規制緩和で関心高まるバイナリー発電...地熱資源量は出力約2340万...

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第一実業が国内に設置した米アクセスエ ナジー製の小型バイナリー発電システム まる バイナリー 【広告特集】 2014年 平成26年 7月24日 木曜日

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Page 1: 規制緩和で関心高まるバイナリー発電...地熱資源量は出力約2340万 バイナリー発電に注目が集まっている。日本は世界有数の火山国で、。その規模は米国、インドネシアに

 バイナリー発電に注目が集まっている。日本は世界有数の火山国で、

地熱資源量は出力約2340万

。その規模は米国、インドネシアに

次いで世界3位だ。発電コストの低い地熱発電はベースロード電源とし

て期待される。2012年に出力300

未満の小型設備ではボイラ

・タービン主任技術者の選任や工事計画の届け出、定期事業者検査など

煩雑な手続きを不要とする規制緩和が行われ、低温小型バイナリー発電

機事業への新規参入も相次いだ。クリーンエネルギーを安価につくり、

賢く使う取り組みはこれからが本番だ。

未利用熱源を有効活用低温小型機開発相次ぐ

IHIの小型バイナリー発電装置

「ヒートリカバリーHRシリーズ」

第一実業が国内に設置した米アクセスエナジー製の小型バイナリー発電システム

規制緩和で関心高まる バイナリー発電

( ) 【広告特集】 2014年 平成26年 7月24日 木曜日   

 バイナリー発電とは工

場の生産プロセスなどか

ら排出される

度―13

0度Cの蒸気・熱水を熱

源とし、水より沸点の低

い液体

代替フロン、ア

ンモニアなど

を加熱・

蒸発させて、その蒸気で

タービンを回す発電方式

次ページに掲載。

二つの熱循環サイクルを

用いて発電することから

バイナリー方式と呼ばれ

る。

 水蒸気発電では使えな

い100度C以下の低温

熱水でも発電できるた

め、従来は捨てられてい

た工場やプラント、廃棄

物処理場などからの未利

用エネルギーを有効活用

できるのが特徴だ。た

だ、地熱資源は開発まで

に長いリードタイムを必

要とし、環境との調和が

不可欠。地熱資源の多く

が国立・国指定公園内に

集中しており、大規模な

地熱発電開発には地元の

理解を含めて開発に時間

がかかる。小規模開発が

可能なバイナリー発電な

らば地域の合意形成が比

較的容易。開発期間も短

い。

 地熱資源開発調査をは

じめとして、さまざまな

政府補助が付けられてい

る。経済産業省は資源エ

ネルギー庁関連事業の一

環で、地方公共団体や温

泉事業者などが行う地熱

有効利用を通じた地域振

興に資する事業支援に向

けた「地熱開発理解促進

関連事業支援補助金」を

設置しており、

年度は

全国

地点を採択。

度は一次公募で

地点を

採択している。

 石油天然ガス・金属鉱

物資源機構

JOGME

年秋、地熱資源

データを取得するため、

九州2地点でヘリコプタ

ーを用いた空中物理探査

を行った。また、地熱資

源開発の2案件に債務保

証を実施。初の対象事業

となったのが福島市の

「土湯温泉バイナリー地

熱発電

発電規模400

」、大分県九重町

の「菅原バイナリー地熱

発電

同5000

。リスク評価にJO

GMECが介在し、地熱

資源開発への資金供給を

円滑にする。

 規制緩和や資金・技術

支援、再生可能エネルギ

ー固定価格買い取り制度

FIT

の対象などを

背景に、全国的に地熱発

電の事業化を探る動きが

広がる。 

 発電機メーカーの技術

開発も急ピッチで進んで

いる。JOGMECが債

務保証する土湯温泉の温

泉バイナリー発電設備を

設計・建設するのがJF

Eエンジニアリング。発

電出力400

の設備

で年間250万

時を

発電する。業務提携する

米オーマット・テクノロ

ジーズ

ネバダ州

の発

電設備を適用。温泉の蒸

気を取り込んで低沸点媒

体を気体にし、タービン

を回して発電する。

 三機工業は

年2月、

中低温廃熱を利用した小

型バイナリー発電設備を

発売すると発表した。サ

ンワテクノスと共同で進

めてきた旭硝子京浜工場

内の中低温廃熱を利用し

た125

の小型バイ

ナリー発電設備の実証試

験で性能を確認。発電端

出力125

%と

高い発電効率を実現す

る。135度―250度

Cの中低温廃熱を利用す

るバイナリー発電システ

ムを

年度までに5件受

注するのが目標だ。

 アネスト岩田は空気圧

縮機や真空ポンプにおけ

るスクロール技術を応用

し、温泉や工場排水など

から発電できるスクロー

ル膨張機搭載小型バイナ

リー発電装置を開発し

た。

度C未満の低温温

水から発電可能だ。

 IHIは

年8月に最

大送電端発電出力

の「ヒートリカバリー

HRシリーズ」を発売

し、初号機を福島ミドリ

安全

福島県郡山市

ら、2号機を焼却炉メー

カーのキンセイ産業

馬県高崎市

から受注す

るなど、順調に実績を重

ねている。6月には「会

津高原リゾート地域熱源

供給実証事業」向けに納

入した初号機が稼働。実

証事業は福島ミドリ安全

が林野庁から受託し、目

標値は年間燃料削減コス

ト約1200万円、二酸

化炭素

CO2

削減量

780

。5施設に木質

バイオマスボイラから熱

が供給され、そのボイラ

の熱を利用してバイナリ

ー発電装置を動かす。

 第一実業は米アクセス

エナジーと小型バイナリ

ー発電装置の地熱・温泉

業界向け販売代理店契約

ならびに国内での独占的

製造権、東南アジアでの

装置販売権を取得した。

年4月までに製造を始

める予定だ。従来は国内

の焼却設備市場向けの販

売代理店契約だった。第

一実業は国内外の地熱・

温泉、焼却廃熱、工場排

熱などの未利用熱エネル

ギー分野で

年に年産1

00機を目指す方針。第

一実業が取り扱う装置

は、すでに世界で200

台以上の納入実績がある

という。

 北海道弟子屈町の摩周

湖温泉のバイナリー発電

プロジェクトでは、ゼネ

シス

東京都中央区

開発した装置が経済産業

省から北海道で初の温泉

熱を利用したバイナリー

発電設備として再生可能

エネルギー発電設備認定

を得た。周辺分譲地での

温泉利用しかされてこな

かった毎分500

度Cの高温温泉を有効利

用して

の発

電を行う。