英語発音習得における成人学習者の抑制要因1...

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1 英語発音習得における成人学習者の抑制要因 Adult Learner Inhibition Factors in Learning English Pronunciation 今 仲  昌 宏 * Masahiro IMANAKA Masahiro IMANAKA 国際言語文化学科(Department of International Studies in Language and Culture) 1.はじめに 外国語教育の歴史において、発音指導は文法、語彙、語法などの研究に比べて長期にわたり軽視さ れてきたことは否めない。ヨーロッパでの文献学、言語学の研究の歴史は、そのほとんどが文法や語 彙についてであった。外国語教育もこの流儀にならって、語学教師は発音よりも文法や語彙について 習熟しているといわれてきた。こうした理由から、国際的な観点から見ても発音指導の体系的な研究 が本格化したのは 20 世紀初頭からである。 (Kelly 1969)しかしコミュニケーションの基本は、書記言 語にではなく、音声言語の習得にあるという言語の原点に立ち返ってみれば、遅まきながらこの偏重 を修正する必要がある。 4技能の中で発音を含む speaking は、コミュニケーション相手と対面しての言語運用が原則であ り、学習者にとっては他の技能に比べて特に心理的負担のより大きい技能である。発音は言語習得全 体からみれば、ごく一部を占めるに過ぎないようにみえるかもしれないが、発音は話し手の運用能力 の中で最も顕在化する側面であり、それゆえに話者の運用能力の評価に直接関わると同時に、話者の パーソナリティに深く入り込み、核心に触れるほどの重要性を含んでいる。発音習得については、学 習者が native-like なレベルの発音に到達するかどうかという第2言語習得研究における重要なテー マがあるが、これは学習開始年齢や臨界期仮説と深く関わっており、この分野の研究の深化によって 成人学習者の制約について明らかになりつつある。発音習得のもつ特殊性は、学習者の自己アイデン ティティの確立という言語習得の根幹に関わる極めて重要な心理的問題と密接に関わっている。本稿 では、成人学習者の英語発音習得の成否に関係する要因は年齢や言語適性等様々あるが、臨界期仮説 という生物学的観点からのアプローチと言語自我などの心理的アプローチに焦点をあてて、これまで の研究を概観しながら、特に日本という言語環境での成人学習者に対する抑制要因や制約について再

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英語発音習得における成人学習者の抑制要因

Adult Learner Inhibition Factors in Learning English Pronunciation

今 仲  昌 宏 *

Masahiro IMANAKA

* Masahiro IMANAKA 国際言語文化学科(Department of International Studies in Language and Culture)

1.はじめに

 外国語教育の歴史において、発音指導は文法、語彙、語法などの研究に比べて長期にわたり軽視さ

れてきたことは否めない。ヨーロッパでの文献学、言語学の研究の歴史は、そのほとんどが文法や語

彙についてであった。外国語教育もこの流儀にならって、語学教師は発音よりも文法や語彙について

習熟しているといわれてきた。こうした理由から、国際的な観点から見ても発音指導の体系的な研究

が本格化したのは 20 世紀初頭からである。(Kelly 1969)しかしコミュニケーションの基本は、書記言

語にではなく、音声言語の習得にあるという言語の原点に立ち返ってみれば、遅まきながらこの偏重

を修正する必要がある。

 4技能の中で発音を含む speaking は、コミュニケーション相手と対面しての言語運用が原則であ

り、学習者にとっては他の技能に比べて特に心理的負担のより大きい技能である。発音は言語習得全

体からみれば、ごく一部を占めるに過ぎないようにみえるかもしれないが、発音は話し手の運用能力

の中で最も顕在化する側面であり、それゆえに話者の運用能力の評価に直接関わると同時に、話者の

パーソナリティに深く入り込み、核心に触れるほどの重要性を含んでいる。発音習得については、学

習者が native-like なレベルの発音に到達するかどうかという第2言語習得研究における重要なテー

マがあるが、これは学習開始年齢や臨界期仮説と深く関わっており、この分野の研究の深化によって

成人学習者の制約について明らかになりつつある。発音習得のもつ特殊性は、学習者の自己アイデン

ティティの確立という言語習得の根幹に関わる極めて重要な心理的問題と密接に関わっている。本稿

では、成人学習者の英語発音習得の成否に関係する要因は年齢や言語適性等様々あるが、臨界期仮説

という生物学的観点からのアプローチと言語自我などの心理的アプローチに焦点をあてて、これまで

の研究を概観しながら、特に日本という言語環境での成人学習者に対する抑制要因や制約について再

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考するとともに、心理的レディネス、適切な学習環境づくり、指導方法等の方向性について考察する。

2.臨界期仮説

 第2言語習得における音声体系の習得に関しては、学習開始年齢により大きく左右されること

がしばしば指摘されている。特に概ね臨界期(思春期)以前に一定の条件のもとで、学習が開始さ

れると、母語話者並みの言語習得が実現されるという。この仮説は Penfield & Roberts (1959) ;

Lenneberg (1967)らによる本格的な脳の研究成果に端を発する。大脳の左右の機能分化である一側

化(lateralization)がほぼ終了する時期と深い関係があるという主張である。いまだ解明されていない

点が数多くあるものの、脳の発達に伴って native-like な発音習得の有無を分ける境界が存在すると

して現在に至っている(Scovel 1969)。その後様々な調査が行なわれ、臨界期を過ぎても母語話者レ

ベルに達する例も散見されるという反証もなされてきた。成人学習者でも母語話者並みの発音を習得

できることは、後述するような条件が整いさえすれば、一部成立しうることが検証されている。

 脳科学の研究の進展によって、臨界期における脳の「可塑性」(plasticity)は脳の発達の自由度が、

環境に適応するように制限を受けると考えられ、脳の基本構造は基本的には遺伝子によって形成さ

れるが、環境からの刺激に対応して脳の回路が改良されてゆくという。すなわち脳の発達は遺伝子に

よる形成と環境による改良の 2 点が大切な要素となる(酒井 2002 : 299)。現在では、臨界期を過ぎ

るころから可塑性が下降線をたどるようになるものの、完全に失われるわけではないので「敏感期」

(sensitive period)と呼ぶ方がより適切だと考える方向にシフトしてきている。この考え方によると、

個人差等も考慮に入れれば、成人学習者であっても native-like な発音が身につくケースがあるとい

う事実を裏書することが可能である。

From Hyltenstam, K. and Abrahamsson, N. (2003)p. 572.

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英語発音習得における成人学習者の抑制要因

 前頁の図が示すように、臨界期の終了(縦の点線)を明確に線引きすることは難しく、実線が表す第

2言語の平均最終到達度(average ultimate attainment)がある時期(6 ~ 15 歳)を境に徐々に下降す

るようになると想定される。一方で◇◇で示されるように成人後も例外的に native-like な到達度に

達する学習者も、数は少ないものの現れることを示している。すなわち動機づけ、心理的側面、言語

適性、分析能力等に加えて恵まれた学習環境などを通じて、高いレベルに到達できる可能性があると

考えられる(Hyltenstam & Abrahamsson 2003 : 567-568)。

 SLA の研究者の多くが成人学習者による native-like な発音習得についての調査・研究に取り組ん

でいるのは、この時期こそが第2言語習得過程における脳の成長や機能の発達に深く関わっていると

推定され、学習者の生物学的観点からの習得段階を明らかにすることにつながるからである(注 1)。し

かしながら、学習者が置かれている言語環境で、新しい言語に接触する期間と度合い(時間数やその

内容)、母語話者との相互に交流する時間と度合い、学習レベル・内容、個人差等々、様々な要因を

考慮に入れれば、敏感期以前に学習を開始したからといって必ずしも native-like な発音への到達が

保証されるわけではない(Celce-Murcia et al. 2010)。英語圏で生活しながら現地の学校に数年間通う

などといった圧倒的な量のインプットが行なわれる環境にいなければ、母語話者なみの習得はほぼ困

難である。こうした条件のもととなる変数として ⑴年齢 ⑵環境 ⑶入力の 3 点が基準と考えられ

るが、これらの変数の影響の度合いが人によって様々であるために、画一的な判断は難しい(注 2)。

 敏感期のピークを過ぎた成人学習者であっても上記のような条件のもと、子どもの例に比して、学

習が成功する比率は明らかに下がるのは確かであるものの、条件さえ整えば母語話者なみの発音習得

が可能であることは確認されている(Scovel 1988)。現在敏感期のピークといわれている期間は少な

くとも 6 ~ 15 年という幅があると想定されているが、上述の変数が様々な形で絡み合ってくるため

に判断は非常に難しい。Flege(1995)は学習者の母語(L1)の使用頻度や程度、学習言語(L2)のイン

プット量および質に関する問題、自然な(authentic)学習言語のアウトプットの機会がどれくらいあ

るかなど考慮すべき要因を基準として挙げている。また Johnson & Newport (1989)が移民の子ども

の SLA の調査から主張するように、思春期までの期間内で⑴学習者年齢のより早い時期に第2言語

の学習を開始すること、 ⑵学習者が少しでも長い期間にわたり第2言語を学習すること、が母語話

者レベルの運用能力を身につける2大要因であるとともに⑴よりも⑵の要因の方が重要度の点で勝る

としている。

3.脳の発達と調音運動

 言語に関わる技能のうち、発音を除く新出語の学習、新規の語形変化の記憶、複雑な統語パターン

の習得などすべてが脳内で完結する学習である。成人学習者が native-like な発音を習得できるかど

うかについては、こうした他の分野の学習との比較において、発音のもつ特殊性として、脳の言語を

司る部位と運動機能を司る部位とが直接結びついて、神経と筋肉が関係するプログラミングにより調

音器官を動作させるという身体運動上の訓練を伴う独自の学習、すなわち運動学習(motor learning)

が含まれている点がある(Scovel 1988 : 62)。例えていえば、演奏速度やタッチなどを含むピアノの

運指に関係する演奏技術などと似た側面があり、一定年齢を過ぎてからではどんなに練習しても開始

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年齢の早い子どもが到達するレベルには到達できないという厳然たる事実がある。訓練の開始時期が

早い方が明らかに有利であることは、脳の運動、聴覚、視覚に関わる部位の発達について、鍵盤楽器

の音楽教育を 7 歳以前に開始し、プロになった演奏家とそうした教育を全く受けていない被験者との

MRI による脳の発達状況の比較において、医学的根拠があることがすでに確認されている(Schlaug

et al. 1995 ; Gaser et al. 2003 ; Bengtsson et al. 2005)(注 3)。

 発音部門の特徴の一つとして、調音器官の位置や動作の感覚的フィードバックという機能も学習者

にとって重要である。また発音だけが発話に際して、音素連続に従って調音器官の動きを同時調音的

に調整・配列し、発音のタイミングを制御するという作業が必要となる。外国語訛りが残らないレベ

ルの発音能力の習得、すなわち音素レベルだけでなく、異音レベルでの調整能力というのは、調音器

官の動きを制御するにあたり、音色の微細な違い等を表出できる調整力まで身につけられるかどうか

ということが焦点となる。つまり母語訛りのある発音は、母語の調音のプログラミングをある意味で

流用している可能性がある。訛りがないということは、母語とは別個にプログラミングができている

と推論できる。従って、調音運動能力という観点からも、到達度に大きく個人差が生じる可能性があ

り、しかも習得結果の振れ幅が大きいという見方ができる(注 4)。言語生成の基幹となる統語部門であっ

ても脳内で文を生成するという作業は身体的動作を伴わない作業であることから、学習にあたって発

音ほどは年齢的・肉体的制約を受けることは少ないと考えられる。

4.心理面での発音の特殊性

 言語学習の基本となる4技能という観点から発音を含む speaking を考えてみると、Guiora

(1972 : 144)が指摘するように、speaking は他の3技能(listening, reading, writing)と比較すると、

学習者にとっては心理的負担が学習上最も大きい技能である。listening と reading は受容的な技能

であり、学習者にとって取り組みやすい技能でいずれも心理的負担は少ない。一方 writing は生産的

技能であるため、上記の2技能よりも学習に向けてのハードルは高くなる。受容的技能ほど取り組み

やすい技能とはいえないが、作文という作業そのものは時間をかけて辞書などを調べながら進められ

る点で学習者にとっては心理的な余裕がある。また書き上げた文は日記のようなものでない限りはい

ずれ第三者の評価を受ける可能性が高いので、教師などの評価を受けるという心理的不安を除けば、

少なくとも作業中に他者の目などを意識する必要はない。

 speaking は writing 同様、生産的技能であるが、原理的には運用中必ず聞き手が存在し、4技能

中唯一、同席者の前での言語運用(performance)が求められる技能である。目前の相手とのコミュ

ニケーションでは、相手の言葉に対して即座に反応して答えなければならないという時間的制約もあ

る。他の技能と大きく異なる点は、話者の表情や speaking に伴った身振り手振りなども含め、学習

者自らが発する外国語音声という、何らかの形での聞き手の評価を受ける、話者と一体化した言語上

の実体がある点である。書記言語の文字による、ある意味での客観的な提示と異なって、発話そのも

のが話者個人の発する音声として具象的な形で聞き手に提示されるという特殊性がある。しかも学習

者にとって母語発音の場合ならば、不安感をもたずに音声提示できるのに対し、新しい言語の文法、

語彙などを用いて作成した心もとない外国語文を、不慣れな外国語発音を通じて表明しなければなら

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英語発音習得における成人学習者の抑制要因

ない作業である。学習者のつたない外国語文と音声を聞き手が低く評価するのではないかという学習

者の抑制的不安(debilitative anxiety)を引き起こすとともに、発話内容、音声の自然度(authenticity)、

学習者自身のアイデンティティなどについても聞き手の評価を受けることになる。speaking 以外の

技能は基本的に脳内で行なわれる作業であり、聞き手の存在を運用中に気にする心配は少ないため、

学習や実施にあたって精神的負担も軽減されるといってよい(注 5)。

 外国語を話す際、聞き手の注意は発話内容にも向けられることはもちろんである。しかし発音と他

の部門の到達度は後述するように、必ずしも連動・連携しているわけではないにもかかわらず、発音

は音声による内容理解の重要なカギとなるので、発音の巧拙に加えて発音上の誤りなどがしばしば話

し手の運用能力全体を評価する尺度となってしまうことがある。

5.社会文化的要因

 成人学習者による native-like な発音到達に関しては、個人差が大きく、成功例は少ないといわれ

る。目覚ましい成果を示す実例として、目標言語(target language)の社会文化に同化したいという

意欲が高い学習者ほど到達度が高いという報告がある。つまり新規に外国語を学ぶことは結果として、

学習者にある種の文化変容(acculturation)が生じることを意味するが、9で述べるように単なる道具

としての側面だけを云々することは判断が偏ることになる。外国語学習は必然的に学習者の文化変容

を促し、これを回避することは難しい。この時、学習者自身が母語の言語文化に関わるアイデンティ

ティを強く意識しているような場合は、自己の自我を守るために心理的な防御壁を作る、いわゆる抑

制(inhibition)が働くために、native-like な発音をすることに強い抵抗を感じ、その結果として習得

した英語の中に母語の訛りを大幅に残すことになると考えられる(注 6)。自分に自信のもてない人ほど

自我が脅かされると感じて、心理的な壁を作って結果的に様々な学習行動に規制をかけてしまう。こ

の意識の差は、パーソナリティなど学習者要因(learner factors)にも深く関係するものだが、学習者

の内的要因(動機付け等)や外的要因(学習環境等)からの影響をも考慮に入れる必要がある(注 7)。

 こうした傾向の典型的事例として、いわゆるジョゼフ・コンラッド現象(Joseph Conrad

phenomenon)がある(Scovel 1969 : 247; Celce-Murcia et al. 2010 : 16)。ジョゼフ・コンラッドはポー

ランド系イギリス人で 18 歳から英語の学習を始めたが、その後作家となり、数多くのすぐれた作品

が示しているように統語・語彙・形態に関する能力は、ほぼ完全に母語話者レベルに達したと考えら

れている。しかし発音に関しては強い外国語訛りが終生残っていたと伝えられる事実から、臨界期の

存在を示す逸話的事例としてよく取り上げられる。コンラッド本人は 1886 年に英国に帰化したもの

の、その後もずっと自らをポーランド人として考えていたようである。

6.言語自我と外国語発音

 言語自我(language ego)は Guiora(1972)が心理学的観点から導入した構成概念(construct)で、こ

れをもとに精神面での発達における自己中心性(egocentricity)の役割を説明している。学習者が年齢

とともに形成してゆくアイデンティティについて母語と第2言語とを関連させ、心理的な調査をもと

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に説明を試みたものである(注 8)。

 Brown(1980 : 54)によると、言語自我とは単一言語使用者(monolingual)にとって、母語と自我の

発達の相互作用により生ずるもので、子どもが幼い間は自我境界(ego boundary)が、比較的曖昧で

あるために、第2言語の受け入れについては柔軟であるが、年齢が増すにつれて母語の言語自我が確

立・固定化へと向かうために、自我境界が明確になってゆき、第2言語の受け入れが困難になってゆく。

自己アイデンティティ(self-identity)も、成人に達する頃には母語と分かちがたく結びついてしまう。

アイデンティティはコミュニケーションの過程で相手とのやりとりを行なうことにより徐々に形成さ

れ、確立へと向かう。

 思春期を通じて子どもの自我は絶えず変化し、成長する。初期の段階ではまだ流動的で順応性が高

い状態にあるために、新しい言語を学習するにあたり、自我に対して実質的な脅威や抑制が働くこと

は少なく、目標言語や当該の言語グループに対して何らかの社会的な阻害要因等がない限りは、学習

への適応は比較的容易に行なわれる。母語の習得の進展に伴い、学習者は年齢とともに自己を徐々に

意識するようになり、思春期の学習者の肉体的、情緒的、認知的な変化により、言語自我が保護的、

防御的に作用するような防御機構が生じてくる。言語自我は青年の壊れやすい自我を防御するために

母語という安定した、いわば母体に執着する形をとることになる。自己アイデンティティの一部となっ

た言語自我が脅かされる状況に陥ると、外国語を理解したり話したりするという試行錯誤の中で、あ

る意味で自分自身を突き放して笑うというような文脈が生じることがある。特に 9 歳から 12 歳の前

青年期において、子どもは自分自身を分離した、同一とみなし得る統一体であるという強い意識を育

んでゆくが、この段階で自我を守るために心理的な防御として抑制が働くようになる。この抑制が第

1言語(母語)と固く結びつき、外国人学習者である自分自身が目標言語の母語話者のような外国語発

音をすることに対し、強い抵抗や拒絶反応を感ずるようになる。

 子どもの段階では、この自我が強く表れないので、目標言語(グループ)への感情移入(empathy)が

強く働き、母語話者に近い発音を学習し、習得することにさほど抵抗を感じることはないが、言語

自我が確立してゆくにつれて人により抵抗を強く感じるようになるという。第2言語の学習開始年

齢が高くなるにつれて他の学習内容とは異なって、特に発音については、ある種の強い阻害要因と

なる可能性が高くなると考えられる。これは学習者個人の性格にも深く関わる問題であり、第2言

語を学習する過程で学習者はいわゆる違和感を感じたり、アイデンティティの衝突が生じたりする

ことがある。一方、異なる言語や文化に対して共感的な立場をとることができる成人学習者は、こ

の言語自我を一旦留保することができ、新しい言語や文化をありのままに受け入れることができる。

言い換えると、順応性のある言語自我が抑制を低く保つことができる。このような人は自我透過性

(ego permeability)があるという。

 また、自我の形成や年齢の上昇とともに学習過程で誤りを犯すことに対する抵抗も徐々に強くなっ

てゆくことなどもあり、抑制が強く働くようになると学習が効率的に行なわれにくくなる。こうした

点を総合すると、年齢とともに抑制が多くの成人学習者に働く可能性が高くなる。

 新しく言語を学習するということは、母語の言語自我とは別に新たな言語自我を形成するというこ

とになり、人によっては大きな精神的負担となる場合がある。特に成人学習者の場合、母語の自己ア

イデンティティ内では心理的に安定していられるが、この枠から出て新たなアイデンティティに跳び

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英語発音習得における成人学習者の抑制要因

込むこと(新規の言語学習)は必ずしも容易なことではない。逆にいえば、成人学習者で外国語学習が

成功するのは、この情意から生じてくる問題をうまく克服できた例とみることが可能である。

 第2言語習得は、5でも述べたように個人が新しいアイデンティティをもつようになることを意味

する。習得過程における発音はある意味でアイデンティティの中核をなすために大きな関門となる。

7.仲間集団圧力

 学校などの学習環境では、社会的・心理的圧力として仲間集団圧力(peer pressure)がしばしば集

団内で働くことがある。特に思春期前後の時期は、Stevick(1976 : 52)が実例(注 9)をあげて指摘して

いるように、仲間と同じような考え方や言動をしないと周りからしばしば圧力がかかる。これは内集

団(in-groups)の概念として知られているように、個人が所属して連帯感や共同体意識を共有してい

る集団内ではこうした圧力が働きやすい。第2言語の学習については、目標言語の native-like な発

音をすることはとりもなおさず外集団(out-groups)に対して統合的(integrative)な態度をとることで

ある。これは内集団の構成メンバーからみると、ある種の脅威と受け取られることになり、内集団か

らは離れた存在としてみられるためである。

 日本の学校のように均質性や同質性の高い環境では、ある生徒の英語らしい発音が教師や一部の友

人から肯定的な評価を受けることもあるが、一方では自分たちとは異なる発音をすることが原因で、

周囲が仲間はずれにしたり、いじめたりする村八分の心理が残っている。特に日本のように歴史的に

多様な価値観を認めない単一言語的傾向の強い社会、EFL 環境においては、特にこうした圧力がか

かりやすいといってよい。クラス内で外国語(英語)の成績が単によいという場合と母語話者らしい運

用能力を有しているという場合では、周囲の受け取り方がかなり異なると考えてよいだろう。帰国生

がクラス内で native-like な発音で流暢に話したりすると、いじめや排斥に遭ったという報告や帰国

生の適応については、米国ではほとんど問題になることはなく、日本で問題になるのは日本の環境が

そうさせるのではないかという指摘もある(古田 1996 : 222)。

 成人学習者については、仲間となる周囲の構成員の年齢の上昇とともにこうした圧力は徐々に減少

してゆくと考えられ、また学校という同一年齢の構成員からなる環境で学習が行なわれる可能性が低

いこともあって、抑制要因として働く可能性はそれほど高くないといえるだろう。

8.誤りと自我

 そもそも外国語学習というものは、6で述べたようにその過程で様々な誤りを犯すことがいわば前

提であり、誤りを犯さずに習得することは不可能である。speaking については、口頭表現による試

行錯誤を繰り返しながら修正を加えてゆくことで上達してゆく。自分で考えた文を発話し、聞き手か

らの反応や訂正などから学んでゆかない限り、生産的にコミュニケーションを行なえるようにはなら

ない。しかしこの過程で、場合によっては学習者にとって誤りが自我への脅威となることがある(注 10)。

学習者自身の中で、自己の犯した間違いに対して批判的な自分と人前で演じる自分とが衝突すること

になる。Stevick(1976 : 113)はこれを疎外(alienation)と呼び、他にも母語の文化と目標言語の文化、

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学習者と教師、学習者とクラスメートとの疎外(Brown 1980 : 106-7)が想定される。こうした疎外は

やはり自己の周囲に張り巡らす防御柵から生じるものであり、学習を大きく抑制する原因となる。こ

れを除去することがよりよい学習環境の醸成につながることになる。

9.文化と社会的・心理的距離

 外国語学習に必ずついて回る、学習の際に学習者が感じる「違和感」には様々な側面がある。前述

したように文化変容モデルは Schumann(1978, 1986)が導入したもので、学習者が新しい文化に順応

する際に生じる社会的、心理的距離の問題である。第2言語習得は文化変容の一側面にすぎず、学習

者が目標言語の文化に変容する度合いによって第2言語の習得レベルが左右される、というものであ

る。学習者が目標言語を話すグループに対して、共感を感じてそのグループと統合しようとする姿勢

をもち、その程度が文化変容の度合いとして判断されることになる(注 11)。また、学習者にとって母

語と目標言語との社会的な距離が目標言語習得の上達の度合いに影響を及ぼすとしている。すなわち

日英語文化のように社会的・文化的距離が大きいほど、異文化環境に入ったときに受ける衝撃、いわ

ゆる文化衝突(culture shock)も大きいといえる。

 発音、文法や発想、表現方法等の言語学的距離(linguistic distance)はひとまず置いて、文化変容

は⑴文化、習慣などの社会的距離(social distance)(学習者が目標言語のグループの構成メンバーに

なりたいという意識があるかどうか)⑵心理的距離(psychological distance)(学習者が学習タスク

に心地よさを感じるかどうか)といった言語を取り巻く要因で表すことができる。(Barkhuizen 2004

: 561-2)こうした観点から考えると当然のことではあるが、目標言語・文化に対して学習者がどのよ

うな姿勢で向き合うかによって、生じる文化変容がひとりひとり異なることになる(注 12)。

10.おわりに

 発音は言語学習全体のごく一部と捉えられがちであるが、実は他の言語的側面よりも成人学習者の

パーソナリティの中心的位置に深く関わっている。学習者の発する音声は実体として捉えられる言語

の一面であり、発話は言語という枠を超えた拠り所としての自我に依拠している。

 言語自我を始めとして、成人英語学習者には様々な抑制が働き、それが原因で学習が効率的に行な

われなくなることがある。とりわけ native-like な発音の習得は子どもの時期と比べて成人になって

からは難しくなってゆく。本稿で示したように、敏感期はどれだけ続くのかなどの点は、未だ十分に

解明されていない面があり、さておくとしても native-like な発音の習得についての研究から心理的

な抑制要因の存在が見えてきたことによって、成人学習者の第2言語習得上の心理面に配慮すること

で学習効率を高めることができるように思われる。

 欧州や英語圏などのように、多言語・多文化が混在する国や地域の言語環境で行なわれている第2

言語習得については、多様な問題が広く研究されてきている。日本も現在急速に国際化が進みつつあ

るといわれるものの、まだまだ均一価値的な同質社会の傾向が根強く、それゆえに外国語習得に関し

ては、改善すべき特有の問題がある。日本の言語環境を正確に把握しながら、現在の外国語教育がよ

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英語発音習得における成人学習者の抑制要因

り効果的になされるよう見直す必要がある。指導する側は異文化コミュニケーション訓練などを通じ

て、心理的レディネスを醸成しながら成人学習者の抑制要因を極力低くするような学習環境に向けて

腐心することが求められよう。

1) SLA の 最 近 の 研 究(Hyltenstam & Abrahamsson 2003 : 561-562) に よ れ ば、 脳 内 で の 髄 鞘 形 成(myelination)が学習の源であり、胎児の段階から髄鞘形成はすでに始まっているが、年齢が増すにつれて形成の範囲が拡大し、ピークを迎え、成人後も未形成の範囲が残されていることなどが判明している。

2) 第2言語習得では、子どもと成人という二つの年齢グループの比較がしばしば行なわれるが、社会的な観点から考えても、子どもの方がインプット量が豊富な環境におかれる確率が高いのは明らかであり、もともと別個に扱うべきものを同一基準で比較しているのではないか、言い換えると本来同一条件下で比較することが困難な二つのグループをやや強引に比較している研究が多いのではないかという批判も一部ではある。子どもと成人の学習形態や学習過程を比較するという調査が数多く行なわれているが、実際には両者の学習環境は大きく異なることが多く、同じ条件での比較は事実上困難であり、公平な形での比較は不可能に近いといってもよい(Ausubel 1964 : 420)。

3) ピアノの演奏技術の習得と言語習得が異なる点は、言語のように習得までに長い期間を要する複雑な言語体系の学習に比較して、ピアノの場合、幼い子どもでも取りかかることが容易な音程、リズム、音色という、より直観的な能力や感覚に属する訓練が中心であるために、学習開始年齢をかなり前倒しできる上、技能面でも一定レベルへの到達がより速いのではないかと推論できる。また、読譜も文字が読めない段階の幼児に対してもかなり早い段階から指導が可能である。

4) Watanabe et al. (2006)では、三つのグループの被験者(① 7 歳前に楽器演奏の訓練を開始、② 7 歳以降、③全く音楽教育を受けていない)に対して、PC 画面上に新奇なリズムを視覚刺激として提示し、その提示に合わせてマウスのキーを押させるという作業を行なわせた。そのずれを記録するとともに、5 日間連続で同様の作業をさせて進歩の状況を記録し、全体を比較するという調査を行なった。結果は全体的に①は②をわずかに上回り、②と③の比較では後者を大きく引き離すというものであった。学習開始年齢が 7 歳以降であっても、②は③と比べれば①に近い結果が出ている。結論としては、7 歳以前に訓練を開始したグループが、最も優れた結果を出していることから、脳からの指令→身体動作の精度が他のグループよりも高く、5 日にわたる学習上の進歩という点でも同様であった。敏感期の訓練は長期にわたる効果があり、成長期の神経組織の構造的変化をもたらすといえる。早期の学習開始が、脳中での運動制御に関わる部位の成長を大きく促すことにつながっている。

5) writing は「書く」という手指を使う具体的動作を伴うものではある。ただし調音動作と比べると、はるかに初歩的、基本的な動作プログラムである。

6) インドやフィリピンなどのような、過去に英語国の植民地であった国や地域の人々は、英語母語話者と区別がつかないほどの達意の英語を書く人でも発音は極端なほど母語の訛りをもつ人が多いという事例がこの点をうまく説明している。かつて植民地であったがゆえに、自己のアイデンティティに深く関わる発 音だけは意図的に native-like な発音は回避し、英語母語話者と同化はしないのである(今仲 2000 : 41)。

   また、メキシコのスペイン語を話す地域のある村で、アステカ族の女性が酒に酔った時のみ流暢で正確なスペイン語を話す事例があるという。これはしらふの時は「何も知らない愚かな(ふりをする)先住民(dumb Indian)」の社会的役割を演じているのだと考えられている。こうした行動をとる理由は、スペインの支配的文化に対する怨嗟や拒絶を表明する一形態と考えられている(Stevick 1976 : 61)。

7) 動機づけの代表的な事例(Gardner & Lambert 1972)として、道具的動機づけ(instrumental motivation)と統合的動機づけ(integrative motivation)があり、第2言語習得や外国語教育ではしばしば言及される。

   前者のように社会的成功を収めたいといったような、主として功利的理由から英語を身につけたいと考えている学習者と比較して、後者のように英語の道具的側面ばかりでなく、英語文化や母語話者の行動様式などといった広範囲にわたって目標言語への統合志向がある場合の方が発音に関しても意欲的に取り組む傾向があると考えられる。Gardner & Lambert(1972 : 12)が “a willingness or desire to be like

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representative members of the ‘other’ community, and to become associated, at least vicariously, with that other community” と述べているように、心理的に目標言語の母語話者が属するコミュニティに関わりたいという希望や彼らのアイデンティティに近づきたいという欲求や共感意識がより強い傾向があると考えられるためである。また、成人学習者にとっての現実的な問題としては、多くの時間を傾注して発音練習等をこなして native-like なレベルに達しようという努力へと向かわせる熱心さにも結びついているともいえる。

8) 実験群に対し、微量のアルコールを投与することにより、抑制が強く働かないような心理的状況を作った上で、アルコールを投与しなかった統制群との比較で外国語(タイ語)を発音させ、複数の母語話者が投与前と投与後に両グループでどのように改善が見られたかどうかを評価した。結論は明確に実験群が有意に好結果を出した。

9) 自分の娘が中学生の時、フランス語の授業で「自分は教材テープに録音されたモデルに近い発音をしようと思えばできるのだが、クラスメートが(自分がフランス人のような発音をすることを)受け入れてくれないのでフランス人らしい発音をするのは嫌なのだ」と父親に告白している。この証言から明らかなように、仲間集団圧力に抗して native-like な発音をすることは仲間内で大いに目立つことになり、それが原因で仲間はずれにされたくないという心理がこの時期の若者には強く働くのである。また成人であっても、状況によっては周囲の仲間から同様の印象をもたれることを心配して意図的に母語訛りの発音をしてしまうこともあるだろう。

10) 学習者個人の性格を表す習性として、しばしば言及されるのが内向性(introversion)と外向性 (extroversion)である。前者は静かな内省を中心とした学習から得るものが多いと考えられ、後者は人前での言語運用(public performance)を即座に行なうよう指導するなどの方策が効果的であるといわれる

(Spolsky 1989 : 112)。発音の習得という観点からすると、一般論として後者が誤りに対する耐性があるために、早期に技能を伸ばしやすい傾向があると推論できる。

11) 文化変容は学習者が目標言語グループに同化し、心理的にもその言語を受け入れ、さらにそのグル―プの生活様式・習慣や価値観を新たに自己の内部に取り入れることを指す(石井他 2001 : 120-121)。

12) 文化衝突は、異文化適応のプロセスにおける自然な症状であり、学習者であれば誰にでも生じるものである。またこれは個人内コミュニケーションといってもよいもので、自己との対話を通じることによって異文化へのより深い理解へと到達することができる。

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石井敏、久米昭元、遠山淳編著 (2001)『異文化コミュニケーションの理論』 有斐閣伊藤正男、井村裕夫、高久史麿監修 (2012)『医学用語辞典』 医学書院今仲昌宏(2000)「日本人学習者の英語発音モデル」『東京成徳大学研究紀要』第7号 三友社 pp. 39-46.酒井邦嘉 (2002)『言語の脳科学』 中央公論白畑知彦、富田祐一、村野井仁、若林茂則 (2011)『英語教育用語辞典』改訂版 大修館書店

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古田暁監修 (1996)『異文化コミュニケーション』改訂版 有斐閣JACET SLA 研究会編 (2013)『第二言語習得と英語科教育法』開拓社三浦省五編 (1983)『英語の学習意欲』大修館書店山岡俊比古 (1997)『第2言語習得研究』改訂版 桐原書店