起立時脚伸展局面における運動要素の構造化から評...
Transcript of 起立時脚伸展局面における運動要素の構造化から評...
起立時脚伸展局面における運動要素の構造化から評価する脚運動機能村山 敏夫1、原 光希2、四家 千里2、佐々木 雅咲子2、大島 卓馬2、尾山裕介2
1新潟大学教育学部、2新潟大学大学院教育学研究科
運動要素の構造化
起立動作に着目する運動機能評価への期待
【POINT3】適切な運動プログラムの提供に向けた評価法の提案
起立時脚伸展局面の解析~起立動作のメカニズム~
立上り運動機能評価器
【POINT1】椅子立ち上がり(STS:sit-to-stand)動作を指導現場に普及
【POINT2】高齢者に対してリスクの少ないテストを実施
椅子立ち上がり(STS:sit-to-stand)は運動機能評価として活用できるのか?
科学データの抽出と解析
一般化に向けた方法の提案
起立動作を運動機能評価として現場で適切に活用する
POWER(F/w)
研究方法
立上り(STS)動作パターンによる筋活動様式 運動要素の構造化ビッグデータによる運動要素の抽出
実験条件
Step2:起立時脚伸展運動機能測定【被験者】男性108名42.6±20.3歳女性126名58.4±20.6歳
【計測機器】筋電図マイオモニターフレックスコンポ
(SA7555 エムピージャパン社製)サンプリング周波数2048Hz
フォースプレート(竹井機器工業社)
Step1:筋電図を用いた筋活動様式の確認【被験者】男性7名年齢:23.3±2.4歳身長:171.4±4.4㎝体重:70.9±12.6㎏
【計測機器】立ち上がり運動機能評価機ZARITS:BM-220(株式会社タニタ社製)
Step3:起立時脚伸展動作の運動要素の構造化解析対象者数男性108名42.6±20.3歳女性126名58.4±20.6歳
Step1:起立パターンごとの筋活動様式の確認 Step2:起立時脚伸展筋運動機能測定 Step3:統計解析による運動要素の構造化
STEP1:筋電図を用いた筋活動様式の確認 STEP2:起立時脚伸展運動機能測定
測定項目1)地面床反力2)股関節角度3)筋活動様式 各項目に関連がみられるのか
・指示方法による起立動作様式の変化の観察・下肢能力測定に与える影響の確認 1)パワーパラメータ
2)スピードパラメータ3)バランスパラメータ
【STEP1】起立動作のメカニズムについて分析する
起立時運動要素の構造化と評価
運動要素
指導現場で活用できる測定評価法の提案
【STEP2】ビッグデータによる運動要素の抽出
【STEP3】運動要素の構造化による運動機能評価の提案
運動要素の構造化
Step4
脚伸展局面の運動要素
SPEED(RFD/w)
BALANCE(ST)・(vx/vwt)
地面反力の最大値(kgf)
体重(kg)F/w=
地面反力が最大増加を記録した増加量(kgf/s)
体重(kg)RFD/w=
ST=
vx/vwt=
立上り動作開始から安定するまでの時間(s)
立上り動作時中の左右への揺れの大きさ(mm)
【被験筋】LF:大腿直筋VL:外側広筋BF:大腿二頭筋TA:前脛骨筋
0
20
40
60
80
100
120
GR
F(kgf)
VERTICAL FORCE
③ ①
②
①RFD/W:最大傾斜角度/体重(kgf/s/BW)
地面反力変数
②T:起立時間(msec)
③SUI/W:最大値/体重( kgf/BW)
股関節角度 筋活動様式
0
30
60
90
120
150
180
0.0 0.5 1.0 1.5
股関節最小角度
測定現場の様子立上り運動機能テスト
LF:大腿直筋、VL:外側広筋BF:大腿二頭筋、TA:前脛骨筋
主観的至適動作できるだけ素早く立ち上がる
体幹前傾身体を大きく振って、
できるだけ素早く立ち上がる
体幹保持身体を振り出さず、
できるだけ素早く立ち上がる
Task.1 Task.3Task.2Myomonitor Ⅳ
筋電図フォースプレート
電極張付位置
股関節角度に着目して3つの試技パターンを各3回ずつ計測
肩峰
大転子 膝関節外側
マーカー貼り付け位置
STS動作時の肩峰、大転子、膝関節外側からなる股関節角度の計測
股関節角度算出方法ハイスピードカメラ(CASIO EX-ZR2000)
Frame-DIASⅣを用いて股関節角度を算出*サンプリング頻度 90コマ/sec
ハイスピードカメラ(CASIO EX-ZR2000)
Frame-DIASⅣ*サンプリング頻度90コマ/sec
ザリッツBM-220 小千谷市岩沢地区
阿賀町鹿瀬地区
新発田市
新潟市
小千谷市千谷川区
阿賀町上川区
阿賀町津川区
新潟大学
測定者数1200名
都市部と山間部
運動実施と運動未実施
A会場
B会場
C会場
Skill
Technique
y = -0.0046x + 1.7443R² = 0.326
y = -0.0034x + 1.5524R² = 0.3578
0
1
2
3
0 20 40 60 80 100パワー (歳)
(F/W)
女性
男性
y = -0.0548x + 14.677R² = 0.2058
y = -0.0531x + 13.799R² = 0.2823
0
5
10
15
20
25
0 20 40 60 80 100スピード (歳)
(RFD/W)
男性
女性
y = 0.0034x + 1.0239R² = 0.0521
y = 0.0013x + 1.0318R² = 0.0451
0
1
2
3
4
0 20 40 60 80 100
(歳)
(sec)
女性
男性
バランス
加齢と運動要素の関連性
y = 13.076x - 7.8944R² = 0.7663
y = 14.962x - 9.5889R² = 0.7092
0
5
10
15
20
25
1 1.5 2
男性
女性
(F/W)
(RFD/W)
y = -0.0241x + 1.4681R² = 0.0376
y = -0.0198x + 1.3214R² = 0.1003
0
1
2
3
4
0 5 10 15 20 25(RFD/W)
(sec)
男性
女性
パワー・スピードスピード・バランス
y = -0.3816x + 1.7608R² = 0.0422
y = -0.2603x + 1.4624R² = 0.0548
0
1
2
3
4
1 1.2 1.4 1.6 1.8 2 2.2
男性
女性
(sec)
(F/W)
パワー・バランス
Task別起立時間 Task別%RMS-max
POWER(x) SPEED(y)
BALANCE(z)
0
20
40
60
80
100
120
140
160
大腿直筋 外側広筋 大腿二頭筋 前脛骨筋
task.1 task.2 task.3(%)
**
**
*
***
***
***:p<0.005 **:p<0.01*:p<0.05
・測定期間:平成27年6月~平成28年9月・測定会場:新潟県新発田市、小千谷市(2ヶ所)、
新潟市、阿賀町(3ヶ所) 、新潟大学・測定者数:1200名
(本研究は条件が適合する234名を対象に分析)
三次元散布図
起立動作を運動評価に用いるポイント
パワーパラメータ スピードパラメータ
-100
-80
-60
-40
-20
0
20
40
60
-100 -50 0 50 100 -100
-50
0
50
100
0 500 1000 1500 2000 2500 3000
-100
-50
0
50
100
0 500 1000 1500 2000 2500 3000
X軸:左右動揺(Vx)
Y軸:鉛直荷重(Vw)重心動揺軌跡
バランスパラメータ
y = 2.9234x - 352.81R² = 0.1551
y = 2.7885x - 345.6R² = 0.2277
-50
0
50
100
150
200
250
300
350
100 120 140 160 180 200
男性
女性
(cm)
(V/W)
身長・鉛直荷重(V/w)(F/W)
技術へ影響を及ぼす技能要因の検討
運動機能・技術・技能の評価
0
20000
40000
60000
80000
100000
120000
140000 (g)
0
20000
40000
60000
80000
100000
120000
140000(g)
パラメータ抽出
(mm)
(mm)
(mm)
(mm)
解析ソフト:R(ver.3.2.5)作図:DeltaGraph(ver.7)
拮抗二関節筋クローズドキネティックチェーン
剛性制御筋活動
0
50
100
0 1 2
GRF
0
50
100
150
0 1 2
LF
VL
BF
TA
GRF‐max 比
荷重パターン
0
30
60
90
120
150
180
0.0 0.5 1.0 1.5
股関
節角
度(deg)
Time (sec)
Task.1
Task.2
Task.3
0
30
60
90
Task.1 Task.2 Task.3
股関
節角
度(deg)
***
******
Task別股関節最小角度
0
100
200
300
400
500
Task.1 Task.2 Task.3
T(m
sec)
ns
********:p<0.005 ** :p<0.01ns :p>0.05
①身体重心位置の上昇②足底面における地面反力③筋活動パターン④STS環境
立ち上がりパワー測定記録向上のための動作様式では転倒予防に必要な筋の筋発揮が十分に見られない可能性がある
CS-30テスト法上体を起こした立ち上がり方が記録の向上と転倒予防能力の測定につながると考えられる
アップ&ゴーテスト(TUG)法歩行能力や動的バランス,敏捷性などを総合した機能的移動能力を評価する
Task別股関節角度推移(subA)
-100
-80
-60
-40
-20
0
20
40
60
-60 -40 -20 0 20 40 60
重心動揺軌跡
y = 998.91x + 18543
R² = 0.4845
0
20000
40000
60000
80000
100000
120000
0 20 40 60 80 100
動的バランス
POWER(x) SPEED(y)
BALANCE(z)
運動要素の構造化
y = 68.85x - 7.4693R² = 0.0605
y = 73.824x - 22.501R² = 0.07
0
50
100
150
200
250
300
350
400
1 1.2 1.4 1.6 1.8 2 2.2
(V/x)
パワー・重心動揺(V/x)
男性
女性
y = 4.8996x + 38.61R² = 0.0683
y = 4.5266x + 29.17R² = 0.083
0
50
100
150
200
250
300
350
400
0 5 10 15 20 25
(RFD/W)
(V/x)
スピード・重心動揺V/x)
男性
女性
現場での活用
y = 0.7524x + 67.94R² = 0.2875
y = 0.7934x + 21.159R² = 0.3729
0
50
100
150
200
250
300
350
400
0 100 200 300 400
パワー・スピード・バランスの関連性
動的バランス
男性
女性
結果(V/x)
(V/w)
y = 0.3092x + 85.873R² = 0.0186
y = -0.0476x + 80.367R² = 0.0009
0
50
100
150
200
250
300
350
400
0 20 40 60 80 100
男性
女性
(V/x)
(歳)
+ +・剛性制御・拮抗二関節筋・筋活動
・クローズドキネティックチェーン
・剛性制御
・股関節ストラテジー
・筋シナジー
--運動要素の推定と評価--
②T:起立時間(msec)
①RFD/W
最大傾斜角度/体重(kgf/s/BW)
③SUI/W:最大値/体重( kgf/BW)
地面反力の最大値(kgf)
体重(kg)F/w=
地面反力が最大増加を記録した増加量(kgf/s)
体重(kg)RFD/w=
1.791.491.401.341.311.291.261.231.201.16
16.1211.9310.9510.289.879.328.708.167.276.29
0.991.011.051.081.111.141.161.211.332.13
0.570.740.861.001.111.211.411.752.254.60
99898380777571686356
パワー スピード
安定時間 左右の動揺
バランス 総合評価
・股関節ストラテジー
構造化に向けた運動要素の特徴
パワー:運動実施群では年齢との関係性が低い。本研究では、スピードとバランスとの独立性が高い。スピード:運動実施群では年齢との関連性が低い。本研究では、パワーとバランスとの独立性が高い。バランス:運動実施群では年齢との関係性が低い。本研究では、パワーとバランスとの独立性が高い。
クラスター分析(k-means法)
それぞれに独立した要素
①身体重心位置の上昇②足底面における地面反力③筋活動パターン④股関節ストラテジー⑤足関節ストラテジー⑥CKC環境
①身体重心位置の上昇②足底面における地面反力③筋活動パターン④股関節ストラテジー⑤足関節ストラテジー⑥CKC環境
①身体重心位置の上昇②足底面における地面反力④股関節ストラテジー⑤足関節ストラテジー⑥CKC環境
①身体重心位置の上昇:振込動作、荷重②足底面における地面反力:脚伸展に伴う関節トルクとパワー、筋腱複合体③筋活動パターン:二関節筋の部位別筋活動あるいは筋シナジー④股関節ストラテジー(hip strategy=ヒップストラテジー) :立位の姿勢制御戦略⑤足関節ストラテジー(ankle strategy=アンクルストラテジー):立位の姿勢制御戦略⑥CKC環境(Closed Kinetic Chain=クローズドキネティックチェーン):末端固定環境
地面反力最大値
体重
地面反力最大値
地面反力最小値
技能・技術
巧緻性
基礎運動
足底面における地面反力 身体重心位置の上昇 関節ストラテジー
・筋シナジー