改良試行くさび法...テルツァギー式 試行くさび法 クーロン式 昭和31年版...
Transcript of 改良試行くさび法...テルツァギー式 試行くさび法 クーロン式 昭和31年版...
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改良試行くさび法
右城 猛
㈱第一コンサルタンツ
-
11m
5.1m 6.7m
11m
2.5m
11m
5.8m
5mq=10kN/m2
q=10kN/m2
q=10kN/m2底版幅
B(m
)
嵩上げ盛土高 H0 (m)
3
4
5
6
7
0 1 2 3 4 5
φ=35゜γ=20kN/m3
道路土工指針の試行くさび法はおかしい
大型逆T型擁壁標準設計図集(高知県窪川土木事務所,1991)
-
Ho/H=0.5
試行くさび法による建設省制定標準設計図集の照査
3 4 5 6 7 8 90
1
2
3
4
5
6
7
3 4 5 6 7 8 9
擁壁高 H(m)
H0=
0.3
H
Ho/H=0.3
HH
0=
0.5
H
Ft=
B 2e
転倒の安定性
B
安定
不安定
盛土を低くすると安全率が低下
-
施工研究室の回答
システム課の回答
①標準図集はシステム課が作成
①送られてきた計算結果に間違いはない。②標準設計の断面では所定の安全率を下回る。③標準設計は,道路土工指針に準拠している。④道路土工指針の土圧計算法に問題がある。⑤現実は,盛土を低くすると安全率が向上する。⑥計算上の安全率が不足しても擁壁は不安定にならない。
1991年8月5日のFAXに対する土木研究所の回答
-
テルツァギー式 試行くさび法 クーロン式
昭和31年版
昭和42年版
昭和48年版
昭和52年版
昭和62年版
平成11年版
①通常の擁壁に作用する土圧は試行くさび法による。②試行くさび法において,擁壁背面の盛土形状が一様で裏込め土の粘着力がない場合はクーロンの主働土圧と一致する
道路土工指針の土圧計算法の変遷
-
テルツァギー式が削除された本当の理由
(1) テルツァギーの土圧図表をトレースした際にミスがあった。
(2) テルツァギーの土圧図表は理論上問
題がある。テルツァギーがグラフを作為的に描いた形跡がある。
(3) 背面盛土形状,擁壁勾配など使用上の制約が多すぎる。
(4) 試行くさび法と混用すると,設計の連続性が得られない。
(5) 道路土工指針の委員長が福岡正巳氏から久野五郎氏に交替。
-
0.54
0.60
0.43
0.49
-
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
0 5 10 15 20 25 30 35 40
β(゜)
KH(t
f/m
3)
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
0 5 10 15 20 25 30 35 40
β(゜)
KH(t
f/m
3)
①
②
③③
②
①
③ ③
②②①
①
テルツァギークーロン(ランキン)
β
H
H/3
2
2
1HKP VV =
2
2
1HKP HH =
PV
PH
222
2222
coscoscos
coscoscoscos
−+
−−=HK
222
222
coscoscos
coscoscossincos
−+
−−=VK
トレースの際に目盛が0.06ずれた クーロン土圧を修正
分類 土質 φ(度) γ(tf/m3)
① 礫 40 2.0
② 礫質土 35 1.9
③ 砂 30 1.8
テルツァギークーロン(ランキン)
-
仮想背面
d=PA
想定地表面
PA
d=
仮想背面
l/2l/2
l
仮想背面
PA
載荷重
q
仮想背面
PA
換算盛土q
S52年版
S62年版
H11年版
W
仮想背面 すべり面
仮想背面 すべり面
Zc
+=
245tan
2
゜
cZc
土圧の作用方向 載荷重の取り扱い 地震時のすべり面
載荷重は盛土高に換算
載荷重は土塊重量に加算
粘着力による自立高さ
試行くさび法は開発途上にある
-
W
PA Rw
dH
すべり面
Rw
W
PA
d擁壁高H
すべり面
仮想背面
クーロンのくさび理論は適用できるか
すべり面
未知量が3個 PA,R,ω 未知量が4個 PA,R,,δ,ω
水平力のつり合い ΣH=0鉛直力のつり合い ΣV=0土圧の最大化条件式 dP/dω=0
条件式は3個
静定問題 不静定問題
条件式より未知量が1個多いので解けない。
道路土工指針 δ=β(モースチ,1925)(ランキン理論)道路橋示方書 δ=φ(仮想背面をすべり面と仮定)
-
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
=35゜
h1/h
KAHKAV
KAH
KAV
S62年版
S52年版
S62年版
昭和62年度版で土圧作用方向を変更した理由
h1
h
h1
h
PA
d=
’
l/2 l/2
d=’
PA
w
S52年版
S62年版
-
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
12.0
14.0
16.0
0 5 10 15 20 25
転倒
滑動
支持
嵩上げ盛土高H0(m)
安定性
Ft,
F s,
F b
1.767
350
H=
5,0
00
4,5
00
500
600500 2,500
350
4,5
00
500
600 500 2,500
B=3,600
β =33.69゚
H0=
1,7
67
h=
6,7
67
350
4,5
00
500
600500 2,500
B=3,600B=3,600
礫質土単位体積重量γ=20kN/m2
内部摩擦角 φ =35゚
底面の摩擦係数μ=0.6地盤の極限支持力度qd=900kN/m
2
計算条件
H=
5,0
00
H=
5,0
00
β =33.69゚
盛土が高くなると安全率も大きくなる?
安全率が最大 安全率が最小 安全率が中
PAPA
PAβ
転倒はe
BFt
2= として計算
本当か?
-
道路土工指針の試行くさび法の問題点
仮想背面 d=
PA
想定地表面l/2 l/2
l
①すべり面を直線と仮定
②土圧分布を三角形と仮定
③土圧傾斜角を右図のように仮定
3つの仮定
-
仮想背面
PA
w
d=
仮想背面
PA
w
d=
壁面摩擦角δの取り方は?
某ソフト会社のQ&Aで見かけたδの取り方技術者の直感に基づいているのか?
-
PA仮想背面
仮想背面は?
PA
w
d
仮想背面
δの取り方は?
某ソフト会社のQ&Aで見かけたもの回答は,いずれも計算できないと言うつれない返事質問者はどのようにして計算したのだろうか?
-
PA
a
dPA
a
d
仮想背面
かかと版が短い場合どのように計算するか?
かかと版を無視 仮想背面を考慮
かかと版の長さがどれだけあれば仮想背面を考えるのか明確な解答はどこにもない橋台の設計で仮想背面を考えて土圧を計算したため会計検査で問題になった例もある
-
q
仮想背面
PA
載荷重
q
仮想背面
PA
換算盛土
q
載荷重の考え方は?
H9年版 S62年版
-
すべり面 すべり面
仮想背面
仮想背面に対する誤解
かかと版上の土は擁壁と一体的に挙動する(道路土工指針) なぜ前方の土は滑落しないのか?
移動移動
-
すべり面(土と土)
すべり面は2本発生する
移動移動
W
R1R2R1
R2
W
R1
W
R2
力のつり合い
すべり面(土と土)
すべり面(土と土)
すべり面(土とCon)
①壁面に沿うすべり面②盛土内部を通るすべり面
盛土内部を通るすべり面が2本
-
W
R1
R2
R1
R2
w1w2
w1−
w2−
改良試行くさび法(その1)
すべり面すべり面
2つのすべり面で囲まれた土塊に着目
鉛直力のつり合い式ΣV=0水平力のつり合い式ΣH=0よりR1,R2が求まる.
( )( )
( )2121
21
2sin
sinWWR +
−+
−=
ww
w
( )( )
( )2121
12
2sin
sinWWR +
−+
−=
ww
w
極限平衡法
-
W1
R1
R1
R2
w1
w1−
w2−
d
dPA
PA
W2
W1
改良試行くさび法(その2)
すべり面
仮想背面
( )( )
( )
( )( )
( )2121
21
11
11
1111
2sin
sin
cos
sin
sin
costan
WWR
RP
R
RW
A
+−+
−=
−=
−
−−= −
ww
w
d
w
w
wd
ただし,
次に仮想背面とすべり面で囲まれた土塊に着目,
鉛直力のつり合い式ΣV=0水平力のつり合い式ΣH=0よりPA,δが求まる.
極限平衡法
-
W1
w1
W2
w2
PH
PV V1
V2
w1
V1
11 cosV w −= 11
11 sinV
V2
w −= 2222 cosV
22 sinV
w2
速度場②速度場① 速度場①速度場②
速度場②
速度場① W1V1sinΩ1−PHV1cosΩ1−PVV1sinΩ1=0
W2V2sinΩ2−PHV2cosΩ2+PVV2sinΩ2=0
( )( )
( ) ( )( )
( )2121
2121
21
21
2sin
sinsin
sin
sinsinWWWWPH +
−+
−−=+
+
=
ww
ww
連立方程式を解く
改良試行くさび法(その3) 上界法
-
すべり角w1,w2を仮定
土塊重量W1,W2を計算
( )( )
( )
( )( )
( )d
w
w
wd
ww
w
cos
sin
sin
costan
2sin
sin
11
11
1111
21
21
21
−=
−
−−=
+−+
−=
−
RP
R
RW
WWR
A
は最大か?dcosAP
終わり
w1,w2を修正
yes
no
68
.5
70
.5
72.5
74
.5
76
.5 55.5
60.5 242
244
246
248
250
252
254
PA
H(k
N/m
)
改良試行くさび法(その3)
ω1とω2を変化させて計算しPAcosδの最大値を探索
-
3 4 5 6 7 8 90
2
4
6
8
10
3 4 5 6 7 8 9
擁壁高 H(m)
転倒の安定性 Ho/H=0.5
H0=
0.3
H
Ho/H=0.3
H0=
0.5
HH
Ft=
B 2e
(改良試行くさび法)
建設省制定標準設計図集の照査
-
w1w2
q
W2W1
w1w2
W2 W1
q q
w1w2
W1W2
改良試行くさび法はどんな問題でも解ける
壁面摩擦角δ(土圧傾斜角)は,計算で求まる
-
a
d
HAH
Lh
R2
w2− W2
kH・W2
dc+a
w1−
kH・W1
R2
R1
W2
W1
kH・W2
kH・W1
w1w2
仮想壁面
Rc
Rcdc
P
P
P
R1W1
d
hc
改良試行くさび法の一般式
かかと版が短いと,すべり面がたて壁に当たって折れ曲がる.Rcはhc区間に作用する土圧でありクーロン式で求める.ω2によってhcの長さが変化することに注意
w3
-
0.24
0.25
0.26
0.27
0.28
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
かかと版長比 L /H
0.42
0.43
0.44
0.45
0 0.05 0.1 0.15 0.2
主働土圧係数
KA
かかと版長比 L /H
(a)盛土面が水平な場合 (b)盛土面が傾斜している場合(β=30゚)
Coulomb解(d=0)
Coulomb解(d=2/3)
Coulomb解(d=)
Coulomb解(d=2/3)主働土圧係数
KA
β
L
δ=30゚H 2
2
H
PK AA
=
AA KHP2
2
1=
β=0,φ=35゜ β=30゜,φ=35゜
かかと版の長さを考慮した解析
-
PAPA仮
想背面
壁面が傾斜したかかと版の短い擁壁
仮想背面を鉛直に限定する必要性はない
-
W1
W2=W1
R1
R2=R1
w1-
w2-
P
W1
w1-
W2
R1
R2
d
P
H
載荷重q
w1w2 =w1
W1W2
R2
R1
PP
(a)載荷重満載
H
w1w2 w1
W1
W2
R2
R1
P
d
P
(b)載荷重後方載荷
載荷重q
部分載荷時に試行くさび法は適用できない
-
H=2.5m
B=1.6m
q
d
PA
裏込土=19kN/m3
=30゜
m=0.6
H=2.5m
B=1.6m
q
d
PA
裏込土=19kN/m3
=30゜
m=0.6
載荷重を考慮した改良試行くさび法による安定計算結果
全体載荷 部分載荷
-
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0 2 4 6 8 10
0
2
4
6
810
12
14
16
18
0 2 4 6 8 10
0
1
2
3
4
5
0 2 4 6 8 10
2.0
2.1
2.2
2.3
2.4
0 2 4 6 8 10
載荷重 q(kN/m2)
主働土圧係数
KA
全体載荷
部分載荷
載荷重 q(kN/m2)
主働土圧傾斜角d(度
)
全体載荷
部分載荷
載荷重 q(kN/m2)
部分載荷
全体載荷
載荷重 q(kN/m2)
滑動の安全率
Fs
転倒の安全度
Ft
2
2
H
PK AA
=
e
BFt
2=
md
d
cos
sin
A
As
P
PWF
+=
全体載荷
部分載荷
(a)主働土圧係数 (b)主働土圧傾斜角
(c)転倒の安定度 (d)滑動の安全率
-
1,200
200 1,000
50
08
5
90
0
300(500)
30
0
ラテックスゴムシート
テフロンシート短冊状
テフロンシート
アクリル板 t=10mm
豊浦標準砂
豊浦標準砂
ジャッキ
ダイヤルゲージ
すべり面に関する模型実験(愛媛大学八木研究室)
-
TYPE-1の実験
TYPE-2の実験
0
100
80
60
40
20
床面からの高さ
(cm
)
0
100
80
60
40
20
床面からの高さ
(cm
)
0
100
80
60
40
20
床面からの高さ
(cm
)
(a)嵩上げ高さ 0cm (c)嵩上げ高さ 29cm(b)嵩上げ高さ 20cm
0 20 40 60 80 100
壁面からの距離(cm)
0 20 40 60 80 100
壁面からの距離(cm)
0 20 40 60 80 100
壁面からの距離(cm)
実験計算
0
100
80
60
40
20
床面からの高さ
(cm
)
0
100
80
60
40
20
床面からの高さ
(cm
)
0
100
80
60
40
20
床面からの高さ
(cm
)
(a)嵩上げ高さ 0cm (c)嵩上げ高さ 29cm(b)嵩上げ高さ 20cm
0 20 40 60 80 100
壁面からの距離(cm)
0 20 40 60 80 100
壁面からの距離(cm)
0 20 40 60 80 100
壁面からの距離(cm)
実験計算
主働すべり面の実験結果
-
β=25゚
57.4゚
59.3゚75.1゚
H=
45
0
L=100H
=5
00
L=100H
0=
15
0
β=25゚
59.7゚
(a) Sand Paper Wall(φ=42゚,δ=42゚) (b) Glass Wall(φ=42゚,δ=16゚)
61.9゚73.5゚
安蔵善之輔による模型実験
改良試行くさび法改良試行くさび法
L形式擁壁に及ぼす土圧に就いて九州帝国大学工学部紀要(1934)
-
安定解析におけるせん断強度低減法の有用性土と基礎 (鵜飼;土と基礎,1990.1)
1 146
8
6
c=10kN/m2
=20゜=16kN/m3
E=20MN/m2
n=0.3
せん断歪みの相対値
0~1
1~5
5~10
10~73
c=0kN/m2
=20゜
改良試行くさび法による解析
FEMによる解析
-
第36回地盤工学研究発表会(徳島)2001.6
L型擁壁と背面地盤の挙動に関する実験と有限要素解析
東京大学大学院 田中忠次○明治大学大学院 今田美幸
0.15
0.50
2.0φ=40゜
改良試行くさび法による解析
-
平成11年11月
土木構造物設計ガイドライン
土木構造物設計マニュアル(案)[土構造物・橋梁編]
土木構造物設計マニュアル(案)に係わる設計・施工の手引き(案)
監修 建設大臣官房技術調査室建設省土木研究所
社団法人 全日本建設技術協会
[ボックスカルバート・擁壁編]
-
土研修正案
追加
-
追加
105.9が正解
載荷重満載
載荷重後方部分載荷
15.5が正解
-
嵩上げ盛土
PA
重力式擁壁
PAPA
かかと版が長い擁壁
部分載荷
嵩上げ盛土
PA
PA
かかと版が短い擁壁
PAPA PA
ランキン式
かかと版が長い擁壁
PA
PA
土圧計算法の適用