大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施...

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大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施の意義 及び結果のコンディショニングへの活用 川上 1) ,寺田和史 1,2) ,岩山海渡 1,2) ,山本大輔 1,2) ,伊東裕之 3) ,松尾収二 3) ,神谷宣広 1,2) The significance of serum biochemistry tests for all athletes in a university track and field club and application of test results to conditioning Toru Kawakami 1 , Kazufumi Terada 1,2 , Kaito Iwayama 1,2 , Daisuke Yamamoto 1,2 , Hiroyuki Ito 3 , Shuji Matsuo 3 , Nobuhiro Kamiya 1,2 Keywords bloodbiochemical testtrack and fieldlifestyle habitcondition 血液,生化学的検査,陸上競技,生活習慣,コンディション Abstract [Aims] In this study, hematological and biochemical tests were attempted on all university track and field athletes by giving financial support. This study further aimed to explore the laboratory findings of university track and field athletes competing in different events and investigate whether these were helpful indicators for conditioning. [Methods] Seventyseven university track and field team athletes (57 men and 20 women) in 1 st division in Kansai region of mean age 19.8+1.2 years included in the study were tested on 28 hematological and biochemical parameters. They were also surveyed with questionnaires on lifestyle habits, training menu for the last week, dietary and supplement intake and their history as competitive athletes. After completion of tests, we distributed documents with advice reflecting test results to the subjects. Similar tests and a questionnaire survey were carried out six months later. [Results] Abnormal values were found in over 20% of those tested in males and females. There were sex differences in many parameters. In males, high values of urea nitrogen in athletes of throwing events, and in women, somewhat low values of red blood cell were found in athletes of combined events. Furthermore, among males, significantly high values of glucose and low values of alanine aminotransferase were found among athletes taking proteins. When comparing the first and second test values, 1) 天理大学大学院体育学研究科 2) 天理大学体育学部 3) 天理よろづ相談所病院臨床検査部 1.Graduate School of Physical Education, Tenri University 2.Faculty of Budo and Sport Studies, Tenri University 3.Department of Laboratory Medicine, Tenri Hospital 天理大学学報 254 125,2020

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大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施の意義及び結果のコンディショニングへの活用

川上 徹1),寺田和史1,2),岩山海渡1,2),山本大輔1,2),伊東裕之3),松尾収二3),神谷宣広1,2)

The significance of serum biochemistry tests for all athletes

in a university track and field club

and application of test results to conditioning

Toru Kawakami1, Kazufumi Terada1,2, Kaito Iwayama1,2, Daisuke Yamamoto1,2,Hiroyuki Ito3, Shuji Matsuo3, Nobuhiro Kamiya1,2

Keywords

blood, biochemical test, track and field, lifestyle habit, condition血液,生化学的検査,陸上競技,生活習慣,コンディション

Abstract

[Aims] In this study, hematological and biochemical tests were attempted on all

university track and field athletes by giving financial support. This study further

aimed to explore the laboratory findings of university track and field athletes

competing in different events and investigate whether these were helpful

indicators for conditioning. [Methods] Seventy―seven university track and fieldteam athletes (57 men and 20 women) in 1 st division in Kansai region of mean age

19.8+1.2 years included in the study were tested on 28 hematological and

biochemical parameters. They were also surveyed with questionnaires on lifestyle

habits, training menu for the last week, dietary and supplement intake and their

history as competitive athletes. After completion of tests, we distributed

documents with advice reflecting test results to the subjects. Similar tests and a

questionnaire survey were carried out six months later. [Results] Abnormal values

were found in over 20% of those tested in males and females. There were sex

differences in many parameters. In males, high values of urea nitrogen in athletes

of throwing events, and in women, somewhat low values of red blood cell were

found in athletes of combined events. Furthermore, among males, significantly

high values of glucose and low values of alanine aminotransferase were found

among athletes taking proteins. When comparing the first and second test values,

1) 天理大学大学院体育学研究科2) 天理大学体育学部3) 天理よろづ相談所病院臨床検査部

1.Graduate School of Physical Education, Tenri University2.Faculty of Budo and Sport Studies, Tenri University3.Department of Laboratory Medicine, Tenri Hospital

天理大学学報254: 1―25,2020

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Ⅰ.はじめに

「Conditioning(コンディショニング)」とは,現在のコンディションと目標とするコンディションとの間のギャップを最小化するプロセスと定義できる57)。このコンディショニングを行うには,数多くの手段が存在する。例えば,高濃度人工炭酸泉浴,交代浴,クライオセラピー,鍼灸・マッサージ,ストレッチングなどのリカバリー17,18,29,30,56,58),食事面からの積極的・受動的サポート14)や骨格筋機能向上59)などの栄養学的アプローチなどが挙げられる。その他,従来,試合時にピークコンディションを作るために行われているものとしてテーパリングがあり,これはトレーニングの負荷強度を調節することで,体調の維持・向上を狙う手法である18)。また,適切なコンディショニングを行うには,当該選手のその時点のコンディションを的確に把握することが必要となる52)。整形外科的あるいは内科的メディカルチェック47,48),筋力,持久力などの水準を評価するコントロールテスト・パフォーマンス測定20),身体組成18),柔軟性や可動域の評価43),心拍変動解析などを用いた自律神経機能検査11),唾液の分析1,54),尿の分析55),栄養摂取状況の確認24)

など,その手段は枚挙に暇ないが,いずれも仮に日常のトレーニング現場で行うには相当の準備や時間,コストがかかるものである。したがって,一般的には,つまるところ選手や指導者の主観に頼った,あるいは競技会出場等の状況に至っては,勝敗や競技成績の良し悪しにより,コンディションの評価・把握

が行われていることが多い28)。しかし,コンディショニングはスポーツパフォーマンスの発揮にとって重要であり,コンディションを把握するいろいろな術を可能な限り開発するなどして,様々な環境で利用できるようにし,さらにそれらを普及させることは,スポーツや身体活動を行う全ての者にとって極めて有益となる。コンディションの把握手段の中でも,とりわけ血液・生化学検査は,選手の医学的状態あるいは健康状態,トレーニング効果の確認,またはトレーニングなどによる身体への負担や疲労度,睡眠,食事や嗜好品摂取状況などの生活状態等の把握など様々な目的に対して有用であり,これらのチェックのために血液・生化学検査を定期的に利用している選手もいる4,23,53)。また,一度の採血さえ行われれば,その後の系統的な分析作業によって,その他の生理・生化学的指標,心理的指標等と比較しても膨大な情報が簡便に手に入れられることは,血液検査の大きなメリットであるとも言える23)。ただし,従来その用例のほとんどは,女性アスリートや持久的競技選手の貧血を早期発見・予防することを主眼としたものであり10,19,32,33,44,62,63),且つ,今のところ血液・生化学検査を頻繁に受けることができるのは,費用や時間の工面などのコストが負えるトップアスリートなどに限られる23)。女性あるいは持久的競技以外の種目で,運動負荷など何らかの急性あるいは慢性影響の条件下においてではなく日常の血液性状をみた研究は,大学ラグビー選手の栄養摂取状況と血液性状の関係を検討したもの12),大学アメ

test items with changes in values were recognized. When we examined the

relationship between subjective condition and examination value using

Spearman's rank correlation coefficient, correlation was found between several

items in both males and females. [Conclusions] Varied data can be obtained

through conducting multi-parameter hematological and biochemical testing on all

athletes in university track and field teams ; thus, suggesting that this may be

helpful for health management of athletes in the future.

2 大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施の意義及び結果のコンディショニングへの活用

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リカンフットボール選手の BMI増加と血液検査所見との関係をみたもの26),ウエイトリフティング選手と非運動者の血液性状を比較したもの51)など散見されるにとどまり,これまで他のほとんどの競技種目ではそのようなデータは得られていない23)。一方で,血液・生化学検査を行うには当然ながら採血が必要であり,医療機関に出向くなどの手間が要ることや,仮に検査項目数を増やすなどを行った場合,とりわけ高額な費用負担が生じる等,多大なコストがかかることが指摘される。そのため,これまでに現場レベルでも研究レベルでも多項目を採用して検査を行い,その検査結果を用いて何らかの検討を行った報告は少なく23),さらにそれを複数回行うなどによる検証方法をとった研究は見当たらない。しかし,短期間の疲労に関する血液検査の実施に対して,選手やコーチの期待が高いという調査報告もなされており7),且つ,上記のように採血の負担だけで選手のコンディションに係る膨大な情報が簡便に手に入れられることから,将来的に血液・生化学検査をコンディショニングの指標として活用することを希望する関係者は少なくないと考えられる。他方,陸上競技は個人で行う記録競技であり,身体パフォーマンスの発揮の度合いが時間や距離などの記録,すなわち競技力に直結するため,コンディショニングを成功させることは競技成績の向上にとって必要不可欠である。そのため,より客観的なコンディションの把握が必須であり,その方法の一つとして,先述の血液・生化学検査が一部で用いられている。しかし,これまで述べているように選手への負担やコストがかかることから,女性選手や持久的競技選手の貧血の診断評価など,今のところ目的を限った使用にとどまっている10,19,32,33,44,62,63)。つまり中・長距離選手や一部の女性選手以外の競技種目の選手が検査を受ける機会はほとんどなく,また一般的に健康診断や疾患の早期発見などの様々な

目的で用いられているその他の種々の検査項目は,残念ながら他競技と同様に,陸上競技選手のコンディションの把握方法としても広く活用されておらず,当然それらがコンディション把握に有用かどうか検討した研究も行われていない。無論,多数の陸上競技選手に期間を空けて複数回の検査を行い,その値を比較するなどの幅広いデータの収集に基づく手法を用いた研究は皆無である。このように,これまで陸上競技選手を対象に,多項目の血液・生化学検査を複数回実施し,その結果を観察及び比較した研究は認められず,果たして陸上競技選手の日頃のコンディションや生活を検査値が反映するかどうかについても定まった知見が無い。そこで本研究では,試験的に経費のサポートを行ったうえで大学陸上競技部全選手を対象とした多項目の血液・生化学検査を実施し,大学陸上競技選手の血液性状の現状を探るとともに,その結果をコンディションニング指標として役立てることができるか明らかにするための,基礎的資料を収集することを目的とした。

Ⅱ.方 法

1.研究方法の概要本研究では,まず,T大学陸上競技部全体

に対して,採血による多項目の血液・生化学検査及び体組成計による測定(1回目検査)を実施し,大学陸上競技選手の性別,競技パート別等による検査値及び検査結果の特徴,ならびに,いくつかの生活習慣,トレーニング習慣等と検査値との関係を検討することとした。また,検査結果を対象者にフィードバックする機会が得られたため,期間を空けて再度,同様の項目による検査・測定(2回目検査)を実施し,1回目検査からの検査値の変動を確認することで,フィードバック介入を含めた期間経過の影響を検討した。さらに,2回目検査の機会を利用して,選手の主観的コンディションと検査値との関係を検討

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し,検査値がコンディション把握にどのような意義を持つか検証を試みた。

2.対象対象は,関西地区1部に所属する T大学

陸上競技部の男子57名,女子20名の計77名(年齢19.8±1.2歳)とした。競技パート別の人数内訳は,男子が短距離23名,長距離2名,跳躍13名,投擲16名,混成3名,女子が短距離8名,長距離0名,跳躍6名,投擲4名,混成2名であった。研究に先立ち,対象者に対して本研究の目的,研究の内容及び個人情報の取り扱いについての説明を書面および口頭で十分に行い,研究参加にあたり文書により同意を得た。なお,本研究は,天理よろづ相談所病院倫理審査委員会(第744号)及び天理大学研究倫理審査委員会(H30―009)の承認を得て行った。

3.採血および検査の実施血液・生化学検査については,1回目検査として,トレーニング期分けにおける試合期終了後で冬季の準備期に移行する時期である11月下旬の午前中に実施した。また,約半年後の翌年6月中旬に,2回目検査として同様の検査を行った。2回目検査の実施時期は,5月初旬の地区インカレが終了し,次の試合期(7月初旬)に移行する短い準備期に相当する時期であり,トレーニング期分けにおいて1回目検査時とある程度性格が似通った期間であった。なお,検査は採血後1時間以内に実施した。選手の日常的な活動時のコンディションを評価する目的で,また,競技パフォーマンスの発揮やトレーニング活動及び生活活動に差支えが出ないよう,採血の前に食事やトレーニングについての統制は特に行わなかった。

4.血液・生化学検査項目血液・生化学検査として,国立スポーツ科学センター16)及び西別府病院スポーツ医学セ

ンター6)で実施されている項目を基準に,下記の28項目を選んで実施した。採血及び臨床検査は,天理市の天理よろづ相談所病院に依頼して行った。なお,検査にかかる費用の全ては,研究実施者が負担した。具体的な検査項目は,赤血球数(RBC),ヘモグロビン量(Hb),平均赤血球容積(MCV),平均赤血球ヘモグロビン量(MCH),平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC),血清鉄量(鉄),白血球数(WBC),血小板数(PLT),尿素窒素量(UN),クレアチニン量(Cr),血糖量(Glu),総蛋白量(TP),乳酸脱水素酵素(LD),アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST),アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT),アルブミン量(ALB),グロブリン量(GLB),血清クレアチンキナーゼ(CK),アルカリフォスファターゼ(ALP),コリンエステラーゼ(ChE),γグルタミルトランスペプチダーゼ(γGT),高比重リポタンパク質コレステロール量(HDL),低比重リポタンパク質コレステロール量(LDL),血清ナトリウム濃度(Na),血清カリウム濃度(K),血清塩素濃度(Cl),血清カルシウム濃度(Ca),血清無機リン濃度(P)とした。

5.検査の判定基準の設定検査値の判定には,血液生化学検査を行った天理よろづ相談所病院で一般成人に用いられている基準範囲に加え,女子のいくつかの項目については,西別府病院スポーツ医学センターで女子アスリートに用いられているアスリート基準値6)を用いた。すなわち,基準範囲あるいはアスリート基準値の範囲内にあれば「正常」,逸脱していれば「異常」と判定した。

6.体格・体組成体格・体組成として身長をアナログ身長計で,体重,体脂肪率,筋肉率をインピーダンス体組成計(高精度体成分分析装置 InBody,

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インボディ・ジャパン)で測定した。

7.1回目検査時の質問紙調査1回目検査時の過去1週間のトレーニング内容,食事やサプリメントの摂取状況,及び,競技歴等を簡素な自記式質問紙により調査した。

8.1回目検査後のフィードバック1回目検査終了後から数日後に,対象者個人毎に各検査項目の判定結果及び検査結果を踏まえた,主に食習慣に関するアドバイスを記したメモを,簡易なフィードバックとして配布した。フィードバックの内容は,上記の質問紙調査に基づいて,検査結果に影響を及ぼしていると考えられた食習慣を是正し,理想的な食習慣となるよう行動変容を促すための指導とした。

9.2回目検査時の質問紙調査1回目検査の後のフィードバックの内容が理解できていたかなどについて,また,検査時の主観的コンディションの程度等について,自記式質問紙により調査した。主観的コンディションの程度は,横型100mmの Visualanalogue scale(VAS)により測定した。

10.統計処理1回目検査で得られたデータに対しては,個人毎に検査値を基準値に当てはめ,基準値内の場合は正常値,逸脱している場合は異常値としてカウントした。各検査・測定値については,まず記述統計を行い,本研究の対象者における検査値の特徴を概観した。検査値の性差をみるために,対象者全員を対象として対応の無い t検定を行った。また,競技パートによる検査値の比較を行うために一元配置分散分析を用い,さらに多重比較検定として Tukey HSD法を用いた。生活習慣が検査値に与える影響を比較するため,各生活習慣の有無により群分けを行えた場合には,それ

ら2群の検査値を,対応の無い t検定を用いて統計学的に比較検討した。2回目検査で得られたデータに対しては,1回目検査の値と比較するために,Wilcoxonの符号付き順位和検定を用いて,両群間の統計学的差異を検討した。質問紙の回答については単純集計を行い,また,主観的なコンディションの程度と検査値との関係を検討するために,Spearmanの順位相関係数を用いた。統計解析ソフトには IBM SPSS Statistics

25(IBM)を用いた。有意水準は5%とした。

Ⅲ.結 果

1.1回目検査に関して男子では UN,LD,AST,ALP,γGT,CKで(表1),女子の一般基準値では鉄,Cr,Glu,AST,CKで,女子のアスリート基準値ではHb,Glu,CKで,それぞれ基準値の範囲に入らなかった率が2割を超えた(表2)。また,28項目中16項目で,男女間の検査値に統計学的な差異が認められた(表1,2)。競技パート間の検査値を比較するために,男女別に一元配置分散分析及び多重比較を行った。なお,男女ともに中・長距離パート及び混成パートの人数が,然るべき統計学的検定を行うに満たない数であると考えられたため,解析対象グループから除外した。すなわち,男女ともに短距離,跳躍,投擲パート間での解析とした。なお,女子では各パート群とも人数が少ないが,検査値自体は,理論上,正規分布データであるとみなし,少数ではあるがパラメトリックデータとして解析を行った。表3と表4に,男女別に,一元配置分散分析で3群間に有意差のあった項目のみ抜粋して示した。有意差のあった項目における多重比較の結果,男子では,投擲パートで他の2つのパートと比較して,UN,体重,体脂肪率で有意に高い値,筋肉率で有意に低い値が認められた。また,同じく投擲パートでは,

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短距離パートと比較して LD,ALT,ChEで高い値が認められ,跳躍パートと比較してTP,Caで低い値を示した(表3)。一方,女子においては,投擲パートでは短距離パートと比較してMCH,ALB,Caが,跳躍パートと比較してMCHが低い値を示した。また,同じく投擲パートでは体重,体脂肪率が短距離,跳躍の両パートと比較して高い値を示し,筋肉率では跳躍パートと比較して低い値となった(表4)。男子において,日常的なプロテインパウ

ダー摂取の有無による群分け(プロテイン摂取群18名 vs.プロテイン非摂取群39名)が行えたため,それらの群間で各検査項目の値を比較したところ,プロテイン摂取群で有意なGluの高値及び ALTの低値が認められた(表5)。対象者全員に対して,1回目検査終了後に検査データおよび判定結果と合わせて,個人毎の検査結果を反映した,食事やサプリメントの取り方を含む生活習慣改善についてのアドバイスを添えたメモを配布した。なお,質問紙により検査前日に行っていたトレーニングの内容を調べたところ,全対象者77名中66名が何らかのレジスタンストレーニングを行っていた。

2.2回目検査に関して2回目検査を行うに際し「前回の血液検査の結果は理解できましたか?」という設問によって1回目検査の結果が理解できたかどうか問うたところ,2回の検査を受けた62名中57名(92%)が「よく理解できた」または「ある程度理解できた」と回答した。1回目と2回目の検査値を比較するために,Wilcoxonの符号付き順位和検定を用いたところ,男子(n=42)では1回目と比べ2回目でMCH,MCHC,Cr,ALB,Clが有意に上昇,PLT,UN,ALT,CK,Na,Kが有意に下降した(表6)。また,体脂肪率は上昇,筋肉率は下降した。同様に,女子(n

=20)では CK,Na,Caに値の違いがみられ,いずれも1回目に比べ2回目で下降した(表7)。男子において,質問紙の項目と検査値との関係を,Spearmanの順位相関係数を用いて検討したところ,「前回の血液検査の結果は理解できましたか?」という問いと GLBとの間に正の相関が,「前回の血液検査を受けたことは,自分にとって良かったと思いますか?」という問いと Pとの間に負の相関が,「前回の血液検査を受けたことで,コンディションや体調に良い影響がありましたか?」という問いと Gluとの間に負の相関がそれぞれ認められた。すなわち,前回の血液検査の結果が理解できていないと答えた選手ほどGLBの値が高く,前回の血液検査を受けたことで,コンディションや体調に良い影響があったと答えた選手ほど Gluの値が低かった。同じく男子において,VASにより測定した主観的なコンディション等と検査値との関係を,Spearmanの順位相関係数を用いて検討したところ,「現在の筋肉痛の程度」とMCHC及び Gluとの間に正の相関が認められ,「現在の疲労感」では Naとの間に,また「ここ1週間の疲労感」でも同じく Naとの間に正の相関関係がみられた。「現在の活力」との間においては,MCV,MCH,UN,HDLとの間に正の相関が,RBC,Hbとの間に負の関係性が認められた。「ここ1週間の活力」については,ALB,ALP,CK,HDLとの間に正の相関が,RBC,Hb,GLBとの間に負の相関関係がみられた。「現在の練習意欲」では,MCV,MCH,ALB,LD,ALP,CK,HDLとの間で正,RBC,Hbとの間で負の相関関係が認められた。「ここ1週間の練習意欲」では,Cr,ALB,LD,AST,ALP,CK,HDLとの間で正,GLBとの間で負の相関がみられた。「現在の調子」との間には,ALB,LD,CKで正の,MCHC,ChEで負の相関が認められた。「ここ一週間の調子」

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では,LD及びγGTとの間に正の,MCHCとの間に負の相関がみられた。「現在の体調」では,WBC,Na,K,Pとの間に負の,「ここ一週間の体調」では PLT及びWBC,Kとの間に負の相関が認められた。また「昨日の主観的練習量」と Kとの間に負の相関がみられた(表8)。女子における質問紙の項目と検査値との関係については,「前回の血液検査の結果は理解できましたか?」という問いと Crとの間に正の,「前回の血液検査を受けたことは,自分にとって良かったと思いますか?」という問いとMCHとの間に負の,「1日の平均睡眠時間」と ALPとの間に正,LDLとの間に負の相関関係がそれぞれ認められた。女子の VASにより測定した主観的なコンディション等と検査値との関係については,「現在の筋肉痛の程度」と ALBとの間に正の,GLBとの間に負の相関が認められた。「現在の疲労感」では UNとの間に正の相関関係がみられた。また,「ここ1週間の活力」については,CKとの間に正の,鉄との間に負の相関関係がみられた。「現在の体調」では RBCとの間に正の,「昨日の主観的練習量」と Kとの間に正の,「ここ1週間の主観的練習量」と PLTとの間に正の,WBCとの間に負の相関がそれぞれ認められた(表9)。その他の質問紙の項目については,統計学的検定の実施に耐えうる回答割合とならなかったため,解析対象から除外した。なお,1回目から2回目までの検査全体を通して,参加者に有害事象は発生しなかった。

Ⅳ.考 察

我々は,試験的に経費のサポートを行ったうえで大学陸上競技部全選手を対象とした血液・生化学検査を実施し,大学陸上競技選手の血液性状の現状を探るとともに,その結果をコンディションニング指標として役立てることができるか明らかにするための,基礎的

資料を収集することを目的として本研究を遂行した。1回目の血液・生化学検査の結果では,男子で UN,LD,AST,ALP,γGT,CK,女子の一般基準値で鉄,Cr,Glu,AST,CK,女子のアスリート基準値で Hb,Glu,CKが,それぞれ異常値を示す選手が多かった項目となったが,これらの項目がこの時期の大学陸上競技選手の血液性状の特徴を表している可能性が考えられる。特に,CKは男女ともに高値を示す選手が多い項目となったが,これには運動の様式や強度,運動のタイミングが影響しており23),多くの選手が冬季トレーニングに入る準備期初期でのレジスタンストレーニングを検査前日に行っていたことと関連するのではないかと考えられた。LD,AST,γGTは肝臓,心臓,腎臓,骨格筋,赤血球などの細胞に広く存在しており,CKと同様,骨格筋のダメージがその値に反映しているものと考えられた35,36)。UNと Crに関しても基準範囲よりも高い傾向にあった49,50)。また,Gluが異常値となった選手では,一般的な理由として食事の影響が考えられるが,本研究では選手の日常の負担を考え詳細な食事調査を行っていないことから,その因果関係は不明であった。UN値の上昇についても,高タンパク質の食事や脱水によって引き起こされることから,食事や栄養摂取状況の影響を受けていることが予測される。また,運動を行うことで筋破壊が生じることによるアミノ酸の分解でも値の上昇がみられることから,CKやその他の酵素と同様に,検査前日のレジスタンストレーニングが原因となっている可能性が考えられた7,35)。女子では,鉄,Hb,Gluなどに異常値が多く認められた。無論,男子アスリートと比較して,女子アスリートでは一般に貧血傾向を呈する選手が多く認められるが13),本研究の対象となった大学陸上競技選手でも,その傾向が示される結果となった。1992年にアメリカスポーツ医学会は,女性アスリートが避けるべき兆候として,無月経・摂食障害・骨粗鬆症の

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3つを挙げているが61),それらは相対的なエネルギーの不足が原因の一つであると考えられている31)。女子では Gluの低値が5名に認められており,実際にエネルギー不足を露呈している選手もみられることから,この問題を解消するためには,該当者に対する食事方法の改善,特にエネルギー摂取状況の最適化が必要であることが示唆される。競技パート間の検査値を比較するために,男女別に一元配置分散分析及び多重比較を行った。その結果,男女とも,他の2つのパートと比較して,特に投擲パートで値の違う項目が多数みられた。まず,男子では,投擲パートでは短距離パートに比べ肝機能に関連する ALT,ChEに高い値が認められたことから,何らかの原因で肝機能低下が生じている選手が存在する可能性が示唆された。なお,ALTの異常高値を示した男子3名中2名は投擲選手であった。さらに男子投擲パートでは,LDの高値も認められた。LDの各臓器における存在比は,骨格筋が最も多く,次いで肝,心となる27)。先述の肝機能低下の疑いに加え,投擲パートの採血前日から過去1週間の練習内容を確認したところ,レジスタンストレーニングが他のパートに比べ比較的多かったことから,エキセントリックな筋収縮による骨格筋破壊がその要因の一つとなったことが考えられた5)。体内においてタンパク質は筋肉や内臓などの主たる構成成分であることから,アスリートでは筋肉増強のために必要なタンパク質を十分に摂取しなければならない8)。TPが跳躍パートより低かったことからは,投擲選手は跳躍選手に比べてタンパク質摂取が十分でない可能性が考えられた。なお,TPの低下についてはその他さまざまな理由が考えられ,それらを一つに絞ることは本研究で得られた情報からは困難であった。Caは人体においてもっとも多く存在するミネラルである。99%以上は骨,歯の形で貯蔵されており,血中に存在する Caは,筋収縮や血液の凝固などに深い関わりがある42)。投

擲パートは2回目検査の前日までに他のパートと比較しても高頻度でレジスタンストレーニングを行ったと考えられることから,頻回の筋収縮による筋損傷に伴って筋細胞内から細胞外への Caの流出が生じ,その結果,血中の Ca上昇がみられた可能性が示唆された。なお,投擲パートでは,体重,体脂肪率が他のパートと比較して高く,筋肉率が低かったが,これは重量物を投擲するという競技特性に関連する結果であると考えられるものの,一方で,陸上競技部に所属する男子投擲選手を対象とした他の研究では,研究参加者の体脂肪率は平均14%程度であり33),本研究の対象者よりもかなり低いことから,T大学陸上競技部の男子投擲パートの該当する選手においては,食事内容を考慮することなどによって体組成の改善を試みる必要性があるかもしれない。また男子において,日常的にプロテインパウダーを摂取している群で有意な Gluの高値及び ALTの低値が認められた。Gluの高値の原因として,しばしば味を調えるために,あるいは,アミノ酸の取り込みや37),筋合成及び筋分解抑制を促すためのインスリンの分泌を目的として添加されている糖質の影響が疑われる。ALTは心筋や骨格筋にも含まれるが,その約10倍の量が肝細胞の細胞質に分布しており,血清中の酵素の中では肝細胞の炎症や損傷に最も特異性が高いと考えられている。したがって,プロテインパウダー摂取群で ALTの値が低値であったことは,プロテインパウダーの摂取が,主に肝細胞や,ある程度の範囲で筋細胞に対する保護に働く可能性を示唆するものと考えられた34)。これらのことから,陸上競技選手がプロテインパウダーによってタンパク質・アミノ酸等の摂取を図ることは,筋肥大や肝臓の保護を期待できる可能性があるものの,反面,頻回に摂取すると添加されているブドウ糖やデキストリンによって高血糖を引き起こす懸念の生じる可能性があり21),すなわちタンパク質の摂取

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については,望ましくはプロテインパウダーなどのサプリメントに頼らず,通常の食事の中で賄うことが必要であると考えられる。女子のパート別の比較でも,短距離パートと比較して投擲パートで Caの値が低く,これは男子と同じ理由であると推察された。同様に投擲パートでは他のパートと比べMCHが低値であったが,MCHの低値は貧血傾向を表すものであるため,食事の改善による対処の必要性が示唆される。ALBに関しても,短距離パートと比較して投擲パートで低値が認められた。ALB低値にはある程度慢性的なエネルギー摂取不足という臨床的意義があるが,一方で,ALB低値に該当する選手には体格に変化が認められず,すなわちエネルギー摂取不足により生じた臨床的変化は認められなかったことから,その理由については不明であった。1回目の血液検査の結果が「よく理解できた」または「ある程度理解できた」と回答した選手は62名中57名(92%)であり,高率となった。これには,フィードバックを目的として配布した資料の影響が考えられ,1回目検査後の介入は,生活習慣等の是正,行動変容を促すフィードバックとしての機能を期待できる可能性が示唆された。風見ほか(2014)のスポーツ選手を対象とした調査では,貧血気味な傾向にある選手が多くみられ,またCK,LD,ASTの高値などがみられたため,検査結果のフィードバックによる介入を行うことで,食事への知識を増やし,また,選手一人一人が食への関心を持ち自ら行動をしてもらうきっかけを作る効果が期待できるとした。ただし,食事からのエネルギー及び栄養素の摂取量は,介入前後で変化がなかったとも報告しており,実効性のある方法については考慮が必要である。なお,アスリートは栄養サポートを必要とする集団であり,コンディションの維持に栄養機能食品を用いた介入は有効な手段の1つであるとも述べていることから(風見ほか,2014),安全性を確保し

たうえでサプリメント等の有効利用を考える必要性も示唆される。1回目と2回目の検査値を比較すると,男子ではMCH,MCHC,Cr,ALB,Clが有意に上昇,PLT,UN,ALT,CK,Na,Kが有意に下降し,体脂肪率は上昇,筋肉率は下降した。男子で上昇したMCH,MCHCは1回目検査ではそれぞれ異常低値が2名と3名存在したなど,全体的にも低値傾向にあったことが考えられる。長期間の運動・トレーニングに伴い赤血球や Hb,ヘマクリット値及び血清鉄の濃度は減少することが報告されており3),本研究における1回目検査の結果は,長いシーズンを経て再びトレーニング期に突入した時期の血液性状を示していたと考えられ,それが2回目検査で正常に近づいたことから有意な値の上昇を示したものと推察された。ALBの減少の臨床的意義の一つにはエネルギー不足があり,1回目と比較して2回目検査ではエネルギーの充足状況が改善したことも考えられたが45),その明確な理由は不明であった。また,ALBの増加により ALBと GLBの比であるいわゆる A/G比は上昇するが,炎症やオーバートレーニングが生じている場合 A/G比は著しく低下することから,2回目検査時にはトレーニングなどによる全身的な炎症等はあまり生じていない状態であった可能性がある。Crの増加については,Crが ATP再合成に伴う代謝物であることから,身体活動の増加を示すという側面と,腎でのクレアチニンクリアランスに問題のある可能性という2つの側面があり,つまり臨床病理学的に問題となる場合としては腎機能の低下が示唆されることから50),この時期のコンディショニングをするうえで注視すべき項目である。ただし,腎排泄の多少によって変動する可能性もあり,陸上競技選手における検査値の意義を明示するには,今後もさらに検討を進めていく必要性がある。Clの上昇は Naとのバランスを含めてみる必要がある。Na/Cl比の低下は体水分量の

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増加を示すことが多いとされるが40),いずれの選手も基準範囲にとどまっていた。下降した項目については,2回目検査時には試合が近づきコンディショニングを行っていた選手もいたことが考えられるため,PLT,UN,ALT,CKといった,肝機能やトレーニングに影響を受けやすい項目38)で1回目検査と比較して値の下降がみられたのではないかと考えられ,すなわち1回目検査時と2回目検査時を比較した場合,男子全体のコンディションは2回目検査時の方が良好であったことが示唆される。女子では,CKの低下が認められたが,これは2回目検査時では1回目検査時と比較して,レジスタンストレーニングによる筋破壊の程度が穏やかであったことが示唆され,2回目検査時には筋コンディションとしては良好であったことを示すものであると考えられる5)。Naや Caの微細な低下についての詳細な原因を明示することは難しいが,一部として季節変動による体水分量の変化などが影響しているものとみられる39,40,42)。質問紙の項目と検査値との関係について,男子では「前回の血液検査の結果は理解できましたか?」という問いと GLBとの間に正の相関が,「前回の血液検査を受けたことは,自分にとって良かったと思いますか?」という問いと Pとの間に負の相関が,「前回の血液検査を受けたことで,コンディションや体調に良い影響がありましたか?」という問いと Gluとの間に負の相関がそれぞれ認められた。GLBは ALBと合わせて検査結果として用いられることが多く,いわゆる A/G比として用いられる。先述のように A/G比は ALBと GLBの総量の比を表したもので,GLB増加による A/G比の低値は炎症の存在を示唆するものであることから45),検査結果を理解していない選手ほどフィードバックが働かずにケアを怠るなどの結果,何らかの身体組織の炎症が生じている可能性が考えられた。Pは Caと同様に,骨ミネラルの重要な

構成成分である。生体内の陰イオンの1つであり,細胞膜や核酸の構成成分,ATPなどの高エネルギーリン酸化合物の成分として大変重要である。Pの低値は腎排泄の増加によって生じることがあるが,質問項目との関連性は不明であった。次に,前回の血液検査がコンディションに良い影響をもたらしたと感じていない選手で Gluの高値がみられたことについて,一般に,慢性的な血糖値の上昇にはストレス,暴飲暴食,肥満,運動不足などいわゆる生活習慣が関係することから,検査結果によるフィードバックの効果が及ばなかった選手ほど,良い生活習慣の維持向上が図られなかったのではないかと考えられた25)。同じく男子において,主観的なコンディ

ションと検査値との関係について「現在の筋肉痛の程度」とMCHC,Gluとの間に正の相関が認められた。MCHC増加と筋痛の発生との関係性について解釈することは難しいが,Gluの高値で筋痛がみられることについては,食事など生活習慣の不良とともに,ケア不足などのコンディショニング不良がある選手については,それらが同時に起きていることで,交絡的に関係性が出現したものではないかとも考えられるが,一方で,筋痛を呈していた選手のほとんどが投擲パートに所属していたことから,本研究の対象においては投擲パート所属者の高血糖に注意する必要性が示唆された。「現在の疲労感」「ここ1週間の疲労感」の高い選手は Na高値であったが,Naの高値は,通常,体水分の喪失により生じることから,水分摂取不足が疲労感を助長していることが考えられた40)。「現在の活力」「ここ1週間の活力」「現在の練習意欲」との間においては,多くの項目で関係性が認められ,特に RBC,Hb,MCV,MCHなどの赤血球,血色素関連との関係性が認められた。RBC,Hbが低値,MCV,MCHが高値の選手ほど活力や意欲があるという結果であるが,RBC,Hbの低値はもちろんのこと,MCV,MCHの高値についてもビタミン B12や葉酸

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欠乏による巨赤芽球性貧血に関係する所見であることから21),活力や意欲の高まりと血中の酸素運搬能におけるコンディションとはその内容が相反しており,自覚的なコンディション把握と実際の身体コンディションの状況には乖離のあることが明らかとなった。したがって指導者は,積極的にトレーニングを行う選手には貧血のリスクがあることを認識し,それに対処する手段を講じなければならないと考えられる。「現在の活力」と UNとの間には正の相関が認められたが,UNの上昇は高タンパク食の摂取やタンパク質の摂取増加によってもたらされるため49),食事の影響が考えられる。ただし,本研究では詳細な食事調査を行っていないことから,その因果関係は明示できない。「現在の活力」「ここ1週間の活力」「現在の練習意欲」「ここ1週間の練習意欲」等,全体としてトレーニングへの態度やモチベーションを反映すると考えられる項目については,CKや LD,ASTや ALP,HDLとの間に正の相関関係が認められた。CKや LDの上昇は,既述のとおり通常では筋細胞の破壊の程度を示すと考えられている5,34,35)。ALTについても,筋をはじめ体細胞に広く分布している酵素であることから,その上昇は,本研究の対象者の場合,トレーニング等による筋細胞の破壊を意味していると考えられる33)。つまり,筋コンディションとトレーニング等に対するモチベーションとは相関せず,むしろ逆の関係性を持つことが観察された。ALPは運動者では骨新生に伴って血中濃度が上昇することから,これもレジスタンストレーニングによる骨の破壊・吸収による影響を受けている指標であるとみられ,トレーニングへのモチベーションを有する選手ではよりトレーニング活動が活発であることが示唆される。HDLは,身体活動によって増加することが知られている9)。したがって,活力のあると感じている選手はそうでない選手と比較して,トレーニング等を積極的に行い活動的

であることが窺える。これらのことから,トレーニングに対してモチベーションを有する選手は,より意欲的にトレーニングを行うことで少なからず筋コンディションを低下させていることが推察されることから,指導者は,トレーニングのし過ぎによる外傷・障害,オーバートレーニング等を生じさせないように注意を払う必要がある。他に,上記の活力や練習意欲などの項目と,ALBや LDとの間で正の相関,GLBとの間で負の相関がみられたが,既述のとおり ALB増加と GLB減少とによる A/G比の上昇は,体内に炎症組織が少ないことを示すことから45),トレーニング等に対してモチベーションのある選手では,ケアや体調管理を行うことで身体全体のコンディションを良好に保っている可能性が示唆される。体調に関する項目では,PLTやWBCと負の相関がみられた。双方,その減少は造血機能の低下を表すものであることから2),既述の RBC,Hbの低値,MCV,MCHの高値と相俟って,貧血に伴うものであることも否めない。Naや Kとの負の関係も見受けられるが,Naや Kの低下は発汗などによる喪失が原因となることが多い40,41)。ただし,Naで2名に高値がみられる以外は基準範囲にあり,体調が優れることと各値の低下の関連を明らかにするためには,さらなる別の調査などによる検討が必要である。なお,他にも質問紙の項目と関連のみられた検査項目は存在したが,その関連性について説明できうる材料は見当たらず,少なからず不明な点が残った。一方,女子では「前回の血液検査の結果は理解できましたか?」という問いと,Crとの間に正の相関がみられた。既述のとおり,Crは ATP再合成に伴う代謝物であり,その増加は ATP再合成の規模が大きくなることを示すことと,腎のクレアチニンクリアランスに問題のあることを示す2つの可能性がある50)。前者であればトレーニング活動の結果であり,検査結果の理解とトレーニングの順

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調な実施が関係していると解釈できるが,後者の場合には腎機能に問題が生じている可能性があるため,必要に応じて精検が必要となる。「前回の血液検査を受けたことは,自分にとって良かったと思いますか?」という問いとMCHとの間には負の関係性がみられたが,MCHの増加はある種の貧血傾向を示す指標となっていることから,検査に対してポジティブな印象を持つ選手の血液の酸素運搬能は,比較的良い傾向にあることが示された。なお,Pについても正の相関関係が認められたが,その理由について説明できる資料は見当たらなかった。同様に,チームにとって良かったかどうかと Caの間に負の関係性がみられたが,この理由についても不明であった。前回の検査によってパフォーマンスや体調の改善が感じられたかどうかについては,ChEや GLBと関係性が認められた。ChEは,低値では肝でのタンパク質合成能の低下を示すが46),個人の値をみるといずれも基準範囲に収まっていることから,臨床的意義は薄いと考えられる。GLBについては,基準範囲を若干下回る選手が2名いた。すでに述べた通り,GLBの減少と,それに伴って A/G比が上昇することは,体内の炎症組織が少ないことを意味するため,検査後にパフォーマンスや体調が良かったという実感と,実際にコンディションの良好な状態が合致する結果となっていた。「1日の平均睡眠時間」と ALPとの間に正の相関関係が認められたが,ALPは骨新生マーカーであることから,睡眠を多くとっている女子選手では骨新生が亢進している可能性が示唆された。さらに,睡眠時間と LDLとの間には負の関係が認められ,つまり睡眠時間が減少すると LDLが増加する関係性がみられるため,女子陸上競技選手にとって十分な睡眠は,骨や心血管系の保護,メタボリックシンドロームなどの代謝に係る症候群の予防に重要であることが改めて示された60)。女子における主観的なコンディションと検

査値との関係については,「現在の筋肉痛の程度」と ALBとの間に正の,GLBとの間に負の相関が認められたが,これは A/G比の上昇している,すなわち体内に炎症組織が少ない選手は筋痛の程度が低いことを示すものである。また,疲労感と UNの間に関係性がみられるが,仮に UN上昇の原因が食事によるタンパク質の摂取増加49)であった場合,それと疲労感との直接的な関係性は見いだせなかった。「ここ1週間の活力」と鉄との間には負の関係がみられたが,男子でも活力と RBCや Hbとの間には負の相関関係があった。したがって,女子でも男子と同様に自覚的な活力と血中の酸素運搬能におけるコンディションの状況には乖離のあることが示された。一方,「現在の体調」と RBCには正の相関関係が認められ,十分な赤血球数を有する女子陸上競技選手の自覚的な体調は,優れていることが分かった。主観的練習量とPLT,UN,LDL,Kとの間にも関係性が認められたが,UNは,練習量の増加に伴って減少する関係を示しており,つまり,練習量の増加に伴ってタンパク質の摂取量が減少している選手の存在が示唆され,本研究の女子の参加者においては,栄養学的には注意を要する状態にあることが明らかとなった。その他は正の相関関係にあったが,自覚的な練習量が増加すると PLT,LDL,Kの値も上昇する理由については明示できなかった。血液・生化学検査は個々人のコンディションを数値として把握できることから,スポーツ選手のコンディショニングを行う上での評価指標として有用であると考えられてきたが,長らくそれを広く有効活用する状況とはなっておらず,応用可能な環境づくりが望まれている。本研究は,ある大学陸上競技部の全選手を対象に,多項目の血液・生化学検査を行うことで,将来的に陸上競技選手のコンディションの把握に,それらが役立つ可能性があるか探索する目的で行われたものであるが,結果として様々な情報を得ることができた。

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例えば,大学生年代の陸上競技選手の2パターンのトレーニング期の血液プロフィールの概要について観察し,それぞれを比較することによって,ある程度それらを把握する手段を考える基礎ができたのではないかと言える。また,競技パート間で検査値を比較することで,各パートのトレーニングの状況や生活習慣について,得られた血液データからそれらの特性を窺い知るための手段を考える契機になったのではないか。さらに,自覚的なコンディションと検査データは,その内容が相反する項目も見受けられたことから,従来のような自覚的評価に頼るコンディショニングには限界のあることも示唆された。加えて,チーム全体に対する検査及び評価を行ったことで,今後,個々の選手に対するコンディショニングの介入方法を考えるためのモデル構築にも寄与する研究となったのではなかろうか。選手のプライバシーに配慮する必要はあるものの,例えば指導者がこのような多項目の検査データを基にコンディションを多面的に把握し,トレーニングやコンディショニングを行うことができれば,選手の健康の維持増進と競技パフォーマンスの向上をより円滑に図ることができるのではないかと考える。さらに言えば,選手自らが検査データを能動的に活用し,健康管理やコンディショニングの行えることが望ましい。最後に,緒言でも述べた通り,本研究のように一般の大学陸上競技選手に対して多項目の血液検査を行った研究は見当たらず,且つ,本研究においては検査自体が円滑に行われ,有害事象やトラブル等もなく無事に終えられたことから,それだけでも試み自体には価値があったものと考える。ただし,本研究の限界として,対象者の生活やトレーニングの統制が取れておらず,多少にかかわらず得られたデータがそれらの影響を受けることが予想されることから,研究全体として検査結果の解釈にやや難しい面があったことは否めない。また,本研究では1回目検査の後にその結果

を反映した簡易な介入を行ったが,その介入効果を評価するデザインについても不備があり,十分な検討を行えたとは言い難い。さらに,現時点では,検査コストをどのように賄うのかについての解決策は示せていない。本研究のような検討を続けていくことで,陸上競技選手のコンディショニングに応用するために特化した検査項目を絞っていくことができれば,項目数の削減によりコストダウンすることは可能である。さらに,このような試みが多く行われるようになることで,医療機関の対応方法や協力体制が整い,将来はこれまでのような費用が掛からずに検査を実施することが可能になっていくと考える。

Ⅴ.謝 辞

本研究にご参加頂きました T大学陸上競技部員の皆様に,心より感謝申し上げます。また,本研究を進めるにあたりご協力くださった同部のコーチに深謝いたします。なお,本研究は,平成29年度天理大学学術・研究・教育活動助成(研究代表者:神谷宣広),平成30年度天理大学学術・研究・教育活動助成(研究代表者:神谷宣広),及び2019年度天理大学学術・研究・教育活動助成(研究代表者:神谷宣広)により行われました。

Ⅸ.文 献

1)相沢勝治(2008)唾液中ストレスマーカーを用いたアスリートのコンディショニング評価.筑波大学体育科学系紀要,31:183―184.

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3)別府健至・黄仁官(2013)大学駅伝ランナーの年間トレーニングにおける各時期別の血液検査項目の動態.日本体育大学スポーツ科学研究,2:58―65.

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induced muscle damage and rapid

adaptation. Med Sci Sports Exerc, 24

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coaches and sport science / sports

medicine staff. Br J Sports Med, 41(1) :

41―44.8)樋口潤一・田島直也・黒木俊政・松岡知巳(1995)世界ベテランズ陸上競技大会参加選手の血液性状.整形外科と災害外科,44:602―605.

9)樋口満・岩岡研典・小林修平・玉井利孝・高井博正・中井継彦(1988)血漿HDL―コレステロール濃度と持久性トレーニング水準との関係.動脈硬化,16(1):9―11.

10)井出亘・岡田雅次・西山一行・椛沢靖博・松本高明・石田良恵(2001)陸上競技長距離選手の血液性状とパフォーマンスの関係第77回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会国士舘大学代表選手の場合.国士舘大学体育研究所報,19:55―60.

11)飯塚太郎(2015)自律神経機能を指標としたコンディショニング.体力科学,24.

12)石黒裕子・田村明・青石恵子・小出龍郎・青石哲也・菅野昌明・高田正義(2009)大学ラグビー選手の栄養摂取と健康管理.名古屋学芸大学健康・栄養研究所年報,3:31―37.

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ニング:メンテナンスとパフォーマンス.臨床スポーツ医学,35(8):830―834.

15)井澤秀典・太田千尋(2018)リカバリースペシャリストとしてのコンディショニングの考え方.臨床スポーツ医学,35(8):818―823.

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21)小原亜希子,藤井久雄,内丸仁,竹村英和,鈴木省三.間欠的自転車運動直後の糖質―タンパク質混合サプリメント摂取が疲労回復に及ぼす影響.トレーニング科学,23(2),135―142,2011.

22)小磯博美・塚本憲史・島野俊一・唐沢正光・村上博和・野島美久(2011)巨赤芽球性貧血を合併したため定型的病像を欠いた慢性骨髄性白血病.臨床血液,52(11):1772―1776.

23)小松孝行・藤田淑香・衣斐淑子・岩原康こ・平島美樹・上東悦子・赤間高雄・山澤文裕・土肥美智子・小松裕・川原貴

14 大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施の意義及び結果のコンディショニングへの活用

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28)牧野講平(2018)アスリートのコンディショニング管理と教育.臨床スポーツ医学,35(8):806―811.

29)松井健一・山本利春(2007)入浴が疲労回復に及ぼす効果:入浴とシャワー浴の比較.トレーニング科学,19(3):231―237.

30)松田直樹(2018)オリンピックに向けたリカバリー・コンディショニング.臨床スポーツ医学,35(8):812―817.

31)松田貴雄・後藤美奈(2017)女性アスリートのカラダ.日本栄養士会雑誌,60(3):157―164.

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16 大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施の意義及び結果のコンディショニングへの活用

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表1.男子(n=57)における測定値及び判定結果

*p<0.05, **p<0.01; t 検定, 男子 vs.女子

項 目 平均値 標準偏差 範囲 異常数(人) 高値数(人) 低値数(人) 異常率(%) 基準範囲RBC, ×106/μL** 5.2 0.3 4.37-5.79 9 9 0 15.8 4.35-5.55

Hb, g/dL** 15.2 0.9 12.8-17.4 3 2 1 5.3 13.7-16.8

MCV, fL 88.2 2.9 81.6-95.0 2 0 2 3.5 83.6-98.2

MCH, pg 29.5 1.2 25.9-31.7 2 0 2 3.5 27.5-33.2

MCHC, g/dL 33.4 0.8 31.6-35.2 3 0 3 5.3 31.7-35.3

鉄, mg/dL 94.2 32.7 38-186 1 0 1 1.8 40-188

Fe, ng/mL** 98.2 29.9 43-159 0 0 0 0 39.9-465.0

PLT, ×104/μL 27.2 5.6 17.6-42.5 8 8 0 14.0 15.8-34.8

WBC, ×103/μL 6.6 1.2 4.02-9.67 3 3 0 5.3 3.3-8.6

UN, mg/dL 17.3 3.9 9.4-26.9 13 13 0 22.8 8.0-20.0

Cr, mg/dL** 0.9 0.1 0.7-1.2 9 9 0 15.8 0.7-1.1

Glu, mg/dL** 93.1 14.3 61-132 12 9 3 19.3 73-109

ChE, U/L** 321.1 49.0 228-416 1 1 0 1.8 240-486

TP, g/dL 7.2 0.3 0.7-8.2 1 1 0 1.8 6.6-8.1

ALB, g/dL** 4.7 0.2 4.3-5.1 1 0 1 1.8 4.1-5.1

GLB, g/dL 2.6 0.2 2.2-3.4 3 1 2 5.3 2.2-3.4

LD, U/L** 216.1 42.0 93-331 26 26 0 45.6 124-222

AST, U/L* 31.5 16.7 17-130 26 26 0 45.6 13-30

ALT, U/L** 24.4 12.0 10-82 3 3 0 5.3 10-42

ALP, U/L* 287.6 87.9 160-544 18 18 0 31.6 106-322

γGT, U/L** 18.3 8.9 9-59 19 0 19 33.3 13-64

CK, IU/L 734.5 1029.0 106-7390 49 49 0 86.0 59-248

HDL, mg/dL** 61.6 11.5 44.2-104.5 1 1 0 1.8 38-90

LDL, mg/dL 96.0 22.8 52-182 1 1 0 1.8 65-163

Na, mmol/L 142.6 1.4 139-145 4 4 0 7.0 135-145

K, mmol/L* 4.2 0.3 3.6-4.9 1 0 1 1.8 3.6-4.8

Cl, mmol/L 104.6 1.5 101-108 2 1 1 3.5 101-108

Na-Cl, mmol/L** 38.0 1.1 36-41 1 1 0 1.8 30-40

Ca, mg/dL 9.7 0.3 8.9-10.5 4 4 0 7.0 8.8-10.1

P, mg/dL 3.8 0.5 2.7-5.1 6 6 0 10.5 2.7-4.6

BMI, kg/m2 23.9 4.1 18.9-38.2 13 13 0 22.8 18.5-25

身長, cm** 172.8 5.2 162-185 - - - - -

体重, kg** 71.5 14.4 54.7-114.3 - - - - -

体脂肪率, % 10.6 7.6 5.0-35.4 - - - - -

筋肉率, %** 49.2 3.6 35.0-55.0 - - - - -

川上・寺田・岩山・山本・伊東・松尾・神谷 17

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表2.女子(n=20)における測定値及び判定結果

*p<0.05, **p<0.01; t 検定, 男子 vs.女子

一般基準値 アスリート基準値

項 目 平均値 標準偏差 範囲異常数(人)

高値数(人)

低値数(人)

異常率(%)

基準範囲異常数(人)

高値数(人)

低値数(人)

異常率(%)

基準範囲

RBC, ×106/μL** 4.4 0.3 3.83-5.02 2 1 1 10.0 3.86-4.92 0 0 0 0 3.80-5.10Hb, g/dL** 13.1 0.8 11.6-15.1 2 1 1 10.0 11.6-14.8 13 1 1265.0 13.0-15.0MCV, fL 89.8 3.3 83.5-95.3 1 0 1 5.0 83.6-98.2 1 0 1 5.0 83.6-98.2MCH, pg 29.8 1.3 26.2-31.8 0 0 0 0 27.5-33.2 0 0 0 0 27.5-33.2MCHC, g/dL 33.2 0.7 31.4-34.4 0 0 0 0 31.7-35.3 0 0 0 0 31.7-35.3鉄, mg/dL 82.9 23.2 42-142 9 8 0 45.0 40-88 4 4 0 20.0 40-100Fe, ng/mL** 37.0 23.2 8-97 0 0 0 0 6.23-138 2 0 2 10.0 10-120PLT, ×104/μL 28.6 5.8 18.8-41.6 2 2 0 10.0 15.8-34.8 2 2 0 10.0 15.8-34.8WBC, ×103/μL 6.5 1.6 4.52-10.20 2 2 0 10.0 3.3-8.6 2 2 0 0 3.3-8.6UN, mg/dL 15.4 2.7 10.4-19.8 0 0 0 0 8.0-12.0 0 0 0 0 8‐20Cr, mg/dL** 0.8 0.1 0.7-0.9 1313 0 65.0 0.5-0.8 1313 0 65.0 0.5-0.8Glu, mg/dL** 83.0 12.8 59-107 5 0 5 25.0 73-109 5 0 5 25.0 73-109ChE, U/L** 286.0 41.4 225-381 0 0 0 0 201-421 0 0 0 0 201-421TP, g/dL 7.1 0.4 6.4-7.7 3 0 3 15.0 6.6-8.1 3 0 3 15.0 6.6-8.1ALB, g/dL** 4.5 0.3 4.0-4.9 3 0 3 15.0 4.1-5.1 3 0 3 15.0 4.1-5.1GLB, g/dL 2.7 0.2 2.3-3.1 0 0 0 0 2.2-3.4 0 0 0 0 2.2-3.4LD, U/L** 181.0 23.6 139-236 1 1 0 5.0 124-222 0 1 0 5.0 124-222AST, U/L* 23.6 7.7 14-48 4 4 0 20.0 13-30 2 2 0 10.0 13-33ALT, U/L** 15.6 6.6 8-36 1 1 0 5.0 7-23 1 1 0 5.0 6-27ALP, U/L* 248.3 59.0 130-386 1 1 0 5.0 106-322 1 1 0 5.0 106-322γGT, U/L** 12.0 2.6 5-16 1 0 1 5.0 9-32 1 0 1 5.0 9-32CK, IU/L 285.0174.1 132-848 1818 0 90.0 41-153 1818 0 90.0 41-153HDL, mg/dL** 76.6 12.2 57.4-99.6 0 0 0 0 48-103 0 0 0 0 48-103LDL, mg/dL 100.7 28.1 67-184 1 1 0 5.0 65-163 1 1 0 5.0 65-163Na, mmol/L 142.5 1.4 140-145 2 2 0 10.0 138-145 2 2 0 10.0 138-145K, mmol/L* 4.0 0.2 3.8-4.3 0 0 0 0 3.6-4.8 0 0 0 0 3.6-4.8Cl, mmol/L 105.4 1.6 103-109 3 3 0 15.0 101-108 3 3 0 15.0 101-108Na-Cl, mmol/L** 37.2 1.0 25-39 0 0 0 0 30-40 0 0 0 0 30-40Ca, mg/dL 9.6 0.3 8.9-10.2 1 1 0 5.0 8.8-10.1 0 1 0 5.0 8.8-10.1P, mg/dL 4.0 0.4 3.4-5.0 2 2 0 10.0 2.7-4.6 2 2 0 10.0 2.7-4.6BMI, kg/m2 22.2 2.7 19.0-28.6 5 5 0 25.0 18.5-25 - - - - -

身長, cm** 159.8 6.2 149-174 - - - - - - - - - -

体重, kg** 56.8 8.3 43.4-70.6 - - - - - - - - - -

体脂肪率, % 21.7 5.2 10.3-34.0 - - - - - - - - - -

筋肉率, %** 43.3 2.8 36.8-50.2 - - - - - - - - - -

18 大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施の意義及び結果のコンディショニングへの活用

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表3.男子における競技パートによる検査値の比較(一元配置分散分析で3群間に有意差のあった項目のみ抜粋)

一元配置分散分析及び多重比較(短距離,跳躍,投擲のグループのみに適用), *p<0.05, **p<0.01

表4.女子における競技パートによる検査値の比較(一元配置分散分析で3群間に有意差のあった項目のみ抜粋)

一元配置分散分析及び多重比較(短距離,跳躍,投擲のグループのみに適用), *p<0.05, **p<0.01

表5.プロテインパウダー摂取の有無による検査値の比較(男子のみ)

*p<0.05, **p<0.01; t 検定, プロテイン摂取群 vs.プロテイン非摂取群

男子(n=57),平均(SD)

項 目 短距離(短)(n=23)

跳躍(跳)(n=13)

投擲(投)(n=16)

長距離(n=2)

混成(n=3)

ANOVA(F)

多重比較(TukeyHSD)

UN, mg/dL 15.8(3.1) 16.1(3.2) 20.3(3.5) 20.2(9.5) 15.7(2.0) 10.0** 短 vs投**,跳 vs投**

TP, g/dL 7.2(0.2) 7.4(0.3) 7.1(0.3) 7.2(0.1) 7.3(0.4) 4.0* 跳 vs投*

LD, U/L 205.0(32.1)214.6(60.9)241.5(29.3)208.5(36.1)178.3(7.6) 3.9* 短 vs投*

ALT, U/L 20.5(7.7) 24.2(8.6) 30.3(17.4) 29.0(9.9) 19.7(8.5) 3.2* 短 vs投*

ChE, U/L 304.3(41.9)312.3(47.2)350.1(48.9)291.0(33.9)350.1(53.7) 5.2** 短 vs投**

Ca, mg/dL 9.7(0.2) 9.9(0.2) 9.6(0.3) 9.6(0.1) 10.0(0.4) 5.3** 跳 vs投**

体重, kg 65.1(5.4) 63.0(5.2) 89.8(13.6) 59.4(1.1) 67.8(11.4) 47.1** 短 vs投**,跳 vs投**,

体脂肪率, % 11.4(2.9) 10.0(4.1) 21.2(6.4) 12.3(0.6) 14.0(3.6) 29.2** 短 vs投**,跳 vs投**

筋肉率, % 50.6(1.8) 51.6(1.7) 45.2(3.9) 49.5(0.3) 49.1(1.8) 27.2** 短 vs投**,跳 vs投**

女子(n=20),平均(SD)

項 目短距離(短)

(n=8)

跳躍(跳)

(n=6)

投擲(投)

(n=4)

混成

(n=2)

ANOVA

(F)

多重比較

(TukeyHSD)

MCH, pg 29.9(1.0) 30.0(0.5) 28.2(1.5) 31.6(0.4) 4.7* 短 vs投*,跳 vs投*

ALB, g/dL 4.6(0.3) 4.5(0.2) 4.2(0.3) 4.3(0.1) 4.3* 短 vs投*

Ca, mg/dL 9.8(0.3) 9.5(0.4) 9.3(0.1) 9.6(0.1) 4.3* 短 vs投*

体重, kg 54.2(8.2) 54.0(7.0) 67.1(4.2) 54.8(4.0) 5.1* 短 vs投*,跳 vs投*

体脂肪率, % 20.7(3.8) 18.8(5.2) 27.9(4.8) 22.1(1.1) 5.2* 短 vs投*,跳 vs投*

筋肉率, % 43.8(1.8) 44.9(3.2) 40.2(2.7) 43.0(0.6) 4.3* 跳 vs投*

男子(n=57),平均(SD)

項 目プロテイン摂取群

(n=18)

プロテイン非摂取群

(n=39)

Glu, mg/dL* 98.9(16.6) 90.4(12.5)

ALT, U/L* 20.8(4.8) 26.0(13.8)

川上・寺田・岩山・山本・伊東・松尾・神谷 19

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表6.男子における1回目と2回目の検査値の比較(n=42)

Wilcoxon の符号付き順位和検定

項目1回目検査 2回目検査

p Z平均値 標準偏差 平均値 標準偏差

RBC, ×106/μL 5.09 0.32 5.08 0.35 0.56 -.58

Hb, g/dL 15.02 0.83 15.06 0.92 0.94 -.08

MCV, fL 88.39 2.95 88.00 3.12 0.07 -1.84

MCH, pg 29.53 1.18 29.69 1.27 0.02 -2.37

MCHC, g/dL 33.40 0.70 33.75 0.83 <0.01 -3.71

鉄, mg/dL 94.40 32.27 96.69 26.16 0.52 -.64

PLT, ×104/μL 26.92 5.39 26.01 4.93 0.02 -2.34

WBC, ×103/μL 6.65 1.28 6.86 1.44 0.44 -.77

UN, mg/dL 17.15 4.03 15.34 3.39 <0.01 -2.95

Cr, mg/dL 0.92 0.10 0.98 0.13 <0.01 -2.94

Glu, mg/dL 92.88 13.39 89.69 11.41 0.22 -1.23

ChE, U/L 319.07 49.34 319.40 51.84 0.90 -.13

TP, g/dL 7.18 0.27 7.25 0.35 0.26 -1.12

ALB, g/dL 4.64 0.19 4.80 0.26 <0.01 -3.18

GLB, g/dL 2.54 0.23 2.52 0.32 0.82 -.23

LD, U/L 211.76 41.84 207.43 44.11 0.85 -.19

AST, U/L 31.07 18.56 26.24 9.34 0.14 -1.50

ALT, U/L 23.86 12.12 20.14 8.90 0.03 -2.18

ALP, U/L 304.76 90.16 280.05 71.34 0.21 -1.26

γGT, U/L 17.81 7.58 18.00 6.00 0.63 -.49

CK, IU/L 735.36 1141.29 436.76 306.66 0.05 -1.98

HDL, mg/dL 61.23 9.22 59.23 11.70 0.32 -.99

LDL, mg/dL 93.79 22.77 93.07 25.62 0.98 -.02

Na, mmol/L 142.74 1.21 142.14 1.60 0.05 -2.00

K, mmol/L 4.19 0.25 4.06 0.23 0.04 -2.07

Cl, mmol/L 104.86 1.42 105.76 1.62 0.01 -2.44

Ca, mg/dL 9.70 0.26 9.59 0.25 0.05 -1.93

P, mg/dL 3.82 0.52 3.90 0.44 0.37 -.90

身長, cm 172.55 5.51 172.77 5.49 0.06 -1.90

体重, kg 71.66 14.82 73.53 16.00 0.67 -.43

体脂肪率, % 14.29 6.25 15.84 6.92 0.04 -2.05

筋肉率, % 48.98 3.57 47.99 3.75 <0.01 -3.26

20 大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施の意義及び結果のコンディショニングへの活用

2020.02.07 10.07.06 Page 60 7/体育編(リュウミンL・カンマ使用注意)/本文             OTF/川上、寺田、岩山…他  p001‐025

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表7.女子における1回目と2回目の検査値の比較(n=20)

Wilcoxon の符号付き順位和検定

項 目1回目検査 2回目検査

P Z平均値 標準偏差 平均値 標準偏差

RBC, ×106/μL 4.39 0.27 4.42 0.26 0.79 -.26

Hb, g/dL 13.07 0.81 13.17 0.68 0.98 -.02

MCV, fL 89.76 3.31 89.45 2.61 0.78 -.28

MCH, pg 29.76 1.32 29.85 0.94 0.74 -.34

MCHC, g/dL 33.15 0.68 33.37 0.69 0.40 -.84

鉄, mg/dL 82.85 23.21 79.80 26.29 0.99 -.02

PLT, ×104/μL 28.57 5.83 26.49 4.88 0.11 -1.59

WBC, ×103/μL 6.52 1.58 6.96 1.64 0.54 -.62

UN, mg/dL 15.40 2.69 13.66 2.51 0.07 -1.83

Cr, mg/dL 0.78 0.06 0.77 0.07 0.67 -.42

Glu, mg/dL 82.95 12.75 89.70 9.52 0.08 -1.73

ChE, U/L 286.00 41.35 284.25 39.66 0.97 -.04

TP, g/dL 7.13 0.38 7.19 0.28 0.55 -.60

ALB, g/dL 4.46 0.27 4.63 0.32 0.10 -1.63

GLB, g/dL 2.67 0.23 2.56 0.22 0.11 -1.59

LD, U/L 181.00 23.60 176.05 27.44 0.40 -.84

AST, U/L 23.60 7.71 20.85 4.20 0.19 -1.31

ALT, U/L 15.60 6.56 13.25 4.45 0.08 -1.78

ALP, U/L 248.30 58.98 233.05 58.90 0.26 -1.12

γGT, U/L 12.00 2.58 12.00 3.23 0.95 -.07

CK, IU/L 285.00 174.10 161.40 60.15 <0.01 -3.51

HDL, mg/dL 76.64 12.21 80.37 14.71 0.39 -.86

LDL, mg/dL 100.65 28.15 88.65 15.36 0.14 -1.47

Na, mmol/L 142.50 1.40 141.05 1.00 <0.01 -3.04

K, mmol/L 4.04 0.16 4.02 0.28 0.25 -1.16

Cl, mmol/L 105.35 1.60 105.60 1.82 0.65 -.45

Ca, mg/dL 9.59 0.32 9.37 0.26 0.02 -2.32

P, mg/dL 4.01 0.42 3.96 0.39 0.90 -.12

身長, cm 159.83 6.22 158.70 6.11 0.35 -.94

体重, kg 56.75 8.32 55.75 6.79 0.77 -.30

体脂肪率, % 21.71 5.22 21.20 4.44 0.77 -.30

筋肉率, % 43.32 2.82 43.45 2.48 0.41 -.82

川上・寺田・岩山・山本・伊東・松尾・神谷 21

2020.02.07 10.07.06 Page 61 7/体育編(リュウミンL・カンマ使用注意)/本文             OTF/川上、寺田、岩山…他  p001‐025

Page 22: 大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施 …...大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施の意義 及び結果のコンディショニングへの活用

質問紙の項目

RBC

Hb

MCV

MCHMCHC

鉄PLT

WBC

UN

Cr

Glu

ChE

TP

ALB

GLB

LD

前回の検査の結果は理解できましたか?-0.02

0.14

0.07

0.15

0.27

-0.17

0.04

0.23

-0.05

-0.23

-0.18

0.20

-0.07

-0.26

.313*

-0.09

前回の検

査を受け

たことは

,自分に

とって良

かった?0.10

-0.14

-0.13

-0.28

-0.26

-0.05

0.10

0.08

0.13

0.19

-0.29

0.09

0.03

-0.03

-0.16

0.07

前回の血

液を受け

たことは

,チーム

にとって良かった?0.12

-0.13

-0.19

-0.28

-0.18

0.01

0.06

0.25

-0.01

-0.07

-0.20

0.09

-0.07

-0.08

<0.01

0.25

前回の検査を受けたことで,パフォ

ーマンス

は?<0.01

-0.01

0.03

0.10

-0.03

-0.18

0.01

<0.01

-0.14

0.20

-0.16

0.12

0.05

-0.13

-0.26

<0.01

前回の検

査を受け

たことで

,コンデ

ィションや体調は?0.07

0.04

0.07

0.06

-0.06

-0.23

0.11

0.01

-0.04

0.04

-.326*0.07

-0.10

-0.18

-0.15

0.03

1日の平均睡眠時間

0.15

0.02

-0.15

-0.22

-0.13

0.12

-0.22

0.15

-0.02

0.10

0.07

0.26

0.16

0.04

0.16

<0.01

現在の筋肉痛の程度

0.23

0.25

-0.15

0.05

.351*

-0.01

-0.10

0.08

0.16

-0.16

.331*

0.23

-0.14

-0.07

0.08

0.11

現在の疲労感

0.07

0.03

0.05

0.06

-0.03

-0.24

-0.01

0.23

0.23

-0.17

0.21

0.13

-0.23

0.09

-0.16

0.09

ここ1週間の疲労感

0.16

0.17

-0.07

<0.01

0.06

-0.27

0.05

0.11

0.15

-0.11

0.25

0.13

-0.20

-0.03

-0.16

0.03

現在の活力

-.428**

-.316*.349*

.337*

-0.12

0.15

-0.14

-0.11

.324*

0.26

0.03

-0.19

0.11

0.30

-0.16

0.19

ここ1週間の活力

-.364*-.360*0.24

0.24

-0.09

0.06

-0.27

-0.08

0.26

0.29

-0.13

-0.25

0.15

.389*-.326*0.29

現在の練習意欲

-.491**-.465**

.364*.418**

-0.10

-0.07

0.06

-0.01

0.16

0.26

<0.01

-0.02

-0.07

.333*

-0.29

.338*

ここ1週間の練習意欲

-0.24

-0.28

0.10

0.18

-0.04

-0.13

0.01

-0.09

0.09

.308*

-0.11

0.07

0.07

.406**

-.349*.448**

現在の調子・パフォーマンス

-0.18

-0.28

0.09

-0.10

-.396**

-0.20

-0.17

-0.09

0.13

0.22

-0.13

-.307*0.15

.305*

-0.20

.325*

ここ1週間の調子・パフォーマンス-0.13

-0.26

0.05

-0.12

-.445**

-0.27

-0.16

-0.17

0.08

0.14

0.02

-0.24

-0.09

0.16

-0.08

.392*

現在の体調

0.11

0.10

-0.06

-0.06

-0.06

0.27

-0.08

-.404**

-0.01

0.07

-0.05

-0.19

0.08

0.06

0.16

-0.02

ここ1週間の体調

-0.11

-0.14

-0.01

0.06

0.03

0.05

-.344*-.365*0.17

0.24

0.07

-0.27

<0.01

0.25

-0.03

0.06

昨日の主観的練習量

0.07

-0.14

-0.29

-0.25

-0.01

-0.06

-0.10

0.26

0.24

0.23

0.04

0.14

-0.15

0.20

<0.01

0.22

ここ1週間の主観的練習量

0.04

-0.10

-0.11

-0.09

-0.07

-0.09

0.12

0.17

0.15

0.22

-0.10

0.04

0.02

-0.07

-0.19

0.15

表8―1.男子における質問紙項目と各検査値との相関関係(1)(n=42) Spearmanの順位相関係数(r),*p<0.05,**p<0.01

22 大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施の意義及び結果のコンディショニングへの活用

2020.02.07 10.07.06 Page 62 7/体育編(リュウミンL・カンマ使用注意)/本文             OTF/川上、寺田、岩山…他  p001‐025

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質問紙の項目

AST

ALT

ALP

γGT

CK

HDL

LDL

Na

KCl

Ca

P身長

体重

体脂肪率筋肉率

前回の検査の結果は理解できましたか?-0.16

-0.06

-0.05

-0.17

-0.20

-0.25

0.03

-0.04

0.12

0.08

0.06

-0.04

-0.04

0.08

0.12

-0.08

前回の検

査を受け

たことは

,自分に

とって良

かった?-0.15

-0.09

-0.11

0.05

0.11

0.08

-0.12

0.02

-0.04

-0.04

-0.16

-.305*0.01

0.18

0.15

-0.23

前回の血

液を受け

たことは

,チーム

にとって良かった?0.20

0.12

0.02

0.03

0.28

0.03

0.10

-0.29

<0.01

-0.07

0.21

-0.29

0.30

0.15

-0.03

0.01

前回の検査を受けたことで,パフォ

ーマンス

は?-0.21

0.05

0.23

<0.01

-0.11

-0.17

0.04

-0.02

0.02

-0.08

-0.25

0.04

0.08

0.08

-0.04

<0.01

前回の検

査を受け

たことで

,コンデ

ィションや体調は?-0.29

-0.06

0.02

0.02

-0.09

-0.28

-0.09

0.05

0.16

0.01

-0.06

-0.07

0.10

0.11

0.17

-0.25

1日の平均睡眠時間

-0.18

-0.02

-0.10

0.15

-0.12

-0.01

0.06

-0.30

-0.20

-.419**

-0.26

0.06

0.29

0.32

0.10

-0.06

現在の筋肉痛の程度

0.12

0.20

-0.05

0.10

-0.09

-0.10

-0.19

0.09

-0.16

0.01

0.10

-0.07

.346*

.391*

.347*

-0.27

現在の疲労感

0.12

0.08

-0.02

0.08

0.07

<0.01

<0.01

.397**

0.02

0.21

0.11

0.27

0.17

0.24

0.31

-0.29

ここ1週間の疲労感

0.02

0.12

0.05

0.01

-0.07

-0.15

0.05

.376*

0.03

0.19

-0.07

0.19

0.17

0.27

.340*

-0.33

現在の活力

0.11

-0.05

0.27

0.02

0.17

.456**

-0.05

-0.25

-0.08

-0.29

-0.08

-0.04

-0.31

-.335*-.392*.384*

ここ1週間の活力

0.20

-0.09

.355*

-0.06

.319*.529**

-0.03

-0.18

-0.13

-0.21

-0.10

0.08

-0.28

-0.25

-0.31

0.29

現在の練習意欲

0.27

0.06

.388*

<0.01

.333*.405**

<0.01

0.10

0.12

-0.01

0.09

0.02

-.455**

-.377*-.377*.362*

ここ1週間の練習意欲

.417**

0.20

.371*

0.08

.483**

.344*

0.04

0.14

0.08

-0.03

0.14

0.15

-0.21

-0.10

-0.24

0.24

現在の調子・パフォーマンス

0.27

0.02

0.23

0.04

.360*

0.18

-0.13

0.04

-0.12

-0.06

0.05

0.08

-.336*

-0.30

-0.18

0.07

ここ1週間の調子・パフォーマンス0.21

0.15

0.17

.317*

0.30

0.16

-0.16

<0.01

-0.29

-0.03

-0.04

0.14

-0.15

-0.30

-0.16

0.07

現在の体調

-0.06

-0.04

0.08

0.02

-0.20

0.15

-0.24

-.308*-.357*

-0.29

-0.11

-.327*-.348*-.360*-.344*.395*

ここ1週間の体調

0.12

0.08

0.13

0.13

-0.08

0.17

<0.01

-0.23

-.371*

-0.26

-0.14

-0.11

-0.29

-0.29

-0.30

.349*

昨日の主観的練習量

0.16

0.22

-0.27

-0.03

0.07

0.05

0.17

-0.13

-.328*

-0.24

-0.23

-0.11

-0.02

-0.12

-0.04

-0.03

ここ1週間の主観的練習量

0.06

0.17

-0.12

0.15

0.14

-0.04

0.09

0.06

0.05

0.03

-0.26

-0.14

-0.19

-0.21

-0.13

0.01

表8―2.男子における質問紙項目と各検査値との相関関係(2)(n=42) Spearmanの順位相関係数(r),*p<0.05,**p<0.01

川上・寺田・岩山・山本・伊東・松尾・神谷 23

2020.02.07 10.07.06 Page 63 7/体育編(リュウミンL・カンマ使用注意)/本文             OTF/川上、寺田、岩山…他  p001‐025

Page 24: 大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施 …...大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施の意義 及び結果のコンディショニングへの活用

質問紙の項目

RBC

Hb

MCV

MCHMCHC

鉄PLT

WBC

UN

Cr

Glu

ChE

TP

ALB

GLB

LD

前回の検査の結果は理解できましたか?0.02

-0.24

0.12

-0.05

-0.02

-0.32

-0.25

0.23

0.47

.509*

-0.27

<0.01

-0.08

-0.16

0.15

0.04

前回の検

査を受け

たことは

,自分に

とって良

かった?0.12

-0.25

-0.30

-.621*

-0.43

-0.38

0.12

0.50

-0.23

-0.16

-0.39

0.28

-0.03

-0.23

0.31

0.04

前回の血

液を受け

たことは

,チーム

にとって良かった?-0.07

-0.05

-0.30

-0.14

0.07

-0.22

-0.45

0.16

-0.09

-0.14

0.13

0.06

-0.45

-0.34

0.07

0.37

前回の検査を受けたことで,パフォ

ーマンス

は?-0.14

0.01

0.12

-0.06

-0.07

-0.42

-0.05

0.41

-0.22

-0.04

-0.29

.606*

0.29

-0.07

.538*

0.34

前回の検

査を受け

たことで

,コンデ

ィションや体調は?-0.20

0.05

<0.01

-0.15

-0.12

-0.49

-0.11

0.43

-0.22

-0.04

-0.32

0.49

0.23

-0.10

.523*

0.35

1日の平均睡眠時間

-0.27

0.27

-0.24

-0.42

-0.42

-0.16

0.14

0.24

-0.31

0.25

-0.31

0.27

-0.19

-0.29

0.19

-0.04

現在の筋肉痛の程度

0.18

0.05

-0.29

-0.18

-0.02

0.16

-0.10

-0.18

0.08

0.17

0.16

0.10

0.06

.492*-.607**

0.11

現在の疲労感

0.33

-0.29

-0.26

-0.19

0.07

0.22

-0.18

-0.19

.446*

0.04

0.10

-0.20

0.01

0.24

-0.34

0.04

ここ1週間の疲労感

0.33

-0.23

-0.32

-0.35

-0.06

0.38

-0.06

-0.26

0.41

0.23

0.11

-0.09

-0.09

0.04

-0.18

-0.02

現在の活力

-0.20

0.06

0.12

0.27

0.14

-0.41

-0.37

-0.05

-0.30

-0.16

-0.09

-0.08

<0.01

0.01

-0.06

-0.12

ここ1週間の活力

0.01

-0.04

0.25

0.32

0.02

-.554*

-0.18

-0.15

-0.29

-0.10

-0.34

-0.15

0.09

0.02

-0.01

-0.24

現在の練習意欲

0.20

-0.04

0.13

0.05

-0.26

-0.42

-0.09

-0.26

-0.31

0.01

-0.42

-0.02

-0.14

-0.20

0.02

-0.26

ここ1週間の練習意欲

0.16

-0.06

0.20

0.18

-0.12

-0.41

-0.07

-0.25

-0.25

0.02

-0.34

-0.07

-0.12

-0.19

0.01

-0.37

現在の調子・パフォーマンス

0.28

-0.09

0.22

0.20

-0.16

-0.05

0.27

-0.43

-0.33

-0.02

-0.01

-0.13

-0.17

-0.16

-0.02

-0.41

ここ1週間の調子・パフォーマンス0.01

-0.02

-0.05

-0.08

-0.24

-0.01

0.24

-0.32

-0.36

0.03

0.05

0.27

-0.09

0.04

-0.15

-0.37

現在の体調

.459*

0.16

-0.13

0.01

<0.01

-0.27

0.03

-0.39

-0.44

-0.12

-0.30

<0.01

-0.10

-0.07

0.01

0.06

ここ1週間の体調

0.37

0.20

-0.11

0.04

0.02

-0.35

0.10

-0.34

-0.44

-0.06

-0.41

-0.03

-0.01

0.02

-0.03

0.01

昨日の主観的練習量

0.24

-0.02

0.22

0.09

-0.20

-0.18

0.02

0.06

-0.42

-0.17

-0.02

0.25

-0.21

-0.17

<0.01

-0.07

ここ1週間の主観的練習量

0.27

-0.09

-0.06

-0.24

-0.18

-0.05

.469*

0.16

-.463*

-0.37

0.03

0.11

-0.19

-0.26

0.11

-0.44

表9―1.女子における質問紙項目と各検査値との相関関係(1)(n=20) Spearmanの順位相関係数(r),*p<0.05,**p<0.01

24 大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施の意義及び結果のコンディショニングへの活用

2020.02.07 10.07.06 Page 64 7/体育編(リュウミンL・カンマ使用注意)/本文             OTF/川上、寺田、岩山…他  p001‐025

Page 25: 大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施 …...大学陸上競技部員を対象とした血液生化学検査実施の意義 及び結果のコンディショニングへの活用

質問紙の項目

AST

ALT

ALP

γGT

CK

HDL

LDL

Na

KCl

Ca

P身長

体重

体脂肪率筋肉率

前回の検査の結果は理解できましたか?0.30

0.01

0.28

-0.27

0.25

0.17

-0.24

-0.24

0.05

-0.18

-0.15

-0.02

0.05

0.17

0.23

-0.25

前回の検

査を受け

たことは

,自分に

とって良

かった?0.18

0.06

0.05

0.08

0.32

0.24

-0.37

0.04

0.08

-0.07

-0.17

.537*

0.25

0.32

0.16

-0.05

前回の血

液を受け

たことは

,チーム

にとって良かった?0.20

0.34

0.19

0.14

0.04

0.07

0.17

0.24

0.06

0.25

-.549*

-0.06

0.10

-0.03

0.07

-0.10

前回の検査を受けたことで,パフォ

ーマンス

は?0.49

0.04

0.04

-0.06

0.34

0.20

-0.15

-0.33

-0.09

-.502*

-0.01

0.28

-0.10

0.10

0.24

-0.21

前回の検

査を受け

たことで

,コンデ

ィションや体調は?0.40

0.04

0.14

-0.06

0.33

0.22

-0.17

-0.34

-0.19

-0.48

-0.09

0.32

-0.06

0.16

0.24

-0.18

1日の平均睡眠時間

-0.27

-0.19

.457*

-0.17

0.03

-0.03

-.504*<0.01

0.03

0.12

-0.14

0.12

0.30

0.41

0.39

-0.31

現在の筋肉痛の程度

0.19

0.33

0.20

0.44

0.17

0.21

-0.30

0.38

0.05

0.12

0.10

0.11

.589**

0.17

-0.29

0.27

現在の疲労感

0.22

0.30

-0.04

0.25

0.09

0.13

-0.25

0.05

-0.17

-0.08

0.01

-0.07

0.25

-0.01

-0.07

<0.01

ここ1週間の疲労感

0.05

0.24

-0.12

0.07

-0.03

-0.14

-0.28

-0.06

0.16

<0.01

-0.09

0.14

0.29

-0.06

-0.12

0.03

現在の活力

0.12

0.42

-0.03

0.12

0.34

0.13

0.18

-0.09

-0.14

-0.07

-0.33

0.02

-0.06

-0.01

-0.24

0.32

ここ1週間の活力

0.22

0.23

0.02

-0.04

.460*

0.17

0.06

-0.12

-0.42

-0.12

-0.09

-0.06

-0.06

0.14

0.03

0.04

現在の練習意欲

0.09

0.05

-0.13

-0.20

0.39

-0.14

0.13

0.02

-0.11

0.21

-0.16

0.02

0.15

0.24

0.20

-0.16

ここ1週間の練習意欲

0.15

0.14

-0.18

-0.17

0.36

-0.05

0.06

-0.06

-0.21

0.09

-0.16

-0.03

0.04

0.10

0.16

-0.15

現在の調子・パフォーマンス

0.07

<0.01

0.17

-0.20

0.16

-0.22

0.15

0.06

-0.06

0.34

0.16

-0.26

0.02

0.02

0.09

-0.14

ここ1週間の調子・パフォーマンス0.18

0.25

-0.02

0.11

0.13

-0.06

-0.17

-0.07

0.08

0.19

0.01

-0.19

0.24

-0.01

-0.07

0.01

現在の体調

0.02

0.03

0.10

-0.07

0.29

-0.31

0.22

0.30

-0.28

0.29

-0.07

0.24

0.32

0.29

0.02

-0.05

ここ1週間の体調

0.04

0.06

0.03

-0.07

0.27

-0.20

0.10

0.24

-0.38

0.19

-0.03

0.18

0.34

0.31

<0.01

<0.01

昨日の主観的練習量

0.24

0.28

-0.03

0.06

0.26

-0.04

.506*

0.33

.446*

0.43

-0.05

-0.22

-0.03

-0.11

0.05

-0.10

ここ1週間の主観的練習量

0.22

0.18

-0.04

-0.06

0.06

-0.12

0.20

-0.07

0.31

0.23

0.08

-0.23

0.13

0.17

0.06

-0.06

表9―2.女子における質問紙項目と各検査値との相関関係(2)(n=20) Spearmanの順位相関係数(r),*p<0.05,**p<0.01

川上・寺田・岩山・山本・伊東・松尾・神谷 25

2020.02.07 10.07.06 Page 65 7/体育編(リュウミンL・カンマ使用注意)/本文             OTF/川上、寺田、岩山…他  p001‐025