静岡県茶業の現状 - Shizuoka Prefecture...静岡県茶業の現状 〈お茶白書〉...

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静岡県茶業の現状 〈お茶白書〉 平成27年3月 静岡県経済産業部農林業局茶業農産課

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静岡県茶業の現状 〈お茶白書〉

平成27年3月

静岡県経済産業部農林業局茶業農産課

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第1 静岡県茶業振興基本計画の要旨

第3 統計資料

静岡県茶業の現状(お茶白書) ─目 次─

ページ

静岡県茶業振興基本計画(平成 26年度~29 年度)の要旨‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1

1 「静岡茶」の新たな需要創出と消費拡大 ・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2

(1)新たな需要を喚起する「静岡茶」の開発

ア 静岡型発酵茶の生産技術の普及と販売戦略の展開‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3

イ 白葉茶の生産技術の普及と販売展開‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5

ウ 上品な甘い香りの蒸製緑茶の開発技術移転・生産販売展開‥‥‥‥‥‥‥‥‥6

エ 加工用原料等として供給する生産技術の開発と普及‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7

(2)多彩な魅力を持つ「静岡茶」の生産と販売戦略

ア 県内茶産地の活性化と「静岡茶」ブランドの全国へのPR‥‥‥‥‥‥‥‥‥9

イ 中山間地域を主体とした特徴あるブランドによる茶業振興‥‥‥‥‥‥‥‥‥11

ウ 「こだわり」と「低コスト」に二極化する市場に対する展開‥‥‥‥‥‥‥‥13

(3)生産と商工が連携した「静岡茶」の販売と流通の体制強化

ア 多様化する消費者の嗜好・消費行動にあわせた販売‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥14

イ 集散地機能の強化と「茶の都しずおか」を支える茶産業の支援‥‥‥‥‥‥‥15

ウ 国内外の流通に対応した安全対策の強化‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥16

2 未来を担う茶業経営体の育成 ・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥21

(1)地域の核となるビジネス茶業経営体の育成

ア 地域の核となる茶工場、茶園管理組織の育成と農業生産法人化‥‥‥‥‥‥‥22

イ 担い手の確保と複合経営を導入した安定経営‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥24

ウ 茶商工業者と茶工場とが連携した生産体制の強化‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥25

(2)生産効率・収益性の高い生産基盤づくり

ア 担い手への茶園集積と管理しやすい土地基盤整備の推進‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥26

イ 茶園管理の効率化の推進‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥27

ウ 低コスト製造による緑茶製造の省力化‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥28

(3)産地を維持する持続的な茶業の推進

ア 戦略的品種の導入による産地育成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥29

イ 点滴施肥など、環境保全型茶業による環境にやさしい茶業の推進‥‥‥‥‥‥30

ウ 一番茶生産の確保に向けた栽培管理体系の普及推進‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥31

3 魅力あふれる茶文化の創造と世界への発信 ・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥32

(1)新しい茶文化の提案と発信

ア 慣習にとらわれない新たな茶文化の創造‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥33

イ お茶のグリーンツーリズムの拡大と活用‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥35

(2)世界に向けた「茶の都しずおか」の魅力発信

ア 「茶の都しずおか」の資源の活用‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥37

イ 茶学術研究の振興と研究連携強化‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥38

ウ 海外との連携、輸出の拡大‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥39

1 生産統計

(1)産出額

府県別の茶産出額‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥40

県内作物別の産出額‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥40

市町別茶産出額‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥41

(2)茶業経営体の状況

第2 静岡県茶業振興基本計画の達成状況

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茶認定農業者数‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥42

茶ビジネス経営体及び認定農業者数‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥42

茶園管理を行う組織経営体(法人)と茶園面積‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥42

農業経営者年齢別の茶栽培経営体数(販売目的)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥43

県別茶栽培農家数‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥43

規模別茶販売農家数‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥43

経営規模別茶販売農家数‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥44

茶の新規就農者数‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥44

茶のエコファーマー数‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥44

茶の有機農業農家数及び面積‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥44

(3)茶園面積

府県別茶園面積‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥45

県内田畑別耕地面積‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥45

市町別茶園面積‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥46

茶期別摘採面積(静岡・鹿児島)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥47

茶園の貸借の状況(貸借面積)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥47

茶園新植・廃園の状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥48

樹齢別茶園面積‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥48

(4)茶の品種

県奨励品種及び県戦略品種‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥49

市町別戦略品種‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥49

主産県の優良品種(農林水産省登録品種及び都道府県育成品種)普及率‥‥‥‥‥49

県内品種別茶園面積‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥50

県内品種化率の推移‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥50

(5)荒茶生産量

府県別荒茶生産量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥51

市町別荒茶生産量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥52

茶期別荒茶生産量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥53

茶種別荒茶生産量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥53

(6)生葉収量

10a当たり生葉収量(茶期別)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥54

茶期別生葉収穫量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥54

(7)茶の生産性

10a当たり生葉生産費‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥55

生葉生産農家の生産性‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥56

荒茶加工の収支‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥56

茶の 10a当り経営収支‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥57

農業経営の概況(茶1戸当り 平成 19 年) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥57

(8)茶園・荒茶工場・機械の整備状況

茶園整備の実施状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥58

形態別荒茶工場数‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥58

県別の乗用型茶園管理機械の普及状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥59

県内の茶園管理機械の導入推移‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥59

市町別の茶園管理機械の普及状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥60

(9)農業気象災害

近年の気象災害発生状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥61

年度別の防霜施設設置状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥61

(10)中山間地域茶業

中山間地域の茶農家数と茶栽培面積(販売農家) ・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥62

茶園面積と荒茶工場数及び共同茶工場の生葉還元額 ・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥62

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茶園の傾斜率の状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥62

茶園 10a当たり労働時間及び生産費比較 ・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥62

共同茶工場の組合員の平均年齢、専兼割合‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥63

販売農家のうち耕作放棄地のある農家数と耕作放棄地面積(全作目)‥‥‥‥‥‥64

(11)茶業の比較

静岡県と鹿児島県の茶業の比較‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥65

2 流通統計

(1)生葉価格

茶期別生葉価格‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥65

茶期別生葉価格の推移(1kg当たり)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥65

(2)荒茶価格

茶期別荒茶価格‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥66

茶種別荒茶価格‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥66

茶期別荒茶価格の推移(1kg当たり)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥67

荒茶生産額に対する茶期別生産額比率‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥67

せん茶の府県別、茶期別生産者価格‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥67

(3)農協共販

農協共販茶の取扱割合‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥68

農協共販茶の取扱実績(数量・金額)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥68

(4)静岡茶市場

取扱数量及び取扱金額‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥69

茶期別平均単価‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥69

茶期別取扱数量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥70

茶期別取扱金額‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥70

茶期別取扱状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥71

価格帯別茶取扱数量(県内一番茶)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥71

県外茶取扱状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥72

(5)仕上茶

府県別の仕上茶(緑茶)の出荷額‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥73

府県別の仕上茶(緑茶)出荷額のシェアの推移‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥73

(6)荒茶の流通経路

荒茶の流通実態‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥74

3 消費統計

(1)家計調査

1世帯当たりの飲料品目別支出金額(全国、年間)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥75

緑茶(リーフ茶)の1世帯・1人当たり購入量・金額‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥75

1世帯当たりの地域別・都市別飲料品目別支出金額‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥76

緑茶(リーフ茶)の1世帯当たり購入量・金額(世帯主の年齢階級別) ‥‥‥‥‥77

茶類の1世帯当たり年間品目別支出金額‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥77

1世帯1ヶ月当たり緑茶(リーフ茶)消費量(月別)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥77

緑茶(リーフ茶)の1世帯当たり年間支出金額及び購入量ランキング‥‥‥‥‥‥77

緑茶(リーフ茶)の購入先別購入金額(1世帯1ヶ月当たり)‥‥‥‥‥‥‥‥‥78

緑茶(リーフ茶)購入額の購入先別割合(平成 21年)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥78

茶卸売業者数茶小売業者数の推移(全国)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥78

(2)生産面からの緑茶消費の推計

生産面から推定した緑茶消費の動向‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥79

(3)日本茶インストラクターおよび日本茶アドバイザー認定者

都道府県別日本茶インストラクターおよび日本茶アドバイザー認定者 ・‥‥‥‥‥80

国別日本茶インストラクターおよび日本茶アドバイザー認定者‥‥‥‥‥‥‥‥‥81

(4)茶の多用途利用

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第4 その他の参考資料

茶の多用途利用の状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥82

近年の茶業研究センターの開発成果‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥83

茶における農商工連携‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥84

茶系飲料及びミネラルウォーターの生産量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥85

清涼飲料の品目別生産額‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥85

清涼飲料の品目別生産量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥85

4 貿易統計

(1)輸出

緑茶の輸出先別輸出状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥86

茶種別輸出状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥87

緑茶の輸出状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥87

(2)輸入

緑茶の輸入先別輸入状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥88

茶種別輸入状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥89

(3)輸出入

国別緑茶輸出入状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥90

近年の緑茶の主な輸出入状況(数量)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥90

(4)輸入関税率

茶の輸入関税率の推移‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥91

5 累年統計

全国と静岡県の茶園面積・荒茶生産量・輸出入量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥93

6 世界のお茶事情

(1)世界の茶生産

世界の茶生産の推移‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥97

主要国の茶栽培面積‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥97

主要国の茶生産量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥97

各国の緑茶生産量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥98

主要国の茶輸出量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥98

各国の緑茶輸出量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥98

各国の茶の消費量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥99

1 茶の新技術‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 100

2 茶の歴史年表‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 102

3 平成 26 年お茶の 10大ニュース‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 116

4 東日本大震災に関する放射能問題への対応‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 117

5 関係法令等

(1)静岡県製茶指導取締条例・施行規則‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 119

(2)静岡県茶業会議所の活動促進に関する条例‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 123

(3)お茶の振興に関する法律‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 124

6 関係団体

(1)組織体制

全国茶業関係団体組織図‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 126

県内茶業関係団体組織図‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 127

(2)茶業関係団体の概要‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 128

(3)茶業関係市町・茶業団体連絡先

茶業関係市町‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 133

茶業関係団体‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 134

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- 1 -

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ド化

県産

の発

酵茶

500t

香り

高き

蒸製

の緑

茶の

普及

50t

生産

工程

管理

のレ

ベル

アッ

プJG

AP

同等

認証

30

茶工

緑茶

輸出

金額

(静

岡シ

ェア

60%

)50

億円

(全

国85

億円

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産・製

造>

茶産

出額

435億

ビジ

ネス

経営

体の

育成

200経

営体

ビジ

ネス

経営

体販

売シ

ェア

50%

茶園

の共

同管

理を

行う

経営

体数

50経

営体

茶園

の機

械化

面積

10,0

00ha

茶改

植面

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0ha

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5ha/

年)

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化・学

術>

緑茶

文化

の創

造発

信と

伝承

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化施

設等

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験者

数10

0,00

0人

茶の

都拠

点整

備計

画の

策定

第6回

世界

お茶

まつ

りの

開催

2未

来を

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茶業

経営

体の

育成

1「静

岡茶

」の新

たな

需要

創出

と消

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3魅

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文化

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への

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と課

目標

(平成

29年

度)

(1

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たな

需要

を喚

起す

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岡茶

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開発

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高き

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術の

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岡茶

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略・県

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ラン

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全国

への

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くに

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100選

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ラン

ド化

の推

進、

山間

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地化

・「高

級茶

」と

「低

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」と

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略の

展開

(3

)生

産と

商工

が連

携し

た「静

岡茶

」の

販売

と流

通の

体制

強化

・6次

産業

化・農

商工

連携

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推進

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の生

産工

程管

理(G

AP

)の

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(1

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域の

核と

なる

ビジ

ネス

茶業

経営

体の

育成

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理の

共同

化、

複合

経営

導入

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業力

、マ

ーケ

ティ

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営体

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くり

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地中

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理機

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手へ

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進、

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推進

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製造

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茶業

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茶園

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保全

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(1

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愉し

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たな

文化

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案と

普及

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化の

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・グ

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世界

遺産

を活

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学術

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機能

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進事

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年度

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茶の

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24

2,4

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138.8

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H25

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ド化

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H21

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検討

継続

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産業

化の

促進

、農

商工

連携

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商品

開発

20点

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産工

程管

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H21

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○緑

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60%)

H21

20.5

億円

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25

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億円

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国)

H21

34.2

億円

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25

63.9

億円

輸出

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21

1,9

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H25

2,8

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産・

製造

>○

茶産

出額

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21

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H24

402億

円○

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面積

の減

少H

21

19,2

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H24

18,5

00ha

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茶生

産量

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少H

21

35,8

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H24

33,4

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ネス

経営

体の

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経営

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24

148経

営体

経営

体販

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H21

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H24

42.2

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21

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1,3

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茶文

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24

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00人

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HA

を愉

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拡大

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草場

農法

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遺産

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機能

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な注

目○

世界

お茶

まつ

りの

開催

・世

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つり

2013

春の

祭典

・秋の

祭典

開催

参加

国29カ

国で

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最高

・国

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HA

学術

会議

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界緑

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連携

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通・消

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緑茶

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シェ

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緑茶

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全国

1位

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確立

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山の

お茶

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ラン

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遺産

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Page 7: 静岡県茶業の現状 - Shizuoka Prefecture...静岡県茶業の現状 〈お茶白書〉 平成27年3月 静岡県経済産業部農林業局茶業農産課第1 静岡県茶業振興基本計画の要旨

- 2 -

1「静岡茶」の新たな需要創出と消費拡大 【目指す姿】

多様化する消費者ニーズを背景に、県内でも発酵茶(紅茶、ウーロン茶等)や

釜炒り茶など特徴のある多様な茶の生産に意欲的に取り組む生産者や茶商が増

加している。また、産地の特徴を活かした品種の導入とブランド化など、新たな

商品づくりも活発化している。

今後、ふじのくに山のお茶 100 選ブランドや有機栽培、地域ブランドなど、産

地の特徴を活かした戦略的な取組を推進するとともに、消費者のニーズにあった

商品の提供、香り高く魅力ある新商品の開発、拡大する食品加工用途に対応する

など、生産と商工が連携した需要創出を図る。

さらに、消費者の信頼を得るための生産工程管理の導入や流通改革の推進によ

り、販売と流通の体制強化を図り、国内外に向けて「静岡茶」のブランド力をさ

らに高め、消費拡大につなげる。

消費構造の変化購入場所 専門店 → スーパー・量販店

世帯構成の変化世帯構成 大家族 → 核家族、単身世帯の増加

リーフ茶需要の減少飲用形態 急須 → ペットボトル飲料

消費者ニーズの把握ができていない簡便性や特徴・香味の違いを求める

年代を問わず、お茶好き多いどの世代もペットボトルの消費多い単身世帯には販売単位の量が多すぎる若い女性 花様・果実様の香りを好む

流通が求める安全性、流通体制の強化食品としての生産工程管理

※茶業研究センター研究成果概要集、総務省家計調査より

新たな消費層の開拓消費者の価値観にあったお茶多様な嗜好に対応したお茶手に取りたくなる魅力的な商品

新たな用途への拡大拡大する用途に供給できるお茶

大手大量流通への対応生産工程管理が徹底されたお茶

需要創出,消費拡大

新たな消費層の開拓消費者の価値観にあったお茶多様な嗜好に対応したお茶手に取りたくなる魅力的な商品

新たな用途への拡大拡大する用途に供給できるお茶

大手大量流通への対応生産工程管理が徹底されたお茶

需要創出,消費拡大

リーフ茶の需要低迷

大きな潜在需要

消費者が購入する商品

第2 静岡県茶業振興基本計画の達成状況

Page 8: 静岡県茶業の現状 - Shizuoka Prefecture...静岡県茶業の現状 〈お茶白書〉 平成27年3月 静岡県経済産業部農林業局茶業農産課第1 静岡県茶業振興基本計画の要旨

- 3 -

達成状況

「静岡茶」の新たな需要創出と消費拡大

(1)新たな需要を喚起する「静岡茶」の開発

ア 静岡型発酵茶の生産技術の普及と販売戦略の展開

(ア) めざす方向(目標)

リーフ茶の需要は低下傾向にあるが、消費者アンケートや総務省家計調査の結

果では、茶を好む人が大半を占めており、リーフ茶の潜在需要は大きいと考えら

れる。一方、多様化する消費者ニーズを背景に、発酵茶(紅茶、ウーロン茶等)

や釜炒り茶など特徴のある茶の人気が高まっている。

そこで、茶業研究センターが研究している香気発揚技術を活用した「香り緑茶」

の普及を進め、これまで緑茶の飲用機会が少なかった世代や、ブームを牽引する

30~40 歳代の女性をターゲットにした新商品開発を促進する。

(イ) 達成状況・取組内容

a 香り高い静岡の緑茶推進協議会の発足

・平成 26 年4月 24 日に県、茶業関係団体、生産者、実需者による「香り高い

静岡の緑茶推進協議会」を発足し、静岡型発酵茶(被覆+釜炒り製)や第三

の煎茶(蒸し製)などの「香り緑茶」の普及、PRを行った。

・静岡型発酵茶の製造方法等をまとめた生産マニュアル(リーフレット)を作

成し、関係機関等に配布した。

・静岡型発酵茶等のティーバッグを作成し、熱湯を注ぐだけで手軽に美味しく

飲めることをイベント等でPRした。

・平成 26 年 10 月 19 日に茶業研究センター主催による茶業フォーラムを開催

し、県内外の日本茶インストラクター計約 80 人を集めて香り緑茶の嗜好や

販売方法等について意見交換した。

b 生産状況

・県内 10 箇所で約 110kg の静岡型発酵茶が試験生産され、前年度(5 箇所、

約 90kg)に比べて生産者、生産量が拡大した。

c 静岡県茶品評会で静岡型発酵茶部門を設置

・平成 26 年度静岡県茶品評会仕上茶部門の中に茶種「ウーロン茶(半発酵茶)・

静岡型が正式に設置され、計7点の出品があった。

d 「発酵茶マイスター塾」による人材育成

・付加価値の高い発酵茶生産技術を普及するため、高い生産技術を持ったリー

ダー人材を育成する「発酵茶マイスター塾」を開講し、平成 24~26 年度に

62 人が修了した。

塾 長:坂田完三氏(京都大学名誉教授)

副塾長:武田善行氏(元野菜茶業研究所研究監)

技術講師:【紅茶コース】村松二六氏(静岡市)、杵塚 歩氏(藤枝市)

【ウーロン茶コース】齋藤安彦氏(島田市)、森内吉男氏(静岡市)

Page 9: 静岡県茶業の現状 - Shizuoka Prefecture...静岡県茶業の現状 〈お茶白書〉 平成27年3月 静岡県経済産業部農林業局茶業農産課第1 静岡県茶業振興基本計画の要旨

- 4 -

【カリキュラム】

月 日 紅茶コース ウーロン茶コース 会 場

平成 26 年

5月 30 日

【合同開催】開講式・製造に関する知識の習得(香りの

生成の仕組み・製造の要点) 茶業研究センター

6月 30 日 製造方法の習得(自然発酵

による紅茶生産) - 技術講師工場

7月 15 日 - 製造方法の習得(萎凋方法

と香りの変化・殺青時期の

見極め) 技術講師工場

8月 29 日 【合同開催】製造・評価方法の習得(仕上げ方法と官能

による特徴の表現方法) 茶業研究センター

9月 22 日 -

製造方法の習得(包種茶の

製造方法・萎凋方法と香り

の変化)

技術講師工場

10 月 17 日 製造方法の習得(品種の特

徴と製造方法) - 技術講師工場

平成 27 年

2月3日 【合同開催】修了式・官能評価技術の習得 あざれあ

紅茶コース ウーロン茶コース

Page 10: 静岡県茶業の現状 - Shizuoka Prefecture...静岡県茶業の現状 〈お茶白書〉 平成27年3月 静岡県経済産業部農林業局茶業農産課第1 静岡県茶業振興基本計画の要旨

- 5 -

達成状況

「静岡茶」の新たな需要創出と消費拡大

イ 白葉茶の生産技術の普及と販売展開

(ア) めざす方向(目標)

「白葉茶研究会」を中心に、フーズサイエンスセンター(静岡県産業振興財団)

などの関係機関が連携し、技術の普及や統一ブランドづくり、消費や流通ターゲ

ットを絞った販売展開を目指す。

(イ) 達成状況・取組内容

a 白葉茶研究会の取り組み

・平成 26 年度からフーズサイエンスセンター(静岡県産業振興財団)が白葉茶

研究会の事務局となり、県(茶業研究センター、茶業農産課)、大学(県立大

学、静岡大学)、関係団体、資材メーカー、生産・販売者による白葉茶研究会

を計3回開催した。

・白葉茶研究会では、白葉茶の生産実績やアミノ酸分析結果の検討、荒茶品質の

互評等を行い、品質及び技術の改善点について協議するとともに、白葉茶の統

一基準づくりについて検討した。

b 地域結集型研究開発プログラム事業化推進協議会の取り組み

・平成 26 年度に地域結集型研究開発プログラム事業化推進協議会(事務局:フ

ーズサイエンスセンター(静岡県産業振興財団))が発足し、静岡県立大学の

木苗学長を委員長に、静岡県、静岡市、大学、関係機関等による白葉茶等の事

業化について検討を行った。

c 被覆作業の省力化

・(独法)農業・食品産業技術総合研究機構と静岡県等が連携し、乗用型摘採機

に装着する直掛け被覆用アタッチメントの開発に向けた研究に取り組み、平成

26 年度に同装置が開発された。

・平成 26 年9月 30 日にお茶の郷及び茶業研究センターを会場に、(独法)農業・

食品産業技術総合研究機構主催による直掛け被覆用アタッチメントの一般公

開が行われ、全国から茶生産者、

関係機関等が約 160 名参加するな

ど、同装置への期待の高さが伺わ

れた。

d 香り高い静岡の緑茶推進協議会

・新品種や新技術を普及する香り高

い静岡の緑茶推進協議会の活動と

して、県内外の各種イベントに参

加し、白葉茶のPR、試飲等を行

った。

e 商品化の状況

・県内 16 箇所で約 70kg が生産され、リーフ、ティーバッグ、抹茶、紅茶、ボト

ルティーなどの商品化が進められている。

商品化されている白葉茶(一部)

左から、静岡牧之原茶『白葉美人』(JA ハイナン)、

川根白葉茶『皋』(㈱澤本園)、『清水の白葉茶』(JA しみず)、 『白葉の茶』(鈴木淸貴)

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ウ 上品な甘い香りの蒸し製緑茶の開発技術移転・生産販売展開

(ア) めざす方向(目標)

茶業研究センターが新成長戦略研究(H26~28)で上品な甘い香りの蒸し製香

り緑茶「第三の煎茶」の大量生産技術について研究中であり、これまで開発した

釜炒り製香り緑茶の「静岡型発酵茶」と同様、ア「静岡型発酵茶の生産技術の普

及と販売戦略の展開」の方向を目指す。

(イ) 達成状況・取組内容

a 技術開発

・ 茶業研究センターが新成長戦略研究(H26~28)で第三の煎茶の大量生産技

術、香味の特徴を表現する表示方法等について研究を行っており、研究の取

り組み状況について茶業研究センター成果発表会で報告した。

b 香り高い静岡の緑茶推進協議会の発足

・ 静岡型発酵茶と同様、香り高い静岡の緑茶推進協議会を中心に、第三の煎茶

を含めた香り緑茶のPR活動を行った。

・ 普及指導員、JA営農指導員、農業経営士を対象に香り緑茶研修会を計2回

開催し、攪拌、低温静置による香り発揚技術、製造方法の違いによる香味の

特徴などについて研修を行った。

c 生産状況

・ 県内4箇所で約 250kg の第三の煎茶が試作された。

・ 第三の煎茶は攪拌、低温静置後、通常の茶工場で製造可能であり、品質面へ

の期待も大きく、研究と並行して生産現場で試験生産が行われた。

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達成状況

「静岡茶」の新たな需要創造と消費拡大

エ 加工用原料等として供給する生産技術の開発と普及

(ア) めざす方向(目標)

近年、リーフ茶の消費が減少し、スイーツ等に利用される食品加工用原料とし

ての粉末茶や簡便に飲用できる緑茶ドリンクの消費が増加している。また、茶販

売店では、リーフ茶に比べて簡単にお茶を淹れることができる形態(粉末茶やテ

ィーバッグ)での取扱いが増加している。

そこで、加工用原料に供給する茶の生産技術の確立と普及など、新たな消費分

野を開拓し、静岡茶の需要回復と拡大を図る。

(イ) 達成状況・取組内容

a 新粉末緑茶の技術移転・生産販売展開

粉末緑茶は、食品やインスタントティーなどに幅広く利用されている。静岡

県においては、粉砕して食品加工用原料とする碾茶の生産量が増加しており、

県内の多くの茶販売店で抹茶スイーツなどが販売されている。

また、様々な新技術の開発普及により、粉末緑茶の生産が後押しされている。

【静岡県の碾茶の生産量の推移】 (t)

年度 H元 H5 H10 H15 H20 H25

生産量 1 37 125 238 211 256 注)H1~H20 は農林水産省調査「作物統計」、H25は茶業農産課調べ。

① 高温過湿熱気製茶法による食品加工用原料の生産

・ 県茶業研究センターが平成 21 年に開発した高温過湿熱気製茶法は、製茶後

の葉色及び衛生性が優れることから食品加工用原料の製茶に適している。

・ この製茶法は県内1茶工場に導入され、粉末加工後、菓子原料等に利用され

ている。

② 茶園におけるソーラーパネルの設置

・ 茶園(農地)にソーラーパネルを設置する場合は

農地の一時転用が必要だが、平成27年1月末現在、

県内で 18 箇所、延べ約 70a(茶関係)の一時転

用許可申請が出されており、茶園におけるソーラ

ーパネルの設置が徐々に拡大している。

・ 一部の茶園では、ソーラーパネルを設置する棚を

活用して、一番茶期にパネル下に寒冷紗を掛け、

碾茶を生産している。

パネル下に寒冷紗を全面設置

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b ドリップ・ティーの技術移転・生産販売展開

・ 「ドリップ式緑茶」は、茶業研究センターが杉本製

茶株式会社(島田市)などと共同で開発し、カップ

on タイプにより、熱湯浸出でありながら、湯冷まし

で得られる旨みと渋みのバランスを実現し、手軽に

本格的な静岡茶が味わえる。開発商品は、北米で唯

一のお茶を専門とする展示会「ワールドティーエキ

スポ」のコンテストで 優秀賞を受賞した。

・ また、お湯を注ぐ際に、より香りを引き出す特性を

活かして、「藤枝かおり」(藤枝市)のドリップ式が

商品化され、県内外のイベント等で継続的に PR され人気を博している。

c CTC 製法の技術開発・技術普及

・ CTC 緑茶の製法は、使用燃料の削減や製造時間の短縮、二・三番茶、秋冬番茶

に特有の欠点(茎臭、硬葉臭(味))が大幅に軽減されることから、ドリンク原

料や食品加工用原料等の簡易製法として注目を集めている。

・ 製茶機械メーカー(カワサキ機工㈱、㈱寺田製作所)は、インドから CTC 機を

輸入し、自社内で CTC 機を用いた緑茶製法の研究開発を行っている。また、CTC

緑茶の製造ラインを公開しており、オープンラボ形式で生産者等が利用するこ

とが可能になっている。

・ また、平成 26 年 9 月、CTC 茶の普及拡大を図るため、製茶機械メーカーや研究

機関等により、(一般社団法人)日本 CTC 茶協会(理事長:原征彦)が設立され、

CTC 緑茶普及協議会の事業が移管された。日本 CTC 茶協会では、CTC 緑茶の普及

拡大とともに、CTC 緑茶の規格化等の研究に取り組んでいる。

・ さらに、生産現場においても、静岡市の茶工場が CTC 緑茶の製造ライン等を整

備するなど、CTC 製法の普及が進みつつある。

県茶業研究センター、杉本製茶

株式会社(島田市)らが共同開

発した「ドリップ式緑茶」

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達成状況

「静岡茶」の新たな需要創造と消費拡大

(2) 多彩な魅力を持つ「静岡茶」の生産と販売戦略

ア 県内茶産地の活性化と「静岡茶」ブランドの全国への PR

(ア) めざす方向(目標)

静岡県には、魅力ある茶産地が数多く存在しており、ふじのくに山のお茶 100

選ブランドや有機栽培、地域ブランドなど、産地の特徴を活かした戦略的な取組

を推進するとともに、消費者のニーズにあった商品の提供、香り高く魅力ある新

商品の開発、拡大する食品加工用途に対応するなど、生産と商工が連携した需要

創出を図る。

さらに、消費者の信頼を得るための生産工程管理の導入や流通改革の推進によ

り、販売と流通の体制強化を図り、国内外に向けて「静岡茶」のブランド力をさ

らに高め、消費拡大につなげる。

(イ) 達成状況・取組内容

a 銘柄産地の支援と「静岡茶」ブランドの一体的な全国PR

・ 産地ごとの独自の取組から一体となった静岡茶PR

b お茶の特徴を消費者に伝える販売戦略

・ O-CHA ニュービジネス支援講座の開催

・ ティーバッグやドリップ・ティーなど、簡便でおいしい緑茶の商品化

c 大消費地における消費宣伝

・ 東京、大阪、名古屋など、大都市圏における呈茶PR

O-CHA ニュービジネス創出支援講座開催実績(平成 26 年度)

回 数 テーマ、講師 開催時期

第1回

時流を捉えた新たな日本茶販売戦略

~ブランド立ち上げ三年で静岡から全国へ、その魅力とは?!~

㈱マル覚渡邉製茶 代表取締役 渡邉 美保子 氏

7 月 24 日

第2回

異業種から学ぶ販売戦略及びブランディング手法

~なぜ「ヴィノスやまざき」は消費者に支持されるのか?!~

㈱ヴィノスやまざき 取締役社長 種本 祐子 氏

9 月 12 日

第3回 東北の巨大茶舗が語る!静岡茶に求められること

井ヶ田製茶㈱ 代表取締役社長 今野 克二 氏 11月21日

第4回

広報の専門家からのアドバイス

~自社のお茶をメディアに載せるためには~

㈱電通パブリックリレーションズ シニア・コンサルタント 日高 祐一 氏

1 月 21 日

第5回

公開講座「世界を魅了する日本茶!!~海外へ展開する日本茶。生

産・販売、それぞれのプロフェッショナルに学ぶ!~」

コーディネーター:タガワコンサルティングオフィス 田川 由美子 氏

パネリスト:㈱丸山海苔店 代表取締役副社長 丸山 慶太 氏

㈱大塚製茶 常務取締役営業部長 永田 治之 氏

(有)勝又製茶 代表取締役 勝又 共生 氏

3 月 10 日

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東京、大阪など、大都市圏における呈茶PR

開催日 イベント名 会 場 等 内 容

4/12・13 フラワードリーム 2014 東京ビッグサイト

4/22 ~29

「おいしず」 静岡新茶フェア

秋葉原「おいしず」

静岡茶試飲・販売 のぼり等掲示、チラシ配布 茶草場農法、和食PR

5/5~31 イトーヨーカドー 静岡新茶フェア

イトーヨーカドー全 182店舗チラシ全国 500 万部

店舗内で静岡新茶フェア開催広告チラシへの知事コメント掲載

5/14 ~20

伊勢丹における 静岡新茶フェア

伊勢丹新宿本店

5/16・17 静岡新茶フェア in イトーヨーカドー

イトーヨーカドー Ario 北砂店

7/5・6 「おいしず」一周年 静岡茶フェア

秋葉原「おいしず」

7/16 ~22

世界農業遺産フェア 日本橋三越本店

静岡茶試飲・販売 のぼり等掲示、チラシ配布 茶草場農法、和食PR

7/23 茶業関係団体役員等 による関係企業訪問Ⅱ

㈱イトーヨーカ堂 東京都茶協同組合

静岡茶支援依頼 茶の機能性等 PR

8/19 東京茶協同組合と連携 した冷茶キャンペーン

東京交通会館 冷茶の効能講座開催 静岡茶試飲 のぼり等掲示、チラシ配布

9/23 ~29

静岡茶フェア in イトーヨーカドー

イトーヨーカドー ららぽーと横浜店

静岡茶試飲・販売 お茶の淹れ方教室開催 のぼり等掲示、チラシ配布

16~18 Oishii JAPAN 2014 シンガポール 世界農業遺産、世界文化遺産、和食を活用した静岡茶PR

2/10 ~12

スーパー・マーケット・トレードショー

東京ビッグサイト 世界農業遺産、世界文化遺産、和食を活用した静岡茶PR

2/26 3/8、19

首都圏高級ホテル等に おける静岡茶PR

京王プラザホテル、 ホテル龍名館、 表参道茶茶の間

茶の淹れ方講座等を開催し 特徴ある静岡茶をPR

首都圏

3/3~6 フーデックス JAPAN 幕張メッセ 世界農業遺産、世界文化遺産、和食を活用した静岡茶PR

大阪

5/22 ~29

静岡新茶フェア in あべのハルカス

大阪あべのハルカス 近鉄百貨店本店

静岡茶試飲・販売 のぼり等掲示、チラシ配布 茶草場農法、和食PR

9/13、14 全国軽トラ市サミット in しずくいし

岩手県雫石町内 静岡茶試飲・販売 のぼり等掲示、チラシ配布

10/22 東北茶商との連携による静岡茶キャンペーン

仙台市内 静岡茶フォーラム開催 ふじのくに特産品プレゼントのぼり等掲示、チラシ配布

東北・北海道

12/13、14 1/31 、2/1

北海道の生産団体との連携による静岡茶キャンペーン

ホクレンショップ 49 条店 くるるの杜

静岡茶試飲・販売 お茶の淹れ方教室開催 のぼり等掲示、チラシ配布

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達成状況

「静岡茶」の新たな需要創造と消費拡大

イ 中山間地域を主体とした特徴あるブランドによる茶業振興

(ア) めざす方向(目標)

本県の中山間地域は、地形条件等を活かした良質茶生産により銘茶の産地が形

成されてきた。しかしながら、大規模生産には適さない厳しい環境条件(傾斜地、

小規模、分散、遅場所等)により、茶業経営の悪化や後継者不足等の様々な問題

を抱えている。

そのため、ふじのくに山のお茶 100 選の銘茶ブランドの推進、山間地の有機茶

の戦略的な販売と輸出を手がける茶商との連携により、中山間地域を主体とした

特徴あるブランドによる茶業振興を図る。

(イ) 達成状況・取組内容

a 「ふじのくに山のお茶 100 選」の銘茶ブランドの推進

・ 「ふじのくに山のお茶 100 選」は、静岡の茶に適した気候風土と先人より引

き継がれた高い技術によって生み出される、緑茶、烏龍茶、紅茶など、外観、

香り、味に特徴を持つ個性ある銘茶であり、静岡県と静岡県 100 銘茶協議会

が開催する銘茶コンテストの入選茶である。

・ 平成 26 年度の銘茶コンテストの開催により、11 点が新たに入選し、総計で

106 点(内訳 不発酵茶 55、半発酵茶 18、発酵茶 33)となった。

【銘茶コンテストの開催結果】

ニューセレクション アフターレビュー

開催時期 9 月 17 日(水) 9 月 12 日~29 日

開催場所 茶研センター -

入 選 数 11 銘茶(新規)

不発酵(5)、微・半発酵(3)、発酵(3)

95 銘茶(更新)

不発酵(50)、微・半発酵(15)、発酵(30)

総 計 106 銘茶

不発酵(55)、微・半発酵(18)、発酵(33)

・ また、「ふじのくに山のお茶 100 選」の入選者と県など

により「静岡県中山間 100 銘茶協議会」を組織し、「ふ

じのくに山のお茶 100 選」の商品化や販売促進活動を

実施した。販売促進活動では、県内外の消費者イベン

トや商談会に出展等し、会員個々が行う販売促進活動

を支援した。

ふじのくに山のお茶 100 選

ロゴマーク

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【静岡県中山間 100銘茶協議会の平成 26年度活動実績】

期 日 行 事 名 内 容

平成 26 年

10 月 30 日

多彩なお茶のトレードショー

2014(会場:ホテルセンチュリ

ー静岡)

首都圏等のバイヤーに対して銘

茶の販売流通促進を図った。

11 月 27 日 第 5 回総会、講演会

12 月 6~7 日 和の食文化の祭典(会場:沼

津プラサヴェルデ)

展示と試飲を行い、消費者にP

Rした。

平成 27 年

1 月 21 日

ふじのくに総合食品開発展

(会場:グランシップ)

県内外の食品バイヤーに対して

銘茶の販売流通促進を図った。

2 月 14~15 日

第 35 回茶業関連商品及び機器

展示会

(会場:東京流通センター)

首都圏の茶商等に対して銘茶の

販売流通促進を図った。

2 月 21~22 日ふじのくに農芸品フェア 2015

(会場:沼津プラサヴェルデ)

展示と試飲を行い、県内外の消

費者やバイヤーに対してPRし

た。

b 山間地の有機茶の戦略的な販売と輸出を手がける茶商との連携

・ 県は、(独)野菜茶業研究所と連携するなどして、輸出を視野に入れた有機J

AS導入や残留農薬の分析手法、防除体系等をテーマとした研修会を開催し、

輸出や有機栽培を目指す茶業関係者の取組を支援した。

・ また、静岡茶輸出拡大協議会を新たに設立し、海外のお茶のマーケティング

に関する情報等の共有や流通販売業者と生産者のマッチングなどを推進して

いく。

【各種研修会の開催】

期 日 行 事 名 内 容

平成 27 年

1 月 20 日

2 月 4 日

茶輸出に向けた有機

JAS 導入勉強会

①茶の有機 JAS 認証と販売について

講師:日本オーガニック&ナチュラル

フーズ協会 杉野 文哉 氏

②茶の有機栽培の取組について

講師:松下園 松下 芳春 氏

2 月 9 日

「農林水産物輸出促

進のための新たな防

除体系の確立・導入事

業」中間成果説明会

①輸出先国の残留農薬基準の調査方法

と結果及び今後の留意点

講師:(独)農研機構野菜茶業研究所

石川 浩一 上席研究員

②茶の新たな防除体系の確立・導入

講師:(独)農研機構野菜茶業研究所

佐藤 安志 上席研究員

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達成状況

「静岡茶」の新たな需要創造と消費拡大

ウ 「こだわり」と「低コスト」に二極化する市場に対する展開

(ア) めざす方向(目標)

消費者嗜好や飲用形態の変化等により、価値ある高級路線のお茶と普段飲む低

価格のお茶による消費構造の二極化が進んでいる。

この変化に対応するため、価値ある高級路線のお茶は戦略的な付加価値化を、

普段飲む低価格のお茶は生産体制の強化による省力、低コスト化を推進する。

(イ) 達成状況・取組内容

a 希少性を付加価値とした販売戦略

希少な茶種や品種、各種品評会成績、伝統的または新しい技術等を活用し、

お茶の付加価値化及び商品化に取組む事例が増加している。

【主な事例】

商品名 販売者 概 要

MASA(マーサ)

ロイヤルブルーティージ

ャパン (株) (神

奈川県川崎市)

平成 25 年度農林水産祭で天皇杯を受賞した

太田昌孝氏(浜松市天竜区)の茶葉を使用し

た高級ボトリング茶。

香寿 まるたか農園

(静岡市葵区)

自家選抜系統を使った希少な半発酵茶。「ふ

じのくに山のお茶 100 選」選定茶。

富士山頂熟成茶

御殿場小山中

核農業者協議

会茶生産部会

富士山頂の低温、低気圧環境下で熟成するこ

とにより、渋みが減少し、味と香りがまろや

かになったお茶。平成 26 年度に「しずおか

食セレクション」に認定。

白葉茶 JA ハイナン、JA

しみず 他

地域結集型研究開発プログラム推進事業に

おいて茶業研究センター等が開発した、

日光を遮断し白葉化させたアミノ酸(旨味成

分)を多く含む新しい高級茶。

b 徹底した省力化による低コスト生産

① 栽培面

・ 乗用型茶園管理機の共同利用や作業委託など、効率的な茶園管理を実施する茶

園管理組織経営体を育成している。

・ 点滴施肥法や局所施肥法により効率的な肥培管理、天敵を活用した防除体系、

有機 JAS 認証やエコファーマー認証の取得等により、肥料・農薬費の削減を推

進している。

・ 収益性確保が困難な条件不利地域等においては、一番茶後に浅刈りを実施する

などの一番茶主体型栽培管理技術の普及により、生産費の中で 50%以上を占

める労働費等の生産コストの削減を推進している。

② 製造面

・ 早中晩性品種の組み合わせによる効率的な摘採計画の策定と共同摘採の実行

により、製茶機械の稼動率の向上を推進している。

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(3) 生産と商工が連携した「静岡茶」の販売と流通の体制強化

ア 多様化する消費者の嗜好・消費行動にあわせた販売

(ア) めざす方向(目標)

多様化する消費者の嗜好や消費行動に対応するため、特徴ある緑茶や紅茶、ウ

ーロン茶等の多彩なお茶づくりや新たな商品開発が進んでいる。

静岡茶の消費拡大ため、商談会や消費者イベントの開催等により、これらお茶

の販売促進を図る。

(イ) 達成状況・取組内容

a 商談会や消費者イベントの開催

月 日 イベント名 会 場 内 容

平成 26 年

10 月 30 日

多彩なお茶のトレー

ドショー2014

ホテルセン

チュリー静

岡(静岡市)

県内外の茶のバイヤーや愛好家に対して

多彩なお茶の流通販売を促す交流商談会

主催:静岡銘茶交流商談会実行委員会

12 月 6、7日 テイスティングフェ

スティバル

プラサヴェ

ルデ(沼津

市)

茶生産者が様々なお茶を紹介し、参加者

が選ぶ消費者参加型イベント

主催:静岡県農業経営士会茶部会

(ふじのくに和の食文化の祭典と同時開催)

b 消費者視点を取り入れたイベントの開催

新たなお茶の掘り起こしやお茶の楽しみ方を提案など、消費者主導による消費

者視点を取り入れたイベントが開催されており、今後の取組拡大が期待される。

月 日 イベント名 会 場 内 容

平成 26 年

8月 23、24 日

日本茶 AWARD2014

審査会

(株)静岡

茶市場

多彩なお茶の魅力を発信する新しい品評

会「日本茶 AWARD」の審査会

主催:日本茶 AWARD2014 実行委員会

11 月 14、15 日 第2回逸品お茶会 (株)静岡

茶市場

県内消費者等が様々なお茶を楽しむ消費

者イベント

主催:日本茶インストラクター協会静岡県支部

12 月 6、7日 TOKYO TEA PARTY

(日本茶 AWARD2014)

渋谷ヒカ

リエ(東京

都渋谷区)

参加者が「日本茶 AWARD」の大賞を選ぶ、

消費者参加型イベント

主催:日本茶 AWARD 実行委員会

多彩なお茶のトレードショー2014 テイスティングフェスティバル

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達成状況

「静岡茶」の新たな需要創造と消費拡大

イ 集散地機能の強化と「茶の都しずおか」を支える茶産業の支援

(ア) めざす方向(目標)

静岡県は、茶産出額では全国の約4割、仕上茶出荷額では約6割を担ってい

るが、県内茶流通の拠点は、静岡茶市場と7か所のJA茶取引所に分散してお

り、産地間競争が全国的に激化する中、流通の統合化や機能の強化が求められ

ているため、茶業会議所やJAが主体となり、全国から茶、茶商、情報が集ま

る県内茶流通の拠点等の検討を進めている。

(イ) 達成状況・取組内容

茶業団体等による検討会が、平成 21 年から随時開催され、平成 24 年2月、

「(仮称)静岡茶流通センターの設置に関する基本方針」が合意された。その

内容として、JAグループが主体となって、経営に参画し、流通センターは、

静岡市と県中西部地区の2会場とすることとしている。これらを推進するため、

平成 25 年6月の公益社団法人静岡県茶業会議所の通常総会において、流通改

革委員会、プロジェクト会議を発足させた。

これまでに、流通改革委員会を3回、プロジェクト会議を8回開催し、新た

な茶の流通センターについて、運営組織、施設、取引の方法、経営収支等につ

いて検討してきた。

引き続き、新たな施設の内容、整備した場合の採算性、現況施設の活用の可

能性について検討していく。

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ウ 国内外の流通に対応した安全対策の強化

① 茶におけるGAPの推進

(ア) めざす方向(目標)

GAP(Good Agricultural Practice)は農業生産工程管理手法と呼ばれ、食品

安全、環境保全等の観点から、特に注意すべき点検項目を定めこれに沿った農作

業を行い、記録・検証し、食品安全、環境保全により消費者の信頼確保に役立て

る手法である。

静岡茶におけるGAPであるT-GAPを、県茶業会議所を事務局として、J

A静岡経済連と県からなるT-GAP推進協議会により平成21年11月に創設し、

県内の荒茶工場及び茶生産者を対象にT-GAPの推進を図っている。これを、

茶商などの茶業関係者に対しても広く周知を図り、安全・安心で信頼性を確保し

た静岡茶の流通を推進していく。

<GAPに取り組む共同茶工場数>

*T-GAP承認茶工場のうち、共同茶工場及び茶農協の累計

(イ) 達成状況・取組内容

a 静岡茶におけるGAP“T-GAP”の推進

・ 平成 22 年度から承認を進め、現在、T-GAP1級の工場が 6 工場、2級の

工場が 3工場、3級の工場が 227 工場、合計 236 工場が承認をされている。。

T-GAP承認取得荒茶工場数 (平成 26年 10 月時点)

1級 2級 3級 合計

荒茶工場数 6 3 227 236

b JGAPの推進

・ 平成 21~23 年度、県内の各JAの茶指導員やJA静岡経済連茶業課職員等の

計 97 人が、JGAP指導員基礎研修、JGAP団体認証講座、JGAP審査

員研修の3講座を受講し、「JGAP審査員補」の資格取得を行った。

・ 平成 26 年現在、県内のJGAP取得工場は 8 であり、農場数は 382 となって

いる。今後、JAの「JGAP審査員補」を中心として、ビジネス経営体を

目指す法人茶工場などに対し、JGAPの取得推進を行う。

・ 平成 25 年 12 月 26 日に(公社)静岡県茶業会議所の『T-GAP+J』がJG

AP同等性認証を日本 GAP 協会より、取得した。JGAPとT-GAPの

差異が明確になり、差異部分に追加で取り組むことにより、T-GAPの指導

の延長でJGAP認証が容易に取得できるようになった。静岡県で多く導入

されているT-GAPとJGAPのつながりが同等性認証で明確になったこ

とにより、JGAP認証の取得とT-GAP普及の両方が大きく推進される。

現状(平成 26 年)

236

目標(平成 27 年)

320

当初(平成 21 年)

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達成状況

「静岡茶」の新たな需要創造と消費拡大

県内JGAP取得茶工場(平成 27年 2 月現在)

団 体 市町 種別 農場

数 取得時期

ハラダ製茶農園グループ 島田市 団体 88 平成 21 年3月

湯日第一茶農業協同組合 島田市 団体 53 平成 21 年3月

ヤマキ 鈴木製茶 菊川市 個人 1 平成 21 年4月

にしたな株式会社 袋井市 団体 35 平成 21年 12 月

美緑園伊久美茶農業協同組合 島田市 団体 34 平成 22年 4 月

農事組合法人さかぐち 牧之原市 団体 64 平成 25年 4 月

静香園製茶グループ 磐田市 団体 41 平成 25年 4 月

掛川中央茶業株式会社 掛川市 団体 66 平成 26年 4 月

緑茶におけるJGAP取得状況(平成 27 年 2 月現在)

個別認証 団体認証 全体

認証数 農場数 認証数 農場数 認証数 農場数

静岡県 1 1 7 381 8 382

岐阜県 0 0 1 81 1 81

三重県 4 4 0 0 4 4

福岡県 0 1 0 0 0 1

佐賀県 0 0 1 43 1 43

大分県 1 1 0 0 1 1

宮崎県 1 1 0 0 1 1

鹿児島県 4 4 5 85 9 89

合計 11 12 14 590 25 602

(資料)GAPの種類

名 称 推進主体 対象品目 点検項目数 認証の有無

J GAP 日本GAP協会 青果物、茶等 約 140 有(第三者)

T-GAP(第 3 版) T-GAP推進協議会 茶 茶栽培編 174

荒茶工場編 230 有(茶業会議所会頭承認)

基礎GAP 農水省 野菜、米、茶等 約 20 無

しずおか農水産物認証制度 静岡県 農水産物、茶 47~54(144) 有(県知事)

K-GAP (社)鹿児島県農業農村振興協会 農産物、茶 約 60 有(会長知事)

GLOBALGAP 欧州小売業組合 青果物、茶等 約 200 有(第三者)

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② 茶の適正表示と異物混入の防止

(ア) 目指す方向(目標)

表示は商品を選択する上で唯一の情報源であることから、従来から、緑茶の

表示基準を踏まえた適正な茶の表示を推進している。

また、静岡県製茶指導取締条例では茶への異物混入を原則禁止しており、関

連団体とともに着味着色をしない静岡茶の普及を進めているところである。

そこで、JAS法等関連法令に基づく適正な表示の実施率を 100%にするこ

と及び異物混入の防止を目的に、茶工場への立入指導を行うとともに、茶商等

に対して表示適正化の指導を行う。

<茶の適正表示率>

(イ) 達成状況・取組内容

a 適正な表示の徹底

・ 県民生活課及び衛生課と設置する「静岡県緑茶適正表示指導連絡会」(以下「連

絡会」という。)の活動の一環として、県内の仕上茶工場を対象に、JAS法、

食品衛生法、景品表示法等の表示関係法令に基づく合同監視指導を実施した。

・ 「茶適正表示検査事業」として県内の茶専門店、スーパーマーケット等から茶

40 点を無作為に購入し、表示について確認するとともに、不備のあった事業

者に対して連絡会名で文書指導を行った。

・ 連絡会の活動の一環として「緑茶の表示研修会」を実施すると共に、静岡茶衛

生管理者養成講座((公社)静岡県茶業会議所)の中で、表示について講義を

行った。

b 異物混入の防止

・ 荒茶工場立入調査及び仕上茶工場合同監視実施時に、茶への着味着色及び異物

混入の防止に関する監視・指導を行った。その結果、着味着色は認められなか

った。

・ 「茶適正表示検査事業」で購入した茶 40 点について、着味着色にかかる添加

物検査を実施した結果、添加物を混入した製品はなかった。

c 地域団体商標と産地銘柄

・ 平成 26 年1月末現在、県内において、地域団体商標として承認されている銘

柄は、平成 19 年5月に「静岡茶」及び「川根茶」、平成 19 年 10 月に「掛川茶」、

平成 24 年8月に「東山茶」の 4 銘柄である。

・ また、県内各茶産地で定めた地域の産地銘柄について、特性と品質が明確にな

るような商品づくりとブランド化を推進している。

現状(H26)

95%

目標(H27)

100%

当初(H17)

93%

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達成状況

「静岡茶」の新たな需要創造と消費拡大

表1 茶工場立入指導の状況

(1) 荒茶工場調査指導結果(平成 26 年度)

立入工場数 指導無し 衛生環境指導有り 表示指導有り

50 工場 5 工場(10.0%) 45 工場(90.0%) 6 工場(12.0%)

・衛生環境指導内容 網戸等の整備や荒茶搬入場の整備がされていない工場が目立つ。

衛生環境

指導項目

清掃

状況

網戸等

の整備

建物の

破損

手洗い

設備の

整備

鼠昆虫

駆除の

記録

使用水

の検査

実施

荷おろ

し場の

整備

清潔な

服装

工場内

専用帽

子着用

工場内

専用靴

履き替

口頭指導

工場数

1

(2.0%)

15

(30.0%)

1

(2.0%)

4

(8.0%)

43

(86.0%)

6

(12.0%)

6

(12.0%)

0

(0.0%)

4

(8.0%)

6

(12.0%)

・表示指導内容 業者間取引や小売製品における「原料原産地」の表示の欠落等

・着味着色を実施している工場はなかった。

(2) 仕上茶工場調査指導結果(平成 26年度)

立入工場数 指導無し 衛生環境指導有り* 表示指導有り*

33 工場 5 工場(15.2%) 19 工場(57.6%) 23 工場(69.7%)

*暫定数

・衛生環境指導内容 異物除去装置や集塵装置が設置されていないところが多い。

衛生環境 指導項目

清掃状況

網戸等の整備

建物の破損

手洗い設備の整備

荷おろし場の整備

異物除去装置の

設置

集塵装置の設置

製品検査体制

清潔な服装

工場内専用帽子

着用

工場内専用靴履き替え

口頭指導 工場数

2 (6.1%)

1 (3.0%)

3 (9.1%)

1 (3.0%)

0 (0.0%)

2 (6.1%)

13 (39.4%)

0 (0.0%)

1 (3.0%)

0 (0.0%)

0 (0.0%)

・表示指導内容 業者間取引における「原料原産地、原材料名」の表示の欠落や、

「原材料名」の記載内容等。

・着味着色を実施している工場はなかった。

表2 茶適正表示検査事業の実施状況

年 度 18 19 20 21 22 23 24 25 26

調査点数 100 点

(100%)

100 点

(100%)

100 点

(100%)

100 点

(100%)

100 点

(100%)

100 点

(100%)

60 点

(100%)

40 点

(100%)

40 点

(100%)

適 正 92 点

(92%)

92 点

(93%)

91 点

(91%)

82 点

(82%)

96 点

(96%)

96 点

(96%)

60 点

(100%)

36 点

(90%)

38 点

(95%)

表示

なし

3 点

(3%)

0 点

(0%)

2 点

(2%)

5 点

(5%)

0 点

(0%)

2 点

(2%)

0 点

(0%)

1 点

(2.5%)

1 点

(2.5%)

一括

表示

不備

一部

なし

5 点

(5%)

7 点

(7%)

7 点

(7%)

13 点

(13%)

4 点

(4%)

2 点

(2%)

0 点

(0%)

3 点

(7.5%)

1 点

(2.5%)

・一括表示の内容に不備のあった商品については、製造者(又は販売者)あてに、文書によ

り改善を要請した。

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表3 産地銘柄と地域団体商標について

(1)産地銘柄

◆(公社)日本茶業中央会の定めた基準

産地銘柄 荒茶を製造した都府県名、市町村名

使用割合に

よる区別

100%のみ○○茶と表示できる。

・当該産地の原料使用割合(荒茶)が 100%の場合: 例 ○○茶

・50%以上 100%未満の場合: 例 ○○茶ブレンド

*産地の範囲が都道府県または市町村を越える場合は、当該産地銘柄

を使用する関係者が範囲等の条件を規定する。

◆ 県内の産地銘柄(22銘柄)

銘 柄 名 銘 柄 名 銘 柄 名 銘 柄 名

浜松茶 遠州森の茶 島田茶 本山茶、静岡本山茶

天竜茶 掛川茶 静岡 牧之原茶 清水のお茶

龍山茶 菊川茶 さがら茶 富士のお茶

いわた茶 御前崎茶 藤枝茶 富士宮のお茶

袋井茶 金谷茶 岡部茶 ぬまづ茶

春野の茶 川根茶 - -

(資料:(公社)静岡県茶業会議所)

(2)商標法に基づく地域団体商標の茶関連の出願・承認状況(平成 26年 1 月末時点)

※20 件出願(海外 2 件(インド)含む)、うち 14件承認済み

名称 出願 承認 名称 出願 承認

川根茶 H18.4 H19.5.22 八女茶・福岡の八女茶(2 件) H18.12 (済)

静岡茶 H18.4 H19.5.29 うれしの茶 H18.9 (済)

掛川茶 H18.6 H19.10.5 知覧茶・かごしま知覧茶(2件) H18.4 (済)

東山茶 H21.12 H24.8.24 西尾の抹茶 H19.7 (済)

足柄茶 H18.4 (済) 西尾茶 H19.7 -

美濃白川茶 H18.4 (済) DARJEELING TEA H19.10 未承認

伊勢茶 H18.7 (済) 甲賀のお茶 H20.5 未承認

宇治茶 H18.4 (済) CEYLON TEA H25.5 未承認

- くまもと茶 未承認

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達成状況

未来を担う茶業経営体の育成

2 未来を担う茶業経営体の育成 【目指す姿】

茶園の共同管理組織や茶工場組織の農業生産法人化を促すとともに、法人組織に

よる茶園の取得、貸借を進める。また、組織的な茶園管理による効率化、複合経営

による収益性の改善を図り、それぞれの組織にあった合理的な運営方法を検討し、

ビジネス経営体の育成を図る。

さらに、人・農地プランに位置づけた担い手に対し、農地中間管理機構を活用し

た茶園の集約を図り、生産基盤の強化、経営体質の強化を推し進める。

それぞれの産地の茶業を維持するため、耕作放棄茶園対策を進めるとともに、省

力化と環境にやさしい持続可能な茶業を展開する。

茶価の低迷茶業所得の減少 → 経営を圧迫

担い手の減少、高齢化世帯構成 大家族 → 核家族、単身世帯の増加

限られた人数で、必要な茶園管理を効率的に行わなければならない

効率的な茶園管理体系の必要性適切な労働配分家族経営では限界、規模拡大できない

地域の遊休茶園の受け手、産地の維持集積による基盤整備・不利条件茶園の解消

共同茶園管理の組織の法人化茶園集積による効率的な作業適切な労働配分で適期の茶園管理規模拡大による更なる効率化

茶工場と一体の効率的な運営適期の茶園管理で品質向上

雇用の創出、年間雇用体系の構築複合作物の導入茶工場経営の多角化

農業生産法人による茶業

共同茶園管理の組織の法人化茶園集積による効率的な作業適切な労働配分で適期の茶園管理規模拡大による更なる効率化

茶工場と一体の効率的な運営適期の茶園管理で品質向上

雇用の創出、年間雇用体系の構築複合作物の導入茶工場経営の多角化

農業生産法人による茶業

担い手の不足

効率的な経営

ビジネス経営体組織

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(1) 地域の核となるビジネス茶業経営体の育成

ア 地域の核となる茶工場、茶園管理組織の育成と農業生産法人化

(ア) めざす方向(目標)

20 数年以上前から共同茶工場の再編、合理化が進められてきたが、茶園管理

や摘採作業などは家族労働が中心のままである。

高齢化や担い手不足はさらに進んでおり、地域茶業を維持していくために、茶

園管理や摘採作業の共同化を進め、栽培から製造を一体化した運営管理ができる

経営体の育成を図っていく。

(イ) 達成状況・取組内容

a 茶業経営体質強化プロジェクトの推進

共同茶園管理の推進、複合経営、直接販売の強化など、経営コンサルタント

やマーケティングの専門家を地域の核となる茶工場に派遣し、生産基盤の強化

や経営の強化を図ってきた。

茶業経営体質強化プロジェクト推進体制

支援対象モデル茶工場

経営体質強化支援プロジェクトチーム

運営コンサルタント

(先駆的経営者など)・共同管理体制移行に

向けた合意形成支援・共同管理体制のポイ

ント、メリットの提示

運営コンサルタント

(先駆的経営者など)・共同管理体制移行に

向けた合意形成支援・共同管理体制のポイ

ント、メリットの提示

経営コンサルタント

(中小企業診断士など)・経営分析・経営計画・マーケティング・労務管理

経営コンサルタント

(中小企業診断士など)・経営分析・経営計画・マーケティング・労務管理

連携

農林事務所

市町 JA

指導助言

○直面する問題点を解決し、茶業経営の体質強化を図る。*圧迫される利潤を確保

・複合経営化・低コスト茶生産体制の構築

*高齢化する担い手に代わる労働力確保・複合経営による周年雇用・茶園管理の共同化

*安定した経営基盤の構築・茶園集積による効率的な生産体制・実儒者のニーズに応じた多様な茶生産

ふじのくに「静岡茶」ブランドを支えるビジネス経営体

連携

連携

県庁茶業農産課

茶業研究センター

県庁農業振興課

県農業振興公社

その結果、(有)八太田では、生葉農家と連携した共同摘採の仕組みを作り、

平成 26 年一番茶から共同摘採を実施し、適切な労働配分が可能となり、さら

なる規模拡大や付加価値の高い栽培面積の拡大が可能となった。

また、牧之原丸牧茶農協は、このプロジェクトで専門家を交えて茶園管理の

共同化に向けた検討を進め、平成 27 年 1 月に茶農協内に茶園管理を行う法人

を設立した。

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達成状況

未来を担う茶業経営体の育成

b 農協中央会、経済連、農協と連携した経営支援

茶園管理の共同化や茶園管理組織を育成するにあたっては、利益の配分や給

与制度の検討が不可欠であり、JAグループなどと連携し、共同茶工場の運営

面、経営面の改善や検討を進めていく必要がある。

c 共同摘採・共同茶園管理組織の事例

<法人化した茶園管理組織…(有)掛川グリーンファーム>

<茶工場による摘採作業の共同化…(農)ピュアグリーン>

共同作業個人作業ピュアグリーンの運営

共同

作業個人作業従来の茶工場運営

加工

販売

生葉

出荷

摘採

整枝

施肥

防除

茶園

管理

共同作業個人作業ピュアグリーンの運営

共同

作業個人作業従来の茶工場運営

加工

販売

生葉

出荷

摘採

整枝

施肥

防除

茶園

管理

必要な品質 必要な量+ = 茶工場が摘採する

借地農家 作業受託農家

借地料 摘採、整枝作業(生葉代)茶園 委託料

農業生産法人㈲掛川グリーンファーム

取締役兼総務部長

肥料部長 農薬部長 機械部長

生葉代生葉

生葉

茶販売流通業者茶工場 一般農家

生葉代

15.5ha (3戸 5ha)

《乗用型茶園管理機 》

全茶園100%乗用対応

乗用摘採機 3台

乗用管理機 2台

(防除・深耕)

《茶園整備》 自社施工

改植地形修正 50a(H17 )

20a(H19 )

枕地による減歩 概ね10~1 5%

借地農家 作業受託農家

借地料 摘採、整枝作業(生葉代)茶園 委託料

農業生産法人㈲掛川グリーンファーム

取締役兼総務部長

肥料部長 農薬部長 機械部長

生葉代生葉

生葉

茶販売流通業者茶工場 一般農家

生葉代

15.5ha (3戸 5ha)

《乗用型茶園管理機 》

全茶園100%乗用対応

乗用摘採機 3台

乗用管理機 2台

(防除・深耕)

《茶園整備》 自社施工

改植地形修正 50a(H17 )

20a(H19 )

枕地による減歩 概ね10~1 5%

共同茶工場 共同茶工場

組合員 組合員

茶 園

生 葉

管理作業

生葉代

茶 園

生葉

その他の管理作業

摘採作業

労働力

給料

茶園管理代

共同茶工場共同茶工場 共同茶工場共同茶工場

組合員組合員 組合員組合員

茶 園

生 葉

管理作業

生葉代

茶 園

生葉

その他の管理作業

摘採作業

労働力

給料

茶園管理代

従来の茶工場 ピュアグリーン

共同茶工場 共同茶工場

組合員 組合員

茶 園

生 葉

管理作業

生葉代

茶 園

生葉

その他の管理作業

摘採作業

労働力

給料

茶園管理代

共同茶工場共同茶工場 共同茶工場共同茶工場

組合員組合員 組合員組合員

茶 園

生 葉

管理作業

生葉代

茶 園

生葉

その他の管理作業

摘採作業

労働力

給料

茶園管理代

従来の茶工場 ピュアグリーン

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イ 担い手の確保と複合経営を導入した安定経営

(ア) めざす方向(目標)

燃油高騰によるコスト高や茶価低迷による収益の減少が茶業経営を逼迫さ

せており、安定した経営を目指した複合経営を導入するケースが増えている。

茶工場を地域の核に、年間雇用が可能な作業体系を構築した複合経営を展開

し、担い手が確保できる収益性の高い茶業経営への発展を図っていく。

(イ) 達成状況・取組内容

a 年間雇用、茶工場を集荷場とした複合作物の地域共同出荷

島田市金谷地区の若手茶農家で組織する「とれたて新鮮組」は、茶工場の枠

を超えた連携で 2.3ha のレタス、キャベツ栽培を行っている。この組織はメン

バーが茶業経営を継続していくために始めた複合経営であり、機械導入などを

共同で行うことにより、個別農家の初期投資の負担を軽減している。

このような複合経営の体制を共同茶工場で行うことにより、年間雇用ととも

に経営体収益を向上し、持続的な茶業経営を可能にしていく必要がある。

b 複合経営の産地化

静岡市駿河区池田地区の茶生産者はオリーブを複合経営に取り入れており、

オリーブオイルなどの健康志向の需要を捉えた取組を行っている。

沼津市の(農)興国共同製茶は組合員の有志が、茶と作業の競合が少ないキ

ンカン「こん太」のハウス栽培を行うとともに、JAなんすんと産地化を進め

ている。また、地元食材の活用を図る市内のレストランなどとの連携を検討し

ている。

c 業務用野菜の出荷業者や経済連・農協などとの連携

静岡市のマルウチ茶農協は、業務用野菜の生産を行う農業法人と連携して

1.5ha のレタス栽培を行っている。レタス栽培を行う3名を雇用し、お茶時期

には茶工場の製造や茶園管理に従事する年間雇用体系となっている。

また、JAしみずではニンニク栽培、JA大井川やJAハイナンでは、レタ

スやキャベツ栽培を導入した複合経営に取組んでいる。このように、複合経営

においても、販路や担い手の確保とともに、需要に対応できる生産体制、作業

の共同化を図っていく必要がある。

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達成状況

未来を担う茶業経営体の育成

ウ 茶商工業者と茶工場とが連携した生産体制の強化

(ア) めざす方向(目標)

嗜好の多様化とともに、消費者は多くの商品の中から好きな飲料を選ぶことが

可能となり、緑茶の国内消費は減少する傾向にある。これまでの「作れば売れる」

時代から「売れるお茶」を作らなければならない時代に変化してきた。

「消費者に選ばれるお茶」を生産するために、計画的な栽培、付加価値を高め

る戦略的な生産体制の構築を推進する。

(イ) 達成状況・取組内容

a 生産現場からの販売戦略

(有)ネクトは茶製造者を専従とするとともに、茶商との連携を深め、きめ

細やかに茶商のオーダーに対応した荒茶製造を行うことにより契約販売を行

い、有利な経営を行うとともに、近隣農家の茶園を吸収して規模拡大を図って

いる。

また、(農)茶夢茶夢ランドも茶製造者を専従とすることにより、茶葉の特

性の変化を的確に捉えるとともに、茶商への営業活動を重視して茶商の要望に

応える荒茶製造をすることにより、地域の荒茶価格よりも高い価格での取引に

つなげている。

b 被覆茶、かぶせ茶など生産技術による付加価値化

JAハイナンは、被覆によりうま味の主成分である窒素成分の高い茶生産を

行い、ブランド化を図っている。また、窒素成分量と品質との関係を☆印で表

示することにより、うま味成分を保証することで高付加価値化につなげている。

共同摘採を行う富士市のピュアグリーンでは、被覆栽培をすることで付加価

値を高めるだけではなく、摘採時期を被覆により遅らせることで摘採時期の分

散を図り、労働生産性の向上を図っている。

c 茶商と連携した付加価値を高めた茶生産

清水の「まちこ」など、茶商工業者側からの連携により、品種を活用した地

域にしかない商品としてブランド化し、付加価値を高めた販売につなげている。

また、静岡市の「香寿」は、地域の在来品種を生産者と茶商工業者が連携し

て生産者の販売する「香寿」と茶商工業者が販売する「La 香寿」とそれぞれ

製造方法を変えて商品化するなど、これまでにない取組であり、「ふじのくに

山のお茶 100 選」でも人気の高い商品となっている。

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(2) 生産効率・収益性の高い生産基盤づくり

ア 担い手への茶園集積と管理しやすい土地基盤整備の推進

(ア) めざす方向(目標)

今後長く茶業経営を続け、地域の核となりうる担い手に対し、人・農地プラン

の策定、推進や農地中間管理機構の活用等を通じて、茶園の集積、集約化を図る。

また、高樹齢茶樹の若返り、早晩品種の導入や乗用型茶園管理機械の導入のため、

茶改植や土地基盤整備を推進し、生産効率の高い基盤づくりを実現する。

(イ) 達成状況・取組内容

a 地域が連携した担い手への茶園集積

地域で連携した茶園集積が県内各地で進んでいる。牧之原市大江・片浜地区

では、担い手となる若手の茶生産者らが地区内の茶生産者らとともに人・農地

プランを策定し、茶園集積や整備に取り組んでいる。

b 農地中間管理事業を活用した茶園の集約

県農業振興公社は、農地の貸し借りを円滑に進める農地中間管理事業を推進

している。平成 26 年度は、農地中間管理事業を活用した茶園集積の先駆けと

して、磐田市東原地区で取組みが開始された。

c 規模拡大が可能な効率的な労働配置

県が実施した茶業経営強化プロジェクト事業では、複数の茶工場が労働配分

を見直し、再構築を行うことで、効率的な労働配置に向けた検討を重ねている。

d 組織内の面的集積、小規模基盤整備による茶園管理の効率化

平成 21 年度に農地法・農協法が改正されたため、それに伴い定款変更を行

い、農業経営を行う茶農協が増加した。また、JA 静岡経済連が主体となり、国

の直接採択事業である「茶改植等支援事業」に取り組み、平成 26 年には 71.4ha

の茶樹の若返りが図られた。

【茶改植等支援事業 改植等の実施状況】

平成23年 平成24年 平成25年 平成26年

改植・新植 55.8ha 62.9ha 65.8ha 53.6ha

棚施設 1.7ha 0.4ha 0.4ha 0.3ha

台切更新 12.2ha 8.2ha 16.1ha 17.5ha

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達成状況

未来を担う茶業経営体の育成

イ 茶園管理の効率化の推進

(ア) めざす方向(目標)

摘採・整せん枝作業が茶園管理に占める時間が も長いが、乗用型茶園管理機

の対応茶園比率を高めることで効率化を図る。また、枕路を設けることにより、

乗用型茶園管理機械の旋回時間を短くするなど、作業性の向上を図ることで、茶

園管理の効率化を推進していく。

(イ) 達成状況・取組内容

a 機械化に対応した老茶樹の台切り、改植による生産性の向上

茶園管理の効率化や生産性の向上を図るために、茶改植等支援事業を活用し、

老茶樹の台切りによる老茶樹の若返りや改植を進めた。

事業を活用して台切り、改植等を行った面積は、平成 26 年度 71.4ha であっ

たが、茶園管理の共同化を進めていく上でも、今後、毎年度 100ha 以上の改植

を進めていく必要がある。

b 品種組み合わせによる摘採機延長、茶工場の稼働率の確保

県内茶園の 92.6%が「やぶきた」で、摘採時期の集中による品質低下だけ

にとどまらず、防除作業の遅れなど、様々な点で弊害が出ている。

県では、新たな品種を奨励品種に加えるとともに、早生、中生、晩生の品種

を戦略品種として位置づけ、早期の品種普及、品種組み合わせの普及を図った。

c 作業時間の無駄を省いた茶園管理

作業時間の効率化は茶園内だけではなく、茶園が地域に分散している茶工場

や生産者が多いため、茶園間の移動時間が効率化を阻んでいることが、茶業経

営強化プロジェクトの調査で明らかとなり、共同茶工場の組合員同士で作業す

る茶園の配置を検討し、移動時間の低減を図る茶工場が出てきた。

d 病害虫防除の機械化による農薬散布量削減と効率化

農薬散布量を削減するために、今後、新たな病害虫防除用機械が開発され多

機械の導入を検討していく必要がある。また、これまで改善が遅れ、効率化が

進まなかった茶改植に対して、茶苗定植装置やセル苗などが開発され、JA遠

州中央が事業として取り入れ、作業性の改善が図られた。

早場所 遅場所早場所 遅場所早場所 遅場所 早場所 遅場所早場所 遅場所早場所 遅場所

早場所 遅場所早場所 遅場所早場所 遅場所 早場所 遅場所早場所 遅場所早場所 遅場所

ムダな時間をなくす茶園の管理手法

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ウ 低コスト製造による緑茶製造の省力化

(ア) めざす方向(目標)

近年、緑茶ドリンクの生産量が増加傾向にあるなかで、ドリンク原料等に適した

安価な茶を製造する場合には、加工費や労働時間等を抑えた緑茶製造の低コスト化

により収益性を向上させる必要がある。

そのため、CTC 緑茶などの省力化技術や新たな機械化の推進により、低コスト製

造による緑茶製造の省力化を図る。

(イ) 達成状況・取組内容

a CTC 緑茶による緑茶製造の省力化

CTC 緑茶は、製造時間が大幅に短縮され、二・三番茶、秋冬番茶に特有の欠点

(茎臭、硬葉臭(味))が軽減される低コスト緑茶製造技術である。

平成 26 年 9 月には、CTC 緑茶を含む CTC 茶の普及拡大を図るため、製茶機械メ

ーカーや研究機関等により、(一般社団法人)日本 CTC 茶協会(理事長:原征彦)

が設立され、CTC 緑茶普及協議会の事業が移管された。日本 CTC 茶協会では、CTC

緑茶の普及拡大とともに、CTC 緑茶の規格化等の研究に取り組んでいる。また、

平成 27 年 1月には、カワサキ機工㈱が、インドの製茶機 CTC 機専門メーカーであ

るビクラム社と、ビクラム社の CTC 機を日

本国内で専属販売する旨の業務提携を行

い、国内での CTC 機の販売体制の整備を進

めている。

平成 26 年度末には、強い農業づくり交

付金事業を活用し、CTC 緑茶の製造ライン

等を整備した茶工場が県内で建設される

など、CTC 緑茶を巡る動きが活性化してい

る。

ドリンク原料 ティーバッグ原料等生葉 CTC 機 蒸熱処理機 乾燥機

【CTC 緑茶の製造方法】

(荒茶)

CTC 機の外観

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達成状況

未来を担う茶業経営体の育成

(3) 産地を維持する持続的な茶業推進

ア 戦略的品種の導入による産地育成

(ア) めざす方向(目標)

主産県におけるやぶきたの栽培面積は、静岡県の 93.6%の他、三重県・熊本県・

福岡県での比率が高く、鹿児島県では 41%と少ない。「やぶきた」偏重により、

摘採時期の集中、摘採制限、コワ葉化、品質低下の急速な進行、荒茶の品質(香

り・滋味)の画一化、霜害の集中、病虫害被害の集中等様々な弊害がもたらされ

ている。そこで、平成 12 年に指定した2品種に、「つゆひかり」「しずかおり」「香

駿」「ゆめするが」の4品種を追加し、やぶきた以外の品種普及を図っていく。

(イ) 達成状況・取組内容

多様化する消費者の嗜好に対応するため、「つゆひかり」や「香駿」のような

香り高い品種の緑茶や清水の「まちこ」などのような特徴のある系統のお茶の生

産を推進するため、関係機関と連携し、地域の戦略品種の追加を検討していく。

これを受け、各市町でも平成 13 年から「総合的園地再編整備計画」を策定し、

産地戦略品種を定めた。

【県奨励品種及び戦略品種】

奨励品種 県戦略品種

概要

県内に広く普及を奨励すべきものとして決定した11品種

奨励品種のうち、品種組合せによる生産性向上や特色ある茶づくりのため、県として戦略的に導入していく6品種

<早生> 山の息吹、おおいわせ、 さやまかおり、つゆひかり

<中生> やぶきた、香駿、しずかおり

<早生> 山の息吹 つゆひかり しずかおり 香駿 ゆめするが

<晩生> おくひかり

品種名

<晩生> ゆめするが、かなやみどり、おくひかり、さわみずか

※このほか、市町や農協等においても戦略品種を指定し、生産・流通・指導機関等が一致協力して導入を推進している。

【市町別戦略品種】

品種名 市町名・地区名 推進組織名 備考 つゆひかり、さえみどり他

牧之原市 被覆茶「望」推進協議会 新銘茶育成モデル地区

つゆひかり さえみどり

掛川市 掛川新銘茶づくり協議会 新銘茶育成モデル地区

藤かおり 藤枝市 「藤枝かおり」ブランド化推進部会

商品名「藤枝かおり」 新銘茶育成モデル地区

つゆひかり 御前崎市 御前崎つゆひかり普及会 新銘茶育成モデル地区 香 駿 富士市ほか (農)ピュアグリーンほか

べにふうき 静岡市・掛川市ほか

(有)ネクトほか 機能性緑茶として製造

(静 7132※1) 静岡市清水区 清水みんなのお茶を創る会 商品名「まちこ」

※1・・・昭和 10~30 年代に県奨励品種決定試験に用いられた系統

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イ 点滴施肥など、環境保全型茶業による環境にやさしい茶業の推進

(ア) めざす方向(目標)

茶の流通構造の変化や高齢化、担い手不足など、生産基盤の弱体化が進んでお

り、「やぶきた」偏重からの脱却やかん水同時施肥など、あらゆる面から省力化、

低コスト化を図り、茶園と産地の維持を図る。また環境問題に対する関心が高ま

る中、茶業が本県の豊かな自然の維持発展に貢献できるよう、環境への負荷を軽

減した「環境にやさしい茶園管理技術」を推進し、新たな防除技術の導入など、

環境面での維持も図り、消費者の安全・安心志向に応える産地の形成を図る。

(イ) 達成状況・取組内容

a 局所施肥技術、点滴施肥技術、IPM 技術の普及推進

施肥低減に向けた取り組みとして、県下3箇所でかん水同時施肥などより効

率的な施肥技術を用いた実証展示ほを設置し、現地での技術レベルを高めると

ともに意識啓発を推進している。

平成 26 年度は、低コスト、省力技術を体系化した農林産物の高効率栽培技

術の開発を目的とした局所施肥を活用した生産性の高い茶園管理技術の開発

を行った。

局所施肥の作業は10a当たり2.5時間で従来の施肥方法の2割程度に削減で

き、硝酸性窒素は環境基準(硝酸性窒素 10ppm)を超えることはなかった。

b 世界農業遺産「静岡の茶草場農法」を活用した取り組み

平成 25 年 9 月に推進協議会によって同農法に取り組む生産者を認定する制

度が創設されたことから、10 月からは「茶草場農法」の生産を示す認定シー

ルをつけた茶の販売が始まり、平成 27年 1月末までに認定を受けた農家は 583

戸であり、お茶の販売促進のため、観光と連携した地域の魅力発信を行った。

また、茶業研究センターによって行われている茶草施用による茶の品質評価

や、茶園土壌への施用効果の調査結果を認定地域の推進協議会に提供し、販売

促進のために活用してく。

新たな品種や技術による低コスト・省力化

局所施肥機

株元からきた太根

根を取り巻いた細根

株元からきた太根

根を取り巻いた細根

局所施肥により肥料周辺に吸収根が誘導された状態

肥 料

株元からきた太根

根を取り巻いた細根

局所施肥機

株元からきた太根

根を取り巻いた細根

株元からきた太根

根を取り巻いた細根

局所施肥により肥料周辺に吸収根が誘導された状態

肥 料

株元からきた太根

根を取り巻いた細根

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達成状況

未来を担う茶業経営体の育成

ウ 一番茶生産の確保に向けた栽培管理体系の普及推進

(ア) めざす方向(目標)

中山間地等の立地条件の悪い茶園を中心に放任茶園が増加しているため、収益

性の高い一番茶のみを生産する栽培体系について検討し、生産量の確保を図る。

(イ) 達成状況・取組内容

a 低樹高栽培による傾斜地対応型軽量茶園管理機の導入推進

・ 茶業研究センターが研究(H23~25)に関わった軽トラックに積載可能な傾

斜地対応型軽量茶園管理機の商品化が検討されており、本機械が実用化され

れば傾斜地での茶園管理作業が省力化され、一番茶生産の確保につながると

期待される。

・ ハンマーナイフモアを用いた台切り処理による耕作放棄茶園等の再生が島

田市等で行われており、茶園の確保につながっている。

b 食材用生葉生産をする茶園

・ 食材用生葉の需要が確認されれば、無農薬栽培による一番茶のみ生産などの

栽培体系について検討する必要がある。

台切り作業の様子

※川根本町農林業センター

ハンマーナイフモア

フリーハンマー

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3 魅力あふれる茶文化の創造と世界への発信 【目指す姿】

嗜好の多様化とともに、形にとらわれないお茶の愉しみ方がみられることから、「世

界お茶まつり」などでの新たな文化の提案やグリーンティーツーリズムの支援など、

茶文化の振興を図るとともに、お茶の需要拡大を進める。

また、世界的には、日本食ブームとともに、欧米を中心とした健康志向の高まりか

ら、日本茶の文化や緑茶の機能性や効能に注目が集まり、緑茶の輸出量は年々増加傾

向にある。世界緑茶協会やJETROなどと連携し、緑茶の輸出支援をしていく。ま

た、これまで行ってきている茶文化の情報発信に加え、県立大学に設置された茶学総

合研究センターなどにおいて、関係機関と連携した学術研究の推進、緑茶の機能性に

関する情報発信も進めていく。

さらに、平成 25 年には、「富士山」、「茶草場農法」、「和食」の世界遺産が誕生した

ことから、国内外においてこの3つの世界遺産と関わりの深い静岡茶のPR展開を図

る。

・森

共通 ・拠点づくり ・人材の育成と組織連携 ・国内外への発信

文化 茶文化の継承と創造

学術 茶に関する学術研究の推進と

研究情報の集積発信

観光 お茶の魅力発信と

静岡らしいおもてなし

生活 お茶のある豊で健やかな暮らし 産業 日本一の茶産地としての

茶産業の振興 お茶のある豊かで健やかな暮らし

・森・森

共通 ・拠点づくり ・人材の育成と組織連携 ・国内外への発信

文化 茶文化の継承と創造

学術 茶に関する学術研究の推進と

研究情報の集積発信

観光 お茶の魅力発信と

静岡らしいおもてなし

生活 お茶のある豊で健やかな暮らし 産業 日本一の茶産地としての

茶産業の振興 お茶のある豊かで健やかな暮らし

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達成状況

魅力あふれる茶文化の創造と世界への発信

(1) 新しい茶文化の提案と発信

ア 慣習にとらわれない新たな茶文化の創造

(ア) めざす方向(目標)

お茶を飲み慣れていない若い世代にもお茶が受け入れやすいよう、容易で純粋に

お茶を楽しむ手法を考案し、新たな文化として定着を図り、国内外に発信していく。

また、茶産地の風景がもたらす癒しを観光商品としてPRし、多面的な「静岡茶」

の消費拡大を図る。

・新しいお茶のスタイルの提案

例:現代の食環境や生活様式の中に新しい日本の茶文化をデザイン化

県内産の焼き物、茶器、菓子等とお茶をコーディネート

・新しいお茶の楽しみ方の提案

例:ワインボトルにお茶を淹れる

料理ごとにお茶を合わせる

お茶と洋菓子を合わせる

・慣習にとらわれない新たな茶文化の創造

例:多様なお茶を楽しむスタイルの提案と消費拡大への取組

観光産業と連携した誘客、ファンの拡大

給茶スポットの創出、異業種との連携など新たなお茶の楽しみ方の提案

日本茶インストラクター・アドバイザーによるお茶の魅力向上

(イ) 達成状況・取組内容

a 女性をターゲットとした静岡茶のPR

大消費地である首都圏で生活し、急須でお茶を淹れる機会は少ないが、

購買力及び情報発信力が高い世代である20~30代の女性やメディア関係者

等をターゲットとして、静岡茶の紹介、淹れ方、お菓子との楽しみ方など

を体験してもらうイベントを開催し、新たなお茶の消費拡大を目指した。

実 績(平成 26 年度)

開催日 会場(東京都内) 内 容

平成 26 年

9月 12 日

椿山荘ホテル

(文京区関口)

「お茶を通じて“和女子”のたしなみを学ぶ静岡

茶女子会」40 名

平成 27 年

2月 26 日

京王プラザホテル

(新宿区西新宿)

「和女子のたしなみ静岡茶」

首都圏で生活する女性 20 名

3月8日 ホテル龍名館御茶ノ水本店

(千代田区駿河台)

「上質なひとときの過ごし方~静岡茶を嗜む~」

首都圏で活躍する女性ブロガー等 25 名

3月 19 日 表参道茶茶の間

(渋谷区神宮前)

「静岡茶の極意を知る」

首都圏のメディア関係者等 20 名

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b 消費者のニーズに合う新しいお茶の発信

多様化する消費者のニーズに対応するため、特徴ある緑茶や、紅茶、ウー

ロン茶等の商品開発が進み、「多彩なお茶のトレードショー2014」、「第2回

逸品お茶会」など、新たなお茶を紹介、販売するイベントが開催された。

また、消費者の視点も取り入れた新たな方法による審査会「日本茶

AWARD2014」が、全国の茶商、日本茶インストラクターによる実行委員会に

より開催されるなど、新しい動きが起きている。

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達成状況

魅力あふれる茶文化の創造と世界への発信

イ お茶のグリーンツーリズムの拡大と活用

(ア) めざす方向(目標)

本県は、四季を彩る山々と豊富な資源を抱える駿河湾など豊かな自然と景観

に恵まれており、本県の重要な観光資源を形成している。また、本県の観光交

流客数は約 1 億 3000 万人と本県で余暇を過ごす県内外の観光客が多い。

また、日本を訪れる外国人の数(訪日外国人旅行者数)は 2013 年、初めて

1000 万人を達成し、この 10 年でほぼ倍増している。

そこで、より多くの消費者にお茶を通して静岡の素晴しさを体感していただ

けるよう、観光事業者等と連携し、豊富な観光資源とお茶を組み合わせたグリ

ーンティーツーリズムを展開し、静岡茶サポーターの拡大を目指す。

(イ) 達成状況・取組内容

a ツアー催行実績(県関連のツアープログラム)

年 度 催行本数 送客人数 備 考

平成 21 年度 15 本 303 人

平成 22 年度 55 本 721 人

平成 23 年度 63 本 503 人

ふるさと雇用特別交付金事業を活用した、プ

ロが案内する静岡お茶巡り事業

平成 24 年度 1 本 200 人 第 66 回全国お茶まつり静岡大会

平成 25 年度 30 本 340 人 世界お茶まつり 2013公認ツアープログラム等

平成 26 年度 133 本 1,527 人

「ふるさと雇用再生特別基金事業」を活用し

て民間の旅行会社に“静岡茶”をテーマとし

た旅行商品の造成と催行を委託

計 297 本 3,594 人

b 旅行業者との連携体制の構築

旅行商品の販売や集客、旅行者の輸送や宿泊などをサポートする旅行業者

との連携体制の構築を支援する。

c 茶に関連した旅行商品の開発支援

魅力あるお茶の体験プログラムや富士山を望む静岡らしい茶園景観等を

旅行商品に盛り込むなど、静岡の魅力を十分に味わっていただくことができ

る洗練された旅行商品の開発を支援する。

・ 世界文化遺産に登録された富士山、世界農業遺産に認定された静岡の茶草

場農法、世界無形文化遺産に登録された和食文化の活用をはじめ、銘茶を

育む気候風土や景観等を活かした旅行商品

・ 茶の手摘み、手揉み等の生産技術や荒茶の仕上げ加工技術に代表される匠

のものづくりが体験できる旅行商品

・ 静岡の文化や歴史などお茶を通じて静岡を知ることができる旅行商品

・ 大消費地である首都圏に近い地の利を活かした旅行商品 等

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d 富士山静岡空港や新東名高速道路を活用した旅行商品の開発

周囲を茶園に囲まれた空港や、中山間地域を横切る第二東名を活用し、空

港就航先や首都圏、中京圏、関西圏とのつながりを強化した旅行商品の開発

を支援する。

e 消費地茶小売店との連携による静岡茶サポーターの拡大

産地と消費地茶小売店が連携して静岡のよさを体感してもらうツアーを

実施し、静岡茶のファンを創出するとともに、茶専門店と消費者のつながり

を強化する。

f 山間地の茶園風景を“アピールポイント”にした産地の取組

中山間地には山々の傾斜が作り出す平野部とは異なる特有の景観があり、

これら景観と中山間地が醸し出す落ち着いた雰囲気を活用し、都市部と中山

間部との交流を促す、生産者主体の取組みが県内各地で活性化している。

静岡市葵区の大沢地区・大間地区では、山間地の景観と集落のコミュニテ

ィを活かして、茶生産者が自宅でお茶を出して客をもてなす「縁側カフェ」

を行っている。この取組は、映画化等を通じて話題を呼び、都市部から多く

の人が来客するなど人気を集めており、大沢地区は平成 26 年度ふじのくに美

しく品格のある邑づくりの知事顕彰を受賞した。

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達成状況

魅力あふれる茶文化の創造と世界への発信

(2) 世界に向けた「茶の都しずおか」の魅力発信

ア 「茶の都しずおか」の資源の活用

(ア) めざす方向(目標)

本県は、県内全域で茶が生産され、茶に関する匠の技、歴史資産、茶文化施設

など多彩で豊富な資源を有していることから、この「場の力」を活かし、茶の「文

化」「学術」「生活」「産業」「観光」等の視点からお茶の持つ魅力を発信し、多く

の方が集う、魅力的な「茶の都」づくりを推進する。

そのため、拠点づくりに向けた検討、資源の掘り起こしや磨きあげのほか、世

界お茶まつり、世界緑茶会議、世界緑茶コンテストなどの開催に取り組み、お茶

の魅力を「茶の都しずおか」から世界に向けて発信する。

(イ) 達成状況・取組内容

a 「茶の都」資源を活用した誘客とファン拡大

「茶の都しずおか」を実現するための方策を取りまとめた推進計画を策定した。ま

た、茶の都の拠点づくりでは、平成26年11月19日の『ふじのくに「茶の都しずおか」

推進会議』において、茶の都の情報発信には拠点となる施設が必要であるとの意見

から、「島田市お茶の郷」を活用していくこととして、リニューアル計画の検討を開始し

た。

b 「富士山」「茶草場農法」「和食」の世界遺産の活用

茶草場農法の継承と拡大では、富士市において茶草場の確認調査を実施した。

掛川市東山において、茶草場の景観を観光客に一層愉しんでもらうために、ビュー

ポイントから見える防霜ファンやガードレールの色彩改善を実施した。また、世界農

業遺産の周知に向け、国内認定 5 地域と連携して、首都圏での PR を 7 回実施した。

c 「茶の都」の新たな資源発掘へ向けた取組み

川根本町、藤枝市、浜松市天竜区等において、製茶の器具、書籍、販促グッズ等

の茶関係史料について専門家による産業遺産調査を実施し、所在の確認や記録の

作成を行った。

d 第 6 回世界お茶まつりを活用した情報発信

茶文化情報の発信は、平成 28 年度に開催予定の第 6 回世界お茶まつりの実現

に向け、9 月に実行委員会を立ち上げ、実施計画の検討を行った。また、新たに HP

を立ち上げ、世界に向けお茶まつりのPRを始めた。(公財)世界緑茶協会と連携し、

国内外への静岡茶の情報を発信した。

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イ 茶学術研究の振興と研究連携強化

(ア) めざす方向(目標)

茶の学術研究は、茶が持つ様々な機能性について、国内外で盛んに行われてい

る。茶の機能性の解明等の学術研究は、茶の消費拡大に資することから、茶学術

研究の振興と研究連携強化を推進し、さらなる発展と本県の研究拠点としての資

質向上を図る。

(イ) 達成状況・取組内容

静岡県立大学は、茶に関する研究を相互に連携させて情報の一元化を図るとと

もに、行政・茶業界と連携して茶業振興に寄与することを目的に、平成 25 年度、

学内に研究組織「茶学総合講座」を開設し、平成 26 年度から「茶学総合研究セ

ンター」に改称し、本県の茶業振興に結びつく調査研究及び人材育成をより一層

推進している。

【茶学総合研究センターの概要】

名 称 静岡県立大学「茶学総合研究センター」

開 設 日 平成 25 年5月1日(水)

実施体制 大学院の食品栄養環境科学研究院内に設置

研究は大学内の関係研究室と連携して実施

事業内容

①緑茶の機能性に関する調査研究

・緑茶や白葉茶、静岡型発酵茶などの抗ストレス性評価

・緑茶摂取量と各種疾病との関連の調査 他

②人材育成と茶学教育

③茶葉及び茶飲料の嗜好特性の解析

④茶の高付加価値化とマーケティング

⑤茶総合相談窓口の開設

費用負担 大学の研究費、茶業団体からの寄付、県からの委託等で運営

【茶学総合研究センター等の研究連携イメージ】

公共研究機関 県内大学

静岡県立大学 (機能性、 マーケティング)

静岡大学 (栽培、成分化学)

静岡産業大学(経営、商品開発)

静岡文化芸術大学

(茶の文化、デザイン) 野菜茶業研究所

(生産、加工の基礎研究)

県茶業研究センター

(生産、加工の応用研究) 茶学総合

研究セン

ター

各分野が連携した

研究の実施

行政・茶業界

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達成状況

魅力あふれる茶文化の創造と世界への発信

ウ 海外との連携、輸出の拡大

(ア) めざす方向(目標)

近年、世界的な健康志向の高まりを受け、海外で日本食やお茶の効能が注目さ

れてきていることから、緑茶の輸出量は年々増加しており、有望な輸出品目とし

て期待されている。

平成 26 年の輸出量は円安の影響もあり、前年に比べ 19.5%増加し、3,516 ト

ンと近年で 大の輸出量となった。現在の主な輸出先は、アメリカ、カナダ、シ

ンガポール、ドイツ及び台湾となっており、品質の高い高級茶やブランド力のあ

る商品の人気が高い。

今後は、和食文化等を活用した新たな需要の創出や、国ごとに異なるお茶の嗜

好に応じた販売戦略の確立等を図るとともに、関係機関と連携した戦略的な輸出

促進の取組を進め、静岡茶の輸出を促進していく。

(イ) 達成状況・取組内容

a 世界緑茶協会による海外茶関連団体との連携、情報収集

茶に関する情報収集と日本茶の情報発信のため、インドネシアで開催された第

21 回国連食料機構・茶に関する政府団体会議(FAO-IGG)や国際茶委員会に出席

し、残留農薬等に関する議論をおこなった。

b JETRO の支援事業を活用した販路拡大、輸出拡大

海外バイヤーを招聘し、菊川市で日本茶の輸出セミナー及び商談会を開催した。

商談会にはアメリカやドイツから4社のバイヤーが参加し、県内等の 32 社と 56

件の商談を行った。

c 海外展示会等を活用した静岡茶PR

シンガポールで開催された日本食品総合見本市「Oishii Japan」において、日

本茶インストラクターによる呈茶や美味しい淹れ方の紹介、機能性の説明等を行

った。見本市には世界緑茶協会の会員2社も共同出展し、バイヤーとの商談や一

般来場者への試飲販売を実施した。

シンガポール「Oishii Japan」における静岡茶PR