることを報告しているわたくしの実

にこの個体差のあることを考えるo 気相反応と化 験例にはこのようなものはなかった一般に高

学受容体のありかたについても上述のことがしえ 所に馴化されたヒトの千昨受容体の活動性は減少す

るすなわちこれを低酸素吸引の時間的経過とと るといわれておりまた Rahn(15)は高所に馴化

もにみると吸引後大体 3- 5分にもちろん されたヒトを急に常気圧下にもたらした場合そ

その発現の仕方はかならずしも一致するわけで の subnormalventilationがおとり しかも

はないが呼吸数 1回換気量 分時呼吸量などの 22000 feetに馴化された時にはそれが 30分間も

増加がありとくに 1回換気量は この時点で最 継続することを見たわたくしの取り扱った例7

大の増加率を示したこれはいわゆる即時反応 にはやはりこのようなことが考えられるすな

と呼ばれるもので末梢化学受容体反射によるもの わち その他の例では 末梢化学受容体反射は充

である高血圧症においてはこの末梢化学受容体 分にあり また 100酸素吸引時の subnormal

反射の過敏性があるあるいはないと議論の多 venti1ationも大体数分継続するにすぎないが

いところであるがく12)わたくしの扱った高血圧症 この例では末梢化学受容体反射も量的に少くか

例のこの時点における気相反応ば平均値を上廻 つ subnormal ventilationの継続が室内空気

るものが多かったそれゆえある程度その過敏 吸引後 10分でもなお認められてしるロ これら

性の存在を考えさせるのではないだろうかもちる の反射は Bjurstedtゅのいうようにまた酸

ん低酸素吸引中の血圧の下降による血圧受容体呼 塩基平衡とも関係してしるのでこの面からの研究

吸反射による影響も加味されているかも知れない も必要となる

がこの血圧値のさがりかたは小さし呼吸反応の 低酸素症の循環反応にかんしては繰り返し

第 2の山はいわゆる遅延反応と呼ばれるもの SchneiderTruesdellHeymansV Euler

-384- 千葉医 学会雑誌 第 33巻

Harrison(8)などによって述べられてしるしかし 例ではその収縮作用したがって全末梢脈管抵

ながら循環因子の個々について呼吸反応との相 抗の高まりかたは強いようであるこのことは

関において論じたものはない低酸素症にたいする No6で明らかに見られるこの増加率は実に

生体反応がもともと換気の増大循環血液量の 吸引後 1分で 12736分で 2523でありこれ

増加などにより減少しつつある血液の酸素運搬能 に伴なって血圧値もかなりの充進を示す容積弾

の代償機転であることを考える時これらの相関を-性率についてはもちろん各例ごとに違うが吸

見ることは必要である Wiggers(lめは低酸素症の 引の後期にいたって その減少する 間の多くなるのa

時期においては循環促進 (cardiacaccerelation) は一つの代償機転の失調の現れであると息われ

が換気の菱化に先行すると述べているがわたく る血圧値にかんしては C Heymansゆ V

しの実験例では末梢反射性には気相反応とほ Euler斎藤(11)らによって 化学受容体にたいす

とんど同一時点において即時反応が見られ遅延友 る低酸素刺激の直接作用により一般に上昇する

応と見られる時点での菱化は一般に気相反応の とされているがわたくしの例では区々であり

出現よりも後期すなわち 10---15分あたりにそ 検体の特性吸引条件などを考慮して論じなければ

の最大反応が現われているようであったこのこ ならなし

とはとくに分時送血量全末梢脈管抵抗容積 心電曲線では低酸素吸引中そのLTの増大

弾性率などについていえる分時送血量について することが知られているがわたくしの例で と

は これらのことならびに 14酸素吸引例に くにその電気的収縮時間 QT がはじめより

おいてもその充分な増加のある点から考えて Hegglin-Holzlllannの計算値以上に延長していた

Harrison(9)らのいうように分時送血量の斐動を No 6NO7では他のt例と反対に 低酸素吸引

Anoxemia thresholdとじてかならずしも動 によりますます延長したがこのことは心効率

脈血酸素飽和度との関聯の下に考えることはできな の悪化した兆候とみなされることに No6で

いわたくしの実験例では分時送血量は 1例を は分時送血量が減少した教室の森は 100酸

除いて全例において増加した全末梢脈管抵抗 素吸引を行った場合その脈管収縮性の高まってい

は低酸素吸号|の後期にいたりほとんど全例で るような例では STT のさがりかたが低酸素吸

下降しているがこの観察時間内の範囲にかんする 引中より むしろ 100酸素吸引直後に高度とな

かぎり血中 CO2濃度とは関係がないようである ることを狭心症の 1例に見ているしかしわた

また 一般に 100酸素吸引の効果は その脈 くしの実験例の範囲にはこのようなものがなかっ

管にたいしては a 直接作用として収縮性に た

b 末梢化学受容体を介しては反射的に拡張性に 血糖については一般にいわれているような成績

作用する二つの異った因子の総合であるが とく であったl

に高血圧症のように脈管収縮性の高まっている

4 との篇のまとめ

いろいろな病期にある高血圧症 6例 肺疾患 2例 健常者 1例に低酸素 (10)ならび

に 100酸素を連続的に吸引きせその聞の呼吸および 循環数値の変動を化学受容体

のありかたを考慮しながら検討した

1) 低酸素吸引後その即時反応は 3-5分 遅延反応は 710分に最大点があるこの

場合呼吸においては即時反応が循環においては遅延反応の方がそれぞれより優勢で

あり循環の遅延反応は呼吸のそれよりいくぶん遅れて現れるまた即時反応におい

ては末梢化学受容体の役割が中枢のそれよりさらに重要である

2) 化学受容体反射とくに末梢化学受容体反射の低酸素ならびに高容量酸素にた

いする反応度は疾患の種類またその低酸素血症の程度などにより異るが高血圧症にお

Am

r

d

A

第 2号 謝高 fJf容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について

いては一般に低酸素でその充進があるO

3) Wezler法により時間を追って測定した分時送血量全末檎脈管抵抗容積弾性率な

どで一般には低酸素吸引によって分時送血量の増加全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率の減少が見られるがこれら循環数値の変動はその他の循環因子および心筋の状態

などを考慮した上で論ずる必要がる

lsquo 4) 高容量酸素吸引によって血圧値が異常に上昇するような例ではその全体柏末脈管抵

抗の増大のあることより考えてそれは脈管収縮性の高まりによるものと思われるO

11 定量的観察

1 実験方法ならびに実験対象 Cas長斗 ~JH C Landen(lO)は特殊な Ergometerを用

い 心肺疾患患者に運動負荷を与え そのあいだN01 Age r山 IBefぽ e112 0~I Air 180 O2

の酸素消費量肺活量分時最大呼吸量などを 1届y 11日8い76 戸7同J spir句 raphischに測定して種々の機能検査を行 2 1属1s81 210 1 184 I219 1 216

低酸素吸引に置き換えたすなわち Knipping3l-員 1JMI 220 I 18司 215 1 206

っているがわたくしはこの運動負荷の部分を

I届lY装置2台を用いその気槽中にあらかじめ満して 4 MI 226 I 213 I戸47 I 230

おいた 12酸素 21酸素(室内空気) 80酸 5 1 ~ IK KI 168 1 165 I 135 1 188 素を呼気中の炭酸ガスは苛性カ Dによって除去し

61 ~ 1C EI 192 1 139 1 219 1 187 ながらこの順序でそれぞれ 3分間逐次的に

被検者に吸引させ その各部分における酸素消費 7届luTI 168 I 146 I 168 1 181

量を吸引 3分自の spirographischeKurveから 8 HI 265I 231 お f 幻 1昼lu I 255

算定したなお被検者にゃく 20分間安静を保

たせたのち同時に安静時酸素消費量の測定を行つ 9 1届1T NI 200 I 174 I 矧 1221

た らびに血液ガス所見とともに表 5に示すこの

対象は千葉大学第二内科にス院した心疾患 16 うち症例 1から 6までは臨床的に心不全の兆

例 甲状腺機能允進症 12例 甲状腺機能允進性心 候が明らかなものでありそれは主として左室不

疾患2例ほかに健常例9例である 全ないしは二次性両室不全の例であるこれら

2 実験成績 心疾患での吸引成績を心不全例と代償例とに分け

1) 健常例この測定の実際は図 10に示図す て図 11に示すすなわち心不全例では 12酸

こ示すすなわち安静時酸14また実験成績は表 素吸引時の酸素消費量は安静時のそれに比して

素消費量は 12酸素吸引によってやふ減り気 健常例におけるよりもーだんと少くなり さら

味であり 21さらに80酸素吸写へと愛動はあ に 21酸素吸引にすると著明に増加し 80酸

るがそれは大体 30 ccmin以内であり 80 素のもとでは 21吸引時よりは軽度の被少ない

酸素吸引時の酸素消費量はほとんど実験前値に し不安でこの値はまた実験前値にや込及

戻るこれをいまその安静時酸素消費量にたい ばない代償例ではこれらの傾向が軽度となり

する吸引各部分の酸素消費量の比率で現わすと むしろ健常例に近くなるこれを前項同様そ

図 11のようになるすなわち 12酸素吸引時の の安静時酸素消費量にたいする比率からみれば心

酸素消費量の安静時のそれにたいする比率は 不全例広おいては 12酸素吸引時 048--078

072--098平均08721酸素吸引時には 074-- 平均 06621酸素で 090--148平均工0780

125平均09980酸素吸引時には 093--111 酸素では bull081--120平均 097であり代償例で

平均103となる はそれぞれ 078---109平均094081--145

2) 心疾患例この実験成績はその肺容量な 平均10686--159平均112であるつぎに例

23

-386ー 千葉医学会雑誌 第33巻

をもって説明するFig 1L l2~ 21 ~ 1) 1例 (No80

tfClrmal 協 yen 彰刻 yen 開 t yen

軒ldquo~ldquoldquoldquoldquo(lt087 ldquouldquoldquoldquo~悩~仏99 区~悩術省官伺

103

伽元町蜘動~ Dsease 脇

Decolllp側 S蜘閥 yen

~ 隊yen膨活 yen

112 際yen協 yen

066 10す 091

日狩剖rtL]n品ism 協yen 協 yen協 yen 1ρa 113

園oz-Up-ta長e α-l]p-ta~e t別館ch peT(entfOICJSen

帽弁狭窄閉鎖不全症

才の女性でゃく 6カ月

前からの体動時の息ぎ

れどうきなどがあり

さらに夜間発作性呼吸

困難が加わってきたので

入院したこの第1回検

査時の状態は胸部レ線

像上左第 234弓 および右第 2弓の軽度

な拡大があり肺うつ血

の像も著明で胸部右後

下部に湿性ラ音を開く

心電曲線上は僧帽性

P V3 -V日までの STTの下降があり心筋傷

害ないし心筋の低酸

素症を思わせた静脈圧

は135mmH 20W 法に

よる分時送血 量は 811minであった第2回検査時にはジギタリス

葉末で維持しているとき

であったがなお軽lsquoHeart Diseases 5 Tab 1

z芯r制杭出問ご討出治慌f刊t士官|医医臨立立2 lトトN尚陶陶陥a町叩m叩I紅me悶e

iq|引2認貌務矧話認判i22|読2ljziZ到引|器3j2| 5釘7完捻街1|関悶完詔引戸戸邦判

iiz i 釦引irけ誌器~i1 i引釦i可emn2詰認訟ZIMIEnd勺包|E引 f l努凱判f引inlfit訂判1 12刻|ドKYI(立払μよムふ

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1531 1 1516引781川51 g Is KI M s 1 7781111沌沼 日 臼 f 219 61付89制 20 6川|副AS[d陀件白似今infinc OI官官芯設2E担汗 lバ4叫191r川日叫211 170 1761吋Tt 問附

111日叫423130閃 凶同お抑

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92811 1551~771 9831 414 i 141 1 87[ 97 1iM sIF HI918 86 1891 552 1100 If18101225 1 191 1 256 1 234 1 75 1

I3611 200 1 1 Kl-I1~I10

227 1 230 11 1心中aFIJ「τ f 問

昨竺 i1 951 j868 1 33

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

~袋113に示す T 11ii誌片I~1 1 l i立lizii2引誌 i1誌託ii 引引 2isI Hlz1 22lI2引33|11おhellip

切ら川島削除ぬよ

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5 I gI 1 Y J 203 l叫2541叫 372 6 I ~ yenH KI 212 1197]叫 221] 155

7 I~ I1 T[25o I 2431261 1 28~ 1 200

8 1 ~ 1MuI172い43[州 242[ 153

可玄jKHj-20S--j吋州 247r 270

loJg- 百戸戸「五j1MI 216 1

にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

1私らい

弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

bull bull bullbull

-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

NyNo Age

O2Sat

Before||1022ll Air|18002VCCC-I|R V-ilMBC y|liHaY町PeDKritauhgrynr田 draism|flaeobis 02Up-take ccl|Lung VOIRZ血 es

541879 1

53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

1~IKHrてγidism 7251004 881 528242 142 286 2 I ~ IKH

961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

Card Disdi iacs 倒岱皿H tFiqyHFpr品 曲叫陶

Normal 制 帽

bullalsquo

bull bull- bull bull

hellip切さ符相会

lsquo bull 畠 会 lsquo bull bull

ebullbull bull bull bull bull ~ bull

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- -

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- bull bull lsquo

bullbull bullbull bullbull ーbull

ー~ bull

d

nimH20で肝はやく 2横指

触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

120 21妬0 80XO

弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

らよ幽

吋B~H~A~O B~H~A~O sHArarrow B8eJOTe (in theAiT)

以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

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第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

(忠弘司ロ凶的)

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-392ー 謝論文附図 (ll) 第 33巻

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第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響につして -377-

ず 100酸素吸引時にはもちろん尋常の範囲 増加はいわゆる機能的神経除去によって全例

内ながら血圧値は上昇気味であるまた低酸素十とも急激に減少し 1--3分後における被少率は

吸引 3 分ころより被検者の指(~J)端 r~暦など 219土61であった以後は しだしに また増

に軽度のチアノーゼが認められたが自覚的には し 7 --10分における減少は 5例でその減少率は

全く異常がなかった 13334と 1~3 分での値に比して少くなり

以上伐代表的な実験鰯邑であるがつぎにこ 増加は 4例となる事実本実験とは別にわたく

れにもとづいて各項目別に全例を検討した成績 しが協研者川辺長谷川らとシアシソーダによ

を述べる るヒトの過呼吸反応を利用して 100酸素吸引に

1) 動脈血酸素飽和度実験前の値は 819-- よるいわゆる機能的神経除去を目論んだ実験で

969であるが 10酸素吸引の 8例においては 100酸素吸引を 20--30分間行った気管枝性哨息

3--5分で 692土4597分で 618士73915分 の3例ではシアン反応の抑制される時間はきわ

で627土683とさがりまた 14酸素吸引の 1 めて短時間で 1--2分以内であった この 1例を

例においては 3分で 8487分で 83715分 図2に示す

で821とさがるすなわち動脈血酸素飽和度の 4) 分時呼吸量この値の~動はもちろん呼

さがりかたは大体 3分くらいまでのうちに急に 吸数 ならびに 1図換気量によって規定されるの

下降しその後は 15 分くらいまでたいした~動 であるがその低酸素吸引中の愛動は 3分で実

がなし 100酸素吸引にしてからは 3--5分以 験前値の 456150の増加 7分で 343主 164

内にほとんどの例で実験前値以上を示すが本実 の増加 15分で 219土 124の増加を示すまた

験は Oximeterのコシトローノレなしに行われたの 100酸素吸引に切りかえ 1分後の減少率は 249土

でいわゆる飽和時間についてははっきりした 154である

値が得られなかった つぎに以上のような呼吸反応のなかで特異な

2) 呼吸数低酸素吸引後 3分での斐動は増加 型を呈した 23の例をあげる

は3例その増加率平均は 11不斐は 3例被少 例 1(No 3図 3)は本態性高血圧症K-W

は3例 15であり不安例中には 14酸素吸引 E 型の 42才男性の患者この患者はすでに

例ならびに健常例が含まれてしら 7分では 20才代生命保険加入のさいに高血圧を指摘され

増加7例その増加率平均 24減少 2例 7であ ており歩行時のめまい感頭宣肩こりなどを

るこのうちとくに肺気腫例 (No のにおい 主訴として入院した入院時血圧は縮期圧 190

ては 82の増加率を示した 15分では増加 7 弛期圧 120mmHgでありこの僚は安静臥床に

例 24減少 2例 7である 100酸素吸引にし よりそれぞれ 160110 mmHg にさがり寒冷

てからはほとんどの例において減少しその低酸 昇圧試験 ヒスタミン試験は陽性であった心電

素吸引 15分値にたいする減少率平均は 1分後 10 曲線上では 左室肥大 ならびに 創苛曲線を示

3分後 1810分後 16であり 10分後減少 し W 法では W 型腎機能には異常がなかっ

せずに増加した例は健常例と No7とである た

3) 1回換気量低酸素吸引後 3分では増加 8 わたくしの取り扱った高血圧症例では低酸素吸

例減少 1例で その増加率は 543209であ 引時とくにその即時性気相反応が他の例に比

していちじるしかったことは上にも述べたがこであるまた実4104酸素吸引例では14り

験前より慢性の低酸素血症の状態にあった No7 の例においてその 3分における 1回換気量の増加

におけるその増加率は 64であり高血圧症例 率は 721分時呼吸量のそれは 700である

ではその増加率がほとんど平均値以上であっ 例 2(No 7図めは高血圧症に僧帽弁膜症を

たかえって減少した 1例は肺気題例 No9であ 合併した 45才の女性この患者はゃく 1カ月前

る 7分での増加例数は 3分の時と全く同じであ より心惇允進呼吸困難発作がありこれらを主

りその増加率は 278土199である No 7の7 訴として入院した心濁音界は左右にそれぞれ

分での増加率は 32である 15分における増加例 ゃく 1横指ほど拡大し入院時には肺右後下部に

は6例減少は 2例でその増加率は 202士171 半有響性湿性ラ音多数を聞き 肝も15横指陪ど触

である lOO酸素吸引に切りかえてからは この れ著明な心不全の状態にあったが実験時には

-378ー 千葉医 学 会 雑 誌 第 33巻

Fig 3 N T 口 42yrs Essential Hypertension (K W IT)

8136710 71mBmr

巧 7 W Jii a F Iυ

Fig 4 S T 0 45 yrs M s i+Hypertension

lJ 5 10

素飽和度のさがりかたはむしろ他の例に比して

軽く 15分で 683であるまた 1回換気量分

は M 型であったが このほかに血色素 (Sahli 時呼吸量の増加率も 吸号13分で それぞれ 64

値)72赤血球数320X104~程度の貧血があり 2657分で 32 161であり 100酸

動脈血酸素飽和度は実験前より 819と低下して 素吸513分後における減少率は それぞれ 50

いた 0であった ζのことは慢性低酸素血症により

この例には実験前すでに慢性低酸素血症が 化学受容体が常時刺激されてしるためそれにたい

あったにもか Lわらず低酸素吸引による動脈血酸 する呼吸反応のldquo慣れの現象であると思われるe

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響につして -379-

例 3(No 9図 5)は高度の肺気腫をもっ 69 5) 脈拍数低酸素吸引後脈拍数は全例で増

才の男性 10数年来いわゆるJlsquo療もちであっ 加し続けその実験前値にたしする平均増加率は

たがゃく 6カ月前よりこれが激しくなってきた 3分で 267分で 2415分で 29でありま

ので入院したこの患者の肺容量は 肺活量 2800 た 100酸素吸引によりこれらは 全例におい

CC残気量 2779CC全肺容量 5279CC残気率 526 で誠り その低酸素吸引 15分値にたいする減少率

分時最大呼吸量 3531min気速指数 054であ は 3分で 3610分で 35であったこのうち

り胸部レ線像でも著明な肺気腫像を示した 14酸素吸引例でも その吸弓 13分での増加率は

この例では低酸素吸引後 2--3分で呼吸困難 2315分で 24100酸素吸引にして 1分後の

感が強くなり低酸素吸引は 10分までしか続けら 減少率は 275分では 23であった

れなかったしかも動脈血酸素飽和度は低酸素 6) 分時送血量 低酸素吸引中のこの値の褒動

吸引 5分で 686までさがっているにもか Lわら はある時点においては多少減ずる例もあるには

ず 1回換気量分時呼吸量は 3分でそれぞれ あるが悪性高血圧症例 No6を除いて 他の例

12242の率でかえって減り 7分において はほとんど全例において増加したすなわち

は 1回換気量が 193の減少分時呼吸量は 468 低酸素吸引後 3分では実験前値にたいする増加率

の増加を示しさらに 10分では 1囲換気量は は 322士215 7分では 261+155 15分では

151の減少分時呼吸量は 620の増加を示し 460土141で 100酸素吸引にしてからは 全

たすなわち即時反応が見られず吸引後 7分で 例において 減少が見られ f[酸素吸引 15分値に

呼吸数は 82の増加を示し 中枢性の遅延反応が たいするその減少率は 1--3分後 382土83 5恥

良〈見られた肺気腫のように胸廓の強直がある 分後 253t91であるすなわち この時点で

時にはldquo Pneu~otaxic 1加pulseの成り立ちが 大体実験前fi直に反ることになる悪性高血圧症ゐ

あるにもかふわらず呼吸運動が即応せず CO2の 例ではしかしながら6分後なお実験前値以

愛化が問題となりかつ中枢の発動が問題となる 下であり室内空気吸引 10分後にいたり ょうや

ような時点ではじめて呼吸運動刺激症状が出てい く実験前値に近づく

る 100酸素吸引としてからは 1回換気量分 η 全末梢脈管抵抗低酸素吸手l後 3分では 2

時呼吸量は ともに 239311の減少率を示 例だけが軽度に増しているほかは 7例において減

す 少し実験前値にたいする減少率は 321士108で

Fig 5 S M 口 69yrs Emphysema thoracis

b

l

-380ー 千葉医学会雑誌 第 3a巻

あり 7分では 1例だけが増し他の 8例は減り

その減少率は 304166さらに 15分では全例

において滅りその減少率は 311士549るであった

また 100酸素吸引によって全例において増加

し 1- 3分では 4471655--7分では 503士

150の増加率であったしかも これらの増減

と血中 CO2濃度との関係は全くなく とくに

高血圧症例において W 法による型との関係は見

られなししかしながら NO6の悪性高血圧症の

例においては 100酸素吸引にしてからの全末梢

脈管抵抗の増加は他の例に比してきわめて著し

かったo

8) 容積弾性率低酸素ならびに 100酸素

吸引中この値はしろいろに~動し全末梢脈管抵

抗のように一定の傾向がなかったが一般には減

少の傾向にあるすなわち低酸表吸引後 3分で

は増加は 5例平均133の増加率減少は 3

例その減少率は 1967分では増加が3例で

143減少は 5例で 14115分では増加が2

例で 81減少が 6例で 103100酸素吸引後

1--3分では増加が4例平均増加率は 205

減少が 2例で 17810分では増加が4例で 466

減少が 2例で 157である

9) 血圧5)6)7)8)で述べたような循環

因子によって規定される血圧値の愛動はまたき

わめて区々としでいたすなわち 1[酸素吸引中

その血圧値の増加するものは 4例で縮期庄は 2--

6の増加率弛期庄は 2--25の増加率である

被少は 5例で縮期圧は 1-15の滅少率弛期庄

は 5--18の減少率である 100酸素吸引にして

からは血圧値の増加する例が多くとくに 1--a

3分では増加が7例その縮期庄は 1--20ヲる弛

期圧は 1--35の増加率を示すこのうちとくに

悪性高血圧症例においては 100酸素吸引直後の

血圧値の上昇が著しく 1分で縮期庄は 243

弛期圧は 710の増加を示した

以上この実験における循環系反応のなかでー

般とちがった態度を呈した悪性高血圧症例 No 6

を図 6に示す

この患者は 52才の女性でゃく 2カ月前よりの

霧視どうき息ぎれなどを主訴としてス院した

ス院時の血圧値は縮期圧 230弛期圧 130mmHg

であったが l-Hydrazinophthalazine (Apresol

ine ldquoCibaつ Reserpine (Serp~si1 ldquoCibaつの

使用により実験時の血注値は縮期圧 210弛期

圧 120mmHgであった心濁音界は左方へ 2横

指拡大し 心尖部第 1音は不純で肝は 2横指蝕

れ眼底所見に乳頭浮腫はないが K-W m型であ

心電曲線上では型M+W+E(法ではWり

左室肥大曲線腎機能検査では P S Pの15分

値は比色不能腎血流量 39ccmin糸球体濯過量

7 ccminで血中残余窒素は 40mgdl低酸素吸

司臨

Fig 6 M K 0 52 yrs MalignantHypertension

4

第 2号 謝高侭容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について -381-

引前の動脈血酸素飽和度は 860と少しさがって 生体の Homeostasisが成立する場合 ST-Tの恋

いるが呼吸系の反応はほど基本型であるo こ 化は軽微に止ることが知られてしるたとえこ

lsquoれにたいして分時送血量は低酸素吸引にょっ の菱化が高度であっても 100酸素を吸引させる

て一方的に絞りまた全末梢脈管抵抗も減って とこれらの斐化はきわめて短時間に快復する

いるので血圧値もこれに応じて 7分では縮期圧 図に例を示す (No1No 7)全例において

245弛期圧 349の率でさつがているこの分 ST同 T の菱化は 100酸素吸引により元の値に戻

時送血量の減少は 100酸素吸引時も依然とし った低酸素吸引により R-R間隔が短縮すること

て続き吸引中止後 10分で はじめて実験前の値 を考えに入れても大部分の Q間隔は図8に

に戻った これにたレして 全末梢脈管抵抗は 示すように Hegglin-Holzmannの計算値の Vari-

100酸素の血管への直接作用の結果 吸引 l分後 ationのうちで短縮の方向へ向い 100酸素吸引

には低酸素吸引 15分値の 12733分では 1204 では延長方向へ斐化するた Yし No6および

6分では 2523の増加を示すこのため 血 No7のように始めから この計算値の下界以下

圧値は侭酸素吸引 15分値にたいして縮期圧 372 にある例は低酸素吸引によってむしろ延長に向

弛期庄 710の増加を示すq このことは木例 う

の血管収縮性がきわめて充進していることを思わ 10) 血糖 図 9に示すように全例において低

せるo 酸素吸引時軽度ながら上昇する

10) 心電曲線上の ~1t 侭酸素吸引にたいして

Fig 7 Electrocardiographic Changes

No l M K 口 22yrs_ No 7 S T 0 45 yrs

Normal Health M s i+Hypertension

3 6 7 10

ast

QT

τE

ST

u

Timeti min

100

Fig 8 Changes in the Q-T Interval and its Relation Fig 9 Hypoxia and Blood Sugar

to the Holzmann-Hegglins Formula 11ω infin

Nll

Qτ( ~ETHETH8ec)

loo~a10ラOz 20

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~ Bejoj棺

bull IlJ otof)1l

26

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Pul8eRare~府仇

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたLする影響につして -383-

3 この篇の考案 で低酸素吸引後大体 7分前後でおこってしる司

臨床的に低酸素症をヒトにおこさせる場合吸 こLで呼吸数はさらに増加の度を増しでレる

引酸素容量の吟味がまず必要である心不全 ので明らかに中枢性のものと考えられるこの

肺気腫肺炎などのようにamp動脈血酸素飽和度を大 時点では呼吸数の増加があるために分時呼吸量

いにさげる疾患でもその動脈血酸素飽和度は多 の増加は 3分の時より一層著ししこれらのこ

くの場合 80以下にならなしさらに低酸素症 とから考えると低酸素症においてはやはり末

の場合いつも問題となる末梢化学受容体の低酸素 梢化学受容体の役割は重要でありこの点にかんし

刺激にたいする闘値は ComroeV Eulerゆなど では C HeymansSchmidtComroe(16)らの

によれば吸引ガスの酸素容量が 16あるいは 成績と同様である末梢性より量的には強くない

13~14 であるとされており しかも Drippら刊 が低酸素症により呼吸は中枢性にも興奮するこ

によれば 10酸素吸引による動脈血酸素飽和度 とは明らかであるこの末梢f昨受容体(頚脈動

は平均73であるとされているすなわちわ 体ならびに大動脈体〉の働らきは吸引酸素張

れわれが臨床で取り扱っている低酸素症とは ブ7が 670mmHg以上になると低酸素刺激にた

Wiggers(18)のしう低酸素症の時点にあるもので いして大体反応しなくなると考えられており

文字どおりの Anoxiaのそれではなし この点を このいわゆる機能的神経除去については Watt

考えてわたくしの実験でも高度な低酸素吸引を Dumke(19)らが動物で実際に頚動脈体および

さけ 10のものを使ったこのことは臨床的に 大動脈体の神経を除去し その前後で 100酸素

低酸素症の生休反応を見る場合にきわめて必要な 吸引を行わせ化学受容体のありかた如何によるこ

ことと考える同様な考え方から教室の森(1のは とを見ているわたくしの実験でも低酸素吸引に

かような比較的軽度な低酸素症の場合にも末梢化 つぐ 100酸素吸引の場合 当然このことが期

学受容体のldquointegrityが大切であると同時に 待されてよい事実 100酸素吸引によってそ

このことを過評価しではならないことまたこれ の気相反応は ゃく 20も減少した Comroe(り

らの生体反応には個体差が大きいことを述べた は慢性低酸素症の状態にあるものに急に 100

わたくしの実験例でも気相ならびに循環反応 酸素を吸引させる時とくに肺機能不全の状態に

でその度数分布が広い点はあながち小数例を あるものでは止息昏迷さらに昏睡にまでい

扱うからであるとしう理由ばかりによらないこ L たるものがあることを報告しているわたくしの実

にこの個体差のあることを考えるo 気相反応と化 験例にはこのようなものはなかった一般に高

学受容体のありかたについても上述のことがしえ 所に馴化されたヒトの千昨受容体の活動性は減少す

るすなわちこれを低酸素吸引の時間的経過とと るといわれておりまた Rahn(15)は高所に馴化

もにみると吸引後大体 3- 5分にもちろん されたヒトを急に常気圧下にもたらした場合そ

その発現の仕方はかならずしも一致するわけで の subnormalventilationがおとり しかも

はないが呼吸数 1回換気量 分時呼吸量などの 22000 feetに馴化された時にはそれが 30分間も

増加がありとくに 1回換気量は この時点で最 継続することを見たわたくしの取り扱った例7

大の増加率を示したこれはいわゆる即時反応 にはやはりこのようなことが考えられるすな

と呼ばれるもので末梢化学受容体反射によるもの わち その他の例では 末梢化学受容体反射は充

である高血圧症においてはこの末梢化学受容体 分にあり また 100酸素吸引時の subnormal

反射の過敏性があるあるいはないと議論の多 venti1ationも大体数分継続するにすぎないが

いところであるがく12)わたくしの扱った高血圧症 この例では末梢化学受容体反射も量的に少くか

例のこの時点における気相反応ば平均値を上廻 つ subnormal ventilationの継続が室内空気

るものが多かったそれゆえある程度その過敏 吸引後 10分でもなお認められてしるロ これら

性の存在を考えさせるのではないだろうかもちる の反射は Bjurstedtゅのいうようにまた酸

ん低酸素吸引中の血圧の下降による血圧受容体呼 塩基平衡とも関係してしるのでこの面からの研究

吸反射による影響も加味されているかも知れない も必要となる

がこの血圧値のさがりかたは小さし呼吸反応の 低酸素症の循環反応にかんしては繰り返し

第 2の山はいわゆる遅延反応と呼ばれるもの SchneiderTruesdellHeymansV Euler

-384- 千葉医 学会雑誌 第 33巻

Harrison(8)などによって述べられてしるしかし 例ではその収縮作用したがって全末梢脈管抵

ながら循環因子の個々について呼吸反応との相 抗の高まりかたは強いようであるこのことは

関において論じたものはない低酸素症にたいする No6で明らかに見られるこの増加率は実に

生体反応がもともと換気の増大循環血液量の 吸引後 1分で 12736分で 2523でありこれ

増加などにより減少しつつある血液の酸素運搬能 に伴なって血圧値もかなりの充進を示す容積弾

の代償機転であることを考える時これらの相関を-性率についてはもちろん各例ごとに違うが吸

見ることは必要である Wiggers(lめは低酸素症の 引の後期にいたって その減少する 間の多くなるのa

時期においては循環促進 (cardiacaccerelation) は一つの代償機転の失調の現れであると息われ

が換気の菱化に先行すると述べているがわたく る血圧値にかんしては C Heymansゆ V

しの実験例では末梢反射性には気相反応とほ Euler斎藤(11)らによって 化学受容体にたいす

とんど同一時点において即時反応が見られ遅延友 る低酸素刺激の直接作用により一般に上昇する

応と見られる時点での菱化は一般に気相反応の とされているがわたくしの例では区々であり

出現よりも後期すなわち 10---15分あたりにそ 検体の特性吸引条件などを考慮して論じなければ

の最大反応が現われているようであったこのこ ならなし

とはとくに分時送血量全末梢脈管抵抗容積 心電曲線では低酸素吸引中そのLTの増大

弾性率などについていえる分時送血量について することが知られているがわたくしの例で と

は これらのことならびに 14酸素吸引例に くにその電気的収縮時間 QT がはじめより

おいてもその充分な増加のある点から考えて Hegglin-Holzlllannの計算値以上に延長していた

Harrison(9)らのいうように分時送血量の斐動を No 6NO7では他のt例と反対に 低酸素吸引

Anoxemia thresholdとじてかならずしも動 によりますます延長したがこのことは心効率

脈血酸素飽和度との関聯の下に考えることはできな の悪化した兆候とみなされることに No6で

いわたくしの実験例では分時送血量は 1例を は分時送血量が減少した教室の森は 100酸

除いて全例において増加した全末梢脈管抵抗 素吸引を行った場合その脈管収縮性の高まってい

は低酸素吸号|の後期にいたりほとんど全例で るような例では STT のさがりかたが低酸素吸

下降しているがこの観察時間内の範囲にかんする 引中より むしろ 100酸素吸引直後に高度とな

かぎり血中 CO2濃度とは関係がないようである ることを狭心症の 1例に見ているしかしわた

また 一般に 100酸素吸引の効果は その脈 くしの実験例の範囲にはこのようなものがなかっ

管にたいしては a 直接作用として収縮性に た

b 末梢化学受容体を介しては反射的に拡張性に 血糖については一般にいわれているような成績

作用する二つの異った因子の総合であるが とく であったl

に高血圧症のように脈管収縮性の高まっている

4 との篇のまとめ

いろいろな病期にある高血圧症 6例 肺疾患 2例 健常者 1例に低酸素 (10)ならび

に 100酸素を連続的に吸引きせその聞の呼吸および 循環数値の変動を化学受容体

のありかたを考慮しながら検討した

1) 低酸素吸引後その即時反応は 3-5分 遅延反応は 710分に最大点があるこの

場合呼吸においては即時反応が循環においては遅延反応の方がそれぞれより優勢で

あり循環の遅延反応は呼吸のそれよりいくぶん遅れて現れるまた即時反応におい

ては末梢化学受容体の役割が中枢のそれよりさらに重要である

2) 化学受容体反射とくに末梢化学受容体反射の低酸素ならびに高容量酸素にた

いする反応度は疾患の種類またその低酸素血症の程度などにより異るが高血圧症にお

Am

r

d

A

第 2号 謝高 fJf容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について

いては一般に低酸素でその充進があるO

3) Wezler法により時間を追って測定した分時送血量全末檎脈管抵抗容積弾性率な

どで一般には低酸素吸引によって分時送血量の増加全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率の減少が見られるがこれら循環数値の変動はその他の循環因子および心筋の状態

などを考慮した上で論ずる必要がる

lsquo 4) 高容量酸素吸引によって血圧値が異常に上昇するような例ではその全体柏末脈管抵

抗の増大のあることより考えてそれは脈管収縮性の高まりによるものと思われるO

11 定量的観察

1 実験方法ならびに実験対象 Cas長斗 ~JH C Landen(lO)は特殊な Ergometerを用

い 心肺疾患患者に運動負荷を与え そのあいだN01 Age r山 IBefぽ e112 0~I Air 180 O2

の酸素消費量肺活量分時最大呼吸量などを 1届y 11日8い76 戸7同J spir句 raphischに測定して種々の機能検査を行 2 1属1s81 210 1 184 I219 1 216

低酸素吸引に置き換えたすなわち Knipping3l-員 1JMI 220 I 18司 215 1 206

っているがわたくしはこの運動負荷の部分を

I届lY装置2台を用いその気槽中にあらかじめ満して 4 MI 226 I 213 I戸47 I 230

おいた 12酸素 21酸素(室内空気) 80酸 5 1 ~ IK KI 168 1 165 I 135 1 188 素を呼気中の炭酸ガスは苛性カ Dによって除去し

61 ~ 1C EI 192 1 139 1 219 1 187 ながらこの順序でそれぞれ 3分間逐次的に

被検者に吸引させ その各部分における酸素消費 7届luTI 168 I 146 I 168 1 181

量を吸引 3分自の spirographischeKurveから 8 HI 265I 231 お f 幻 1昼lu I 255

算定したなお被検者にゃく 20分間安静を保

たせたのち同時に安静時酸素消費量の測定を行つ 9 1届1T NI 200 I 174 I 矧 1221

た らびに血液ガス所見とともに表 5に示すこの

対象は千葉大学第二内科にス院した心疾患 16 うち症例 1から 6までは臨床的に心不全の兆

例 甲状腺機能允進症 12例 甲状腺機能允進性心 候が明らかなものでありそれは主として左室不

疾患2例ほかに健常例9例である 全ないしは二次性両室不全の例であるこれら

2 実験成績 心疾患での吸引成績を心不全例と代償例とに分け

1) 健常例この測定の実際は図 10に示図す て図 11に示すすなわち心不全例では 12酸

こ示すすなわち安静時酸14また実験成績は表 素吸引時の酸素消費量は安静時のそれに比して

素消費量は 12酸素吸引によってやふ減り気 健常例におけるよりもーだんと少くなり さら

味であり 21さらに80酸素吸写へと愛動はあ に 21酸素吸引にすると著明に増加し 80酸

るがそれは大体 30 ccmin以内であり 80 素のもとでは 21吸引時よりは軽度の被少ない

酸素吸引時の酸素消費量はほとんど実験前値に し不安でこの値はまた実験前値にや込及

戻るこれをいまその安静時酸素消費量にたい ばない代償例ではこれらの傾向が軽度となり

する吸引各部分の酸素消費量の比率で現わすと むしろ健常例に近くなるこれを前項同様そ

図 11のようになるすなわち 12酸素吸引時の の安静時酸素消費量にたいする比率からみれば心

酸素消費量の安静時のそれにたいする比率は 不全例広おいては 12酸素吸引時 048--078

072--098平均08721酸素吸引時には 074-- 平均 06621酸素で 090--148平均工0780

125平均09980酸素吸引時には 093--111 酸素では bull081--120平均 097であり代償例で

平均103となる はそれぞれ 078---109平均094081--145

2) 心疾患例この実験成績はその肺容量な 平均10686--159平均112であるつぎに例

23

-386ー 千葉医学会雑誌 第33巻

をもって説明するFig 1L l2~ 21 ~ 1) 1例 (No80

tfClrmal 協 yen 彰刻 yen 開 t yen

軒ldquo~ldquoldquoldquoldquo(lt087 ldquouldquoldquoldquo~悩~仏99 区~悩術省官伺

103

伽元町蜘動~ Dsease 脇

Decolllp側 S蜘閥 yen

~ 隊yen膨活 yen

112 際yen協 yen

066 10す 091

日狩剖rtL]n品ism 協yen 協 yen協 yen 1ρa 113

園oz-Up-ta長e α-l]p-ta~e t別館ch peT(entfOICJSen

帽弁狭窄閉鎖不全症

才の女性でゃく 6カ月

前からの体動時の息ぎ

れどうきなどがあり

さらに夜間発作性呼吸

困難が加わってきたので

入院したこの第1回検

査時の状態は胸部レ線

像上左第 234弓 および右第 2弓の軽度

な拡大があり肺うつ血

の像も著明で胸部右後

下部に湿性ラ音を開く

心電曲線上は僧帽性

P V3 -V日までの STTの下降があり心筋傷

害ないし心筋の低酸

素症を思わせた静脈圧

は135mmH 20W 法に

よる分時送血 量は 811minであった第2回検査時にはジギタリス

葉末で維持しているとき

であったがなお軽lsquoHeart Diseases 5 Tab 1

z芯r制杭出問ご討出治慌f刊t士官|医医臨立立2 lトトN尚陶陶陥a町叩m叩I紅me悶e

iq|引2認貌務矧話認判i22|読2ljziZ到引|器3j2| 5釘7完捻街1|関悶完詔引戸戸邦判

iiz i 釦引irけ誌器~i1 i引釦i可emn2詰認訟ZIMIEnd勺包|E引 f l努凱判f引inlfit訂判1 12刻|ドKYI(立払μよムふ

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l 4501 360 1m1 7fm

1531 1 1516引781川51 g Is KI M s 1 7781111沌沼 日 臼 f 219 61付89制 20 6川|副AS[d陀件白似今infinc OI官官芯設2E担汗 lバ4叫191r川日叫211 170 1761吋Tt 問附

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92811 1551~771 9831 414 i 141 1 87[ 97 1iM sIF HI918 86 1891 552 1100 If18101225 1 191 1 256 1 234 1 75 1

I3611 200 1 1 Kl-I1~I10

227 1 230 11 1心中aFIJ「τ f 問

昨竺 i1 951 j868 1 33

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

~袋113に示す T 11ii誌片I~1 1 l i立lizii2引誌 i1誌託ii 引引 2isI Hlz1 22lI2引33|11おhellip

切ら川島削除ぬよ

同院協附除物陰惨帆

3181M SI 199 r叫叫 ml240

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4出MHI 174 j同州州 140

5 I gI 1 Y J 203 l叫2541叫 372 6 I ~ yenH KI 212 1197]叫 221] 155

7 I~ I1 T[25o I 2431261 1 28~ 1 200

8 1 ~ 1MuI172い43[州 242[ 153

可玄jKHj-20S--j吋州 247r 270

loJg- 百戸戸「五j1MI 216 1

にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

1私らい

弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

bull bull bullbull

-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

NyNo Age

O2Sat

Before||1022ll Air|18002VCCC-I|R V-ilMBC y|liHaY町PeDKritauhgrynr田 draism|flaeobis 02Up-take ccl|Lung VOIRZ血 es

541879 1

53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

1~IKHrてγidism 7251004 881 528242 142 286 2 I ~ IKH

961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

Card Disdi iacs 倒岱皿H tFiqyHFpr品 曲叫陶

Normal 制 帽

bullalsquo

bull bull- bull bull

hellip切さ符相会

lsquo bull 畠 会 lsquo bull bull

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2infinbullbullbull - 晶

A

- -

-

-2bull bullbull

- bull bull lsquo

bullbull bullbull bullbull ーbull

ー~ bull

d

nimH20で肝はやく 2横指

触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

120 21妬0 80XO

弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

らよ幽

吋B~H~A~O B~H~A~O sHArarrow B8eJOTe (in theAiT)

以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

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Physiol 801691927 J H Jr Am J Physiol 1386101943

9) HarrisnT RWilsonC PNeigh-

第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

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-392ー 謝論文附図 (ll) 第 33巻

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-378ー 千葉医 学 会 雑 誌 第 33巻

Fig 3 N T 口 42yrs Essential Hypertension (K W IT)

8136710 71mBmr

巧 7 W Jii a F Iυ

Fig 4 S T 0 45 yrs M s i+Hypertension

lJ 5 10

素飽和度のさがりかたはむしろ他の例に比して

軽く 15分で 683であるまた 1回換気量分

は M 型であったが このほかに血色素 (Sahli 時呼吸量の増加率も 吸号13分で それぞれ 64

値)72赤血球数320X104~程度の貧血があり 2657分で 32 161であり 100酸

動脈血酸素飽和度は実験前より 819と低下して 素吸513分後における減少率は それぞれ 50

いた 0であった ζのことは慢性低酸素血症により

この例には実験前すでに慢性低酸素血症が 化学受容体が常時刺激されてしるためそれにたい

あったにもか Lわらず低酸素吸引による動脈血酸 する呼吸反応のldquo慣れの現象であると思われるe

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響につして -379-

例 3(No 9図 5)は高度の肺気腫をもっ 69 5) 脈拍数低酸素吸引後脈拍数は全例で増

才の男性 10数年来いわゆるJlsquo療もちであっ 加し続けその実験前値にたしする平均増加率は

たがゃく 6カ月前よりこれが激しくなってきた 3分で 267分で 2415分で 29でありま

ので入院したこの患者の肺容量は 肺活量 2800 た 100酸素吸引によりこれらは 全例におい

CC残気量 2779CC全肺容量 5279CC残気率 526 で誠り その低酸素吸引 15分値にたいする減少率

分時最大呼吸量 3531min気速指数 054であ は 3分で 3610分で 35であったこのうち

り胸部レ線像でも著明な肺気腫像を示した 14酸素吸引例でも その吸弓 13分での増加率は

この例では低酸素吸引後 2--3分で呼吸困難 2315分で 24100酸素吸引にして 1分後の

感が強くなり低酸素吸引は 10分までしか続けら 減少率は 275分では 23であった

れなかったしかも動脈血酸素飽和度は低酸素 6) 分時送血量 低酸素吸引中のこの値の褒動

吸引 5分で 686までさがっているにもか Lわら はある時点においては多少減ずる例もあるには

ず 1回換気量分時呼吸量は 3分でそれぞれ あるが悪性高血圧症例 No6を除いて 他の例

12242の率でかえって減り 7分において はほとんど全例において増加したすなわち

は 1回換気量が 193の減少分時呼吸量は 468 低酸素吸引後 3分では実験前値にたいする増加率

の増加を示しさらに 10分では 1囲換気量は は 322士215 7分では 261+155 15分では

151の減少分時呼吸量は 620の増加を示し 460土141で 100酸素吸引にしてからは 全

たすなわち即時反応が見られず吸引後 7分で 例において 減少が見られ f[酸素吸引 15分値に

呼吸数は 82の増加を示し 中枢性の遅延反応が たいするその減少率は 1--3分後 382土83 5恥

良〈見られた肺気腫のように胸廓の強直がある 分後 253t91であるすなわち この時点で

時にはldquo Pneu~otaxic 1加pulseの成り立ちが 大体実験前fi直に反ることになる悪性高血圧症ゐ

あるにもかふわらず呼吸運動が即応せず CO2の 例ではしかしながら6分後なお実験前値以

愛化が問題となりかつ中枢の発動が問題となる 下であり室内空気吸引 10分後にいたり ょうや

ような時点ではじめて呼吸運動刺激症状が出てい く実験前値に近づく

る 100酸素吸引としてからは 1回換気量分 η 全末梢脈管抵抗低酸素吸手l後 3分では 2

時呼吸量は ともに 239311の減少率を示 例だけが軽度に増しているほかは 7例において減

す 少し実験前値にたいする減少率は 321士108で

Fig 5 S M 口 69yrs Emphysema thoracis

b

l

-380ー 千葉医学会雑誌 第 3a巻

あり 7分では 1例だけが増し他の 8例は減り

その減少率は 304166さらに 15分では全例

において滅りその減少率は 311士549るであった

また 100酸素吸引によって全例において増加

し 1- 3分では 4471655--7分では 503士

150の増加率であったしかも これらの増減

と血中 CO2濃度との関係は全くなく とくに

高血圧症例において W 法による型との関係は見

られなししかしながら NO6の悪性高血圧症の

例においては 100酸素吸引にしてからの全末梢

脈管抵抗の増加は他の例に比してきわめて著し

かったo

8) 容積弾性率低酸素ならびに 100酸素

吸引中この値はしろいろに~動し全末梢脈管抵

抗のように一定の傾向がなかったが一般には減

少の傾向にあるすなわち低酸表吸引後 3分で

は増加は 5例平均133の増加率減少は 3

例その減少率は 1967分では増加が3例で

143減少は 5例で 14115分では増加が2

例で 81減少が 6例で 103100酸素吸引後

1--3分では増加が4例平均増加率は 205

減少が 2例で 17810分では増加が4例で 466

減少が 2例で 157である

9) 血圧5)6)7)8)で述べたような循環

因子によって規定される血圧値の愛動はまたき

わめて区々としでいたすなわち 1[酸素吸引中

その血圧値の増加するものは 4例で縮期庄は 2--

6の増加率弛期庄は 2--25の増加率である

被少は 5例で縮期圧は 1-15の滅少率弛期庄

は 5--18の減少率である 100酸素吸引にして

からは血圧値の増加する例が多くとくに 1--a

3分では増加が7例その縮期庄は 1--20ヲる弛

期圧は 1--35の増加率を示すこのうちとくに

悪性高血圧症例においては 100酸素吸引直後の

血圧値の上昇が著しく 1分で縮期庄は 243

弛期圧は 710の増加を示した

以上この実験における循環系反応のなかでー

般とちがった態度を呈した悪性高血圧症例 No 6

を図 6に示す

この患者は 52才の女性でゃく 2カ月前よりの

霧視どうき息ぎれなどを主訴としてス院した

ス院時の血圧値は縮期圧 230弛期圧 130mmHg

であったが l-Hydrazinophthalazine (Apresol

ine ldquoCibaつ Reserpine (Serp~si1 ldquoCibaつの

使用により実験時の血注値は縮期圧 210弛期

圧 120mmHgであった心濁音界は左方へ 2横

指拡大し 心尖部第 1音は不純で肝は 2横指蝕

れ眼底所見に乳頭浮腫はないが K-W m型であ

心電曲線上では型M+W+E(法ではWり

左室肥大曲線腎機能検査では P S Pの15分

値は比色不能腎血流量 39ccmin糸球体濯過量

7 ccminで血中残余窒素は 40mgdl低酸素吸

司臨

Fig 6 M K 0 52 yrs MalignantHypertension

4

第 2号 謝高侭容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について -381-

引前の動脈血酸素飽和度は 860と少しさがって 生体の Homeostasisが成立する場合 ST-Tの恋

いるが呼吸系の反応はほど基本型であるo こ 化は軽微に止ることが知られてしるたとえこ

lsquoれにたいして分時送血量は低酸素吸引にょっ の菱化が高度であっても 100酸素を吸引させる

て一方的に絞りまた全末梢脈管抵抗も減って とこれらの斐化はきわめて短時間に快復する

いるので血圧値もこれに応じて 7分では縮期圧 図に例を示す (No1No 7)全例において

245弛期圧 349の率でさつがているこの分 ST同 T の菱化は 100酸素吸引により元の値に戻

時送血量の減少は 100酸素吸引時も依然とし った低酸素吸引により R-R間隔が短縮すること

て続き吸引中止後 10分で はじめて実験前の値 を考えに入れても大部分の Q間隔は図8に

に戻った これにたレして 全末梢脈管抵抗は 示すように Hegglin-Holzmannの計算値の Vari-

100酸素の血管への直接作用の結果 吸引 l分後 ationのうちで短縮の方向へ向い 100酸素吸引

には低酸素吸引 15分値の 12733分では 1204 では延長方向へ斐化するた Yし No6および

6分では 2523の増加を示すこのため 血 No7のように始めから この計算値の下界以下

圧値は侭酸素吸引 15分値にたいして縮期圧 372 にある例は低酸素吸引によってむしろ延長に向

弛期庄 710の増加を示すq このことは木例 う

の血管収縮性がきわめて充進していることを思わ 10) 血糖 図 9に示すように全例において低

せるo 酸素吸引時軽度ながら上昇する

10) 心電曲線上の ~1t 侭酸素吸引にたいして

Fig 7 Electrocardiographic Changes

No l M K 口 22yrs_ No 7 S T 0 45 yrs

Normal Health M s i+Hypertension

3 6 7 10

ast

QT

τE

ST

u

Timeti min

100

Fig 8 Changes in the Q-T Interval and its Relation Fig 9 Hypoxia and Blood Sugar

to the Holzmann-Hegglins Formula 11ω infin

Nll

Qτ( ~ETHETH8ec)

loo~a10ラOz 20

501

~ Bejoj棺

bull IlJ otof)1l

26

30

35

4淵

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Hト 50

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可~L

Beere 35 7 10 15 20 8 8 7 10 nllle on in

A 1110事弘

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60 50 60 70 80 90 100 110

Pul8eRare~府仇

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたLする影響につして -383-

3 この篇の考案 で低酸素吸引後大体 7分前後でおこってしる司

臨床的に低酸素症をヒトにおこさせる場合吸 こLで呼吸数はさらに増加の度を増しでレる

引酸素容量の吟味がまず必要である心不全 ので明らかに中枢性のものと考えられるこの

肺気腫肺炎などのようにamp動脈血酸素飽和度を大 時点では呼吸数の増加があるために分時呼吸量

いにさげる疾患でもその動脈血酸素飽和度は多 の増加は 3分の時より一層著ししこれらのこ

くの場合 80以下にならなしさらに低酸素症 とから考えると低酸素症においてはやはり末

の場合いつも問題となる末梢化学受容体の低酸素 梢化学受容体の役割は重要でありこの点にかんし

刺激にたいする闘値は ComroeV Eulerゆなど では C HeymansSchmidtComroe(16)らの

によれば吸引ガスの酸素容量が 16あるいは 成績と同様である末梢性より量的には強くない

13~14 であるとされており しかも Drippら刊 が低酸素症により呼吸は中枢性にも興奮するこ

によれば 10酸素吸引による動脈血酸素飽和度 とは明らかであるこの末梢f昨受容体(頚脈動

は平均73であるとされているすなわちわ 体ならびに大動脈体〉の働らきは吸引酸素張

れわれが臨床で取り扱っている低酸素症とは ブ7が 670mmHg以上になると低酸素刺激にた

Wiggers(18)のしう低酸素症の時点にあるもので いして大体反応しなくなると考えられており

文字どおりの Anoxiaのそれではなし この点を このいわゆる機能的神経除去については Watt

考えてわたくしの実験でも高度な低酸素吸引を Dumke(19)らが動物で実際に頚動脈体および

さけ 10のものを使ったこのことは臨床的に 大動脈体の神経を除去し その前後で 100酸素

低酸素症の生休反応を見る場合にきわめて必要な 吸引を行わせ化学受容体のありかた如何によるこ

ことと考える同様な考え方から教室の森(1のは とを見ているわたくしの実験でも低酸素吸引に

かような比較的軽度な低酸素症の場合にも末梢化 つぐ 100酸素吸引の場合 当然このことが期

学受容体のldquointegrityが大切であると同時に 待されてよい事実 100酸素吸引によってそ

このことを過評価しではならないことまたこれ の気相反応は ゃく 20も減少した Comroe(り

らの生体反応には個体差が大きいことを述べた は慢性低酸素症の状態にあるものに急に 100

わたくしの実験例でも気相ならびに循環反応 酸素を吸引させる時とくに肺機能不全の状態に

でその度数分布が広い点はあながち小数例を あるものでは止息昏迷さらに昏睡にまでい

扱うからであるとしう理由ばかりによらないこ L たるものがあることを報告しているわたくしの実

にこの個体差のあることを考えるo 気相反応と化 験例にはこのようなものはなかった一般に高

学受容体のありかたについても上述のことがしえ 所に馴化されたヒトの千昨受容体の活動性は減少す

るすなわちこれを低酸素吸引の時間的経過とと るといわれておりまた Rahn(15)は高所に馴化

もにみると吸引後大体 3- 5分にもちろん されたヒトを急に常気圧下にもたらした場合そ

その発現の仕方はかならずしも一致するわけで の subnormalventilationがおとり しかも

はないが呼吸数 1回換気量 分時呼吸量などの 22000 feetに馴化された時にはそれが 30分間も

増加がありとくに 1回換気量は この時点で最 継続することを見たわたくしの取り扱った例7

大の増加率を示したこれはいわゆる即時反応 にはやはりこのようなことが考えられるすな

と呼ばれるもので末梢化学受容体反射によるもの わち その他の例では 末梢化学受容体反射は充

である高血圧症においてはこの末梢化学受容体 分にあり また 100酸素吸引時の subnormal

反射の過敏性があるあるいはないと議論の多 venti1ationも大体数分継続するにすぎないが

いところであるがく12)わたくしの扱った高血圧症 この例では末梢化学受容体反射も量的に少くか

例のこの時点における気相反応ば平均値を上廻 つ subnormal ventilationの継続が室内空気

るものが多かったそれゆえある程度その過敏 吸引後 10分でもなお認められてしるロ これら

性の存在を考えさせるのではないだろうかもちる の反射は Bjurstedtゅのいうようにまた酸

ん低酸素吸引中の血圧の下降による血圧受容体呼 塩基平衡とも関係してしるのでこの面からの研究

吸反射による影響も加味されているかも知れない も必要となる

がこの血圧値のさがりかたは小さし呼吸反応の 低酸素症の循環反応にかんしては繰り返し

第 2の山はいわゆる遅延反応と呼ばれるもの SchneiderTruesdellHeymansV Euler

-384- 千葉医 学会雑誌 第 33巻

Harrison(8)などによって述べられてしるしかし 例ではその収縮作用したがって全末梢脈管抵

ながら循環因子の個々について呼吸反応との相 抗の高まりかたは強いようであるこのことは

関において論じたものはない低酸素症にたいする No6で明らかに見られるこの増加率は実に

生体反応がもともと換気の増大循環血液量の 吸引後 1分で 12736分で 2523でありこれ

増加などにより減少しつつある血液の酸素運搬能 に伴なって血圧値もかなりの充進を示す容積弾

の代償機転であることを考える時これらの相関を-性率についてはもちろん各例ごとに違うが吸

見ることは必要である Wiggers(lめは低酸素症の 引の後期にいたって その減少する 間の多くなるのa

時期においては循環促進 (cardiacaccerelation) は一つの代償機転の失調の現れであると息われ

が換気の菱化に先行すると述べているがわたく る血圧値にかんしては C Heymansゆ V

しの実験例では末梢反射性には気相反応とほ Euler斎藤(11)らによって 化学受容体にたいす

とんど同一時点において即時反応が見られ遅延友 る低酸素刺激の直接作用により一般に上昇する

応と見られる時点での菱化は一般に気相反応の とされているがわたくしの例では区々であり

出現よりも後期すなわち 10---15分あたりにそ 検体の特性吸引条件などを考慮して論じなければ

の最大反応が現われているようであったこのこ ならなし

とはとくに分時送血量全末梢脈管抵抗容積 心電曲線では低酸素吸引中そのLTの増大

弾性率などについていえる分時送血量について することが知られているがわたくしの例で と

は これらのことならびに 14酸素吸引例に くにその電気的収縮時間 QT がはじめより

おいてもその充分な増加のある点から考えて Hegglin-Holzlllannの計算値以上に延長していた

Harrison(9)らのいうように分時送血量の斐動を No 6NO7では他のt例と反対に 低酸素吸引

Anoxemia thresholdとじてかならずしも動 によりますます延長したがこのことは心効率

脈血酸素飽和度との関聯の下に考えることはできな の悪化した兆候とみなされることに No6で

いわたくしの実験例では分時送血量は 1例を は分時送血量が減少した教室の森は 100酸

除いて全例において増加した全末梢脈管抵抗 素吸引を行った場合その脈管収縮性の高まってい

は低酸素吸号|の後期にいたりほとんど全例で るような例では STT のさがりかたが低酸素吸

下降しているがこの観察時間内の範囲にかんする 引中より むしろ 100酸素吸引直後に高度とな

かぎり血中 CO2濃度とは関係がないようである ることを狭心症の 1例に見ているしかしわた

また 一般に 100酸素吸引の効果は その脈 くしの実験例の範囲にはこのようなものがなかっ

管にたいしては a 直接作用として収縮性に た

b 末梢化学受容体を介しては反射的に拡張性に 血糖については一般にいわれているような成績

作用する二つの異った因子の総合であるが とく であったl

に高血圧症のように脈管収縮性の高まっている

4 との篇のまとめ

いろいろな病期にある高血圧症 6例 肺疾患 2例 健常者 1例に低酸素 (10)ならび

に 100酸素を連続的に吸引きせその聞の呼吸および 循環数値の変動を化学受容体

のありかたを考慮しながら検討した

1) 低酸素吸引後その即時反応は 3-5分 遅延反応は 710分に最大点があるこの

場合呼吸においては即時反応が循環においては遅延反応の方がそれぞれより優勢で

あり循環の遅延反応は呼吸のそれよりいくぶん遅れて現れるまた即時反応におい

ては末梢化学受容体の役割が中枢のそれよりさらに重要である

2) 化学受容体反射とくに末梢化学受容体反射の低酸素ならびに高容量酸素にた

いする反応度は疾患の種類またその低酸素血症の程度などにより異るが高血圧症にお

Am

r

d

A

第 2号 謝高 fJf容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について

いては一般に低酸素でその充進があるO

3) Wezler法により時間を追って測定した分時送血量全末檎脈管抵抗容積弾性率な

どで一般には低酸素吸引によって分時送血量の増加全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率の減少が見られるがこれら循環数値の変動はその他の循環因子および心筋の状態

などを考慮した上で論ずる必要がる

lsquo 4) 高容量酸素吸引によって血圧値が異常に上昇するような例ではその全体柏末脈管抵

抗の増大のあることより考えてそれは脈管収縮性の高まりによるものと思われるO

11 定量的観察

1 実験方法ならびに実験対象 Cas長斗 ~JH C Landen(lO)は特殊な Ergometerを用

い 心肺疾患患者に運動負荷を与え そのあいだN01 Age r山 IBefぽ e112 0~I Air 180 O2

の酸素消費量肺活量分時最大呼吸量などを 1届y 11日8い76 戸7同J spir句 raphischに測定して種々の機能検査を行 2 1属1s81 210 1 184 I219 1 216

低酸素吸引に置き換えたすなわち Knipping3l-員 1JMI 220 I 18司 215 1 206

っているがわたくしはこの運動負荷の部分を

I届lY装置2台を用いその気槽中にあらかじめ満して 4 MI 226 I 213 I戸47 I 230

おいた 12酸素 21酸素(室内空気) 80酸 5 1 ~ IK KI 168 1 165 I 135 1 188 素を呼気中の炭酸ガスは苛性カ Dによって除去し

61 ~ 1C EI 192 1 139 1 219 1 187 ながらこの順序でそれぞれ 3分間逐次的に

被検者に吸引させ その各部分における酸素消費 7届luTI 168 I 146 I 168 1 181

量を吸引 3分自の spirographischeKurveから 8 HI 265I 231 お f 幻 1昼lu I 255

算定したなお被検者にゃく 20分間安静を保

たせたのち同時に安静時酸素消費量の測定を行つ 9 1届1T NI 200 I 174 I 矧 1221

た らびに血液ガス所見とともに表 5に示すこの

対象は千葉大学第二内科にス院した心疾患 16 うち症例 1から 6までは臨床的に心不全の兆

例 甲状腺機能允進症 12例 甲状腺機能允進性心 候が明らかなものでありそれは主として左室不

疾患2例ほかに健常例9例である 全ないしは二次性両室不全の例であるこれら

2 実験成績 心疾患での吸引成績を心不全例と代償例とに分け

1) 健常例この測定の実際は図 10に示図す て図 11に示すすなわち心不全例では 12酸

こ示すすなわち安静時酸14また実験成績は表 素吸引時の酸素消費量は安静時のそれに比して

素消費量は 12酸素吸引によってやふ減り気 健常例におけるよりもーだんと少くなり さら

味であり 21さらに80酸素吸写へと愛動はあ に 21酸素吸引にすると著明に増加し 80酸

るがそれは大体 30 ccmin以内であり 80 素のもとでは 21吸引時よりは軽度の被少ない

酸素吸引時の酸素消費量はほとんど実験前値に し不安でこの値はまた実験前値にや込及

戻るこれをいまその安静時酸素消費量にたい ばない代償例ではこれらの傾向が軽度となり

する吸引各部分の酸素消費量の比率で現わすと むしろ健常例に近くなるこれを前項同様そ

図 11のようになるすなわち 12酸素吸引時の の安静時酸素消費量にたいする比率からみれば心

酸素消費量の安静時のそれにたいする比率は 不全例広おいては 12酸素吸引時 048--078

072--098平均08721酸素吸引時には 074-- 平均 06621酸素で 090--148平均工0780

125平均09980酸素吸引時には 093--111 酸素では bull081--120平均 097であり代償例で

平均103となる はそれぞれ 078---109平均094081--145

2) 心疾患例この実験成績はその肺容量な 平均10686--159平均112であるつぎに例

23

-386ー 千葉医学会雑誌 第33巻

をもって説明するFig 1L l2~ 21 ~ 1) 1例 (No80

tfClrmal 協 yen 彰刻 yen 開 t yen

軒ldquo~ldquoldquoldquoldquo(lt087 ldquouldquoldquoldquo~悩~仏99 区~悩術省官伺

103

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日狩剖rtL]n品ism 協yen 協 yen協 yen 1ρa 113

園oz-Up-ta長e α-l]p-ta~e t別館ch peT(entfOICJSen

帽弁狭窄閉鎖不全症

才の女性でゃく 6カ月

前からの体動時の息ぎ

れどうきなどがあり

さらに夜間発作性呼吸

困難が加わってきたので

入院したこの第1回検

査時の状態は胸部レ線

像上左第 234弓 および右第 2弓の軽度

な拡大があり肺うつ血

の像も著明で胸部右後

下部に湿性ラ音を開く

心電曲線上は僧帽性

P V3 -V日までの STTの下降があり心筋傷

害ないし心筋の低酸

素症を思わせた静脈圧

は135mmH 20W 法に

よる分時送血 量は 811minであった第2回検査時にはジギタリス

葉末で維持しているとき

であったがなお軽lsquoHeart Diseases 5 Tab 1

z芯r制杭出問ご討出治慌f刊t士官|医医臨立立2 lトトN尚陶陶陥a町叩m叩I紅me悶e

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I3611 200 1 1 Kl-I1~I10

227 1 230 11 1心中aFIJ「τ f 問

昨竺 i1 951 j868 1 33

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

~袋113に示す T 11ii誌片I~1 1 l i立lizii2引誌 i1誌託ii 引引 2isI Hlz1 22lI2引33|11おhellip

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4出MHI 174 j同州州 140

5 I gI 1 Y J 203 l叫2541叫 372 6 I ~ yenH KI 212 1197]叫 221] 155

7 I~ I1 T[25o I 2431261 1 28~ 1 200

8 1 ~ 1MuI172い43[州 242[ 153

可玄jKHj-20S--j吋州 247r 270

loJg- 百戸戸「五j1MI 216 1

にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

1私らい

弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

bull bull bullbull

-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

NyNo Age

O2Sat

Before||1022ll Air|18002VCCC-I|R V-ilMBC y|liHaY町PeDKritauhgrynr田 draism|flaeobis 02Up-take ccl|Lung VOIRZ血 es

541879 1

53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

1~IKHrてγidism 7251004 881 528242 142 286 2 I ~ IKH

961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

Card Disdi iacs 倒岱皿H tFiqyHFpr品 曲叫陶

Normal 制 帽

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lsquo bull 畠 会 lsquo bull bull

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ー~ bull

d

nimH20で肝はやく 2横指

触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

120 21妬0 80XO

弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

らよ幽

吋B~H~A~O B~H~A~O sHArarrow B8eJOTe (in theAiT)

以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

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第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

(忠弘司ロ凶的)

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-392ー 謝論文附図 (ll) 第 33巻

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第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響につして -379-

例 3(No 9図 5)は高度の肺気腫をもっ 69 5) 脈拍数低酸素吸引後脈拍数は全例で増

才の男性 10数年来いわゆるJlsquo療もちであっ 加し続けその実験前値にたしする平均増加率は

たがゃく 6カ月前よりこれが激しくなってきた 3分で 267分で 2415分で 29でありま

ので入院したこの患者の肺容量は 肺活量 2800 た 100酸素吸引によりこれらは 全例におい

CC残気量 2779CC全肺容量 5279CC残気率 526 で誠り その低酸素吸引 15分値にたいする減少率

分時最大呼吸量 3531min気速指数 054であ は 3分で 3610分で 35であったこのうち

り胸部レ線像でも著明な肺気腫像を示した 14酸素吸引例でも その吸弓 13分での増加率は

この例では低酸素吸引後 2--3分で呼吸困難 2315分で 24100酸素吸引にして 1分後の

感が強くなり低酸素吸引は 10分までしか続けら 減少率は 275分では 23であった

れなかったしかも動脈血酸素飽和度は低酸素 6) 分時送血量 低酸素吸引中のこの値の褒動

吸引 5分で 686までさがっているにもか Lわら はある時点においては多少減ずる例もあるには

ず 1回換気量分時呼吸量は 3分でそれぞれ あるが悪性高血圧症例 No6を除いて 他の例

12242の率でかえって減り 7分において はほとんど全例において増加したすなわち

は 1回換気量が 193の減少分時呼吸量は 468 低酸素吸引後 3分では実験前値にたいする増加率

の増加を示しさらに 10分では 1囲換気量は は 322士215 7分では 261+155 15分では

151の減少分時呼吸量は 620の増加を示し 460土141で 100酸素吸引にしてからは 全

たすなわち即時反応が見られず吸引後 7分で 例において 減少が見られ f[酸素吸引 15分値に

呼吸数は 82の増加を示し 中枢性の遅延反応が たいするその減少率は 1--3分後 382土83 5恥

良〈見られた肺気腫のように胸廓の強直がある 分後 253t91であるすなわち この時点で

時にはldquo Pneu~otaxic 1加pulseの成り立ちが 大体実験前fi直に反ることになる悪性高血圧症ゐ

あるにもかふわらず呼吸運動が即応せず CO2の 例ではしかしながら6分後なお実験前値以

愛化が問題となりかつ中枢の発動が問題となる 下であり室内空気吸引 10分後にいたり ょうや

ような時点ではじめて呼吸運動刺激症状が出てい く実験前値に近づく

る 100酸素吸引としてからは 1回換気量分 η 全末梢脈管抵抗低酸素吸手l後 3分では 2

時呼吸量は ともに 239311の減少率を示 例だけが軽度に増しているほかは 7例において減

す 少し実験前値にたいする減少率は 321士108で

Fig 5 S M 口 69yrs Emphysema thoracis

b

l

-380ー 千葉医学会雑誌 第 3a巻

あり 7分では 1例だけが増し他の 8例は減り

その減少率は 304166さらに 15分では全例

において滅りその減少率は 311士549るであった

また 100酸素吸引によって全例において増加

し 1- 3分では 4471655--7分では 503士

150の増加率であったしかも これらの増減

と血中 CO2濃度との関係は全くなく とくに

高血圧症例において W 法による型との関係は見

られなししかしながら NO6の悪性高血圧症の

例においては 100酸素吸引にしてからの全末梢

脈管抵抗の増加は他の例に比してきわめて著し

かったo

8) 容積弾性率低酸素ならびに 100酸素

吸引中この値はしろいろに~動し全末梢脈管抵

抗のように一定の傾向がなかったが一般には減

少の傾向にあるすなわち低酸表吸引後 3分で

は増加は 5例平均133の増加率減少は 3

例その減少率は 1967分では増加が3例で

143減少は 5例で 14115分では増加が2

例で 81減少が 6例で 103100酸素吸引後

1--3分では増加が4例平均増加率は 205

減少が 2例で 17810分では増加が4例で 466

減少が 2例で 157である

9) 血圧5)6)7)8)で述べたような循環

因子によって規定される血圧値の愛動はまたき

わめて区々としでいたすなわち 1[酸素吸引中

その血圧値の増加するものは 4例で縮期庄は 2--

6の増加率弛期庄は 2--25の増加率である

被少は 5例で縮期圧は 1-15の滅少率弛期庄

は 5--18の減少率である 100酸素吸引にして

からは血圧値の増加する例が多くとくに 1--a

3分では増加が7例その縮期庄は 1--20ヲる弛

期圧は 1--35の増加率を示すこのうちとくに

悪性高血圧症例においては 100酸素吸引直後の

血圧値の上昇が著しく 1分で縮期庄は 243

弛期圧は 710の増加を示した

以上この実験における循環系反応のなかでー

般とちがった態度を呈した悪性高血圧症例 No 6

を図 6に示す

この患者は 52才の女性でゃく 2カ月前よりの

霧視どうき息ぎれなどを主訴としてス院した

ス院時の血圧値は縮期圧 230弛期圧 130mmHg

であったが l-Hydrazinophthalazine (Apresol

ine ldquoCibaつ Reserpine (Serp~si1 ldquoCibaつの

使用により実験時の血注値は縮期圧 210弛期

圧 120mmHgであった心濁音界は左方へ 2横

指拡大し 心尖部第 1音は不純で肝は 2横指蝕

れ眼底所見に乳頭浮腫はないが K-W m型であ

心電曲線上では型M+W+E(法ではWり

左室肥大曲線腎機能検査では P S Pの15分

値は比色不能腎血流量 39ccmin糸球体濯過量

7 ccminで血中残余窒素は 40mgdl低酸素吸

司臨

Fig 6 M K 0 52 yrs MalignantHypertension

4

第 2号 謝高侭容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について -381-

引前の動脈血酸素飽和度は 860と少しさがって 生体の Homeostasisが成立する場合 ST-Tの恋

いるが呼吸系の反応はほど基本型であるo こ 化は軽微に止ることが知られてしるたとえこ

lsquoれにたいして分時送血量は低酸素吸引にょっ の菱化が高度であっても 100酸素を吸引させる

て一方的に絞りまた全末梢脈管抵抗も減って とこれらの斐化はきわめて短時間に快復する

いるので血圧値もこれに応じて 7分では縮期圧 図に例を示す (No1No 7)全例において

245弛期圧 349の率でさつがているこの分 ST同 T の菱化は 100酸素吸引により元の値に戻

時送血量の減少は 100酸素吸引時も依然とし った低酸素吸引により R-R間隔が短縮すること

て続き吸引中止後 10分で はじめて実験前の値 を考えに入れても大部分の Q間隔は図8に

に戻った これにたレして 全末梢脈管抵抗は 示すように Hegglin-Holzmannの計算値の Vari-

100酸素の血管への直接作用の結果 吸引 l分後 ationのうちで短縮の方向へ向い 100酸素吸引

には低酸素吸引 15分値の 12733分では 1204 では延長方向へ斐化するた Yし No6および

6分では 2523の増加を示すこのため 血 No7のように始めから この計算値の下界以下

圧値は侭酸素吸引 15分値にたいして縮期圧 372 にある例は低酸素吸引によってむしろ延長に向

弛期庄 710の増加を示すq このことは木例 う

の血管収縮性がきわめて充進していることを思わ 10) 血糖 図 9に示すように全例において低

せるo 酸素吸引時軽度ながら上昇する

10) 心電曲線上の ~1t 侭酸素吸引にたいして

Fig 7 Electrocardiographic Changes

No l M K 口 22yrs_ No 7 S T 0 45 yrs

Normal Health M s i+Hypertension

3 6 7 10

ast

QT

τE

ST

u

Timeti min

100

Fig 8 Changes in the Q-T Interval and its Relation Fig 9 Hypoxia and Blood Sugar

to the Holzmann-Hegglins Formula 11ω infin

Nll

Qτ( ~ETHETH8ec)

loo~a10ラOz 20

501

~ Bejoj棺

bull IlJ otof)1l

26

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A 1110事弘

55

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60 50 60 70 80 90 100 110

Pul8eRare~府仇

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたLする影響につして -383-

3 この篇の考案 で低酸素吸引後大体 7分前後でおこってしる司

臨床的に低酸素症をヒトにおこさせる場合吸 こLで呼吸数はさらに増加の度を増しでレる

引酸素容量の吟味がまず必要である心不全 ので明らかに中枢性のものと考えられるこの

肺気腫肺炎などのようにamp動脈血酸素飽和度を大 時点では呼吸数の増加があるために分時呼吸量

いにさげる疾患でもその動脈血酸素飽和度は多 の増加は 3分の時より一層著ししこれらのこ

くの場合 80以下にならなしさらに低酸素症 とから考えると低酸素症においてはやはり末

の場合いつも問題となる末梢化学受容体の低酸素 梢化学受容体の役割は重要でありこの点にかんし

刺激にたいする闘値は ComroeV Eulerゆなど では C HeymansSchmidtComroe(16)らの

によれば吸引ガスの酸素容量が 16あるいは 成績と同様である末梢性より量的には強くない

13~14 であるとされており しかも Drippら刊 が低酸素症により呼吸は中枢性にも興奮するこ

によれば 10酸素吸引による動脈血酸素飽和度 とは明らかであるこの末梢f昨受容体(頚脈動

は平均73であるとされているすなわちわ 体ならびに大動脈体〉の働らきは吸引酸素張

れわれが臨床で取り扱っている低酸素症とは ブ7が 670mmHg以上になると低酸素刺激にた

Wiggers(18)のしう低酸素症の時点にあるもので いして大体反応しなくなると考えられており

文字どおりの Anoxiaのそれではなし この点を このいわゆる機能的神経除去については Watt

考えてわたくしの実験でも高度な低酸素吸引を Dumke(19)らが動物で実際に頚動脈体および

さけ 10のものを使ったこのことは臨床的に 大動脈体の神経を除去し その前後で 100酸素

低酸素症の生休反応を見る場合にきわめて必要な 吸引を行わせ化学受容体のありかた如何によるこ

ことと考える同様な考え方から教室の森(1のは とを見ているわたくしの実験でも低酸素吸引に

かような比較的軽度な低酸素症の場合にも末梢化 つぐ 100酸素吸引の場合 当然このことが期

学受容体のldquointegrityが大切であると同時に 待されてよい事実 100酸素吸引によってそ

このことを過評価しではならないことまたこれ の気相反応は ゃく 20も減少した Comroe(り

らの生体反応には個体差が大きいことを述べた は慢性低酸素症の状態にあるものに急に 100

わたくしの実験例でも気相ならびに循環反応 酸素を吸引させる時とくに肺機能不全の状態に

でその度数分布が広い点はあながち小数例を あるものでは止息昏迷さらに昏睡にまでい

扱うからであるとしう理由ばかりによらないこ L たるものがあることを報告しているわたくしの実

にこの個体差のあることを考えるo 気相反応と化 験例にはこのようなものはなかった一般に高

学受容体のありかたについても上述のことがしえ 所に馴化されたヒトの千昨受容体の活動性は減少す

るすなわちこれを低酸素吸引の時間的経過とと るといわれておりまた Rahn(15)は高所に馴化

もにみると吸引後大体 3- 5分にもちろん されたヒトを急に常気圧下にもたらした場合そ

その発現の仕方はかならずしも一致するわけで の subnormalventilationがおとり しかも

はないが呼吸数 1回換気量 分時呼吸量などの 22000 feetに馴化された時にはそれが 30分間も

増加がありとくに 1回換気量は この時点で最 継続することを見たわたくしの取り扱った例7

大の増加率を示したこれはいわゆる即時反応 にはやはりこのようなことが考えられるすな

と呼ばれるもので末梢化学受容体反射によるもの わち その他の例では 末梢化学受容体反射は充

である高血圧症においてはこの末梢化学受容体 分にあり また 100酸素吸引時の subnormal

反射の過敏性があるあるいはないと議論の多 venti1ationも大体数分継続するにすぎないが

いところであるがく12)わたくしの扱った高血圧症 この例では末梢化学受容体反射も量的に少くか

例のこの時点における気相反応ば平均値を上廻 つ subnormal ventilationの継続が室内空気

るものが多かったそれゆえある程度その過敏 吸引後 10分でもなお認められてしるロ これら

性の存在を考えさせるのではないだろうかもちる の反射は Bjurstedtゅのいうようにまた酸

ん低酸素吸引中の血圧の下降による血圧受容体呼 塩基平衡とも関係してしるのでこの面からの研究

吸反射による影響も加味されているかも知れない も必要となる

がこの血圧値のさがりかたは小さし呼吸反応の 低酸素症の循環反応にかんしては繰り返し

第 2の山はいわゆる遅延反応と呼ばれるもの SchneiderTruesdellHeymansV Euler

-384- 千葉医 学会雑誌 第 33巻

Harrison(8)などによって述べられてしるしかし 例ではその収縮作用したがって全末梢脈管抵

ながら循環因子の個々について呼吸反応との相 抗の高まりかたは強いようであるこのことは

関において論じたものはない低酸素症にたいする No6で明らかに見られるこの増加率は実に

生体反応がもともと換気の増大循環血液量の 吸引後 1分で 12736分で 2523でありこれ

増加などにより減少しつつある血液の酸素運搬能 に伴なって血圧値もかなりの充進を示す容積弾

の代償機転であることを考える時これらの相関を-性率についてはもちろん各例ごとに違うが吸

見ることは必要である Wiggers(lめは低酸素症の 引の後期にいたって その減少する 間の多くなるのa

時期においては循環促進 (cardiacaccerelation) は一つの代償機転の失調の現れであると息われ

が換気の菱化に先行すると述べているがわたく る血圧値にかんしては C Heymansゆ V

しの実験例では末梢反射性には気相反応とほ Euler斎藤(11)らによって 化学受容体にたいす

とんど同一時点において即時反応が見られ遅延友 る低酸素刺激の直接作用により一般に上昇する

応と見られる時点での菱化は一般に気相反応の とされているがわたくしの例では区々であり

出現よりも後期すなわち 10---15分あたりにそ 検体の特性吸引条件などを考慮して論じなければ

の最大反応が現われているようであったこのこ ならなし

とはとくに分時送血量全末梢脈管抵抗容積 心電曲線では低酸素吸引中そのLTの増大

弾性率などについていえる分時送血量について することが知られているがわたくしの例で と

は これらのことならびに 14酸素吸引例に くにその電気的収縮時間 QT がはじめより

おいてもその充分な増加のある点から考えて Hegglin-Holzlllannの計算値以上に延長していた

Harrison(9)らのいうように分時送血量の斐動を No 6NO7では他のt例と反対に 低酸素吸引

Anoxemia thresholdとじてかならずしも動 によりますます延長したがこのことは心効率

脈血酸素飽和度との関聯の下に考えることはできな の悪化した兆候とみなされることに No6で

いわたくしの実験例では分時送血量は 1例を は分時送血量が減少した教室の森は 100酸

除いて全例において増加した全末梢脈管抵抗 素吸引を行った場合その脈管収縮性の高まってい

は低酸素吸号|の後期にいたりほとんど全例で るような例では STT のさがりかたが低酸素吸

下降しているがこの観察時間内の範囲にかんする 引中より むしろ 100酸素吸引直後に高度とな

かぎり血中 CO2濃度とは関係がないようである ることを狭心症の 1例に見ているしかしわた

また 一般に 100酸素吸引の効果は その脈 くしの実験例の範囲にはこのようなものがなかっ

管にたいしては a 直接作用として収縮性に た

b 末梢化学受容体を介しては反射的に拡張性に 血糖については一般にいわれているような成績

作用する二つの異った因子の総合であるが とく であったl

に高血圧症のように脈管収縮性の高まっている

4 との篇のまとめ

いろいろな病期にある高血圧症 6例 肺疾患 2例 健常者 1例に低酸素 (10)ならび

に 100酸素を連続的に吸引きせその聞の呼吸および 循環数値の変動を化学受容体

のありかたを考慮しながら検討した

1) 低酸素吸引後その即時反応は 3-5分 遅延反応は 710分に最大点があるこの

場合呼吸においては即時反応が循環においては遅延反応の方がそれぞれより優勢で

あり循環の遅延反応は呼吸のそれよりいくぶん遅れて現れるまた即時反応におい

ては末梢化学受容体の役割が中枢のそれよりさらに重要である

2) 化学受容体反射とくに末梢化学受容体反射の低酸素ならびに高容量酸素にた

いする反応度は疾患の種類またその低酸素血症の程度などにより異るが高血圧症にお

Am

r

d

A

第 2号 謝高 fJf容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について

いては一般に低酸素でその充進があるO

3) Wezler法により時間を追って測定した分時送血量全末檎脈管抵抗容積弾性率な

どで一般には低酸素吸引によって分時送血量の増加全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率の減少が見られるがこれら循環数値の変動はその他の循環因子および心筋の状態

などを考慮した上で論ずる必要がる

lsquo 4) 高容量酸素吸引によって血圧値が異常に上昇するような例ではその全体柏末脈管抵

抗の増大のあることより考えてそれは脈管収縮性の高まりによるものと思われるO

11 定量的観察

1 実験方法ならびに実験対象 Cas長斗 ~JH C Landen(lO)は特殊な Ergometerを用

い 心肺疾患患者に運動負荷を与え そのあいだN01 Age r山 IBefぽ e112 0~I Air 180 O2

の酸素消費量肺活量分時最大呼吸量などを 1届y 11日8い76 戸7同J spir句 raphischに測定して種々の機能検査を行 2 1属1s81 210 1 184 I219 1 216

低酸素吸引に置き換えたすなわち Knipping3l-員 1JMI 220 I 18司 215 1 206

っているがわたくしはこの運動負荷の部分を

I届lY装置2台を用いその気槽中にあらかじめ満して 4 MI 226 I 213 I戸47 I 230

おいた 12酸素 21酸素(室内空気) 80酸 5 1 ~ IK KI 168 1 165 I 135 1 188 素を呼気中の炭酸ガスは苛性カ Dによって除去し

61 ~ 1C EI 192 1 139 1 219 1 187 ながらこの順序でそれぞれ 3分間逐次的に

被検者に吸引させ その各部分における酸素消費 7届luTI 168 I 146 I 168 1 181

量を吸引 3分自の spirographischeKurveから 8 HI 265I 231 お f 幻 1昼lu I 255

算定したなお被検者にゃく 20分間安静を保

たせたのち同時に安静時酸素消費量の測定を行つ 9 1届1T NI 200 I 174 I 矧 1221

た らびに血液ガス所見とともに表 5に示すこの

対象は千葉大学第二内科にス院した心疾患 16 うち症例 1から 6までは臨床的に心不全の兆

例 甲状腺機能允進症 12例 甲状腺機能允進性心 候が明らかなものでありそれは主として左室不

疾患2例ほかに健常例9例である 全ないしは二次性両室不全の例であるこれら

2 実験成績 心疾患での吸引成績を心不全例と代償例とに分け

1) 健常例この測定の実際は図 10に示図す て図 11に示すすなわち心不全例では 12酸

こ示すすなわち安静時酸14また実験成績は表 素吸引時の酸素消費量は安静時のそれに比して

素消費量は 12酸素吸引によってやふ減り気 健常例におけるよりもーだんと少くなり さら

味であり 21さらに80酸素吸写へと愛動はあ に 21酸素吸引にすると著明に増加し 80酸

るがそれは大体 30 ccmin以内であり 80 素のもとでは 21吸引時よりは軽度の被少ない

酸素吸引時の酸素消費量はほとんど実験前値に し不安でこの値はまた実験前値にや込及

戻るこれをいまその安静時酸素消費量にたい ばない代償例ではこれらの傾向が軽度となり

する吸引各部分の酸素消費量の比率で現わすと むしろ健常例に近くなるこれを前項同様そ

図 11のようになるすなわち 12酸素吸引時の の安静時酸素消費量にたいする比率からみれば心

酸素消費量の安静時のそれにたいする比率は 不全例広おいては 12酸素吸引時 048--078

072--098平均08721酸素吸引時には 074-- 平均 06621酸素で 090--148平均工0780

125平均09980酸素吸引時には 093--111 酸素では bull081--120平均 097であり代償例で

平均103となる はそれぞれ 078---109平均094081--145

2) 心疾患例この実験成績はその肺容量な 平均10686--159平均112であるつぎに例

23

-386ー 千葉医学会雑誌 第33巻

をもって説明するFig 1L l2~ 21 ~ 1) 1例 (No80

tfClrmal 協 yen 彰刻 yen 開 t yen

軒ldquo~ldquoldquoldquoldquo(lt087 ldquouldquoldquoldquo~悩~仏99 区~悩術省官伺

103

伽元町蜘動~ Dsease 脇

Decolllp側 S蜘閥 yen

~ 隊yen膨活 yen

112 際yen協 yen

066 10す 091

日狩剖rtL]n品ism 協yen 協 yen協 yen 1ρa 113

園oz-Up-ta長e α-l]p-ta~e t別館ch peT(entfOICJSen

帽弁狭窄閉鎖不全症

才の女性でゃく 6カ月

前からの体動時の息ぎ

れどうきなどがあり

さらに夜間発作性呼吸

困難が加わってきたので

入院したこの第1回検

査時の状態は胸部レ線

像上左第 234弓 および右第 2弓の軽度

な拡大があり肺うつ血

の像も著明で胸部右後

下部に湿性ラ音を開く

心電曲線上は僧帽性

P V3 -V日までの STTの下降があり心筋傷

害ないし心筋の低酸

素症を思わせた静脈圧

は135mmH 20W 法に

よる分時送血 量は 811minであった第2回検査時にはジギタリス

葉末で維持しているとき

であったがなお軽lsquoHeart Diseases 5 Tab 1

z芯r制杭出問ご討出治慌f刊t士官|医医臨立立2 lトトN尚陶陶陥a町叩m叩I紅me悶e

iq|引2認貌務矧話認判i22|読2ljziZ到引|器3j2| 5釘7完捻街1|関悶完詔引戸戸邦判

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1531 1 1516引781川51 g Is KI M s 1 7781111沌沼 日 臼 f 219 61付89制 20 6川|副AS[d陀件白似今infinc OI官官芯設2E担汗 lバ4叫191r川日叫211 170 1761吋Tt 問附

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I3611 200 1 1 Kl-I1~I10

227 1 230 11 1心中aFIJ「τ f 問

昨竺 i1 951 j868 1 33

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

~袋113に示す T 11ii誌片I~1 1 l i立lizii2引誌 i1誌託ii 引引 2isI Hlz1 22lI2引33|11おhellip

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同院協附除物陰惨帆

3181M SI 199 r叫叫 ml240

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4出MHI 174 j同州州 140

5 I gI 1 Y J 203 l叫2541叫 372 6 I ~ yenH KI 212 1197]叫 221] 155

7 I~ I1 T[25o I 2431261 1 28~ 1 200

8 1 ~ 1MuI172い43[州 242[ 153

可玄jKHj-20S--j吋州 247r 270

loJg- 百戸戸「五j1MI 216 1

にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

1私らい

弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

bull bull bullbull

-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

NyNo Age

O2Sat

Before||1022ll Air|18002VCCC-I|R V-ilMBC y|liHaY町PeDKritauhgrynr田 draism|flaeobis 02Up-take ccl|Lung VOIRZ血 es

541879 1

53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

1~IKHrてγidism 7251004 881 528242 142 286 2 I ~ IKH

961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

Card Disdi iacs 倒岱皿H tFiqyHFpr品 曲叫陶

Normal 制 帽

bullalsquo

bull bull- bull bull

hellip切さ符相会

lsquo bull 畠 会 lsquo bull bull

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2infinbullbullbull - 晶

A

- -

-

-2bull bullbull

- bull bull lsquo

bullbull bullbull bullbull ーbull

ー~ bull

d

nimH20で肝はやく 2横指

触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

120 21妬0 80XO

弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

らよ幽

吋B~H~A~O B~H~A~O sHArarrow B8eJOTe (in theAiT)

以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

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5) ComroeJ H Jr Physiol Rev24 14)森澄央千葉医会誌 328861957

3191944 15) RahnH amp A B Otis Am J Phy-

19472021501sioY Zot-ampG Lilijestrand U St6) Euler

ternian SkandinavArchPhysiol 83 16)SchmidtC FComroeJ H Am J

1321939 P]Jysiol 121751938

7) HeymansCBoukaertJ JDautre 17)斎藤十六 呼吸と循環 11371953

bandeL Arch Int Pharmacodyn39 18) WiggersC J Ann Int Med141237~

4001930 1941

8) HarrisonT R ampBlalockA Am J 19) WattJ GDumkeP R amp Comroe

Physiol 801691927 J H Jr Am J Physiol 1386101943

9) HarrisnT RWilsonC PNeigh-

第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

(忠弘司ロ凶的)

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-392ー 謝論文附図 (ll) 第 33巻

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l

-380ー 千葉医学会雑誌 第 3a巻

あり 7分では 1例だけが増し他の 8例は減り

その減少率は 304166さらに 15分では全例

において滅りその減少率は 311士549るであった

また 100酸素吸引によって全例において増加

し 1- 3分では 4471655--7分では 503士

150の増加率であったしかも これらの増減

と血中 CO2濃度との関係は全くなく とくに

高血圧症例において W 法による型との関係は見

られなししかしながら NO6の悪性高血圧症の

例においては 100酸素吸引にしてからの全末梢

脈管抵抗の増加は他の例に比してきわめて著し

かったo

8) 容積弾性率低酸素ならびに 100酸素

吸引中この値はしろいろに~動し全末梢脈管抵

抗のように一定の傾向がなかったが一般には減

少の傾向にあるすなわち低酸表吸引後 3分で

は増加は 5例平均133の増加率減少は 3

例その減少率は 1967分では増加が3例で

143減少は 5例で 14115分では増加が2

例で 81減少が 6例で 103100酸素吸引後

1--3分では増加が4例平均増加率は 205

減少が 2例で 17810分では増加が4例で 466

減少が 2例で 157である

9) 血圧5)6)7)8)で述べたような循環

因子によって規定される血圧値の愛動はまたき

わめて区々としでいたすなわち 1[酸素吸引中

その血圧値の増加するものは 4例で縮期庄は 2--

6の増加率弛期庄は 2--25の増加率である

被少は 5例で縮期圧は 1-15の滅少率弛期庄

は 5--18の減少率である 100酸素吸引にして

からは血圧値の増加する例が多くとくに 1--a

3分では増加が7例その縮期庄は 1--20ヲる弛

期圧は 1--35の増加率を示すこのうちとくに

悪性高血圧症例においては 100酸素吸引直後の

血圧値の上昇が著しく 1分で縮期庄は 243

弛期圧は 710の増加を示した

以上この実験における循環系反応のなかでー

般とちがった態度を呈した悪性高血圧症例 No 6

を図 6に示す

この患者は 52才の女性でゃく 2カ月前よりの

霧視どうき息ぎれなどを主訴としてス院した

ス院時の血圧値は縮期圧 230弛期圧 130mmHg

であったが l-Hydrazinophthalazine (Apresol

ine ldquoCibaつ Reserpine (Serp~si1 ldquoCibaつの

使用により実験時の血注値は縮期圧 210弛期

圧 120mmHgであった心濁音界は左方へ 2横

指拡大し 心尖部第 1音は不純で肝は 2横指蝕

れ眼底所見に乳頭浮腫はないが K-W m型であ

心電曲線上では型M+W+E(法ではWり

左室肥大曲線腎機能検査では P S Pの15分

値は比色不能腎血流量 39ccmin糸球体濯過量

7 ccminで血中残余窒素は 40mgdl低酸素吸

司臨

Fig 6 M K 0 52 yrs MalignantHypertension

4

第 2号 謝高侭容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について -381-

引前の動脈血酸素飽和度は 860と少しさがって 生体の Homeostasisが成立する場合 ST-Tの恋

いるが呼吸系の反応はほど基本型であるo こ 化は軽微に止ることが知られてしるたとえこ

lsquoれにたいして分時送血量は低酸素吸引にょっ の菱化が高度であっても 100酸素を吸引させる

て一方的に絞りまた全末梢脈管抵抗も減って とこれらの斐化はきわめて短時間に快復する

いるので血圧値もこれに応じて 7分では縮期圧 図に例を示す (No1No 7)全例において

245弛期圧 349の率でさつがているこの分 ST同 T の菱化は 100酸素吸引により元の値に戻

時送血量の減少は 100酸素吸引時も依然とし った低酸素吸引により R-R間隔が短縮すること

て続き吸引中止後 10分で はじめて実験前の値 を考えに入れても大部分の Q間隔は図8に

に戻った これにたレして 全末梢脈管抵抗は 示すように Hegglin-Holzmannの計算値の Vari-

100酸素の血管への直接作用の結果 吸引 l分後 ationのうちで短縮の方向へ向い 100酸素吸引

には低酸素吸引 15分値の 12733分では 1204 では延長方向へ斐化するた Yし No6および

6分では 2523の増加を示すこのため 血 No7のように始めから この計算値の下界以下

圧値は侭酸素吸引 15分値にたいして縮期圧 372 にある例は低酸素吸引によってむしろ延長に向

弛期庄 710の増加を示すq このことは木例 う

の血管収縮性がきわめて充進していることを思わ 10) 血糖 図 9に示すように全例において低

せるo 酸素吸引時軽度ながら上昇する

10) 心電曲線上の ~1t 侭酸素吸引にたいして

Fig 7 Electrocardiographic Changes

No l M K 口 22yrs_ No 7 S T 0 45 yrs

Normal Health M s i+Hypertension

3 6 7 10

ast

QT

τE

ST

u

Timeti min

100

Fig 8 Changes in the Q-T Interval and its Relation Fig 9 Hypoxia and Blood Sugar

to the Holzmann-Hegglins Formula 11ω infin

Nll

Qτ( ~ETHETH8ec)

loo~a10ラOz 20

501

~ Bejoj棺

bull IlJ otof)1l

26

30

35

4淵

4長

Hト 50

E開

可~L

Beere 35 7 10 15 20 8 8 7 10 nllle on in

A 1110事弘

55

ωω

60 50 60 70 80 90 100 110

Pul8eRare~府仇

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたLする影響につして -383-

3 この篇の考案 で低酸素吸引後大体 7分前後でおこってしる司

臨床的に低酸素症をヒトにおこさせる場合吸 こLで呼吸数はさらに増加の度を増しでレる

引酸素容量の吟味がまず必要である心不全 ので明らかに中枢性のものと考えられるこの

肺気腫肺炎などのようにamp動脈血酸素飽和度を大 時点では呼吸数の増加があるために分時呼吸量

いにさげる疾患でもその動脈血酸素飽和度は多 の増加は 3分の時より一層著ししこれらのこ

くの場合 80以下にならなしさらに低酸素症 とから考えると低酸素症においてはやはり末

の場合いつも問題となる末梢化学受容体の低酸素 梢化学受容体の役割は重要でありこの点にかんし

刺激にたいする闘値は ComroeV Eulerゆなど では C HeymansSchmidtComroe(16)らの

によれば吸引ガスの酸素容量が 16あるいは 成績と同様である末梢性より量的には強くない

13~14 であるとされており しかも Drippら刊 が低酸素症により呼吸は中枢性にも興奮するこ

によれば 10酸素吸引による動脈血酸素飽和度 とは明らかであるこの末梢f昨受容体(頚脈動

は平均73であるとされているすなわちわ 体ならびに大動脈体〉の働らきは吸引酸素張

れわれが臨床で取り扱っている低酸素症とは ブ7が 670mmHg以上になると低酸素刺激にた

Wiggers(18)のしう低酸素症の時点にあるもので いして大体反応しなくなると考えられており

文字どおりの Anoxiaのそれではなし この点を このいわゆる機能的神経除去については Watt

考えてわたくしの実験でも高度な低酸素吸引を Dumke(19)らが動物で実際に頚動脈体および

さけ 10のものを使ったこのことは臨床的に 大動脈体の神経を除去し その前後で 100酸素

低酸素症の生休反応を見る場合にきわめて必要な 吸引を行わせ化学受容体のありかた如何によるこ

ことと考える同様な考え方から教室の森(1のは とを見ているわたくしの実験でも低酸素吸引に

かような比較的軽度な低酸素症の場合にも末梢化 つぐ 100酸素吸引の場合 当然このことが期

学受容体のldquointegrityが大切であると同時に 待されてよい事実 100酸素吸引によってそ

このことを過評価しではならないことまたこれ の気相反応は ゃく 20も減少した Comroe(り

らの生体反応には個体差が大きいことを述べた は慢性低酸素症の状態にあるものに急に 100

わたくしの実験例でも気相ならびに循環反応 酸素を吸引させる時とくに肺機能不全の状態に

でその度数分布が広い点はあながち小数例を あるものでは止息昏迷さらに昏睡にまでい

扱うからであるとしう理由ばかりによらないこ L たるものがあることを報告しているわたくしの実

にこの個体差のあることを考えるo 気相反応と化 験例にはこのようなものはなかった一般に高

学受容体のありかたについても上述のことがしえ 所に馴化されたヒトの千昨受容体の活動性は減少す

るすなわちこれを低酸素吸引の時間的経過とと るといわれておりまた Rahn(15)は高所に馴化

もにみると吸引後大体 3- 5分にもちろん されたヒトを急に常気圧下にもたらした場合そ

その発現の仕方はかならずしも一致するわけで の subnormalventilationがおとり しかも

はないが呼吸数 1回換気量 分時呼吸量などの 22000 feetに馴化された時にはそれが 30分間も

増加がありとくに 1回換気量は この時点で最 継続することを見たわたくしの取り扱った例7

大の増加率を示したこれはいわゆる即時反応 にはやはりこのようなことが考えられるすな

と呼ばれるもので末梢化学受容体反射によるもの わち その他の例では 末梢化学受容体反射は充

である高血圧症においてはこの末梢化学受容体 分にあり また 100酸素吸引時の subnormal

反射の過敏性があるあるいはないと議論の多 venti1ationも大体数分継続するにすぎないが

いところであるがく12)わたくしの扱った高血圧症 この例では末梢化学受容体反射も量的に少くか

例のこの時点における気相反応ば平均値を上廻 つ subnormal ventilationの継続が室内空気

るものが多かったそれゆえある程度その過敏 吸引後 10分でもなお認められてしるロ これら

性の存在を考えさせるのではないだろうかもちる の反射は Bjurstedtゅのいうようにまた酸

ん低酸素吸引中の血圧の下降による血圧受容体呼 塩基平衡とも関係してしるのでこの面からの研究

吸反射による影響も加味されているかも知れない も必要となる

がこの血圧値のさがりかたは小さし呼吸反応の 低酸素症の循環反応にかんしては繰り返し

第 2の山はいわゆる遅延反応と呼ばれるもの SchneiderTruesdellHeymansV Euler

-384- 千葉医 学会雑誌 第 33巻

Harrison(8)などによって述べられてしるしかし 例ではその収縮作用したがって全末梢脈管抵

ながら循環因子の個々について呼吸反応との相 抗の高まりかたは強いようであるこのことは

関において論じたものはない低酸素症にたいする No6で明らかに見られるこの増加率は実に

生体反応がもともと換気の増大循環血液量の 吸引後 1分で 12736分で 2523でありこれ

増加などにより減少しつつある血液の酸素運搬能 に伴なって血圧値もかなりの充進を示す容積弾

の代償機転であることを考える時これらの相関を-性率についてはもちろん各例ごとに違うが吸

見ることは必要である Wiggers(lめは低酸素症の 引の後期にいたって その減少する 間の多くなるのa

時期においては循環促進 (cardiacaccerelation) は一つの代償機転の失調の現れであると息われ

が換気の菱化に先行すると述べているがわたく る血圧値にかんしては C Heymansゆ V

しの実験例では末梢反射性には気相反応とほ Euler斎藤(11)らによって 化学受容体にたいす

とんど同一時点において即時反応が見られ遅延友 る低酸素刺激の直接作用により一般に上昇する

応と見られる時点での菱化は一般に気相反応の とされているがわたくしの例では区々であり

出現よりも後期すなわち 10---15分あたりにそ 検体の特性吸引条件などを考慮して論じなければ

の最大反応が現われているようであったこのこ ならなし

とはとくに分時送血量全末梢脈管抵抗容積 心電曲線では低酸素吸引中そのLTの増大

弾性率などについていえる分時送血量について することが知られているがわたくしの例で と

は これらのことならびに 14酸素吸引例に くにその電気的収縮時間 QT がはじめより

おいてもその充分な増加のある点から考えて Hegglin-Holzlllannの計算値以上に延長していた

Harrison(9)らのいうように分時送血量の斐動を No 6NO7では他のt例と反対に 低酸素吸引

Anoxemia thresholdとじてかならずしも動 によりますます延長したがこのことは心効率

脈血酸素飽和度との関聯の下に考えることはできな の悪化した兆候とみなされることに No6で

いわたくしの実験例では分時送血量は 1例を は分時送血量が減少した教室の森は 100酸

除いて全例において増加した全末梢脈管抵抗 素吸引を行った場合その脈管収縮性の高まってい

は低酸素吸号|の後期にいたりほとんど全例で るような例では STT のさがりかたが低酸素吸

下降しているがこの観察時間内の範囲にかんする 引中より むしろ 100酸素吸引直後に高度とな

かぎり血中 CO2濃度とは関係がないようである ることを狭心症の 1例に見ているしかしわた

また 一般に 100酸素吸引の効果は その脈 くしの実験例の範囲にはこのようなものがなかっ

管にたいしては a 直接作用として収縮性に た

b 末梢化学受容体を介しては反射的に拡張性に 血糖については一般にいわれているような成績

作用する二つの異った因子の総合であるが とく であったl

に高血圧症のように脈管収縮性の高まっている

4 との篇のまとめ

いろいろな病期にある高血圧症 6例 肺疾患 2例 健常者 1例に低酸素 (10)ならび

に 100酸素を連続的に吸引きせその聞の呼吸および 循環数値の変動を化学受容体

のありかたを考慮しながら検討した

1) 低酸素吸引後その即時反応は 3-5分 遅延反応は 710分に最大点があるこの

場合呼吸においては即時反応が循環においては遅延反応の方がそれぞれより優勢で

あり循環の遅延反応は呼吸のそれよりいくぶん遅れて現れるまた即時反応におい

ては末梢化学受容体の役割が中枢のそれよりさらに重要である

2) 化学受容体反射とくに末梢化学受容体反射の低酸素ならびに高容量酸素にた

いする反応度は疾患の種類またその低酸素血症の程度などにより異るが高血圧症にお

Am

r

d

A

第 2号 謝高 fJf容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について

いては一般に低酸素でその充進があるO

3) Wezler法により時間を追って測定した分時送血量全末檎脈管抵抗容積弾性率な

どで一般には低酸素吸引によって分時送血量の増加全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率の減少が見られるがこれら循環数値の変動はその他の循環因子および心筋の状態

などを考慮した上で論ずる必要がる

lsquo 4) 高容量酸素吸引によって血圧値が異常に上昇するような例ではその全体柏末脈管抵

抗の増大のあることより考えてそれは脈管収縮性の高まりによるものと思われるO

11 定量的観察

1 実験方法ならびに実験対象 Cas長斗 ~JH C Landen(lO)は特殊な Ergometerを用

い 心肺疾患患者に運動負荷を与え そのあいだN01 Age r山 IBefぽ e112 0~I Air 180 O2

の酸素消費量肺活量分時最大呼吸量などを 1届y 11日8い76 戸7同J spir句 raphischに測定して種々の機能検査を行 2 1属1s81 210 1 184 I219 1 216

低酸素吸引に置き換えたすなわち Knipping3l-員 1JMI 220 I 18司 215 1 206

っているがわたくしはこの運動負荷の部分を

I届lY装置2台を用いその気槽中にあらかじめ満して 4 MI 226 I 213 I戸47 I 230

おいた 12酸素 21酸素(室内空気) 80酸 5 1 ~ IK KI 168 1 165 I 135 1 188 素を呼気中の炭酸ガスは苛性カ Dによって除去し

61 ~ 1C EI 192 1 139 1 219 1 187 ながらこの順序でそれぞれ 3分間逐次的に

被検者に吸引させ その各部分における酸素消費 7届luTI 168 I 146 I 168 1 181

量を吸引 3分自の spirographischeKurveから 8 HI 265I 231 お f 幻 1昼lu I 255

算定したなお被検者にゃく 20分間安静を保

たせたのち同時に安静時酸素消費量の測定を行つ 9 1届1T NI 200 I 174 I 矧 1221

た らびに血液ガス所見とともに表 5に示すこの

対象は千葉大学第二内科にス院した心疾患 16 うち症例 1から 6までは臨床的に心不全の兆

例 甲状腺機能允進症 12例 甲状腺機能允進性心 候が明らかなものでありそれは主として左室不

疾患2例ほかに健常例9例である 全ないしは二次性両室不全の例であるこれら

2 実験成績 心疾患での吸引成績を心不全例と代償例とに分け

1) 健常例この測定の実際は図 10に示図す て図 11に示すすなわち心不全例では 12酸

こ示すすなわち安静時酸14また実験成績は表 素吸引時の酸素消費量は安静時のそれに比して

素消費量は 12酸素吸引によってやふ減り気 健常例におけるよりもーだんと少くなり さら

味であり 21さらに80酸素吸写へと愛動はあ に 21酸素吸引にすると著明に増加し 80酸

るがそれは大体 30 ccmin以内であり 80 素のもとでは 21吸引時よりは軽度の被少ない

酸素吸引時の酸素消費量はほとんど実験前値に し不安でこの値はまた実験前値にや込及

戻るこれをいまその安静時酸素消費量にたい ばない代償例ではこれらの傾向が軽度となり

する吸引各部分の酸素消費量の比率で現わすと むしろ健常例に近くなるこれを前項同様そ

図 11のようになるすなわち 12酸素吸引時の の安静時酸素消費量にたいする比率からみれば心

酸素消費量の安静時のそれにたいする比率は 不全例広おいては 12酸素吸引時 048--078

072--098平均08721酸素吸引時には 074-- 平均 06621酸素で 090--148平均工0780

125平均09980酸素吸引時には 093--111 酸素では bull081--120平均 097であり代償例で

平均103となる はそれぞれ 078---109平均094081--145

2) 心疾患例この実験成績はその肺容量な 平均10686--159平均112であるつぎに例

23

-386ー 千葉医学会雑誌 第33巻

をもって説明するFig 1L l2~ 21 ~ 1) 1例 (No80

tfClrmal 協 yen 彰刻 yen 開 t yen

軒ldquo~ldquoldquoldquoldquo(lt087 ldquouldquoldquoldquo~悩~仏99 区~悩術省官伺

103

伽元町蜘動~ Dsease 脇

Decolllp側 S蜘閥 yen

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112 際yen協 yen

066 10す 091

日狩剖rtL]n品ism 協yen 協 yen協 yen 1ρa 113

園oz-Up-ta長e α-l]p-ta~e t別館ch peT(entfOICJSen

帽弁狭窄閉鎖不全症

才の女性でゃく 6カ月

前からの体動時の息ぎ

れどうきなどがあり

さらに夜間発作性呼吸

困難が加わってきたので

入院したこの第1回検

査時の状態は胸部レ線

像上左第 234弓 および右第 2弓の軽度

な拡大があり肺うつ血

の像も著明で胸部右後

下部に湿性ラ音を開く

心電曲線上は僧帽性

P V3 -V日までの STTの下降があり心筋傷

害ないし心筋の低酸

素症を思わせた静脈圧

は135mmH 20W 法に

よる分時送血 量は 811minであった第2回検査時にはジギタリス

葉末で維持しているとき

であったがなお軽lsquoHeart Diseases 5 Tab 1

z芯r制杭出問ご討出治慌f刊t士官|医医臨立立2 lトトN尚陶陶陥a町叩m叩I紅me悶e

iq|引2認貌務矧話認判i22|読2ljziZ到引|器3j2| 5釘7完捻街1|関悶完詔引戸戸邦判

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I3611 200 1 1 Kl-I1~I10

227 1 230 11 1心中aFIJ「τ f 問

昨竺 i1 951 j868 1 33

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

~袋113に示す T 11ii誌片I~1 1 l i立lizii2引誌 i1誌託ii 引引 2isI Hlz1 22lI2引33|11おhellip

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可玄jKHj-20S--j吋州 247r 270

loJg- 百戸戸「五j1MI 216 1

にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

1私らい

弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

bull bull bullbull

-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

NyNo Age

O2Sat

Before||1022ll Air|18002VCCC-I|R V-ilMBC y|liHaY町PeDKritauhgrynr田 draism|flaeobis 02Up-take ccl|Lung VOIRZ血 es

541879 1

53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

1~IKHrてγidism 7251004 881 528242 142 286 2 I ~ IKH

961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

Card Disdi iacs 倒岱皿H tFiqyHFpr品 曲叫陶

Normal 制 帽

bullalsquo

bull bull- bull bull

hellip切さ符相会

lsquo bull 畠 会 lsquo bull bull

ebullbull bull bull bull bull ~ bull

2infinbullbullbull - 晶

A

- -

-

-2bull bullbull

- bull bull lsquo

bullbull bullbull bullbull ーbull

ー~ bull

d

nimH20で肝はやく 2横指

触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

120 21妬0 80XO

弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

らよ幽

吋B~H~A~O B~H~A~O sHArarrow B8eJOTe (in theAiT)

以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

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第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

(忠弘司ロ凶的)

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-392ー 謝論文附図 (ll) 第 33巻

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4

第 2号 謝高侭容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について -381-

引前の動脈血酸素飽和度は 860と少しさがって 生体の Homeostasisが成立する場合 ST-Tの恋

いるが呼吸系の反応はほど基本型であるo こ 化は軽微に止ることが知られてしるたとえこ

lsquoれにたいして分時送血量は低酸素吸引にょっ の菱化が高度であっても 100酸素を吸引させる

て一方的に絞りまた全末梢脈管抵抗も減って とこれらの斐化はきわめて短時間に快復する

いるので血圧値もこれに応じて 7分では縮期圧 図に例を示す (No1No 7)全例において

245弛期圧 349の率でさつがているこの分 ST同 T の菱化は 100酸素吸引により元の値に戻

時送血量の減少は 100酸素吸引時も依然とし った低酸素吸引により R-R間隔が短縮すること

て続き吸引中止後 10分で はじめて実験前の値 を考えに入れても大部分の Q間隔は図8に

に戻った これにたレして 全末梢脈管抵抗は 示すように Hegglin-Holzmannの計算値の Vari-

100酸素の血管への直接作用の結果 吸引 l分後 ationのうちで短縮の方向へ向い 100酸素吸引

には低酸素吸引 15分値の 12733分では 1204 では延長方向へ斐化するた Yし No6および

6分では 2523の増加を示すこのため 血 No7のように始めから この計算値の下界以下

圧値は侭酸素吸引 15分値にたいして縮期圧 372 にある例は低酸素吸引によってむしろ延長に向

弛期庄 710の増加を示すq このことは木例 う

の血管収縮性がきわめて充進していることを思わ 10) 血糖 図 9に示すように全例において低

せるo 酸素吸引時軽度ながら上昇する

10) 心電曲線上の ~1t 侭酸素吸引にたいして

Fig 7 Electrocardiographic Changes

No l M K 口 22yrs_ No 7 S T 0 45 yrs

Normal Health M s i+Hypertension

3 6 7 10

ast

QT

τE

ST

u

Timeti min

100

Fig 8 Changes in the Q-T Interval and its Relation Fig 9 Hypoxia and Blood Sugar

to the Holzmann-Hegglins Formula 11ω infin

Nll

Qτ( ~ETHETH8ec)

loo~a10ラOz 20

501

~ Bejoj棺

bull IlJ otof)1l

26

30

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Beere 35 7 10 15 20 8 8 7 10 nllle on in

A 1110事弘

55

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60 50 60 70 80 90 100 110

Pul8eRare~府仇

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたLする影響につして -383-

3 この篇の考案 で低酸素吸引後大体 7分前後でおこってしる司

臨床的に低酸素症をヒトにおこさせる場合吸 こLで呼吸数はさらに増加の度を増しでレる

引酸素容量の吟味がまず必要である心不全 ので明らかに中枢性のものと考えられるこの

肺気腫肺炎などのようにamp動脈血酸素飽和度を大 時点では呼吸数の増加があるために分時呼吸量

いにさげる疾患でもその動脈血酸素飽和度は多 の増加は 3分の時より一層著ししこれらのこ

くの場合 80以下にならなしさらに低酸素症 とから考えると低酸素症においてはやはり末

の場合いつも問題となる末梢化学受容体の低酸素 梢化学受容体の役割は重要でありこの点にかんし

刺激にたいする闘値は ComroeV Eulerゆなど では C HeymansSchmidtComroe(16)らの

によれば吸引ガスの酸素容量が 16あるいは 成績と同様である末梢性より量的には強くない

13~14 であるとされており しかも Drippら刊 が低酸素症により呼吸は中枢性にも興奮するこ

によれば 10酸素吸引による動脈血酸素飽和度 とは明らかであるこの末梢f昨受容体(頚脈動

は平均73であるとされているすなわちわ 体ならびに大動脈体〉の働らきは吸引酸素張

れわれが臨床で取り扱っている低酸素症とは ブ7が 670mmHg以上になると低酸素刺激にた

Wiggers(18)のしう低酸素症の時点にあるもので いして大体反応しなくなると考えられており

文字どおりの Anoxiaのそれではなし この点を このいわゆる機能的神経除去については Watt

考えてわたくしの実験でも高度な低酸素吸引を Dumke(19)らが動物で実際に頚動脈体および

さけ 10のものを使ったこのことは臨床的に 大動脈体の神経を除去し その前後で 100酸素

低酸素症の生休反応を見る場合にきわめて必要な 吸引を行わせ化学受容体のありかた如何によるこ

ことと考える同様な考え方から教室の森(1のは とを見ているわたくしの実験でも低酸素吸引に

かような比較的軽度な低酸素症の場合にも末梢化 つぐ 100酸素吸引の場合 当然このことが期

学受容体のldquointegrityが大切であると同時に 待されてよい事実 100酸素吸引によってそ

このことを過評価しではならないことまたこれ の気相反応は ゃく 20も減少した Comroe(り

らの生体反応には個体差が大きいことを述べた は慢性低酸素症の状態にあるものに急に 100

わたくしの実験例でも気相ならびに循環反応 酸素を吸引させる時とくに肺機能不全の状態に

でその度数分布が広い点はあながち小数例を あるものでは止息昏迷さらに昏睡にまでい

扱うからであるとしう理由ばかりによらないこ L たるものがあることを報告しているわたくしの実

にこの個体差のあることを考えるo 気相反応と化 験例にはこのようなものはなかった一般に高

学受容体のありかたについても上述のことがしえ 所に馴化されたヒトの千昨受容体の活動性は減少す

るすなわちこれを低酸素吸引の時間的経過とと るといわれておりまた Rahn(15)は高所に馴化

もにみると吸引後大体 3- 5分にもちろん されたヒトを急に常気圧下にもたらした場合そ

その発現の仕方はかならずしも一致するわけで の subnormalventilationがおとり しかも

はないが呼吸数 1回換気量 分時呼吸量などの 22000 feetに馴化された時にはそれが 30分間も

増加がありとくに 1回換気量は この時点で最 継続することを見たわたくしの取り扱った例7

大の増加率を示したこれはいわゆる即時反応 にはやはりこのようなことが考えられるすな

と呼ばれるもので末梢化学受容体反射によるもの わち その他の例では 末梢化学受容体反射は充

である高血圧症においてはこの末梢化学受容体 分にあり また 100酸素吸引時の subnormal

反射の過敏性があるあるいはないと議論の多 venti1ationも大体数分継続するにすぎないが

いところであるがく12)わたくしの扱った高血圧症 この例では末梢化学受容体反射も量的に少くか

例のこの時点における気相反応ば平均値を上廻 つ subnormal ventilationの継続が室内空気

るものが多かったそれゆえある程度その過敏 吸引後 10分でもなお認められてしるロ これら

性の存在を考えさせるのではないだろうかもちる の反射は Bjurstedtゅのいうようにまた酸

ん低酸素吸引中の血圧の下降による血圧受容体呼 塩基平衡とも関係してしるのでこの面からの研究

吸反射による影響も加味されているかも知れない も必要となる

がこの血圧値のさがりかたは小さし呼吸反応の 低酸素症の循環反応にかんしては繰り返し

第 2の山はいわゆる遅延反応と呼ばれるもの SchneiderTruesdellHeymansV Euler

-384- 千葉医 学会雑誌 第 33巻

Harrison(8)などによって述べられてしるしかし 例ではその収縮作用したがって全末梢脈管抵

ながら循環因子の個々について呼吸反応との相 抗の高まりかたは強いようであるこのことは

関において論じたものはない低酸素症にたいする No6で明らかに見られるこの増加率は実に

生体反応がもともと換気の増大循環血液量の 吸引後 1分で 12736分で 2523でありこれ

増加などにより減少しつつある血液の酸素運搬能 に伴なって血圧値もかなりの充進を示す容積弾

の代償機転であることを考える時これらの相関を-性率についてはもちろん各例ごとに違うが吸

見ることは必要である Wiggers(lめは低酸素症の 引の後期にいたって その減少する 間の多くなるのa

時期においては循環促進 (cardiacaccerelation) は一つの代償機転の失調の現れであると息われ

が換気の菱化に先行すると述べているがわたく る血圧値にかんしては C Heymansゆ V

しの実験例では末梢反射性には気相反応とほ Euler斎藤(11)らによって 化学受容体にたいす

とんど同一時点において即時反応が見られ遅延友 る低酸素刺激の直接作用により一般に上昇する

応と見られる時点での菱化は一般に気相反応の とされているがわたくしの例では区々であり

出現よりも後期すなわち 10---15分あたりにそ 検体の特性吸引条件などを考慮して論じなければ

の最大反応が現われているようであったこのこ ならなし

とはとくに分時送血量全末梢脈管抵抗容積 心電曲線では低酸素吸引中そのLTの増大

弾性率などについていえる分時送血量について することが知られているがわたくしの例で と

は これらのことならびに 14酸素吸引例に くにその電気的収縮時間 QT がはじめより

おいてもその充分な増加のある点から考えて Hegglin-Holzlllannの計算値以上に延長していた

Harrison(9)らのいうように分時送血量の斐動を No 6NO7では他のt例と反対に 低酸素吸引

Anoxemia thresholdとじてかならずしも動 によりますます延長したがこのことは心効率

脈血酸素飽和度との関聯の下に考えることはできな の悪化した兆候とみなされることに No6で

いわたくしの実験例では分時送血量は 1例を は分時送血量が減少した教室の森は 100酸

除いて全例において増加した全末梢脈管抵抗 素吸引を行った場合その脈管収縮性の高まってい

は低酸素吸号|の後期にいたりほとんど全例で るような例では STT のさがりかたが低酸素吸

下降しているがこの観察時間内の範囲にかんする 引中より むしろ 100酸素吸引直後に高度とな

かぎり血中 CO2濃度とは関係がないようである ることを狭心症の 1例に見ているしかしわた

また 一般に 100酸素吸引の効果は その脈 くしの実験例の範囲にはこのようなものがなかっ

管にたいしては a 直接作用として収縮性に た

b 末梢化学受容体を介しては反射的に拡張性に 血糖については一般にいわれているような成績

作用する二つの異った因子の総合であるが とく であったl

に高血圧症のように脈管収縮性の高まっている

4 との篇のまとめ

いろいろな病期にある高血圧症 6例 肺疾患 2例 健常者 1例に低酸素 (10)ならび

に 100酸素を連続的に吸引きせその聞の呼吸および 循環数値の変動を化学受容体

のありかたを考慮しながら検討した

1) 低酸素吸引後その即時反応は 3-5分 遅延反応は 710分に最大点があるこの

場合呼吸においては即時反応が循環においては遅延反応の方がそれぞれより優勢で

あり循環の遅延反応は呼吸のそれよりいくぶん遅れて現れるまた即時反応におい

ては末梢化学受容体の役割が中枢のそれよりさらに重要である

2) 化学受容体反射とくに末梢化学受容体反射の低酸素ならびに高容量酸素にた

いする反応度は疾患の種類またその低酸素血症の程度などにより異るが高血圧症にお

Am

r

d

A

第 2号 謝高 fJf容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について

いては一般に低酸素でその充進があるO

3) Wezler法により時間を追って測定した分時送血量全末檎脈管抵抗容積弾性率な

どで一般には低酸素吸引によって分時送血量の増加全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率の減少が見られるがこれら循環数値の変動はその他の循環因子および心筋の状態

などを考慮した上で論ずる必要がる

lsquo 4) 高容量酸素吸引によって血圧値が異常に上昇するような例ではその全体柏末脈管抵

抗の増大のあることより考えてそれは脈管収縮性の高まりによるものと思われるO

11 定量的観察

1 実験方法ならびに実験対象 Cas長斗 ~JH C Landen(lO)は特殊な Ergometerを用

い 心肺疾患患者に運動負荷を与え そのあいだN01 Age r山 IBefぽ e112 0~I Air 180 O2

の酸素消費量肺活量分時最大呼吸量などを 1届y 11日8い76 戸7同J spir句 raphischに測定して種々の機能検査を行 2 1属1s81 210 1 184 I219 1 216

低酸素吸引に置き換えたすなわち Knipping3l-員 1JMI 220 I 18司 215 1 206

っているがわたくしはこの運動負荷の部分を

I届lY装置2台を用いその気槽中にあらかじめ満して 4 MI 226 I 213 I戸47 I 230

おいた 12酸素 21酸素(室内空気) 80酸 5 1 ~ IK KI 168 1 165 I 135 1 188 素を呼気中の炭酸ガスは苛性カ Dによって除去し

61 ~ 1C EI 192 1 139 1 219 1 187 ながらこの順序でそれぞれ 3分間逐次的に

被検者に吸引させ その各部分における酸素消費 7届luTI 168 I 146 I 168 1 181

量を吸引 3分自の spirographischeKurveから 8 HI 265I 231 お f 幻 1昼lu I 255

算定したなお被検者にゃく 20分間安静を保

たせたのち同時に安静時酸素消費量の測定を行つ 9 1届1T NI 200 I 174 I 矧 1221

た らびに血液ガス所見とともに表 5に示すこの

対象は千葉大学第二内科にス院した心疾患 16 うち症例 1から 6までは臨床的に心不全の兆

例 甲状腺機能允進症 12例 甲状腺機能允進性心 候が明らかなものでありそれは主として左室不

疾患2例ほかに健常例9例である 全ないしは二次性両室不全の例であるこれら

2 実験成績 心疾患での吸引成績を心不全例と代償例とに分け

1) 健常例この測定の実際は図 10に示図す て図 11に示すすなわち心不全例では 12酸

こ示すすなわち安静時酸14また実験成績は表 素吸引時の酸素消費量は安静時のそれに比して

素消費量は 12酸素吸引によってやふ減り気 健常例におけるよりもーだんと少くなり さら

味であり 21さらに80酸素吸写へと愛動はあ に 21酸素吸引にすると著明に増加し 80酸

るがそれは大体 30 ccmin以内であり 80 素のもとでは 21吸引時よりは軽度の被少ない

酸素吸引時の酸素消費量はほとんど実験前値に し不安でこの値はまた実験前値にや込及

戻るこれをいまその安静時酸素消費量にたい ばない代償例ではこれらの傾向が軽度となり

する吸引各部分の酸素消費量の比率で現わすと むしろ健常例に近くなるこれを前項同様そ

図 11のようになるすなわち 12酸素吸引時の の安静時酸素消費量にたいする比率からみれば心

酸素消費量の安静時のそれにたいする比率は 不全例広おいては 12酸素吸引時 048--078

072--098平均08721酸素吸引時には 074-- 平均 06621酸素で 090--148平均工0780

125平均09980酸素吸引時には 093--111 酸素では bull081--120平均 097であり代償例で

平均103となる はそれぞれ 078---109平均094081--145

2) 心疾患例この実験成績はその肺容量な 平均10686--159平均112であるつぎに例

23

-386ー 千葉医学会雑誌 第33巻

をもって説明するFig 1L l2~ 21 ~ 1) 1例 (No80

tfClrmal 協 yen 彰刻 yen 開 t yen

軒ldquo~ldquoldquoldquoldquo(lt087 ldquouldquoldquoldquo~悩~仏99 区~悩術省官伺

103

伽元町蜘動~ Dsease 脇

Decolllp側 S蜘閥 yen

~ 隊yen膨活 yen

112 際yen協 yen

066 10す 091

日狩剖rtL]n品ism 協yen 協 yen協 yen 1ρa 113

園oz-Up-ta長e α-l]p-ta~e t別館ch peT(entfOICJSen

帽弁狭窄閉鎖不全症

才の女性でゃく 6カ月

前からの体動時の息ぎ

れどうきなどがあり

さらに夜間発作性呼吸

困難が加わってきたので

入院したこの第1回検

査時の状態は胸部レ線

像上左第 234弓 および右第 2弓の軽度

な拡大があり肺うつ血

の像も著明で胸部右後

下部に湿性ラ音を開く

心電曲線上は僧帽性

P V3 -V日までの STTの下降があり心筋傷

害ないし心筋の低酸

素症を思わせた静脈圧

は135mmH 20W 法に

よる分時送血 量は 811minであった第2回検査時にはジギタリス

葉末で維持しているとき

であったがなお軽lsquoHeart Diseases 5 Tab 1

z芯r制杭出問ご討出治慌f刊t士官|医医臨立立2 lトトN尚陶陶陥a町叩m叩I紅me悶e

iq|引2認貌務矧話認判i22|読2ljziZ到引|器3j2| 5釘7完捻街1|関悶完詔引戸戸邦判

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I3611 200 1 1 Kl-I1~I10

227 1 230 11 1心中aFIJ「τ f 問

昨竺 i1 951 j868 1 33

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

~袋113に示す T 11ii誌片I~1 1 l i立lizii2引誌 i1誌託ii 引引 2isI Hlz1 22lI2引33|11おhellip

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可玄jKHj-20S--j吋州 247r 270

loJg- 百戸戸「五j1MI 216 1

にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

1私らい

弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

bull bull bullbull

-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

NyNo Age

O2Sat

Before||1022ll Air|18002VCCC-I|R V-ilMBC y|liHaY町PeDKritauhgrynr田 draism|flaeobis 02Up-take ccl|Lung VOIRZ血 es

541879 1

53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

1~IKHrてγidism 7251004 881 528242 142 286 2 I ~ IKH

961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

Card Disdi iacs 倒岱皿H tFiqyHFpr品 曲叫陶

Normal 制 帽

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hellip切さ符相会

lsquo bull 畠 会 lsquo bull bull

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nimH20で肝はやく 2横指

触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

120 21妬0 80XO

弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

らよ幽

吋B~H~A~O B~H~A~O sHArarrow B8eJOTe (in theAiT)

以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

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第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

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-392ー 謝論文附図 (ll) 第 33巻

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100

Fig 8 Changes in the Q-T Interval and its Relation Fig 9 Hypoxia and Blood Sugar

to the Holzmann-Hegglins Formula 11ω infin

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第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたLする影響につして -383-

3 この篇の考案 で低酸素吸引後大体 7分前後でおこってしる司

臨床的に低酸素症をヒトにおこさせる場合吸 こLで呼吸数はさらに増加の度を増しでレる

引酸素容量の吟味がまず必要である心不全 ので明らかに中枢性のものと考えられるこの

肺気腫肺炎などのようにamp動脈血酸素飽和度を大 時点では呼吸数の増加があるために分時呼吸量

いにさげる疾患でもその動脈血酸素飽和度は多 の増加は 3分の時より一層著ししこれらのこ

くの場合 80以下にならなしさらに低酸素症 とから考えると低酸素症においてはやはり末

の場合いつも問題となる末梢化学受容体の低酸素 梢化学受容体の役割は重要でありこの点にかんし

刺激にたいする闘値は ComroeV Eulerゆなど では C HeymansSchmidtComroe(16)らの

によれば吸引ガスの酸素容量が 16あるいは 成績と同様である末梢性より量的には強くない

13~14 であるとされており しかも Drippら刊 が低酸素症により呼吸は中枢性にも興奮するこ

によれば 10酸素吸引による動脈血酸素飽和度 とは明らかであるこの末梢f昨受容体(頚脈動

は平均73であるとされているすなわちわ 体ならびに大動脈体〉の働らきは吸引酸素張

れわれが臨床で取り扱っている低酸素症とは ブ7が 670mmHg以上になると低酸素刺激にた

Wiggers(18)のしう低酸素症の時点にあるもので いして大体反応しなくなると考えられており

文字どおりの Anoxiaのそれではなし この点を このいわゆる機能的神経除去については Watt

考えてわたくしの実験でも高度な低酸素吸引を Dumke(19)らが動物で実際に頚動脈体および

さけ 10のものを使ったこのことは臨床的に 大動脈体の神経を除去し その前後で 100酸素

低酸素症の生休反応を見る場合にきわめて必要な 吸引を行わせ化学受容体のありかた如何によるこ

ことと考える同様な考え方から教室の森(1のは とを見ているわたくしの実験でも低酸素吸引に

かような比較的軽度な低酸素症の場合にも末梢化 つぐ 100酸素吸引の場合 当然このことが期

学受容体のldquointegrityが大切であると同時に 待されてよい事実 100酸素吸引によってそ

このことを過評価しではならないことまたこれ の気相反応は ゃく 20も減少した Comroe(り

らの生体反応には個体差が大きいことを述べた は慢性低酸素症の状態にあるものに急に 100

わたくしの実験例でも気相ならびに循環反応 酸素を吸引させる時とくに肺機能不全の状態に

でその度数分布が広い点はあながち小数例を あるものでは止息昏迷さらに昏睡にまでい

扱うからであるとしう理由ばかりによらないこ L たるものがあることを報告しているわたくしの実

にこの個体差のあることを考えるo 気相反応と化 験例にはこのようなものはなかった一般に高

学受容体のありかたについても上述のことがしえ 所に馴化されたヒトの千昨受容体の活動性は減少す

るすなわちこれを低酸素吸引の時間的経過とと るといわれておりまた Rahn(15)は高所に馴化

もにみると吸引後大体 3- 5分にもちろん されたヒトを急に常気圧下にもたらした場合そ

その発現の仕方はかならずしも一致するわけで の subnormalventilationがおとり しかも

はないが呼吸数 1回換気量 分時呼吸量などの 22000 feetに馴化された時にはそれが 30分間も

増加がありとくに 1回換気量は この時点で最 継続することを見たわたくしの取り扱った例7

大の増加率を示したこれはいわゆる即時反応 にはやはりこのようなことが考えられるすな

と呼ばれるもので末梢化学受容体反射によるもの わち その他の例では 末梢化学受容体反射は充

である高血圧症においてはこの末梢化学受容体 分にあり また 100酸素吸引時の subnormal

反射の過敏性があるあるいはないと議論の多 venti1ationも大体数分継続するにすぎないが

いところであるがく12)わたくしの扱った高血圧症 この例では末梢化学受容体反射も量的に少くか

例のこの時点における気相反応ば平均値を上廻 つ subnormal ventilationの継続が室内空気

るものが多かったそれゆえある程度その過敏 吸引後 10分でもなお認められてしるロ これら

性の存在を考えさせるのではないだろうかもちる の反射は Bjurstedtゅのいうようにまた酸

ん低酸素吸引中の血圧の下降による血圧受容体呼 塩基平衡とも関係してしるのでこの面からの研究

吸反射による影響も加味されているかも知れない も必要となる

がこの血圧値のさがりかたは小さし呼吸反応の 低酸素症の循環反応にかんしては繰り返し

第 2の山はいわゆる遅延反応と呼ばれるもの SchneiderTruesdellHeymansV Euler

-384- 千葉医 学会雑誌 第 33巻

Harrison(8)などによって述べられてしるしかし 例ではその収縮作用したがって全末梢脈管抵

ながら循環因子の個々について呼吸反応との相 抗の高まりかたは強いようであるこのことは

関において論じたものはない低酸素症にたいする No6で明らかに見られるこの増加率は実に

生体反応がもともと換気の増大循環血液量の 吸引後 1分で 12736分で 2523でありこれ

増加などにより減少しつつある血液の酸素運搬能 に伴なって血圧値もかなりの充進を示す容積弾

の代償機転であることを考える時これらの相関を-性率についてはもちろん各例ごとに違うが吸

見ることは必要である Wiggers(lめは低酸素症の 引の後期にいたって その減少する 間の多くなるのa

時期においては循環促進 (cardiacaccerelation) は一つの代償機転の失調の現れであると息われ

が換気の菱化に先行すると述べているがわたく る血圧値にかんしては C Heymansゆ V

しの実験例では末梢反射性には気相反応とほ Euler斎藤(11)らによって 化学受容体にたいす

とんど同一時点において即時反応が見られ遅延友 る低酸素刺激の直接作用により一般に上昇する

応と見られる時点での菱化は一般に気相反応の とされているがわたくしの例では区々であり

出現よりも後期すなわち 10---15分あたりにそ 検体の特性吸引条件などを考慮して論じなければ

の最大反応が現われているようであったこのこ ならなし

とはとくに分時送血量全末梢脈管抵抗容積 心電曲線では低酸素吸引中そのLTの増大

弾性率などについていえる分時送血量について することが知られているがわたくしの例で と

は これらのことならびに 14酸素吸引例に くにその電気的収縮時間 QT がはじめより

おいてもその充分な増加のある点から考えて Hegglin-Holzlllannの計算値以上に延長していた

Harrison(9)らのいうように分時送血量の斐動を No 6NO7では他のt例と反対に 低酸素吸引

Anoxemia thresholdとじてかならずしも動 によりますます延長したがこのことは心効率

脈血酸素飽和度との関聯の下に考えることはできな の悪化した兆候とみなされることに No6で

いわたくしの実験例では分時送血量は 1例を は分時送血量が減少した教室の森は 100酸

除いて全例において増加した全末梢脈管抵抗 素吸引を行った場合その脈管収縮性の高まってい

は低酸素吸号|の後期にいたりほとんど全例で るような例では STT のさがりかたが低酸素吸

下降しているがこの観察時間内の範囲にかんする 引中より むしろ 100酸素吸引直後に高度とな

かぎり血中 CO2濃度とは関係がないようである ることを狭心症の 1例に見ているしかしわた

また 一般に 100酸素吸引の効果は その脈 くしの実験例の範囲にはこのようなものがなかっ

管にたいしては a 直接作用として収縮性に た

b 末梢化学受容体を介しては反射的に拡張性に 血糖については一般にいわれているような成績

作用する二つの異った因子の総合であるが とく であったl

に高血圧症のように脈管収縮性の高まっている

4 との篇のまとめ

いろいろな病期にある高血圧症 6例 肺疾患 2例 健常者 1例に低酸素 (10)ならび

に 100酸素を連続的に吸引きせその聞の呼吸および 循環数値の変動を化学受容体

のありかたを考慮しながら検討した

1) 低酸素吸引後その即時反応は 3-5分 遅延反応は 710分に最大点があるこの

場合呼吸においては即時反応が循環においては遅延反応の方がそれぞれより優勢で

あり循環の遅延反応は呼吸のそれよりいくぶん遅れて現れるまた即時反応におい

ては末梢化学受容体の役割が中枢のそれよりさらに重要である

2) 化学受容体反射とくに末梢化学受容体反射の低酸素ならびに高容量酸素にた

いする反応度は疾患の種類またその低酸素血症の程度などにより異るが高血圧症にお

Am

r

d

A

第 2号 謝高 fJf容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について

いては一般に低酸素でその充進があるO

3) Wezler法により時間を追って測定した分時送血量全末檎脈管抵抗容積弾性率な

どで一般には低酸素吸引によって分時送血量の増加全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率の減少が見られるがこれら循環数値の変動はその他の循環因子および心筋の状態

などを考慮した上で論ずる必要がる

lsquo 4) 高容量酸素吸引によって血圧値が異常に上昇するような例ではその全体柏末脈管抵

抗の増大のあることより考えてそれは脈管収縮性の高まりによるものと思われるO

11 定量的観察

1 実験方法ならびに実験対象 Cas長斗 ~JH C Landen(lO)は特殊な Ergometerを用

い 心肺疾患患者に運動負荷を与え そのあいだN01 Age r山 IBefぽ e112 0~I Air 180 O2

の酸素消費量肺活量分時最大呼吸量などを 1届y 11日8い76 戸7同J spir句 raphischに測定して種々の機能検査を行 2 1属1s81 210 1 184 I219 1 216

低酸素吸引に置き換えたすなわち Knipping3l-員 1JMI 220 I 18司 215 1 206

っているがわたくしはこの運動負荷の部分を

I届lY装置2台を用いその気槽中にあらかじめ満して 4 MI 226 I 213 I戸47 I 230

おいた 12酸素 21酸素(室内空気) 80酸 5 1 ~ IK KI 168 1 165 I 135 1 188 素を呼気中の炭酸ガスは苛性カ Dによって除去し

61 ~ 1C EI 192 1 139 1 219 1 187 ながらこの順序でそれぞれ 3分間逐次的に

被検者に吸引させ その各部分における酸素消費 7届luTI 168 I 146 I 168 1 181

量を吸引 3分自の spirographischeKurveから 8 HI 265I 231 お f 幻 1昼lu I 255

算定したなお被検者にゃく 20分間安静を保

たせたのち同時に安静時酸素消費量の測定を行つ 9 1届1T NI 200 I 174 I 矧 1221

た らびに血液ガス所見とともに表 5に示すこの

対象は千葉大学第二内科にス院した心疾患 16 うち症例 1から 6までは臨床的に心不全の兆

例 甲状腺機能允進症 12例 甲状腺機能允進性心 候が明らかなものでありそれは主として左室不

疾患2例ほかに健常例9例である 全ないしは二次性両室不全の例であるこれら

2 実験成績 心疾患での吸引成績を心不全例と代償例とに分け

1) 健常例この測定の実際は図 10に示図す て図 11に示すすなわち心不全例では 12酸

こ示すすなわち安静時酸14また実験成績は表 素吸引時の酸素消費量は安静時のそれに比して

素消費量は 12酸素吸引によってやふ減り気 健常例におけるよりもーだんと少くなり さら

味であり 21さらに80酸素吸写へと愛動はあ に 21酸素吸引にすると著明に増加し 80酸

るがそれは大体 30 ccmin以内であり 80 素のもとでは 21吸引時よりは軽度の被少ない

酸素吸引時の酸素消費量はほとんど実験前値に し不安でこの値はまた実験前値にや込及

戻るこれをいまその安静時酸素消費量にたい ばない代償例ではこれらの傾向が軽度となり

する吸引各部分の酸素消費量の比率で現わすと むしろ健常例に近くなるこれを前項同様そ

図 11のようになるすなわち 12酸素吸引時の の安静時酸素消費量にたいする比率からみれば心

酸素消費量の安静時のそれにたいする比率は 不全例広おいては 12酸素吸引時 048--078

072--098平均08721酸素吸引時には 074-- 平均 06621酸素で 090--148平均工0780

125平均09980酸素吸引時には 093--111 酸素では bull081--120平均 097であり代償例で

平均103となる はそれぞれ 078---109平均094081--145

2) 心疾患例この実験成績はその肺容量な 平均10686--159平均112であるつぎに例

23

-386ー 千葉医学会雑誌 第33巻

をもって説明するFig 1L l2~ 21 ~ 1) 1例 (No80

tfClrmal 協 yen 彰刻 yen 開 t yen

軒ldquo~ldquoldquoldquoldquo(lt087 ldquouldquoldquoldquo~悩~仏99 区~悩術省官伺

103

伽元町蜘動~ Dsease 脇

Decolllp側 S蜘閥 yen

~ 隊yen膨活 yen

112 際yen協 yen

066 10す 091

日狩剖rtL]n品ism 協yen 協 yen協 yen 1ρa 113

園oz-Up-ta長e α-l]p-ta~e t別館ch peT(entfOICJSen

帽弁狭窄閉鎖不全症

才の女性でゃく 6カ月

前からの体動時の息ぎ

れどうきなどがあり

さらに夜間発作性呼吸

困難が加わってきたので

入院したこの第1回検

査時の状態は胸部レ線

像上左第 234弓 および右第 2弓の軽度

な拡大があり肺うつ血

の像も著明で胸部右後

下部に湿性ラ音を開く

心電曲線上は僧帽性

P V3 -V日までの STTの下降があり心筋傷

害ないし心筋の低酸

素症を思わせた静脈圧

は135mmH 20W 法に

よる分時送血 量は 811minであった第2回検査時にはジギタリス

葉末で維持しているとき

であったがなお軽lsquoHeart Diseases 5 Tab 1

z芯r制杭出問ご討出治慌f刊t士官|医医臨立立2 lトトN尚陶陶陥a町叩m叩I紅me悶e

iq|引2認貌務矧話認判i22|読2ljziZ到引|器3j2| 5釘7完捻街1|関悶完詔引戸戸邦判

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1531 1 1516引781川51 g Is KI M s 1 7781111沌沼 日 臼 f 219 61付89制 20 6川|副AS[d陀件白似今infinc OI官官芯設2E担汗 lバ4叫191r川日叫211 170 1761吋Tt 問附

111日叫423130閃 凶同お抑

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92811 1551~771 9831 414 i 141 1 87[ 97 1iM sIF HI918 86 1891 552 1100 If18101225 1 191 1 256 1 234 1 75 1

I3611 200 1 1 Kl-I1~I10

227 1 230 11 1心中aFIJ「τ f 問

昨竺 i1 951 j868 1 33

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

~袋113に示す T 11ii誌片I~1 1 l i立lizii2引誌 i1誌託ii 引引 2isI Hlz1 22lI2引33|11おhellip

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同院協附除物陰惨帆

3181M SI 199 r叫叫 ml240

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4出MHI 174 j同州州 140

5 I gI 1 Y J 203 l叫2541叫 372 6 I ~ yenH KI 212 1197]叫 221] 155

7 I~ I1 T[25o I 2431261 1 28~ 1 200

8 1 ~ 1MuI172い43[州 242[ 153

可玄jKHj-20S--j吋州 247r 270

loJg- 百戸戸「五j1MI 216 1

にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

1私らい

弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

bull bull bullbull

-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

NyNo Age

O2Sat

Before||1022ll Air|18002VCCC-I|R V-ilMBC y|liHaY町PeDKritauhgrynr田 draism|flaeobis 02Up-take ccl|Lung VOIRZ血 es

541879 1

53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

1~IKHrてγidism 7251004 881 528242 142 286 2 I ~ IKH

961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

Card Disdi iacs 倒岱皿H tFiqyHFpr品 曲叫陶

Normal 制 帽

bullalsquo

bull bull- bull bull

hellip切さ符相会

lsquo bull 畠 会 lsquo bull bull

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- bull bull lsquo

bullbull bullbull bullbull ーbull

ー~ bull

d

nimH20で肝はやく 2横指

触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

120 21妬0 80XO

弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

らよ幽

吋B~H~A~O B~H~A~O sHArarrow B8eJOTe (in theAiT)

以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

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第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

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-392ー 謝論文附図 (ll) 第 33巻

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第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたLする影響につして -383-

3 この篇の考案 で低酸素吸引後大体 7分前後でおこってしる司

臨床的に低酸素症をヒトにおこさせる場合吸 こLで呼吸数はさらに増加の度を増しでレる

引酸素容量の吟味がまず必要である心不全 ので明らかに中枢性のものと考えられるこの

肺気腫肺炎などのようにamp動脈血酸素飽和度を大 時点では呼吸数の増加があるために分時呼吸量

いにさげる疾患でもその動脈血酸素飽和度は多 の増加は 3分の時より一層著ししこれらのこ

くの場合 80以下にならなしさらに低酸素症 とから考えると低酸素症においてはやはり末

の場合いつも問題となる末梢化学受容体の低酸素 梢化学受容体の役割は重要でありこの点にかんし

刺激にたいする闘値は ComroeV Eulerゆなど では C HeymansSchmidtComroe(16)らの

によれば吸引ガスの酸素容量が 16あるいは 成績と同様である末梢性より量的には強くない

13~14 であるとされており しかも Drippら刊 が低酸素症により呼吸は中枢性にも興奮するこ

によれば 10酸素吸引による動脈血酸素飽和度 とは明らかであるこの末梢f昨受容体(頚脈動

は平均73であるとされているすなわちわ 体ならびに大動脈体〉の働らきは吸引酸素張

れわれが臨床で取り扱っている低酸素症とは ブ7が 670mmHg以上になると低酸素刺激にた

Wiggers(18)のしう低酸素症の時点にあるもので いして大体反応しなくなると考えられており

文字どおりの Anoxiaのそれではなし この点を このいわゆる機能的神経除去については Watt

考えてわたくしの実験でも高度な低酸素吸引を Dumke(19)らが動物で実際に頚動脈体および

さけ 10のものを使ったこのことは臨床的に 大動脈体の神経を除去し その前後で 100酸素

低酸素症の生休反応を見る場合にきわめて必要な 吸引を行わせ化学受容体のありかた如何によるこ

ことと考える同様な考え方から教室の森(1のは とを見ているわたくしの実験でも低酸素吸引に

かような比較的軽度な低酸素症の場合にも末梢化 つぐ 100酸素吸引の場合 当然このことが期

学受容体のldquointegrityが大切であると同時に 待されてよい事実 100酸素吸引によってそ

このことを過評価しではならないことまたこれ の気相反応は ゃく 20も減少した Comroe(り

らの生体反応には個体差が大きいことを述べた は慢性低酸素症の状態にあるものに急に 100

わたくしの実験例でも気相ならびに循環反応 酸素を吸引させる時とくに肺機能不全の状態に

でその度数分布が広い点はあながち小数例を あるものでは止息昏迷さらに昏睡にまでい

扱うからであるとしう理由ばかりによらないこ L たるものがあることを報告しているわたくしの実

にこの個体差のあることを考えるo 気相反応と化 験例にはこのようなものはなかった一般に高

学受容体のありかたについても上述のことがしえ 所に馴化されたヒトの千昨受容体の活動性は減少す

るすなわちこれを低酸素吸引の時間的経過とと るといわれておりまた Rahn(15)は高所に馴化

もにみると吸引後大体 3- 5分にもちろん されたヒトを急に常気圧下にもたらした場合そ

その発現の仕方はかならずしも一致するわけで の subnormalventilationがおとり しかも

はないが呼吸数 1回換気量 分時呼吸量などの 22000 feetに馴化された時にはそれが 30分間も

増加がありとくに 1回換気量は この時点で最 継続することを見たわたくしの取り扱った例7

大の増加率を示したこれはいわゆる即時反応 にはやはりこのようなことが考えられるすな

と呼ばれるもので末梢化学受容体反射によるもの わち その他の例では 末梢化学受容体反射は充

である高血圧症においてはこの末梢化学受容体 分にあり また 100酸素吸引時の subnormal

反射の過敏性があるあるいはないと議論の多 venti1ationも大体数分継続するにすぎないが

いところであるがく12)わたくしの扱った高血圧症 この例では末梢化学受容体反射も量的に少くか

例のこの時点における気相反応ば平均値を上廻 つ subnormal ventilationの継続が室内空気

るものが多かったそれゆえある程度その過敏 吸引後 10分でもなお認められてしるロ これら

性の存在を考えさせるのではないだろうかもちる の反射は Bjurstedtゅのいうようにまた酸

ん低酸素吸引中の血圧の下降による血圧受容体呼 塩基平衡とも関係してしるのでこの面からの研究

吸反射による影響も加味されているかも知れない も必要となる

がこの血圧値のさがりかたは小さし呼吸反応の 低酸素症の循環反応にかんしては繰り返し

第 2の山はいわゆる遅延反応と呼ばれるもの SchneiderTruesdellHeymansV Euler

-384- 千葉医 学会雑誌 第 33巻

Harrison(8)などによって述べられてしるしかし 例ではその収縮作用したがって全末梢脈管抵

ながら循環因子の個々について呼吸反応との相 抗の高まりかたは強いようであるこのことは

関において論じたものはない低酸素症にたいする No6で明らかに見られるこの増加率は実に

生体反応がもともと換気の増大循環血液量の 吸引後 1分で 12736分で 2523でありこれ

増加などにより減少しつつある血液の酸素運搬能 に伴なって血圧値もかなりの充進を示す容積弾

の代償機転であることを考える時これらの相関を-性率についてはもちろん各例ごとに違うが吸

見ることは必要である Wiggers(lめは低酸素症の 引の後期にいたって その減少する 間の多くなるのa

時期においては循環促進 (cardiacaccerelation) は一つの代償機転の失調の現れであると息われ

が換気の菱化に先行すると述べているがわたく る血圧値にかんしては C Heymansゆ V

しの実験例では末梢反射性には気相反応とほ Euler斎藤(11)らによって 化学受容体にたいす

とんど同一時点において即時反応が見られ遅延友 る低酸素刺激の直接作用により一般に上昇する

応と見られる時点での菱化は一般に気相反応の とされているがわたくしの例では区々であり

出現よりも後期すなわち 10---15分あたりにそ 検体の特性吸引条件などを考慮して論じなければ

の最大反応が現われているようであったこのこ ならなし

とはとくに分時送血量全末梢脈管抵抗容積 心電曲線では低酸素吸引中そのLTの増大

弾性率などについていえる分時送血量について することが知られているがわたくしの例で と

は これらのことならびに 14酸素吸引例に くにその電気的収縮時間 QT がはじめより

おいてもその充分な増加のある点から考えて Hegglin-Holzlllannの計算値以上に延長していた

Harrison(9)らのいうように分時送血量の斐動を No 6NO7では他のt例と反対に 低酸素吸引

Anoxemia thresholdとじてかならずしも動 によりますます延長したがこのことは心効率

脈血酸素飽和度との関聯の下に考えることはできな の悪化した兆候とみなされることに No6で

いわたくしの実験例では分時送血量は 1例を は分時送血量が減少した教室の森は 100酸

除いて全例において増加した全末梢脈管抵抗 素吸引を行った場合その脈管収縮性の高まってい

は低酸素吸号|の後期にいたりほとんど全例で るような例では STT のさがりかたが低酸素吸

下降しているがこの観察時間内の範囲にかんする 引中より むしろ 100酸素吸引直後に高度とな

かぎり血中 CO2濃度とは関係がないようである ることを狭心症の 1例に見ているしかしわた

また 一般に 100酸素吸引の効果は その脈 くしの実験例の範囲にはこのようなものがなかっ

管にたいしては a 直接作用として収縮性に た

b 末梢化学受容体を介しては反射的に拡張性に 血糖については一般にいわれているような成績

作用する二つの異った因子の総合であるが とく であったl

に高血圧症のように脈管収縮性の高まっている

4 との篇のまとめ

いろいろな病期にある高血圧症 6例 肺疾患 2例 健常者 1例に低酸素 (10)ならび

に 100酸素を連続的に吸引きせその聞の呼吸および 循環数値の変動を化学受容体

のありかたを考慮しながら検討した

1) 低酸素吸引後その即時反応は 3-5分 遅延反応は 710分に最大点があるこの

場合呼吸においては即時反応が循環においては遅延反応の方がそれぞれより優勢で

あり循環の遅延反応は呼吸のそれよりいくぶん遅れて現れるまた即時反応におい

ては末梢化学受容体の役割が中枢のそれよりさらに重要である

2) 化学受容体反射とくに末梢化学受容体反射の低酸素ならびに高容量酸素にた

いする反応度は疾患の種類またその低酸素血症の程度などにより異るが高血圧症にお

Am

r

d

A

第 2号 謝高 fJf容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について

いては一般に低酸素でその充進があるO

3) Wezler法により時間を追って測定した分時送血量全末檎脈管抵抗容積弾性率な

どで一般には低酸素吸引によって分時送血量の増加全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率の減少が見られるがこれら循環数値の変動はその他の循環因子および心筋の状態

などを考慮した上で論ずる必要がる

lsquo 4) 高容量酸素吸引によって血圧値が異常に上昇するような例ではその全体柏末脈管抵

抗の増大のあることより考えてそれは脈管収縮性の高まりによるものと思われるO

11 定量的観察

1 実験方法ならびに実験対象 Cas長斗 ~JH C Landen(lO)は特殊な Ergometerを用

い 心肺疾患患者に運動負荷を与え そのあいだN01 Age r山 IBefぽ e112 0~I Air 180 O2

の酸素消費量肺活量分時最大呼吸量などを 1届y 11日8い76 戸7同J spir句 raphischに測定して種々の機能検査を行 2 1属1s81 210 1 184 I219 1 216

低酸素吸引に置き換えたすなわち Knipping3l-員 1JMI 220 I 18司 215 1 206

っているがわたくしはこの運動負荷の部分を

I届lY装置2台を用いその気槽中にあらかじめ満して 4 MI 226 I 213 I戸47 I 230

おいた 12酸素 21酸素(室内空気) 80酸 5 1 ~ IK KI 168 1 165 I 135 1 188 素を呼気中の炭酸ガスは苛性カ Dによって除去し

61 ~ 1C EI 192 1 139 1 219 1 187 ながらこの順序でそれぞれ 3分間逐次的に

被検者に吸引させ その各部分における酸素消費 7届luTI 168 I 146 I 168 1 181

量を吸引 3分自の spirographischeKurveから 8 HI 265I 231 お f 幻 1昼lu I 255

算定したなお被検者にゃく 20分間安静を保

たせたのち同時に安静時酸素消費量の測定を行つ 9 1届1T NI 200 I 174 I 矧 1221

た らびに血液ガス所見とともに表 5に示すこの

対象は千葉大学第二内科にス院した心疾患 16 うち症例 1から 6までは臨床的に心不全の兆

例 甲状腺機能允進症 12例 甲状腺機能允進性心 候が明らかなものでありそれは主として左室不

疾患2例ほかに健常例9例である 全ないしは二次性両室不全の例であるこれら

2 実験成績 心疾患での吸引成績を心不全例と代償例とに分け

1) 健常例この測定の実際は図 10に示図す て図 11に示すすなわち心不全例では 12酸

こ示すすなわち安静時酸14また実験成績は表 素吸引時の酸素消費量は安静時のそれに比して

素消費量は 12酸素吸引によってやふ減り気 健常例におけるよりもーだんと少くなり さら

味であり 21さらに80酸素吸写へと愛動はあ に 21酸素吸引にすると著明に増加し 80酸

るがそれは大体 30 ccmin以内であり 80 素のもとでは 21吸引時よりは軽度の被少ない

酸素吸引時の酸素消費量はほとんど実験前値に し不安でこの値はまた実験前値にや込及

戻るこれをいまその安静時酸素消費量にたい ばない代償例ではこれらの傾向が軽度となり

する吸引各部分の酸素消費量の比率で現わすと むしろ健常例に近くなるこれを前項同様そ

図 11のようになるすなわち 12酸素吸引時の の安静時酸素消費量にたいする比率からみれば心

酸素消費量の安静時のそれにたいする比率は 不全例広おいては 12酸素吸引時 048--078

072--098平均08721酸素吸引時には 074-- 平均 06621酸素で 090--148平均工0780

125平均09980酸素吸引時には 093--111 酸素では bull081--120平均 097であり代償例で

平均103となる はそれぞれ 078---109平均094081--145

2) 心疾患例この実験成績はその肺容量な 平均10686--159平均112であるつぎに例

23

-386ー 千葉医学会雑誌 第33巻

をもって説明するFig 1L l2~ 21 ~ 1) 1例 (No80

tfClrmal 協 yen 彰刻 yen 開 t yen

軒ldquo~ldquoldquoldquoldquo(lt087 ldquouldquoldquoldquo~悩~仏99 区~悩術省官伺

103

伽元町蜘動~ Dsease 脇

Decolllp側 S蜘閥 yen

~ 隊yen膨活 yen

112 際yen協 yen

066 10す 091

日狩剖rtL]n品ism 協yen 協 yen協 yen 1ρa 113

園oz-Up-ta長e α-l]p-ta~e t別館ch peT(entfOICJSen

帽弁狭窄閉鎖不全症

才の女性でゃく 6カ月

前からの体動時の息ぎ

れどうきなどがあり

さらに夜間発作性呼吸

困難が加わってきたので

入院したこの第1回検

査時の状態は胸部レ線

像上左第 234弓 および右第 2弓の軽度

な拡大があり肺うつ血

の像も著明で胸部右後

下部に湿性ラ音を開く

心電曲線上は僧帽性

P V3 -V日までの STTの下降があり心筋傷

害ないし心筋の低酸

素症を思わせた静脈圧

は135mmH 20W 法に

よる分時送血 量は 811minであった第2回検査時にはジギタリス

葉末で維持しているとき

であったがなお軽lsquoHeart Diseases 5 Tab 1

z芯r制杭出問ご討出治慌f刊t士官|医医臨立立2 lトトN尚陶陶陥a町叩m叩I紅me悶e

iq|引2認貌務矧話認判i22|読2ljziZ到引|器3j2| 5釘7完捻街1|関悶完詔引戸戸邦判

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1531 1 1516引781川51 g Is KI M s 1 7781111沌沼 日 臼 f 219 61付89制 20 6川|副AS[d陀件白似今infinc OI官官芯設2E担汗 lバ4叫191r川日叫211 170 1761吋Tt 問附

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92811 1551~771 9831 414 i 141 1 87[ 97 1iM sIF HI918 86 1891 552 1100 If18101225 1 191 1 256 1 234 1 75 1

I3611 200 1 1 Kl-I1~I10

227 1 230 11 1心中aFIJ「τ f 問

昨竺 i1 951 j868 1 33

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

~袋113に示す T 11ii誌片I~1 1 l i立lizii2引誌 i1誌託ii 引引 2isI Hlz1 22lI2引33|11おhellip

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同院協附除物陰惨帆

3181M SI 199 r叫叫 ml240

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4出MHI 174 j同州州 140

5 I gI 1 Y J 203 l叫2541叫 372 6 I ~ yenH KI 212 1197]叫 221] 155

7 I~ I1 T[25o I 2431261 1 28~ 1 200

8 1 ~ 1MuI172い43[州 242[ 153

可玄jKHj-20S--j吋州 247r 270

loJg- 百戸戸「五j1MI 216 1

にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

1私らい

弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

bull bull bullbull

-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

NyNo Age

O2Sat

Before||1022ll Air|18002VCCC-I|R V-ilMBC y|liHaY町PeDKritauhgrynr田 draism|flaeobis 02Up-take ccl|Lung VOIRZ血 es

541879 1

53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

1~IKHrてγidism 7251004 881 528242 142 286 2 I ~ IKH

961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

Card Disdi iacs 倒岱皿H tFiqyHFpr品 曲叫陶

Normal 制 帽

bullalsquo

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lsquo bull 畠 会 lsquo bull bull

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- bull bull lsquo

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ー~ bull

d

nimH20で肝はやく 2横指

触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

120 21妬0 80XO

弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

らよ幽

吋B~H~A~O B~H~A~O sHArarrow B8eJOTe (in theAiT)

以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

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第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

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-384- 千葉医 学会雑誌 第 33巻

Harrison(8)などによって述べられてしるしかし 例ではその収縮作用したがって全末梢脈管抵

ながら循環因子の個々について呼吸反応との相 抗の高まりかたは強いようであるこのことは

関において論じたものはない低酸素症にたいする No6で明らかに見られるこの増加率は実に

生体反応がもともと換気の増大循環血液量の 吸引後 1分で 12736分で 2523でありこれ

増加などにより減少しつつある血液の酸素運搬能 に伴なって血圧値もかなりの充進を示す容積弾

の代償機転であることを考える時これらの相関を-性率についてはもちろん各例ごとに違うが吸

見ることは必要である Wiggers(lめは低酸素症の 引の後期にいたって その減少する 間の多くなるのa

時期においては循環促進 (cardiacaccerelation) は一つの代償機転の失調の現れであると息われ

が換気の菱化に先行すると述べているがわたく る血圧値にかんしては C Heymansゆ V

しの実験例では末梢反射性には気相反応とほ Euler斎藤(11)らによって 化学受容体にたいす

とんど同一時点において即時反応が見られ遅延友 る低酸素刺激の直接作用により一般に上昇する

応と見られる時点での菱化は一般に気相反応の とされているがわたくしの例では区々であり

出現よりも後期すなわち 10---15分あたりにそ 検体の特性吸引条件などを考慮して論じなければ

の最大反応が現われているようであったこのこ ならなし

とはとくに分時送血量全末梢脈管抵抗容積 心電曲線では低酸素吸引中そのLTの増大

弾性率などについていえる分時送血量について することが知られているがわたくしの例で と

は これらのことならびに 14酸素吸引例に くにその電気的収縮時間 QT がはじめより

おいてもその充分な増加のある点から考えて Hegglin-Holzlllannの計算値以上に延長していた

Harrison(9)らのいうように分時送血量の斐動を No 6NO7では他のt例と反対に 低酸素吸引

Anoxemia thresholdとじてかならずしも動 によりますます延長したがこのことは心効率

脈血酸素飽和度との関聯の下に考えることはできな の悪化した兆候とみなされることに No6で

いわたくしの実験例では分時送血量は 1例を は分時送血量が減少した教室の森は 100酸

除いて全例において増加した全末梢脈管抵抗 素吸引を行った場合その脈管収縮性の高まってい

は低酸素吸号|の後期にいたりほとんど全例で るような例では STT のさがりかたが低酸素吸

下降しているがこの観察時間内の範囲にかんする 引中より むしろ 100酸素吸引直後に高度とな

かぎり血中 CO2濃度とは関係がないようである ることを狭心症の 1例に見ているしかしわた

また 一般に 100酸素吸引の効果は その脈 くしの実験例の範囲にはこのようなものがなかっ

管にたいしては a 直接作用として収縮性に た

b 末梢化学受容体を介しては反射的に拡張性に 血糖については一般にいわれているような成績

作用する二つの異った因子の総合であるが とく であったl

に高血圧症のように脈管収縮性の高まっている

4 との篇のまとめ

いろいろな病期にある高血圧症 6例 肺疾患 2例 健常者 1例に低酸素 (10)ならび

に 100酸素を連続的に吸引きせその聞の呼吸および 循環数値の変動を化学受容体

のありかたを考慮しながら検討した

1) 低酸素吸引後その即時反応は 3-5分 遅延反応は 710分に最大点があるこの

場合呼吸においては即時反応が循環においては遅延反応の方がそれぞれより優勢で

あり循環の遅延反応は呼吸のそれよりいくぶん遅れて現れるまた即時反応におい

ては末梢化学受容体の役割が中枢のそれよりさらに重要である

2) 化学受容体反射とくに末梢化学受容体反射の低酸素ならびに高容量酸素にた

いする反応度は疾患の種類またその低酸素血症の程度などにより異るが高血圧症にお

Am

r

d

A

第 2号 謝高 fJf容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について

いては一般に低酸素でその充進があるO

3) Wezler法により時間を追って測定した分時送血量全末檎脈管抵抗容積弾性率な

どで一般には低酸素吸引によって分時送血量の増加全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率の減少が見られるがこれら循環数値の変動はその他の循環因子および心筋の状態

などを考慮した上で論ずる必要がる

lsquo 4) 高容量酸素吸引によって血圧値が異常に上昇するような例ではその全体柏末脈管抵

抗の増大のあることより考えてそれは脈管収縮性の高まりによるものと思われるO

11 定量的観察

1 実験方法ならびに実験対象 Cas長斗 ~JH C Landen(lO)は特殊な Ergometerを用

い 心肺疾患患者に運動負荷を与え そのあいだN01 Age r山 IBefぽ e112 0~I Air 180 O2

の酸素消費量肺活量分時最大呼吸量などを 1届y 11日8い76 戸7同J spir句 raphischに測定して種々の機能検査を行 2 1属1s81 210 1 184 I219 1 216

低酸素吸引に置き換えたすなわち Knipping3l-員 1JMI 220 I 18司 215 1 206

っているがわたくしはこの運動負荷の部分を

I届lY装置2台を用いその気槽中にあらかじめ満して 4 MI 226 I 213 I戸47 I 230

おいた 12酸素 21酸素(室内空気) 80酸 5 1 ~ IK KI 168 1 165 I 135 1 188 素を呼気中の炭酸ガスは苛性カ Dによって除去し

61 ~ 1C EI 192 1 139 1 219 1 187 ながらこの順序でそれぞれ 3分間逐次的に

被検者に吸引させ その各部分における酸素消費 7届luTI 168 I 146 I 168 1 181

量を吸引 3分自の spirographischeKurveから 8 HI 265I 231 お f 幻 1昼lu I 255

算定したなお被検者にゃく 20分間安静を保

たせたのち同時に安静時酸素消費量の測定を行つ 9 1届1T NI 200 I 174 I 矧 1221

た らびに血液ガス所見とともに表 5に示すこの

対象は千葉大学第二内科にス院した心疾患 16 うち症例 1から 6までは臨床的に心不全の兆

例 甲状腺機能允進症 12例 甲状腺機能允進性心 候が明らかなものでありそれは主として左室不

疾患2例ほかに健常例9例である 全ないしは二次性両室不全の例であるこれら

2 実験成績 心疾患での吸引成績を心不全例と代償例とに分け

1) 健常例この測定の実際は図 10に示図す て図 11に示すすなわち心不全例では 12酸

こ示すすなわち安静時酸14また実験成績は表 素吸引時の酸素消費量は安静時のそれに比して

素消費量は 12酸素吸引によってやふ減り気 健常例におけるよりもーだんと少くなり さら

味であり 21さらに80酸素吸写へと愛動はあ に 21酸素吸引にすると著明に増加し 80酸

るがそれは大体 30 ccmin以内であり 80 素のもとでは 21吸引時よりは軽度の被少ない

酸素吸引時の酸素消費量はほとんど実験前値に し不安でこの値はまた実験前値にや込及

戻るこれをいまその安静時酸素消費量にたい ばない代償例ではこれらの傾向が軽度となり

する吸引各部分の酸素消費量の比率で現わすと むしろ健常例に近くなるこれを前項同様そ

図 11のようになるすなわち 12酸素吸引時の の安静時酸素消費量にたいする比率からみれば心

酸素消費量の安静時のそれにたいする比率は 不全例広おいては 12酸素吸引時 048--078

072--098平均08721酸素吸引時には 074-- 平均 06621酸素で 090--148平均工0780

125平均09980酸素吸引時には 093--111 酸素では bull081--120平均 097であり代償例で

平均103となる はそれぞれ 078---109平均094081--145

2) 心疾患例この実験成績はその肺容量な 平均10686--159平均112であるつぎに例

23

-386ー 千葉医学会雑誌 第33巻

をもって説明するFig 1L l2~ 21 ~ 1) 1例 (No80

tfClrmal 協 yen 彰刻 yen 開 t yen

軒ldquo~ldquoldquoldquoldquo(lt087 ldquouldquoldquoldquo~悩~仏99 区~悩術省官伺

103

伽元町蜘動~ Dsease 脇

Decolllp側 S蜘閥 yen

~ 隊yen膨活 yen

112 際yen協 yen

066 10す 091

日狩剖rtL]n品ism 協yen 協 yen協 yen 1ρa 113

園oz-Up-ta長e α-l]p-ta~e t別館ch peT(entfOICJSen

帽弁狭窄閉鎖不全症

才の女性でゃく 6カ月

前からの体動時の息ぎ

れどうきなどがあり

さらに夜間発作性呼吸

困難が加わってきたので

入院したこの第1回検

査時の状態は胸部レ線

像上左第 234弓 および右第 2弓の軽度

な拡大があり肺うつ血

の像も著明で胸部右後

下部に湿性ラ音を開く

心電曲線上は僧帽性

P V3 -V日までの STTの下降があり心筋傷

害ないし心筋の低酸

素症を思わせた静脈圧

は135mmH 20W 法に

よる分時送血 量は 811minであった第2回検査時にはジギタリス

葉末で維持しているとき

であったがなお軽lsquoHeart Diseases 5 Tab 1

z芯r制杭出問ご討出治慌f刊t士官|医医臨立立2 lトトN尚陶陶陥a町叩m叩I紅me悶e

iq|引2認貌務矧話認判i22|読2ljziZ到引|器3j2| 5釘7完捻街1|関悶完詔引戸戸邦判

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I3611 200 1 1 Kl-I1~I10

227 1 230 11 1心中aFIJ「τ f 問

昨竺 i1 951 j868 1 33

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

~袋113に示す T 11ii誌片I~1 1 l i立lizii2引誌 i1誌託ii 引引 2isI Hlz1 22lI2引33|11おhellip

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loJg- 百戸戸「五j1MI 216 1

にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

1私らい

弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

bull bull bullbull

-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

NyNo Age

O2Sat

Before||1022ll Air|18002VCCC-I|R V-ilMBC y|liHaY町PeDKritauhgrynr田 draism|flaeobis 02Up-take ccl|Lung VOIRZ血 es

541879 1

53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

1~IKHrてγidism 7251004 881 528242 142 286 2 I ~ IKH

961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

Card Disdi iacs 倒岱皿H tFiqyHFpr品 曲叫陶

Normal 制 帽

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nimH20で肝はやく 2横指

触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

120 21妬0 80XO

弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

らよ幽

吋B~H~A~O B~H~A~O sHArarrow B8eJOTe (in theAiT)

以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

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9) HarrisnT RWilsonC PNeigh-

第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

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-392ー 謝論文附図 (ll) 第 33巻

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第 2号 謝高 fJf容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたいする影響について

いては一般に低酸素でその充進があるO

3) Wezler法により時間を追って測定した分時送血量全末檎脈管抵抗容積弾性率な

どで一般には低酸素吸引によって分時送血量の増加全末梢脈管抵抗ならびに容積弾

性率の減少が見られるがこれら循環数値の変動はその他の循環因子および心筋の状態

などを考慮した上で論ずる必要がる

lsquo 4) 高容量酸素吸引によって血圧値が異常に上昇するような例ではその全体柏末脈管抵

抗の増大のあることより考えてそれは脈管収縮性の高まりによるものと思われるO

11 定量的観察

1 実験方法ならびに実験対象 Cas長斗 ~JH C Landen(lO)は特殊な Ergometerを用

い 心肺疾患患者に運動負荷を与え そのあいだN01 Age r山 IBefぽ e112 0~I Air 180 O2

の酸素消費量肺活量分時最大呼吸量などを 1届y 11日8い76 戸7同J spir句 raphischに測定して種々の機能検査を行 2 1属1s81 210 1 184 I219 1 216

低酸素吸引に置き換えたすなわち Knipping3l-員 1JMI 220 I 18司 215 1 206

っているがわたくしはこの運動負荷の部分を

I届lY装置2台を用いその気槽中にあらかじめ満して 4 MI 226 I 213 I戸47 I 230

おいた 12酸素 21酸素(室内空気) 80酸 5 1 ~ IK KI 168 1 165 I 135 1 188 素を呼気中の炭酸ガスは苛性カ Dによって除去し

61 ~ 1C EI 192 1 139 1 219 1 187 ながらこの順序でそれぞれ 3分間逐次的に

被検者に吸引させ その各部分における酸素消費 7届luTI 168 I 146 I 168 1 181

量を吸引 3分自の spirographischeKurveから 8 HI 265I 231 お f 幻 1昼lu I 255

算定したなお被検者にゃく 20分間安静を保

たせたのち同時に安静時酸素消費量の測定を行つ 9 1届1T NI 200 I 174 I 矧 1221

た らびに血液ガス所見とともに表 5に示すこの

対象は千葉大学第二内科にス院した心疾患 16 うち症例 1から 6までは臨床的に心不全の兆

例 甲状腺機能允進症 12例 甲状腺機能允進性心 候が明らかなものでありそれは主として左室不

疾患2例ほかに健常例9例である 全ないしは二次性両室不全の例であるこれら

2 実験成績 心疾患での吸引成績を心不全例と代償例とに分け

1) 健常例この測定の実際は図 10に示図す て図 11に示すすなわち心不全例では 12酸

こ示すすなわち安静時酸14また実験成績は表 素吸引時の酸素消費量は安静時のそれに比して

素消費量は 12酸素吸引によってやふ減り気 健常例におけるよりもーだんと少くなり さら

味であり 21さらに80酸素吸写へと愛動はあ に 21酸素吸引にすると著明に増加し 80酸

るがそれは大体 30 ccmin以内であり 80 素のもとでは 21吸引時よりは軽度の被少ない

酸素吸引時の酸素消費量はほとんど実験前値に し不安でこの値はまた実験前値にや込及

戻るこれをいまその安静時酸素消費量にたい ばない代償例ではこれらの傾向が軽度となり

する吸引各部分の酸素消費量の比率で現わすと むしろ健常例に近くなるこれを前項同様そ

図 11のようになるすなわち 12酸素吸引時の の安静時酸素消費量にたいする比率からみれば心

酸素消費量の安静時のそれにたいする比率は 不全例広おいては 12酸素吸引時 048--078

072--098平均08721酸素吸引時には 074-- 平均 06621酸素で 090--148平均工0780

125平均09980酸素吸引時には 093--111 酸素では bull081--120平均 097であり代償例で

平均103となる はそれぞれ 078---109平均094081--145

2) 心疾患例この実験成績はその肺容量な 平均10686--159平均112であるつぎに例

23

-386ー 千葉医学会雑誌 第33巻

をもって説明するFig 1L l2~ 21 ~ 1) 1例 (No80

tfClrmal 協 yen 彰刻 yen 開 t yen

軒ldquo~ldquoldquoldquoldquo(lt087 ldquouldquoldquoldquo~悩~仏99 区~悩術省官伺

103

伽元町蜘動~ Dsease 脇

Decolllp側 S蜘閥 yen

~ 隊yen膨活 yen

112 際yen協 yen

066 10す 091

日狩剖rtL]n品ism 協yen 協 yen協 yen 1ρa 113

園oz-Up-ta長e α-l]p-ta~e t別館ch peT(entfOICJSen

帽弁狭窄閉鎖不全症

才の女性でゃく 6カ月

前からの体動時の息ぎ

れどうきなどがあり

さらに夜間発作性呼吸

困難が加わってきたので

入院したこの第1回検

査時の状態は胸部レ線

像上左第 234弓 および右第 2弓の軽度

な拡大があり肺うつ血

の像も著明で胸部右後

下部に湿性ラ音を開く

心電曲線上は僧帽性

P V3 -V日までの STTの下降があり心筋傷

害ないし心筋の低酸

素症を思わせた静脈圧

は135mmH 20W 法に

よる分時送血 量は 811minであった第2回検査時にはジギタリス

葉末で維持しているとき

であったがなお軽lsquoHeart Diseases 5 Tab 1

z芯r制杭出問ご討出治慌f刊t士官|医医臨立立2 lトトN尚陶陶陥a町叩m叩I紅me悶e

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I3611 200 1 1 Kl-I1~I10

227 1 230 11 1心中aFIJ「τ f 問

昨竺 i1 951 j868 1 33

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

~袋113に示す T 11ii誌片I~1 1 l i立lizii2引誌 i1誌託ii 引引 2isI Hlz1 22lI2引33|11おhellip

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同院協附除物陰惨帆

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可玄jKHj-20S--j吋州 247r 270

loJg- 百戸戸「五j1MI 216 1

にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

1私らい

弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

bull bull bullbull

-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

NyNo Age

O2Sat

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53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

1~IKHrてγidism 7251004 881 528242 142 286 2 I ~ IKH

961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

Card Disdi iacs 倒岱皿H tFiqyHFpr品 曲叫陶

Normal 制 帽

bullalsquo

bull bull- bull bull

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bullbull bullbull bullbull ーbull

ー~ bull

d

nimH20で肝はやく 2横指

触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

120 21妬0 80XO

弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

らよ幽

吋B~H~A~O B~H~A~O sHArarrow B8eJOTe (in theAiT)

以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

参者文献

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1946 siol 832751927

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Physiol 801691927 J H Jr Am J Physiol 1386101943

9) HarrisnT RWilsonC PNeigh-

第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

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-386ー 千葉医学会雑誌 第33巻

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入院したこの第1回検

査時の状態は胸部レ線

像上左第 234弓 および右第 2弓の軽度

な拡大があり肺うつ血

の像も著明で胸部右後

下部に湿性ラ音を開く

心電曲線上は僧帽性

P V3 -V日までの STTの下降があり心筋傷

害ないし心筋の低酸

素症を思わせた静脈圧

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227 1 230 11 1心中aFIJ「τ f 問

昨竺 i1 951 j868 1 33

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

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にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

1私らい

弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

bull bull bullbull

-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

NyNo Age

O2Sat

Before||1022ll Air|18002VCCC-I|R V-ilMBC y|liHaY町PeDKritauhgrynr田 draism|flaeobis 02Up-take ccl|Lung VOIRZ血 es

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53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

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961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

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Normal 制 帽

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触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

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以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

参者文献

1ユBi釘 ckGunnar Brit Heart J817 borsD W amp PiIcherC Am J Phy-

1946 siol 832751927

Scan-1 2) Bjurst~dt A G H Acta Physio 10) H C Landen Die funktionelle Beurteト

dinav1211946 lung d Lungen u HerzkrankenKreis-

cited by RahnH amp A BOtis Am J lauf-Bucherei141955

Physiol 1574451949 11)黒田久信 日大医誌 112461950

3) ComroeJ H Jr J A M A143 12)栗原正一郎 日大医誌 11 195~686

BruennN EWilliamsR L13) Levy95011044

4) Cited by Comroe J H Jr amp Stel1a H C amp CarrH A Am Heart J21

Botelko Am J M Sc21411947 6341941

5) ComroeJ H Jr Physiol Rev24 14)森澄央千葉医会誌 328861957

3191944 15) RahnH amp A B Otis Am J Phy-

19472021501sioY Zot-ampG Lilijestrand U St6) Euler

ternian SkandinavArchPhysiol 83 16)SchmidtC FComroeJ H Am J

1321939 P]Jysiol 121751938

7) HeymansCBoukaertJ JDautre 17)斎藤十六 呼吸と循環 11371953

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4001930 1941

8) HarrisonT R ampBlalockA Am J 19) WattJ GDumkeP R amp Comroe

Physiol 801691927 J H Jr Am J Physiol 1386101943

9) HarrisnT RWilsonC PNeigh-

第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

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第 2号 謝高低容量酸素吸引試験とくにその血行力学にたしする影響について -387ー

度の心不全の状態にあり患者は軽い呼吸困難を

訴え静脈庄は 150mmH20であった第3回検査

時には 臨床的に心不全の兆候なく静脈圧は 90

mmH20であったこの実験成績は図 12および r気l封之立封卦むトiHトN尚陥細hellipmelarrlarrト(ト~a

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loJg- 百戸戸「五j1MI 216 1

にもか Lわらずその基本的な経過を示さなかった

例である患者は 22才の女性で診断は僧帽弁狭

窄症胸部レ線像上では 右第 2弓左第 23弓

の軽度な突出があり胸部右前上部で乾性ラ音を開

き肝は触れず静脈圧は 80mmH20で浮腫はな

い肺機能検査上気速指数は 053で ある程度

心性気管支痘曹を思わせた

例 3は 70才の男性で 診断は高血圧性心疾患

および心哨息心房性期外収縮ゃく 5年前より

夜間発作性呼扱困難ならびに咳があったこの

例比lsquoこの吸引実験を行ったがそれが全くの失調

性呼吸 (ataxicrespiration)を示したのでそ

の呼吸曲線から酸素消費量を求めることは困難で

あったが その測定時の状態は 血圧値 縮期圧

208弛期圧 102mmHg胸部レ線像上は 左第4

弓突出高度肺部では左右後下部で半有響性湿

性ラ音多数を聞き心電曲線上左室肥大曲線な

らびに心房性期外収縮を見たまた肺機能測定

上 肺活量は 944cc残気量は 3507cc分時最大

呼吸量は 2551fminで動脈血酸素飽和度は 73手

であった

3) 甲状腺機能充進症例この測定結果を表6に

示すすなわち 12酸素吸引によってその酸素

消費量がや L減ることは 健常例と同様である

が 21酸素さらに 80酸素吸引へとその

酸素消費量は持続的に増加する傾向にあるこれ

を安静時酸素消費量にたいする比率で現わせば

12酸素では 036--097平均07821酸素で

は 075--152平均10980酸素では 087--

140平均113でありこの関係を図 11に示す図

14には この測定の実際を示す この患者は 46

才の女性でゃく 3年前からどうき甲状腺腫

発汗がありゃく 3カ月前より眼球突出を訴えた

第 1回検査時の基礎代謝率は +467R Qは

077で W法による分時送血量は 571fminで

あり第 2回検査時には基礎代謝率 +260

R Q 094で この間 methylthiouraci1(メチ

オジーノレ〉の服用を続けていたこの吸引実験経過

を図 15に示す

Fig 15

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弘 ~tムβ9 100 118

4) 甲状腺機能允進性心疾患 (Hyperthyrotic

Heart Disease) この測定結果を表7に示すす

なわち木症では甲状腺機能充進症の場合より

もむしろ心疾患の場合の基本型を現わす測定

の実際を図 16に示すこの例は 甲状腺機能充進

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-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

BM RCase Sex

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961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

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し胸部で呼吸音は一般に粗

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は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

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触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

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弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

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以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

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れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

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に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

参者文献

1ユBi釘 ckGunnar Brit Heart J817 borsD W amp PiIcherC Am J Phy-

1946 siol 832751927

Scan-1 2) Bjurst~dt A G H Acta Physio 10) H C Landen Die funktionelle Beurteト

dinav1211946 lung d Lungen u HerzkrankenKreis-

cited by RahnH amp A BOtis Am J lauf-Bucherei141955

Physiol 1574451949 11)黒田久信 日大医誌 112461950

3) ComroeJ H Jr J A M A143 12)栗原正一郎 日大医誌 11 195~686

BruennN EWilliamsR L13) Levy95011044

4) Cited by Comroe J H Jr amp Stel1a H C amp CarrH A Am Heart J21

Botelko Am J M Sc21411947 6341941

5) ComroeJ H Jr Physiol Rev24 14)森澄央千葉医会誌 328861957

3191944 15) RahnH amp A B Otis Am J Phy-

19472021501sioY Zot-ampG Lilijestrand U St6) Euler

ternian SkandinavArchPhysiol 83 16)SchmidtC FComroeJ H Am J

1321939 P]Jysiol 121751938

7) HeymansCBoukaertJ JDautre 17)斎藤十六 呼吸と循環 11371953

bandeL Arch Int Pharmacodyn39 18) WiggersC J Ann Int Med141237~

4001930 1941

8) HarrisonT R ampBlalockA Am J 19) WattJ GDumkeP R amp Comroe

Physiol 801691927 J H Jr Am J Physiol 1386101943

9) HarrisnT RWilsonC PNeigh-

第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

(忠弘司ロ凶的)

lsquoーー

NH

-忠弘

-ロコ H

H

N的

ロO沼

ω官同吉岡明求同

ロロ ωkkw ロω白【回目ぷ切-

「剛山

喝-

zh岡山内同

小司

3晶

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H

-Md包切ロヨ苫 何回

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+-入

-392ー 謝論文附図 (ll) 第 33巻

-mwH

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出吋品

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-388ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

Tab 7 Hyperthyrotic Heart Disease

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NyNo Age

O2Sat

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541879 1

53 222 I 111 I195 I 170 I2258 I 820 I 951 913 321

1~IKHrてγidism 7251004 881 528242 142 286 2 I ~ IKH

961 81221 176 185 181541 1 auriculE s

症ならびに心房細動の 53才 Fig 18

の女性主訴はゃく 1年前か

らの甲状腺腫どうき息ぎれ

である第 1回検査時に心濁

音界は左右にゃく 2横指拡大

し胸部で呼吸音は一般に粗

で肝はやく 3横指触れ静脈

庄は 172mmH20基礎代謝率

は+541W 法による分時送 3血量は 1291minであった

第 2回検査時にはほとんど

整調律にかえり静脈庄は 105

Card Disdi iacs 倒岱皿H tFiqyHFpr品 曲叫陶

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触れたこの例の吸引経過は

図 17に示した

Fig 17

120 21妬0 80XO

弘樹附臥魁図的

島側臥私仰

らよ幽

吋B~H~A~O B~H~A~O sHArarrow B8eJOTe (in theAiT)

以上各種疾患における吸引

各部の酸素消費量をまとめて図H 2~01 InhaLafiDn

A Air Respiration18に示す

0 80~03 lnhaLation3 この篇の考案

一般に代償状態にある生体は加えられた負荷に wattの運動であり これはなお 3分間維持で

たいしてその減荷の方向に反応することは前篇 きるとされてしるこの生体反応は筋肉心循

の低酸素吸引実験からしでも明らかであるがこの 環系肺精神など多くの因子に支配されるー

負荷が最大となった場合その生体の示す反応の総 方運動後の酸素必要量はそれのみで呼吸系に影

合はldquo Vita maximaと呼ばれるこの最大負 響を及ぼすところの筋肉中に産生された乳酸量のい

荷は Landenく10)によれば健常人では大体 300 かんに関係することから考えるときゅ Lanltlenの

第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

参者文献

1ユBi釘 ckGunnar Brit Heart J817 borsD W amp PiIcherC Am J Phy-

1946 siol 832751927

Scan-1 2) Bjurst~dt A G H Acta Physio 10) H C Landen Die funktionelle Beurteト

dinav1211946 lung d Lungen u HerzkrankenKreis-

cited by RahnH amp A BOtis Am J lauf-Bucherei141955

Physiol 1574451949 11)黒田久信 日大医誌 112461950

3) ComroeJ H Jr J A M A143 12)栗原正一郎 日大医誌 11 195~686

BruennN EWilliamsR L13) Levy95011044

4) Cited by Comroe J H Jr amp Stel1a H C amp CarrH A Am Heart J21

Botelko Am J M Sc21411947 6341941

5) ComroeJ H Jr Physiol Rev24 14)森澄央千葉医会誌 328861957

3191944 15) RahnH amp A B Otis Am J Phy-

19472021501sioY Zot-ampG Lilijestrand U St6) Euler

ternian SkandinavArchPhysiol 83 16)SchmidtC FComroeJ H Am J

1321939 P]Jysiol 121751938

7) HeymansCBoukaertJ JDautre 17)斎藤十六 呼吸と循環 11371953

bandeL Arch Int Pharmacodyn39 18) WiggersC J Ann Int Med141237~

4001930 1941

8) HarrisonT R ampBlalockA Am J 19) WattJ GDumkeP R amp Comroe

Physiol 801691927 J H Jr Am J Physiol 1386101943

9) HarrisnT RWilsonC PNeigh-

第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

(忠弘司ロ凶的)

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-392ー 謝論文附図 (ll) 第 33巻

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第 2号 謝高低容量酸素吸引試験と〈にその血行力学にたいする影響広ついて -389----

方法のような ldquodynamoergonometrischな検 Landenはこの心疾患のldquoAnlaufszeitの酸

査では筋肉疲労感呼吸困難感など精神的な因素摂取量の全運動酸素摂取量とldquoErholungsz

子とともに血液乳酸量の問題が呼吸を対照とす eitの酸素摂取量との総合にたいする比率を求め

る検査に複雑さを増す低酸素症の場合において てこれを心負荷係数(Herzleistungsquotient)

もこの血液乳酸量増加は知られているがそ と呼んでいるがわたくしの実験でも安静時酸素

れは急性の低酸素吸引実験ではその末期において 消費量にたいする 12酸素吸引中および 21

であるそれゆえわたくしの運動負荷を低酸素 酸素吸引中の酸素摂取の比率は意味あるものと思

に置きかえたその 3分での時点ではこの点を考 われる Landenはさらに運動前 ならびに

慮する要がないし また この低酸素負荷がた 運動中の肺活量分時最大呼吸量などを測定し

は心性因子ErholungszeitldquoAnlaufszeitldquo最大負荷であってもその個体にとってとえ

検査は可能であるdしかもこの時点での動脈血酸 で肺活量分時最大呼吸量などは肺性因子で主

素飽和度のさがりかたは前篇でも述べたように としで支配されるところから氏の方法で左心

ゃく 70であり臨床的な 1つの基準であるこ 不全右心不全を区別しうるとしてしるしかし氏

れに続く 21酸素(室内空気〉吸号|の順序は の検査には以上に述べたような附加的因子が加わ

前篇で述べたような機能的神経除去の影響を除外 るので はたして正鴻に判定しうるかどうか

しようとしたためである心疾患患者では労作 疑いがないわけでもなししかしわたくしの方法

後健常の場合よりも大きな酸素負債を要するとい では操作的に制的がある例3にはこのほかの

われまたこの酸素摂取の様相はその運動負荷 制約を示すこの例の吸引実験前の動脈血酸素飽和

のldquoAnlaufszeitに少〈運動負荷後のldquoErhol- 度は 73でありわたくじの実験はこの程度以

ungszeitが延長するとされているわたくしの 上の比較的軽度の心不全においてはじめてi実

実験において 12酸素吸引 3分自の値は この 施可能である

Anlaufszeitの酸素摂取量をまた 21酸素 甲状腺機能充進症ではもともとその組織酸素

吸引 3分自のそれはldquoErholungszeitの酸素摂 消費の増大があり心疾患とはその Anoxibiosis

取の様相を反映するこれらの点より考えるとき の差異がありこのことは 80酸素吸引時でも

健常例に比して心疾患群とくにその代償不全 なおその酸素摂取の増大の見られるゆえんであ

例において Anlaufszeitにおける酸素摂取量 るそれゆえこの増大はある程度基礎代謝率

の被少すなわち四酸素吸引 3分での減少さ と平行するldquo highoutput fai1ure としての

らに酸素負債の増加を代償すべきldquoErholungsz帽 甲状腺機能允進性心疾患 (HyperthyroticHeart

eitの延長のための 21酸素吸引時の酸素摂取 Disease)が心不全の場合と同様の反応を示すこ

量の増大があるがこの時期までにすでにほと とは酸素消費量が分時送血量の増加度と非常に

んど代償されてしまい その 80酸素吸引時の 関係があり実際に酸化過程のさかんな組織にた

増大はないこのことは代償例においては負荷 いして high-outputがおこってもなお酸

にたいする分時送血量の増大など代償機転が充分 素供給は不充分であることによるのであろうー

に働くのでこの傾向は少〈なるものと考えられ 方甲状腺機能允進症だけの場合には比較的障害

る心疾患においてはその酸素負債と静脈圧と のすくなし血行とくに肺血行よりかなり多く

はある程度相関があるといわれていることより の酸素を摂取しうる

も考えられるしかしながらもとよりこの酸素 以上のことがらから心疾患患者の運動量の決

摂取の問題は時間の画数でありかっ同時に肺 定あるいはその不全の度の判定にあたってこ

との関連もあるゆえ健常例 ないし他の疾患 のような実験方法は 1つのテストとして有用であ

との overlappingは相当あるものと思われるると考える

4 との篇のまとめ

12μ 酸素 21酸素(室内空気) 80μ 酸素を このJI買序で短時間吸引させた場合の酸素

消費量の変動をその安静時酸素消費量とともに健常例心疾患例甲状腺機能充進症例に

-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

いしは不変に止る

3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

参者文献

1ユBi釘 ckGunnar Brit Heart J817 borsD W amp PiIcherC Am J Phy-

1946 siol 832751927

Scan-1 2) Bjurst~dt A G H Acta Physio 10) H C Landen Die funktionelle Beurteト

dinav1211946 lung d Lungen u HerzkrankenKreis-

cited by RahnH amp A BOtis Am J lauf-Bucherei141955

Physiol 1574451949 11)黒田久信 日大医誌 112461950

3) ComroeJ H Jr J A M A143 12)栗原正一郎 日大医誌 11 195~686

BruennN EWilliamsR L13) Levy95011044

4) Cited by Comroe J H Jr amp Stel1a H C amp CarrH A Am Heart J21

Botelko Am J M Sc21411947 6341941

5) ComroeJ H Jr Physiol Rev24 14)森澄央千葉医会誌 328861957

3191944 15) RahnH amp A B Otis Am J Phy-

19472021501sioY Zot-ampG Lilijestrand U St6) Euler

ternian SkandinavArchPhysiol 83 16)SchmidtC FComroeJ H Am J

1321939 P]Jysiol 121751938

7) HeymansCBoukaertJ JDautre 17)斎藤十六 呼吸と循環 11371953

bandeL Arch Int Pharmacodyn39 18) WiggersC J Ann Int Med141237~

4001930 1941

8) HarrisonT R ampBlalockA Am J 19) WattJ GDumkeP R amp Comroe

Physiol 801691927 J H Jr Am J Physiol 1386101943

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第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

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-390ー 千葉医学会雑誌 第 33巻

ついて吟味した

1) 健常例酸素消費量の変動は大体 30ccjmin以内の差で各部ともあまり大じた差

がない

2) 心疾患例 とくにその不全例において 12酸素吸引時の酸素消費量はーだんと減

少し 21酸素吸引時にはこれが増加するが 80酸素吸引では それより減少するか な

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3) 甲状腺機能充進症 12酸素吸引時の酸素消費量は一応減少するがその後一方

的かつ持続的応増加する

4) 甲状腺機能充進性心疾患ではむしろ心疾患の場合と同様な態度を示す

終りに終始温く御指導下さった斎藤十六教授に感謝したしますまた協研者の諸兄とく

に松浦学士の御助力に御礼を申し土げます

なお本論文の要旨は第 20回日本循環器病学会総会において発表した

参者文献

1ユBi釘 ckGunnar Brit Heart J817 borsD W amp PiIcherC Am J Phy-

1946 siol 832751927

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Physiol 1574451949 11)黒田久信 日大医誌 112461950

3) ComroeJ H Jr J A M A143 12)栗原正一郎 日大医誌 11 195~686

BruennN EWilliamsR L13) Levy95011044

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Botelko Am J M Sc21411947 6341941

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19472021501sioY Zot-ampG Lilijestrand U St6) Euler

ternian SkandinavArchPhysiol 83 16)SchmidtC FComroeJ H Am J

1321939 P]Jysiol 121751938

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第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

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第 2号 謝 論 文 附 図 〈工〉 -391-

(忠弘司ロ凶的)

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-392ー 謝論文附図 (ll) 第 33巻

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