Ⅰ．はじめに

　鎖骨骨折は，プライマリケアを担当する整形外科診療所において日常診療上よく遭遇する骨折の一つである。鎖骨は発生学的に四肢長管骨と異なり，仮骨形成が良好なため保存的療法が推奨されてきた。その一方で，保存的治療は肩甲帯の外固

定を長期に要すると共に変形治癒，遷延性骨癒合不全や偽関節などの合併症が時にみられる。特に外側骨折に偽関節が多くみられるが，肩鎖関節脱臼と同様に愁訴は軽度で日常生活上の障害に影響は少ない。　近年，骨折に対する内固定材の進歩により観血的に解剖学的整復と強固な固定が行なわれ，早期

〔千葉医学　87：39～ 48， 2011〕

都賀さいとう整形外科Atsushi Saito: Conservative treatment of clavicular fracture: its anatomical significance. Tsuga Saito Seikeigeka, Chiba 264-0025.Tel. 043-497-5137. Fax. 043-497-5138.Received October 4, 2010, Accepted December 15, 2010.本内容の一部は第10回千葉県医師会医学会学術大会記念大会にて発表した。

〔総説〕 鎖 骨 骨 折 の 保 存 的 治 療

－ボデイプランからみた鎖骨の特性－

齋　藤　　　篤

（2010年10月 4日受付，2010年12月15日受理）

要　　旨

　無床診療所における鎖骨骨折は，低エネルギー外傷によるものが主であり保存的治療にてほぼ満足すべき結果が得られた。鎖骨は哺乳動物のボデイプランとして線維性骨化を示し，内側骨端は20代後半まで成長し，先天性偽関節や欠損症が存在する特殊な骨である。小児鎖骨骨折については，9カ月から15歳（82例）の症例のうち 0－ 3歳までは29例で， 8－ 9歳には 3例と減少し，13－15歳では24例と増加すると共にRobinson分類Type2Bが多くなる（odds比4.28）。遠位端骨折（平均年齢11.5歳　4例）については，フエルトパッド付鎖骨骨折固定バンドにて骨癒合が得られた。脇の下で抱くと泣く乳幼児は，鎖骨骨折が疑われた。成人鎖骨骨折は89例で平均年齢46.5歳（16－87歳）であった。外側端骨折は32例で平均年齢42.7歳であり，男性（男性25：女性 7）と右側（右側22：左側10）が多かった。鎖骨中 1/3骨折は55例で平均年齢36.1歳，活動性の高い男性（男性40：女性15）の青壮年層に多かった。Robinson分類のType2A1＆2が24例であり，Type2B1＆2は31例であった。Type2B1と比べて2B2の粉砕骨折に遷延性骨癒合が多い印象はなかった。 8字固定ギプスや固定バンドによる安静固定を 8－10週間施行し，変形治癒を伴ったが偽関節形成はみられなかった。鎖骨遠位端骨折は偽関節形成が多くCraig分類TypeⅠは14.3％であるが，特に田久保分類TypeⅥは偽関節形成83％（ 6例）が多かった。その一方では，高齢者における鎖骨遠位端骨折の偽関節形成は遺残性の肩鎖関節脱臼と同様に患者立脚型アウトカムは容認された。疼痛を伴った活動的成人男性の1症例は，鎖骨遠位端切除で対処できた。両側性偽関節を示した胸肋鎖骨異常骨化症の鎖骨中 1/3病的骨折の中年女性例は， 2年後の追跡にて骨癒合がみられた。女性（平均年齢49歳（ 3例）例の大根田分類Ⅴ型である鎖骨中 1/3の横骨折は遷延性仮骨形成を示した。 1例は12週以降に観血的治療に移行し，2例は24週以降に仮骨形成が両骨折端に架橋して出現し，1年後には骨癒合が得られた。このことはRobinson分類Type2B1に中高年女性にみられる難治性骨折型の存在が示唆された。

　Key words: 鎖骨骨折，保存的治療，骨癒合不全，肩章パッド付鎖骨バンド

40 齋　藤　　　篤

就労やスポーツ復帰などが可能になった。しかし，内固定材の抜去の問題，再骨折や感染，医療費などを考慮して保存的療法を希む症例も多い［1］。　今回，1980年より19年間に保存的治療を行なった鎖骨骨折171例（ 0－87歳）について後向きに検討を行なった。全例共，乳幼児を除き，X線上骨癒合を確認し，遷延性骨癒合不全例は24週以上追跡した。鎖骨骨折は，鎖骨の解剖学的特徴を理解して年齢・性・日常生活などを基に治療法を選択する必要を認めたので報告する。

Ⅱ．鎖骨の解剖学的特徴　　　　　　　 －偽関節形成の要因－

　鎖骨は頭蓋骨や下顎骨のように線維性骨化により形成される附加骨である。脊椎動物のボデイプランからみた鎖骨の形成は進化の過程で多様性がみられる。硬骨魚類の胸鰭の付着部はカマと呼ばれ，鎖骨に相当する上擬鎖骨と擬鎖骨があり，その中に肩甲骨と烏口骨が内蔵されている。これは鯛ではタイの形をしている。ドイツのジュラ紀の地層から発見された始祖鳥には，恐竜にもみられる原生鳥類の癒合鎖骨（叉骨）がある。胸骨と連結した烏口骨と肩甲骨に，この叉骨は関節を形成し羽撃きを制御する。暢思骨とも呼ばれている。ヒトでは烏口骨が烏口突起となり，肩甲骨と一体化し，肩鎖関節は烏口肩峰靱帯と烏口鎖骨靱帯で支持されている。霊長類のうちテナガサルは，鎖骨と烏口突起間で関節を形成している［2］。この烏口鎖骨靱帯である菱形靱帯と円錐靱帯付着部周辺部の骨折は，その靱帯損傷を伴う肩鎖関節脱臼と同様に保存的治療による整復と固定に難渋する。しかし，遺残した肩鎖関節脱臼や鎖骨遠位部の偽関節による肩関節機能障害は一般的に軽微であり，疼痛も平素の日常生活に許容される。鎖骨全体がS字状を呈し，中 3分の 1に剪断力が集中するため，骨折が最も多く，髄腔は狭く厚い皮質の骨片骨折が生じやすい。上肢が下肢より長く，ナックルウォークをする類人猿は烏口突起は大きく，鎖骨は弯曲がより直線的になっている［3］。鎖骨が欠損しているシカなどの有蹄類では，胸廓が縦長の紡錘形で肩甲骨が櫂のように横径が発達し，肩関節の内外転運動を犠牲にして，跳躍と走

行に適した衝撃吸収機構を獲得している。イヌなどのような肉食動物の鎖骨も同様に退化して痕跡的に骨塊が存在する。綿羊とネコの胎生期における鎖骨の組織学的研究によると，綿羊では一過性に鎖骨の間葉性細胞の集団が形成されるものの，発達と共に 1層の上皮細胞に囲まれ，骨膜の発達は阻害されて破骨細胞が現われる。続発性の軟骨形成がみられず骨形成に到らない。ネコでは，軟骨形成は綿羊と同様にみられないが，骨膜がよく発達して旺盛な骨芽細胞の出現により機能しない痕跡的鎖骨が形成される［4］。　ヒトの鎖骨の発生については，Mallにより1906年，間葉系細胞が胎生 6週間後に 2つの集積として発生することを認めた。近年，雄賀多らの研究によると，胎児で最も早く骨化する鎖骨の両端に一次骨化中心である結合組織が出現する。それは次第に融合して軟骨組織となり，屈曲しながら成長しS字状になる。次に骨膜からの血管侵入により骨髄が形成され，鎖骨の中外 1/3の位置で両側からの骨化が合体する［5］。この部位は，鎖骨の上部に付着する僧帽筋と下部に付着する三角筋や烏口鎖骨靱帯が，内側の上部に付着する胸鎖乳突筋と鎖骨下部の骨溝に付着する鎖骨下筋と大胸筋の境に一致する。この部位は，Deltopectoral triangleとよばれS字状の曲がり角でもある。ここは約 2 %に見られるとされる鎖骨上神経孔がある［6］。この神経は通常では鎖骨を皮下で跨いで走行しているが，X線撮影で偶然に骨孔が発見されることがある（図 1）。　鎖骨の先天性欠損は，遺伝子異常による鎖骨・頭蓋異形成症や原因が定かでない先天性鎖骨偽関節症などがある［7］。見目らの報告によると，機能的には鎖骨の 2/3未満の欠損例では機能上問題がなく，鎖骨下の血管や神経が障害されたり疼痛の原因になる症例は稀であるため小児では保存的経過観察が推奨されている［8］。その一方で，先天性鎖骨偽関節に対して四肢の先天性偽関節症に比べて骨癒合が良いことから仁木らは，心臓右方偏位，第一肋骨形成不全を合併した 6歳児に断端切除と骨移植，鋼線固定を施行している。高位の右鎖骨動脈による持続的圧迫が鎖骨に作用し，偽関節形成に原因を示唆している［9］。品田らは，乳幼児期に 2回の手術を受けたが骨癒合の得られ

41鎖 骨 骨 折 の 保 存 的 治 療

なかった右第 3， 4合指症と右小耳症を合併した先天性鎖骨偽関節症の 5歳児に，両親の希望で両端の新創化の後，腓骨と腸骨からの骨移植を行い，下腿と共に良好な成績を報告している［10］。この偽関節は主に右鎖骨の中 1/3 に見られ，何らかの他の形成異常を右側に合併していることからHOX遺伝子の影響が考えられている。従って胎生期に生じた両側の 1次骨化の癒合障害が否定できない［11］。鎖骨は思春期より青年期まで鱗状の骨端核が内側端に存在し，30歳に近づくまで成長する。外側端は肩甲骨と線維性軟骨の介在する関節で骨端核が存在しない。鎖骨の右側は左側より短くて太く，女性の方が男性より顕著である。鎖骨骨幹部には骨髄腔のほとんど無いものもあり，個体差により骨片骨折後の治癒期間に差ができることが想定される。鎖骨の骨膜を剥離すると，動物実験的に鎖骨は対照側より長く伸びることより，骨膜の欠損は骨形成に影響する。鎖骨の成長に関与する内側骨端核は法医学的に年齢推定に役立ち，11－22歳で骨端核が出現し，16－26歳で部分癒合が開始，22－27歳で完全癒合するとされる［12］。12－18歳の若年層でスポーツ外傷や事故で嚥下呼吸障害を訴えたり，鎖骨内側や前胸部の腫脹と疼痛を伴う外傷がある。また，ラグビーや柔道により受傷することが多く，鎖骨近位骨端線離開が胸鎖関節後方脱臼として観血的治療により確認されることがあるが，CT検査で必ずしも確認されない。観血的整復の後，縫合固定で予後は良好であり徒手整復は困難である［13］。鎖骨の後天的に欠損については，Krishnanらの鎖骨全

摘出 6例の報告がある。症例は25－46歳の煙草喫煙者で骨折術後感染で多数回手術例や，鎖骨下静脈閉塞症術後の癒合不全である。摘出術後はすべて肩関節可動域は改善，VAS（主観的疼痛スケール 0－100）は平均術前の95から術後15に改善し，満足度が高いためサルベージとして推奨している［14］。　鎖骨外側部 1/3の骨折は保存治療に難渋し偽関節を生じやすい。Kirschner鋼線と軟鋼線による固定，各種のプレートなどを用いた手術療法がおこなわれている［15］。要因として，鎖骨遠位端には骨端核は形成されず，骨折後の仮骨形成が旺盛とはいえない。MRIによる肩鎖関節の動きを解析した研究では，上肢の前方挙上は17.3°であるが，背中を掻く結帯動作では33.2°，外転時には30.6°と増大している。鎖骨遠位関節前方の関節軟骨面を介して上肢挙上に伴う肩甲骨側からの応力が集中してくるため，鎖骨骨折部には回旋が生じることになる［16］。従来，鎖骨骨折の初期治療は90°以上の挙上動作は制限すべきとされているが，上肢の屈曲運動など軸の回旋の少ない日常生活動作をするよう留意させ，外転・伸展運動や荷重の加わる動作の制限は遷延治癒の予防となると考える。　手術療法の合併症としては，鎖骨遠位端骨折の治療に用いられたKirschner鋼線が骨折部で屈曲したり，術後約 2年の経過中に折損し，反対側の上肢皮下に移動例した症例報告もある［17］。時には鋼線が，胸腔，気管，脊柱管，眼窩，心臓や大動脈などを損傷する重篤な合併症例についても言及している。髄内固定の他に各種鎖骨用プレートによる小侵襲骨接合術も汎用されているが，術後プレート破損の報告もみられる［18］。治療法の選択は，高齢者やスポーツなど活動的な青壮年，若年者など勘案して慎重に選択すべきであろう。

Ⅲ．鎖骨骨折の分類法と治療上の予後

　長管骨骨折の分類は，Orthopaedic Trauma Associaton（OTA）のコードにより細分化されて活用されている（Gustilo, R. B.: The fracture classification manual, St Luis, 1991, Mosby）。Roweによると［19］，鎖骨骨折に関してはAllman

図 1　30歳男性　左鎖骨上神経孔（矢印）

42 齋　藤　　　篤

によるグループⅠの中 1/3，グループⅡの外側1/3，グループⅢの内側 1/3の分類がよく用いられている。このうちのグループⅡはNeerによって，Ⅰ型は烏口鎖骨靱帯に損傷がない外側端の骨折，Ⅱ型は外側端は烏口鎖骨靱帯と固定されているが，その靱帯の中枢側で骨折し転位したもの，Ⅲ型は肩鎖関節にかけて遠位端が骨折しているものに分類された。その後，Ⅱ型のうちで烏口鎖骨靱帯が無傷なものをⅡA型，烏口鎖骨靱帯のうち，菱形靱帯は損傷されず，円錐靱帯のみが断裂して骨折したものをⅡB型，とRockwoodにより区別された。その後にCraigは非常に稀な骨膜損傷を伴う骨折をⅣ型に，粉砕骨折をⅤ型として 5型に分類した。その後本邦の報告で，Neer分類のうちでⅠ型に属しているものの中に，20歳前後にみられてCT像で烏口鎖骨靱帯が断裂したものがあり，それをⅥ型として区別した。保存療法では偽関節形成を生じ易く，観血的療法の対象になる難治性骨折として報告している［20］。Craigは，Rockwood分類によるグループⅢの近位端骨折を遠位端骨折と同様にⅣ型として骨端離開を含むものと分類している。　鎖骨近位部の骨折は骨幹部骨折に比べ頻度は少ない。単純X線検査ではRockwood撮影でも鎖骨近位骨端離開の診断には難渋し，CT検査による 3 D画像診断が有用であるとされる。英国のRobinsonは1000例におよぶ鎖骨骨折を分析して独自の分類を報告した。近位端骨折の分類は肋鎖靱帯に関わる骨折をType1とし，非転位のTypeA1とA2に，転位のあるType1B1と 1B2に分けている。鎖骨中 1/3骨折についてはCraigはグループⅠとしているが，RobinsonはType2として，骨皮質の連続し転位のないものを 2A1，角状変形のあるもの 2A2とし，転位があるが単純なものを 2B1，単純で 1個の蝶形骨片のあるものを除き，粉砕または分節状骨折を伴うものを2B2としている［21］。　本邦において大根田らは，独自に骨折線をもとにしてⅠ－Ⅴ型の分類を報告している。その中で注目すべきは，Ⅴ型の単純な斜骨折が138例中 3例の少数例にみられたことである。また全症例は仰臥法による治療で保存的に完治したと報告している［22］。今回著者は以上の骨折分類をもとに保

存的治療を行なった症例について検討し，田久保分類Ⅵ型や特に興味深い大根田分類Ⅴ型について言及する。

Ⅳ．小児鎖骨骨折の特徴と予後

　新生児鎖骨骨折は，産科領域では約 2 %に発生し，乳児検診時に触知されるも 3カ月以内に仮骨形成による隆起は触れなくなるとの報告がある［23］。筋性斜頸や先天性股関節脱臼などの 3カ月検診で鎖骨骨折が診断されることは極稀といえる。乳幼児が歩行を開始すると椅子や机によじ登り転倒し骨折する。鎖骨骨折は肩の直達外力が主な原因で生じる［24］。当院で治療を行なった 9カ月から15歳までの82例は，男児49例，女児33例で，右側30例，左側53例（両側 1例）であった。骨折の部位別では，近位端骨折の疑いのある少数例は紹介転医のため 0例，中内 1/3は 1例，中央 1/3は41例（42骨折），中外 1/3は36例，遠位端は 4例であった。Sarwarkらの報告では，外側 1/3は10－21%，内側 1/3は 3－ 5 %と外側骨折の比率が多いが，高エネルギー外傷等で搬送収容される基幹病院とは比率が異なっていた。骨折は鎖骨中1/3骨折が主であり，遠位端骨折は 4例（全例男児平均11.5歳）でCraig分類のTypeⅡA 1例，ⅡB 1例，TypeⅢ例 2例（Neer分類も同じ）であり，鎖骨固定バンドで治療した。TypeⅡAは西堀ら［25］の変法で肩バンド下に厚さ2.5㎝の名刺大で軟らかくしたフエルト片を肩章として挿み固定した（図 2 A）。この10歳男児の症例は，旺盛な仮骨形成により隆起して骨癒合がみられた（図2 A，B）。年齢別では，処女歩行がしっかりする3歳迄の乳幼児期が29例で最も多く， 8歳と 9歳では計 3例と最も少なく，小学生入学後の時期に減少する。その後，13歳になると急に12例と増加し，中学生入学後クラブ活動等によるスポーツ外傷で増加する。骨幹部中 1/3小児鎖骨骨折のRobinson分類では，生後より 3歳までの28例中24例がType2Aであり骨片骨折を伴うものは稀であるが，13歳より15歳までの 3年間の24例のうちType2Aが14例であった。Odds比は4.28，χ2検定はP＜0.025であり，思春期になるとType2Bが増加する。宮城県下の病院における小児骨折の集

43鎖 骨 骨 折 の 保 存 的 治 療

際こどもが泣く場合は，まず鎖骨骨折を疑ってX線検査をすべきであろう。年長児の早期スポーツ復帰は再骨折に留意する。固定は固執せずに保存的治療で早期に治り，観血的治療は特別の合併損傷例に限定されると考える。

Ⅴ．成人鎖骨骨折の特徴と予後

　年齢は16歳より成人とし，症例（16－87歳，平均年齢46.5歳）は89例であった。鎖骨骨折のプライマリケアにおいて，早期にスポーツ復帰のため，16歳以下でも基幹病院のスポーツ整形外科専門医による手術療法を希望したり，代替療法による通院を希望して転医を申し出る症例も少なくない。　鎖骨内側端骨折については，3例の高齢者で（72－87歳，平均78.3歳）であった。若年者でスポーツ外傷により内側端骨折が疑われた症例は基幹病院に依頼した。治療は鎖骨骨折固定バンド装着が主であるが， 1例は初診時に 8字ギプス固定法等を採用した。固定期間は平均 7週間を指示した。しかし，高齢者は必ずしも固定には固執せず，早期には仰臥安静を保つように指導し，更衣や入浴は支援のもと許可した。4週後には疼痛も軽減し，12週後には骨折部の愁訴がほぼ消失していた。　鎖骨外側端骨折は，32例であり，平均42.7歳（23－79歳）男性25例，女性 7例，右22例，左10例であった。骨折の部位は，肩鎖骨関節から菱形靱帯と円錐靱帯が烏口鎖骨靱帯として鎖骨遠位を支えているが，肩鎖関節と菱形靱帯の間の骨折をCraig分類Ⅰ型，その靱帯に損傷のない骨折をⅡA型，円錐靱帯のみ損傷した骨折をⅡBとしたが，そのうち烏口鎖骨靱帯の断裂を伴いⅠ型と同じ部位で骨折する田久保分類Ⅵ型の骨折の判定は，単純X線像のみで判断するのには難渋した。肩鎖骨関節損傷における分類Ⅵ型のうち，Ⅲ－Ⅵ型は保存治療では整復位に保持する事が困難であるように，烏口鎖骨靱帯断裂を伴う鎖骨遠位端骨折の治療成績は劣る。症例は田久保分類Ⅰ型14例（平均年齢49.7歳），Ⅱ型 5例（平均年齢43.2歳），Ⅲ型3例（平均年齢55.7歳），Ⅳ型なし，Ⅴ型 4例（平均年齢36.5歳），Ⅵ型 6例（平均年齢51.5歳）であった。偽関節形成については，Ⅰ型14.3%，Ⅱ型40.0%，Ⅲ型33.3%，Ⅴ型50.5%，Ⅵ型83.3%で

計では， 0－ 4歳までは肘関節周辺骨折が最も多く，次に鎖骨骨折が約16%にみられた。10－14歳では，前腕骨折が最も多くなり，骨折全体のうち鎖骨骨折は約 5 %となり減少する［26］。乳幼児の鎖骨骨折における主な臨床症状は，（1）こどもが「手」を痛がる，（2）胸に手を当てて抱くと痛がる，（3）シャツの着脱で痛がる，などを主に保護者が訴える。診断には脇の下に両手を当て抱き上げる

図 2Ａ　10歳男児　左鎖骨遠位骨折　　　　　　　　　Neer分類ⅡA型

短冊型肩章パッド付き鎖骨バンド固定

図 2Ｂ　受傷後　　 1週

図 2Ｃ　受傷後　　12週

　骨愈合と自然矯正を示す

44 齋　藤　　　篤

週後に遷延治癒のため観血的にKirschner鋼線固定を選択し，20週で骨癒合が得られた。約10%を占める 5例（男性 2例，女性 3例，平均年齢53歳（23－81歳））は骨癒合が12週で得られなかったが，24週後には全例癒合が完成した。　鎖骨骨折のうち骨幹部中 1/3骨折は約70%を占めており，20歳以下では保存的治療で早期に骨癒合が得られた。2B2型の粉砕骨折であっても安静固定と仰臥位保持で， 1週間以後には経時的に血腫が縮小し骨片が集結してきた。変形は避けられないが，仮骨形成は良好であった。高齢者で遷延治癒を示した症例も，偽関節形成をみた症例は幸い無かった。スポーツ外傷であったり，社会的要因により観血的療法を希望して基幹医療施設に転医した症例もあり，偽関節形成の発生率は定かでない。一般に頭部外傷や脊髄損傷に合併した骨折は骨癒合が旺盛であるとの印象があるが，一過性の意識障害を伴う頭部外傷に鎖骨骨折を合併した20歳代の 2B1型男性 2例は，保存的治療14週で

あった。遠位部骨折ではⅠ型が最も偽関節形成が少なく，烏口鎖骨靱帯断裂を伴うⅥ型骨折が最も多かった。偽関節形成により運動時に疼痛を伴う症例では，遠位端の切除により対処できた（図 3）。　鎖骨遠位部の骨折の予後は，癒合不全が生じても肩鎖関節脱臼Ⅲ度と同様に愁訴は許容され，北欧の長期追跡報告と同様の結果であった［27］。　鎖骨中 1/3骨折は，55例であり平均年齢36.1歳（16－86歳）であった。活動性の高い青壮年で男性が多く40例，女性は15例であった。受傷側は右が23例，左は32例であった。Robinson分類による症例の内訳は，2A1型が 7例，2A2型が17例，2B1型が18例，2B2型が13例であった。転位や骨片を伴う骨折が30例と過半数を占めていた。興味深いことに 2B1型斜骨折の 3症例は女性であり平均年齢49歳（44－54歳）であった。これは大根田分類Ⅴ型の斜骨折であるが，骨折先端部に仮骨形成が出現して架橋による骨融合が完成するには24週間を要した（図 4）。49歳の 1例は外固定14

図 3　45歳男性　右鎖骨遠位骨折　　　　　　　　　Neer分類ⅡB型　

Ａ．受傷後　24週　偽関節形成　　　　　　　　ゴルフスイング時の疼痛あり　　　　　Ｂ． 1年後　遠位部切除にて疼痛消失　　　　

図 4　52歳女性　左鎖骨 1/3骨折　　　　　　　 Robinson分類 2B1　　　　　　　　　大根田分類Ⅴ型

Ａ．受傷後　 1週　ギプス固定　　　　Ｂ．受傷後　 1年　架橋による骨愈合　

45鎖 骨 骨 折 の 保 存 的 治 療

げ法（着衣内の懐固定など）のどちらを選択するかについて外固定不必要の論争が行なわれている［31,32］。鎖骨骨幹部骨折の保存療法の成績について諸家の報告によると，岩田らは小児から高齢者を対象とした鎖骨固定帯による治療で94%（平均41歳，10－98歳，67例）に骨癒合が得られ，楔形第 3骨片のあるRobinson分類 2B1型の 3例に遷延治癒および偽関節を報告している［33］。Robinsonは，保存療法による癒合不全の危険性について多数例における解析の結果，24週後の診断では遅いため，癒合不全を予測し早期発見により外科的治療の選択を推奨している。しかし，90%の骨幹部骨折と，80%の外側端骨折は12週で治癒しなくても，24週までには骨癒合が得られるため，多くは保存的治療を選択してよいとしている。高齢女性の骨幹部粉砕骨折では，12週で72.4%に骨癒合が得られず，24週でも38.3%に癒合不全が認められているため偽関節形成を考慮すべきであるとしている。活動性の高い青壮年は観血的治療を推奨されるが，20歳代男性の転位した骨折は，12週で41.6%に骨癒合が得られないが，24週になると92.6%に骨折が癒合するとしている［34］。McKeeらは，転位を伴った中 1/3骨幹部骨折（平均年齢37歳）では，肩関節可動域が約10°，筋力は約20%におよぶ低下がみられ，DASH評価では，24.6点（コントロール10.1点／100点最悪）と上肢機能自己評価は従来の報告より思わしくなく，また短縮≧ 2㎝は予後不良としている［35,36］。しかし，骨折部位が 2㎝以上におよぶ短縮は，高エネルギー外傷や体格の大型な症例に限定されると考えられる。ドイツにおける鎖骨骨幹部骨折に対する治療法の調査では，単純骨折の88%に 8字固定法による保存療法が行なわれているが，転位を伴う骨折では56－75%に手術的治療がなされ，活動的な若年者や成人の52－64%にプレート固定法56%，髄内固定法43%が採用されており，カナダでは転位した鎖骨中央部骨折はプレートによる観血的治療を行なった方が，保存的治療より優れており癒合不全もなく推奨すべき治療法であるとしている［37］。保存的治療と観血的治療の比較について本邦に於ける報告では，少数例であるが転位した中 1/3骨折の他施設との比較では，手術療法に変形や機能障害等の合併症が多

X線上仮骨形成がほとんどみられず，遷延性骨癒合を示したため骨移植による観血的治療に移行し骨癒合を得たので集計からは除外した。保存的治療を行なった16歳男性 1例は骨癒合後，早期にスポーツ復帰にて再骨折を経験したが，保存的治療で早期に骨癒合が得られた。

Ⅵ．考　　案

　鎖骨骨折は，わが国において明治時代より保存的治療を選択すべきか，または手術的治療を選択すべきかの論争が行なわれている。臼井は，鎖骨骨折簡単治療法として「仰臥法」を 3症例に行い「畳に薄き蒲団一枚を展べ患者を仰臥せしめ，肩甲部にT字枕をもちふることをよしとす」と述べており，田代も，日本整形外科学会誌第 1巻に「鎖骨骨折は折片整復到底理想的に行なはざることあれども然れども機能的障碍を残さざるを以て多くの場合手術的整復法を施さず」と述べている［28］。欧米では数多く保存的固定法の報告があるが，患側に胸当て木板を用いバンドで整復固定を行なうBohler式鎖骨スプリントなどは遠位端骨折や肩鎖関節脱臼の治療にも有効と報告されている［29］。1965年大根田は138例の鎖骨骨幹部骨折をⅠ－Ⅴ型に分類し，臼井法による 6週間仰臥安静による保存的療法で偽関節形成もなく満足すべき成績を得たと述べている。特筆すべきことは，3例のⅤ型の斜骨折の存在である。自験例の 3例（女性平均49歳）は遷延性骨癒合不全を示し，12週になりX線上骨折部両端に初めて仮骨形成がみられた。 1例は観血的治療に移行したが， 2例は24週後に骨癒合が両骨折端に認められ， 1年後に強固な架橋形成となった（図 4）。鎖骨骨折の保存的治療は，体幹ギプス固定法や，各種補装具による多数の固定法による治療が古典的に行なわれているが，骨折部の整復と固定の主眼は，肩甲骨の挙上と肩の外転（Akimbo）姿勢による 8字固定ギプス（襷掛け）法や鎧型の体幹ギプス固定法が汎用されてきた［30］。　我国では平成になると市販の鎖骨骨折固定帯が常用されて次第にギプス固定による治療は限定的治療法となった。1960年代の英国では，鎖骨中 1/3骨折治療について 8字固定法と吊り下

46 齋　藤　　　篤

SUMMARY

Clavicular fractures are among the most common of all fractures. Recent studies have shown that operative treatment results in improved outcome and a lower rate of nonunion in active adult patients; however, superb union rates have also been reported with nonoperative treatment. The aim of this study was to evaluate the clinical results of low-energy fractures of the clavicle treated conservatively in our clinic. A series of 171 consecutive patients （range, 0-87 years） came to our clinic for ambulatory treatment. The treatment included a figure-of-eight bandage in most patients or a plaster-of-paris cast in selected adults. The method incorporated a pad placed under each axilla with the arms in the akimbo position. During the initial phase of treatment, the patients were instructed to remain supine as the pain subsided; however, their activities of daily living were not restricted.

Union of the fractured clavicle occurred in 82 patients （78 middle third, 4 lateral end） under 15 years of age. The majority of these 82 fractures occurred in younger （29 from 0-3 years old） and older patients （24 from 13-15 years old）, with only 3 fractures in patients 8-9 years old. A clavicular fixation band with a large biscuit-sized felt pad attached to the shoulder strap on the fractured side was effective in an older child with a Neer type Ⅱ distal fracture.

Clavicular fractures were also evaluated in 89 adult patients with a median age of 46.5 years （range, 16-87 years）. Thirty-two lateral-end fractures occurred in 25 men and 7 women, （mean age, 42.7 years） with right-sided fractures in 22 and left-sided in 10. The rate of nonunion in 6 patients with Takubo’s type Ⅵ classification was 83.3% （mean age, 51.5 years）. This was higher than the nonunion rates of 14.3% （2/14 patients）, 40.0% （2/5 patients）, 33.3% （1/3 patients） and 50.0% （2/4 patients） in Takubo’s typeⅠ , typeⅡ , typeⅢ and typeⅤ fractures, respectively. Many patients with nonunion were asymptomatic or had slight acceptable pain with few limitations of activities of daily living.

In the 89 adults that had clavicular fracture, a midshaft fracture occurred in 55 （mean age, 36 years old）. The majority of these were young and active men （40 men, 15 women）. Of these 55 patients, 24, including a patient with bilateral fractures, had a fracture that was classified as Robinson’s type 2A1 and 2A2, and 21 patients with type 2B1 and 2B2. Most type 2 （A and B） fractures were healed uneventfully, but 3 middle-aged women （mean age, 49 years old） with Oneda’s typeⅤ fracture showed delayed union. One patient required surgery. Two other patients ultimately healed after time periods of up to 24 weeks. A case of distal nonunion （typeⅥ ,

く見られ，保存療法では偽関節はみられなかったとしている。しかし，患者報告による評価法などの検討はなされていない［38］。　救急医学における鎖骨骨折治療の動向は，若くて活動的な症例に対しては，積極的に観血的治療を選択し，転位のある遠位端骨折については保存療法では偽関節のリスクが高いものの，活動性の低い高齢者には適しているとしている［39］。以上のように鎖骨はボデイプラン上の位置づけと発生上の特性から保存的治療が基本であると考えられる。骨折端に軟部組織の介在による骨癒合不全，変形，年齢，性，血管・神経等の合併損傷，骨折部位，社会的不利など多角的要素を基に観血的治療が選択される必要が報告されてきた［40,41］。胸肋鎖骨異常骨化症に伴う病的骨折の観血的治療後に再骨折をきたしたとの報告があるが［42］，自験例の両側性病的骨折54歳女性の症例は放置観察2年間の経過中に骨癒合を認めている。日常生活動作の障害や疼痛など許容される症例では， 1年以上の追跡で骨折癒合不全が治癒する可能性があることも考慮すべきであろう

結　　語

　鎖骨骨折は骨折部位，転位度，合併症，年齢，性，日常生活上の活動性等を勘案して治療法を選択する必要性を認めた。観血的治療は若年者には限定的であり，保存的治療の対象といえる。外側端骨折の高齢者は保存治療による偽関節形成の合併症が，日常生活上の障害が軽度であることを理解して治療法を選択すべきものと考える。24週過ぎまで骨癒合が期待できなくても，肩関節機能障害や疼痛の自己評価が満足されれば48週の追跡の上で偽関節形成に対する観血的治療の選択を考慮しても良と思われた。特に，大根田分類Ⅴ型，久保田分類Ⅵ型は遷延治癒や偽関節形成がみられるため，保存的治療は説明と同意のもと行なうべきである。小児の鎖骨骨折は保存的療法が原則といえる。活動的な成人の鎖骨骨折の手術的療法の選択については文献的考察を行なった。

47鎖 骨 骨 折 の 保 存 的 治 療

13） 南野光彦，伊藤博元．鎖骨近位端骨折の治療．MB Orthop 2007; 20: 57-63.

14） Krishnan SG, Schiffern SC, Pennington SD, Rimalawi M, Burkhead Jr. WZ. Functional outcomes after total claviculectomy as a salvage procedure, a series of six cases. J Bone Joint Surg 2007; 89-A: 1215-9.

15） 見目智紀，小笠原明，丸田哲郎，松戸隆司，小野　豊．鎖骨遠位端骨折における tension band wiringとScorpion plateの比較．臨床整形外科 2008; 43: 1121-4.

16） Sahara W, Sugamoto K, Murai M, Yoshikawa H. Three dimensional clavicular and acromoiclavicular rotations during arm abduction using vertically open MRI. J Orthop Res 2007; 25: 1243-9.

17） 井上淳一，片山国昭，漆原信夫，藤井克之，伊室　貴，根本高幸．左鎖骨骨折手術に用いたKirschner鋼線の折損片が右上腕部に移動した 1例．関東整災誌　2000; 31: 82.

18） 山崎史郎，明石裕地，朝日伸佳，斉藤聖将，松村福広．鎖骨骨幹部骨折固定術プレート破損例に再固定したプレートが屈曲変形した 1例．東日本整災会誌　2008; 20: 27-32.

19） Rowe CR. An atlas of anatomy and treatment of midclavicular fractures. Clin Orthop 1968; 58: 29-42.

20） 南村武彦，森原　徹，田久保興徳，岩田圭生，仲川晴彦，久保俊一，黒川正夫．鎖骨遠位端骨折の治療成績．肩関節　2007; 31: 333-6.

21） Robinson CM. Fracture of the clavicle in the adult, epidemiology and classification. J Bone Joint Surg 1998; 80-B: 476-84.

22） Oneda T, Takahashi E, Sakurai S. The treatment of clavicle fractures. J Jap Orthop Ass 1965; 38: 1121-5.

23） 赤尾　智．新生児鎖骨骨折について．広島医学 1977; 30: 773-80.

24） Stanley D, Trowbride EA, Norris SH. The mechanism of clavicular fracture, a clinical and biomechanical analysis. J Bone Joint Surg 1988; 70-B: 461-4.

25） 西堀靖広，佐藤伸一．鎖骨遠位端骨折 typeⅡに対する新しい保存療法．MB Orthop 2007; 20: 29-34.

26） 齋藤　篤．小児鎖骨骨幹部骨折の治療経験．小児科 2007; 48: 111-4.

27） Nordqvist A, Peterson C, Redlund-Johnell I. The natural course of lateral clavicle fracture, 15 （11-21） year follow-up of 110 cases. Acta Orthop Scand 1993; 64: 87-91.

28） 田代義徳．骨折ノ療法．日整会誌　1912; 1: 176-212.

29） Trynin AH. The Bohler clavicular splint in the treatment of clavicular injuries. J Bone Joint Surg 1937; 19: 417-24.

30） Cook TW. Reduction and external fixation of fracture of clavicle in recumbency. J Bone Joint Surg 1954; 36-A: 878-9.

active man） fracture required resection of the lateral end of the clavicle with satisfactory results. Medical clavicular fractures were also observed in 3 elderly patients and these fractures were united and the patients were asymptomatic at 12 weeks.

This study demonstrated that a watershed of 24 weeks for the diagnosis of nonunion is acceptable. Furthermore, we were unable to predict the risk of nonunion 12 weeks after clavicular fracture. In addition, most of the diaphyseal fractures were healed with traditional, nonoperative treatment. The nonunion of distal-end fractures in elderly patients was not related to pain or limitations in activities of daily living. The nonunion of clavicular fractures was discussed based on anatomy and function. Nonoperative treatment should be the prevailing approach, especially for pediatric and geriatric clavicular fractures.

文　　献

1） 林　弘道，原口直樹，小宮山千晴，須原靖明，岡村　龍，鎖骨骨折における保存治療の限界と手術治療のpitfall，整・災外　2006; 29: 435-41.

2） Voision JL. Clavicle, a negrected bone, morphology and relation to arm movements and shoulder architecture in primates. Anat Rec 2006; 288A: 944-53.

3） Ljunggren AE. Clavicular function. Acta Orthop scand 1979; 50: 261-8.

4） Rojas MR. Montenegro MR. An anatonical and embryological study of the clavicle in cats （Felios domestus） and sheep （Ovis aries） during the prenatal period. Acta Anat 1995; 154: 128-34.

5） Ogata S, Uhthoff HK. The early development and ossification of the human clavicle-an embryologic study. Acta Orthop Scand 1990; 61: 330-4.

6） 高野元昭．関西地方人鎖骨の人類学てき研究．東京慈恵医科大学解剖学教室業績集　1958; 18: 1-24.

7） Wall JJ. Congenital pseudrthrosis of the clavicle. J Bone Joint Surg 1970; 52-A: 1003-9.

8） 見目智紀，西須　孝，亀ケ谷真琴，三笠元彦．鎖骨先異常における肩関節の機能．肩関節　2008; 32: 529-32.

9） 仁木奈々子，佐藤雅人，白井健夫，山口真一，橋本節男，星野雅洋．先天性鎖骨偽関節の 1例．関東整災誌　1990; 21: 81.

10） 品田良之，亀ケ谷真琴．過去 2回の手術にて骨癒合を得られなかった先天性鎖骨偽関節症の 1治験例．関東整災誌 1990; 21: 80.

11） O’Leary E, Elsayed S, Mukherjee A, Tayton K. Familiar pseudarthrosis of the clavicle; does it need treatmet. Acta Orthop Belg 2008; 74: 437-40.

12） Kreitner KF, Riepert T, Nafe B, Thelen M. Bone age determination based on the study of the median extremity of the clavicle. Eur Radiol 1998; 8: 1116-22．

48 齋　藤　　　篤

the clavicle gives poor results. J Bone Joint Surg 1997; 79-B: 537-9.

37） The Canadian Orthopedic Trauma Society. Non operative treatment compared with plate fixation of dislaced midshaft clavicular fractures. J Bone Joint Surg 2007; 89-A: 1-10.

38） 東　博彦，正田達夫，吉崎克文．第 3骨片を伴い転位著明な鎖骨骨折の治療．－保存的療法と観血的療法の比較－，災害医学　1977; 20: 1065-9．

39） 鎌田夕孝一．肩甲帯．救急医学　2009; 33: 945-50.40） 中田好則，平山博久，矢島敏晴，長沢憲次．鎖骨骨折；その保存的治療の検討．千葉医学　1985; 61: 75．

41） 高橋謙二，長沢憲次，村上宏宇．鎖骨骨折の保存的療法例の検討．千葉医学　1996; 72: 290．

42） 橋本和典，高岸憲二，大野　司，那須野秀二，山崎　巌．掌足庶膿疱症性骨関節症に伴った鎖骨病的骨折の 1例．関東整災誌　1991; 22: 24-6．

31） Mullick S. Treatment of mid-clavicular fractures. Lancet 1967: 499.

32） Fowler AW. Treatment of fractured clavicle. Lancet 1968; 1: 46-7.

33） 岩田圭生，森原　徹，堀井基行，久保俊一，黒川正夫．鎖骨中 1/3骨折に対する保存療法の治療成績．肩関節 2006; 30: 265-8.

34） Robinson MC, Court-Brown CM, McQeen MM, Wakefield AE. Estimating the risk of nonunion following nonoperative treatment of a clavicular fracture. J Bone Joint Surg 2004; 86-A: 1359-65.

35） McKee MC, Pedersen EM, Jone C, Stephen DJG, Kreder HJ, Schemitsch EH, Wild LM, Potter J. Deficits following nonoperative treatment of displaced midshaft clavicular fractures. J Bone Joint Surg 2006; 88-A: 35-40.

36） Hill JM, McGuire MH, Crosby LA. Closed treatment of displaced middle-third fracrures of