機械設計工学 - Ibarakishiohata/lab/gakubukougi2009/...6.4 Vベルト...
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機械設計工学(第15回)
機械工学科
塩幡 宏規
5.8 歯車列
中間歯車の歯数には無関係BA
AB
ZZ
nni ==
中間歯車を遊び歯車 原軸:A,従軸:B
(a)速度比:
遊び歯車の個数が奇数:回転方向同じ
偶数:回転方向逆
(b) 3段の減速機構
減速比1
1
1 Zzi =
2
2
2 Zzi =
3
3
3 Zzi =
ABnin
1=
BCnin
2=
CDnin
3=
全体の減速比:
321
321
321 iiiZZZzzz
nni
A
D ===
原軸側の歯数の相乗積と,従軸側の相乗積の比
第6章 巻掛け伝動装置
ベルトとベルト車(プーリ)との摩擦、あるいはかみあいによって動力を伝達する。
6.1 ベルト伝動
ベルトとプーリとの間に多少のすべりが存在するため歯車ほどの正確な速度比はえられない。
過大な負荷が加えられた時、ベルトとベルト車はすべり空転するため、機械系にとり一種の安全装置の役割を果たす。
コッグベルト(タイミングベルト、歯付きベルト)は伝動がかみあい接触となるため、すべりはない。
1.伝動の種類
平ベルト:2軸が相当離れている場合に、使用される。平行掛けと十字掛けとがある。
Vベルト:大形で、効率があまり良くない。平ベルトに比べて見掛けの摩擦力が大きくなるので、伝動力は大きい。摩擦力;S
φµ+φµµ= cossin::
vfSS
コッグベルト(タイミングベルト):平ベルトに歯を設け、これを同一ピッチのベルト車に巻掛けて動力を伝達。
ベルト材質:ゴムやポリウレタンの高分子材料。ベルト車:軟鋼またはプラスチック。
・短い軸間距離で狭い場所での利用が可能。・耐熱性のベルトを用いれば、自動車に利用が可能・給油の必要がないため、食品製造機械や繊維機械、
事務機械に利用。
2.ベルトの回転数
原車の直径,回転数:D1(mm),n1(rpm)
従車の直径,、転数:D2(mm),n2(rpm)
ベルトの厚さ:t、原軸と従軸の速度比:i
)()(
1
2
2
1
tDtD
nni
++==
3.平ベルトの長さ
(a) 平行掛け
2
21
2
211
2121
)(2
sin)(2)(
RRll
RRRRRRLo
−−+
−−++π= −
6.2 ベルトの長さ
(b)十字掛け
lRRRRlL
c
2
21
21
)()(2 +++π+=
(a) 平行掛け
軸間距離小、ベルト車の径の差大→θo2小
→小径のベルト車はすべりを起こしやすくなる
4.平ベルトの巻掛け角
lRR
lRR
O
O
2112
2111
sin2
sin2
−−=
−+=
−
−
πθ
πθ
(b) 十字掛け
軸間距離短→巻掛け角は原車,従車とも増加→,ベルトは交差する部分で180度ねじれる→ベルト自身の強度を損なうおそれが生じる.
軸間距離長→巻掛け角度が減少する傾向にある.
lRR
lRR
C
C
2112
2111
sin2
sin2
++=
++=
−
−
πθ
πθ
(a) 平行掛け
5.平ベルトの強度
E:縦弾性係数,b:幅,T1:張り側の張力
tREt
btT
tREt
btT
t
+−=+
+=
2
21
c
1
σ
σ
縮応力:ベルトの内側に働く圧
力:ベルトの外側に働く応
ベルト張り側の張力にベルトの曲がりによる引張り応力が加算
6.3 ベルトの強度
(b) 十字掛け
ベルトは引張りと圧縮の変動応力を受ける.この現象は,ベルト車の径が小さく,かつベルトの厚さが厚いほど大きくなる傾向にある.厚いベルトを小さいベルト車に用いることは避ける.
6.平ベルトの伝達動力
Te:ベルトの有効張力 [N],v:ベルトの速度
[m/s]
][1000 kWvTH e=
6.4 Vベルト
・ベルト断面が台形・ベルトの斜面とみぞとの間の摩擦伝動・平ベルトより大きな動力伝達可
・急激な負荷に対して衝撃吸収可(弾性材料使用)・ベルト車との間ですべりが発生(張り側が長くゆるみ側で短いため)・平行がけのみ
ゴムなどで一体成形継ぎ目なし
(1)伝達動力
・みぞ車とのくさび作用による摩擦力増大
・ベルト形状の傾きΦにより見かけの摩擦係数は平ベルトより大
(2)規格・断面形状によって6種(表6.3)・断面形状,有効長による規格(表6.4)
φµ+φµµ= cossin::
vfSS