アジアの中の鹿児 SYMPOSIUM - Kagoshima U · 日時:2012年2月12日(日)...

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シンポジウム概要 日本本土の南端に位置し、広大な海域と島嶼圏を包含し、深く切り込んだ湾が活火山を取り 囲む。鹿児島県のこの地形は世界的に見て、きわめて特徴的なものである。この土地は長い歴 史を通して独特の風土、人柄、文化を育んできたと言える。そして、2011年、九州新幹線が全 面開通し、鹿児島を訪れる人々は飛躍的に増え、この土地の文化を大いに発信できることと なった。しかし、我々は、本当にこの地形が与える独自性の高い文化を継承し、育てているのだ ろうか。 2011年はまた日本が未曾有の大災害を経験した年でもある。東北の観光は打撃を受けて いる。広い視野で眺めると、鹿児島の関係者として喜んでばかりはいられないだろう。我々は、 現状に甘んじることなく、日本という文脈に置かれた鹿児島、いや、もっと広く、東洋に置かれた 鹿児島という視点を持ち、より長期的に風土や文化の生成を見極めていくべきではないか。そ れはまた、鹿児島だけでなく、東北地方の将来をも見通す視点になりはしないか。 外部に開かれた視野で鹿児島を眺めるとき、一つのヒントになるのが映画・ドラマ制作であ る。鹿児島でロケを行った映画作品として、最近のものだけでも『チェスト!』『奇跡』『はやぶさ』 などがある。大河ドラマに至っては、ここで例を挙げるまでもないだろう。鹿児島が制作者を引 きつける理由は何か。地元に住む我々には気付かない要素、例えば、鹿児島の「光」。即ち、眩し い陽光と雄大な景色が織りなす陰影が独特な映像を作り出すのかもしれない。 或いは、鹿児島の広大な海域は南アジアに大きく開かれているが、アジアの隣国から見た鹿 児島はどう映っているのだろうか。中国、韓国、台湾、香港、近隣諸国からの観光客は鹿児島の 観光の大きな市場である。しかし、重要なことは、彼らの目に鹿児島の価値がどのように映って いるのか、我々が普段自覚しない大きな価値が彼らには見えているのではないか。 本シンポジウムでは、以上のような問題について論議し、鹿児島が、日本という国が、より広 い文脈、より広い視野において、独自の価値を再発見するための場として企画されたとしろう さいが ピーター エン SYMPOSIUM テーマ:「アジアの中の鹿児島 - 交流、観光、映画」 文部科学省大学教育推進プログラム採択事業 取材学習を取り入れた循環型初年次教育シンポジウム 参加費無料 事前予約不要・駐車場有り 一般の方もご参加いただけます。 日時: 2012 12 (日) 会場: 鹿児島大学 稲盛会館 13:00 開場  13:30 開演 ■主 催/鹿児島大学法文学部 人文学科 ■連絡先/鹿児島大学法文学部 取材学習窓口 〒890-0065 鹿児島市郡元1-21-30 TEL099-285-7532 E-mail : [email protected] 12:00~14:00、17:00~18:00の間 図書館側ゲートを開けます 鹿児島大学法文学部人文学科 文部科学省大学教育推進プログラム採択事業 「取材学習を取り入れた循環型初年次教育」 平成 23 年度公開シンポジウム 文部科学省大学教育推進プログラム採択事業 取材学習を取り入れた循環型初年次教育シンポジウム 鹿児島大学法文学部人文学科 公開講座 ■プログラム ■シンポジウム ■市電/工学部前下車(徒歩3分) ■バス/11・20番系統  法文学部前下車(徒歩5分) 鹿児島大学 郡元キャンパス 会場:稲盛会館 神田 工学部前 電停 至加治屋町 至武之橋 JR指宿枕崎線 法文学部前 至鹿児島中央駅 鹿大正門前 騎射場 鴨池 唐湊 純心学園前 たばこ産業前 中郡 郡元 雑賀俊郎 袁 文 英 鹿鹿至谷山 Kagoshima University ■司会 中 村 朋 美(フリーアナウンサー・鹿児島大学法文学部特任講師) ■パネリスト 奈良迫英光(鹿児島県観光プロデューサー) 新名主 聡(MBC取締役編成局長) 大 坪 宏 史(広告代理業・アミュプラザ販促統括) 高 津 孝(鹿児島大学法文学部教授) 基調講演 鹿鹿13:35~14:20 [第一部]:基調講演 雑賀俊郎 14:30~15:15 基調講演 袁 文英 15:30~17:30終了 [第二部]:パネルディスカッション 映画監督 東瀛遊旅行社有限公司董事總經理 EGLツアーズ 代表取締役社長

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Page 1: アジアの中の鹿児 SYMPOSIUM - Kagoshima U · 日時:2012年2月12日(日) 会場:鹿児島大学 稲盛会館13:00 開場 13:30 開演 主 催/鹿児島大学法文学部

シンポジウム概要

 日本本土の南端に位置し、広大な海域と島嶼圏を包含し、深く切り込んだ湾が活火山を取り

囲む。鹿児島県のこの地形は世界的に見て、きわめて特徴的なものである。この土地は長い歴

史を通して独特の風土、人柄、文化を育んできたと言える。そして、2011年、九州新幹線が全

面開通し、鹿児島を訪れる人々は飛躍的に増え、この土地の文化を大いに発信できることと

なった。しかし、我々は、本当にこの地形が与える独自性の高い文化を継承し、育てているのだ

ろうか。

 2011年はまた日本が未曾有の大災害を経験した年でもある。東北の観光は打撃を受けて

いる。広い視野で眺めると、鹿児島の関係者として喜んでばかりはいられないだろう。我々は、

現状に甘んじることなく、日本という文脈に置かれた鹿児島、いや、もっと広く、東洋に置かれた

鹿児島という視点を持ち、より長期的に風土や文化の生成を見極めていくべきではないか。そ

れはまた、鹿児島だけでなく、東北地方の将来をも見通す視点になりはしないか。

 外部に開かれた視野で鹿児島を眺めるとき、一つのヒントになるのが映画・ドラマ制作であ

る。鹿児島でロケを行った映画作品として、最近のものだけでも『チェスト!』『奇跡』『はやぶさ』

などがある。大河ドラマに至っては、ここで例を挙げるまでもないだろう。鹿児島が制作者を引

きつける理由は何か。地元に住む我々には気付かない要素、例えば、鹿児島の「光」。即ち、眩し

い陽光と雄大な景色が織りなす陰影が独特な映像を作り出すのかもしれない。

 或いは、鹿児島の広大な海域は南アジアに大きく開かれているが、アジアの隣国から見た鹿

児島はどう映っているのだろうか。中国、韓国、台湾、香港、近隣諸国からの観光客は鹿児島の

観光の大きな市場である。しかし、重要なことは、彼らの目に鹿児島の価値がどのように映って

いるのか、我々が普段自覚しない大きな価値が彼らには見えているのではないか。

 本シンポジウムでは、以上のような問題について論議し、鹿児島が、日本という国が、より広

い文脈、より広い視野において、独自の価値を再発見するための場として企画された。としろうさ い が ピ ー タ ー   エ ン

SYMPOSIUM

テーマ:「アジアの中の鹿児島 - 交流、観光、映画」

文部科学省大学教育推進プログラム採択事業取材学習を取り入れた循環型初年次教育シンポジウム

参加費無料事前予約不要・駐車場有り

一般の方もご参加いただけます。

日時:2012年2月12日(日)会場:鹿児島大学 稲盛会館13:00 開場 

13:30 開演

■主 催/鹿児島大学法文学部 人文学科

■連絡先/鹿児島大学法文学部 取材学習窓口      〒890-0065 鹿児島市郡元1-21-30 TEL099-285-7532 E-mail : [email protected]

12:00~14:00、17:00~18:00の間 図書館側ゲートを開けます

鹿児島大学法文学部人文学科文部科学省大学教育推進プログラム採択事業「取材学習を取り入れた循環型初年次教育」平成23年度公開シンポジウム

文部科学省大学教育推進プログラム採択事業 取材学習を取り入れた循環型初年次教育シンポジウム鹿児島大学法文学部人文学科 公開講座

■プログラム

■シンポジウム

■市電/工学部前下車(徒歩3分)■バス/11・20番系統  法文学部前下車(徒歩5分)

鹿児島大学郡元キャンパス会場:稲盛会館

神田

工学部前電停

至加治屋町 至武之橋

JR指宿枕崎線

法文学部前

至鹿児島中央駅

鹿大正門前 騎射場

鴨池

唐湊

純心学園前

たばこ産業前

中郡

郡元

雑賀俊郎 袁 文 英

他県や隣国からみた鹿児島の魅力や、

映画の素材としての鹿児島に注目し、

これからの地域文化や街づくり、

行政、産業のありかたについて考えます。

至谷山

Kagoshima University

■司会 中 村 朋 美(フリーアナウンサー・鹿児島大学法文学部特任講師)■パネリスト 奈良迫英光(鹿児島県観光プロデューサー) 新名主 聡(MBC取締役編成局長) 大 坪 宏 史(広告代理業・アミュプラザ販促統括) 高 津 孝(鹿児島大学法文学部教授)

基調講演

アジアの中の鹿児島‒

交流、観光、映画

アジアの中の鹿児島‒

交流、観光、映画

13:35~14:20   [第一部]:基調講演 雑賀俊郎14:30~15:15        基調講演 袁 文英15:30~17:30終了  [第二部]:パネルディスカッション

映画監督東瀛遊旅行社有限公司董事總經理EGLツアーズ 代表取締役社長

Page 2: アジアの中の鹿児 SYMPOSIUM - Kagoshima U · 日時:2012年2月12日(日) 会場:鹿児島大学 稲盛会館13:00 開場 13:30 開演 主 催/鹿児島大学法文学部

福岡県出身。早稲田大学卒業。泉放送制作に入社後、数多くのディレクター&プロデューサーを経験。 2001年「クリスマス・イヴ」(GAGA)で監督デビュー。その後、「ホギララ」「RANBU」と続けて監督。「RANBU」は2004年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に出品。2008年には鹿児島の遠泳を題材にした「チェスト!」を監督。同作品は、第8回角川エンジェル大賞を受賞し、2008年香港フィルムマートジャパンプレミアムの日本代表作品に選ばれる。2010年4月に鹿児島第二弾のヨットを舞台とした映画「海の金魚」が公開される。

映画監督 東瀛遊旅行社有限公司董事總經理EGLツアーズ 代表取締役社長

鹿児島県志布志市(旧有明町)出

身。鹿児島大学を卒業後、1973年

近畿日本ツーリストに入社。北九

州支店長、(東京本社)国内旅行

部課長、教育旅行課長、鹿児島支

店長、地域振興担当課長、外国人

旅行などを担当。これまで九州運

輸局「九州観光まちづくりアドバ

イザリー会議」委員、福岡県観光

連盟観光サポーター、九州産業

大学非常勤講師、鹿児島大学ル

ネッサンスアカデミー講師、鹿児

島県観光アドバイザーを努める。

平成20年4月鹿児島県観光プロ

デューサーに就任。薩摩大使(平

成18年任命)、鹿児島県景観アド

バイザー、日本観光研究学会会

員。 毎週月曜日「プロデュー

サーコラム」掲載。

司 会 パネリスト パネリスト

1951年生まれ。1986年東遊旅行社設立。1997年日本への送客が香港一の旅行社となる。日本各地での中国語ガイド業務に従事した経験を生かし、ガイド、従業員の教育、人材育成に心から取り組み、『従業員も大切な顧客』の理念で、一代で会社を築き上げた、香港旅行業界のカリスマ的存在。2007 年『世界傑出華人賞』と『米国の某大学の栄誉博士号授与』を辞退。その意向は、謙虚さと平常心を保つこと。自分が偉くなる、なったと思い込むと努力を忘れる、そして有頂天になり、周りが見えなくなるのを避けるため。日本各地で『自分の経験が皆様に少しでもお役に立てることであれば』とサービスや香港の旅行事情に関する講演活動に尽力している。震災後には岩手県、宮城県、福島県に東日本大震災義援金 総額1億1955万円を贈呈。4月16日には震災後はじめての訪日ツアー再開するなど、日本の観光復興に精力的に取り組んでいる。

奈良迫 英光(ならさこ ひでみつ)

鹿児島県観光プロデューサー

新名主 聡(しんみょうず さとし) 

MBC取締役編成局長

大 坪 宏 史(おおつぼ ひろし)

広告代理業

アミュプラザ販促統括

高 津  孝(たかつ たかし)

鹿児島大学法文学部教授

パネリスト パネリスト中 村 朋 美(なかむら ともみ) フリーアナウンサー

鹿児島大学法文学部

特任講師

鹿児島テレビ放送株式会社アナ

ウンサーとして16年勤務後独立

し「office中村朋美」を設立。記念

式典司会や観光・食・医療をテー

マにしたシンポジウムコーディ

ネーターやトークショー。企業や

病院・ホテルでの社員研修や就

職支援など人材育成にも携わる。

鹿児島県観光立県推進会議委

員・「かごしまニューツーリズム創

出事業」検討会委員・鹿児島大学

法文学部特任講師「キャリアとコ

ミュニケーション」。

基調講演

雑賀利郎と し ろ うさ い が

袁 文英ピ ー タ ー   エ ン

パネリスト

「アジアの中の鹿児島 -交流、観光、映画」

1958年生まれ、大阪出身。鹿児

島大学法文学部教授。専門は中

国古典文学。著書に『博物学と書

物の東アジア̶̶ 薩摩、琉球と

海域交流̶̶ 』等がある。鹿児島

大学附属図書館の貴重書公開

に携わり、「江戸のまなざし 薩

摩の名所図会」(2000年)「薩摩

の大名文化「重豪の時代」展」

(2001年)「産業考古学と斉彬の

時代」(2003年)「絵本を旅する

 江戸絵入り本の世界」(2004

年)「描かれた自然 江戸の植

物図」(2006年)「薩摩の女性文

化 姫君たちの雅・暮らし」

(2008年)「明治の浮世絵師と西

南戦争」(2011年)の展示および

図録を企画編集してきた。

1963年福岡県生まれ。北九州大

学外国語学部米英学科卒業。広

告会社にてクリエイティブディレ

クター/コピーライターを経て、

ジーザスアンドパートナーズ設

立。現在、オグルヴィアンドメイ

ザージャパンマネージングディレ

クター/アカウントプランナー。

複数の企業において、ブランド戦

略を中心にマーケティングおよ

び広告アプローチのプランニン

グとマネージメントを担当。2009

年から、アカウントプランナーと

してアミュプラザ鹿児島の広告戦

略/マーケティング戦略統括に

従事。

1956年、鹿児島県生まれ。1981

年MBC入社。情報ワイドや「どー

んと鹿児島」など鹿児島を題材と

した番組制作に携わる。世界遺

産登録前から屋久島の自然と島

民の暮らしを取材し、シリーズで

放送。県内にハンセン病療養所

が現存する事実に衝撃を受け、

鹿屋市の星塚敬愛園入園者の

証言を撮り続け「人間として~ハ

ンセン病訴訟原告たちの闘い」

制作。祖霊と自然に抱かれて暮

らす奄美の人々を描いたシリー

ズ「AMAMI」プロデュース。「番組

は地域の皆さんへの応援歌」「取

材は学びの場」。現在、ラジオ、テ

レビ、ITで鹿児島の情報や番組

を発信する編成局に勤務。

パネルディスカッションのコメンテーターとしても登場!