機親会学生会とは - 東京都市大学kishin/download/HAGURUMA/HAGURUMA2013.pdf2013年度...

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2013年度 機親会学生会「歯車」 - 1 - はじめに 機親会学生会の展示、並びにこの冊子、「歯車」を手に取って頂き誠にありがとうござい ます。 現在、私たち機親会学生会は1年生から3年生まで計 35 名の現役生が所属しています。 一人乗り手作り車をさまざまなエネルギーを用いて走らす車体班と、二足歩行ロボットやラ ジコンカーのようなロボットを、設計・製作・プログラミング制御をするロボット班のいず れか、もしくは両方に所属する形で研究製作を行っています。 この冊子は、各班が今年度参加した大会に向けて製作した車体・ロボットについて紹介す るものです。今年度は WEM 大会で再開した燃料電池による燃料電池車。参加3年目にな F 3 RC 大会のロボット。また、新たな試みとして学内ロボコンを実施しました。新入生同 士の絆やものつくりの楽しさとともにロボットコンテストに必要な創造性や技術を磨くの が目的です。 毎年新たなものを製作しておりますので読んでいただけたら幸いです。 2013年度 11月 機親会学生会 会長 長谷川 機親会学生会とは 機親会の発足は 1992 年、当時機械工学科 3 年生だった学生 4 名が「ホンダエコノパワー」に出 場するための車両製作場所として、鋳造研の実験室を使いたいと先生に申し出たことが発端とな ります。前期の放課後と夏休みを利用して車両を作製し、学生の手に負えない部分は先生方にサ ポートして頂き、9 月に行われた大会に参加しました。 この出来事をきっかけとして、今後継続的に課外活動を行うことを先生方は考え、教員会議にて 機械工学科の学科研究会を復活させる意向を発表し、協力を呼びかけ、現在の機親会に至りまし た。翌年からロボット相撲・ソーラーバイシクル・バッテリーカー・ソーラーカーなど学生が参加した いと思った大会に出るため学生主体で活動を行い、手に負えない部分は先生方にサポートを頂く というスタイルで今も活動を行っています。 機親会のロゴマーク

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Page 1: 機親会学生会とは - 東京都市大学kishin/download/HAGURUMA/HAGURUMA2013.pdf2013年度 機親会学生会「歯車」 - 1 - はじめに 機親会学生会の展示、並びにこの冊子、「歯車」を手に取って頂き誠にありがとうござい

2013年度 機親会学生会「歯車」

- 1 -

はじめに

機親会学生会の展示、並びにこの冊子、「歯車」を手に取って頂き誠にありがとうござい

ます。

現在、私たち機親会学生会は1年生から3年生まで計 35 名の現役生が所属しています。

一人乗り手作り車をさまざまなエネルギーを用いて走らす車体班と、二足歩行ロボットやラ

ジコンカーのようなロボットを、設計・製作・プログラミング制御をするロボット班のいず

れか、もしくは両方に所属する形で研究製作を行っています。

この冊子は、各班が今年度参加した大会に向けて製作した車体・ロボットについて紹介す

るものです。今年度は WEM 大会で再開した燃料電池による燃料電池車。参加3年目にな

る F3RC 大会のロボット。また、新たな試みとして学内ロボコンを実施しました。新入生同

士の絆やものつくりの楽しさとともにロボットコンテストに必要な創造性や技術を磨くの

が目的です。

毎年新たなものを製作しておりますので読んでいただけたら幸いです。

2013年度 11月

機親会学生会 会長 長谷川 周

機親会学生会とは

機親会の発足は 1992年、当時機械工学科 3年生だった学生 4名が「ホンダエコノパワー」に出

場するための車両製作場所として、鋳造研の実験室を使いたいと先生に申し出たことが発端とな

ります。前期の放課後と夏休みを利用して車両を作製し、学生の手に負えない部分は先生方にサ

ポートして頂き、9月に行われた大会に参加しました。

この出来事をきっかけとして、今後継続的に課外活動を行うことを先生方は考え、教員会議にて

機械工学科の学科研究会を復活させる意向を発表し、協力を呼びかけ、現在の機親会に至りまし

た。翌年からロボット相撲・ソーラーバイシクル・バッテリーカー・ソーラーカーなど学生が参加した

いと思った大会に出るため学生主体で活動を行い、手に負えない部分は先生方にサポートを頂く

というスタイルで今も活動を行っています。

機親会のロゴマーク

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目次

参加大会 P.3

車体班 P.4~

エコラン P.5

WEM P.8

ロボット班 P.10~

BRAVE P.11

F3RC P.15

学内ロボコン P.33

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今年度参加した大会

車体班

本田宗一郎杯 Honda エコ マイレッジ チャレンジ

URL:http://www.honda.co.jp/Racing/emc/

World Econo Move

URL: http://www2.ogata.or.jp/wem/emindex.htm

ロボット班

BRAVE

URL: http://www.rcs-brave.com/

F3RC

URL: http://f3rcontest.web.fc2.com/index.html/

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車体班

近年になって自動車は「燃費が良い」・「環境にやさしい」とされている「エコカー」が重視されて

います。機親会学生会では 19 年前からガソリンエンジン自動車を、15 年前から電気自動車の 2

種類の「燃費が良く・環境にやさしい」クルマ作りを行ってきました。

クルマ作りを通して工具・工作機械の使い方はもちろんの事、車体の部品を自分達で設計・製

作を行い、技術を高めています。動力源であるエンジン・モータを理解したうえで燃費向上のため

のエンジン改造や、モータを効率よく動かすための電装設計を考えてクルマを作っています。

今年は、新たな車体を作らず、先輩の作成した車体の細かい所を調整していました。その結

果、去年より良い燃費・成績を残せました。また今回「歯車」への記載は省略しましたが、来年へ

の新車体作成のための、試験及び設計をしました。今年の活躍をぜひ読んでください。

エコラン P.5

WEM P.8

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エコラン 機械システム工学科 1年 鬼窪泰裕

・エコランとは

エコランとは「本田宗一郎杯 Honda エコ マイレッジ チャレンジ」(通称エコラン)とは、自分たち

で製作した車体や、市販のオートバイを改造して出場する競技です。一般的なレースとは違い、ど

れだけ低燃費で走行できたかを競います。

走行の様子

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・活動内容

良い燃費を出すために、整備・運転両方の面で工夫をしました。特に今年は、燃料供給を従来

の負圧式から電子制御の燃料噴射(フューエルインジェクション)方式に変更しました。昨年までに

比べて配線が複雑になりましたが、正常に動作してくれました。

大会での運転では、発進・加速時にだけエンジンを使い、それ以外の時間は惰性で走行します。

一周約 2.4kmのコースで 3~4回のエンジン始動を行いました。このような手法は、他のチームで

もよく行われている手法です。

この大会では、例年通り1日目 が練習走行、2日目が決勝でした。1日目は練習走行の他に、

車両が規定内かどうか調べる車検があり、2日目は開会式と、ルール説明のあるドライバーズミー

ティングが行われました。車両に大きなトラブルがなく、現場で修理をすることはありませんでした

が、それでも忙しい二日間でした。

出走前・燃料微調整の様子

結果は、1日目の練習走行日が 460.536km/L、2日目の決勝はリタイア(規定時間を 2.8秒超

過)で、燃費は 529.753km/Lとなりました。昨年の記録が 220.240km/Lであったことを考えると、大

きな進歩と言えます。

今回の大会で私達と同じグループⅢ(大学・短大・高専・専門学校クラス)に出場しているチーム

のトップは 2416.344km/Lでした

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・今後の活動

今後は、WEM(World Econo Move)と共通で使用できる車体を設計・製作する予定です。

この新車体は、エンジンまたは燃料電池+モーターを搭載できる設計とし、乗車スペースも大きく

とることで、搭乗可能なドライバーにも幅を持たせます。

また、走行後の点検から、空気の量に対してガソリン供給量が多すぎることが判明しました。今

回は、電子制御ユニットを純正状態そのままで出場しましたが、燃料噴射の制御を改良することで、

今後さらに燃費を良くする予定です。

大会で使用したエンジン(Honda製 スーパーカブ 50のエンジン)

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WEM

・WEM とは

WEM(World Econo Move)とは、二時間でどれだけ走れるかを競う「燃費競技」です。

エネルギー源は、鉛蓄電池の部門と燃料電池(水素を電気に変換するもの)の部門があります。

この大会では、「どれだけ効率よくエネルギーを取り出せたか」が問われます。

WEMの大会は秋田県大潟村のソーラースポーツラインで開催されます。

WEMではコース途中で折り返し、全長 6kmのコースとして使用します。

2013年度の大会では、機親会学生会と、水素エネルギーシステム研究室の有志により、

燃料電池部門に出場しました。

車体外観

・大会結果

公式練習では、燃料電池の温度が上がらず、沢山の電流を取り出すことが出来なかった為、ス

ピードを出すことができませんでした。

本番では逆に燃料電池がオーバーヒートしてしまい、電流が取り出せなくなり途中で止まってし

まいました。

結果は約 32km走行し、燃料電池部門 1位となりました。

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・今年度の車体の改良点

出場が急遽決まった為、昨年度鉛蓄電池部門に出場した車体をベースにして、燃料電池用に

改造しました。

具体的には、電装を燃料電池用に変更し、鉛蓄電池搭載部分を燃料電池搭載用に変更しまし

た。

また、今年度のドライバーに合わせて、頭の逃げ部分を作り直しました。

燃料電池搭載部分(車体前方に搭載されているのが燃料電池)

・今後の方針

今年度にむけて燃料電池用のよりよい回路を製作していたのですが、うまく動作しなかったので、

原因を究明して改善します。

また、車体のハニカム材の劣化や、拡張性が低い点、乗れるドライバーが制限されることから、

現在新車体を設計中です。

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ロボット班

ロボット班ではロボットの機体の製作からプログラミングまですべて手作りで作っています。ロボ

ット製作を通して CAD と呼ばれるコンピュータ上で製図を描くソフトの基本を学び、これを用いて機

体の設計・製作を行っています。また、ロボット制御を行うマイコン基板の製作やプログラミングの

書き方も学生自らが学習し日々技術の向上を目指しています。

今年は3年目の参加になります、F3RCと呼ばれるロボットコンテストを中心にものづ

くりをしてきました。毎年行っている、新入生講習を去年より早めに行い、初めての試みと

なる新入生大会を開設しました。ロボットコンテストに慣れるのがねらいです。また、その

他ロボットアーム、二足歩行ロボなど大小多数の活動をおこなっていますが、今回は割愛さ

せていただきます。

BRAVE P.11

F3RC P.15

学内ロボコン P.33

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BRAVE

・BRAVE とは

BRAVE(WRESTLE QUAD)とは年に 2回、川崎市産業振興会館で開かれる小型ロボットの競技

大会です。

大会での勝負方法は、4 体が同時に戦うバトルロワイヤル形式です。あらかじめ 1 体につき 10

ポイント与えられており,相手の機体を倒したり、フィールド外に押し出したりすることで、ポイントを

減らし合っていく競技です。ポイントが 0になった時点で退場、タイムアップの時点でより多くのポイ

ントを所有していた機体の勝利となります。今年は二台作りました。

フィールド

機体名: カブト

アクションフィールド

スタートポジション

エントランス

障害物

・機体規定

質量:1.5kg以下

サイズ:210mm×300mm

高さ600mm(A4サイズ)

移動手段:規制なし

制御方法:ラジコンコントロー

ル(RC)

駆動モーター:大会側が指定し

ているモーターのみ

大会の様子⇒

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機体名: カブト

機械システム工学科 2年 井手口 雄也

機械システム工学科 2年 大前 吉弘

機械システム工学科 2年 小川 直人

カブトは、今回私たちが初めて製作したブレイブ用の機体です。そのため、スタンダードな機体構

成として、「どんな攻撃を受けてもひっくり返らない」をコンセプトに製作した機体です。スタンダード

な機体構成のために足廻りはタミヤの6速ギアボックスをそのまま使い、車軸をチェーンでつなぐ

ことによって擬似四輪駆動としました。カブトの特徴としては、機体の両側に羽を展開して、敵の攻

撃を受け流す構造になっていることです。羽は本体とバネで繋がっており多少可動することができ、

敵のアームが本体まで届かないようになっています。

・大会結果

公式練習では、ギアボックスのネジが緩んでしまいタイヤが回らなくなった為、機体が動かなく

なりました。

本戦一戦目では、運営の不手際により機体が動かず、棄権しました。

本戦二戦目では、相手のアームがこちらの機体の配線に接触し、ショートした為、機体が動か

なくなり途中辞退しました。

・今後の方針・改良した点

大会に向けて電子回路基板を製作していたのですが、うまく動作しませんでした。その原因を究明

し、改善していきたいと考えています。また改良店として、電子回路基板を中心に配線を守る構造

に改造しました。具体的には、電子回路基板をプラスチックケースにいれました。また、テープによ

る配線の固定も行いました。

カブト(展開時)

カブト(スタート時)

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機体名: ZAITSU

機械工学科 2年 小磯涼介

この機体はアームを使って相手を持ち上げ、ひっくり返す『カブト』に対し、『ZAITSU』は回転する

アームの慣性力で相手をひっくり返す攻撃方法です。攻撃力を試そうとふざけて後輩の手で試し

たところ、一晩たっても痛みは消えないほどでした。ちなみに機体の名前はあるひとりの部員の名

前から勝手にとりました。

「モーターを多く積んだら大出力で勝てるのでは?」と思ったので、最大で10個積める設計にし

ました。その際、モーターの数が多いとその分多くの電流を流すので、今まで使っていた「PTMC-

01」という基盤には負荷が大きすぎると考えたため、大電圧でも焼けない「MC330CR」というアン

プをそれぞれタイヤ2つ・アーム1つの場所に合計3つを使用することにしました。このアンプを使う

ことにより、リモコンでの操作方法が変わってしまいますが、基盤が焼けることや誤作動を起こすこ

とが少なくなりました。しかし、

・大会結果

体積の規定はクリアしたのですが、モーター

をたくさん使ったこと、歯車を多く使ったこと、

アンプを使ったことにより規定の重量を超過し

てしまい、試合には出られませんでした。機体

の質量は最初1.8kgでしたが最終的には1.6k

gまでしか抑えられませんでした。

・今後の反省

●これからは機体設計時に大会規定に違反しないように最初から設計すること

●多くのパーツがあるため、整備がしやすい形に設計すること

●小さいスペースに配線を多く詰めてしまったため、広い空間を持って機体を作ること

・今までの改良点

アームと本体を繋ぐところの強度が弱かったため補強しました。モーターの数を10個から6個

に減らしました。しかし、質量は現段階では削りきれていません。

▲ZAITSU

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F³RC ~Freshman’s Robot Contest~

・F³RC とは

NHKロボットコンテストにより近い環境で、ロボッ

トコンテストに必要な創造性や技術を磨くと共に、

ロボット製作の楽しさを体感し技術の向上を目す、

新入生を対象としたロボットコンテストです。今年

は1年生と2年生で別れて2チームで出場しまし

た。

各チームごとに作戦を練り、機体の設計、機体

を動かすプログラムやマイコンとセンサを繋ぐ基

板などを製作しました。以下にそれらを紹介しま

す。

・F3RC ルール説明

今回の F3RC は「携帯電話キャリア各社の展開するシェア争い」をモチーフとし、ロボット3台に

より、基地局に見立てたオブジェクトを指定エリアに配置し、相手より多くのエリア獲得する事を目標

としたバトルになります。また、既定の箇所の得点エリアをとれば V ゴールとなり、その場で勝利とな

ります。

フィールド見取り図

スタートゾーン;機体3台を収納

得点ゾーン;オブジェクトを置く

自動機ゾーン;自動機のみが動く

手動機ゾーン;自動機と自チーム手動機

競技時間:3分

使用できる機体:

・手動機(リモコンにより制御を行う)1台。

・自動機(回路とプログラムによる制御)2 台

機体サイズ: 300mm×300mm×300mm の立方体に

納まるサイズ

V ゴールの条件:スカイツリーゾーンの得点エリア

を含む合計4か所の得点エリア奪取。

スカイツリーゾーン:フィールド中央部の台

その上にをひっくり返したバケツが得点エリアと

なる

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1年生チーム:チーム名「満足同盟」

機械工学科 1年 青木拓海

梅﨑誠也

出崎勇気

機械システム工学科 1年 日浦隆徳

南香夏子

・作戦 機械システム工学科 1年南香夏子

オブジェクトを3つ初期搭載した一号機で正方形の基地局を、手動機を用いて長方形のエリア

を2か所獲得し、二号機でプラチナタワーをスカイツリーゾーンに置くことで、Vゴールを達成します。

以下の図の矢印は機体の動きを示しています。

作戦概要図

~1年生チーム目次~

手動機:P16、自動機:P17~、回路 P18~、プログラム P20

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・手動機

機械工学科 1年 出崎勇気

手動機外観

<目的>

手動ロボットゾーンに設置されたオブジェクトを移動させ、基地局エリアに乗せることです。

<機体概要>

本体は、以前新入生向けに行われた学内ロボコン(後述 P30)で使用された機体を元に製作しま

した。

アームにおいては、駆動部分の移動範囲を大きくとることで、オブジェクトを掴むだけでなく、弾き

飛ばすような機能を持たせましたが、これによって、基地局エリアの近くにあるオブジェクトをまと

めて同エリアに乗せることができましたので、十分に役割を果たしたと考えています。

また、アーム部を上下に動かすような平行リンク機構を採用しました。これは土台からせりだした

部分に設置したモータによって動作します。オブジェクトを掴んだ状態でも機体の移動を可能にす

ることが目的です。

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・一号機 機械工学科 1年 青木拓海

まず、この一号機は自動機で、コントローラなどで操作せずにスイッチを入れたあと、機

体はそのままプログラム等で動かします。

ですが、この一号機はプログラムで動いておりません。スイッチを入れた後はそのまま直

進し、得点エリアにぶつかり、その衝撃でオブジェクトがばらまかれるという非常に簡単な

ものです。下がその一号機です。

一号機の写真

作成当初は手動機に似た形をしており、基盤を乗せ、プログラムで動かす予定でしたが、時

間の都合などの諸事情により、とてもシンプルな機構になりました。

大会では勝利した 3試合中 2試合でオブジェクトを運ぶことに成功しました。負けたもう 1

試合では走行途中に壁に接触し、オブジェクトを落としてしまいました。大会前の練習では

失敗続きでしたので、成功率に関して不安視していましたが、予想よりも良い活躍をしてく

れました。

・二号機 機械工学科 1年 梅﨑誠也

プラチナタワーを用いたスカイツリーゾーンの攻略、または攻略後の保持を目的に製作された

自動機。製作の遅れや調整不足のために、F3RCに万全の状態で参戦できなかった。予選末期に

は、未完成のまま特攻機として使用されたが、作戦は失敗。壮絶な最期を遂げた。もし大会に万

全な状態で参戦出来ていたなら、多大な戦果を上げていただろう。

本機はタミヤの四速ギアボックス2つを動力源とした二輪駆動機であり、ライントレースのため

のセンサを多数装備していた。また、タミヤの四速ギアボックス2つと超大型ネジ2本を用いたアー

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ム上昇機構を有していた。アームを 300 ミリ上昇させるのに必要とされる時間は、最短でなんと 1

分 30秒という快速だった。アームについてはサーボモータを動力源としており、精密ギアを巧みに

組み合わせたアーム開閉機構を、盛り込んでいた。これは特に優秀で、我が班の技術のすいを結

集したものだった。

機体正面 機体側面

製作遅延の一番の原因は、設計担当者であるA氏の書いた設計図に、物理的に不可能な設計

が含まれていたことにあった。しかし、その後の度重なる設計変更や製作班の人員の不足なども、

製作遅延の原因の一因となった。最後には、設計図なしで機体製作に取り組むこととなり、作業の

効率が非常に悪くなってしまった。結果として、本機のプログラム担当者および回路設計士が、調

整に十分な時間を割くことができず、重要な可動部が動かないということになってしまった。

・回路 機械システム工学科 1年 南香夏子

二号機に乗せた回路はマイコンボード(プログラムデータをいれるもの)、モータードライバー用

の回路、ライントレース用の回路の3種類です。本番ではこれらとセンサーやモータをつなぎ、機

体にのせました。

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<マイコンボード>

この回路はマイコンを動かす回路基板

で、センサの信号を受け取ったり、モータ

ーを動かす信号を送ったりする大事な基

盤です。また、マイコンとは信号制御する

ためのプログラムを計算するロボットのあ

たまになります。マイコンは AVR の

ATmega168P 使用しました。配線図は右

の図の通りです。5V を供給するピンと

GND のピン数が足りなくなってしまい、こ

の基盤よりさらに増やしました。

<ライントレース用回路>

この回路は、2次元 CAD で配線図を作

成し(左図)、モデラー(NC フライス)で削り

だして作成しました。この回路はライン検

知用センサを動かす回路基盤で、使用部

品はフォトインタラプタ(RPR220)です。

フォトインタラプタは機体の前方に

3つ、中央左部分に1つ、後方に2つ設

置し、コネクタで基盤とつなぎました。

しかし、接触不良をおこしてしまい、作

動させることができませんでした。

<モータードライバー用回路>

この回路はモーターを動かす回路基盤で、使用し

た部品はモータードライバー(TA7291P)です。ひと

つの基板に、駆動用に2つ、アーム用に2つ、計4つ

の TA7291Pをのせました。

マイコンボード 配線

ライントレース用回路

CAD

モータードライバー 配線図

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プログラム 機械システム工学科 1年 日浦隆徳

私たちの使用する自動機のうち二号機のみマイコンを用いて制御しました。

二号機は目的地まで 6つのセンサー(白のラインを検知する、フォトインタラプタ)を用いてライン

トレースを行うことを前提として組んでいたのですが、大会当日が複数のセンサーが正常に読みこ

めなかったので、急遽プログラムを書き換え、直進のために用いる3つセンサーのうち機体の軌道

修正に用いる 2つを用いてラインを数えるようにプログラムしました。

直進時は前方 3つのセンサーのうち右か右と中央が反応したら右に旋回し、中央か 3つ同時に

反応したら直進し、左か左と中央が反応したら左に旋回するようにし、常に機体がラインに乗るよ

うに少し蛇行しながらライントレースするようにプログラムしました。機体の停止は機体後方にある

センサーでラインを検知して止まるようにプログラムしました。ただし、スタート時にラインに乗った

状況からのスタートすることを前提としているため、センサーの不具合等で機体前方のセンサーが

ラインを検知できなかった場合機体は進むことができません。

アームの制御は機体の機構上、センサーを使って止めることができなかったので、時間を計っ

て上に上昇させるのを止めるようにしました。オブジェクトの保持はモータの回転角を指定してオブ

ジェクトを挟む部分の開閉を制御するようにしました。

<感想>

今回、プログラムを全く知らない状況から始めたので、基本的なところから習得していくのが非

常に大変でした。しかし、制御の仕方を少しずつ覚えていくことで、自分の制御できる範囲を大きく

できたので、その点に関してはとても面白かったです。まだまだプログラムを記述する上でできな

いことがたくさんあるので、今後できることをどんどん増やしていきたいです。

機体下部、センサー

配置場所

× ×

→急遽プログラムを変更

使えないセンサーの

取り除き箇所

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2年生チーム:チーム名「KOISO」

機械工学科 2年 小磯涼介

武田翔吾

機械システム工学科 2年 早出貴司

西尾祐紀

吉川大樹

作戦 機械システム工学科 2年 吉川大樹

今回の F3RC のルールはただ単にオブジェクトによる得点を稼ぐものではなく、基地局エリアを

奪い合う、陣取り合戦です。したがって、相手よりも多くのオブジェクトを各基地局エリアにうまく配

分しなければなりません。そこで、本大会の二年生チームの作戦のコンセプトは「臨機応変」にし

ました。手動機が二機の自動機にオブジェクトを分配し、自動機が基地局エリアまで運ぶことで相

手チームより多くの基地局エリアを確保することを目指しました。各ロボットの役割は次の通りで

す。

自動ロボット(1):フィールドの外枠をガイドにして移動

自動ロボット(2):東京スカイツリーゾーンと自チームのエリアを往復

手動ロボット:オブジェクトを自動機に渡す or自分で得点する

~2年生チーム目次~

手動機:P22~、自動機:P24~、回路 P26~、プログラム P29

各ロボットの動き

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・手動機

機械工学科 2年 武田翔吾

作戦を実行するにあたって

① 持ち上げる機構

② オブジェクトをつかむ機構

③ オブジェクトをはじく機構

を取り付けました。

展開時

・機構の動き

初期状態およびコントローラ

アームの方向図

左方向に回転することにより、

弾きます 右方向に回転

することによ

り、オブジェク

トを掴みます

このモータにより、

アームを上下させま

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はじく直前の図

オブジェクト把持時の図

反省としては、車輪の方向とアームの方向をななめに取り付けたため操作がとても難しく、思うよう

に操作できなかったことです。

ばねを板にひっかけ

ることにより、力を

ためる

この方向に

飛ばす

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・1号機 機械工学科 2年 武田翔吾

作戦を実行するために

① 得点エリアに載せるために駆動輪からプーリ及びゴムベルトを通したオブジェクトの跳ね上げ

機構

② 得点エリアおよび外側の木枠にたして接触した際に感知するタッチセンセンサ

③ フィールドの外側の木枠に対してのガイド

を用いました。

③に関しては、リスタート時に左右のどちらにでも使えるように機体の左右にとりつけました。

大会本番では本番の木枠と

練習の際使用していた木枠の

差により、機体が跳ね上がっ

て得点エリアに乗り上げてし

まい予定の動きができません

でした。

反省としてはそのような事

態に備えて調整する機構を準

備しておかなかったことが挙

げられます。

左から見た図

右から見た図

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・2号機 機械システム工学科 2年 吉川大樹

<機体説明>

二号機の仕事は、オブジェクトを東京スカイツリーゾーンの基地局エリア(ひっくり返したバケツの

上)まで運ぶことです。東京スカイツリーゾーンまではライントレースすることで移動します。また、

基地局エリア(バケツ)についたかどうかの判断は機体前方の二つのタッチセンサがバケツにあた

っているかどうかで行います。東京スカイツリーゾーンの基地局の高さは 290mmあり、機体を展開

させずにオブジェクトを置くことは難しくなっています。そこで、サーボモータを使って、アームを回

転し、機体を展開するようにしました。そして、アームの先端を東京スカイツリーゾーンのバケツの

ふちの部分に押し付けるとオブジェクトが落ちるように工夫しました。

アームのオブジェクト保持部は、オブジェクトが途中で落下しないようにするためにシャフトが取り

付けてあります。このシャフトと一体となっている可動部にはバネによる張力が働いているので、

アームの先端部分がバケツのふちの部分に当たるまで開かないようになっています。また、開い

た後もバネの張力で元に戻るようになっています。本体の後部の二本の柱はアームを初期位置に

戻した際に、次のオブジェクトを投入しやすくするためオブジェクト落下防止用のシャフトをオブジェ

クト保持部の外側にするために取り付けています。

図:二号機(二年生)

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図:オブジェクトを投入するときの様子

<反省>

アームが重かったため、サーボモータの回転軸との接続していたサーボホーンのかみ合わせの

歯がすぐに削れてしまいました。これを考慮してアームの肉抜き、軽量化や金属製のサーボホー

ンに変更しておくべきでした。機体本体にユニバーサルプレートを多く使用したことで、単純に組み

替えることができ、仕様変更や微調整が簡単に行えるようになっている部分はよかったと思いま

す。

・回路

機械システム工学科 2年 早出貴司

2号機は1号機と比べてこなさなければならないタスクが複雑だったので製作当初は高機能な3

2BitマイコンのARMマイコンとマイコンボードに搭載されているモータ制御素子を使用していまし

た。小型モデルを使用した試験走行では回路単体で設計通りの動作をしていました。しかし、2号

機の試作段階でマイコンボードに搭載されているモータ制御素子が出力できる最大電流値を超え

ているモータを機体の駆動系に使用していることに気づきました。そこで自作のモータ制御回路(F

igure1、2参照)を作製し、プログラムを修正して試運転してみるものの思う通りに動作しませんで

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した。大会の日程が近づいていたこともあり回路設計方針を大きく変更し、すでに1号機で正常に

動作することが確認済みの機能の単純な8BitマイコンのAtmel社製ATmega168PUを機体制

御用マイコンとし、既製品モータ制御ICを使用してモータを制御、簡易的なサーボ用信号発生回

路とタッチセンサを組み合わせてサーボモータを制御してオブジェクト設置用のアームを動かす設

計に変更しました。(Figure3参照)

Figure 1:ARMマイコン用の制御基板の回路図

モータから流入するノイズ対策の為に信号側回路とモータ側回路は電気的に絶縁しました。

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Figure 2:Figure 1の回路を削り出す為の部品レイアウト図

このレイアウト図を基に基板を削り出しました。ロジックICのVccとGNDが接続されていなかっ

たので削り出した後に修正しました。

Figure 3:実際に搭載した基板の回路図概要

実際にはこの回路図を必要な機能のみ使用できるように簡略化した基板を使いました。

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プログラム 機械工学科 2年 小磯涼介

<1号機>

1号機のプログラムは正方形状のステージの各辺に設けられている木枠にそって、前後移動を

するだけのシンプルなプログラムにしました。自分はプログラミング初心者でしたが、比較的簡単

な移動だけだったので順調に作ることができました。苦労したところは、機体前に装備されている

タッチセンサーが得点ゾーンの段差に触れた瞬間、数秒間の時間を置いてからの後退動作をうま

くしてくれないというところでした。本番までにプログラムは順調に作ることができましたが、モータ

ー速度が高過ぎたので木枠から外れて思わぬ方向へ走っていったり、速度の遅すぎによるトルク

不足で機体が前に進まずといったミスが大会中に目立ちました。なので、次からは機体の走行中

にタイヤの速度変更ができるプログラムに挑戦したいと思います。

<2号機>

2号機のプログラムは、ステージについている格子状の白いテープでライントレースをし、ステー

ジ中央にあるオバケツの得点をねらうプログラムにしました。最初は、ARM というソフトを使ってプ

ログラムをしていたのですが、基盤の都合により AVR というソフトに変更したこともあってプログラ

ムをなおす(デバッグ)時間が足りなく、本番ではうまくいきませんでした。原因はデバッグの時間

が少なく、かつプログラムと基盤の相性が悪かったため誤動作を起こしたと考えられます。こらか

らに向けてはデバッグするための時間を多くとることを反省にして活動をしていきたいと思っていま

す。

・結果、まとめ

機械システム工学科 2年 西尾祐紀

戦績 予選は3校によるリーグ戦形式が採られ1年生チームは2勝1敗、2年生チームは1勝2敗で両

チームとも予選敗退という結果になりました。

まとめ 1年生は今回が初めての公式大会参加となりました。初めてのことばかりで色々な失敗や経験

が得られたと思います。これを糧に今後の活動または来年の大会に向けて頑張っていきたいと思

います。

2年生は去年の反省を活かした作戦の立案、機体の設計ができたと思います。結果はいまひと

つなものとなりましたが、来年は大会には参加できないのでこれからは後輩の指導などに力をい

れていきたいと思います。

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学内ロボコン 機械システム工学科 2年 大前吉弘

・目的

今年入学した新一年生に、9月に開催される F3RCの前に大会の簡単な流れを体験させるため

に6月26日に学内ロボコンを開催しました。

・ルール

今回の学内ロボコンは、F3RCの予行演習のようなものなのでフィールドは昨年の F3RCと同じも

のを使用し、機体のサイズも昨年のルールより300mm×300mm×300mmの立方体に収まる

ように作成してもらいました。

競技の内容は、手動機によるオブジェクトの奪い合いで、得点の異なる4種類のオブジェクトを

自チームの得点ゾーンにいくら運べるかを競うものです。

・結果

今回の学内ロボコンは一班3~4人の

三チームでの総当たりで行いました。

結果は右図のようになりました。

b各チームともさまざまな問題がありまし

たが、全チームの機体とも競技に参加する

ことができました。

1班 2班 3班

1班 ○

25-10

31-0

2班 ×

10-25

17-0

3班 ×

0-31

×

0-17

大会参加メンバー