「CSS Nite 9年目に見る勉強会の今とこれから」鷹野 雅弘(スイッチ)
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Transcript of 「CSS Nite 9年目に見る勉強会の今とこれから」鷹野 雅弘(スイッチ)
2014年3月14日に浜松(静岡県)で開催されたDORP INSPIRATIONでのスライドです。
本日のお昼は、中川さんに「ぬのはし」というお店にお連れいただいて
遠州お好み焼きをいただきました。ふんわりして美味しかったです。
長野県・諏訪出身
私は静岡のお隣、長野県は諏訪の出身です。
はじめて静岡に来たとき、お茶畑とその中を通る道路を見て
道路が新品!!
と驚きました。というのは、長野県は、冬場、雪で道路がボコボコになってしまうのです。
私は都内でスイッチという制作会社を1996年からやっています。
最初は、プリントメディアを中心とした制作を主とし、
その後、Webにシフトしつつ、両方を行っています。
Web StandardTechnique UnitWeb StandardTechnique UnitHTML+CSS, Web Graphics, Web Direction (basic) Dreamweaver/Flash/Fireworks/Photoshop
Web標準を実践課題に沿って体系的に学ぶ
雑誌などのほか、著者として、DreamweaverやIllustratorなどの書籍を執筆しています。
制作、執筆、そして、今回のような講演やトレーニングなどをまわしている会社です。
さて、本日はこのようなタイトルなのですが...
CSS Niteをご存じの方は、どのくらいいらっしゃいますか?
率直なところ、このように思う方が多いと思います。
今年の1月に、鈴木さんから
技術変化の早いIT系技術勉強会は今や各地で毎日のように繰り返されています。しかし、浜松ではデザインに関する分野では開催の声をあまり耳にしません。この傾向は浜松のデザイン分野の発展に影響しているのではないかと考えています。勉強会は単なるスキル共有を越えた役割を担っているはず。そこで、9年目を迎えたCSS Niteを運営する目線から勉強会そのものについてお話を伺いたいと考えています。経年の変化・傾向、各地の特徴などを踏まえ、浜松という地方都市で働くデザイナーがより発展的に働いていけるヒントを思考の面から刺激することを求めています。
このようなご依頼をいただいたのですが、
CSS Niteには興味がない人も少なくないでしょうし...ということで
私なりに鈴木さんのご依頼のねらいを、このように解釈し、
このセッションの目的を、設定してみました。
セミナーや勉強会には、参加する人、
話す人、そして、
主催する人がいますが、それぞれの視点で「意義」について再定義していきます。
そこで、このようなお題を頂戴しましたが、
勝手ながら、このようなスタンスで進めていきます。
まずはCSS Niteについてですが、
以前、サイボウズLiveマガジンで行っていただいたインタビュー記事があり、
こちらをお読みいただけると話が早いのですが、ざっくりお話していきます。
2005年にアップルストア銀座でのマンスリーイベントとしてスタートしました。
CSS Nite というネーミングはもちろん、CSSに関する内容を夜(夕方)に行う、ということから。
「CSS以外のことを喋りたい」
「 Mr.へそ曲がり」であるヤスヒサさんのご意向で、Vol.5にして“CSSしばり”は終了。
を扱う
「 Web制作に関わる人が必要なトピック」という広いくくりで開催してきています。
これまでに開催したイベントは380回。参加人数は48,000人に登ります。
ここ数年ですと、(長期休暇を除いて)ほぼ週2くらいのペースで開催しています。
アクティブ
最近開催されていない
開催予定なし
というのは、都内だけでなく、地方版や韓国でも開催しています。
ちなみに、静岡でも開催されているんですよ!
また、静岡では矢部さんという方が「Knock! Knock!」という勉強会を開催されています。
ちなみに、私がぱっと思いつくだけでも…
ご参考までに、静岡の出身者で
小山田 晃浩(ピクセルグリッド)
原 一浩(グレーティブ)
植木 真(インフォアクシア)
神森 勉(KDDIウェブコミュニケーションズ)
都内で活躍されている方はたくさんいますし、
清家 順(ユニバーサルワークス)
勝又 孝幸(データファーム)
佐々木 恵
高橋 のり(Webデザインレシピ)
静岡を拠点にしながら活躍されている方もたくさんいます。
中川 直樹(アンティファクトリー)
そして、そして、次のsession 5に登場する
その中でも、今日出演される中川さんは、ここ浜松のご出身!
さて、CSS Niteの地方版ですが、
「 その土地でCSS Niteをやりたい」と手を挙げていただいた方によって主催されています。
その土地でセミナー/勉強会が根付くことを最終目標として考えています。
次に、CSS Niteをはじめたきっかけや、継続している理由について。
何度か単発で講演していたのですが、アップルの方からのこんなオファーをいただきました。
そのとき、ふと、こんなふうに思いついたのです。
実際、はじめてみると
「学習の機会」というだけでない、嬉しいことがありました。
2005年というと、ブログをはじめたり、
mixiのコミュニティでの交流が活発になっていた時期。
オンラインだけでつながっていた人たちが、懇親会などでリアルに会う場となったのです。
勉強の場
そんな経緯もあり、CSS Niteでは、単なる勉強の場だけでなく、
勉強の場 出会いの場
出会いの場であることを重視しています(そのため、Ustreamなどに非積極的です)。
もう少し突っ込んだことについてお話します。
つまり、CSS Niteの「DMD」について。
メーカー(ベンダー)、販社主催のセミナーでは、聞きたいことが聞けないという状況がありました。
そんな中、名古屋のWCANだけは、異彩を放っていました。
これはCSS Niteもまったく同じスタンスです。というか、WCANがモデルといえます。
CSS Niteの運営には、2つのキーワードがあります。
ひとつが「フラットで、オープン」
同等と考えているので、たとえば「受講費」でなく「参加費」ということばを使います。
これは運営サイドと参加する人も同様です。
協賛はありがたいのですが、その色が出すぎないように心がけています。
ほとんどのセッションのスライド/音声は後日公開しています。
企画に関しては、
基本的に、私が「次はこれ」と決めています。
迷ったり、何かあるときには、益子さんに相談。もちろん、ほかの方に相談することもあります。
このため「どんなセミナーに参加したいですか?」と聞くことはありません。
判断に困ったときに考えるのは「参加する人のためになるかどうか?」
たとえば、CSS Niteのサイトのトップページには
「CSS Nite以外のセミナー情報」というコーナーがありますが、
これも、参加される方によって有益だろうという判断で、無償で掲載しています。
また、こんなことを考えています。
ひとりの参加者として、「~だったらいいのに」ということを実現するようにしています。
予算などの制約もありますが、なるべく大きいスクリーンの会場を用意するようにします。
セッションのスライドは、数日以内にダウンロードできるようにフォローアップメールを送ります。
セミナー前日には、リマインダーメールをお送りしています。
「お偉いさん」が出てきて喋ることはありません。
また、ひとりの講演者として、「~だったらいいのに」ということを実現するようにしています。
男女比、年齢、仕事などの「参加者属性」を共有するようにしています。
誤字脱字はもちろん、よい講演となるようにバックアップしています。
アンケートはスキャンして、講演日の夜中には出演者/関係者に共有しています。
集計は、翌日かその次の日くらいには完了(集計データは参加者にも共有)。
プロのカメラマンに撮影いただき、データを提供しています。
セッションごとのレポートページをつくるようにしています。
参加したい自分が
出演したい自分が
まだまだ完璧ではありません。毎回毎回、少しずつリファインしています。
勉強会の意味
さて、勉強会やセミナーに参加する、となると
参加費に見合うか、ということに意識がいきますが、
本日のテーマに立ち返り、これについて考えてみます。
参加費が高い/安いと考える前に、
ちょっと見方を変えるだけで、これを何倍もの価値を得ることができます。
それぞれの立場でみていきましょう。
まず、参加する人
本などを読んだりして自習するより、短時間ですみますし、また、操作なども見れば一目瞭然です。
たまに「ほぼ知っていることだった」というコメントを残される方がいますが、
実は、ここが分かれ道です。ある意味、「 ほぼ知っていること」で当然なんです。
というのは、ほとんどわかっている状態だからこそ、「すり合わせ」が可能です。
また、ちょっとした疑問点などを解決することができます。
いうなれば、この「最後の10%」をコンプリートするに有効なのが、セミナー/勉強会なのです。
そして、忘れてならないのは
「やる気のリセット」。いつもと違う環境に自分を置くことで刺激になったり、リフレッシュ効果も。
自分には関係ない、と思う方が少なくないと思いますが、意外に美味しいのが運営する人
特に「受託」だけでは得られない経験を得ることができます。
特に集客面。これはシビアでヘビーです。
そして、喋る人。これは全員に「自分ごと」として考えてみていただきたい、「今日のキモ」です。
実際、伝える立場にまわると、あやふやだったことや理解していなかったことに気づきます。
そのため、調べたり、検証したり、日常業務の流れでは時間をかけないところに踏み込む必要があります。
しかし、仕事全体を俯瞰し、見直すことができるでしょう。
先日、こんなブログがありました。
ここまでお話したように、ちょっと視点を変えてみませんか?
さて、なかには、このように思う方もいると思います。
これに関しては、ちょうど昨日、こんなブログ記事を見つけました。
「知る」「わかる」「できる」「教える」「根付く」というステージの中で
情報は、知っている人が少ない情報ほど価値があると感じる。
このように感じるのは、一番下のステージでの感情であり、その先のレベルを見よう、ということです。
さて、それぞれの立場こそありますが、
キーワード
重要なのは「成長できるか」かどうかと考えます。
この中で特に有効なのが「話す人」。
アウトプットは成長するために欠かせないからです。
しかし、アウトプットはアウトプットしただけで終わってはダメなんです。
適切なレビュー(フィードバック)を受けることが必須。
♥
ですから、参加する人、運営する人は、愛のある“ダメだし”を伝えましょう。もちろん、いいことも。
“スルー力”
話す人は、心が折れないように、いい感じのスルー力を持って。
現代は「いいものを作れば認められる」という時代ではありません。
たとえば、そのデザイン(色)にした理由など、価値のブーストには説明や申し送りが必須です。
といっても、プレゼンプレゼンしたものである必要はありません。
自分の思いや価値観を、自分なりに伝えることも、またスキル。スキルは常に磨いていくものです。
話だけ聞いていても...ですので、実際に練習をしてみましょう。
2人1組グループを作ってください。
近くの方と2人
この3つ(または自分の好きなもの)を説明してみてください。
時間は1分。
終了です。
自分が説明したいことだけを説明しませんでしたか?
同じ用語でも、誰に説明するかで、かなり方向性が変わってきますよね。
いうなれば、
説明される方の知識、スキル、バックグラウンドに応じて
また、どこまで説明するのか、どうなったら成功かのイメージを描き、
どのくらいの時間で、を考慮しつつ
ことばだけ/紙とペンを使って/PCを開いて、などの方法を考えつつなど、
このように考えていくと、「伝える」ことの奥深さに気づくでしょう。
このように思ったことがある方は
と考えてみながら聞くとよい思います。
こちらも
「教える経験の少ない人」が、他人に何かを教えるときに、ついつい、陥ってしまう3つの罠
http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakaharajun/20131230-00031128/
ぜひチェックいただきたいブログ記事です。
「伝えること」とは、「伝えないこと」を決めること
つまり、伝えたいを全部伝えるのではなく、伝わるためにそぎ落とすこと。
「伝える」=「伝わる」になるように、伝えるスキルを磨きましょう。
最近、これに加えて4つ目があるよ、と中川さんに教えていただきました。
これを勉強会/セミナーに当てはめてみると
自分が参加する、ということだけでなく
たとえば、ほかの人にはどのように響いているだろうと観察したり、
自分だったら、どう話すだろう?と考えてみたり、
自分が主催(運営)だったら、と考えてみたり、
セミナー/勉強会が、浜松のシーンにどのように影響するかを考えてみたり
静岡というレベルで
東海というレベルで
そして、 日本というレベルでと、どんどん俯瞰したり、
そして、いま(2014年)だけでなく
10年後のことを考えて見ると、なかなかスリリングです。
全員が
誰もが「話す人」になること
こんな時代だから
「伝える」スキルを磨くために、セミナーやブログを利用しよう、ということです。
勉強会の“今”と“これから”
ここからはオマケです。
鈴木さんからのお題に応え、最近の動向ということで3つにまとめてみました。
セミナー/勉強会がどんどん増えています。
先週の土曜日、3月8日を考えても
福井で「アップグレードふくい」
都内で「WebSig」
都内で書籍の発売記念イベント
都内でJS Girls
名古屋ではWCANが開催されていました。
一方、セミナー/勉強会に参加される方の年齢層が上がっている傾向があります。
2005年
20代 30代 40代 50代CSS Niteでいうと、スタート時は20代後半から30代がボリュームゾーンでしたが、
2014年
20代 30代 40代 50代現在、20代の参加者の割合が減っています。
2014年
20代 30代 40代 50代20代 30代 40代 50代
2005年
おそらく、そのままシフトしてしまった、ということでしょうか...
プライベートな時間/お金を使ってまで...と考える層が増えてきたということかもしれません。
オンライン教育
そして、最後にオンライン系。
キャプション「schoo」や「ドットインストール」、
iTunes Uをはじめとするオンライントレーニングが増えています。
何万人規模にもなることを指して「MOOC(ムーク)」と呼ばれています。
私自身は、オンライン番組はなかなか集中できないことが多く、やはりリアルがベターと考えています。
さらに、そのときは、PCを閉じて、メモを取りながら聞くことで、さらに集中できます。
スライド内でご紹介した参照リンクは
こちらのブログに
まとめていますので、ぜひチェックしてみてください。