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機械設計工学 (第5回) 機械工学科 塩幡 宏規

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機械設計工学(第5回)

機械工学科

塩幡 宏規

ねじの強度

引張荷重を受けるねじ

引張応力はねじ部の最も径の小さい谷部を考慮

軸荷重と引張応力との間には外径のべき乗と比例定数が存在

メートルねじの場合

メートル並目ねじ tdW σ086.243.0=

tdpdW σπ 2

2 227.114

−=

tt ddddW σπσπ 2

3223 44

==

ねじの強度

引張荷重とねじりを受けるねじ

引張応力とねじり応力が発生

相当引張り応力 ,相当ねじり応力は22 42 τστσ +==

tee

tdpdW σπ

22 227.114

−=

荷重と引張り応力との関係(メートルねじ)

ねじの強度

)()16/( 3

3τσπ

τ fd

T ==

荷重とせん断応力との関係

t~ σ

τστσ

)1tee

32.65.1(

42 22

=

+==

メートル並目ねじ(1<d<68mm)の

相当引張り応力

ねじの強度

ねじの谷部の切欠き効果を考慮

( ) ( )t~ σ

τασασ κκ

)te

4.51.6(4 2

22

1

=

+=

ακ1:V形環状みぞ付丸軸の引張りにおける形状係数

ακ2:V形環状みぞ付丸軸のねじりにおける形状係数

ねじの強度

ボルトの材料,外径

荷重

引張り強さ

ボルトの材料,荷重

引張り応力

ボルトの外径

ねじの強度

せん断荷重を受けるねじ

できるだけねじ山のない円筒部で受けるよう設計

円筒部 ss dW τπ 2

4=

ss dW τπ 234

=ねじ山

Ws:せん断荷重、d:ねじの円筒部の直径d3:ねじの谷底径

ねじの強度

締付け後に外力が働くねじ

衝撃荷重を受けるねじ

ねじの切り始め箇所で破壊を起こしやすい

比較的強い材質を選ぶ

ねじの変形を一様に生じさせる

キー

軸から回転体へ、または回転体から軸へと動力を伝達

役割

軸と回転体のボスの間に介在して、その摩擦力またはキーそのものの機械強度によってトルクを伝達

平行キー,勾配キーの一例

ボス

キー

キー溝の形状

キーの種類

くらキー

軸の伝達しうるトルクの約1/4を伝達軸方向に多少の勾配あり

平キー

くらキーの約2倍のトルク

軸の一部を平らに仕上げる

沈みキー

平行キーと勾配キーがある

トルクの伝達力が大きい

キーの種類

接線キー

衝撃的なトルクを受ける場合

半月キー(大トルク伝達に不向き)

自動車,電動機,工作機械等高速回転機械

軸端がテーパ,キーみぞの加工が容易ボス押込みが容易

すべりキー

軸とボスが軸方向に動く キーには勾配がない

キーの設計

-破壊形態-

せん断破壊

圧縮破壊

せん断破壊に対して

sbd

TP τ== 2接線力 

dd

dT τπ16

3

=軸の伝達トルク  

2

8db

s

d・・ττπ=

T:軸に加わるトルク、b:キー幅、τs:せん断応力、l:長さ

圧縮破壊に対して

C接線力  σ2

2 hdTP ==

•σcが許容応力以下になるようにキーの寸法を設計すればよい。

•キーの幅と高さは軸径範囲によってJISなどで規定されている(たとえば表2.4)