経営革新計画 - Shizuoka Prefecture...経営革新計画 事例集 平成31年3月...

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経営革新計画 事例集 平成31年3月 静岡県経済産業部経営支援課

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経営革新計画事例集平成31年3月

経営革新計画事例集平成31年3月

静岡県経済産業部経営支援課編集:(公財)静岡県産業振興財団〒420‒0853 静岡市葵区追手町44‒1 静岡県産業経済会館4F

TEL.054‒273‒4432 FAX.054‒273‒4480URL http://www.ric-shizuoka.or.jp

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新商品・サービスで経営革新にチャレンジ!

「自社の課題や方向性を明確にしたい!」「社員と経営目標を共有して仕事へのモチベーションを向上させたい!」「これまで培った独自の技術やノウハウで新しい分野に挑戦したい!」

1.経営革新計画の概要1 新規事業の内容

2 計画期間

経営革新計画の策定のイメージ

 経営革新計画の策定は、これから新事業を立ち上げようとする事業者の情熱や思いを具現化する有用な取組です。中小企業等経営強化法に基づき、3年~5年間の経営革新計画を作成することで、社内における経営目標や課題の共有・明確化を図ることができます。また、計画の承認を受けることで、県制度融資や補助金など、利活用できる公的支援策の幅がさらに広がります。

 以下のいずれかの新たな事業活動を行うことによって、経営の向上を図るもの。(ただし、個々の中小企業者にとって「新たな事業活動」であっても、その内容が既に他社において相当程度普及している製品・サービス・技術・方式等の生産や導入となる場合には、承認の対象となりません)①新商品の開発または生産②新役務の開発または提供③商品の新たな生産または販売の方式の導入④役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動上記①~④の海外展開に係る事業(海外子会社等と連携した新たな事業活動)も対象となっています。

3~5年間の事業計画であること

3 経営の向上の内容(目標とする経営指標)①付加価値額(企業全体または一人当たり)が年率3%以上向上すること      付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費②経常利益が年率1%以上向上すること      経常利益=営業利益ー営業外費用(営業外収益は含まない)

新たな事業・取組のアイデア想起 経営革新計画を作成 経営革新計画の承認

支援策を活用しながら

事業実施

業績の拡大・向上

【経営革新の支援窓口】 作成を支援

【県】 審査会承 認

オリジナルの新商品・サービスを開発したい…

他にない商品の生産方式の導入を検討中etc

経営革新計 画

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2.主な支援策県制度融資 信用保証の別枠

公庫の低利融資 公庫による債務保証

経営革新補助金 トライアル発注

販路開拓コーディネート 中小企業総合展

特許料金の減免 専門家派遣

*上記以外にも高度化融資制度などの支援策もあります。支援策の詳しい内容については、静岡県のホームページ「経営革 新ステーション」(http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-550/kakushinkeikaku.html)または「経営革新 計画申請の手引き」でご確認ください。*計画の承認は支援策を保証するものではありません。計画の承認後、利用を希望する支援策の申請先である支援機関の 審査が別途必要になります。

*支援策については、実施機関ごとに運用が異なるため、内容や条件など変更となっている場合があります。詳細については、 事前に実施機関にご確認ください。

県と金融機関・信用保証協会が協力し、経営革新事業資金に関し、金融機関を通じて融資を行います。

経営革新事業資金に関し、保証限度額の別枠が設けられています。

日本政策金融公庫(中小企業事業・国民生活事業)にて経営革新事業資金について特別利率で融資を受けられます。

中小企業者の外国関係法人等が、現地(海外)の金融機関から長期資金を借入する際に、日本政策金融公庫が信用状を発行し、債務保証します。

経営革新計画による①新商品・新技術・新役務開発、②販路開拓または③生産性向上に関する経費の一部を県が助成します。

経営革新計画により新たに開発した商品について、県が試験的に購入し、また、使用後は当該商品の有用性を評価します。

中小企業基盤整備機構の販路開拓コーディネーターより、新商品等の具体的な販路開拓支援を受けられます。

中小企業基盤整備機構が開催する中小企業総合展に出展し、経営革新計画による商品等を紹介できます。

特許申請等の関係料金(①審査請求料、②特許料(第1~10年分))が半額軽減されます。

経営・技術・情報等の分野の専門的知識と実務経験を有する経営支援アドバイザーの助言を受けられます。

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製造業

スポーツサイクル用サイクルスタンドの開発及び販売理研軽金属工業株式会社 (静岡市駿河区)

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製造業

非接触レーザーセンサーにより部品形状を認識し自動的にズレを修正する次世代自動溶接ロボットの開発と販売リンクウィズ株式会社 (浜松市中区)

製造業

本わさびの本来の味を引き出すステンレス製わさび擦りおろし器の開発・販売株式会社山本食品 (三島市)

7

製造業

バリアフリータイプの大型エックスティングドアの開発・販売エヌビーシー株式会社 (富士宮市)

4

製造業

高度な組木技術を用いたデザイン性に優れた木製バックの開発・販売有限会社豊岡クラフト (浜松市北区)

5

製造業

ベッド等にセンサーを取り付けることで遠隔地からでも瞬時に離床を確認できる見守りシステムの開発株式会社iSEED (沼津市)

1

製造業

駿河湾の未利用資源『ハダカイワシ類』を活用した食品開発株式会社はの字食品 (焼津市)

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「経営革新計画」~多くの企業が取り組んでいます~ この事例集では、県から経営革新計画の承認を受けた事業者の中から、14社の皆さまの協力を得て、その取組をご紹介させていただくとともに、経営革新優秀賞の表彰企業4社の取組や表彰式についてもご紹介させていただいております。 経営革新計画に少しでも興味を持たれたら、ぜひお近くの経営革新支援窓口までご相談ください。書類作成から承認に至る手続きまで、積極的にサポートします。

3優秀賞

音色とカラーリングに優れた業界初のアルミ製シングルリード楽器用「リガチャー」の開発有限会社富永工業所 (浜松市浜北区)

1最優秀賞

米糀の働きを活かした砂糖不使用の「藤枝スイーツ甘酒シリーズ」の開発・販売かど万米店 (藤枝市)

2優秀賞

塩熟成技術の導入によるソルトエイジングビーフ並びにソルトエイジングジビエの開発株式会社さの萬 (富士宮市)

4優秀賞

静岡県産ひのき間伐材の色味や風合い等を忠実に再現した化粧板の開発・販売不二高株式会社 (沼津市)

14サービス業

伊豆天城の生ワサビを使った最中の開発及び販売有限会社下山養魚場 (伊豆市)

13サービス業

大規模な組織でも操作・管理容易性を実現できる災害安否確認システムの開発、提供株式会社アドテクニカ (静岡市駿河区)

製造業

静岡産魚粉を絡めた農水産事業者の事業支援サービスの開発伊豆川飼料株式会社 (静岡市清水区)

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2製造業

保存期間の長いノンアレルゲンパンの開発と販売石渡食品有限会社 (三島市)

農業

オリーブ栽培から同加工食品の開発・販売を通じた新たな県産品6次産業化システムの開発・提供株式会社CREAFARM (静岡市葵区)

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農業

下田産の蜂蜜を使った石鹸の開発・販売

伊豆下田高橋養蜂 (下田市)

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農業

低カリウムのメロンおよびトマト開発、販売

株式会社HappyQuality (袋井市)

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「経営革新優秀賞表彰式と表彰企業の事例紹介」平成30年度経営革新優秀賞 表彰式

「経営革新計画承認企業の事例紹介」

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H30. 経営革新計画事例集 3

 11月6日、平成30年度「静岡県経営革新優秀賞」の表彰式を県庁で開催しました。

 経営革新計画は、新たな事業活動に取り組む中小企業を支援するためのもので、本県の産業の活性化に

大きな役割を果たしています。本県の経営革新計画は、毎年全国トップレベルの承認件数を誇っております。

 平成29年12月には、県議会において全会一致の賛成により「中小企業・小規模企業振興基本条例」を

可決していただきました。 今後とも、中小企業・小規模企業が直面する、経営の改革、技術開発、販路開拓、

人材確保などの課題の解決に向けた施策の充実に努め、中小企業・小規模企業のチャレンジを支援してま

いります。

平成30年度 経営革新優秀賞

かど万米店最優秀賞

米糀の働きを活かした砂糖不使用の「藤枝スイーツ甘酒シリーズ」の開発・販売

株式会社さの萬優秀賞

塩熟成技術の導入によるソルトエイジングビーフ並びにソルトエイジングジビエの開発

有限会社富永工業所優秀賞

音色とカラーリングに優れた業界初のアルミ製シングルリード楽器用「リガチャー」の開発

不二高株式会社優秀賞

静岡県産ひのき間伐材の色味や風合い等を忠実に再現した化粧板の開発・販売

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H30. 経営革新計画事例集1

最優秀賞 かど万米店[支援窓口(推薦者) 静岡県商工会連合会]

平成30年度経営革新優秀賞

 昔ながらの製法にこだわった手作り・でき立ての米糀を使用した新商品として、みかん・いちご・ブルーベリー等の静岡・藤枝産の果物を使用した「藤枝スイーツ甘酒」の開発に取り組んだ。 一般的には高温で殺菌処理をした甘酒関連商品が流通しているが、本計画では、米糀の働きを活かすべく高熱処理を行わず、添加物も入れない商品づくりを目指した。蒸した米に麹菌をまぶした後、糀の働きが活発となる約28℃前後に保たれた糀室で繁殖させることで、糖化力や分解力に優れた米糀を生成。その米糀を使用した当店の甘酒は、糖度25度以上となり、砂糖を入れなくても十分な甘みを感じられる。地元産の旬の果実をシャーベット状にし、甘酒とあわせて「甘酒スムージ―」として商品化を行った。

所 在 地 〒421-1131 藤枝市岡部町内谷633-5代 表 者 増田 万壽夫設立年月 大正元年3月資 本 金   従業員数 4人

計画承認日 平成27年3月6日/平成26年1月~平成29年12月(4年計画)

◆経営革新計画の成果  付加価値額 67.8%増(年率16.9%)経常利益率 67.2%増(年率16.8%)

事業内容 飲食料品小売業T E L(054)667-0050F A X(054)667-0050ホームページ http://kadoman-kometen.jp/

経営革新計画テーマ

米糀の働きを活かした砂糖不使用の「藤枝スイーツ甘酒シリーズ」の開発・販売

 今回開発された商品は、代々継承されてきた製法に新たなアイディアが加わったものである。今後も地場産品を活用した付加価値の高い商品開発に取り組み、地域の活性化にもつながっていくことを期待している。

■推薦者から一言

 本計画は、試食した支援機関などの助言もあり、従業員一丸となって商品化に向け取り組んだものである。商工会による経営革新の事業計画作成の支援や、持続化補助金の活用で設備導入やホームページ開設ができ、順調に事業化が進んだ。さらに、地元農家の協力により、旬の果物を使った商品ラインナップの展開ができるようになるなど、事業実施にあたっては多くの方のアドバイスや支援が非常に役立った。 また、お米やみそなどの既存商品ではない、今後の事業の柱ができたことは非常に意義があると感じている。若い世代の方にもこの「甘酒スムージ―」を入り口として、米糀の良さを知ってもらうきっかけとなるため、当店としても豊かな食生活を支えるいい物を引き続き提供していきたい。

受賞者から一言

代表者 増田 万壽夫

新商品「甘酒スムージー」

最優秀賞

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H30. 経営革新計画事例集 2

優秀賞

代表取締役社長 佐野 佳治

経営革新計画テーマ

受賞者から一言

優秀賞 株式会社さの萬[支援窓口(推薦者) 静岡県商工会連合会]

平成30年度経営革新優秀賞

 経営革新計画の承認及び経営革新優秀賞の受賞は、当社の取組が認められたという自信になったほか、信用度の向上や従業員の一体感、士気向上などにつながっている。今回の取組も、当社が大切にしている「不二求心」の精神に基づき、「本当においしいお肉をお客様に食べていただきたい」「他にはない本物のおいしさを届けたい」という本物志向と顧客視点による探求の結果、新たな技術と顧客への信頼関係につながっている。 経営革新計画で問われる新規性(他にはない商品、技術等)を生み出すには、多くの手間を要するが、今後も、本物志向にこだわり、お客様が喜ぶおいしい肉づくりのための探求(経営革新)を続けていきたい。

 同社は、佐野氏の強力なリーダーシップのもと、常に積極的で革新的な取組を行っている。今回の取組をきっかけに、顧客からの信用度やブランド力がさらに向上することを期待している。

所 在 地 〒418-0067 静岡県富士宮市宮町14-19  代 表 者 佐野 佳治設立年月 大正3年3月資 本 金 12,000千円  従業員数 20人

事業内容 食肉・食肉加工品の製造・販売T E L(0544)26-3352 F A X(0544)26-3433ホームページ http://www.sanoman.net

 これまで、「さの萬ドライエイジングビーフ」を開発し、高付加価値商品として、首都圏のデパートや一流ステーキハウスなどで販売してきた。今回は、サーロイン以外の部位や牛肉以外の熟成肉のニーズの高まりを受け、「ソルトエイジング」という新しい熟成方法の商品開発に取り組んだ。 ドライエイジングは、肉の表面を削り取る必要があり、肉の厚みのない部位ではドライエイジングには適さないという問題があった。このため、ドライエイジング(乾燥熟成)の際に、塩の働きを入れることで、今までのドライエイジングと同等で独特の旨み成分が得られ、歩留まり率を高めることができた。この結果、肉厚が薄い部位やジビエの熟成が可能となり、新たな熟成肉の提供につながった。◆経営革新計画の成果  付加価値額 9.6%増(年率3.2%)

経常利益率 18.8%増(年率6.2%)

熟成倉庫内のドライエイジングの様子

■推薦者から一言

計画承認日 平成26年8月26日、平成25年9月~28年8月(3年計画)

塩熟成技術の導入によるソルトエイジングビーフ並びにソルトエイジングジビエの開発

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H30. 経営革新計画事例集3

優秀賞 有限会社富永工業所[支援窓口(推薦者) 静岡県商工会連合会]

 当社は音楽業界初の製品を開発し、業界に新規参入した。しかしながら、異業種から無名の企業が安易に入れるほど甘くはない。そこで参入等のきっかけとなったのが、経営革新制度の様々な支援策の活用であった。 また、事業が承認されたことで、製品を知ろうとしてくださる方々が多くなり、実際に試奏してくださることで、驚きの感想を多数いただき、知名度アップへとつながっていった。 今後は国外への事業展開を行うとともに、より多くの方々に当社製品を使用していただくことで、演奏のさらなる楽しさ、そして笑顔を提供し続けていきたい。

 当社の取組は、輸送用機器下請メーカーとの連携を中心に、県工業技術支援センター、商工会、市、市財団、信用金庫等の支援機関が一致団結して実現した。まさに産学官金を地で行った取組である。

所 在 地 〒434-0003 浜松市浜北区新原2581-1代 表 者 富永誠一設立年月 昭和44年3月資 本 金 5,000千円  従業員数 4人

■推薦者から一言

事業内容 二輪・四輪部品プレス・溶接・切削加工T E L(053)589-8377F A X(053)589-8350ホームページ https://Seibei-jp.jimdofree.com

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 リーマンショックによる受注の大幅減少を契機に、シングルリード楽器用のアルミ製リガチャーの開発に取り組んだ。 リガチャーは、クラリネットやサキソフォン用のマウスピースとリードを固定する締め具であり、音色に大きく影響する。材質は真鍮が一般的であり、アルミ材は業界初の試みである。 当社のアルミ加工をコア技術に、地域企業とも連携し、本体のみならずネジまでアルミにこだわった商品開発に注力した。新商品は、音伝播性が高くはっきりとした音色を特徴とし、初心者からプロ演奏者まで高い評価を得ている。また10色のカラーバリエーションやデザイン性が評価され、2015年に「グッドデザインしずおか」の大賞を受賞した。登録商標「sayB♭(セイベー)」には、“初めての人が上手く吹けると気持ちがいい”という意味が込められている。 さらに2018年には、第2弾として、より高次元の音色を追求した「sayB♭クラッシック」も発表している。

◆経営革新計画の成果  付加価値額 17.8%増(年率3.6%)経常利益率 388.6%増(年率77.7%)

代表取締役 富永 誠一

計画承認日 平成24年2月21日  平成23年3月~平成28年2月(5年計画)

音色とカラーリングに優れた業界初のアルミ製シングルリード楽器用「リガチャー」の開発

平成30年度経営革新優秀賞

優秀賞

経営革新計画テーマ

受賞者から一言

リガチャー「従来の真鍮製から業界初オールアルミ合金により開発」

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H30. 経営革新計画事例集 4

優秀賞

代表取締役 髙島 弘光

経営革新計画テーマ

受賞者から一言

優秀賞 不二高株式会社[支援窓口(推薦者) 静岡県産業振興財団]

平成30年度経営革新優秀賞

 この度は栄誉ある賞をいただき、ありがとうございます。経営革新計画に真剣に取り組むことで、対外的に商品をアピールすることができました。また、社員に対しても商品に対する思いを示すことができたのではないかと思います。今回受賞した県産ひのき間伐材柄化粧板「ナチューラ」は、県が推奨する間伐材の利用を、より身近なものにするための後押しになればとの思いで開発しました。従来無垢材では使用が難しく間伐材の利用をあきらめて解決できなかった様々な課題を、ひのき間伐材の色味や風合い等にこだわって開発した化粧板「ナチューラ」ならクリアでき、無垢間伐材と併用することで使用範囲を広げることができます。また、間伐材の使用を促進することで森を守ることにつながるように、引き続き自社の業績拡大だけではなく、地域の環境問題にも貢献してまいります。

 本件は、不二高株式会社のみならず、県の材木業界に寄与する取組だと思います。また、同社はヘルスケア快適空間創造をモットーに常に新たな取組を模索しており、さらなる飛躍が期待できる企業です。

所 在 地 〒410-0051 沼津市西熊堂696-7代 表 者 髙島 弘光 設立年月 昭和21年1月資 本 金 10,000千円  従業員数 16人

事業内容 建築材料卸売T E L(055)924-2000 F A X(055)924-2062 ホームページ http://www.fujiko-bbc.co.jp/

 昨今、木目調等の落ち着いた雰囲気の建造物が人気となっているが、木造住宅等に使用される無垢材は納期・コスト・耐久性において難点も多く、用途が限定されていた。そこで、実際の静岡県産ひのき間伐材の模様をデータ化して化粧板に利用することで、耐水性・耐光性・耐久性や抗菌・不燃、メンテナンスの容易さと木の温かみを両立させた。本製品は、従来無垢材では使用できなかった壁面(浴室、化粧室等)へも施工が可能であり、無垢材との併用に適しているため、建物や部屋の統一した空間創出を実現することができる。県内の幼稚園や老人ホームにも導入され、好評の声をいただいた。本取組を継続して行っていくことで静岡県産材のさらなる利用拡大につなげていく。

◆経営革新計画の成果  付加価値額 37.7%増(年率12.5%)経常利益率 87.0%増(年率29.0%)

化粧板を使用した施工例

■推薦者から一言

計画承認日 平成27年7月8日 平成26年9月~平成29年8月(3年計画)

静岡県産ひのき間伐材の色味や風合い等を忠実に再現した化粧板の開発・販売

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介護関係の展示会

パルモスマートコール

H30. 経営革新計画事例集5

製造業

介護見守り支援パルモケアシステム

株式会社iSEEDベッド等にセンサーを取り付けることで遠隔地からでも瞬時に離床を確認できる見守りシステムの開発 1

▶所在地 〒410-0012 沼津市岡一色725-1 ▶代表者 井澤 庄次 ▶設立 平成26年4月▶資本金 4,600千円 ▶従業員数 3人 ▶主要製品 介護福祉機器の開発、販売▶TEL (055)900-1003 ▶FAX (055)900-1003

 当社は、高齢化社会の課題解決にIT機器やサービスで貢献すべく平成26年に設立した福祉介護機器メーカーである。介護福祉の現場での負担をICTで軽減することで、高齢化社会で深刻化する問題に対応するため、インターネットを活用した介護福祉機器等を販売する事業を進めている。これまで、介護現場での高齢者見守りの負担を軽減するため、インターネットを介して高齢者と家族・介護従事者との双方向通信を可能とする見守りテレビ電話「パルモ」などを開発、販売してきた。

 老人ホームや在宅介護の現場から「認知症や要介護度の高い高齢者の徘徊ケアが重要であり、外出中でも高齢者がベッドを離れた際に通知が届く機能が欲しい」という要望があったこと、さらに国の政策として、介護現場でのICT化等の推進を図る法改正が行われたことなどにより、今回の取組を実施することとした。具体的には、高齢者の離床を各種センサーが感知し、パルモ端末を経由してスマートフォンやタブレットに情報が転送される。情報を得た家族や介護従事者がパルモの音声・画像通信機能を使用して状況の確認や声掛けを行うことで、緊急時の適切で速やかな対応を可能にする本システムは、介護保険適用商品として、公益財団法人テクノエイド協会に認められた。

計画承認日及び計画期間▶承認日平成28年2月25日、平成27年4月~平成32年3月(5年計画)

経営革新計画の概要

経営革新承認企業の事例紹介

既存の事業内容(計画実施前)

経営革新計画の概要

 商品の認知度を上げることが課題であったため、経営革新補助金を活用し、ホームページやカタログの作成、展示会への出展などの販路開拓に取り組んだ。その成果もあり、新規顧客の獲得につながっている。さらにワイヤレスのナースコールシステムを開発し、コール発生時の映像確認や声掛け機能による迅速で効率的な対処が可能になるほか、介護記録を簡単に作成できるなど、介護現場の負担軽減につながる取組を継続している。

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

 経営革新計画は、補助金等の様々な支援を受けられるだけでなく、今後の自社の計画・ビジョンを明確にすることができ、さらに事業の進捗管理にも活用できます。何よりも県に認められたということで自信になりました。また、新事業を通じて、社会貢献できるという喜びも感じています。

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージ

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製造業

石渡食品有限会社保存期間の長いノンアレルゲンパンの開発と販売 2

▶所在地 〒411-0857 三島市芝本町11-31 ▶代表者 石渡浩二 ▶設立 昭和26年4月▶資本金 24,000千円 ▶従業員数 81人 ▶主要製品 食パン、菓子パン、和洋菓子、米飯▶TEL (055)979-3300 ▶FAX (055)979-3302 

 昭和19年創業。直営店(3店舗)での各種パン、焼き菓子、米飯等の製造販売の他、学校給食、地元スーパー、全国の食品販売会社向けに業務用パン、菓子等を提供している。 石渡社長のもと、新商品開発による顧客開拓に常に取り組んでおり、全国ご当地パン祭り優勝の「みしまコロッケぱん」や「みしまフルーティキャロット」をはじめ、糖質が低い「シェイプUPロールパン」、100%米粉パン「ごパンさん」、「長期保存可能な菓子・パン」等の商品群は、地域はもとより全国的にも好評を得ている。

 一般的に、パンには小麦、卵、牛乳等食物アレルギー症状を引き起こす原材料が含まれており、食物アレルギー疾患を有する人がこれらを体内に取り込むと異物として認識する。このため過敏な反応を示し、じんましん・血圧低下・呼吸困難等の症状を引き起こし、ときに命に危険が及ぶこともある。   本経営革新計画では、米粉、大麦を主な原材料とし、食物アレルギー症状を引き起こす原材料(特定原材料7品目及び特定原材料に準ずる20品目・・食品表示法)を一切使用しないノンアレルゲンパンの開発と販売に取り組む。 本商品は、大麦使用による「サックリ」とした食感を特徴とするほか、当社が得意とする長期保存技術と融合することで、防災用備蓄食料(5年間の長期保存が可能)としても有効となる。

 現在商品化を進めているのは、長期保存ノンアレルゲンクッキーとパン。 クッキーは平成30年10月に完成、商品化した。米粉と大麦を独自の黄金比で配合し、「サックリ」とした食感に仕上がっている。 パンのおいしさの決め手は、生地の進展性(伸び)と弾力性(歯応え)。進展性は米粉タンパク、弾力性は小麦粉タンパク(グルテン)によって具現化される。現在は、主原料である小麦粉を使用せずいかに弾力性を追求するかという課題に取り組んでいる。

 激変する世の中で自社の“強み”や“商品”がどうしたら愛され購買意欲につながるかを、ありとあらゆる情報を使って探り出し、社内一丸となって真剣に考えることが大事だと思います。そして、考え抜いたアイデアを金融機関、商工会議所等支援機関の支援を活用し、具現化していくことが策定のポイントだと思います。

計画承認日及び計画期間▶承認日平成30年3月5日 平成29年8月~32年7月(3年計画)

主力製品(みしまコロッケぱん)

ノンアレルゲン長期保存クッキー

展示会

経営革新承認企業の事例紹介

既存の事業内容(計画実施前)

経営革新計画の概要

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージ

H30. 経営革新計画事例集 6

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製造業

オリジナル商品「しろつな」「とろつな」

「魚の残さ」からできた肥料

静岡のおいしいを支えるツナサイクル

H30. 経営革新計画事例集7

伊豆川飼料株式会社静岡産魚粉を絡めた農水産事業者の事業支援サービスの開発 3

▶所在地 〒424-0035 静岡市清水区横砂南町4-35 ▶代表者 伊豆川 徹三 ▶設立 昭和35年12月▶資本金 12,000千円 ▶従業員数 14人 ▶主要製品 飼料、肥料、ツナ缶▶TEL (054)366-1236 ▶FAX (054)365-3250 

 当社は、ツナ缶詰や水産加工場で廃棄される「魚残さ」を副次利用した養鶏用飼料向け原料(魚粉)や、農業用配合肥料の一貫製造を行っている。地元静岡の地の利を生かし、豊富なアミノ酸を含有する県産魚粉を原料に特徴ある肥料づくりに努め、JA等を通じて県内農家(茶・みかん・葉物野菜など)への安定供給を行ってきた。当社の純静岡産ツナ缶の残さを利用した魚粕有機肥料により、豊かな土壌を育み、静岡県の農作物の高品質化に寄与すべく取り組んでいる。

 静岡県はツナ缶生産量の全国シェア98%以上であるが、本来ならば破棄されるツナ缶残さをゴミとせずに有効利用することは環境に優しい。当社が製造する「純静岡県産のツナ缶残さを利用した魚粕有機肥料」は、水産業と農業が盛んな静岡県が長年培ってきた「静岡のおいしいを支えるツナサイクル」の上に成り立っているものである。しかし近年、水産加工業の減少に伴いツナ缶残さの発生量が減少している。また、県内の特産物であるお茶やみかんの農家でも高齢化や担い手不足で廃業が相次いでいる。そこで、ツナサイクルの一翼を担う者として、この循環を周知し、共感してもらい、維持していく、「水農業者の支援サービス」を新たに行うこととした。

計画承認日及び計画期間▶承認日平成29年3月3日、平成28年10月~平成33年9月(5年計画)

経営革新計画の概要

経営革新承認企業の事例紹介

既存の事業内容(計画実施前)

経営革新計画の概要

 「ツナサイクル」を伝える一環として、取引先の水産業者と業務提携し、一つ一つ個別包装で特別感のあるかわいい化粧箱に入れた「しろつな」「とろつな」というオリジナルツナ缶を発売した。経営革新補助金を活用して、「ツナサイクル」のブランドロゴやパンフレットを作製したことで、味やパッケージの良さだけでなく、そのメッセージ性にも共感してもらえた。また、当社の魚粕肥料を使う農家やJAなどの取引先からも、消費者にこだわりやストーリーを伝えるきっかけとなったと好評を得ている。

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

 経営革新計画を作成し、県から承認を得たことで自信を持って新事業に取り組むことができました。補助金や専門家の活用等の支援策を受けるきっかけにもなるので、多くの企業にも活用してほしいです。

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージ

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製造業

仮組み

最終試験

施工イメージ図

H30. 経営革新計画事例集 8

エヌビーシー株式会社バリアフリータイプの大型エックスティングドアの開発・販売 4

▶所在地 〒418-0051 静岡県富士宮市淀師1569-1 ▶代表者 西川 大介 ▶設立 昭和45年6月▶資本金 10,000千円 ▶従業員数 33人 ▶主要製品 エクテリア製品・引戸・門扉・電動装置、金属製品▶TEL (0544)22-2809 ▶FAX (0544)23-6664

 当社は昭和45年創業の会社で、アルミ・スチール・ステンレス製の一般引戸・門扉はもとより、電動引戸・電動門扉・電動ポール等の設計・開発から製造及び付帯サービス、販売に至るまで一貫して行っており、これまでに47都道府県に約20,000台を納入してきた。 平成7年に3DCADを導入し、平成22年には構造解析を導入した。様々な要望にオーダーメイドで対応できるよう、オンリーワンを目指して日々挑戦し続けている。

 斜面や路面に凹凸があっても設置できる、開口部にレール等がないバリアフリータイプの門扉で、ブレース(補強用吊り金具)やキャスターを使用せずに延伸する大型門扉を開発した。 本来、片持ち10mの門扉の開け閉めは、風の影響を受けやすく大変危険である。6mのベーシック門扉の中に6mの引戸を組み込んで延伸させることで、最大10mサイズの門扉が実現した。さらに、門扉格納時のスペースが半分になることで、今まで大型の門扉を使用できなかった場所への設置が可能となった。

 お客様からサイズ変更の依頼があり、10mから12.8mまでサイズを大きくすることになった。今までの設計では強度が足りず、構造解析を駆使しながらなんとか形にすることができた。 この製品は市場にないオンリーワン製品なので、今後はコストダウンを図りながら規格化を推進し、最終的には、電動化に挑戦していく。

 事業に対し本気で取り組み、所定の書類を作成することで、自分たちのやりたいことが明確になると思います。会社一丸となって計画を遂行することで、社内の活気がより上がってくると思います。

計画承認日及び計画期間▶承認日平成30年2月16日・平成29年7月~平成32年6月

経営革新承認企業の事例紹介

既存の事業内容(計画実施前)

経営革新計画の概要

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージ

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製造業

香港での展示会の様子

ハンドバック型 クラッチバック型

開発製品「augmenter」

H30. 経営革新計画事例集9

有限会社豊岡クラフト高度な組木技術を用いたデザイン性に優れた木製バックの開発・販売 5

▶所在地 〒433-8108 静岡県浜松市北区根洗町1457-2 ▶代表者 山崎 徹 ▶設立 昭和44年11月▶資本金 8,400千円 ▶従業員数 13人 ▶主要製品 木製机上製品、インテリア木工品、小型家具の企画・製造▶TEL (053)436-2671 ▶FAX (053)436-5513 

 当社は昭和44年設立の木製品製造業者。木材を大切に無駄なく使う設計と、 ムク材を主体とした、 組み木の丹念な手作り感を強みに木のぬくもりや魅力を引き出したステーショナリー、インテリア小型家具を開発し、自社オリジナルブランドとして販売展開を行ってきた。特に0.1mmの精度で組み上げることが可能な組み木の技術力に定評がある。

 当社の組み木技術を活かし、30代~50代のインテリアに関心のある女性をターゲットとした木製バックを開発した。温度湿度の条件により最大0.5%も伸縮を繰り返すという木材の特性も計算に入れて加工するほか、組み木の特徴を活かして一部のパーツを自由に組み替えることを可能とすることで、デザインの自由度を高めた商品となった。現在市場では組み木のフレームを主材とし、ファブリックと組み合わせたバックはなく、オンリーワン製品として、木材の魅力をPRして木工・インテリア業界に貢献していく。

 「augmenter」として製品化を果たし、小規模事業者持続化補助金等の採択や静岡県のトライアル発注製品の選定を受け、事業化に向け取り組んだ。新製品は、平成28年度には「グッドデザインしずおか文化賞」「ウッドデザイン賞上位賞」を受賞。また関東経済産業局「DiscoverKansaiプロジェクト」(フランス・パリ)や「Metroジャパンフェア」(シンガポール)、中小機構の「Rin-crossing」に選出され海外展開にも取り組んだ。海外でのテスト販売を通じて、外国人から多くの好評の声をいただいたことから、今後は海外市場での本格的な展開を計画している。また、生地・服飾メーカーと連携した新たな高付加化価値商品の開発にも取り組んでいきたい。

 経営革新計画の承認をいただいたことで事業化に向けた取組を明確化でき、かつ支援機関の皆様の協力を得ながら課題やその解決の方向性を見出すことができました。会社や製品の信用力向上にもつながることから、積極的に活用していただきたいと思います。

計画承認日及び計画期間▶平成26年12月22日・平成25年11月~平成30年10月(5年計画)

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージ

経営革新承認企業の事例紹介

既存の事業内容(計画実施前)

経営革新計画の概要

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージ

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製造業

黒ぴっかりいわし天

展示会

H30. 経営革新計画事例集 10

株式会社はの字食品駿河湾の未利用資源『ハダカイワシ類』を活用した食品開発 6

▶所在地 〒425-0087焼津市保福島353-1 ▶代表者 服部 一男 ▶設立 昭和56年5月▶資本金 20,000千円 ▶従業員数 35人 ▶主要製品 水産練製品▶TEL (054)628-2545 ▶FAX (054)628-2387

 当社は大正10年の創業以来一貫して魚肉練製品の製造販売を営んできた。店頭、インターネット販売を中心に販売展開するとともに、焼津さかなセンター内にも店舗を設け、県内外のお客様に店頭で揚げたさつま揚げ等を提供して好評を得ている。 しかし、昨今は魚肉練製品全般の需要縮小傾向や原料確保の問題など業界を取り巻く環境は厳しく、当社ではこうした課題を打破するために、創業当時からの製法を守りながらも常に新しい味・食感を追求して、「新商品開発による消費層の拡大」が急務と捉えている。

 「地元の食材(地域資源)を活用しての商品開発」というコンセプトのもとで、開発された新商品は、駿河湾深海の未利用資源である「ハダカイワシ類(センハダカ、イワハダカ・・etc)」を原料とした「黒ぴっかりいわし天(練製品)」と「Babyshocksnack(スナック菓子)」の2種類。 ハダカイワシ類は、桜えび漁の時期に桜えびと混獲されるが、廃棄されるか、利用されても飼料にしかならないのが現状であった。しかし、駿河湾深海に生息しているハダカイワシ類は、桜えびを餌にすることから独特の甘みを持ち、また静岡県水産技術研究所の調査結果では、DHAやEPAといった栄養価が青魚と同等に優れていることも検証されている。 そこで、未利用資源である駿河湾深海のハダカイワシ類を加工・商品化し、食用として流通させることで、「食用価値のある資源」であるという認識を広め、ブランド化の道筋を示していくことが当社の経営革新計画の概要である。

 原材料の調達、油分の調整等試行錯誤を重ねた結果、「黒ぴっかりいわし天」は平成28年9月、「Babyshocksnack」は平成30年10月に商品化した。 経営革新補助金や焼津ネオプロジェクト等公的支援策を有効に取り込み、スーパーマーケットトレードショーやFOOMAJAPAN等食品関連展示会で新商品を披露。そこでつながりのできた顧客先に対して個別営業を展開し、首都圏を中心に新規取引先6社を獲得した。今後は、専門の営業マンを1名雇用して、さらなる販路拡大を目指すとともに、商品ラインアップの増加、量産化に向けた工場整備・効率化に取り組んでいく。

 当社の新事業は開発、販売、撤退の繰り返しでしたが、経営革新計画に挑戦しPDCAサイクルに基づきアイデアを事業として育てるスキルを学べました。また、計画を取得したことによる支援機関の方々の強力なサポートは大きいです。ぜひチャレンジすることをお勧めします。

経営革新承認企業の事例紹介

既存の事業内容(計画実施前)

経営革新計画の概要

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージ

計画承認日及び計画期間▶平成28年6月20日 平成27年5月~平成32年4月(5年計画)

babyshocksnack

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製造業

本わさび専用おろし板「鋼鮫」

開発風景H30. 経営革新計画事例集11

株式会社山本食品本わさびの本来の味を引き出すステンレス製わさび擦りおろし器の開発・販売 7

▶所在地 〒411-0823 三島市御園103-2 ▶代表者 山本 豊 ▶設立 昭和25年4月▶資本金 10,500千円 ▶従業員数 40人 ▶主要製品 わさび漬け、生わさび、わさび関連商品全般▶TEL (055)982-0892 ▶FAX (055)982-0873

 当社は明治38年創業の、わさび漬け等の製造販売を行っている企業である。「わさびを、もっと、おもしろく」をコンセプトに、多様化する消費者の嗜好にあわせ、漬物やつくだ煮などの定番商品以外にも、わさびマヨネーズ、わさび塩、わさびアヒージョなど様々な関連商品を開発してきた。また、畑わさび(本わさび)の栽培に取り組んで栽培方法を確立するとともに、函南でわさびの体験学習型観光施設を運営するなど、わさびの良さを広く伝えている。

 わさび本来の香りや甘みを出すことができる鮫皮のおろし器は、道具の手入れが手間であり、使用にもコツがいる上、今後入手が困難になると予想されている。そこで、当社は本わさび本来の味を引き出す独自のステンレス製わさび擦りおろし器を開発することとした。従前の鮫皮のおろし器は、円を描くように、かつ力の強弱をつけて擦りおろさなければ粗くなり、よい辛みや香りを引き出すことができなかった。新たなおろし器では、表面に「わさび」の文字を最適な大きさで配置し、誰がどのように擦りおろしても本来のわさびの味が引き立つように工夫した。また、地元町工場の職人と連携した開発チーム「3CC」の協力のもとで金属加工を実施し、商品開発を行った。

 おろし面の文字の形、大きさや配置で300回以上の試作を繰り返した結果、細かくすりおろして空気を含むほどに辛味と風味が増していく、理想に近い商品『鋼鮫』が完成した。「わさび」の文字が多数並んでいるユニークさと、その裏に隠された味へのこだわりから「グッドデザインしずおか」金賞を受賞、さらには国の「グッドデザイン賞」にも選出された。補助金の活用により販路開拓にも注力したことから、SNSでもたびたび話題となり、全国メディアにも取り上げられるまでになった。

 経営革新補助金を活用してクオリティーの高いPR動画を製作でき、商品に対する思いがうまく伝わり、多くの方に知ってもらうことができました。経営革新計画は自社の新たな挑戦を周りに伝えるチャンスになるので、ぜひ積極的に取り組んでみてください。

計画承認日及び計画期間▶平成29年7月14日、平成29年1月~平成31年12月(3年計画)

既存の事業内容(計画実施前)

経営革新承認企業の事例紹介

既存の事業内容(計画実施前)

経営革新計画の概要

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージ

「わさび」の文字が並んだおろし面

わさびを擦る様子

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製造業

サイクルスタンド写真(使用時)

サイクルモードインターナショナル2018出展

サイクルスタンド写真(収納時)

セーフティライド@日本平での使用風景

H30. 経営革新計画事例集 12

理研軽金属工業株式会社スポーツサイクル用サイクルスタンドの開発及び販売 8

▶所在地 〒422-8530 静岡市駿河区曲金3-2-1 ▶代表者 入山 豊 ▶設立 昭和12年5月▶資本金 1,715,000千円 ▶従業員数 272人 ▶主要製品 アルミビル建材、アルミ押出成形加工品▶TEL (054)281-1111 ▶FAX (054)282-0654

 当社は、昭和12年5月に財団法人理化学研究所静岡工場として創業。アルマイト加工をコア技術に、一貫してアルミ製品(理研染色丸盆、圧力鍋、天井吸音板等)の製品開発に従事してきた。昭和44年に理研軽金属工業株式会社に商号を変更、現在はスパンドレル、ルーバー、エキスパンションジョイントカバー、笠木等ビル内外装用アルミ建材を建設業界に提供している。しかし、昨今の人口減少問題は深刻であり、建設関連の需要と密接な関係にあることから、当社としてもビル建材関連以外の新商品開発による多角化が将来への課題であると捉えている。

 スポーツサイクルは、健康志向や環境意識の高まりにより購入層が拡大しつつあるが、自転車を停めるためのスタンドがなく、休憩時は壁に立て掛けたり地面に倒しておくことが一般的であり、駐輪ラック(サイクルスタンド)等のインフラ整備が喫緊の課題になっている。 そこで当社は、軽量なアルミ製で折りたたみができ、持ち運びや収納に便利で簡単に組み立てられるスポーツサイクル用サイクルスタンドの開発を計画した。 当社のアルミ加工技術を駆使して平成29年12月に商品化したアルミサイクルスタンドは、①重量5㎏、長さ1150mmと軽量かつコンパクト、②一人でも簡単に組み立てでき、③伸縮機能により1~5台まで駐輪可能という特徴を有している。

 インターネット販売環境の整備やスポーツサイクル関連展示会への参加のほか、日本を代表する複数の自転車ロードレースチームに機材提供するなど、新商品の周知活動を積極的に展開し、これまでに官公庁から個人まで幅広い分野から受注を獲得している。 なお、今回の経営革新計画は新商品開発のはじめの一歩であり、当社のノウハウであるアルミ加工技術を基にさらなる自社商品の開発に取り組んでいく。

 ビル建材関連以外のビジネスを早く作るためには自助努力だけではうまくいかないので、いろいろな方の支援が必要となります。静岡県産業振興財団は相談ができる体制を整えてくれておりますので、経営革新計画を策定されることをお勧めします。

計画承認日及び計画期間▶平成29年8月25日 平成29年4月~平成34年3月(5年計画)

既存の事業内容(計画実施前)

経営革新計画の概要

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージ

経営革新承認企業の事例紹介

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展示会の様子

開発製品

動作イメージ

H30. 経営革新計画事例集13

製造業

リンクウィズ株式会社非接触レーザーセンサーにより部品形状を認識し自動的にズレを修正する次世代自動溶接ロボットの開発と販売 9

 当社は、「皆が使える統合型ロボットシステムでものづくりに改革を」を経営理念とし、高度なロボットシステム統合ソフトウェアを開発・提供する企業である。生産設備として高い技術を要する産業用ロボットをターゲットに、ビジョンセンサーを用いた自立補正制御システム、生産工程で品質を担保する検査システム、そして生産・検査データ解析をソリューションとしたパッケージソフトウェアを、主に自動車部品の製造業者に販売している。

 創業間もないベンチャー企業が新規事業を展開するには、多くの方のご支援が必要となります。経営革新計画の承認をいただいたことで、当社の新規事業が多くの方々に認知され、様々な支援を得ることができました。これから新規事業の展開を検討している方がおりましたら、ぜひ本制度を活用してアイデアを形にしていってほしいと思います。

既存の事業内容(計画実施前)

経営革新承認企業の事例紹介

既存の事業内容(計画実施前)

 これまでは、コンピュ-タ上に3次元モデル(仮想環境)を構築し、ロボット動作を自動演算するシミュレーションソフトをツールとして、ロボットへの動作教育を行ってきた。しかし、仮想環境と実環境にはズレが生じてしまい、現実では人が介入してズレの修正を行っている。 そこで本事業では、三次元データを取得させる非接触レーザーセンサーをロボットに搭載し、三次元データから溶接する部品の形状認識をすることによって人が介入せずに仮想環境と実環境を融合させる自動溶接ロボットシステムを開発した。モノづくりの省人力化、自動化を促進させ、高付加価値な生産を提供することを目指していく。

経営革新計画の概要

 支援機関の協力を仰ぎながら「L-ROBOT」として製品化を果たすことができた。その後は展示会への出展や事業者への営業を行い、販路拡大を図った。その中で多くの溶接現場の担当者と意見交換を行ってきたが、真のニーズは溶接部門の検査工程にあることが判明した。従前は目視で行っていた検査を、本計画で開発した三次元データ解析システムを活用した検査システムにより合理化することで、溶接から検査までの工程のさらなる省力化を図ることができる。そこで検査システムの開発にも取り組み、溶接ビート検査システム「L-QUALIFY」の開発に成功。今後は溶接システムと検査システムの双方でソリューション営業を展開して、FA(生産工程の自動化)に貢献していきたい。

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージ

▶所在地 〒430-0907 静岡県浜松市中区高林1-8-43 ▶代表者 吹野 豪 ▶設立 平成27年3月▶資本金 121,639千円 ▶従業員数 18人 ▶主要製品 ソフトウェア開発・販売▶TEL (053)401-3450 ▶FAX (053)401-3451 

計画承認日及び計画期間▶平成29年3月23日 平成28年8月~平成33年7月(5年計画)

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ふじのくに新商品セレクション金賞受賞商品(わさび漬の老舗店とのコラボ商品)

木一杯実をつける日本平のオリーブ農場

静岡県産100%エクストラバージンオリーブオイル

H30. 経営革新計画事例集 14

農業

株式会社CREAFARMオリーブ栽培から同加工食品の開発・販売を通じた新たな県産品6次産業化システムの開発・提供 10

▶所在地 〒420-0853 静岡市葵区追手町1-13 アゴラ静岡ビル6階 ▶代表者 西村 やす子 ▶設立 平成27年7月▶資本金 90,000千円 ▶従業員数 10人 ▶主要製品 オリーブ等の農産物の生産、加工、販売▶TEL (054)266-6853 ▶FAX (054)266-6854

 当社は、平成27年にオリーブ栽培、オリーブオイル販売及び農業経営・6次産業化の支援を目的に設立した会社である。オリーブオイルソムリエの資格を有するスタッフがおり、静岡県のオリーブ産地化に向け、県内各地にオリーブのほ場を整備している。オリーブの産地化を目指すうえで、オリーブ関連商品の販路の確保が重要であることから、オリーブ専門店(CREA TABLE)を開店した。

 新しい事業を展開する際には、売り先(出口)までしっかりと計画することが重要です。そのための手段として、経営革新計画の策定は有効だと考えます。また、個々の企業の取組で留まるのではなく、多くの事業者と連携することでさらに大きな効果が期待できます。

計画承認日及び計画期間▶平成29年3月23日、平成28年7月~平成33年6月(5年計画)

経営革新承認企業の事例紹介

既存の事業内容(計画実施前)

 オリーブオイル市場は、健康志向から急拡大している。しかし、国内のオリーブ栽培は、海外と比べて技術が低く、搾油率も低い。そのため、海外産オリーブに依存せざるを得ないが、海外産は酸化や劣化が進行してしまうという現状がある。そこで、今回、①海外の最先端技術を取り入れたオリーブ栽培及び搾油の実施、②静岡県産農林水産物とオリーブオイルを組み合わせた加工食品の開発・販売、③オリーブの地域特産化・オリーブ農園の観光資源化に取り組むこととした。本事業により、県内の遊休地や耕作放棄地をオリーブ農園として活用し、オリーブ関連の商品化や観光資源化、さらには地域の活性化につなげていく。

経営革新計画の概要

 海外の最先端技術の指導を受けたことで、高品質の静岡県産オリーブオイルの商品化に成功し、オリーブオイルコンテストで銀賞を受賞するなど、世界的にも高い評価を得るまでに至った。また、静岡県内の農水産物とオリーブオイルとのコラボレーション商品は8商品に増え、2年連続で「ふじのくに新商品セレクション」の金賞を受賞し、当社だけでなく、連携先企業の知名度向上にもつながっている。現在は、課題である販路開拓に向けて、経営革新補助金を活用し、様々なPR施策に取り組んでいる。

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージ

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農業

H30. 経営革新計画事例集15

経営革新承認企業の事例紹介

伊豆下田高橋養蜂下田産の蜂蜜を使った石鹸の開発・販売 11

▶所在地 〒413-0705 下田市箕作787-1 ▶代表者 高橋 鉄兵 ▶設立 平成23年3月▶資本金   ▶従業員数 4人 ▶主要製品 蜂蜜の製造、販売▶TEL (0558)28-0225 ▶FAX (0558)28-0225

 私は、『地球上の生態系を維持する上で、ミツバチが非常に重要な存在である』ことを知り、他県から自然豊かな下田に移住し、平成23年に養蜂家としてスタートした。下田の稲梓地区の荒れた里山を開墾するところから始め、ブルーベリーやひまわりなど蜜源となる植物や花を植えたり、地元のみかん農家の協力を得るなど、試行錯誤の結果、ようやく安定しておいしい蜂蜜が採れるようになってきた。苦労してできた蜂蜜は、本物の良さを理解してくれる地元の土産店やホテルなどで販売している。

 ゼロからの挑戦でしたが、熱意と夢を持って一生懸命取り組んだ結果、その想いに多くの方に賛同いただき、自分だけではできなかったことが実現でき、大変感謝しています。強い想いがあれば、周りの方々が支援してくれますので、まずはその一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

計画承認日及び計画期間▶平成29年12月21日 平成29年1月~平成32年12月(4年計画)

既存の事業内容(計画実施前)

 当園では、ミツバチが無理なく暮らせる環境作りを第一に考えており、採蜜作業は年に3回のみとしているため、蜂蜜の採取量に限りがある。その上、手作業で製造しているため、量産は困難である。また、蜂蜜の採取量は自然環境等に影響されるため、安定した販売量を確保できないこともある。そこで、生産量の安定が見込める商品として、下田産の蜂蜜を使った石鹸「IZUHONEYSOAP」を開発・販売し、経営改善に取り組むこととした。 当園の無添加・無精製の天然純粋蜂蜜と、北海道の大自然で育てられたヤギのミルクをぜいたくに配合し、クリーミーな泡立ちとローズマリーなどの天然ハーブの上質な香りの特徴ある商品に仕上がり、女性を中心に大変好評を得ている。

経営革新計画の概要

 経営革新補助金を活用し、見映えの良いホームページが完成したことで新たな顧客獲得につながっている。今後は、多言語化に対応し、中国等の海外の顧客にも販売を広げていく意向である。今回の取組に対して、地元の下田商工会議所や下田市、県賀茂農林事務所等の支援機関のほか、農家の方々、当店の蜂蜜を扱っている土産店やホテルなど、多くの方から御支援をいただいている。将来的には、地域に恩返しするため、ミツバチを中心とした循環型農業の実現に向け、下田地域の方々と連携していきたい。

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージこだわりの蜂蜜

蜂蜜で作った石鹸「IZUHONEYSOAP」

伊豆の大自然の中での養蜂の様子

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農業

H30. 経営革新計画事例集 16

株式会社Happy Quality低カリウムのメロンおよびトマト開発、販売 12

▶所在地 〒437-0056 袋井市小山1317-1 ▶代表者 宮地 誠 ▶設立 平成27年2月▶資本金 30,000千円 ▶従業員数 5人 ▶主要製品 トマト、メロン▶TEL (050)3744-1499 ▶FAX (053)533-3972

 当社は、生鮮野菜の卸売事業者として平成27年に設立した企業である。設立後間もないものの、代表が前職(地元卸売市場の卸売業者)で培った知見・ノウハウ・ネットワークを駆使し、県西部地域の生鮮野菜を名古屋圏、大阪圏の小売業者(スーパー等)の仲卸業者へ供給している。仲卸業者は、「高品質・希少性・安定した流通量」のいずれにも高い水準を求めており、連携する農業生産法人のサンファーム中山株式会社とともに高品質の商品づくりを行っている。

 経営革新計画の策定により、自社の目指すべき方向性が明確になるとともに、支援先にも取組をアピールでき、社外の協力体制の構築につながりました。多くの企業にも経営革新計画をきっかけとして、新たな取組にチャレンジしてほしいと思います。

計画承認日及び計画期間▶平成28年8月26日・平成27年9月~平成32年8月(5年計画)

経営革新承認企業の事例紹介

既存の事業内容(計画実施前)

 袋井を代表する生鮮品であるメロンに着目し、一般消費者だけでなく、現代病と呼ばれる“慢性腎不全(腎臓病)”の患者にも食してもらえる、低カリウムメロン「ドクターメロン」の開発に取り組んだ。 土ではなくロックウールとよばれる人工繊維を培地として使い、日射センサーによる堆肥コントロールを行う栽培法を研究。それにより、高い糖度を保ちながら、カリウムの含有量を通常のマスクメロンの半分以下に抑えたメロンの安定的な生産を可能とした。腎臓の機能が低下するとカリウムが排出できなくなるため、腎臓病患者の食事療法にはカリウムの制限があるが、低カリウムメロンを作ることで腎臓病の患者でもおいしく味わえる“食のバリアフリー化”を目指した。

経営革新計画の概要

 新たな栽培法が確立したことで、「ドクターメロン」(商標登録済)が安定供給できるようになった。また、経営革新補助金を活用し、ロゴマークやパンフレット、WEBサイトの作成によるブランドイメージの向上を図った。商品は腎臓疾患がある方に好意的な評価をもって受け入れられ、他社との差別化ができた。さらに今回の新たな栽培法を生かして、高濃度リコピン含有のトマトの開発など応用展開が進んでいる。

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージ

低カリウムが特徴

栽培の様子

ドクターメロン

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「安否コール」画面

H30. 経営革新計画事例集17

セミナーの様子

イベントの展示ブース

株式会社アドテクニカ大規模な組織でも操作・管理容易性を実現できる災害安否確認システムの開発、提供 13

▶所在地 〒422-8041 静岡市駿河区中田2丁目4-40 ▶代表者 下村 聡 ▶設立 昭和57年4月▶資本金 10,000千円 ▶従業員数 35人 ▶主要製品 クラウドサービス、WEBソリューションサービス▶TEL (054)280-1670 ▶FAX (054)289-3670 

 当社は昭和57年に広告デザイン事務所として設立。その後、デザイン開発、マーケティング機能を備え、新商品のコンセプト開発、企業のCI導入コンサルティングやブランディング支援などを中心に業務を拡大。さらに、インターネット事業にいち早く着目し、ホームページ制作やシステム設計開発等のサービス事業領域を拡大してきた。また、平成21年に災害安否確認システムのクラウドサービス「安否コール」をリリースし、多くの企業に採用されるようになった。

 BCP策定などの必要性が高まる中、「安否コール」は上場・有名企業等で導入された。しかし、一法人向けの導入が主流となっており、従業員数が100名に満たない小規模企業への導入はなかなか進まなかった。そこで、社会福祉協議会、建設業協会といった業界団体向けの災害安否確認システムの開発を目指した。この特徴として、業界全体と個社別に利用できる箇所をそれぞれ設定し、さらにグループ別に掲示板やメール配信が設定できるようにした。また、画面上はシンプルでわかりやすいものとし、ID・パスワードが不要なためスムーズな登録や返信を可能とする。GPSマッピング機能など必要に応じて利用できる仕組みとし、利便性の向上を図った。

 業界団体で一括導入できるシステムが完成した後、経営革新補助金を活用して販促ツールの作成や、全国での展示会出展やセミナーを実施した。企業に広くアピールでき、800社を超える導入実績となった。近年は大規模災害が相次いだこともあり、業界団体でも関心度が上がって導入事例も増えている。災害時以外でも掲示板やアンケートなどのコミニュケーションツールとして日常での利用や、災害時の回答率を高めるためスマートスピーカーで注意喚起ができる仕組みなど、付加価値を高める改良を行っている。

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージ 経営革新計画の作成により、事業の方針が明確になり、各種補助金や知財戦略など、支援策を受けるきっかけとなりました。ぜひ多くの方にも、経営革新に積極的にチャレンジしてほしいです。

計画承認日及び計画期間▶平成28年12月22日、平成28年7月~平成33年6月(5年計画)

経営革新承認企業の事例紹介

既存の事業内容(計画実施前)

経営革新計画の概要

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

サービス業

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サービス業

H30. 経営革新計画事例集 18

原寸大の大きさ

わさびモナカ(断面)

有限会社下山養魚場伊豆天城の生ワサビを使った最中の開発及び販売 14

▶所在地 〒410-3217 静岡県伊豆市大平柿木871-2 ▶代表者 下山 明 ▶設立 昭和44年10月▶資本金 3,000千円 ▶従業員数 6人 ▶主要製品 川魚の養殖・加工・販売、山葵栽培▶TEL (0558)87-1147 ▶FAX (0558)87-1149 

 当社は、昭和44年に川魚養殖業として創業し、狩野川支流の湧き水で「あまご」を養殖しながらワサビ栽培を行っている。また、観光名所の浄蓮の滝で自社養殖のあまごと虹鱒を放流した管理釣場を営業しているほか、飲食店「あまご茶屋」を運営している。独自技術によりあまごを大型化する養殖に成功し、「天城紅姫あまご」として静岡県の「しずおか食セレクション」に認定されたほか、ワサビとともに静岡県の地域産業資源として認定されている。

 伊豆市は全国でも有名なワサビの生産地であり、伊豆地域の冷涼な沢と豊かな湧き水で育つワサビは市場価値が高い。しかし、生ワサビを使用した菓子がないことから、ワサビ生産者という強みを活かして、自社生産した実生ワサビを使用した最中菓子を開発・販売することとした。マスカルポーネチーズとワサビを合わせることでお菓子の風味を演出して、甘味を抑えた糖度52度の十勝産餡(通常の餡は糖度約68度程)で包むことで伊豆産ワサビの持つほどよい辛みを表現した。 新商品は当社直営飲食店の「あまご茶屋」において、伊豆を訪れる観光客にご当地最中として提供し、静岡ワサビの品質の高さやおいしさをPRしていった。

 商品化にこぎ着け、平成30年8月から販売を開始した。また、開発商品のコンセプトを評価いただき、静岡県の「ふじのくに新商品セレクション2018」で金賞を受賞した。 開発した商品はPR効果を高めるために、実際のわさびと同じ大きさ(総重量130g、一般の最中の4倍相当)となっているが、伊豆を訪れる観光客の方々が求めやすいように小型化の改良も行っている。引き続き全国版の観光誌を活用するなど、商品PRを行っていき、伊豆市のご当地商品として多くの方々に認知してもらえるよう努めていく。

今後新たに経営革新計画の策定を検討している方へのメッセージ 経営革新計画を策定したことで会社の方針を明確化でき、より意欲的に事業展開ができた。また、開発した商品の知名度や信頼性が高まり、販路開拓や補助金活用の際に相乗効果を得ることができた。新たな取組を検討している事業者は、ぜひ活用していってほしい。

既存の事業内容(計画実施前)

経営革新計画の概要

承認後の成果・効果、今後の取組、活用した支援策

わさびモナカ

経営革新承認企業の事例紹介

計画承認日及び計画期間▶ 平成30年3月23日 平成29年3月~平成33年2月(4年計画)

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H30. 経営革新計画事例集19

参考資料 経営革新計画の承認状況

◆静岡県の承認状況 1

◆静岡県の承認状況 2

平成29年度までの承認5,784件の内訳

年 度 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

累 積 43 129 230 349 540 714 908 1,141 1,403 1,703 2,172 2,678 3,091 3,496 3,848 4,223 4,670 5,209 5,784

単年度 43 86 101 119 191 174 194 233 262 300 469 506 413 405 352 375 447 539 575

050010001500200025003000350040004500500055006000

0

100

200

300

400

500

600

11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

経営革新計画承認件数の推移

累 積単年度

製造業2,940(50.8%)

サービス業960

(16.6%)

建設業503(8.7%)

運輸業76(1.3%)

農林漁業80(1.4%)

その他64(1.1%)

卸売・小売・飲食店・宿泊業1,161(20.1%)

5名以下275(47.8%)

51名以上49

(8.5%)

6~20名170

(29.6%)

21~50名81

(14.1%)

申請者業種別 従業員数別(平成29年度)

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H30. 経営革新計画事例集 20

市町別承認数 (平成31年2月末日現在)

経営革新計画のメリットは?

◆静岡県の承認状況 3

地域 市町村 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 総計

西部

浜松市 11 28 27 33 57 32 33 52 67 72 119 120 97 93 78 83 122 117 96 57 1,394磐田市 2 7 4 3 12 7 4 11 19 17 35 25 19 22 13 21 14 13 27 15 290掛川市 1 2 3 2 6 3 2 4 9 4 8 11 10 6 8 8 9 6 9 5 116菊川市 1 0 1 1 3 0 3 2 0 2 2 1 4 4 2 0 8 2 7 6 49湖西市 0 2 0 2 1 2 3 5 6 6 12 9 9 3 6 4 7 8 6 5 96袋井市 0 3 2 0 4 3 3 6 7 6 13 7 5 9 5 9 12 13 13 9 129御前崎市 0 0 1 0 1 2 2 2 2 1 1 3 3 2 0 3 2 3 4 2 34森町 0 0 0 2 2 0 0 4 2 3 7 5 4 5 1 2 4 5 6 3 55

西 部 計 15 42 38 43 86 49 50 86 112 111 197 181 151 144 113 130 178 167 168 102 2,163

中部

静岡市 13 11 21 24 29 31 49 34 43 39 77 101 86 89 80 71 80 115 101 51 1,145焼津市 2 2 6 9 11 7 10 7 11 18 24 27 21 20 15 16 16 26 28 10 286藤枝市 1 3 4 6 2 4 5 6 4 13 22 21 15 12 9 10 10 9 11 11 178島田市 1 0 2 3 1 2 5 5 3 5 11 11 6 5 11 8 8 8 28 5 128牧之原市 0 1 0 0 3 6 4 4 5 11 5 6 5 3 3 5 3 4 9 3 80吉田町 3 0 1 0 0 1 1 6 5 8 6 1 3 8 4 2 3 9 8 5 74川根本町 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 3 0 0 2 0 1 2 0 0 2 12

中 部 計 20 17 34 42 47 52 74 62 71 94 148 167 136 139 122 113 122 171 185 87 1,903

東部

沼津市 1 6 6 6 18 14 21 26 22 19 23 21 22 25 26 19 25 47 42 19 408富士市 2 7 11 8 13 17 12 9 19 19 27 44 21 32 28 26 29 41 39 19 423三島市 2 5 2 8 4 8 4 7 10 8 19 11 12 9 9 11 16 18 23 13 199裾野市 0 1 3 0 1 4 3 2 2 8 4 3 2 1 3 3 4 4 2 4 54富士宮市 2 2 1 2 7 5 3 2 5 6 10 33 17 19 22 42 34 39 48 26 325御殿場市 0 0 0 0 1 2 1 2 1 4 1 4 12 2 4 5 4 9 7 2 61熱海市 1 0 1 0 0 1 0 0 1 1 2 4 2 2 2 3 1 1 2 2 26伊豆の国市 0 1 1 0 5 3 5 7 3 1 3 5 5 5 5 1 8 4 4 3 69伊豆市 0 0 0 2 3 0 2 3 1 9 9 7 7 2 1 4 5 5 8 2 70伊東市 0 0 1 1 1 2 2 0 1 2 2 1 4 7 2 4 3 4 4 1 42下田市 0 2 0 1 1 0 1 2 2 2 2 2 0 1 1 1 1 1 2 1 23小山町 0 0 0 0 1 2 0 3 0 1 1 3 1 1 0 1 2 2 1 4 23清水町 0 0 0 0 1 2 4 5 2 3 4 4 5 4 3 2 2 7 6 5 59長泉町 0 1 1 3 2 1 4 7 2 4 7 3 6 5 2 2 5 3 16 7 81函南町 0 1 1 1 0 3 2 4 5 1 5 5 5 4 3 3 4 6 6 9 68東伊豆町 0 1 1 1 0 3 5 1 1 4 1 3 1 1 0 1 0 1 1 0 26河津町 0 0 0 0 0 5 0 3 0 3 1 3 0 1 1 2 2 4 4 3 32西伊豆町 0 0 0 0 0 0 1 2 0 0 1 1 2 0 3 2 0 2 2 2 18松崎町 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 2 0 0 0 1 0 1 1 3 3 13南伊豆町 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 1 2 1 1 0 1 2 2 1 13

東 部 計 8 27 29 34 58 73 70 85 79 95 124 158 126 122 117 132 147 201 222 126 2,033合  計 43 86 101 119 191 174 194 233 262 300 469 506 413 405 352 375 447 539 575 315 6,099

知名度・信用度顧客満足度の向上  28.1%

資金調達18.9%経営全般

25.4%

技術力・開発力の向上27.6%

内  容 割 合1 金融機関への信用力が向上した 41.3%2 民間金融機関から融資が受けやすくなった 14.5%3 借入枠や保証枠が広がった 9.8%4 政府系金融機関による低利・長期融資 6.0%5 政府系金融機関から融資が受けやすくなった 4.7%6 その他 16.2%

■資金調達

内  容 割 合1 知名度・信用度が向上 46.8%2 宣伝・営業が行いやすくなった 39.1%3 新規取引先が増えた 19.6%4 問い合わせが多くなった 17.4%5 大手企業との取引が可能となった 7.2%6 その他 7.2%

■知名度・信用度・顧客満足度の向上

内  容 割 合1 社内の意識が向上した 39.1%2 計画の実効性が増した 30.2%3 中長期計画の立案が可能となった 29.4%4 役割分担や責任等が明確になった 16.6%5 その他 9.4%

■経営全般

内  容 割 合1 自社の新製品を開発することができた 43.0%2 計画を立てる方法がわかった 33.6%3 客観的評価が可能になった 27.7%4 対外的信用が増し、新たな取引先が確保できた 23.4%5 その他 7.2%

■技術力・開発力の向上

※承認企業 235社による複数回答(H29実施フォローアップ調査より)

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H30. 経営革新計画事例集21

お問合わせ先一覧(経営革新支援窓口)

■ 静岡県産業振興財団 経営革新支援チーム TEL.054-273-4432

● 静岡県経営革新ホームページ経営革新の詳しい内容を掲載しています。http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-550/kakushinkeikaku.html

■ 商工会議所

■ 静岡県中小企業団体中央会

~まずはお近くの窓口にご相談ください~

下田商工会議所

伊東商工会議所

熱海商工会議所

三島商工会議所

沼津商工会議所

TEL.0558-22-1181

TEL.0557-37-2500

TEL.0557-81-9251

TEL.055-975-4441

TEL.055-921-1000

富士宮商工会議所

富士商工会議所

静岡商工会議所

焼津商工会議所

藤枝商工会議所

TEL.0544-26-3101

TEL.0545-52-0995

TEL.054-253-5113

TEL.054-628-6251

TEL.054-641-2000

島田商工会議所

掛川商工会議所

袋井商工会議所

磐田商工会議所

浜松商工会議所

TEL.0547-37-7155

TEL.0537-22-5151

TEL.0538-42-6151

TEL.0538-32-2261

TEL.053-452-1115

■ 商工会

TEL.0558-34-0821

TEL.0557-95-2167

TEL.0558-62-0675

TEL.0558-42-0470

TEL.0558-52-0270

TEL.0558-72-8511

TEL.055-949-3090

TEL.055-978-3995

TEL.0550-76-1100

河 津 町

東伊豆町

南伊豆町

松 崎 町

西伊豆町

伊 豆 市

伊豆の国市

函 南 町

小 山 町

御殿場市

裾 野 市

長 泉 町

清 水 町

沼 津 市

芝   川

富 士 市

静岡市清水

岡 部 町

大 井 川

吉 田 町

牧之原市

島 田 市

川根本町

菊 川 市

御前崎市

掛川みなみ

森   町

浅 羽 町

磐 田 市

天   竜

浜   北

奥浜名湖

浜   名

新 居 町

湖 西 市

TEL.0550-83-8822

TEL.055-992-0057

TEL.055-986-0685

TEL.055-975-6987

TEL.055-966-1331

TEL.0544-65-0273

TEL.0545-71-2358

TEL.054-369-0431

TEL.054-667-0244

TEL.054-622-0393

TEL.0548-32-3366

TEL.0548-52-0640

TEL.0547-45-4611

TEL.0547-56-0231

TEL.0537-36-2241

TEL.0537-86-2146

TEL.0537-72-2701

TEL.0538-85-3126

TEL.0538-23-2440

TEL.0538-36-9600

TEL.053-925-5151

TEL.053-586-2171

TEL.053-527-2600

TEL.053-592-3111

TEL.053-594-0634

TEL.053-576-0637

静岡県商工会連合会 TEL.054-255-9811(お近くの各商工会でご相談ください。)

静岡事務所 TEL.054-254-1511 東部事務所 TEL.055-926-8220 西部事務所 TEL.053-453-2195

静岡県では、産業支援機関とともに、中小企業の新商品・サービスづくり「経営革新計画」を支援しています。静岡県では、産業支援機関とともに、中小企業の新商品・サービスづくり「経営革新計画」を支援しています。

経営革新ステーション

経営革新ステーション

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新商品・サービスで経営革新にチャレンジ!

「自社の課題や方向性を明確にしたい!」「社員と経営目標を共有して仕事へのモチベーションを向上させたい!」「これまで培った独自の技術やノウハウで新しい分野に挑戦したい!」

1.経営革新計画の概要1 新規事業の内容

2 計画期間

経営革新計画の策定のイメージ

 経営革新計画の策定は、これから新事業を立ち上げようとする事業者の情熱や思いを具現化する有用な取組です。中小企業等経営強化法に基づき、3年~5年間の経営革新計画を作成することで、社内における経営目標や課題の共有・明確化を図ることができます。また、計画の承認を受けることで、県制度融資や補助金など、利活用できる公的支援策の幅がさらに広がります。

 以下のいずれかの新たな事業活動を行うことによって、経営の向上を図るもの。(ただし、個々の中小企業者にとって「新たな事業活動」であっても、その内容が既に他社において相当程度普及している製品・サービス・技術・方式等の生産や導入となる場合には、承認の対象となりません)①新商品の開発または生産②新役務の開発または提供③商品の新たな生産または販売の方式の導入④役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動上記①~④の海外展開に係る事業(海外子会社等と連携した新たな事業活動)も対象となっています。

3~5年間の事業計画であること

3 経営の向上の内容(目標とする経営指標)①付加価値額(企業全体または一人当たり)が年率3%以上向上すること      付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費②経常利益が年率1%以上向上すること      経常利益=営業利益ー営業外費用(営業外収益は含まない)

新たな事業・取組のアイデア想起 経営革新計画を作成 経営革新計画の承認

支援策を活用しながら

事業実施

業績の拡大・向上

【経営革新の支援窓口】 作成を支援

【県】 審査会承 認

オリジナルの新商品・サービスを開発したい…

他にない商品の生産方式の導入を検討中etc

経営革新計 画

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経営革新計画事例集平成31年3月

経営革新計画事例集平成31年3月

静岡県経済産業部経営支援課編集:(公財)静岡県産業振興財団〒420‒0853 静岡市葵区追手町44‒1 静岡県産業経済会館4F

TEL.054‒273‒4432 FAX.054‒273‒4480URL http://www.ric-shizuoka.or.jp