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機器適格性評価計画 Equipment Qualification Plan (EQP) アジレントエンタープライズエディションコンプライアンスサービス GC システムの適格性評価 オートサンプラまたはヘッドスペースサンプラ付き Agilent 7890/7820 シリーズ (CTC を含む)Agilent 6890/6850/5890 モデル、および選択可能な他社の GC モデル EQP文書名 : Agilent_Recommended_EQP_GC

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機器適格性評価計画 Equipment Qualification Plan (EQP)

アジレントエンタープライズエディションコンプライアンスサービス

GC システムの適格性評価オートサンプラまたはヘッドスペースサンプラ付き Agilent 7890/7820 シリーズ (CTC を含む)、Agilent 6890/6850/5890 モデル、および選択可能な他社の GC モデル

EQP文書名 :Agilent_Recommended_EQP_GC

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文書発行日 : 2012 年 3 月 エンタープライズエディションコンプライアンスサービス

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本書の使用方法本書は機器適格性評価計画 (EQP) です。本書では、設計時適格性評価 (DQ)、据付時適格性評価 (IQ)、運転時適格性評価 (OQ)、計画的な繰り返しの OQ、および修理後の適格性再評価 (RQ) を網羅しています。本書には、エンタープライズエディションコンプライアンスサービスの作業に関する情報が含まれており、アジレントの標準的なエンタープライズエディション IQ および OQ サービスの一環として実施される検査と検査仕様の一覧も提供します。

本書に示すハードウェアの IQ および OQ の手順には、アジレントが推奨する標準検査と設定値や基準値が含まれます。

本書のすべての検査は、アジレントのデリバリツール (ACE) に含まれます。ただし、お客様の使用範囲でクロマトグラフィシステムの検査を実施できるように、標準のハードウェア OQ の設定値にお客様が変更を加えることができます。変更の記録の項で表示される設定値の選択肢には、エンタープライズエディションで有効な範囲が表示されます。

EQP の対象となるシステムの機器構成は、個別に記録します。

EQP の確認および承認を容易に行うために、Adobe® を使用して本書を画面に表示することを推奨します。また、本書には、(i) Q & A 文書、(ii) Agilent Compliance Engine (ACE) - エンタープライズエディションデリバリツール向けの 21 CFR Part11 への準拠チェックリスト、(iii) EE 1.76 EQR と以前のバージョンとの比較の 3 つの PDF 添付ファイルが含まれます。

この EQP を承認するには、紙に印刷し、署名するだけです。変更を加える場合は、次の手順を参照してください。ご自身の記録用にコピーを保管してください。アジレントのサービスがスケジュールされデリバリされる時には、口頭による承認の確認で十分です。

標準のハードウェア OQ の設定値を変更するには、次の操作を行います。[1] EQPの承認のプルダウンボタンを使用して、「標準検査仕様を変更し本書に記録した設定値を使用」を選択します。[2] 本書後半の「標準の OQ 仕様の設定値に加えた変更の EQP への記録」を完成させます。[3] EQP を紙に印刷します。[4] 変更要求をアジレントのサービスエンジニアに伝えてから、OQ を開始します。承認された EQP のコピーをメール/ファックス/郵送でアジレントに送信しないでください。ただし、お客様は、変更を加えた EQP のコピーを現場のアジレントのオペレータに提供し、その変更がデリバリツールに入力されていることを確認する必要があります。設定値を変更するための追加料金は発生しません。

プロセスの詳細については、ここをクリックし、「設定値の変更の EQP への記録」の項に進んでください。

EQP の承認署名者は次を承認します。

[1] エンタープライズエディションコンプライアンスサービスの使用と、このサービスの対象となるシステムの実際の構成、計画、および型名に適した IQ および OQ または RQ の実施。

[2] 検査、設定値、および基準値は以下に従う。

アジレント推奨の標準検査仕様氏名および役職 署名および日付

[Adobe Reader では、フォームへの入力を保存することはできません。入力内容とメニューの選択は、印刷時に正式な用紙の上に印刷されます]承認済みの EQP のコピーをアジレントに送信しないでください。この文書はお客様の承認の記録となります。

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Agilent_Recommended_EQP_GC 文書発行日 : 2012 年 3 月

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目次各項へ移動するには、次の項目のタイトルをクリックしてください。

項目 ページ

エンタープライズエディションコンプライアンスサービスの機能 ...............................................................................4

設計時適格性評価 (DQ) ...............................................................................................................................................................5

据付時適格性評価 (IQ) ハードウェア ......................................................................................................................................6

運転時適格性評価 (OQ) ハードウェア ....................................................................................................................................7

GC システムの標準 OQ 検査の仕様 ..................................................................................................................................7

GC システムの OQ 検査計画および説明 .......................................................................................................................10

標準の OQ 仕様の設定値に加えた変更の EQP への記録 ..........................................................................................16

修理後の再適格性評価 (RQ) ハードウェア ..........................................................................................................................17

基準値の二元的な承認 ..............................................................................................................................................................17

法律上の表記、推薦、および改訂履歴 ..................................................................................................................................18

この電子 EQP の PDF 添付ファイル (この文書の添付フォルダを Adobe で開く) :EE 1.76 の比較の文書 Q & A : EEへの変更について? Part 11 チェックリスト (ACE)

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エンタープライズエディションコンプライアンスサービスの機能エンタープライズエディションは、企業により使用され、世界中の規制機関で認定された従来の品質システムに適合するように設計されています。

エンタープライズエディションを従来の書面を使用した方式に合わせる方法について以下に記します。

[i] ポリシー文書には、GMP/GLP システムのバリデーションと適格性評価の必要性が記載されており、通常は DQ/IQ/OQ/PQ モデルを示します。各タイプの装置の IQ および OQ の厳密な手順は、承認済みの SOP (「SOP #123 : GC システムの適格性評価」) に規定されています。エンタープライズエディションでは、EQP が従来の適格性評価 SOP と同じ役割を持っています。

[ii] 従来の SOP は、ラボまたは部署で使用されるシステム構成の範囲に関する検査と基準値のリストを提供します。EQP はこの概念に従っています。SOP または EQP が対象とするシステムの機器構成は徐々に変化するため、これは個別に記録します。

[iii] 通常は、従来の適格性評価 SOP には、各 IQ または OQ イベントのコピー用に空白の結果フォームが添付されています。結果は手で計算し、インクを使用して記入します。エンタープライズエディションでは、この処理のプロセスが Adobe のフォームとAgilent Compliance Engine (ACE) デリバリツールの使用により合理化され、自動化されています。バリデーション済みの計算、自動化された合格/不合格レポート、生データのトレーサビリティ、検査の実施回数のカウントが含まれる、手書きに見られる書き損じのないレポートが提供されます。この自動化により効率が向上し、手順のコンプライアンスが確保されます。

[iv] 従来の適格性評価 SOP は一度だけ承認され、公開されます。これを差し替えるためには、各クロマトグラフィシステムのプロトコルを個別に記載する必要があります。これは EQP と同じ概念です。各構成に適した検査は、実施時に ACE によって承認済みの EQP のリストから自動的に選択されます。最終レポートは、各システムと各適格性評価イベントに固有のものですが、承認済みの 1 つの EQP でラボ、部署、または希望する範囲全体を網羅することができます。

図 1 :この EQP 確認文書 (a) は、GC システムの IQ および OQ/RQ 検査、設定値、および基準値の記録です。検査は、ACE (b) と呼ばれる自動化ツールに既に含まれており、EQP の承認後に直ちに実行できます。ACE には、GC 構成全体に適用可能なテストフォームに加えて、バリデーション済みの計算とレポートジェネレータエンジンが含まれます。実施時に、個々のシステム構成の記録がオペレータにより作成され、ACE に入力されます (c)。正しいテストフォームは、検査計画の内部カタログから ACE によって自動的に選択されます (d)。カタログ内の各検査には、空白の結果テンプレートフォームがあります (e)。

承認済みの EQP に従って、個々の GC システムの適切な設定値と基準値が ACE によってフォームに追加されます。各検査を実施すると、結果が計算されてフォームに入力された後 (f)、照合されて、装置適格性評価レポート (EQR) と呼ばれる 1 つの最終レポートが作成されます。このレポートは、安全な PDF フォーマットまたはオプションの CD ディスクで提供されます。これを紙に印刷し、バインダに保管することも、お客様のネットワークストレージシステムに保存することもできます (g)。

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設計時適格性評価 (DQ)一部のガイダンスや手順では、市販のラボ装置の設計時適格性評価 (DQ) の実施を推奨しています。ガイダンスや企業に固有のバリデーション手順に記載されている DQ の定義は、世界中で様々で異なります。一部の企業では、ラボシステムが目的を満たすように設計され、品質標準に従って製造されていることを示す機器メーカーの記録 (認定書など) だけを求めています。DQ を、メーカーの IQ および OQ の仕様に相当するユーザー要件仕様文書 (URS) の開発と見なす企業もあります。また、DQ をベンダ選定活動の一環と見なす企業もあります。

USP 31/補足で公開されている USP Chapter <1058> では、DQ を次のように定義しています。

設計時適格性評価 (DQ) とは、機器の機能および動作仕様と、機器の意図する使用目的に基づいてベンダを選定する際の基準を定義した一連の活動を文書化したものです。設計時適格性評価 (DQ) は、機器の開発者またはメーカーだけではなく、ユーザーが実施することもできます。一般に、メーカーは、堅牢な設計と、その分析機器の製造方法 (設計の仕様、機能の要件など) およびユーザーに対する出荷前のテスト方法を記述した情報の維持に責任を負います。しかし、ユーザーは、商用オフザシェルフ (COTS) 機器がその意図する用途に適していること、また、メーカーが信頼性の高い装置を提供する品質システムを採用していることを確認する必要があります。また、ユーザーは、据付、サービス、およびトレーニングをメーカーがサポートできるかどうかについても確認しなければなりません。

参考情報として、アジレントは DQ の目的について次のように述べています。

1. 適格性評価サービスを提供するために使用する ACE ソフトウェアを含むアジレントのすべての LC、LCMS、UHPLC、UHPLC_MS、GC、および GCMS 等のハードウェアおよびソフトウェアラボ製品は、アジレント社内の品質ライフサイクル開発手順に従って設計、製造、および検査されています。

2. アジレントの新しい機器には、アジレントのテスト、バリデーション、および標準への準拠の証明書が、ACE ソフトウェアには同様の証明書が添付されています。これらの文書は、エンタープライズエディションコンプライアンスサービス IQ でチェックされ、記録されます。

3. アジレントは、製品の製造方法を説明する情報と、国際的なソフトウェア品質のガイドラインにより求められる、問題およびバグ報告プログラムを保持しています。

4. この EQR の OQ 仕様は、ユーザーが URS を作成する際に必要に応じて使用することができます。この EQP の OQ の仕様は、規制機関が許可する技術的な性能レベルを代表するもので、バリデーション文書に含まれる一般的な仕様に従い、据付時の OQ と使用期間を通じた継続的な OQ のいずれにも適しています。また、従来の Agilent Classic OQPV プロトコルで公開された OQ 仕様と等価であり、ほとんどのユーザー要件を満たしています。

5. アジレントは、据付、サポート、予防保全メンテナンス、継続的な適格性評価、修理後の再適格性評価、およびユーザートレーニングを全世界で提供しています。

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据付時適格性評価 (IQ) ハードウェアアジレント製品のソフトウェアおよびハードウェアの IQ の検査には次のものが含まれます。

1. 注文書 : 適格性評価の対象となっている機器が設計要件 (ある場合) と注文書に従っていることをお客様が確認できます。

2. 準備および据付文書 : 準備と据付の文書に関する情報を収集し、記録します。

3. 機器付属文書 : 初めて据付を行うときの参考資料とユーザーマニュアルに関する情報を収集し、記録します。

4. 製品品質保証文書 : ベンダが社内標準に従って製品を開発し、構築したことを確認する証明書やその他のフォームを収集し、記録します。

5. 起動テスト : すべてのモジュールが正しく起動することを確認します。

6. 機器チェック : 機器のすべてのモジュールが正しく据え付けられ、接続されていることを確認します。OQ のように総合的な機器の検査は行いません。この検査は必須ではないため、据付時の IQ に続けて OQ を実施する場合はスキップされます。

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運転時適格性評価 (OQ) ハードウェアGC システムの標準 OQ 検査の仕様

検査名 設定値およびパラメータ 基準値

システムの確認および 基本機能と安全性

N/A ガス、シャーシの接地、インターロック、 水素シャットダウンなどがすべて正常

GC オーブン温度真度 と安定性

温度 1 = 230.0 ºC温度 2 = 100.0 ºC(温度 2 で測定した安定性)

真度 <= 設定値の 1.0 % (ºK 単位)安定性 <= 0.5 ºC

ヘッドスペースのベントバルブ と加圧バルブの機能

N/A バルブが正しく機能する

ヘッドスペース加温部温度真度 加温部 1 : 100.0 ºC加温部 2 : 110.0 ºC加温部 3 : 115.0 ºC (*)

真度 <= G1888A および 7697 で 4.0 ºC真度 <= 7694 で 6.0 ºC (加温部1)真度 <= CTC で 2.0 ºC

バイアルヒータ温度真度 温度 1 : 60.0 ºC温度 2 および 3 の設定値は可変

設定値との差 >= - 2.0 ºC、<= 2.0 ºC

注入口圧力リーク 注入口ガス流量の制御 圧力変化/5 分 >= -2.0 psi、<= 0.5 psi

注入口圧力真度 注入口圧力 = 25.0 psi (172.4kPa) 真度 <= 1.2 psi (<= 8.3kPa)

検出器の流量真度 流量は検出器のタイプにより異なる (NPD は適用外)

真度 <= 設定値の 10.0 % (または 0.5 ml/min の いずれか大きい方)

シグナルのノイズとドリフト (FID)

検出器信号 初期信号 <= 25 pAノイズ <= 0.10 pAドリフト <= 2.50 pA/時

シグナルのノイズとドリフト (TCD)

検出器信号 初期信号 <= 35 DU (1 DU = 25 uV)ノイズ <= 0.15 DUドリフト <= 2.20 DU/時

意味 : 固定の設定値/基準値 設定値について変更が許される

* 7697 HSS モデルのみ

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運転時適格性評価 (OQ) ハードウェア (続き)GC システムの標準 OQ 検査の仕様 (続き)

検査名 設定値およびパラメータ 基準値

シグナルのノイズとドリフト (NPD)

初期信号(5890 は適用外)

初期信号 = 30~50 DU (1 DU = 1 pA)ノイズ <= 0.15 DUドリフト <= 3.50 DU/時

シグナルのノイズとドリフト (ECD)

初期信号(5890 は適用外)

初期信号 <= 70 DU (1 DU = 5 Hz)ノイズ <= 0.15 DUドリフト <= 1.00 DU/時

シグナルのノイズとドリフト (uECD)

初期信号(5890 は適用外)

初期信号 <= 400 DU (1 DU = 1 Hz)ノイズ <= 3.00 DUドリフト <= 15.00 DU/時

シグナルのノイズとドリフト (FPD 新タイプ)

初期信号硫黄(5890 は適用外)

初期信号 <= 70 DU (1 DU = 150 pA)ノイズ <= 5.00 DUドリフト <= 5.00 DU/時

シグナルのノイズとドリフト (FPD 新タイプ)

初期信号リン(5890 は適用外)

初期信号 <= 80 DU (1 DU = 150 pA)ノイズ <= 5.00 DUドリフト <= 5.00 DU/時

S/N 比 (FID/SS/ALS) 既知の濃度及び条件のシグナルの高さをASTM ベースラインノイズで除算

S/N 比 >= 300,000 (窒素メークアップガス)S/N 比 >= 240,000 (ヘリウムメークアップガス)

S/N 比 (FID/SS/HSS) 既知の濃度及び条件のシグナルの高さをASTM ベースラインノイズで除算

S/N 比 >= 5,000 (窒素メークアップガス)S/N 比 >= 4,000 (ヘリウムメークアップガス)

S/N 比 (FID/VI/HSS) 既知の濃度及び条件のシグナルの高さをASTM ベースラインノイズで除算

S/N 比 >= 4,000 (窒素メークアップガス)S/N 比 >= 3,200 (ヘリウムメークアップガス)

S/N 比(FID/非 SS/18710-60170 を使用)

既知の濃度及び条件のシグナルの高さをASTM ベースラインノイズで除算

S/N 比 >= 800 (窒素メークアップガス)S/N 比 >= 600 (ヘリウムメークアップガス)

意味 : 固定の設定値/基準値 設定値について変更が許される

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稼働時適格性評価 (OQ) ハードウェア (続き)GC システムの標準 OQ 検査の仕様 (続き)

検査名 設定値およびパラメータ 基準値

S/N 比 (FID/非 SS/5188-5372 を使用)

既知の濃度及び条件のシグナルの高さをASTM ベースラインノイズで除算

S/N 比 >= 300 (窒素メークアップガス)S/N 比 >= 240 (ヘリウムメークアップガス)

S/N 比 (NPD) 既知の濃度及び条件のシグナルの高さをASTM ベースラインノイズで除算

S/N 比 >= 300

S/N 比 (TCD/SS) 既知の濃度及び条件のシグナルの高さをASTM ベースラインノイズで除算

S/N 比 >= 5,000

S/N 比 (TCD/非 SS) 既知の濃度及び条件のシグナルの高さをASTM ベースラインノイズで除算

S/N 比 >= 100

S/N 比 (uECD) 既知の濃度及び条件のシグナルの高さをASTM ベースラインノイズで除算

S/N 比 >= 1,500

S/N 比 (FPD 新タイプ) 既知の濃度及び条件のシグナルの高さをASTM ベースラインノイズで除算

S/N 比 >= 700 (硫黄)S/N 比 >= 1,000 (リン)

注入精度 カラムへの注入量 : 1/1000/250 ul (スプリット/スプリットレス FID を使用した ALS/Agilent HSS/CTC HSS)注入時間 : 0.2 分間 (圧力バランス済みの HSS のみ)

リテンションタイムの RSD <= 1.00 %面積の RSD <= 3.00 % (ALS および Agilent HSS)面積の RSD <= 4.00 % (CTC HSS)

キャリーオーバー 注入精度と同一 面積キャリーオーバー <= 1.00 %

意味 : 固定の設定値/基準値 設定値について変更が許される

GC システムの標準 OQ 検査の仕様のセクション終わり

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運転時適格性評価 (OQ) ハードウェア (続き)GC システムの OQ 検査計画および説明GMP/GLP 取り締まり機関の多くの検査官は、企業に対し、その装置およびコンピュータシステムのリスク評価に加えて、以降のバリデーションおよび適格性評価テストに関する科学的な説明を求めるようになりました。

一般的なリスクステートメント : GMP での原料テストまたは最終製剤/医療機器の検査に使用する、あるいは正式な GLP の実験で使用するすべての LC、LCMS、UHPLC、UHPLC_MS、GC、または GCMS システムは、ほぼハイリスクカテゴリに分類されます。このリスク評価は、IQ、OQ、および継続的な適格性評価の必要性を示しています。ユーザー固有のリスク分析があれば、この一般的なリスクステートメントよりも優先されます。

この項では、アジレントハードウェア OQ の各テストの科学的な説明の概要を示すとともに、検査の計画と手順について簡単に説明します。

この EQP に記載した、推奨する一連のハードウェア OQ 検査は、FDA、USP、および GAMP4 のガイドラインと、信頼できる専門家が発表した他の文献のアジレントによる解釈に基づくものです。

OQ 検査の計画には、規制で承認された実証済みのアプローチである、モジュール式の総合的な検査が組み込まれています。直接的な方法を使用して、注入口の完全性 (圧力リークおよび圧力真度)、検出器流量の真度、GC 温度の真度 (オーブン、オーブン昇温、注入口/検出器)、およびヘッドスペース加温部をテストします。精度、S/N 比、キャリーオーバーなど、重要な機器特性の評価には総合的なケミカルテストを使用します。認定された標準試料とキャリブレーション済みのトレース可能な温度計および圧力計を使用します。推奨される各 OQ 検査の設定値の数、パラメータ、および条件を考慮して、ワーストケース、範囲、および標準値の実証済みの概念を適用しました。使用範囲の一端で最も低い性能が得られるという特性がわかっている場合は、その一端を検査対象の設定値にする必要があります。他の設定値は不要です。特性に既知のワーストケースがない場合は、使用範囲の上下のポイントで検査を実施する必要があります。使用可能なユースケースや条件が多すぎるために、すべてを検査するのが現実的でなく、いずれもワーストケースではない場合は、検査の代表的なサンプルを使用するアプローチが最適です。

個々の GC システムの構成に応じて、GC システムの次の OQ 検査 (FID、ECD、TCD、NPD、および FPD を使用、MSD は使用しない) を実施します。

1. システムの確認および基本機能と安全性検査 [標準検査]

説明 : OQ 検査を開始する前に、システムが安全な動作状態になっていなければなりません。

手順 : 機器の一般的な検査を実施し、基本的な安全機能を検査して、正しく動作することを確認します。

2. GC オーブン温度真度と安定性 [標準検査]

説明 : オーブン温度の真度は、システムの比較とメソッド変換のために重要です。オーブン温度の安定性は、定性および定量分析に非常に重要です。

手順 : 外部キャリブレーションした温度計を使用し、2 つの異なる温度で真度を測定します。これらの 1 つについて、4 分以上の間隔を開けて 5 回の読み取りを追加で行い、オーブンの安定性を計算します。真度は、実際の値と設定値の差です。

3. ヘッドスペースベントバルブと加圧バルブの機能 [システムにヘッドスペースサンプラが含まれる場合の標準検査]

説明 : バルブの正しい動作は、ピーク面積とキャリーオーバーの再現性のために非常に重要です。

手順 : この検査では、過度の漏れや内部流路の詰まりなしにバルブが正しく動作することを確認します。

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運転時適格性評価 (OQ) ハードウェア (続き)GC システムの OQ 検査計画および説明 (続き)4. ヘッドスペース加温部温度真度 [システムにヘッドスペースサンプラが含まれる場合の標準検査]

説明 : 加熱部温度の真度は、システムの比較とメソッド変換のために重要です。オーブン真度は、定量ヘッドスペースメソッドに非常に重要です。

手順 : 適切な測定プローブの付いた、外部キャリブレーションを行った温度計を使用して温度を測定します。真度は、実際の値と設定値の差として測定します。

5. 注入口圧力リーク [標準検査]

説明 : 注入口の圧力完全性は、注入とリテンションタイムの再現性のために非常に重要です。圧力リークと圧力真度のテストを組み合わせて、注入口の圧力気密性を確認します。

手順 : 注入口に密栓をし、圧力を設定して、注入口の流量をオフにします。指定された時間範囲で圧力の低下を記録します。

6. 注入口圧力の真度 [標準検査]

説明 : 注入口の圧力気密性は、注入とリテンションタイムの再現性のために非常に重要です。圧力リークと圧力真度のテストを組み合わせて、注入口の圧力の気密性を確認します。このテストでは、カラムヘッド圧の真度を確認します。カラム流量は、既知の抵抗に対して一定の圧力を維持することで達成します。この抵抗はカラム形状の関数であるため、注入口の圧力を測定することが、流量を確認するための最も正確な方法です。

手順 : 注入口に密栓をし、圧力を設定して、外部キャリブレーションを行った圧力計を注入口に接続して注入口圧力を記録します。

7. 検出器の流量真度 [標準検査]

説明 : 検出器の流量真度は、安定した検出器信号のために非常に重要です。不適切な流量は、検出器の性能に影響を与えることがあります。

手順 : 流量真度は、キャリブレーション済みの質量流量計を使用して測定し、これを検査の設定値、および GC の表示値と比較して確認します。

8. S/N 比 [標準検査]

説明 : GC 検出器の感度は、定量および定性分析の重要な性能機能です。既知濃度の代表的な化合物の S/N 比の値によって感度の統計情報が得られます。

手順 : トレース可能な標準を注入し、S/N 比を計算します。

9. 注入精度 [標準検査]

説明 : 注入の精度は定量分析に非常に重要です。

手順 : 最初の安定化用注入の後、トレース可能な標準試料を 6 回繰り返し注入し、最後にブランク注入を行います。6 回の注入の %RSD を計算し、精度の統計情報を求めます。注入口/検出器の各組み合わせに適した測定条件と標準試料があります。この検査は、オートサンプラおよびヘッドスペースサンプラを含むシステムで実施します。

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運転時適格性評価 (OQ) ハードウェア (続き)GC システムの OQ 検査計画および説明 (続き)10. キャリーオーバー [ヘッドスペースの重要な標準検査、オートサンプラでは追加料金が必要なオプション検査]

説明 : 注入直前のキャリーオーバーが低いことは、定量分析の真度と定性分析の信頼性に重要です。ヘッドスペースサンプラでは、構造的にキャリーオーバーの影響を受けやすいため、この検査は、標準検査となります。オートサンプラにおいては、効果的なシリンジ洗浄プログラムを設定することで、キャリーオーバーの影響をほぼ排除することが可能なため、追加料金が必要なオプションの検査としてのみ提供します。

手順 : 注入精度検査の 6 回の繰り返し注入後のブランク注入でキャリーオーバーを評価し、結果をピーク面積の % で算出します。

11. バイアルヒーター温度の真度 [サンプラトレイにヒーターオプションを設置している場合の標準検査]

説明 : 7693A バイアルヒーターオプションは、サンプル前処理中に使用することができます。この検査では、ヒーターが正確に加熱することを確認します。

手順 : ヒーターの温度 (外部温度計を使用) を測定し、測定した値と設定値との差を真度として計算します。デフォルトでは 1 つの温度を測定しますが、2 つ以上の設定値を追加することも可能です。

12. シグナルのノイズとドリフト [標準検査]

説明 : この検査は検出器の感度と安定性を確認します。

手順 : 検出器のタイプに適した指定条件で 20 分間信号を測定します。

ASTM E594-96 に基づき、いくつかのシグナルセグメントの平均ピーク間ノイズとしてシグナルノイズを計算します。

シグナルの線形回帰の傾きとしてドリフトを計算します。検出器のタイプと使用するガスによって性能の違いが生じるため、構成ごとに基準値が異なることがあります。

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運転時適格性評価 (OQ) ハードウェア (続き)GC システムの OQ 検査計画および説明 (続き)次の検査は、GC システムの標準 OQ 検査には含まれませんが、追加料金が必要な検査としてオーダーすることができます。

検査名 設定値およびパラメータ 基準値 含めるかどうか

レスポンスの直線性(FID)

複数成分/異なる濃度の標準試料を 1 回注入

測定係数 (r2) = 0.99900R/F 精度 <= 10.00 % RSD

GC 加温部温度真度(µECD/MSD は対象外)

注入口温度 1 = 200.0 ºC/250.0 ºC (OC/その他すべて)検出器温度1=200.0 ºC/300.0 ºC (FPD/その他)温度 2 の設定値は可変

注入口真度 <= 15 ºC/10 ºC (OC/その他すべて)検出器温度<=15 ºC (FPD/その他)

GC オーブン温度昇温 : 真度、直線性、精度

初期温度 : 50.0 ºC昇温 30.0 ºC/min最終温度 : 280.0 ºC

昇温真度 : <= 1.0 ºC/min昇温直線性 >= 0.99990昇温精度 <= 2.0 %

LTM 基本動作 N/A エラーなしにセルフ検査が完了参照電圧 = 794 +/- 10 mVトランスファーライン 1、2 = 794 +/- 50 mVカラム温度 = 784 +/- 10 mV

LTM オーブン温度の真度および安定性

温度 1 = 230.0 ºC温度 2 = 100.0 ºC温度 2 で測定した安定性

設定値との差 <= 設定値の 1.0 % (ºK 単位)安定性 <= 0.5 ºC

LTM オーブン温度昇温 : 真度、直線性、精度

初期温度 : 50 ºC昇温 100 ºC/min最終温度 : 280 ºC

昇温真度 : <= 2.0 ºC/min昇温直線性 >= 0.99990昇温精度 <= 2.0 %

意味 :

固定の設定値/基準値 設定値について変更が許される

追加検査 1. FID レスポンスの直線性 [標準検査ではない : 追加料金が必要な検査]

説明 : レスポンスの直線性は定量分析にとって重要です。レスポンスの直線性は、通常、多点検量用 (マルチレベルのキャリブレーション) 標準試料および内部標準を用いて顧客のアプリケーションや分析メソッドで評価するのが一般的です。したがって、これは追加料金が必要なオプションの OQ 検査として扱います。FID レスポンスの直線性テストでは、濃度が異なる複数の n -アルカンを含む証明書付きの標準試料を使用します。

手順 : レスポンスの直線性テストは、濃度が異なる複数の n-アルカンが含まれる標準からの 1 回の注入を使用して行います。以下の理由により、レスポンスの直線性は、標準試料を 1 回の注入で評価することができます。• n-アルカンの分子構造の違い (沸点の違い) により、カラムでこれらの成分を分離します。

• 濃度が高くなると、検出器のレスポンスは増加します。

• これらの化合物に対するレスポンスファクタは、GC の理論上、同じである (無視できるほど小さな分散内にある) とみなします (実験により確認済みです)。したがって、この複数成分/異なる濃度の試料を 1 回注入するだけで、直線性を評価することが可能です。

• また、1 回だけの注入検査であるため、直線性の評価に注入精度は影響しません。

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運転時適格性評価 (OQ) ハードウェア (続き)GC システムの OQ 検査計画および説明 (続き)追加テスト 2. GC 加熱部温度真度 [標準検査ではない : 追加料金が必要な検査]

説明 : 加熱部温度の精度は、定量や定性分析には重要ではありません。注入口は試料を揮発させ、かつ熱分解させない程度の温度であれば十分です。検出器は試料を揮発させ、かつ凝縮を防止するのに十分高温であれば良いと言えます。ただし、各加熱部の温度を確認することは、システムと転送されたメソッドの整合性を確認する上では重要です。したがって、本検査は追加検査として扱います。

手順 : 一般的に、注入口および検出器の正確な温度を測定することは非常に困難です。本検査ではアジレント独自に設計した測定プローブを用います。温度は校正された外部温度計を用いて測定します。様々な機器間で一貫性のある測定を行うために、プローブはカラムナットを通して、あらかじめ決められた長さでカラムのように挿入します。放射能汚染の危険があるため、電子捕獲型検出器 (ECD、µECD) では本検査を実施しません。)

追加テスト 3. GC オーブン昇温の真度、直線性および精度 [標準検査ではない : 追加料金が必要な検査]

説明 : 多くの GC 分析では、オーブン温度の昇温プログラムを使用して、サンプル内の化合物の分離を行います。昇温はクロマトグラムのリテンションタイムに影響を与える重要なパラメータですが、昇温速度の遅い分析ではあまり問題になることはありません。最近のアプリケーションでは、昇温速度の速い分析が見られるため、そのような分析を目的としたシステムには本検査を追加検査として実施できます

この検査では、校正済みのデジタル温度計を使用して、GC オーブン温度プログラムの真度、直線性、および精度を確認します。直線性は測定係数 (r2) として定義され、昇温の一部であるデータポイントを使用します。昇温真度は、直線性の計算に使用したものと同じデータポイントを直線に当てはめたときの傾きとして定義されます。精度は、3 回の測定で得られた傾きから 3 つの温度の RSD として計算します。

手順 : この検査では、デジタル温度計とデータロガーを使用して、昇温分析を 3 回連続して行い、昇温時の温度を記録します。各分析で、オーブン昇温の真度とオーブン昇温の直線性を計算します。3 回の分析がすべて完了したら、オーブン昇温精度を計算します。

追加テスト 4~6. LTM 検査 [標準検査ではない : 追加料金が必要な検査]

追加テスト 4.LTMの基本機能、5.LTM オーブン温度真度と安定性、6.LTM オーブン昇温の真度、直線性、および精度

説明 : LTM モジュールが正しく据付および接続されていることを確認し、LTM オーブンの温度真度や昇温の安定性を確認します。校正済み電圧計を使用して LTM オーブンの温度真度と安定性を測定します。LTM オーブンの温度は直接測定することができないため、電圧を測定し既知の計算式を使用して温度に変換します。

手順 : LTM は構造上、直接温度を測定することができません。また、LTM は任意のカラムが取り付けられるため、カラムの影響を受けやすい検出器固有の S/N 比やシグナルノイズとドリフト検査や他のケミカルテストを繰り返し実施することは困難です。LTM では、校正済み電圧計を使用して LTM カラム温度の電圧を測定して間接的に測定します。LTM-Ⅱ では、GC 本体の表示や GC オーブンの機能を用いて間接的に評価します。

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運転時適格性評価 (OQ) ハードウェア (続き)GC システムの OQ 検査計画および説明 (続き)これまでの説明に基づき、LTM の据付時にのみ次の適格性評価を実施します。

1. 標準のオーブン手順を使用して、注入精度 (IP) 以外の GC の適格性評価をすべて実施します。LTM が機能していることを確認するために、LTM の基本動作テストを計画に入れます。

2. LTM オーブン温度の真度および安定性検査を実施します。この検査は、標準の GC オーブン温度の真度および安定性に類似しています。

3. LTM オーブン昇温検査を実施します。標準の GC オーブン昇温検査と類似していますが、大幅に大きい昇温を使用します。

4. LTM モジュールを使用して IP 検査を実行します。ステップ 1~3 では、注入口、検出器、および LTM モジュールを個別に検査しますが、この検査では、すべてのコンポーネントが連携して動作することを確認します。一般に、LTM の検査は、オーブン昇温速度が速く、冷却速度も非常に速いため、短時間で行われます。

LTM の基本動作の手順 : セルフ検査の完了後、参照電圧 (設定値)、リターン電圧 (カラム温度)、両方のトランスファーラインの 4 つの異なる温度 (電圧) を測定します。これにより、すべてのゾーンが機能し、正しく据え付けられ、接続されていることが確認されます。LTM-Ⅱ は、仕様が異なるためセルフテストと GC 本体のディスプレイ上から加温状態を確認します。

LTM オーブン温度の真度および安定性の手順 : この検査では、キャリブレーション済みの電圧計を使用して、LTM オーブン温度の真度と安定性を測定します(電圧を測定し、既知の関係式を使用して温度に変換します。変換後の温度を、すべての計算と基準値の比較に使用します)。LTM-Ⅱは、仕様が異なるため LTM‐Ⅱ カートリッジを取り外し GC オーブン内にセットして、GC オーブンの機能を用いてカラム (Column Zone) と両トランスファーライン (InZoneとOutZone) の表示温度を確認します。

LTM オーブン昇温の手順 : この検査では、キャリブレーション電圧計を使用して、LTM オーブン温度の昇温プログラムの真度、直線性、および精度を確認します(LTM オーブンでは温度を直接測定できないため、電圧を測定し、既知の関係式を使用して温度に変換します。変換後の温度を、すべての計算と基準値の比較に使用します)。直線性は測定係数 (r2) として定義され、昇温の一部であるデータポイントを使用します。昇温真度は、直線性の計算に使用したものと同じデータポイントを直線に当てはめたときの傾きとして定義されます。精度は、3 回の異なる分析で得られた傾きから 3 つの温度の RSD として計算します。LTM-Ⅱ は、仕様が異なるため昇温プログラムでブランクランをスタートし、分析終了後、GC キーボードの [Run Log] から LTM の昇温に関する不適合がないことを確認します。

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運転時適格性評価 (OQ) ハードウェア (続き)標準の OQ 仕様の設定値に加えた変更の EQP への記録標準仕様の適格性評価検査と、この標準 EQP のこれまでのページで記録した設定値を受け入れ、承認する場合は、この項目を無視してください。

- 変更承認プロセスを実施する場合の EQP : お客様の処置 : (1) Adobe® で表示し、次の必要な設定値の変更を選択します。本書 2 ページ目に示す EQP の承認から「標準の仕様を変更し本書に記録した設定値を使用」を選択します。(2) 紙に印刷し、選択内容を保存します。本書 2 ページ目に署名します。(3) OQ を開始する前に、変更を含む承認済みの EQP をアジレントのオペレータ (サービスエンジニア) に提供したことを確認します。このページにアジレントのオペレータが副署し、日付を記入します。[変更承認プロセスを実施する場合の EQP のお客様の処置はこれで終わりです。次のステップ : 適格性評価レポートを待ちます。] - アジレントのオペレータ (サービスエンジニア) の処置 : (1) このページに関するお客様からの変更要求を ACE ツールに入力し、保存します。(2) お客様用コピーのこのページに署名し、日付を記入して、ACE を変更したことを確認します。署名したコピーをお客様に返し、副署を求めます。(3) この EQP と設定値の変更に従って適格性評価を提供します (注 : EQP の変更を ACE に入力したら、必要に応じて今後のすべての OQ/RQ イベント用に保存します)。

検査名 設定値 標準値 変更 単位

GC 加温部温度真度(デフォルト値は、注入口は OC/その他、検出器はFPD/その他により異なります。µECD/MSD は対象外)

注入口温度 1 200.0/250.0 ºC注入口温度 2 N/A ºC検出器温度 1 200.0/300.0 ºC検出器温度 2 N/A ºC

GC オーブン温度真度と安定性 温度 1 230.0 ºC温度 2 100.0 ºC

ヘッドスペース加温部温度真度 加温部 1 の温度 100.0 ºC加温部 2 の温度 110.0 ºC

バイアルヒータ温度の真度 温度 1 60.0 ºC温度 2 N/A ºC温度 3 N/A ºC

注入精度、キャリーオーバー (ALS) カラムへの注入量 1.0 ul注入精度、キャリーオーバー (アジレント HSS) カラムへの注入量 1000 ul注入精度、キャリーオーバー (HSS*) 注入時間 * 0.02 分

GC オーブン昇温 : 真度、直線性、精度 初期温度 50.0 ºC昇温 30.0 ºC/min最終温度 280.0 ºC

LTM オーブン温度の真度および安定性 温度 1 230.0 ºC温度 2 100.0 ºC

LTM オーブン昇温 : 真度、直線性、精度 初期温度 50.0 ºC昇温 100.0 ºC/min最終温度 280.0 ºC

* 圧力バランス済みの HSS

エンタープライズエディションの柔軟性を最大限に活用した完全にカスタマイズされた運転時適格性評価プログラムについては、最寄りのアジレント販売店にお問い合わせください。有償となることがあります。(ただし、カスタマイズは、英語版のみの対応となります。)

アジレントのオペレータ (ACE に変更を入力したことを確認) :

氏名 :

署名/日付: :

お客様 :

氏名 :

署名/日付: :

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修理後の再適格性評価 (RQ) ハードウェアハードウェアが故障した後に、適格性評価の対象となる機器の技術的な修理を行った場合は、再び操作に使用する前に、適切なレベルでシステムの適格性評価を再度行う必要があります。

アジレントでは、計画的な毎年の OQ の間に、機器を修理し、適格性再評価を行うサービス契約を提供しています。

再検査のレベルは、ACE の RQ の項目に規定されています。可能なすべての修理のタイプと必要な再検査を示すフォームが表示されます。このサンプルフォームの一部を次に示します。

修理後の適格性再評価

メインフレーム戦略

修理/交換戦略 OQ/PV 検査

メインボード システムの確認および基本機能と安全性GCオーブン温度真度と安定性注入口圧力真度検出器の流量真度GCオーブン昇温(OQで実施している場合のみ)

キーボード システムの確認および基本機能と安全性

EPC ボード 注入口圧力真度検出器の流量真度

RQ サービスをお客様が確認できるように、修理および再検査のガイダンスの一覧が用意されています。

ACE の RQ フォームには、個々の修理の状況でオペレータ (サービスエンジニア) が実行する必要がある検査が規定されています。テスト手順、設定値、および基準値は、これまでの OQ 検査を厳密に繰り返します (回帰テスト計画)。

二つの判定基準値の承認アジレントエンタープライズエディションの機器適格性評価計画 (EQP) では、各検査の最終結果を、必要に応じて 2 つの異なる基準値と比較することができます。この結果、お客様が構成した OQ で、顧客基準値 (limit1) とアジレント推奨の基準値 (limit2) に対するレポートを同時に作成することができます。

Standard_EQP では、Limit1 と Limit2 は同じ値に設定されているため、この機能は事実上無効になっています。必要に応じて Custom_EQP を作成し、Agilent Compliance Engine (ACE) の二つの判定基準値の機能を有効に活用することもできます。この場合、”Limit2” は常にアジレント推奨の基準値に、”Limit1” は顧客が求める基準値になります。アジレント推奨の基準値よりも厳しい基準値を顧客が求める場合の OQ 検査の結果については、アジレントは責任を負いません。

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法律上の表記、推薦、および改訂履歴エンタープライズエディションとその主要コンポーネント (ACE ソフトウェアツール、手順、テスト設計、計測ツール、化学的な標準試料、オペレータ用トレーニング資料) は、アジレント社内の品質ライフサイクル開発手順に従って商業目的に設計、製造、テスト、バリデーション、および公開されています。

日付 : 2011 年 12 月

サービス R&D 担当マネージャ : Dr. Jonathan Gray (米国、カリフォルニア州、サンタクララ)

サービス品質担当マネージャ : Doug McDougall (米国、デラウェア州、ウィルミントン)

エンタープライズエディションは、labcompliance.com を代表する Ludwig Huber 博士により推薦されています。

ACE ソフトウェアは特許取得済みです。エンタープライズエディションを構成するすべての原著作物について、この文により著作権を主張します。不正な使用、複製、または翻訳を行った場合は、法律により厳しく罰せられる可能性があります。サービスの提供時にお客様に提供された EQP 承認のお客様用コピー、最終的な適格性評価レポート、生データは、お客様の所有物となります。

GC エンタープライズエディションプロトコルの改訂履歴A.01.77、2011 年 12 月 PDF を InDesign に変換し、新しい Measure of Confidence の標準および新しいフォントに更新。

A.01.76、2011 年 8 月 GC に変更なし。ACE の改訂とは独立してプロトコルを改訂。規制に関する影響なし。

A.01.75、2011 年 3 月 GC に変更なし。7696 で HSS で加温部 3 の温度真度を追加。

A.01.74、2010 年 9 月 GC に変更なし。

A.01.73、2010 年 6 月 (1) : オプション検査の選択ボックスを追加 (規制に関する影響なし)。

A.01.72、2010 年 1 月 Perkin Elmer HS40XL および TurboMatrix 40 ヘッドスペースサンプラのサポートを追加。

A.01.71、2009 年 10 月 電子署名のフィールドを追加 (規制に関する影響なし)。

A.01.70、2009 年 5 月 (1) レスポンスの直線性 (FID) 検査を追加、(2) GC オーブン昇温 : 真度、直線性、および精度検査を追加、(3) 7693 の ALS およびバイアルヒータ温度の真度検査を追加、(4) Agilent 7820 シリーズおよび Varian GC のサポートを追加、(5) ノイズおよびドリフトの計算を更新(規制に関する影響なし)。

A.01.60、2008 年 5 月 (1) 検査の仕様を変更 (規制に関する影響なし) : (a) 全世界でデータを評価した後、FID、CTC HSS の基準値の注入精度を 3 % から 4 % に変更、(b) 既存の注入口圧力低下を変更せず、新たに < 0.5 psi/5 min の注入口圧力上昇の基準も追加した二重の基準に変更、(c) ヘッドスペースのベントバルブおよび加圧バルブの完全性検査を追加、(d) ノイズおよびドリフトオーブン設定値を 100 ºC の同一の基準値に変更、(2) G1883A HSS のサポートを追加、(3) 日本の FPD 標準 (P/N 5188-5245) のサポートを追加、(4) フォームを追加 : EQR の最後に「Certificate of System Qualification (システム適格性評価の証明書)」を追加、該当する各検査の後に「Chromatography Report (クロマトグラフィレポート)」を追加、EQR に対するすべての修正を記録するために、オペレータおよびお客様の「Errors and Corrections (エラーおよび修正)」を追加、完全なトレーサビリティを確保するために「Data Transfer Audit Log (データ転送監査ログ)」を追加。

A.01.53、2007 年 8 月 圧力検査に kPa の単位を追加。

A.01.50、2007 年 3 月

A.01.40、2006 年 12 月 最初の GC - 稼働時適格性評価

EQP 確認文書の終わり

www.agilent.com/chem/enterprise本文書に記載の情報、説明、製品仕様等は 予告なしに変更されることがあります。

アジレント・テクノロジー株式会社© Agilent Technologies, Inc. 2011

Published in Japan, December 2, 2011