豊かな人間性を育む プ研究協議会 道徳教育の充実...豊かな人間性を育む...

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豊かな人間性を育む 道徳教育の充実 新潟県教育委員会 平成31年3月 県教育委員会では、文部科学省の委託を受け、「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業推進協議 会」を設置し、小・中・高等学校の各研究推進校において、次の3点について実践研究を行っています。 〇 教育活動全体を通じた道徳教育の充実 〇 道徳の時間の工夫・改善 〇 家庭や地域と連携した道徳教育 本報告書では、特に「道徳の時間の工夫・改善」についてお伝えします。小・中・特別支援学校における「特 別の教科 道徳」の全面実施に向け、道徳教育の充実に向けた取組の参考にしてください。 文部科学省委託 平成 30 年度「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」成果報告書 Vol.8

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豊かな人間性を育む道徳教育の充実

新 潟 県 教 育 委 員 会平 成 3 1 年 3 月

 県教育委員会では、文部科学省の委託を受け、「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業推進協議会」を設置し、小・中・高等学校の各研究推進校において、次の3点について実践研究を行っています。 〇 教育活動全体を通じた道徳教育の充実 〇 道徳の時間の工夫・改善 〇 家庭や地域と連携した道徳教育 本報告書では、特に「道徳の時間の工夫・改善」についてお伝えします。小・中・特別支援学校における「特別の教科 道徳」の全面実施に向け、道徳教育の充実に向けた取組の参考にしてください。

道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業推進協議会委員

事務局

●上越教育大学大学院教授 早川 裕隆●南魚沼市立三用小学校長 佐山幸太郎●県立柏崎翔洋中等教育学校長 本 敏郎●南魚沼市学習指導センター指導主事 岡村 秀康●胎内市教育委員会指導主事 須貝 育子

●義務教育課参事 佐藤 理仁●高等学校教育課参事 長谷川雅一●義務教育課問題行動等対策・人権教育班長 竹田  充●上越教育事務所指導主事 関原るみ子●中越教育事務所副参事・指導主事 西澤 貴志●下越教育事務所指導主事 関川 紀博

●義務教育課指導主事 髙橋 道子●高等学校教育課指導主事 高見 由光

文部科学省委託 平成 30 年度「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」成果報告書 Vol.8

※本パンフレットの内容は、県教育庁義務教育課のホームページに掲載していますので、御活用ください。

 http://www.pref.niigata.lg.jp/gimukyoiku/

 本支援事業では、新学習指導要領の趣旨の共有・普及を図るため、道徳教育パワーアップ研究協議会を開催しています。 平成30年度は10月2日(火)に県立教育センターにおいて開催しました。参会者は150名を超え、「考え、議論する道徳」について、体験したり情報交換したりしました。

パワーアップ道徳教育 研究協議会

演習:「特別の教科 道徳」授業づくり150名の参会者が中学生になったつもりで早川教授の道徳授業を受けました。「一冊のノート」を教材に「新しい道徳」の面白さを実感しました。

選べる4つの分科会道徳教育推進校や指導者と参会者が授業の工夫や評価について協議しました。

参会者アンケート結果

 身をもって道徳の学びを体験し、心動かされた。

 いじめなど問題になっている中で、道徳の果たす役割は大きい。

 南魚沼市の全員参加型のツールや、七葉小の評価パターンなど、工夫を知ることができた。

 本協議会に参加して、新学習指導要領の趣旨に沿った授業づくりや評価等について理解できた

 本協議会に参加して、市町村内の学校や自校の取組に関して、新たな気づきや考えの深まりが得られた

 柏崎翔洋の研究が進んでおり、一度授業参観したい。

 道徳授業の力に驚かされた。授業後の温かい気持ちを職員に伝えるのは難しい。多くの先生方にこのような協議会への参加機会があるとうれしい。

 役割演技、自我関与の授業を行っていただき、授業の視点を学んだ。

 教科化に評価など不安があったが、この協議会で目指すものが見えてきた。

そう思う70%

そう思う64%

そう思わない0%

そう思わない0%

どちらかと言えばそう思う28%

どちらかと言えばそう思う35%

どちらかと言えばそう思わない

2%

どちらかと言えばそう思わない

1%

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論 説道徳科の学びの先にある、人間らし い思考のパラダイムの形成を考える

 小学校では今年度から、道徳科の本格実施が始まりました。最大の関心事の一つでもあった「評価」に

ついても、各学校で創意工夫され、いわゆる「文例」に合わせて評価するのではない、子どもたちの学び

や成長の様子を励まし伝える評価が実施されたことでしょう。来年度は今年度の実績を踏まえて、さらに充

実した評価と、そして、評価を可能とする授業の更なる充実が図られるものと思われます。そして、中学校

でも来年度から道徳科がスタートします。先生方の研修の支援を目的に本学に設置された「上廣道徳教育

アカデミー」も、今年度は、予想をはるかに上回る70回を越える依頼に応じました。来年度は、さらに特

任教授を1名増やして、特に中学校からの依頼に手厚く応えられるよう、準備を進めているところです。

 ところで、道徳科は、「考える道徳・議論する道徳」と説明されています。それは、今までの、「単なる

生活経験の話し合いや、読み物の登場人物の心情の読み取りのみに偏った形式的な指導」や、「特定の価

値観を押しつけたり、言われるままに行動するよう指導したりする」指導との批判があった道徳の時間との

違いと、明確な決別とを、広く一般に、象徴的に表現したと言えましょう。しかし、だとするならば、我々

教育者は、何のために道徳科の学習を行うのか、つまり、学んだ先に何があるのか、その内容を、育成す

べき資質・能力の観点から理解しておかなければ、今までの「教え込み」の授業を繰り返す過ちを犯して

しまうでしょう。もちろん、道徳科の目標は、学習指導要領で述べられています。しかし、そこから理解し

ても、他の教科と違って、「知識」を知ることだけでは不十分である事は明確です。例えば、水が酸素と水

素からできていることを知識として知っても、なぜ、同じ水をすがすがしく感じたり、甘く感じたり、苦く感

じたりするのか。知識だけでは、この水の味の「意味」を知ることにはならないからです。「特別の」教科

というのは、まさに、物事の根底にある「人間らしさ」の意味を考え、理解を深めるところにあると思うの

です。では、「人間らしさ」とは何なのでしょう。昨年度までと論調が違いますが、立ち止まって、教育者

としての皆さんと考えてみたいと思います。

 今、科学の進歩、とりわけ技術革新や医学等の進歩の速さは、すさまじいものです。しかし、進歩した

それらをどのように使うのかといったコンセンサスは、とても追いついているようには思えません。もちろ

ん、多岐にわたる分野で、個々それぞれに応じることは困難とも言えましょう。しかし、例えば、今後10年

~20年後には、日本の労働人口の49%が就いている職業が、AI等で代替可能となるとの予測もあります。

クローンも、猿まで実験が進み、良いか悪いかは別にして、昨年遺伝子を組み換えた人間が誕生したとの

報道もありました。再生医療の研究も進んでいます。これらが、単なる営利目的や軍事、国家間の争い等

に利用されたら…。どのように利用するのか、あるいは、利用しないのか、してはいけないのか等について、

いったいどんな基準を基に判断すればいいのでしょうか。人類にとって、様々な判断の基となる考え方や吟

味の方法=パラダイム(枠組み)が必須だと考えます。

 そもそも、人間らしさとは何なのでしょう。筆者は、「よりよく伸びようとする」ところであり、それは、「感

動」の経験からそのときだけに留まらない「意味」を見出せるからこそ生起するのだと思います。そこに「納

得解」の構造があるとすると、「自立した一人の人間として他者とともによりよく生きる」ことを目指すこと

ができるところが人間らしさであり、まさに、道徳はその人間らしさを信じ、そこに人間としての生き方を

託していると言えないでしょうか。価値を教えることを否定はしません。しかし、言われた通り、教えられた

通りに生きるだけなら、様々な課題(場面)に、人間らしくよりよく対応(応用)することは、困難なこと

は容易に想像できます。道徳的課題に対峙する際、道徳的諸価値についての理解(価値理解、人間の理解、

他者理解)を深め、その理解をさらに、多面的・多角的に吟味し合い、自己の生き方としてより深められ

た考えがわき出てくる。そして、更にその「意味」を見出し深める。そのとき、自分のことだけではなく「他

者とともによりよく生きる」ことをベースに置ける。道徳教育や道徳科の学習とは、まさに、そんな人間の

生き方、考え方、すなわち、未知の課題の解決を考えていく際の方法としての、人間らしい新たなパラダ

イムの形成でもあると言えるのではないでしょうか。

道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業推進協議会委員

上越教育大学大学院 教授 早川 裕隆

論 説道徳科の学びの先にある、人間らし い思考のパラダイムの形成を考える

 小学校では今年度から、道徳科の本格実施が始まりました。最大の関心事の一つでもあった「評価」に

ついても、各学校で創意工夫され、いわゆる「文例」に合わせて評価するのではない、子どもたちの学び

や成長の様子を励まし伝える評価が実施されたことでしょう。来年度は今年度の実績を踏まえて、さらに充

実した評価と、そして、評価を可能とする授業の更なる充実が図られるものと思われます。そして、中学校

でも来年度から道徳科がスタートします。先生方の研修の支援を目的に本学に設置された「上廣道徳教育

アカデミー」も、今年度は、予想をはるかに上回る70回を越える依頼に応じました。来年度は、さらに特

任教授を1名増やして、特に中学校からの依頼に手厚く応えられるよう、準備を進めているところです。

 ところで、道徳科は、「考える道徳・議論する道徳」と説明されています。それは、今までの、「単なる

生活経験の話し合いや、読み物の登場人物の心情の読み取りのみに偏った形式的な指導」や、「特定の価

値観を押しつけたり、言われるままに行動するよう指導したりする」指導との批判があった道徳の時間との

違いと、明確な決別とを、広く一般に、象徴的に表現したと言えましょう。しかし、だとするならば、我々

教育者は、何のために道徳科の学習を行うのか、つまり、学んだ先に何があるのか、その内容を、育成す

べき資質・能力の観点から理解しておかなければ、今までの「教え込み」の授業を繰り返す過ちを犯して

しまうでしょう。もちろん、道徳科の目標は、学習指導要領で述べられています。しかし、そこから理解し

ても、他の教科と違って、「知識」を知ることだけでは不十分である事は明確です。例えば、水が酸素と水

素からできていることを知識として知っても、なぜ、同じ水をすがすがしく感じたり、甘く感じたり、苦く感

じたりするのか。知識だけでは、この水の味の「意味」を知ることにはならないからです。「特別の」教科

というのは、まさに、物事の根底にある「人間らしさ」の意味を考え、理解を深めるところにあると思うの

です。では、「人間らしさ」とは何なのでしょう。昨年度までと論調が違いますが、立ち止まって、教育者

としての皆さんと考えてみたいと思います。

 今、科学の進歩、とりわけ技術革新や医学等の進歩の速さは、すさまじいものです。しかし、進歩した

それらをどのように使うのかといったコンセンサスは、とても追いついているようには思えません。もちろ

ん、多岐にわたる分野で、個々それぞれに応じることは困難とも言えましょう。しかし、例えば、今後10年

~20年後には、日本の労働人口の49%が就いている職業が、AI等で代替可能となるとの予測もあります。

クローンも、猿まで実験が進み、良いか悪いかは別にして、昨年遺伝子を組み換えた人間が誕生したとの

報道もありました。再生医療の研究も進んでいます。これらが、単なる営利目的や軍事、国家間の争い等

に利用されたら…。どのように利用するのか、あるいは、利用しないのか、してはいけないのか等について、

いったいどんな基準を基に判断すればいいのでしょうか。人類にとって、様々な判断の基となる考え方や吟

味の方法=パラダイム(枠組み)が必須だと考えます。

 そもそも、人間らしさとは何なのでしょう。筆者は、「よりよく伸びようとする」ところであり、それは、「感

動」の経験からそのときだけに留まらない「意味」を見出せるからこそ生起するのだと思います。そこに「納

得解」の構造があるとすると、「自立した一人の人間として他者とともによりよく生きる」ことを目指すこと

ができるところが人間らしさであり、まさに、道徳はその人間らしさを信じ、そこに人間としての生き方を

託していると言えないでしょうか。価値を教えることを否定はしません。しかし、言われた通り、教えられた

通りに生きるだけなら、様々な課題(場面)に、人間らしくよりよく対応(応用)することは、困難なこと

は容易に想像できます。道徳的課題に対峙する際、道徳的諸価値についての理解(価値理解、人間の理解、

他者理解)を深め、その理解をさらに、多面的・多角的に吟味し合い、自己の生き方としてより深められ

た考えがわき出てくる。そして、更にその「意味」を見出し深める。そのとき、自分のことだけではなく「他

者とともによりよく生きる」ことをベースに置ける。道徳教育や道徳科の学習とは、まさに、そんな人間の

生き方、考え方、すなわち、未知の課題の解決を考えていく際の方法としての、人間らしい新たなパラダ

イムの形成でもあると言えるのではないでしょうか。

道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業推進協議会委員

上越教育大学大学院 教授 早川 裕隆

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南魚沼市立三用小学校の実践

~「考える道徳」「議論する道徳 」への転換を図る授業改善~「他者と伝え合い、考えを深め る子どもの育成」を目指して

第 5 学年 道徳 学習指導案 (一部抜粋) ねらいを具体化する ~構造化し、3つの視点で~

心に響く道徳の時間の工夫 授業のここがポイント!

全員参加の簡単ツール

だれもが気持ちよく [内容項目 C 規則の尊重]登場人物のそれぞれの思いや状況を踏まえ、誰もが快い気分でショーを見るために「男の人」に伝えるべき内容を考えることを通して、自己中心的に権利を主張するばかりでは周囲に迷惑がかかることや、規則を尊重することが大切であることに気付き、相手の立場や気持ちを互いに尊重し合いながら、言動を考え、実践しようとする心情を育てる。

「お客様」 (『みんなの道徳』小学校5年 学研)

 ねらいを具体化すると、授業のイメージが明確になり、評価もしやすくなります。具体化するために、「考えさせたいこと」「気付かせたいこと」「育てたい資質能力」の3つの視点からねらいを考えました。

思考を見える化する ~「心のものさし」「サインカード」「心情円盤」などの活用を~

 「心のものさし」にネームプレートを貼ることで、全員参加で意思表示ができます。そして、なぜそこにネームプレートを貼ったのか意見交流をすることで、違う立場の人が考えていることや、同じ立場でも理由に違いがあることに気付くことができました。

三色のサインカードで意思表示一斉に出して一度に確認できる。

2色で表す心情円盤考えの微妙な違いが分かる。

2色のハートマークで意思表示「うれしい、悲しい」などの気持ちも表せる。

思考を刺激する発問をつくる ~本展開では、自分事として考える発問を 中心発問に~

 自分事として考えさせるために、「自分が係の人だったらどう話すか」という「投影的発問」を中心発問にしました。「男の人」を納得させるための言葉として「相手のことを考えて」「自分のことだけでなく」という言葉が児童の発言として自然に出てきました。 思考を刺激する発問として、他に「共感的発問」「分析的発問」「批判的発問」などがあります。(東京学芸大学教授 永田繁雄先生「配布資料」及び 南魚沼市 「授業づくりハンドブック」より)教材内容、学習過程に合わせて、どのタイプの発問が有効か考えることが大切です。

終末を決める ~まとめ・振り返りとして~

 終末では、道徳的価値や生き方について自覚していくためにも、各自が学習したことをまとめる活動を用意しました。また、視点を広げたり深めたりすることをねらって、教師が自分の体験を語り、教材から離れ、日常生活を想起させるようにしました。

 自分事としてよく考えた授業、今まで気付かなかった価値に気付いた授業は、児童の心に強く刻まれていることが分かりました。児童の心に種をまくような授業にするためには、教材の吟味が欠かせません。繰り返し教材を読むことで、授業のねらいを明確にし、その教材で何を考えさせるのか、どんな活動をするのか考えて授業の流れをつくること。それが、とても大切だと実感しています。

 昨年度よりも、自分事として考えたり意見交流したりできた児童の割合が高くなりました。思考の見える化や発問づくりを工夫してきた成果だと思います。

T 「お客様」という言葉はどのような場面で使いますか。T 今日は、「お客様」について考えていきましょう。<教科書前半範読>

C 子どもが見えないのだから仕方ない。

C お金を払っているのだから見られないのは困る。

C ルール違反はよくないが、お金を払っているのだから見えないのは困る。

C けがを心配している。C ルールはルール。守るべ

き。C 他の人もお金を払ってい

るのだから注意は当然。

□「お客様」という言葉にどのようなイメージをもっているかを共有する。

T <教科書後半を範読>このままでは係の人も男の人も周りの人も困るね。

○登場人物のそれぞれの状況や思いについて考える。T 感想を聞かせてください。C 見に来たのに見られない「わたし」はつらいと思う。C みんなが見られないので、肩車はしてはいけないと思う。C でも、見えないのだからしょうがないと思う。C 「男の人」のせいで他の人が見られないのに、自分ばかり怒っているのはおかしい。T あなたは「男の人」と「係の人」では、どちらの言っていることに対して「確かに。」と思いますか。

□意見に理由を付けたり、詳しく話させたりするために、問い返しや問い直しをする。

□登場人物それぞれの思いに共感できるかどうかを示すために、「心のものさし」にネームプレートを貼らせる。

□登場人物一人ひとりの立場や心情に寄り添い、否定したり、共感したりできるよう児童の意見を確認しながら、自分と異なる意見があることに気付かせる。

□ワークシートに書かせる。□なぜ、そのように考えたのか、大切

にしたいことや誰のために伝えるのかを聞き返す。

□教師が「男の人」になり、適時会話をする。

◆相手の立場や気持ちを尊重し合いながら、言動を考えようとする。

 (発言、ワークシート)□自分事として内省する活動にする

ために、教師の経験を話す。

○登場人物のそれぞれの状況や思いを踏まえ,自分が係の人だったらどのように理解してもらうか考える。T 皆さんが「係の人」になったとします。「男の人」が納得できるように、自分なら、どのように話しますか。C 皆さんがご迷惑なので(肩車を)やめてもらえませんか。C お子さんがけがをしたら大変です。安全第一でお願いします。C 他のお客様も見る権利があります。ルールを守ってください。C 皆さんがお金を払っているので、できる範囲で譲り合ってください。

○本時で学習したことを振り返り、今までの自分を見つめ直すと共に、これからの自分の生活を考える。T 今日学習したことを考えながら、どのようなことを学びましたか。これからどのようにしていきたいで

すか。C 相手のことを考えながらルールを守って行動したい。C みんなが気持ちよく過ごすために、きまりを守ることを大切にする。

主題名1ねらい2

教材名3本時の展開

時間 □主な指導や支援、留意点 ◆評価

4

導入

10分

導入8分

展開前半13分

展開後半14分

研究の評価(一部) 「年度末児童アンケート」より

道徳の授業は楽しい 自分だったらどうするか考えることができた

自分の考えを話したり友達の考えを聞いたりした

楽しい40%

できた64%

できた59%どちらかと

言えば楽しい48%

どちらかと言えば楽しくない 6%

楽しくない 6%

どちらかと言えばできた

29%どちらかと

言えばできた38%

どちらかと言えばできない

4%どちらかと

言えばできない3%

できなかった 0%できなかった 3%

学習活動(主な発問と予想される児童の反応)

男の人 う~ん 係の人

南魚沼市立三用小学校の実践

~「考える道徳」「議論する道徳 」への転換を図る授業改善~「他者と伝え合い、考えを深め る子どもの育成」を目指して

第 5 学年 道徳 学習指導案 (一部抜粋) ねらいを具体化する ~構造化し、3つの視点で~

心に響く道徳の時間の工夫 授業のここがポイント!

全員参加の簡単ツール

だれもが気持ちよく [内容項目 C 規則の尊重]登場人物のそれぞれの思いや状況を踏まえ、誰もが快い気分でショーを見るために「男の人」に伝えるべき内容を考えることを通して、自己中心的に権利を主張するばかりでは周囲に迷惑がかかることや、規則を尊重することが大切であることに気付き、相手の立場や気持ちを互いに尊重し合いながら、言動を考え、実践しようとする心情を育てる。

「お客様」 (『みんなの道徳』小学校5年 学研)

 ねらいを具体化すると、授業のイメージが明確になり、評価もしやすくなります。具体化するために、「考えさせたいこと」「気付かせたいこと」「育てたい資質能力」の3つの視点からねらいを考えました。

思考を見える化する ~「心のものさし」「サインカード」「心情円盤」などの活用を~

 「心のものさし」にネームプレートを貼ることで、全員参加で意思表示ができます。そして、なぜそこにネームプレートを貼ったのか意見交流をすることで、違う立場の人が考えていることや、同じ立場でも理由に違いがあることに気付くことができました。

三色のサインカードで意思表示一斉に出して一度に確認できる。

2色で表す心情円盤考えの微妙な違いが分かる。

2色のハートマークで意思表示「うれしい、悲しい」などの気持ちも表せる。

思考を刺激する発問をつくる ~本展開では、自分事として考える発問を 中心発問に~

 自分事として考えさせるために、「自分が係の人だったらどう話すか」という「投影的発問」を中心発問にしました。「男の人」を納得させるための言葉として「相手のことを考えて」「自分のことだけでなく」という言葉が児童の発言として自然に出てきました。 思考を刺激する発問として、他に「共感的発問」「分析的発問」「批判的発問」などがあります。(東京学芸大学教授 永田繁雄先生「配布資料」及び 南魚沼市 「授業づくりハンドブック」より)教材内容、学習過程に合わせて、どのタイプの発問が有効か考えることが大切です。

終末を決める ~まとめ・振り返りとして~

 終末では、道徳的価値や生き方について自覚していくためにも、各自が学習したことをまとめる活動を用意しました。また、視点を広げたり深めたりすることをねらって、教師が自分の体験を語り、教材から離れ、日常生活を想起させるようにしました。

 自分事としてよく考えた授業、今まで気付かなかった価値に気付いた授業は、児童の心に強く刻まれていることが分かりました。児童の心に種をまくような授業にするためには、教材の吟味が欠かせません。繰り返し教材を読むことで、授業のねらいを明確にし、その教材で何を考えさせるのか、どんな活動をするのか考えて授業の流れをつくること。それが、とても大切だと実感しています。

 昨年度よりも、自分事として考えたり意見交流したりできた児童の割合が高くなりました。思考の見える化や発問づくりを工夫してきた成果だと思います。

T 「お客様」という言葉はどのような場面で使いますか。T 今日は、「お客様」について考えていきましょう。<教科書前半範読>

C 子どもが見えないのだから仕方ない。

C お金を払っているのだから見られないのは困る。

C ルール違反はよくないが、お金を払っているのだから見えないのは困る。

C けがを心配している。C ルールはルール。守るべ

き。C 他の人もお金を払ってい

るのだから注意は当然。

□「お客様」という言葉にどのようなイメージをもっているかを共有する。

T <教科書後半を範読>このままでは係の人も男の人も周りの人も困るね。

○登場人物のそれぞれの状況や思いについて考える。T 感想を聞かせてください。C 見に来たのに見られない「わたし」はつらいと思う。C みんなが見られないので、肩車はしてはいけないと思う。C でも、見えないのだからしょうがないと思う。C 「男の人」のせいで他の人が見られないのに、自分ばかり怒っているのはおかしい。T あなたは「男の人」と「係の人」では、どちらの言っていることに対して「確かに。」と思いますか。

□意見に理由を付けたり、詳しく話させたりするために、問い返しや問い直しをする。

□登場人物それぞれの思いに共感できるかどうかを示すために、「心のものさし」にネームプレートを貼らせる。

□登場人物一人ひとりの立場や心情に寄り添い、否定したり、共感したりできるよう児童の意見を確認しながら、自分と異なる意見があることに気付かせる。

□ワークシートに書かせる。□なぜ、そのように考えたのか、大切

にしたいことや誰のために伝えるのかを聞き返す。

□教師が「男の人」になり、適時会話をする。

◆相手の立場や気持ちを尊重し合いながら、言動を考えようとする。

 (発言、ワークシート)□自分事として内省する活動にする

ために、教師の経験を話す。

○登場人物のそれぞれの状況や思いを踏まえ,自分が係の人だったらどのように理解してもらうか考える。T 皆さんが「係の人」になったとします。「男の人」が納得できるように、自分なら、どのように話しますか。C 皆さんがご迷惑なので(肩車を)やめてもらえませんか。C お子さんがけがをしたら大変です。安全第一でお願いします。C 他のお客様も見る権利があります。ルールを守ってください。C 皆さんがお金を払っているので、できる範囲で譲り合ってください。

○本時で学習したことを振り返り、今までの自分を見つめ直すと共に、これからの自分の生活を考える。T 今日学習したことを考えながら、どのようなことを学びましたか。これからどのようにしていきたいで

すか。C 相手のことを考えながらルールを守って行動したい。C みんなが気持ちよく過ごすために、きまりを守ることを大切にする。

主題名1ねらい2

教材名3本時の展開

時間 □主な指導や支援、留意点 ◆評価

4

導入

10分

導入8分

展開前半13分

展開後半14分

研究の評価(一部) 「年度末児童アンケート」より

道徳の授業は楽しい 自分だったらどうするか考えることができた

自分の考えを話したり友達の考えを聞いたりした

楽しい40%

できた64%

できた59%どちらかと

言えば楽しい48%

どちらかと言えば楽しくない 6%

楽しくない 6%

どちらかと言えばできた

29%どちらかと

言えばできた38%

どちらかと言えばできない

4%どちらかと

言えばできない3%

できなかった 0%できなかった 3%

学習活動(主な発問と予想される児童の反応)

男の人 う~ん 係の人

Page 4: 豊かな人間性を育む プ研究協議会 道徳教育の充実...豊かな人間性を育む 道徳教育の充実 新潟県教育委員会 平成31年3月 県教育委員会では、文部科学省の委託を受け「道徳教育、

県立柏崎翔洋中等教育学校の実践

~地域探究学習と防 災教育と関連して~主体性を持って自己の生き方を考え、地域と共に生きる力を育てる道徳教育

地域探究学習「かしわざき学」と道徳

心に響く道徳の時間 本校における特徴的な取組と道徳

「命の尊さ」生命は多くの人々により支えられていることに気づき、命の重さを考える。「エリカ 奇跡のいのち」

「読み物教材をとおして、命の重さと人間としての生き方を考える」

本校では、6年間の一貫した教育を行う中等教育学校の特性を活かし、中学校相当の前期課程を踏まえた、高等学校相当の後期課程における道徳教育を進めてきました。年3回の道徳授業実践と研究協議を行いましたが、前期課程と後期課程で同じテーマで道徳授業を行い、研究協議会を開いて授業の工夫や改善を進めてきました。以下はその1例です。

道徳教育は学校の教育活動全体を通じて行うこととなっており、本校では様々な活動に道徳の視点を取り入れながら、前期課程と後期課程が継続した学びの実現を目指しています。

本校では、平成29年度より地域探究学習「かしわざき学」に取り組んでいます。これは、新たな価値を生み出す意識のあり方(アントレプレナーシップ)の育成を目指しながら、地域活動を行うNPOや青年会議所、商工会議所等と連携しながら進める学びです。生徒たちは、人間や社会のあるべき姿について、現実の地域社会や地域の人々との交流の中で学んでいます。

防災教育と道徳〔4年(高校1年)〕 4学年では「ぼくらの防災計画」と題して、災害を想定して地域のことを深く考え、地域で生活する人々へ思いをめぐらせながら、自分たちにできることを考える学びを進めています。地域防災の専門家の講演を4回受講し、グループごとに地域の施設・団体を訪問しました。その取材をもとに、災害が起きたときや起きる前に自分たちにできる取組を「ぼくらの防災計画」と題して作成しています。本年度は、この一次発表の場を公開し研究発表を行いました。(平成30年12月5日)

○生徒対象ルーブリック評価  内容 21世紀型能力の観点から行う自己評価に、道徳的資質を加味した。  方法 全校生徒を対象としてルーブリック評価シートを用い自己評価させ、集計、分析を行った。  時期 平成30年6月(第1回)、12月(第2回)  結果 全学年とも、「真理の追究」、「伝統文化の尊重」についての自己評価が特に高まる傾向があり、地域探究学習と関連

してすすめた道徳教育の成果が見られた。○保護者アンケート  内容 各家庭の生徒について、心の涵養の程度や態度の変容について質問紙調査を行った。  方法 全学年の保護者を対象としてアンケートを実施し、集計、分析を行った。  時期 平成30年6月(第1回)、12月(第2回)  結果 後期課程(高校段階)においても、道徳の授業の様子や学んだことを家庭で話す割合は増加する傾向にある。また、将

来の夢や目標を持っているという項目も増加傾向にあり、これらのことから、道徳の授業が進路意識の向上につながり、家庭においても共有されていることがわかる。

中学校籍の教員からアドバイスを受けながら授業を行うことができるのが本校の最大のメリットです。各高校においても、日頃から近隣の中学校教員と交流を持ち、相談ができる関係を築くことが重要ではないでしょうか。

主題名

共通のテーマ

第二次世界大戦中、ユダヤ人を乗せ強制収容所へ向かう列車から車外へ放り投げられたことで命を救われた主人公の物語。

思春期後期だからこそ、人間の深い心情や心の葛藤が胸に響き、「どう生きるか」をより深く考えることができます。

自分の考えを伝えることに抵抗が出てくる思春期前期の生徒たち。心情円盤は自分の心を可視化し、他者に表現するのにとても役に立ちます。

ねらい教材名展 開

研究の評価

〔授業① 4年(高校1年)〕

発問「両親はどんな思いでエリカを列車から投げたか?」 主発問「生きるとはどういうことか?」

◎手法 グループ活動重視

「人間の気高さ」命を投げ出し乗客の命を救った主人公の行為から、生き方への思いを深める。「塩狩峠」(『中学道徳2』光村図書)

主題名ねらい教材名展 開

〔授業② 3年(中学3年)〕

発問「信夫はなぜ線路に飛び下りたのだろう?」 主発問「あなたは信夫の行動をどう思うか?」

◎手法 心情円盤を活用して、生徒の対話を引き出す。

ブレーキが壊れ暴走する列車から身を投げ、自らの身体(命)で列車を止め、乗客の命を救った主人公の物語。

県立柏崎翔洋中等教育学校の実践

~地域探究学習と防 災教育と関連して~主体性を持って自己の生き方を考え、地域と共に生きる力を育てる道徳教育

地域探究学習「かしわざき学」と道徳

心に響く道徳の時間 本校における特徴的な取組と道徳

「命の尊さ」生命は多くの人々により支えられていることに気づき、命の重さを考える。「エリカ 奇跡のいのち」

「読み物教材をとおして、命の重さと人間としての生き方を考える」

本校では、6年間の一貫した教育を行う中等教育学校の特性を活かし、中学校相当の前期課程を踏まえた、高等学校相当の後期課程における道徳教育を進めてきました。年3回の道徳授業実践と研究協議を行いましたが、前期課程と後期課程で同じテーマで道徳授業を行い、研究協議会を開いて授業の工夫や改善を進めてきました。以下はその1例です。

道徳教育は学校の教育活動全体を通じて行うこととなっており、本校では様々な活動に道徳の視点を取り入れながら、前期課程と後期課程が継続した学びの実現を目指しています。

本校では、平成29年度より地域探究学習「かしわざき学」に取り組んでいます。これは、新たな価値を生み出す意識のあり方(アントレプレナーシップ)の育成を目指しながら、地域活動を行うNPOや青年会議所、商工会議所等と連携しながら進める学びです。生徒たちは、人間や社会のあるべき姿について、現実の地域社会や地域の人々との交流の中で学んでいます。

防災教育と道徳〔4年(高校1年)〕 4学年では「ぼくらの防災計画」と題して、災害を想定して地域のことを深く考え、地域で生活する人々へ思いをめぐらせながら、自分たちにできることを考える学びを進めています。地域防災の専門家の講演を4回受講し、グループごとに地域の施設・団体を訪問しました。その取材をもとに、災害が起きたときや起きる前に自分たちにできる取組を「ぼくらの防災計画」と題して作成しています。本年度は、この一次発表の場を公開し研究発表を行いました。(平成30年12月5日)

○生徒対象ルーブリック評価  内容 21世紀型能力の観点から行う自己評価に、道徳的資質を加味した。  方法 全校生徒を対象としてルーブリック評価シートを用い自己評価させ、集計、分析を行った。  時期 平成30年6月(第1回)、12月(第2回)  結果 全学年とも、「真理の追究」、「伝統文化の尊重」についての自己評価が特に高まる傾向があり、地域探究学習と関連

してすすめた道徳教育の成果が見られた。○保護者アンケート  内容 各家庭の生徒について、心の涵養の程度や態度の変容について質問紙調査を行った。  方法 全学年の保護者を対象としてアンケートを実施し、集計、分析を行った。  時期 平成30年6月(第1回)、12月(第2回)  結果 後期課程(高校段階)においても、道徳の授業の様子や学んだことを家庭で話す割合は増加する傾向にある。また、将

来の夢や目標を持っているという項目も増加傾向にあり、これらのことから、道徳の授業が進路意識の向上につながり、家庭においても共有されていることがわかる。

中学校籍の教員からアドバイスを受けながら授業を行うことができるのが本校の最大のメリットです。各高校においても、日頃から近隣の中学校教員と交流を持ち、相談ができる関係を築くことが重要ではないでしょうか。

主題名

共通のテーマ

第二次世界大戦中、ユダヤ人を乗せ強制収容所へ向かう列車から車外へ放り投げられたことで命を救われた主人公の物語。

思春期後期だからこそ、人間の深い心情や心の葛藤が胸に響き、「どう生きるか」をより深く考えることができます。

自分の考えを伝えることに抵抗が出てくる思春期前期の生徒たち。心情円盤は自分の心を可視化し、他者に表現するのにとても役に立ちます。

ねらい教材名展 開

研究の評価

〔授業① 4年(高校1年)〕

発問「両親はどんな思いでエリカを列車から投げたか?」 主発問「生きるとはどういうことか?」

◎手法 グループ活動重視

「人間の気高さ」命を投げ出し乗客の命を救った主人公の行為から、生き方への思いを深める。「塩狩峠」(『中学道徳2』光村図書)

主題名ねらい教材名展 開

〔授業② 3年(中学3年)〕

発問「信夫はなぜ線路に飛び下りたのだろう?」 主発問「あなたは信夫の行動をどう思うか?」

◎手法 心情円盤を活用して、生徒の対話を引き出す。

ブレーキが壊れ暴走する列車から身を投げ、自らの身体(命)で列車を止め、乗客の命を救った主人公の物語。

Page 5: 豊かな人間性を育む プ研究協議会 道徳教育の充実...豊かな人間性を育む 道徳教育の充実 新潟県教育委員会 平成31年3月 県教育委員会では、文部科学省の委託を受け「道徳教育、

豊かな人間性を育む道徳教育の充実

新 潟 県 教 育 委 員 会平 成 3 1 年 3 月

 県教育委員会では、文部科学省の委託を受け、「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業推進協議会」を設置し、小・中・高等学校の各研究推進校において、次の3点について実践研究を行っています。 〇 教育活動全体を通じた道徳教育の充実 〇 道徳の時間の工夫・改善 〇 家庭や地域と連携した道徳教育 本報告書では、特に「道徳の時間の工夫・改善」についてお伝えします。小・中・特別支援学校における「特別の教科 道徳」の全面実施に向け、道徳教育の充実に向けた取組の参考にしてください。

道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業推進協議会委員

事務局

●上越教育大学大学院教授 早川 裕隆●南魚沼市立三用小学校長 佐山幸太郎●県立柏崎翔洋中等教育学校長 本 敏郎●南魚沼市学習指導センター指導主事 岡村 秀康●胎内市教育委員会指導主事 須貝 育子

●義務教育課参事 佐藤 理仁●高等学校教育課参事 長谷川雅一●義務教育課問題行動等対策・人権教育班長 竹田  充●上越教育事務所指導主事 関原るみ子●中越教育事務所副参事・指導主事 西澤 貴志●下越教育事務所指導主事 関川 紀博

●義務教育課指導主事 髙橋 道子●高等学校教育課指導主事 高見 由光

文部科学省委託 平成 30 年度「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」成果報告書 Vol.8

※本パンフレットの内容は、県教育庁義務教育課のホームページに掲載していますので、御活用ください。

 http://www.pref.niigata.lg.jp/gimukyoiku/

 本支援事業では、新学習指導要領の趣旨の共有・普及を図るため、道徳教育パワーアップ研究協議会を開催しています。 平成30年度は10月2日(火)に県立教育センターにおいて開催しました。参会者は150名を超え、「考え、議論する道徳」について、体験したり情報交換したりしました。

パワーアップ道徳教育 研究協議会

演習:「特別の教科 道徳」授業づくり150名の参会者が中学生になったつもりで早川教授の道徳授業を受けました。「一冊のノート」を教材に「新しい道徳」の面白さを実感しました。

選べる4つの分科会道徳教育推進校や指導者と参会者が授業の工夫や評価について協議しました。

参会者アンケート結果

 身をもって道徳の学びを体験し、心動かされた。

 いじめなど問題になっている中で、道徳の果たす役割は大きい。

 南魚沼市の全員参加型のツールや、七葉小の評価パターンなど、工夫を知ることができた。

 本協議会に参加して、新学習指導要領の趣旨に沿った授業づくりや評価等について理解できた

 本協議会に参加して、市町村内の学校や自校の取組に関して、新たな気づきや考えの深まりが得られた

 柏崎翔洋の研究が進んでおり、一度授業参観したい。

 道徳授業の力に驚かされた。授業後の温かい気持ちを職員に伝えるのは難しい。多くの先生方にこのような協議会への参加機会があるとうれしい。

 役割演技、自我関与の授業を行っていただき、授業の視点を学んだ。

 教科化に評価など不安があったが、この協議会で目指すものが見えてきた。

そう思う70%

そう思う64%

そう思わない0%

そう思わない0%

どちらかと言えばそう思う28%

どちらかと言えばそう思う35%

どちらかと言えばそう思わない

2%

どちらかと言えばそう思わない

1%