全自動電解質分析装置EA09の...

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全自動電解質分析装置EA09の 透析施設における有用性 清水 康 1) 、田中 和弘 1) 、安岡 真紀 1) 、申 曽洙 2) 1) 特定医療法人五仁会 元町HDクリニック 臨床検査部 2) 特定医療法人五仁会 元町HDクリニック 内科

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全自動電解質分析装置EA09の

透析施設における有用性

清水 康1)、田中 和弘1)、安岡 真紀1)、申 曽洙2)

1) 特定医療法人五仁会 元町HDクリニック 臨床検査部

2) 特定医療法人五仁会 元町HDクリニック 内科

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一般社団法人日本臨床検査自動化学会

COI(利益相反)開示

筆頭発表者名: 清水 康

演題発表に関連し、開示すべきCOI

(利益相反)関係にある企業等はありません

一般社団法人 日本臨床検査自動化学会

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はじめに

• 透析患者は腎機能不全のため電解質濃度異常を来た

し易く、電解質管理ためにNa、K、Clを測定することは

重要である

• 透析療法に用いる透析液の濃度調製、管理の際にも

透析液中のNa、K、Cl測定が重要となる

• 希釈ISE法を測定原理とした全自動電解質分析装置

EA09 (エイアンドティ-社製、以下EA09)を使用して、

透析患者検体および透析液について評価検討したの

で報告する

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280 mm

576 mm

547 mm

424 mm

207 mm

414 mm

EA09の仕様(EA07との比較)

試薬:1液系から2液系へ変更

EA09 EA07

測定原理 イオン選択性電極(希釈電位差測定法) 電極 Na/K:クラウンエーテル膜電極

Cl:MO膜電極

(超積層固体化分子配向膜電極)

測定項目 Na/K/Cl(3項目同時測定)

測定対象 血清、血漿、尿、透析液

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方法

評価装置

EA09(血清および透析液モードにおけるNa・K・Cl)

比較対照装置

EA07、7180形自動分析装置(以下、7180)

血液ガス分析装置ラピッドラボ348EX(以下、348EX)

評価内容

基本性能として、JCCRM121と理論濃度に調製した透析液を用いた正確性、管理試料(QAPトロール)と透析液を用いた同時・日差再現性、透析液へのK添加直線性

相関性として、透析患者の透析前および透析後検体(血清、血漿、全血)を用いた各装置との比較

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JCCRM121および透析液を用いたEA09の正確性 n=5

(mmol/L)

JCCRM121のNa、Kは低・中・高濃度とも認証値の拡張不確かさに入っており、Clは若干高い傾向であったが本品の日常検査における許容範囲に入っていた 透析液もNa、K、Clとも理論値に近似した値が得られ、良好な正確性を有していた

認証値 認証値 認証値

拡張不確かさ 拡張不確かさ 拡張不確かさ

131.7 3.52 93.3

±0.6 ±0.02 ±0.3

146.8 4.44 108.7

±0.6 ±0.03 ±0.4

161.6 5.57 124.7

±0.7 ±0.03 ±0.6

透析液 測定値 理論値 測定値 理論値 測定値 理論値

キンダリーAF3号 140.3 140.0 2.01 2.00 113.7 114.5

H 161.1 5.59 126.8

L 131.6 3.52 94.5

M 146.7 4.43 110.5

Na K Cl

JCCRM121 測定値 測定値 測定値

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試料 透析液(QC用) QAP(1X) QAP(2X)

項目 Na K Cl Na K Cl Na K Cl

Ave. mmol/L 140.3 2.01 114.1 136.1 3.97 96.2 149.6 5.91 111.4

S.D. 0.19 0.01 0.18 0.26 0.01 0.22 0.21 0.01 0.12

CV(%) 0.14 0.37 0.16 0.19 0.24 0.22 0.14 0.16 0.11

R mmol/L 0.6 0.02 0.6 0.8 0.03 0.7 0.6 0.03 0.4

(n=10)

同時再現性(透析液・管理試料)

Na、Clはレンジで1mmol/L以内、Kは0.03mmol/L以内、CVは0.11~0.37%とすべての項目において、透析液・管理試料とも非常に良好な同時再現性を示した

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試料 透析液(QC用) QAP(1X) QAP(2X)

項目 Na K Cl Na K Cl Na K Cl

Ave. mmol/L

139.6 1.99 113.3 136.2 3.97 97.2 150.3 5.95 111.8

S.D. 0.31 0.01 0.42 0.34 0.01 0.31 0.56 0.02 0.40

CV(%) 0.22 0.31 0.37 0.25 0.23 0.32 0.37 0.41 0.36

R mmol/L

1.3 0.02 1.8 1.2 0.03 1.0 2.0 0.08 1.2

130

135

140

145

150

155

Na 測定値

(m

mo

l/L)

90

95

100

105

110

115

Cl 測

定値

(m

mo

l/L)

1.5

2.5

3.5

4.5

5.5

6.5

K 測定値

(m

mo

l/L)

- 透析液(QC用) - QAP (1X)- QAP(2X) 日差再現性:15日間(透析液・管理試料)

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測定装置 EA09 EA07 348EX

理論値 Ave. 差 Ave. 差 Ave. 差

2.00 2.00 0.00 2.02 0.02 2.01 0.01

2.10 2.09 -0.01 2.12 0.02 2.09 -0.01

2.20 2.19 -0.01 2.22 0.02 2.22 0.02

2.30 2.30 0.00 2.32 0.02 2.34 0.04

2.40 2.38 -0.02 2.39 -0.01 2.39 -0.01

2.50 2.48 -0.02 2.48 -0.02 2.49 -0.01

2.0

2.1

2.2

2.3

2.4

2.5

2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5

EA09

理論値

EA09(K:2.0~2.5)

mmol/L

mmol/L

2.0

2.1

2.2

2.3

2.4

2.5

2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5

EA07

理論値

EA07(K:2.0~2.5)

mmol/L

mmol/L

2.0

2.1

2.2

2.3

2.4

2.5

2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5

348EX

理論値

348EX(K:2.0~2.5)

mmol/L

mmol/L

透析液へのK添加直線性(K値:2.00~2.50) (n=5)

(mmol/L)

透析液モードにて測定 (Naは140mmol/LでKのみ2.0から2.5へと0.1刻みに変化)

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y = 1.004 x - 0.968 r = 0.988

130

135

140

145

150

130 135 140 145 150

EA09

EA07

Na 相関性 mmol/L

mmol/L

y = 1.013 x - 0.047 r = 0.999

2

3

4

5

6

7

2 3 4 5 6 7

EA09

EA07

K 相関性 mmol/L

mmol/L

y = 1.022 x - 1.985 r = 0.982

90

95

100

105

110

115

90 95 100 105 110 115

EA09

EA07

Cl 相関性 mmol/L

mmol/L

y = 0.943 x + 9.276 r = 0.952

130

135

140

145

150

130 135 140 145 150

EA09

7180

Na 相関性 mmol/L

mmol/L

y = 1.023 x - 0.068 r = 0.998

2

3

4

5

6

7

2 3 4 5 6 7

EA09

7180

K 相関性 mmol/L

mmol/L

y = 0.985 x + 4.930 r = 0.947

90

95

100

105

110

115

90 95 100 105 110 115

EA09

7180

Cl 相関性 mmol/L

mmol/L

(n=62)

血清検体(透析前)の相関 (上段:EA07 vs EA09 下段:7180 vs EA09)

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(n=129)

血漿検体(透析前・後)の相関 (上段:EA07 vs EA09 下段:7180 vs EA09)

y = 1.008 x - 1.508 r = 0.986

130

135

140

145

150

130 135 140 145 150

EA09

EA07

Na 相関性 mmol/L

mmol/L

y = 1.012 x - 0.062 r = 0.999

2

3

4

5

6

7

2 3 4 5 6 7

EA09

EA07

K 相関性 mmol/L

mmol/L

y = 1.078 x - 7.717 r =0.971

90

95

100

105

110

115

90 95 100 105 110 115

EA09

EA07

Cl 相関性 mmol/L

mmol/L

y = 1.003 x + 1.129 r= 0.923

130

135

140

145

150

130 135 140 145 150

EA09

7180

Na 相関性 mmol/L

mmol/L

y = 0.985 x + 0.105 r= 0.999

2

3

4

5

6

7

2 3 4 5 6 7

EA09

7180

K 相関性 mmol/L

mmol/L

y = 0.982 x + 4.600 r= 0.937

90

95

100

105

110

115

90 95 100 105 110 115

EA09

7180

Cl 相関性 mmol/L

mmol/L

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血液ガス検体(透析前・後)との相関

348EX:血液ガス専用シリンジ(全血) EA09:血液ガス検体を遠心分離(血漿)

y = 0.876 x + 15.628 r = 0.884

130

135

140

145

150

130 135 140 145 150

EA09

348EX

Na 相関性 mmol/L

mmol/L

y = 1.011 x - 0.026 r = 0.997

2

3

4

5

6

7

2 3 4 5 6 7

EA09

348EX

K 相関性

mmol/L

mmol/L

(n=55)

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まとめ

EA09は、正確性・精密性に優れており、透析

患者の血清・血漿検体において、従来装置EA07

のみならず、7180、348EXとも良好な相関性を示

した

さらに透析液濃度管理にも有用であり、透析

施設において質の高い検査が可能であることが

確認できた