底質・底生生物(ベントス)の変化状況について (詳細版 ...調査位置は、GNSS(Differential GPS またはMSAS-GPS(位置精度約5m 未満))を用いて決
表層 表層 5m 5m 底層 底層...表層 表層 2m 2m 5m 5m 底層 底層 溶存態ケイ素(...
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表層 表層
2m 2m
5m 5m
底層 底層
溶存
態ケ
イ素(
µM)
図 2-4-13.沖合域(St.1~St.5 左図)、沿岸域(St.7~St.9 右図)における溶存態ケイ素の推
移
(μM)
日付
図 2-4-14.St.4 における溶存態ケイ素の鉛直分布の季節変化
表層 表層
2m 2m
5m 5m
底層 底層
クロ
ロフ
ィルa(
µg/L)
図 2-4-15.沖合域(St.1~St.5 左図)、沿岸域(St.7~St.9 右図)におけるクロロフィル a の推
移
(μg/L)
日付
図 2-4-16.St.4 におけるクロロフィル a の鉛直分布の季節変化
図 2-4-17.平成 25 年から 29 年までの 6 月から 9 月の気温、降水量、日照時間の旬別の平年
差
表層 表層
底層 底層水温(
℃)
表層 表層
底層 底層
塩分 H28 2.68
図 2-4-18.平成 25 年から 29 年の沖合域(St.1~5 左図)と沿岸域(St.7~St.9 右
図)における 6 月~9 月の水温の推移
図 2-4-19.平成 25 年から 29 年の沖合域(St.1~5 左図)と沿岸域(St.7~St.9
右図)における 6 月~9 月の塩分の推移
表層 表層
底層 底層
溶存
酸素
(mg/L)
表層 表層
底層 底層
H28 37.53 H27 41.80 H26 56.88
H28 47.56H28 61.33
溶存
態無
機窒
素(
µM)
図 2-4-20.平成 25 年から 29 年の沖合域(St.1~5 左図)と沿岸域(St.7~St.9 右図)における
6 月~9 月の溶存酸素の推移
図 2-4-21.平成25年から29年の沖合域(St.1~5 左図)と沿岸域(St.7~St.9 右図)における
6 月~9 月の溶存態無機窒素の推移
表層 表層
底層 底層
溶存
態無
機リ
ン(
µM)
図 2-4-22.平成25 年から29年の沖合域(St.1~5 左図)と沿岸域(St.7~St.9 右図)における
6 月~9 月の溶存態無機リンの推移
3.有明海におけるノリ色落ち原因
ケイ藻の出現特性の解明と
発生予察技術の開発
3.有明海におけるノリ色落ち原因ケイ藻の出現特性の解明と発生予察
技術の開発
1)有明海奥部における冬季の水質モニタリングの高度化
水産研究・教育機構西海区水産研究所
福岡弘紀・豊川雅哉・岡村和麿
福岡県水産海洋技術センター有明海研究所
井手浩美・小谷正幸・藤井直幹
佐賀県有明水産振興センター
山口 聖・太田洋志・森川太郎・三根崇幸
1.全体計画
(1)目的
有明海の中でもノリ漁場が多数存在する奥部海域を対象に、測器による連続観測と高
頻度の定期観測を実施するとともに、得られたデータを解析することによって、有明海
奥部海域で秋季から冬季に発生する珪藻赤潮の発生機構を解明するとともに発生予察技
術の開発に資することを目的とする。
2.平成29年度計画及び結果
(1)目的
全体計画に同じ。
(2)方法
1)連続観測
有明海奥部海域に設けた定点 T13(国営干拓沖;33° 6.75′ N、130° 12.79′ E)の表層に観測機
器を設置し、2017 年 10 月から 2018 年 2 月までの期間、30 分間隔で、水温、塩分、クロロフィ
ル蛍光および濁度の連続観測を実施した(図 3-1-1)。また、定点 P6(沖神瀬西;33° 3.75′ N、
130° 13.30′ E)および定点 P1(大浦沖;33° 0.00′ N、130° 14.50′ E)に設置した鉛直自動観測ブ
イ(図 3-1-2)を用いて、2017 年 10 月から 2018 年 2 月までの期間、30 分間隔で、水温、塩分、
クロロフィル蛍光、濁度、水中光量子量、風向・風速、空中光量子量および流向・流速の観測
データを取得した。得られた観測データは、海面に設置した通信装置から携帯電話通信網を通
してデータ処理サーバーへ送信し、ホームページ(「有明海・八代海等の水質観測情報」、
http://ariake-yatsushiro.jp/)上で公表した。
2)定期観測
有明海奥部海域に設けた 12 定点(図 3-1-1、表 3-1-1)において、2017 年 11 月から 2018 年 2
月に観測を実施した。10 月から観測を予定していたが、海況不良による日程変更により 11 月
からの観測となった。原則週1回の頻度で、多項目水質計(JFE アドバンテック社 AAQ1183)
により、水温、塩分、クロロフィル蛍光、濁度の鉛直プロファイルを観測するともに、透明度
の測定を行った。また、上記定点のうち、定点 SA、SB および SC を除く 9 定点において、表
層(水深 0 m)と底層(底泥直上 1 m)から採水し、塩分、クロロフィル a 濃度、栄養塩(硝酸
態窒素 NO3-N、亜硝酸態窒素 NO2-N、アンモニア態窒素 NH4-N、溶存態無機リン DIP および溶
存態ケイ素 DSi)濃度の分析および植物プランクトンの同定、計数に供した。さらに、孔径 100
µm のプランクトンネットの鉛直曳き(原則、水深 5 m 層から表層まで、水深の浅い定点にお
いては、底層から表層まで)を行い、中性ホルマリンで固定後、プランクトン沈殿量の分析に
供した。なお、植物プランクトンの同定、計数およびプランクトン沈殿量の分析結果の詳細に
ついては、「2)有明海奥部の冬季のケイ藻等の赤潮動態の把握」で記載する。
表 3-1-1.有明海奥部海域における定期観測定点
観測定点 北緯 東経 水深(m)
2
3
4
5
6
T13
P6
SA
P1
SB
SC
B3
六角川観測塔
早津江川観測塔
筑後川沖観測塔
大牟田沖
国営干拓沖
沖神瀬西
大浦沖
諫早湾央
33°08.15′
33°06.78′
33°05.57′
33°01.76′
33°00.70′
33°06.75′
33°03.75′
33°02.17′
33°00.00′
32°57.67′
32°55.33′
32°53.79′
130°13.25′
130°17.42′
130°20.73′
130°21.93′
130°18.16′
130°12.79′
130°13.30′
130°14.08′
130°14.50′
130°15.50′
130°15.00′
130°12.98′
1
1
1
5
12
5
10
12
20
10
13
8
図 3-1-1.有明海奥部海域における観測定点
図 3-1-2.大浦沖に設置した鉛直自動観測
ブイ
(3)結果及び考察
1)気象の推移
2017 年 10 月から 2018 年 2 月中旬までの佐賀市における旬別平均気温、旬別積算降水量、旬
別日照時間および旬別平均全天日射量の推移を図 3-1-3 に示した。
気温は、10 月上旬から 11 月上旬までは概ね平年並で推移した。11 月中旬からは平年並みか
ら低めで推移し、 大で 2 月上旬に平年値を 2.7℃下回った。
降水量は、10 月は平年値を大きく上回る一方、11 月から 12 月は平年値を下回った。1 月上
旬から中旬は平年値を上回り、2 月中旬は平年値を下回った。
日照時間および全天日射量は、10 月中旬は平年値を大きく下回った。11 月以降は、11 月上
旬および 1 月下旬に平年値よりやや高めとなったのを除き、概ね平年並みで推移した。
2013 年度から 2017 年度の 5 カ年においては、気温は 2015 年度と 2016 年度は 11 月から 1 月
上旬まで高めで推移し、2017 年度は 11 月以降低めとなることが多かった。降水量は秋季から
冬季まで年変動が大きく、日照時間と全天日射量は 10 月において年変動が大きかった。
図 3-1-3.2013 年度から 2017 年度の 10 月から 2 月までの佐賀市における旬別平均気温、
旬別積算降水量、旬別積算日照時間および旬別平均全天日射量(いずれも黒破線は平
年値)の推移
2)定期観測による海況と植物プランクトン現存量の推移
2017 年 11 月から 2018 年 2 月に有明海奥部海域で実施した定期観測調査の結果をもとに、
2017 年秋季から 2018 年冬季の有明海奥部海域における水温、塩分、栄養塩濃度および植物プ
ランクトン現存量の推移について述べる。