鋼 管 ポリエチレン...

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鋼 管 ポリエチレン 被覆鋼管 100-8071 東京都千代田区丸の内二丁目61Tel: 03-6867-4111 Fax: 03-6867-5607 www.nipponsteel.com ポリエチレン被覆鋼管 P015_01_201904f © 2019 NIPPON STEEL CORPORATION 無断複写転載禁止

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ポリエチレン被覆鋼管

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ポリエチレン被覆鋼管

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ご注意とお願い 本資料に記載された技術情報は、製品の代表的な特性や性能を説明するものであり、「規格」の規定事項として明記したもの以外は、保証を意味するものではありません。本資料に記載されている情報の誤った使用または不適切な使用等によって生じた損害につきましては責任を負いかねますので、ご了承ください。また、これらの情報は、今後予告なしに変更される場合がありますので、最新の情報については、担当部署にお問い合せください。本資料に記載された内容の無断転載や複写はご遠慮ください。本資料に記載された製品または役務の名称は、当社および当社の関連会社の商標または登録商標、あるいは、当社および当社の関連会社が使用を許諾された第三者の商標または登録商標です。その他の製品または役務の名称は、それぞれ保有者の商標または登録商標です。

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近年、ガス、石油、上下水道用のパイプラインや各種埋設配管の役割は、ますます重要になってきました。埋設配管の置かれる環境は、鉄道の電化、都市の住宅集中化、埋立て・造成による土質の不均一性などによって悪化の一途をたどってきました。さらに最近では、ビル配管内における鉄筋コンクリートとのマクロセル腐食も大きな問題として取りあげられています。土壌中の配管の腐食要因は、上記以外の要因も含めて複雑多岐にわたっており、埋設配管にはより完全な防食被覆が要求されます。 当社では、各種埋設配管の防食性を向上させる様々な研究をすすめ、昭和40年代以来ポリエチレン被覆鋼管を開発、販売しております。 ポリエチレン被覆鋼管は、溶融ポリエチレンを押出被覆しており、ピンホールがなく、優れた化学的、電気的特性を有し、埋設用として最適です。15A〜1600Aまでの広い寸法範囲の製品を製造しておりますので、広くご愛用ください。ご注意:内部の液体凍結による、変形が生じる場合があります。

はじめに

目次ポリエチレン被覆鋼管の特長 ・・・・・・・・・・・ 2

被覆の種類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

製造方式および工程 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

標準仕様 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

防食層ポリエチレンの特性 ・・・・・・・・・・・・ 8

被覆品質特性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

製品例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

用途例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

ポリエチレン被覆鋼管の現場施工方法

 ■小径サイズ(100A以下)の例・・・・・・・・ 12

 ■中大径サイズの例・・・・・・・・・・・・・・・ 12

 ■溶接継手部防食施工法 ・・・・・・・・・・・ 14

取り扱い上の注意点 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 16

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種類の記号 被 覆 アンダーコート 被覆の構成 適用寸法 商品名

P1H 一 層 接着剤 450A〜1400A NS-PEL®-3XF

鋼管

接着剤

防食層

種類の記号 被 覆 アンダーコート 被覆の構成 適用寸法 商品名

P1H 一 層 接着剤

15A〜100A NS-PEL®-1H

20A〜100A NS-PEL®-1M

15A〜400A NS-PEL®-3XL

80A〜600A NS-PEL®-3XF(標準色は黒)

P1S 一 層 粘着剤 100A〜400A NS-PEL®-1S(標準色は黒)

P2S 二 層 粘着剤

15A〜400A NS-PEL®-2SP

80A〜600A NS-PEL®-2SE

P2H 二 層 接着剤 20A〜100A NS-PEL®-2MP

鋼管粘着剤防食層

鋼管接着剤防食層

鋼管粘着剤

防食層保護層

鋼管接着剤

防食層保護層

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ポリエチレン被覆鋼管の特長 被覆の種類

❶ 優れた化学的・電気的特性

❷ 安定した品質

❸ 幅広い製造可能範囲

❹ 用途に応じた効果的な被覆構造

❺ 現地防食作業が容易

ポリエチレンは、透水、吸水がほとんどなく、酸、アルカリ、溶剤などに対する耐薬品性にも優れています。ポリエチレン被覆鋼管は、高い電気絶縁抵抗の値を示し、経時的な変化もありません。したがって、埋設環境の条件が悪くても、鋼管が腐食されることはほとんどなく、電気防食を施工する場合でも、通電量が少なくて済むので維持費を低減することができます。

ポリエチレン被覆鋼管は、新鋭設備と最新技術を駆使して生産されます。生産ラインは、前処理から最終検査まで連続しているので安定した品質が得られます。各種試験、検査はもちろん、自動ホリディディテクターもオンライン化されており、品質保証体制は万全です。

ポリエチレン被覆鋼管は、クロスヘッドダイ製造方式、Tダイ製造方式により、15A〜1400Aまでの広い寸法範囲の製造が可能です。また、用途や配管の接続方法に応じて、一層あるいは二層被覆の選択ができます。

ポリエチレン被覆鋼管に使用しているアンダーコートは、防食性と密着性に優れており、粘着剤型と接着剤型とがあります。また、ポリエチレン被覆鋼管には、一層型と二層型とがあり、これらの組み合わせによって、ニーズに応じた効果を十分に発揮させることができます。

ポリエチレン被覆鋼管は、配管現場における防食施工が確実で簡便です。

(1)クロスヘッドダイ方式

(2)Tダイ方式

鋼管

接着剤

防食層

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ピンホールテスト

予 熱

粘着剤塗布

(溶着防止剤塗布)

冷 却

冷 却

ピンホールテスト

防食層ポリエチレン被覆

保護層ポリオレフィン被覆

水 冷

ピンホールテスト

ポリエチレン被覆

アンダーコート塗布

予 熱

ブラストまたは酸洗

ブラストまたは酸洗

ブラスト

接着剤とポリエチレン

プライマー塗布

予 熱

水 冷

● クロスヘッドダイ方式

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● Tダイ方式 450〜1400A

製造方式および工程

クロスヘッドダイ方式

 (二層型) 15〜600A

 (一層型) 15〜600A

クロスヘッドダイ方式 Tダイ方式

Tダイ方式

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(単位:mm)

呼 び 径被覆の厚さ

膜 厚 許容差

15A〜90A 1.5 +規定しない−0.3

100A〜150A 2.0 +規定しない−0.4

200A〜250A 2.5 +規定しない−0.5

300A〜400A 2.5 +規定しない−0.5

450A〜1000A 2.5 +規定しない−0.5

1100A〜1600A 3.0 +規定しない−0.5

備考:アンダーコートの厚さは、   粘着剤の場合:目標値0.3mmとします。   接着剤の場合:目標値0.15mmとします。         (接着剤は被覆の厚さに含まれます)

(単位:mm)

呼 び 径被覆の厚さ

防食層 保護層膜 厚 許容差 膜 厚 許容差

20A〜90A 0.6 +規定しない−0.2 1.0 +規定しない

−0.3

100A〜125A 0.8 +規定しない−0.2 1.1 +規定しない

−0.3

150A 0.9 +規定しない−0.3 1.2 +規定しない

−0.3

200A 1.1 +規定しない−0.3 1.5 +規定しない

−0.4

250A 1.2 +規定しない−0.3 1.6 +規定しない

−0.4

300A 1.2 +規定しない−0.3 1.7 +規定しない

−0.4

350A〜400A 1.2 +規定しない−0.3 2.0 +規定しない

−0.5

450A〜600A 1.3 +規定しない−0.4 2.0 +規定しない

−0.5

SGP-E-H 100A×11000 04-19 P1H NS-PEL-3XLNIPPON STEEL W QA0507011 (100A以下) ⑤① ⑧ ③⑦ ⑥ ④②

SGP-E-H 100A×11000 04-19 P1HNIPPON STEEL W QA0507011⑤① ⑧⑦ ⑥ ④②

NIPPON STEEL QA0607010 NS-PEL-2SE P2S SGP-E-G 300Ax5500 SL/NSACC-L 04-19 580D001 NO.0001JICQA

② ② ③① ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩

(125A以上)

SGP-E-G 100A×5500 04-19 P2S NS-PEL-2SPNIPPON STEEL W QA0507011 (100A以下) ⑤① ⑧ ③⑦ ⑥ ④②

SGP-E-G 150A×5500 04-19 P2SNIPPON STEEL W QA0507011⑤① ⑧⑦ ⑥ ④②

(125A以上)

①ロゴマーク(NIPPON STEEL) ②JISマークおよびJIS認証機関番号 ③日本製鉄販売品名④ポリエチレン被覆鋼管の規格 ⑤原管の規格 ⑥寸法×長さ ⑦製造所略号 ⑧製造年月 ⑨管理番号 ⑩管番号 

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(単位:mm)

呼 び 径 溶接継手(ベベルエンド) ねじ継手 メカニカル継手

(プレーンエンド)15A〜90A 100 50以下 10

100A〜150A 130 50以下 —

200A〜400A 150 — —

450A〜1600A 150 — —注:(  )内は管端仕様

製 法 外 径 管 長 製造場所

クロスヘッドダイ方式

15A〜100A 5.5m(標準)

和歌山製鉄所15A〜300A 5.5m〜12.5m(5.5m標準)

350A〜400A 5.5m〜12.5m

80A〜600A 5.5m〜12.2m 大分製鉄所

Tダイ方式 450A〜1400A 9m〜18.3m 君津製鉄所

( ) ( )

標準仕様

被覆の厚さ

製造可能寸法範囲

管端形状

管端被覆除去長(標準)

一層被覆型(粘着型、接着型)JIS G 3469 P1H、P1S

二層被覆型(粘着型)JIS G 3469 P2S

被覆除去長さ

ビニールテープ

ℓ≒100~150mm

被覆除去長さ

溶接継手用管端形状

ℓ≒0~20mm

被覆除去長さ

メカニカル継手用管端形状

内面には、ご指定によりエポキシ樹脂塗装、亜鉛めっき、ポリエチレン粉体ライニングなど用途に応じたものを施します。

結束および梱包100A以下については、約1000kgごとに結束を行います。管本体は梱包しません。

表示(例)管1本ごとに次の項目を表示します。外面に表示する場合の例を示します。

ビニールテープ

ℓ≒25~50mm

被覆除去長さ

ねじ継手用管端形状

被覆除去長さ

ねじ継手用管端構造

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薬 品 名 適 用 薬 品 名 適 用

塩 酸 ○ 食 塩 水 ○

希 硫 酸 ○ ア ル コ ー ル ○

濃 硫 酸 × グ リ セ リ ン ○

希 硝 酸 △ ガ ソ リ ン ○

濃 硝 酸 × ト リ ク レ ン △

リ ン 酸 ○ ベ ン ゾ ー ル ○

酢 酸 ○ ト ル オ ー ル ×

亜 硫 酸 ガ ス ○ ク レ ゾ ー ル ○

ア ン モ ニ ア ○ 重 油 ○

苛 性 ソ ー ダ ○ 植 物 油 ○

硫 化 水 素 ○ ア ス フ ァ ル ト ○

(備考)○:使用可 △:使用を避けた方が良い ×:使用不可

項  目 試験方法 性 能 値

密        度(kg/m3) JIS K 7112 915以上

引 張 破 壊 応 力(N/mm2) JIS K 7161 11.8以上

引 張 破 壊 呼 び ひ ず み(%) JIS K 7161 300以上

硬        さ(HDD) JIS K 7215 40以上

ビ カ ッ ト 軟 化 温 度(℃) JIS K 7206 85以上

耐 環 境 応 力 亀 裂(h) JIS K 6922-2 96以上

吸   水   率(%) JIS K 7209 0.04以下

耐   電   圧(kV/mm) JIS K 7140-1 30以上

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項  目 試 験 法試験結果(例)

接着剤P1H(2.5mm)

粘着剤P1S(2.5mm)

密 着 力ISO 21809-1,-423℃、ピール試験

150N/10mm 以上 4N/10mm 以上

落 錘 衝 撃ISO 21809-1,-423℃

18J 以上 8J 以上

落 砂 利 衝 撃砂利 JIS 4号、10kg落下高さ2m、10回

ピンホールなし ピンホールなし

押 込 み 深 さISO 21809-1,-423℃

0.2mm 以下 0.2mm 以下

偏 平 外径の1/2まで偏平 剥離・亀裂なし 剥離・亀裂なし

絶 縁 抵 抗 食塩水に100日浸漬 1010Ω・m2 以上 1010Ω・m2 以上

冷 熱 サ イ ク ル−30℃×1h ⇔+60℃×1h20サイクル

異常なし異常なし

(収縮発生)

防食層ポリエチレンの特性

1. 性  状

2. 耐薬品性

検  査

被覆品質特性

ピール強度検査 被覆厚検査

ピ ン ホ ー ル :被覆のピンホールは、ホリデーディテクターで厳重な検査を実施します。

被   覆   厚 :電磁厚み計等により、被覆厚さの検査を行います。密着力(ピール強度):バネ秤り等により、ピール強度の検査を行います。(P1H)

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製品例 用途例

保管状況

海底配管

ガス導管小径管

ポリエチレン被覆鋼管は一般に地下埋設管として使用されますが、特に外面防食として抜群の性能を発揮します。● 石油・ガス輸送用鋼管● 上下水道用鋼管● 各種化学工業用配管● その他管外面からの腐食の激しい場所における一般配管

※社名変更に伴いNSSMCは、NIPPON STEELに訂正となりました。

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ソケット外面の透明部分からコーキングテープが隙間なく充填されていることを確認しながら、ソケットを手締めで接合しパイプレンチにて本締めを行います。

溶接部のバリ、スパッターの除去

継手部の絶縁抵抗を測定

ねじ切り:切り粉除去後

継手部の溶接

継手作業完了後、ピンホールの有無をテスターによりチェック

管およびソケットを専用工具(パイプレンチおよび万力)にて所定の締付けを行います。

加熱収縮作業

厳しい検査後の敷設

チューブホルダーを用いたチューブの収縮

ポリエチレン被覆鋼管の現場施工方法

ポリエチレン被覆鋼管の現場施工方法

小径サイズ(100A以下)の例

中大径サイズの例

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シ-リング材

シ-リング材接合用シート

熱収縮シート巻き終わり部の施工

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● 熱収縮チューブ法

● 熱収縮シート法

管にあらかじめチューブを挿入しておき溶接接続した後、溶接部を清掃し、バーナーで80℃程度に予熱します。必要に応じてプライマーを塗布してからチューブを所定位置に移動します。専用バーナーでチューブの中央部円周方向から徐々に両端に加熱収縮します。部分加熱するとしわができ、空気が残りますので注意してください。チューブが収縮した後、アンダーコートがチューブの端からはみ出すよう再加熱します。加熱温度は、120〜140℃(加熱部がやや光沢を帯びる程度)が最適です。

溶接部を清掃し、約80℃に予熱してプライマーを塗布します。この上にシートを巻き付け、端を接合用シートでとめて、熱収縮チューブと同様に加熱収縮させます。

溶接接続部の現場防食被覆方法には、熱収縮スリーブ(熱収縮チューブと熱収縮シート)による方法があります。

次の方法により、現場で防食被覆を行います。

● 熱収縮チューブ 加熱によって収縮する性質を持ったチューブで、アンダーコートが内面塗布されており、作業性、確実性に優れています。

● 熱収縮シート 加熱による熱収縮性シートの内面にアンダーコートが塗布されており、熱収縮チューブの使用できない既設管や大口径管に適しています。

溶接継手部防食施工法(例)ポリエチレン被覆鋼管の現場施工方法

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1. 保  管 ● 屋内保管を原則とします。● やむを得ず屋外に保管する場合は、直射日光、傷などを防ぐために、  シートなどの覆い掛けをしてください。● 置き場には台木を置き、大径の場合は両管端位置に台木を置く。● 積み方は、俵積みまたは段積み。● 台木および歯止めは緩衝材で覆う(被覆に直接当たらないように)。 *接触部の若干のくぼみは、性能上支障がない。 *P1H(緑)耐候処方の取り扱い。

2. 運  搬 ● 吊上げ・吊下ろしは、被覆に傷をつけないようナイロンスリング、ゴム付  ロープ、管端吊りフックなどの吊具を使用する。● フォークリフトなどで運搬する場合、フォークにゴム板などを取りつける。● 輸送、必ず台木を敷く、台木および歯止めは緩衝材で覆う(被覆に直接あ たらないように)。

3. 加工・配管工事 ● 鋭利な石・砂利などにより被覆に損傷を与えないこと

① 機械切断(主として100A以下)自動金鋸盤などを用い、被覆に傷をつけないよう配慮してください。なお、パイプカッター、高速砥石およびガス切断は避けてください。

② ねじ切り(主として100A以下) • 一層被覆鋼管については、専用治具を用い、被覆を

剥がさずにそのまま、ねじ切削を行います。 • 二層被覆鋼管については、保護層を剥がした後、ね

じ切削を行います。ただし、管がスリップし被覆を傷つける恐れがある場合には、被覆をあらかじめ剥がしてから作業してください。

③ 溶  断あらかじめ被覆を剥がしてから行います。火花が被覆に当らないよう適当な覆いをしてください。

④ 溶  接あらかじめ管端の被覆を剥がしてから行います。被覆除去長さは6ページをご参照ください。スパッターなどが被覆に飛ばないよう配慮が必要です。

⑤ 曲  げ通常はベンド管、エルボを使用しますが、緩い曲げ半径の場合は冷間曲げ加工も可能です。この場合も、曲げ治具で被覆が損傷しないように当てゴムなどを使用してください。

⑥ 埋  設埋戻しの際、土砂中には石塊、砕石などの混入を避けてください。

⑦ 切断機使用現地で使用する切断機には次のようなものがありますが、チャッキングの方法さえ注意すれば、裸管と同様に切断できます。切断は被膜の上から直接できます。

切断機名 注  意  点

手 動 パ イ プカ ッ タ ー

①チャック部の被膜保護。②1枚刃2ローラー型のカッターローラーで

被膜を損傷しますので、メカニカルジョイントを使用する場合は3枚刃のカッターを使用するようお奨めします。

ポータブル電動パイプカッター

①チャック部の被膜保護。②切り込みはできるだけゆっくりしてくださ

い。チャック部がすべる場合があります。③ローラー刃の使用をお奨めします。

ポータブル電動カ ッ テ ィ ン ググ ラ イ ン ダ ー

(メカニカルジョイントの場合)熱による被膜のしわ、かえりをナイフで削り取ってください。

バ ン ド ソ ー チャック部の保護

なお、機種にもよりますが、チャックは直接被膜に当てないよう硬質塩ビ管の半割りカバー、ゴムシート、ポリエチレンシート(保護層ポリエチレンの剥いだものでも可)などをかぶせてチャッキングしてください。なお、NS-PEL®-1Hは専用工具の使用により、直接チャッキングできます。

⑧ ガス切断あらかじめ両側100〜150mm程度被膜を剝ぎ取った後で切断します。被膜を剥がずに、被膜の上から直接フレームを当てると、かえって広い範囲で焼損します。切断部近くの被膜には、薄鋼板などのカバーをかけてスパッター等による焼損から保護してください。

取り扱い上の注意点

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