基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ ·...

40

Transcript of 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ ·...

Page 1: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか
Page 2: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

:「基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と は異なる取扱いとなるケースが含まれる場合には、ページの角にこ のマークを付すとともに、具体的な記載内容には青い網掛け表示を しています。

基 金 分 は 取 扱 い が 異なります

まえがき

このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか ら科研費に応募しようとしている方など、主に研究者の方々を対象 として、科研費についての基本的な内容を分かりやすく解説したも のです。 科研費への理解を深めていただき、より良く使っていただくため に、このハンドブックに必ず目を通してください。 なお、科研費は、平成23年度から一部研究種目について「基金 化(※)」による制度改革をスタートさせ、平成24年度には基金 対象種目を拡大しました。 詳細は3~7ページを参照してください。

(※)文部科学省から交付される補助金により日本学術振興会に創設される 「学術研究助成基金」から、研究費(学術研究助成基金助成金)が助成 されます。 現在、学術研究助成基金助成金と科学研究費補助金による「科学研究

費助成事業」を「科研費」として取扱っています。なお、これまでと「科研費」の目的・性格を変えるものではありません。

Page 3: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

科研費ハンドブック目次

1. 科研費とは? ・・・・・・・・・・・・・・1

2. 科研費の「基金化」とは? ・・・・・・・・・3

3. 年間スケジュールは? ・・・・・・・・・・8

4. 科研費のルールは? ・・・・・・・・・・・9

5. 応募資格は? ・・・・・・・・・・・・・10

6. 応募時に注意することは? ・・・・・・・11

7. 審査は? ・・・・・・・・・・・・・・・15

8. 研究費はいつから使えるのか? ・・・・・17

9. 機関管理とは? ・・・・・・・・・・・・18

10. 直接経費は何に使えるのか? ・・・・・・19

11. 間接経費とは? ・・・・・・・・・・・・23

12. 繰越とは? ・・・・・・・・・・・・・24

13. 研究計画の変更は? ・・・・・・・・・・25

14. 採択後の評価は? ・・・・・・・・・・・28

15. 研究実績や成果の報告は? ・・・・・・・29

16. 研究成果を発表したら? ・・・・・・・・31

17. ルールに違反したら? ・・・・・・・・・33

18. その他のルールは? ・・・・・・・・・・35

科研費についてのお知らせ ・・・・・・・・・・36

Page 4: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

政府主導の国家プロジェクト

の実施

政策課題対応型研究開発【mission-orie nted research】

府省がそれぞれ定める

目的のための公募型研究

の実施

運営費交付金等 研究開発法人等における

戦略的な研究開発の推進

競争的資金等

公募

・審査

による

課題選

定)

研究の性格

科研費による

研究の推進

研究者の自由な発想に基づく研究

(学術研究)【curiosity-drive n research】

大学・大学共同利用機関等

における研究の推進

資金の性格

人文・社会科学から自然科学まですべての分野に わたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」 (大学等の研究者の自由な発想に基づく研究) を 対象とした唯一の「競争的資金」です

1.科研費とは?

<我が国の科学技術・学術振興方策における「科研費」の位置付け>

資金の性格

研究の性格研究者の自由な発想に基づく研究

(学術研究)

1

Page 5: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○ 科研費の「研究種目」一覧

* 科研費の審査・交付は、徐々に文部科学省から独立行政法人日本学術振興会に移管しています。

研 究 種 目 等 研 究 種 目 の 目 的 ・ 内 容

科学研究費

特別推進研究 ※ 国際的に高い評価を得ている研究であって、格段に優れた研究成果をもたらす可能性のある研究(期間3~5年、1課題5億円程度を上限の目安とするが、上限、下限とも制限は設けない)

特定領域研究 我が国の学術研究分野の水準向上・強化につながる研究領域、地球規模での取り組みが必要な研究領域、社会的要請の特に強い研究領域を特定して機動的かつ効果的に研究の推進を図る(期間3~6年、単年度当たりの目安1領域 2千万円~6億円程度)

新学術領域研究 (研究領域提案型)研究者又は研究者グループにより提案された、我が国の学術水準の向上・強化につながる新たな研究領域について、共同研究や研究人材の育成等の取り組みを通じて発展させる

(期間5年、単年度当たりの目安1領域 1千万円~3億円程度)(研究課題提案型)確実な研究成果が見込めるとは限らないものの、当該研究課題が進展することにより、学術研究のブレークスルーをもたらす可能性のある、革新的・挑戦的な研究

(期間3年、単年度当たり1千万円程度)

基盤研究 ※ (S)1人又は比較的少人数の研究者が行う独創的・先駆的な研究(期間原則5年、1課題 5,000万円以上2億円程度まで)

(A) 1人又は複数の研究者が共同して行う独創的・先駆的な研究(B)(C)(期間3~5年)

(A) 2,000万円以上 5,000万円以下(B) 500万円以上 2,000万円以下(応募総額によりA・B・Cに区分)(C) 500万円以下

※ 独創的な発想に基づく、挑戦的で高い目標設定を掲げた芽生え期の研究挑戦的萌芽研究(期間1~3年、1課題 500万円以下)

若手研究 ※ (S)42歳以下の研究者が1人で行う研究(期間5年、概ね3,000万円以上1億円程度まで)39歳以下の研究者が1人で行う研究(A)(B)

(A)500万円以上3,000万円以下(期間2~4年、応募総額によりA・Bに区分)(B) 500万円以下

研究活動スタート 研究機関に採用されたばかりの研究者や育児休業等から復帰する研究者等が1人で行う研究支援 ※ (期間2年以内、単年度当たり150万円以下)

奨励研究 ※ 教育・研究機関の職員、企業の職員又はこれら以外の者で科学研究を行っている者が1人で行う研究(期間1年、1課題 100万円以下)

特別研究促進費 緊急かつ重要な研究課題の助成

研究成果公開促進費

研究成果公開発表 学会等による学術的価値が高い研究成果の社会への公開や国際発信の助成

学術定期刊行物 ※ 学会又は、複数の学会の協力体制による団体等が、学術の国際交流に資するために定期的に刊行する学術誌の助成

学術図書 ※ 個人又は研究者グループ等が、学術研究の成果を公開するために刊行する学術図書の助成

データベース ※ 個人又は研究者グループ等が作成するデータベースで、公開利用を目的とするものの助成

特別研究員奨励費 ※ 日本学術振興会の特別研究員(外国人特別研究員を含む)が行う研究の助成(期間3年以内)

注1)※印の研究種目の審査・交付は、日本学術振興会が行っています。注2)「研究成果公開発表」の中に、「研究成果公開発表(B・C)」の応募区分があります。注3)「特定領域研究」の「新規の研究領域」、「新学術領域研究(研究課題提案型)」及び「若手研究(S)」の新規募集

は行っていません。注4)青字の研究種目(基盤研究(C)、挑戦的萌芽研究、若手研究(B))のうち、平成23年度以降に新規に採択された

研究課題については、「基金化」の対象となっています。「基金化」については、3~7ページを参照してください。注5)赤字の研究種目(基盤研究(B)、若手研究(A))のうち、平成24年度以降に新規に採択された研究課題について

は「基金化」の対象となっています(研究費総額のうち500万円以下)。「基金化」については、3~7ページを参照してください。

研究内容や規模などに応じて様々なカテゴリー(研究種目)を設定しています

2

Page 6: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○平成23年度から、学術研究の助成を行うための 基金を日本学術振興会に創設し、科研費の一部研 究種目を「基金化」しました

○平成24年度には新たに対象種目を拡大しています

基金化の対象は、 ☞ 「基盤研究(C)」、「挑戦的萌芽研究」、「若手研究(B)」 のうち、平成23年度以降に新たに採択された研究課題。 ☞ 「基盤研究(B)」、「若手研究(A)」 のうち、平成24年度以降新たに採択された研究課題 (研究費総額のうち500万円以下)。

→1研究課題ごとに研究費総額のうち500万円までは助成金、 500万円を超える分は補助金が交付されます。

2.科研費の「基金化」とは?

研究の進捗に合わせて、年度の区切りにとらわれずに研究費を使用できるようにするための制度改革を行いました

・ 上記以外の研究種目は、基金化の対象ではありません。 また、「基盤研究(C)」、「挑戦的萌芽研究」、「若手研究(B)」の 平成22年度以前に採択された研究課題及び「基盤研究(B)」、 「若手研究(A)」の平成23年度以前に採択された研究課題についても、 基金化の対象ではありません。

基 金 分 は 取 扱 い が 異なります

3

Page 7: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

4

Page 8: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

「補助金分」

従来の「補助金分」の科研費と、「基金分」の科研費には次のような違いがあります

交付決定

単年度ごとの交付決定 研究期間全体を通じた複数年度の交付決定

年度をまたいだ

物品の調達

物品の納入は、年度末の3月31日までに終了しなければならず、年度をまたいだ研究費の使用は不可

(繰越が認められた場合を除 く。22、24ページ参照)

補助事業期間内であれば、年度をまたいだ物品の調達が可能

研究費の送金

<毎年度> 交付決定後に、毎年度、当該年度分の研究費を送金

<初年度> 交付決定後に、初年度分の研究費のみ送金

<2年度目以降> 年度当初に、当該年度分の研究費を送金 (前年度末に研究費を 請求)

※直接経費が「300万円以上」の場合は、2回に分けて送金

「基金分」

※各年度の所要額(直接経費)が「300万円以上」の場合は、2回に分けて送金

5

Page 9: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

研究費の次年度使用(繰越)

研究費の前倒し使用

「基金分」

<手続> 事前の繰越手続が必要(繰越を必要とする理由書の提出が必要)

(24ページ参照)

<手続> 事前の繰越手続は不要(年度ごとに研究費の使用状況を事後報告)

<理由> 理由を限定せずに次年度使用が可能

(介護休暇等の、研究者の自己都合による場合でも可能)

<理由> 事前に予想し得なかった、やむを得ない理由のみ

研究費の前倒し使用は不可 (年度ごとの範囲内で研究費を使用)

研究上の必要に応じて、研究費の前倒し使用が可能

※補助事業期間を延長する 場合には事前の手続が 必要です。

※「前倒し支払請求書」によ る事前の手続が必要です。

※前倒しに伴って、補助事業 期間を短縮することはでき ません。

「補助金分」

<次年度の研究費との合算>

繰越が認められても、次年度の研究費との合算使用は不可

<次年度の研究費との合算>

次年度の研究費との合算使用が可能

6 6

Page 10: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

・ この他、補助事業期間中は、年度の区切りを気にかけることなく研究 費を使えるため、研究者はより研究に専念できます。 また、年度末の「使い切り」がなくなるなど、研究費のより効果的・ 効率的な活用が期待されます。

○「基金化」には、次のようなメリットがあります

✔ 研究の進捗に合わせた研究費の前倒し使用が可能になります(※)

☞ 従来の補助金分の科研費では、翌年度以降の研究費を前倒しし て使用することはできません

✔事前の手続なく、研究費を次年度に使用すること

が可能になります(※)

☞ 従来の補助金分の科研費では、研究費の次年度使用を希望す る場合には、理由書提出など事前の手続を経て繰越を行う必 要があります(24ページ参照)

✔年度をまたぐ物品の調達が可能になります(※)

☞ 従来の補助金分の科研費では、年度を越えた使用は認められま せん(繰越が認められた場合を除く。22、24ページ参照)

(※)「基盤研究(B)」、「若手研究(A)」では、1研究課題ごとに研究費総額

のうち500万円までは助成金、500万円を超える分は補助金で交付されるため、助成金が交付された範囲内で可能になります。

(※)年度をまたぐ使用については、各機関内でのルールの改正が必要になることがありますので、支障がないようにお願いします。

基 金 分 は 取 扱 い が 異なります

7

Page 11: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

3.年間スケジュールは?

できるだけ早く研究者が研究を開始できるよう、次のようなスケジュールで科研費の応募・審査などが行われています

○研究者が切れ目なく研究費を使用できるように新 規の研究課題についても4月当初に交付内定を行 うべく審査が行われています

(例)「基盤研究(A)、(B)、(C)」、「若手研究(A)、(B)」、「挑戦的萌芽研 究」のスケジュール【平成24年度】

・公募の開始 前年度の 9月1日 ・応募の締切 前年度の11月10日 ・審査期間 前年度の12月上旬~ 3月上旬 ・交付の内定 4月1日 ・交付の決定 6月中旬

※「特別推進研究」、「新学術領域研究(研究領域提案型)の新規の研究領域」、「基盤 研究(S)」は、応募受付の時期は同じですが、多少交付内定の時期が遅くなっていま す。これは、ヒアリング審査の実施などにより審査期間が長くなるためです。

○「研究活動スタート支援」は、例えば、4月に研 究機関に採用されたばかりの研究者など、前年の 9月~11月の応募時期に応募できなかった研究 者を支援するため、公募・審査の時期を他の研究 種目と異なる時期に設定しています

・公募の開始 前年度の3月上旬 ・応募の締切 前年度の3月上旬~5月中旬

8

Page 12: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

科研費には、「応募ルール」、「評価ルール」、「使用ルール」の3つがあります

○応募ルール 応募資格など、応募・申請に関するルールであ り、「公募要領」において定められています

○評価ルール 事前評価 (審査) 、中間評価、事後評価、研究 進捗評価、追跡評価に関するルールであり、 「科学研究費助成事業における審査及び評価に 関する規程」等において定められています

○使用ルール 交付された科研費の使用に関するルールであり、 交付決定時の「補助条件」や「交付条件」(※) において定められています (※)「補助金分」の科研費の場合は「補助条件」、 「基金分」及び「一部基金分」の科研費の場合は それぞれの「交付条件」が適用されます。

4.科研費のルールは?

9

Page 13: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

応募するためには、研究機関(※)に所属し、下記の①及び②を満たしていることが必要です

①応募時点において、所属する研究機関(※)から次のア、 イ及びウの要件を満たす研究者であると認められ、府省 共通研究開発管理システム(e-Rad)において、「科研費 の応募資格有り」として研究者情報が登録されている研 究者であること

〈要件〉

ア 研究機関に、当該研究機関の研究活動を行うことを職務に含む者として、所属 する者(有給・無給、常勤・非常勤、フルタイム・パートタイムの別を問わない。 また、研究活動そのものを主たる職務とすることを要しない。)であること イ 当該研究機関の研究活動に実際に従事していること(研究の補助のみに従事し ている場合は除く。) ウ 大学院生等の学生でないこと(ただし、所属する研究機関において研究活動を 行うことを本務とする職に就いている者(例:大学教員や企業等の研究者など) で、学生の身分も有する場合を除く。)

(※)科学研究費補助金取扱規程(文部省告示)第2条に規定される研究機関 1)大学及び大学共同利用機関 2)文部科学省の施設等機関のうち学術研究を行うもの 3)高等専門学校 4)文部科学大臣が指定する機関

②科研費やそれ以外の競争的資金で、不正な使用、不正な 受給又は不正行為を行ったとして、平成24年度に「交 付の対象としないこと」とされていないこと (参考)研究機関が満たさなければならない要件

○研究者が科研費による研究活動を行うにあたり、所属する研究機関が次のア及び イの要件を満たしていることが必要です

〈要件〉 ア 科研費が交付された場合に、その研究活動を、当該研究機関の活動として行わせること。 イ 科研費が交付された場合に、機関として科研費の管理を行うこと。

○また、応募に当たっては、研究機関は、毎年度、「研究機関における公的研究費の 管理・監査のガイドライン(実施基準)」に基づく「体制整備等の自己評価チェッ クリスト」を提出する必要があります

注)上記に示している応募資格は、平成24年度公募のものです。 平成25年度公募において応募する際には、必ず「公募要領」を確認してください。

10

5.応募資格は?

10

Page 14: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

6.応募時に注意することは?

「公募要領」に記載されている内容をよく確認してください

○公募要領の内容は毎年改訂されますので、最新の 情報は、次の科研費ホームページで確認してくだ さい

文部科学省: http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/main5_a5.htm

日本学術振興会: http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/index.html

○次の3点について、応募の前に行っていただく必

要があります

①応募資格の確認

• 応募資格の詳しい内容については、10ページを参照してください。

②研究者情報のe-Radへの登録の確認

• 研究者情報の登録や登録されている研究者情報の修正に係る手続は研究機関がe-Radにより行うため、登録や修正の手続の詳細については、所属する研究機関の担当者に確認してください。

③e-RadのID・パスワードの取得

• 所属する研究機関より、ID・パスワードが付与されます。 • 一度付与されたID・パスワードについては、研究機関を異動しない

限り使用可能です。

11 11

Page 15: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○応募に必要な書類は研究計画調書です

研究計画調書作成時には、次のことに注意してください

なお、作成に当たっては、まず応募可能な研究種目であるか どうか公募要領に記載の重複制限を十分確認してください

・「研究計画調書等作成・記入要領」に従って作成してください。

・研究計画調書の各欄の上部に、当該欄に記載することがまとめられて います。審査の際の重要なポイントになりますので、指示に従って記 載してください。

・審査に関する規程は公表されています。研究種目ごとの審査の基準 等を十分念頭に置いて記載してください。

○応募情報の入力もれ、誤入力に注意してください

・研究計画調書の「応募情報(Web入力項目)」の内容に基づき審査資料 を作成しますので、入力もれ・誤入力がないように注意してください。

○応募書類の訂正、再提出はできません

・「応募書類」の提出後に、その内容に誤りが見つかっても、訂正・再 提出はできません。

・また、応募書類の提出(送信)期限より後に提出(送信)があっても 受理しませんので、応募手続やスケジュール等については、所属する 研究機関の担当者に十分確認してください。

○研究分担者からは、あらかじめ承諾を得てくださ い

・研究代表者は、研究組織に研究分担者を加える場合には、必ず本人の 意思を確認のうえ「研究分担者承諾書」を徴し、保管してください。

12 12

Page 16: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

13

「研究分担者」「連携研究者」「研究協力者」の定義は次のとおりです

○「研究分担者」は、科研費の一部を主体的に使用 する者(研究代表者とともに補助事業の遂行に責 任を負い、自らの裁量で研究費を使用する者)と して、補助事業者に位置付けられます

○「連携研究者」は、科研費を主体的に使用しない 者であり、補助事業者には位置付けられません ・「研究分担者」及び「連携研究者」になるためには、応募資格(10ペー ジ参照)が必要です。

○「研究分担者」と「連携研究者」の違いは、研究 費制度上の位置付けの違いであって、研究活動に おける役割の軽重を表すものではありません (例)

・研究代表者から300万円の分担金の配分を受け、○○実験を担当す るA研究者は研究分担者 ・実験に必要な試料等を研究代表者から受け、分担金の配分を受けるこ となく、○○実験に参画し研究を実施するB研究者は連携研究者

○ 「研究協力者」は、研究課題の遂行に当たって協 力を行う者であり、補助事業者には位置付けられ ません ・応募資格がない者であっても「研究協力者」になることができます。 ・「研究協力者」は、「連携研究者」と同様に、科研費を主体的に使用す ることはできません。

13

Page 17: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○科研費により雇用されている者は、通常、雇用契 約等において雇用元の科研費の業務に専念する必 要があります このため、雇用元の科研費の業務に充てるべき勤 務時間を前提として自ら科研費に応募することは 認められません

○ただし、以下の点が確認されていれば、研究代表 者として応募することができるほか、研究分担者 及び連携研究者になることもできます また継続課題も同様に、自ら科研費の研究を実施 することができます

✔ 雇用元の科研費の業務以外に自ら主体的に研 究を行うことができる旨を雇用契約等で定めら れていること

✔ 雇用元の科研費の業務と、自ら主体的に行う 研究に関する業務について、勤務時間やエフォ ートによって明確に区分されていること

✔ 雇用元の科研費の業務以外の時間であって、 自ら主体的に行おうとする研究に充てることが できる時間が十分確保されていること

14

科研費により雇用されている者が、自ら科研費に応募することはできますか?

14

Page 18: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

7.審査は?

科研費の審査は、研究者のピア・レビューにより行われています

○審査方針・基準はすべて公開されています

○研究種目ごとに、次のような審査が行われます

◇基盤研究、若手研究、挑戦的萌芽研究の場合

細目ごとに複数の審査委員(1課題あたり4名又は6名)による書面審査の後、審査会における合議審査が行われます。

【基盤研究・若手研究】

書面審査では、各研究課題について5段階の総合評点及び各評定要素ごとの4段階評点とともに審査意見が付され、合議審査においては、書面審査の結果を基に、複数の審査委員が合議により、書面審査結果の妥当性も含めて採択課題の選定を行います。

【挑戦的萌芽研究】

書面審査では、各研究課題について4段階の絶対評価と最上位の研究課題についての2段階の相対評価による総合評点及び各評定要素ごとに4段階評点並びに審査意見が付され、合議審査においては、書面審査の結果を基に、複数の審査委員が合議により、書面審査結果の妥当性も含めて採択課題の選定を行います。

◇特別推進研究、基盤研究(S)などの場合

特に大型の研究種目については、審査会において、書面審査に加え、ヒアリング審査を行っています。

※基金分の科研費も、補助金分の科研費と同様の審査方針・基準で審査が行われます。

○研究種目ごとに、文部科学省及び日本学術振興 会において審査を行っていますが、6,000名以上 の研究者が関わっています

・審査終了後には、科研費ホームページにおいて審査委員の氏名等を

公開しています。

文部科学省:http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/main5_a5.htm

日本学術振興会:http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/index.html

15 15

Page 19: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○公正で優れた審査委員を選考するため、日本学術 振興会では、科研費に採択された研究者を中心に 構成する「審査委員候補者データベース(登録者 数約65,000件)」を活用しています

・データベースに登録された方には、登録情報の確認と更新をお願いし ています。適切な審査を行うため、非常に重要ですので、登録情報を 最新のものに保つために、必ず確認と更新をしていただくようお願い します(平成22年度から、随時、登録情報の確認と更新を行えるよ うにしています。)。

○審査については検証・分析を行い、不適切と思わ れる審査を行っていた審査委員に対しては、次年 度の審査を依頼しないなど、審査が公正に行われ るようにしています

○不採択となった研究課題について審査結果の開示 を進めています

【基盤研究、若手研究などの場合】

・第1段審査結果について、およその順位(ABC)、評定要素ごとの

審査結果及び「定型所見」などを開示しています。平成22年度から、

従来のハガキによる開示から電子申請システムによる開示に変更し、

研究代表者が、応募時と同様に電子申請システムにログインすること

で閲覧することができます。

【特別推進研究、新学術領域研究などの場合】

・審査結果の所見を開示しています。

○審査の過程において競争的資金の不合理な重複や 過度の集中が認められた場合には、採択しないこ とがあります

16

※審査に関する情報は、文部科学省、日本学術振興会の科研費ホームペー ジでご覧いただけます。

文部科学省:http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/main5_a5.htm

日本学術振興会:http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/index.html

16

Page 20: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○一部の大型の研究種目を除き、ほとんどの新規課 題について、4月1日 に採択が通知され、内定 通知日以降、ただちに研究を開始することができ ます 継続課題についても、4月1日から切れ目なく研 究費を使うことができます

・「研究を開始できる」とは、研究費の受領前であっても、必要な契約 等(物品の購入、研究協力者の雇用など)を行い、実際の研究活動を 始めてよいということです。

・科研費の実際の交付は、交付申請・決定の手続を経て、前期分は 6月頃、後期分は10月頃を予定しています(ただし、直接経費が 300万円未満の研究課題は前期に一括して交付する予定です。)。

基金分の科研費の2年目以降の研究費は、毎年、年度当初に前期分が 交付されます。(その年度の直接経費の所要額が300万円未満の場 合は、前期に一括して交付する予定です。)

・4月から研究を開始する場合には、所属する研究機関による立替払制 度等を利用し、科研費の交付後に精算することとなります。

○年度終了後に行う実績報告の期限は、研究機関に おける会計手続の締め切りを考慮して翌年度の 5月末としていますので、年度末まで研究を実施 することが可能です

・補助金分の科研費については、研究に必要な物品の納品や役務の提供 などは、その年度の3月31日までに終了してください。

○基金分の科研費については、補助事業期間内であ れば、研究費の年度を越えた使用(年度を越えた 物品の調達等)が可能です

※詳しくは、所属の研究機関にお尋ねください

8.研究費はいつから使えるのか?

科研費は、初年度の内定通知から最終年度の終わりまで、途切れることなく使用できます

17

基 金 分 は 取 扱 い が 異なります

17

Page 21: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

9.機関管理とは?

科研費の管理や諸手続は、すべて研究機関が行うこととしています

<研究機関による管理を行う理由>

①研究者の負担を軽減するためです

・研究者は研究に専念することができます。

②意図せぬルール違反を防止するためです

・経理事務等に精通していない研究者による「うっかりミス」を防止する

ことができます。

○研究費の使用に際しては、使用ルールである「補 助条件」、「交付条件」や所属する研究機関が定 める会計ルールに従ってください

・物品を購入する時には、「補助条件」、 「交付条件」や所属する研究機 関のルールに従って、必ず事務職員等の第三者による納品検査(検収) を受けてください(検収を適切に受けていない場合、科研費の返還につ ながることもあります。)。

・研究費の管理や諸手続は研究機関が行いますが、研究代表者や研究分担 者は法律で定める「補助事業者」ですので、研究費の使用状況を十分把 握した上で研究を進めてください。

18 18

Page 22: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

10.直接経費は何に使えるのか?

研究に直接必要な経費として、広く柔軟に使用できます

19

○研究に必要な物品の購入費、旅費、人件費・謝 金及びその他(当該研究を遂行するために必要 な経費)に使用することができます

○次のような経費にも使用できます •研究協力者を雇用するための経費

研究代表者及び研究分担者以外の者で、研究実施のため特別に雇用する 研究者を含みます(ポストドクター、リサーチアシスタント(RA) 等)。なお、研究代表者が雇用するのではなく、研究機関が当事者とし

て勤務内容、勤務時間等を明確にした雇用契約を締結してください。 •研究実施場所を借り上げるための経費

研究機関の施設において研究を行うことができない場合(賃借料のほか、 敷金、研究機関内でのスペースチャージなど。) •研究を実施することにより生じた廃棄物の処理に係る経費

研究実施に当たって使用した薬品等の処理に係る経費などにも使用でき ます。

•科研費の研究で使用する設備の修理費

科研費以外の経費で購入した設備の修理にも使用できます。

•シンポジウムなどを開催するときの食事費用

アルコール飲料類には使用できません。 •研究成果発表のための学会誌投稿料、ホームページ作成費用、研究成果 広報用パンフレット作成費用、一般市民を対象とした研究成果広報活動 などのアウトリーチ活動

○科研費で購入した設備については、その研究に支 障がない限り、他の研究者が使用することもでき ます

19

Page 23: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

20

○平成24年度より、研究費の効率的な使用及び 設備の共用を促進するため、複数の科研費やそ の他の経費を合算して共用設備を共同で購入で きるようにしました

<研究費使用の改善イメージ>

• これまで単独では購入が難しかった高額の機器も、研究者が共同で費用を負担することにより、共用設備として購入が可能となるなど、研究費使 用の自由度が高まり、より一層の研究の進展が期待されます。

複数の科研費を合算して、設備の共同購入ができるようになりました

20

Page 24: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

使用できないケースは?

○交付申請書記載の研究目的以外のものや、研究と 直接関係のないものへの使用は認められません • 交付された研究費を節約したとしても、他の研究のために使用するこ

とはできません。

○次のものへの使用は、研究費(直接経費)では認 められません • 建物等の施設の整備

(研究者が科研費により購入した物品の据付費を除く。)

• 研究中に発生した事故・災害の処理

• 研究代表者又は研究分担者の人件費・謝金

• その他、間接経費を使用することが適切なもの

○科研費と他の資金とを混ぜた使用は、次のような 場合を除いて認められません

<合算使用が認められるケース>

• 補助事業に係る用務と他の用務とを合わせて1回の出張をする場合に おいて、他の経費との使用区分を明らかにしたうえで使用する場合

• 他の用途にも使用する1個(※)の消耗品等を購入する場合において、 他の経費との使用区分を明らかにしたうえで使用する場合

(※)1個とは、1ケース、1ダースなどの一つのまとまった購入単 位を含みます。

• 直接経費に他の経費(委託事業費、私立大学等経常費補助金、他の科 研費及び間接経費など、当該経費の使途に制限のある経費を除く。) を加えて、補助事業に使用する場合

• 直接経費に、同一研究機関における他の科研費による補助事業の直接経費を加えて、複数の補助事業において共同して利用する設備を購入 する場合(20ページ参照)

21 21

Page 25: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○補助金分の科研費では、年度を越えた使用は認め

られません(繰越が認められた場合を除く)

基金分の科研費については、年度を越えた使用が

可能です ・補助金分の科研費については、物品の納入、役務の提供などは、その年 度の3月31日までに終了してください。ただし、繰越が認められた場 合は除きます。 (繰越の手続については、24ページを参照してください。)

次年度に研究が継続する場合でも同様ですので、次年度の出張のた

めの航空券購入費用・宿泊費用等を、前年度の研究費で予め支払っ

ておくことはできません。また、次年度に開催される国際学会に参

加するための登録料(3月中に支払わなければ参加できない場合な

ど)についても同様です。(前年度中に支払いが必要な場合は、研

究機関等が立て替える等してください。)

・基金分の科研費については、補助事業期間内であれば研究費の年度を越

えた使用が可能ですので、年度を越えて物品を調達することなどもでき

ます。また、次年度の研究費と合わせて使用することも可能です。

※詳しくは、所属の研究機関にお尋ねください

※科研費は、国民の貴重な税金でまかなわれていま すので、補助事業者はルールに従って、適正かつ 効率的な使用に努めていただく必要があります

22

基 金 分 は 取 扱 い が 異なります

22

Page 26: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○間接経費は、科研費の交付を受ける研究者が所属 する「研究機関」のための経費です

○特別推進研究、新学術領域研究、基盤研究、挑戦 的萌芽研究、若手研究、研究活動スタート支援 には、直接経費の30%相当額の間接経費が併せ て措置されます

○間接経費は、研究機関の長が「補助事業の実施に 伴う研究機関の管理等に必要な経費」であると判 断すれば、研究機関において下記使用例以外の幅 広い用途にも使用することができます <間接経費の使用例>

・人件費(研究代表者・研究分担者の人件費として使うことも、禁止 されていません)

・設備の共用のための技術職員の配置、共用施設の整備

・施設費(整備費、管理費など)

・設備費(購入費、運用経費など)

・図書館費(施設整備費、維持、管理のための経費)

・共用して使用するコピー・プリンタなどの消耗品費

・研究の広報活動費

・競争的資金に関する管理事務の必要経費

・特許出願費用、弁理士費用、審査請求費用など

11.間接経費とは?

科研費の交付を受けた研究活動を支援するとともに、研究環境を整備するための研究機関向けの資金です

23 23

Page 27: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○交付決定時には予想し得なかったやむを得ない事 由に基づき、研究が予定期間内に完了しない見込 みとなった場合には、手続を経て、研究費を翌年 度に繰越して使用することができます

・直接経費のみを繰越すこともできますし、研究期間が最終年度の課題で あっても繰越すことができます。

〔例〕 ・地震、津波、豪雨等により研究の継続が一時困難となった

・予定していた国際シンポジウムに不可欠な講演者の出席がキャンセルに なったため、翌年度に改めて開催する必要が生じた

・自らの研究や他の研究者の研究により、予期し得なかった新たな知見が 得られたために、当初計画を変更する必要が生じ、このためにかなりの 日数を要した

○研究者が文部科学省に提出する申請書類は1枚の みです

※研究を効果的に行い、研究費をより効率的に使用するた めにも、繰越の要件に合致する場合には、積極的に繰越 制度を活用してください ※繰越手続等詳細は、次の科研費ホームページに掲載しています

文部科学省:http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/1299857.htm 日本学術振興会:http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/16_rule/rule.html#kurikoshi

○基金分の科研費については、事前に繰越の手続を せずに研究費を次年度に使用することができます

・基金分の科研費では、年度ごとに研究費の使用状況について事後報告 をいただくことになります。

・最終年度に研究費を使用する場合には、事前に補助事業期間を延長する ための手続が必要です。

研究計画の変更に伴って、研究費の一部を翌年 度に繰越すことができます

24

12.繰越とは?基 金 分 は 取 扱 い が 異なります

24

Page 28: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○経費の使用内訳の変更(総額の50%未満) ・各費目(物品費、旅費、人件費・謝金、その他)のそれぞれについて、 直接経費の「総額(※)の50%未満」(直接経費の総額の50%が 300万円以下の場合は、300万円まで)の範囲内で、自由に変更 できます。 なお、所定の手続を行えばこれ以上の変更も可能です。

(※)基金分の科研費については、交付決定を受けた、補助事業期間 全体の直接経費の総額をさします。

(※)「基盤研究(B)」、「若手研究(A)」の平成24年度以降に 採択された研究課題については、交付申請書等に記載した当該年 度の「補助事業に要する経費」の額をさします。

○交付申請書に記載された次の事項の変更 ・「役割分担等」、「直接経費(分担金の研究者別内訳)(分担金の 額の変更)」、「研究実施計画」、「主要な物品の内訳」等

※研究活動は研究の進展に伴って変化する性格のものですから、 以上の変更については研究者や研究機関の判断に委ねられてい ますが、あくまで当初の研究目的を達成するために効果的に研 究を行う観点から適切に判断していただくことが大切です。

13.研究計画の変更は?

研究の進展に応じ、次のような変更を自由に行えます (承認などの申請手続は必要ありません)

25

基 金 分 は 取 扱 い が 異なります

25

Page 29: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○使用内訳の大幅な変更 ・各費目の額を、直接経費の「総額(※)の50%」(直接経費の総 額の50%が300万円以下の場合は、300万円を越える額)以 上変更しようとする場合には手続が必要です。

(※)基金分の科研費については、交付決定を受けた、補助事業期間全 体の直接経費の総額をさします。

(※)「基盤研究(B)」、「若手研究(A)」の平成24年度以降に 採択された研究課題については、交付申請書等に記載した当該年 度の「補助事業に要する経費」の額をさします。

○研究分担者の追加・削除

・補助事業者である研究分担者の追加・削除には手続が必要です。 例えば、同じ研究組織に参画していて「研究分担者」から「連携研 究者」(研究分担者の削除)に変更しようとする場合には手続が 必要ですので、注意してください。

○育児休業等による研究期間の延長 ・研究期間中であっても、手続を行えば育児休業等(産前産後の休暇、 育児休業)を取得する期間に応じて補助事業期間を延長することが できます。

・平成23年度まで、補助金分の科研費については、育児中断等から の復帰を翌年度に限定していましたが、平成24年度から基金分と 同様の取扱いに変更しました。

○「研究代表者」の所属研究機関変更 ・研究代表者が所属する研究機関を変更する場合は、届け出が必要で す。ただし、科研費の対象となる研究機関以外へ変更する場合、科 研費による研究継続は認められません。

次のような変更を行おうとする際には、研究機関を通じて、承認や届け出の手続を行わなければなりません

26

基 金 分 は 取 扱 い が 異なります

26

Page 30: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

「研究代表者」が研究を継続できなくなる場合 は、研究廃止の手続が必要になります (研究代表者の交替はできません)

27

○「研究代表者」は、研究計画の遂行に関してす べての責任を持つ研究者であって、重要な役割 を担っており、平成23年度から研究代表者の 交替は認めないこととしています ※ただし、次の研究課題については、所要の手続を経て、研究代表 者の交替が認められる場合があります。 ・新学術領域研究(研究領域提案型)の「総括班研究課題」及び 「生命科学系3分野支援活動」

・特別研究員奨励費の「外国人特別研究員の受入に係る研究課題」

○このため、応募資格の喪失等により、研究代表 者が研究を継続できなくなる場合は、研究廃止 の手続が必要です ○研究廃止を行う場合には、未使用の研究費につ いて返還の手続が必要です

27

Page 31: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○「研究の進捗状況に関する自己評価」は、全ての 研究課題を対象に、毎年度終了後研究者本人が行

いますその内容は、科研費データベース(KAKEN)

を通じて公表されます

・国立情報学研究所 科研費データベース(KAKEN)

http://kaken.nii.ac.jp

○「研究進捗評価」は、大型の研究種目(特別推進 研究、基盤研究(S)、若手研究(S)、学術創成研 究費)について、研究期間の最終年度の前年度に、 書面又はヒアリング等により行います また、これらの研究種目について、研究期間終了 の翌年度に、「研究進捗評価(検証)」を書面に より行います ・「研究進捗評価」は、研究期間が3年の研究課題については最終年度

に実施します。

○「追跡評価」は、研究期間終了後5年間を経た特 別推進研究について、書面により行います

14.採択後の評価は?

研究期間内に「研究の進捗に関する自己評価」、「研究進捗評価」、研究期間終了後に「研究進捗評価(検証)」、「追跡評価」を行います

※特定領域研究及び新学術領域研究の領域の評 価については、従来の中間・事後評価を行い ます。

28 28

Page 32: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○「実績報告」を行う義務があります

・補助金分の科研費及び一部基金分の科研費については、年度が終了し たときや補助事業を廃止したときには、実績報告書(研究実績報告書 及び収支決算報告書)を提出してください。ただし、繰越が認められ た場合には、繰越申請年度の終了時に実績報告書(収支決算報告書) を、翌年度の補助事業完了時に実績報告書(研究実績報告書及び収支 決算報告書)を提出してください。

・基金分の科研費については、補助事業期間終了後に、期間全体を通じ た実績報告書を提出してください。また、年度ごとの報告として、実 施状況報告書を提出していただきます。

○「研究成果の報告」を行う義務があります

・研究期間が終了したときには、電子媒体により「研究成果報告書」を 提出してください。

・研究の成果を独自に発表されるときは、科研費による研究の成果であ ることを表示するとともに、所定の様式により、報告を行ってくださ い(特許権を取得したときも同様です。)。

○ 「研究実績報告書」、「研究実施状況報告書」及 び「研究成果報告書」は、国立情報学研究所の科 研費データベース(KAKEN)を通じて公開さ れます

15.研究実績や成果の報告は?

各年度における「実績報告」及び研究期間終了

後の研究成果についての「成果報告」を必ず行ってください

29

国立情報学研究所 科学研究費補助金データベース(KAKEN) http://kaken.nii.ac.jp

基 金 分 は 取 扱 い が 異なります

29

Page 33: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

「研究成果報告書」を提出しない研究者には、

科研費の交付制限や返還等の措置が講じられることがあります

30

○「研究成果報告書」を提出しない研究者には、科研 費を交付しません ・所定の期限を過ぎてもなお「研究成果報告書」を提出しない場合は、た とえ、次年度に研究課題(継続課題を含む)が採択されていたとしても、 交付予定額の通知(交付内定)、あるいは研究費の送金を留保します。 このため、同報告書を提出するまでは、科研費の研究は実施できません。

○「研究成果報告書」が1年以上未提出になると、交 付された研究費の返還が求められます

※この他、補助条件等において、研究成果報告書が未提出 の場合の取扱いについて定められています

「研究成果報告書」は、科研費による研究の成果を広く国民に知ってもらう上で重要な役割を果たすとともに、国民の税金を原資とする科研費の研究の成果を広く社会に還元するために重要なものですので、必ず提出してください。

30

Page 34: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

16.研究成果を発表したら?

科研費により得た研究成果であることを必ず表示してください

31

○科研費により得た研究成果を発表する場合は、科研費に より助成を受けたことを必ず表示してください ○Acknowledgment(謝辞)に、科研費により助成を受けた旨 を記載する場合には「MEXT/JSPS KAKENHI Grant Number 8桁の課題番号」を必ず含めてください ・文部科学省から交付を受けた科研費の場合: MEXT KAKENHI Grant Number 8桁の課題番号 ・日本学術振興会から交付を受けた科研費の場合: JSPS KAKENHI Grant Number 8桁の課題番号

○Acknowledgment(謝辞)の記載例は次のとおりです

・論文に関する科研費が一つの場合(課題番号「12345678」) 【英文】:This work was supported by JSPS KAKENHI Grant Number 12345678.

【和文】:本研究はJSPS科研費 12345678の助成を受けたものです。

・論文に関する科研費が複数(三つ)の場合(課題番号「xxxxxxxx」「yyyyyyyy」 「zzzzzzzz」) 【英文】:This work was supported by JSPS KAKENHI Grant Number xxxxxxxx, yyyyyyyy,zzzzzzzz.

【和文】:本研究はJSPS科研費 xxxxxxxx,yyyyyyyy,zzzzzzzzの助成を受けた ものです。

※Acknowledgment(謝辞)に科研費により助成を受けた旨を記載する 場合に、補助金分と基金分の科研費を区別する必要はありません。 ※研究種目等の英訳を記載する必要がある場合には、32ページの英訳を 使用してください。

この記載方法を必ず守ってください。

31

Page 35: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

〔参考〕研究種目等の英訳

科研費 〔Grants-in-Aid for Scientific Research(略称「KAKENHI」)〕

科学研究費補助金 KAKENHI 〔Series of Single-year Grants〕

学術研究助成基金助成金 KAKENHI 〔Multi-year Fund〕

特別推進研究 〔Grant-in-Aid for Specially Promoted Research〕

特定領域研究 〔Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas〕

新学術領域研究 〔Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas〕

基盤研究(S・A・B・C) 〔Grant-in-Aid for Scientific Research (S) or (A) or (B) or (C)〕

萌芽研究 〔Grant-in-Aid for Exploratory Research〕

挑戦的萌芽研究 〔Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research〕

若手研究(S・A・B) 〔Grant-in-Aid for Young Scientists (S) or (A) or (B)〕

若手研究(スタートアップ) 〔Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up) 〕

研究活動スタート支援 〔Grant-in-Aid for Research Activity Start-up 〕

特別研究促進費 〔Grant-in-Aid for Special Purposes〕

研究成果公開促進費 〔Grant-in-Aid for Publication of Scientific Research Results〕

特別研究員奨励費 〔Grant-in-Aid for JSPS Fellows〕

学術創成研究費 〔Grant-in-Aid for Creative Scientific Research〕 文部科学省 〔The Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT)〕 日本学術振興会 〔Japan Society for the Promotion of Science (JSPS)〕

32

○新聞等で研究成果が発表されたときは、その都度、文部 科学省・日本学術振興会に記事等を送付してください (裏表紙の問合先参照)

32

Page 36: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○不正または虚偽による科研費の受給の場合

研究費の返還 : 受給した研究費を全額返還することになります。 応募資格の停止 : 受給した本人・それを共謀した者(5年)

※既に採択されている研究課題も交付が停止され、科研費以外の競争的資 金の応募資格も停止されます。また、分担金を配分されている研究分担 者は、その分担金を受け取れなくなります。 (以下の場合も同様です。)

○受給した科研費の不正な使用の場合 研究費の返還 : 該当する研究費部分を返還することになります。 応募資格の停止 : 不正使用した本人・それを共謀した者(2~5年) 本人以外の共同研究者(1年:新規応募について1 年間の応募資格の停止)

○不正行為(論文データのねつ造等)があった場合 研究費の返還 : 一部又は全部の返還が求められます。 応募資格の停止 : 不正行為に関与したと認定された本人・不正行為 が認定された論文等の内容について責任を負う者 (1~10年)

不正な受給や使用、研究遂行上の不正行為は、学術研究全体の信頼を損ねることにつながりかねません。 公的研究費を使用している者として、研究者倫理の自覚の下に研究活動に従事することが重要です。

33

17.ルールに違反したら?

ルールに従って正しく使用しないと、科研費の交付制限や返還、応募制限のペナルティが科せられることがあります

33

Page 37: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

ルールに違反したため、応募資格が停止された実例です

34

不正を行うと、研究費の返還、応募の制限だけでなく、刑事罰が科せられるケースもあります。また、各研究機関においても厳しい懲戒処分がなされています。

○不正または虚偽による科研費の受給の場合

・応募資格を偽り、不正に科研費を受給していた(平成8年度~15年度) 返還した研究費の額 : 1億9,190万円 応募資格の停止期間 : 5年

○受給した科研費の不正な使用の場合

・海外渡航に係る旅費に、研究課題の目的とは異なる私的な旅行費用を 含んで精算していた (平成16年度) 返還した研究費の額 : 57万円 応募資格の停止期間 : 5年 ・実態のない謝金を架空に請求し、プール金として自ら管理していた (平成17年度~18年度) 返還した研究費の額 : 78万円 応募資格の停止期間 : 4年 ・業者に架空の取引を指示し、実際に購入、納品させた物品とは異なる 虚偽の請求書を作成させて、大学から研究費を支出させていた (平成15年度~19年度) 返還した研究費の額 : 775万円 応募資格の停止期間 : 4年

○科研費において、事実と異なる会計処理を行った 場合、研究活動へ使用するかどうかにかかわらず 不正にあたります

※このような不正な使用等を防止するため、研究機関には「研究機関に おける公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」を踏ま え、経費管理・監査体制を整備するよう求めています。

34

Page 38: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○「応募・評価・使用ルール」や科研費FAQは次の 科研費ホームページでご覧いただけます

文部科学省: http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/main5_a5.htm

日本学術振興会: http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/index.html

【科研費FAQ】 文部科学省: http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/faq/1306984.htm

日本学術振興会:http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/01_seido/05_faq/index.html

○例えば使用ルールである「補助条件」、「交付条 件」には次のようなルールがありますが、不明な 点は、研究機関を通じて文部科学省・日本学術振 興会にお問い合わせください

・研究の廃止の手続 ・研究者が応募資格を喪失した場合の手続 ・利子、収入などの取扱い

18.その他のルールは?

その他のルールや科研費FAQについては、科研費ホームページを参照してください

35 35

Page 39: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか

○科研費についての様々な情報は、科研費ホーム ページでご覧いただけます

文部科学省 : http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/main5_a5.htm ◇「科研費による研究の紹介」 新学術領域研究や特定領域研究により行われている研究の 紹介

日本学術振興会 :

http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/index.html

◇「科研費NEWS」 年4回発行 科研費による最近の研究成果の例や科研費に ついてのトピックスを紹介 ◇「我が国における学術研究課題の最前線」 特別推進研究、新学術領域研究、基盤研究(S)等の新規採 択課題の課題名、研究代表者名、研究の概要等を紹介 ◇「私と科研費」 研究者の方々からの科研費に関する意見や期待などを掲載 ◇「ひらめき☆ときめきサイエンス」 科研費の成果を体験・実験・講演を通じて、小・中学生や 高校生にわかりやすく紹介

【科研費についてのお知らせ】

文部科学省・日本学術振興会では、科研費についての様々な情報発信・広報普及活動に積極的に取り組んでいます

36 36

Page 40: 基金分」の科研費について、これまでの「補助金分」の科研費と€¦ · このハンドブックは、科研費による研究を行っている方、これか