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名古屋大学留学生センター紀要第10号 150 平成23(2011)年は,平成8(1996)年にNUPACEを 開始して15年目であると同時に,2011年9月下旬の80 名の受入れによって,本プログラムへの受入れ累計が 1,000名を超えた記念すべき年となった。しかし,3月 11日の東日本大震災と津波,そしてその後に続いた福 島原子力発電所事故とその放射能汚染により,4月の 受入れは大きな影響を受け,4月受入予定者の半数近 くが参加をキャンセルし,平成22年秋学期からの継続 予定学生も1/3が帰国するなど,大きな混乱を余儀な くされた。派遣元の大学や政府からも,強く帰国を勧 告され,やむなく帰国する学生が多かったが,それで も派遣元大学や家族を説得して帰国しなかったり,あ るいは帰国後も派遣元大学を説得して4月または5月 に本学に戻ってきた学生が少なくなかったことは,関 係者として大きな喜びであった。 震災(3/11)の翌日には,日本に残っていた50名の 学生の安否確認を行い,全員無事の連絡を協定大学の 学生交流担当窓口に伝えたこと,放射能汚染の状況を はじめ英語による情報提供を学生・協定大学に逐次伝 えたこと,学内の国際交流委員会や危機対策室に,大 学としての英文併記の情報発信を強く要請したことな どにより,在籍している NUPACE 学生および協定大 学から本学への十分な信頼を得られたのではないかと 思われる。 その効果もあってか,平成23(2011)年9月下旬受 入れは,昨年度との同程度の応募者100名を数え,4月 受入れ予定者5名の延期受入れを含めて80名の学生を 受入れる結果となった。予定が半減した4月期の受入 れ数22名と加えると,平成23年度はそれでも102名の 受入れ数に達し,平成22年度の89名を13名も上回る結 名古屋大学短期交換留学受入れプログラム (Nagoya University Program for Academic Exchange - NUPACE) 2011年度報告 留学生センター・短期留学部門      (兼担)工学研究科マテリアル理工学専攻 図1.短期留学プログラムの応募者数,奨学金割当,受入れ人数,自費参加学生数の推移(平成15年度以降) (*平成14年度3名,15年度4名の追加配分。20年度以降は,交流協会(台湾)およびJENESYS(韓国)奨学金割当数を加算。)

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名古屋大学留学生センター紀要��第10号

- 1 5 0-

 平成23(2011)年は,平成8(1996)年にNUPACEを

開始して15年目であると同時に,2011年9月下旬の80

名の受入れによって,本プログラムへの受入れ累計が

1,000名を超えた記念すべき年となった。しかし,3月

11日の東日本大震災と津波,そしてその後に続いた福

島原子力発電所事故とその放射能汚染により,4月の

受入れは大きな影響を受け,4月受入予定者の半数近

くが参加をキャンセルし,平成22年秋学期からの継続

予定学生も1/3が帰国するなど,大きな混乱を余儀な

くされた。派遣元の大学や政府からも,強く帰国を勧

告され,やむなく帰国する学生が多かったが,それで

も派遣元大学や家族を説得して帰国しなかったり,あ

るいは帰国後も派遣元大学を説得して4月または5月

に本学に戻ってきた学生が少なくなかったことは,関

係者として大きな喜びであった。

 震災(3/11)の翌日には,日本に残っていた50名の

学生の安否確認を行い,全員無事の連絡を協定大学の

学生交流担当窓口に伝えたこと,放射能汚染の状況を

はじめ英語による情報提供を学生・協定大学に逐次伝

えたこと,学内の国際交流委員会や危機対策室に,大

学としての英文併記の情報発信を強く要請したことな

どにより,在籍している NUPACE 学生および協定大

学から本学への十分な信頼を得られたのではないかと

思われる。

 その効果もあってか,平成23(2011)年9月下旬受

入れは,昨年度との同程度の応募者100名を数え,4月

受入れ予定者5名の延期受入れを含めて80名の学生を

受入れる結果となった。予定が半減した4月期の受入

れ数22名と加えると,平成23年度はそれでも102名の

受入れ数に達し,平成22年度の89名を13名も上回る結

名古屋大学短期交換留学受入れプログラム

(Nagoya University Program for Academic Exchange - NUPACE)2011年度報告

留学生センター・短期留学部門     

(兼担)工学研究科マテリアル理工学専攻

野 水   勉

図1.短期留学プログラムの応募者数,奨学金割当,受入れ人数,自費参加学生数の推移(平成15年度以降)(*平成14年度3名,15年度4名の追加配分。20年度以降は,交流協会(台湾)および JENESYS(韓国)奨学金割当数を加算。)

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短期留学部門

果になった。他のプログラムの留学生受入れ数が震災

の影響等でやや減少した中で,大いに健闘した結果と

思われる。

 平成24(2012)年度の4月受入れ数は40名。そして,

9月下旬受入れは80名前後になる予定であり,年間受

入れ数が120名にさらに伸びることが予測される。

 本学では,平成23年10月から文部科学省・国際化拠

点整備事業(大学の国際化のためのネットワーク形成

推進事業)」(グローバル30)の名古屋大学採択プロジェ

クトの計画に沿って,英語で学位を取得できる5つの

国際プログラムが開始された。学部1年生向けの講義

が開始されたばかりであるが,NUPACE に参加して

いる数名の学生が早くも同プログラムの科目を履修し

ており,また同科目の担当教員からも NUPACE 学生

の参加を大いに歓迎されている。学年の進行とともに

英語科目のさらなる充実が期待される。

 文部科学省の新しい政策として,平成23年度より

「留学交流支援制度(ショートステイ・ショートビ

ジット)」が開始され,3ヶ月未満の短期留学受入れ

(ショートステイ)および派遣(ショートビジット)

の支援を打ち出した。短期留学部門としての業務の中

心は,基本的に1学期~1年の短期留学受入れプログ

ラム(NUPACE)の運営であるが,短期留学受入れ

(ショートステイ)および派遣(ショートビジット)は,

これまでの短期留学(交換留学)の下支えになりうる

ため,交換留学実施委員会のもとに,国際学生交流課

とともに,部局の運営への側面的支援に関わってきて

いる。

 以下,平成23(2011)年度の短期留学プログラムを

中心とした短期留学部門の活動を報告する。

1.�「留学交流支援制度(短期受入れ)」と�その他の奨学金

1.1 平成23年度「留学交流支援制度(短期受入れ)」

奨学金

 NUPACE に対する奨学金支援制度の中心となって

いる「留学交流支援制度(短期受入れ)」は,平成7

年度に創設された「短期留学推進制度(受入れ)」を

引き継いで,平成20-21年度に一部制度変更され,従

来の英語による短期留学プログラムが主だった特別枠

が,「プログラム枠」として拡大されたが,単位互換プ

ログラム,大学院プログラム,ダブル・ディグリーな

ど,新しく企画された特色ある短期留学プログラムに

対して,1プログラム最大15名として,一大学あたり

4プログラムまでを申請できる制度となっている。一

方で,「特別枠」以外に,短期留学(交換留学)の実績

に応じて各大学へ割り当てられていた「一般枠」(新制

度では「大学推薦枠」)の割当は大きく減少している。

 図1の通り,本学は「短期留学推進制度(受入れ)」

のもとで,平成15-19年度は減りつつも40名以上の奨

学金割当を維持していたが,表1の通り,平成20年度

以降の「留学交流支援制度(短期受入れ)」では,大

学推薦枠割当数の大幅な減少によって,平成20年度36

名,そして平成21年度に24名と急激に減少した。幸い

なことに,平成21年度に本学が「グローバル30」大学に

表1.短期留学プログラム関係奨学金の割当実績

奨学金種別 H20 H21 H22 H23 H24 NUPACE受入

留学交流�支援制度(短期�受入れ)

大学推薦枠 24 9 9 11 8 対象

プログラム枠

短期留学プログラム(英語枠)(NUPACE-E) 12 15 15 15 15 対象

短期留学プログラム(日本語枠)(NUPACE-J) - - - 15 対象

短期留学プログラム(大学院先端研究枠) - - 3 8 対象

国際環境人材育成プログラム(短期)* 7 4 4 5 対象外

グローバル30枠 10 10 10 10 対象

日加戦略的留学生交流促進プログラム 4 対象

交流協会(台湾) 2 2 1 1 1 対象

21世紀東アジア青少年大交流計画�(JENESYS)(韓国)

一般枠 2 1 1 1 対象

部品素材枠 4 4 3 対象

NUPACE対象奨学金 合計(国際環境人材 Pr(*)を除く) 40 41 40 44 61

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名古屋大学留学生センター紀要 第10号

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採択されたことによって,特別枠10名が新たに割り当

てられたため,合わせて全体では34名が確保され,前

年度からの微減にとどまった。さらに平成21年度は,

麻生政権下の補正予算により,奨学金割当24名分が追

加されたため,最終的には58名分もの奨学金が提供さ

れた。続く平成22年度は,21年度の当初割当と同数の

34名分(プログラム枠15名,大学推薦枠9名,G30枠

10名)となった。

 平成23年度に向けて,奨学金割当を少しでも多く確

保するため,NUPACE では一部に研究を中心とした

特別研究学生としての受入れが増えてきていたため,

従来の学部生を中心とした短期留学プログラムの申請

枠とは別に,「大学院先端研究・短期交換留学受入れプ

ログラム」の枠を「プログラム枠」に申請したところ,

幸いに3名の奨学金割当を受けた。同年度は,大学推

薦枠割当が前年度の9名から2名増加したため,合わ

せると NUPACE 全体として39名の割当となり,前年

度の34名から5名増という結果となった。

 平成24年度向けには,NUPACE 参加学生の中に日

本語能力試験1級または N1レベルを有して,本学の

正規学生向け日本語授業を受講する学生が20名近くに

及ぶことから,プログラム枠として新たに「短期交換

留学受入れプログラム(日本語プログラム)」を申請し

たところ,採択されて15名分の奨学金割当を受けた。

平成23年度に開始した「大学院先端研究」枠も8名分

の採択があり,「留学交流支援制度(短期受入れ)」の

全体としては,NUPACE を対象としない「国際環境

人材育成プログラム(短期)」を除いて,56名分の奨学

金割当となり,前年度に比べて17名増となった。

 平成24年度はさらに,本学が参加している「日本-

カナダ大学コンソーシアム」(事務局:明治大学)が

「留学交流支援制度(短期受入れ)」に申請した「日加

戦略的留学生交流促進プログラム」の奨学金枠の割当

があり,当初は1名分の割当を予定していたが,枠が

余る事態となり,追加募集があったため,本学から資

格者3名の追加申請を行ったところ,幸運にもこの3

名を含む申請者4名分の割当を受ける結果となった。

1.2 その他の奨学金

 短期留学プログラムを支援する奨学金として,平成

20年度から1)外務省補助金事業「21世紀東アジア青少

年大交流計画」(JENESYS�Programme)(韓国)と2)

(財)交流協会(台湾)・短期留学生奨学金が加わってお

り,表1に平成20~24年度の割当実績をまとめた。こ

れらの奨学金制度発足の背景については,2008年度年

報で紹介している。表の通り,ここ数年 JENESYS(韓

国)奨学金を全体で4-5名分確保していたが,残念なこ

とに平成24年度からこの奨学金制度が廃止された。交

流協会(台湾)奨学金は,学生本人が同協会へ直接申

請するため,大学への事前割当はなく,同協会からの

の通知によって最終的に判明する。

2.短期留学生受入れの現状

 過去3年間の各受入れ時期における大学別受入れ実

績を表2に示す。図2には,プログラム開始以来,平

成24年度4月受入れを含めた1046名全体の大学所在国

および地域別の内訳を,図3には平成23年度分の a)大

学所在国および地域別,b)受入れ部局別,c)学生身

分別の割合を円グラフで示す。

 平成23年度は,17ヵ国・地域,54協定大学より計102

名の短期留学生を受入れた。「留学交流支援制度(短期

受入れ)」奨学金39名(短期留学プログラム特別枠+大

学推薦枠計29名+グローバル30特別枠10名),交流協

会(台湾)1名,JENESYS(韓国)4名を合わせて44

名が奨学金受給者で,残りの58名が自費参加者であっ

た。102名のうち,国別では,中国18名,韓国17名,米

国14名,が上位3国である。図2と図3を比較すると,

アジア地域がほぼ半分を占める点で同様である。協定

大学をすべて公平に扱い,協定大学の数と受入れ人数

が拡大している中で,欧米豪地域とアジア地域からの

受入れがほぼ釣り合っている状況を維持していること

は,本プログラムの誇れるところである。図2では,

ヨーロッパ地域が全体の平均24%であるが,平成22年

度28%,23年度29% と近年高い割合となっている。オ

セアニアも9%とこれまでの平均4%に比べ倍増してい

る,一方,北米が15%に下がっている。平成23年度は,

トルコ・ビルケント大学,ドイツダルムシュタット工

科大学,スイス・ジュネーブ大学,スウェーデン・ウ

プサラ大学から初めての学生を受け入れた。

 過去5年間 NUPACE に受け入れた短期留学生の中

で,2011年 Times 社と QS社の大学ランキング上位50

位,100位および200位以内の大学からの割合を図4に

示す。2009年までの Times ランキングは,QS 社に委

託して行われていたが,2010年に Reuters�社に委託が

代わって評価指標が大きく変更されたため,本学を含

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短期留学部門

表2.名古屋大学短期留学受入れプログラム受入れ実績(平成21年4月〜平成24年4月)

次ページに続く

学生身分内訳受入れ時期 大学所在国 大学名 協定締結 学生数 学部別内訳*2 *3と種類 文 育 法 経 理 医 工 農自費 情 国 情 多 国 環 留 学部生 大学院生

文 開 元 言 境 セ参加*1 科

平成21年度 中 国 北京大学 全学協定 有 1 1 1 1第1期 〃 上海交通大 全学協定 有 1 1 1

(4月渡日) 〃 清華大学 全学協定 有 1 1 1 1韓 国 梨花女子大学 全学協定 有 1 1 1〃 高麗大学 全学協定 有 1 1 1★4

〃 慶煕大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 漢陽大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 慶尚大学 全学協定 有 1 1 1★4

〃 ソウル市立大学 部局(法) 有 1 1 1 1台 湾 国立清華大学 全学協定 有 1 1 1※5

インドネシア ガジャマダ大学 全学協定 有 1 1 1タイ チュラロンコン大学 全学協定 有 1 1 1カナダ ヨーク大学 全学協定 有 1 1 1 1米 国 ミシガン大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 セントオラフ大学 全学協定 有 1 1 1〃 ケンタッキー大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 イリノイ大学アーバナシャンペーン校 全学協定 有 1 1 1 1〃 グリーン・マウンテン大学 部局(法) 有 1 1 1

ドイツ ブラウンシュバイク工科大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 ケムニッツ工科大学 全学協定 有 1 1 1

オーストラリア オーストラリア国立大学 全学協定 有 1 1 1〃 モナシュ大学 全学協定 有 1 1 1 1

小計 22 11 5 0 3 2 0 1 0 6 0 0 0 0 1 0 4 19 3平成21年度 中 国 北京大学 全学協定 有 1 1 1

第2期 〃 清華大学 全学協定 有 1 1 1 1(9月下旬渡日) 〃 北京工業大学 全学協定 有 1 1 1

〃 復旦大学 全学協定 有 1 1 1〃 吉林大学 全学協定 有 2 2 2〃 南京大学 全学協定 有 2 1 1 1 1〃 浙江大学 全学協定 有 2 1 1 1 1〃 西安交通大学 全学協定 有 2 1 1 2〃 華東政法大学 部局(法) 有 2 2 2〃 南京航空航天大学 全学協定 有 1 1 1

韓 国 ソウル国立大学 全学協定 有 2 1 1 2★6

〃 高麗大学 全学協定 有 1 1 1〃 梨花女子大学 全学協定 有 1 1 1〃 木浦大学 全学協定 有 2 2 2〃 慶尚大学 全学協定 有 2 2 2★6

〃 忠南大学 部局(経) 有 2 2 2★6

台 湾 国立台湾大学 全学協定 有 2 1 1 1 2※5

〃 国立政治大学 全学協定 有 2 2 1 1 2インドネシア ガジャマダ大学 全学協定 有 1 1 1ウズベキスタン 世界経済貿易大学 部局(法) 有 1 1 1米 国 ノースカロライナ州立大学 全学協定 有 2 2 2〃 イリノイ大学アーバナシャンペーン校 全学協定 有 1 1 1〃 セントオラフ大学 全学協定 有 2 2 2〃 シンシナティ大学 全学協定 有 1 1 1〃 ケンタッキー大学 全学協定 有 1 1 1〃 グリーン・マウンテン大学 部局(法) 有 1 1 1

米 国 ミネソタ大学 全学協定 有 2 1 1 2英 国 シェフィールド大学 全学協定 有 1 1 1〃 ロンドン大学(SOAS) 全学協定 有 2 2 2〃 ウォーリック大学 全学協定 有 1 1 1

フランス グルノーブル第3スタンダール大学 全学協定 有 2 2 2〃 リヨン第3ジーンモリン大学 全学協定 有 2 1 1 1 2〃 リヨン師範大学 全学協定 有 2 2 2

ドイツ ミュンヘン工科大学 全学協定 有 2 1 1 2〃 フライブルグ大学 全学協定 有 2 1 1 1 1 1〃 ケムニッツ工科大学 全学協定 有 2 1 1 1 1

オーストリア ウィーン医科大学 部局(医) 有 2 2 2スウェーデン ルンド大学 部局(法) 有 2 2 2オーストラリア モナシュ大学 全学協定 有 1 1 1ブラジル サンパウロ大学 全学協定 有 1 1 1 1

小計 63 7 9 1 11 10 1 0 4 7 0 4 2 0 5 0 9 42 21平成22年度 中 国 北京大学 全学協定 有 1 1 1

第1期 〃 同済大学 全学協定 有 1 1 1 1(4月渡日) 〃 上海交通大学 全学協定 有 1 1 1

〃 華東政法大学 部局(法) 有 1 1 1 1〃 中国科技大学 全学協定 有 1 1 1 1

韓 国 高麗大学 全学協定 有 1 1 1★4

〃 梨花女子大学 全学協定 有 2 1 1 1 2〃 成均館大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 慶煕大学 全学協定 有 1 1 1〃 漢陽大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 慶尚大学 全学協定 有 1 1 1★4

〃 ソウル市立大学 部局(法) 有 1 1 1 1〃 延世大学 全学協定 有 1 1 1 1

台 湾 国立清華大学 全学協定 有 1 1 1 1タイ チュラロンコン大学 全学協定 有 1 1 1モンゴル モンゴル国立大学 全学協定 有 1 1 1米 国 ミシガン大学 部局(工) 有 1 1 1 1〃 ニューヨーク大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 シンシナティ大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 イリノイ大学アーバナシャンペーン校 全学協定 有 1 1 1〃 グリーン・マウンテン大学 部局(法) 有 1 1 1

ドイツ フライブルグ大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 ケムニッツ工科大学 全学協定 有 1 1 1

ポーランド ワルシャワ工科大学 全学協定 有 1 1 1オーストラリア オーストラリア国立大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 フリンダース大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 アデレード大学 全学協定 有 1 1 1

小計 28 15 6 1 8 0 1 1 1 7 0 0 0 0 1 0 2 23 5平成22年度 中 国 北京工業大学 部局(工) 有 1 1 1 1

第2期 〃 華中科技大学 全学協定 有 2 1 1 1 1(9月下旬渡日) 〃 吉林大学 全学協定 有 1 0 1 1

〃 南京大学 全学協定 有 1 0 1〃 同済大学 全学協定 有 1 0 1 1 1〃 浙江大学 全学協定 有 2 1 2 2〃 中国政法大学 部局(法) 有 1 1 1 1〃 華東政法大学 部局(法) 有 2 1 2 2

香 港 香港中文大学 全学協定 有 1 1 1 1韓 国 ソウル国立大学 全学協定 有 1 0 1 1〃 高麗大学 全学協定 有 1 0 1 1〃 慶尚大学 全学協定 有 1 0 1 1〃 忠南大学 部局(経) 有 2 1 2 2

台 湾 国立台湾大学 全学協定 有 2 2 1 1 1 1〃 国立政治大学 全学協定 有 2 2 1 1 1 1〃 国立清華大学 全学協定 有 1 1 1 1

インドネシア インドネシア大学 部局(工) 有 1 0 1 1〃 ガジャマダ大学 全学協定 有 1 0 1 1

タイ チュラロンコン大学 全学協定 有 2 1 1 1 1 1カザフスタン カザフスタン人文・法科大学 部局(法) 有 1 0 1 1米 国 ノースカロライナ州立大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 ニューヨーク大学 全学協定 有 1 0 1 1〃 セントオラフ大学 全学協定 有 2 1 1 1 2〃 シンシナティ大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 ケンタッキー大学 全学協定 有 1 0 1 1

授 業 料相 互�不 徴 収協 定

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名古屋大学留学生センター紀要 第10号

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受入れ時期 大学所在国 大学名 協定締結 学生 学部別内訳 学生身分内訳*1 *2と種類 数 文 育 法 経 理 医 工 農自費 情 国 情 多 国 環 留 学部生 大学院生

文 開 元 言 境 セ参加*1 科

平成22年度 米 国 グリーン・マウンテン大学 部局(法) 有 2 1 2 2第2期 〃 ミネソタ大学 全学協定 有 2 2 1 1 2

(9月下旬渡日) 英 国 シェフィールド大学 全学協定 有 2 2 1 1 2(つづき) 〃 ロンドン大学(SOAS) 全学協定 有 2 1 1 1 2

〃 マンチェスター大学 部局(理) 有 2 1 2 2フランス グルノーブル第1ジョセフフーリエ大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 グルノーブル第2ピエールマンデス大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 リヨン第3ジーンモリン大学 全学協定 有 2 1 1 1 2〃 ストラスブール大学 全学協定 有 2 1 1 1 2〃 パリ第7ディドロ大学 全学協定 有 2 1 1 1 2

ドイツ ミュンヘン工科大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 フライブルグ大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 ブラウンシュバイク工科大学 全学協定 有 2 1 1 1 1 1〃 ケムニッツ工科大学 全学協定 有 2 1 1 1 2

スウェーデン ルンド大学 部局(法) 有 2 2 2 2オーストラリア モナシュ大学 全学協定 有 1 0 1 1〃 シドニー大学 全学協定 有 1 1 1 1

小計 61 35 12 1 11 10 0 2 0 10 0 1 0 0 3 3 8 49 12平成23年度 中 国 華中科技大学 全学協定 有 1 1 1 1

第1期 〃 南京大学 全学協定 有 1 1 1 1(4月渡日) 〃 同済大学 全学協定 有 2 1 1 1 2

韓 国 高麗大学 全学協定 有 1 0 1 1〃 慶尚大学 全学協定 有 2 1 1 1 2〃 忠南大学 部局(経) 有 2 1 2 2〃 梨花女子大学 全学協定 有 1 1 1 1

インドネシア ガジャマダ大学 全学協定 有 1 0 1 1米 国 ニューヨーク大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 セントオラフ大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 シンシナティ大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 イリノイ大学アーバナシャンペーン校 全学協定 有 3 2 1 2 3

ドイツ ミュンヘン工科大学 全学協定 有 1 1 1 1スイス ジュネーブ大学 全学協定 有 1 0 1 1オーストラリア オーストラリア国立大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 モナシュ大学 全学協定 有 1 0 1 1〃 アデレード大学 全学協定 有 1 1 1 1

小計 22 14 5 7 2 4 0 1 0 3 0 0 0 0 0 0 0 21 1平成23年度 中 国 北京大学 全学協定 有 1 1 1

第2期 〃 清華大学 全学協定 有 1 1 1(9月下旬渡日) 〃 華中科技大学 全学協定 有 3 3 1 2 3

〃 復旦大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 同済大学 全学協定 有 1 1 1〃 浙江大学 部局(経) 有 3 2 1 2 3〃 西安交通大学 全学協定 有 3 2 1 1 1 3〃 華東政法大学 部局(法) 有 1 1 1

香 港 香港中文大学 全学協定 有 1 1 1韓 国 ソウル国立大学 全学協定 有 3 2 1 1 1 3〃 高麗大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 延世大学 全学協定 有 1 1 1〃 慶熙大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 梨花女子大学 全学協定 有 1 1 1〃 慶尚大学 全学協定 有 2 2 1 1 2〃 木浦大学 全学協定 有 2 1 2 2

台 湾 国立台湾大学 全学協定 有 3 3 3 3〃 国立政治大学 全学協定 有 2 2 1 1 1 1〃 国立清華大学 全学協定 有 1 1 1 1

インドネシア ガジャマダ大学 全学協定 有 1 1 1タイ チュラロンコン大学 全学協定 有 2 1 1 1 1 1ウズベキスタン 世界経済貿易大学 部局(法) 有 1 1 1トルコ ビルケント大学 全学協定 有 1 1 1米 国 ノースカロライナ州立大学 全学協定 有 1 1 1〃 ニューヨーク大学 全学協定 有 1 1 1〃 セントオラフ大学 全学協定 有 2 1 1 1 2〃 シンシナティ大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 ミネソタ大学 全学協定 有 3 2 1 1 1 3

カナダ ヨーク大学 全学協定 有 1 1 1 1英 国 シェフィールド大学 全学協定 有 2 1 1 1 2〃 ロンドン大学(SOAS) 全学協定 有 2 1 1 1 2〃 マンチェスター大学 全学協定 有 1 1 1

フランス ストラスブール大学 全学協定 有 1 1 1〃 グルノーブル大学 全学協定 有 2 1 1 1 1 1〃 リヨン高等師範大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 パリ第7ディドロ大学 全学協定 有 3 2 1 1 1 2 1

ドイツ ミュンヘン工科大学 全学協定 有 1 1 1〃 フライブルグ大学 全学協定 有 1 1 1〃 ブラウンシュバイク工科大学 全学協定 有 2 1 1 1 2〃 ダルムシュタット工科大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 ケムニッツ工科大学 全学協定 有 2 1 2 2

スウェーデン ルンド大学 部局(法) 有 2 2 2 2〃 ウプサラ大学 全学協定 有 3 2 2 1 2 1〃 ジュネーブ大学 全学協定 有 3 2 2 1 1 2

デンマーク コペンハーゲン大学 全学協定 有 1 1 1オーストラリア モナシュ大学 全学協定 有 3 2 2 1 3〃 シドニー大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 アデレード大学 全学協定 有 1 1 1 1

南オーストラリア大学 全学協定 有 1 1 1 1小計 80 47 10 7 13 9 0 2 1 13 3 3 2 0 7 2 8 50 30

平成24年度 中 国 清華大学 全学協定 有 1 1 1第1期 〃 南京大学 全学協定 有 1 1 1

(4月渡日) 〃 同済大学 全学協定 有 3 2 1 1 1 2 1〃 中国政法大 部局(法) 有 1 1 1〃 華東政法大 部局(法) 有 2 2 2 2

香 港 香港大学 全学協定 有 2 1 1 1 2韓 国 ソウル国立大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 高麗大学 全学協定 有 2 1 1 1 2〃 梨花女子大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 成均館大学 全学協定 有 1 1 1〃 漢陽大学 全学協定 有 2 1 1 1 2〃 慶尚大学 全学協定 有 1 1 1〃 忠南大学 部局(経) 有 2 2 2 2

台 湾 国立台湾大学 全学協定 有 1 1 1 1インドネシア バンドン工科大学 全学協定 有 1 1 1ベトナム 外国貿易大学 部局(経) 有 1 1 1米 国 ニューヨーク大学 全学協定 有 2 1 1 1 2〃 イリノイ大学アーバナシャンペーン校 全学協定 有 1 1 1〃 セントオラフ大学 全学協定 有 2 1 1 1 2〃 ミシガン大学 全学協定 有 1 1 1〃 グリーン・マウンテン大学 部局(法) 有 1 1 1 1

ドイツ ミュンヘン工科大学 全学協定 有 3 2 1 1 1 1 2〃 フライブルグ大学 全学協定 有 2 1 2 2〃 ブラウンシュバイク工科大学 全学協定 有 1 1 1 1〃 ケムニッツ工科大学 全学協定 有 1 1 1

オーストラリア モナシュ大学 全学協定 有 2 2 1 1 2〃 オーストラリア国立大学 全学協定 有 1 1 1

小計 40 21 7 0 6 10 0 2 0 5 0 0 0 2 1 1 6 35 5

*1:自費参加( 及び「21世紀東アジア青少年大交流計画奨学金(JENESYS)(韓国)」以外、*2:特別聴講学生+日本語研修生、JASSO*3:大学院特別聴講学生+特別研究学生、★4:「21世紀東アジア青少年大交流計画奨学金(JENESYS)(韓国)」、※5:1名台湾(交流協会)奨学金、

1 JASSO+1 JENESYS★6: 名 名

表2.(つづき)

授 業 料相 互�不 徴 収協 定

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短期留学部門

人数 割合カナダ 5 0.5%ブラジル 2 0.2%ベルギー 3 0.3%オーストリア 5 0.5%スイス 4 0.4%スウェーデン 14 1.3%デンマーク 2 0.2%ロシア 4 0.4%

人数 割合香港 4 0.4%台湾 27 2.5%フィリピン 13 1.2%インド 2 0.2%ベトナム 3 0.3%カンボジア 1 0.1%モンゴル 2 0.2%ウズベキスタン 15 1.4%カザフスタン 1 0.1%

図2.名古屋大学短期留学生の在籍大学所在国の内訳(1996年2月-2012年4月,1064名 )

a)在籍大学所在国・地域別内訳

図3.平成23年度短期留学生の内訳(2011年4月-2012年3月:全102名)

b)受入れ部局別内訳 c)受入れ学生身分別内訳

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名古屋大学留学生センター紀要 第10号

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めて大学によっては大きく変動している。QS社は,引

き続き独自のランキング結果を公表しているので,両

方を図4に掲げた(本学は,QS2011では80位であるが,

Times(Reuters)2011では201-225位となっている)。

 図4から,Times ランキングでは100位以内の大学

から20%弱,200位以内の大学から30-40% の学生をコ

ンスタントに受け入れており,平成23年度はそれぞれ

の割合がさらに伸びていることが見てとれる(QS ラ

ンキングでは100位以内が30%,200位以内は40% を超

える)。

3.教育カリキュラム

 図5に,2011年秋学期-2012年春学期の NUPACE

科目構成を示す。この構成以外に,国際開発研究科

および法学研究科が,正規カリキュラムとして英語

による専門科目を多数開講しており,多くの科目を

NUPACE 学生にも開放している。平成18年度からは

環境学研究科が,英語による講義の開講を積極的に推

進し,さらに平成21年度から英語による大学院プログ

ラム「国際環境人材育成プログラム(NUGELP)」を創

設し,18科目もの科目を NUPACE 学生へ積極的に開

放している。また,他の部局でも少しずつ,英語の講義

開講が増えてきている。平成24年度からは,NUPACE

を通じて,「国際環境人材育成プログラム(NUGELP)

(短期)」に参加する学生も予定しており,同プログラ

ムとの連携をはかっていく予定である。

 平成23(2011)年度秋より,国際化拠点整備事業(グ

ローバル30)として,英語講義によって学位が取得で

きる,学部生向けの自動車工学,物理系,化学系,生

物系,そして国際社会科学の5プログラム,および大

学院生向けの物理系(博士前期・後期),化学系(博士

前期・後期),生物系(博士前期・後期),医学系(博

士後期),経済・経営系(博士前期),国際言語文化系

(博士前期)の各プログラムが開始され,学部1年生

の講義科目が NUPACE にも開放された。また,大学

院の国際言語文化研究科でも英語プログラムが開始さ

れ,これらによって英語講義が大幅に増強された。学

年の進行につれて,さらに専門分野の英語科目の充実

につながることが期待される。 

4.国際交流関係の活動

4.1 国際企画室と学術交流協定

 本学の活発な国際交流を反映して,平成23年度も全

学間あるいは部局間の学術交流協定の締結が進めら

れ,平成23年度末時点で309大学・機関との学術交流協

定締結(全学間99,部局間210),および176大学・機関

との授業料相互不徴収協定を含む学生交流協定(全学

間90,部局間86)が締結されている。国際企画室が,

図4.2011大学ランキング上位大学からの受入れの割合

a)Times�2011ランキング b)QS�2011ランキング

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短期留学部門

日本語研修コース 担当部局 標準コース(1-5単位): 日本語初級Ⅰ~日本語上級(7�レベル) (留セ) 集中コース(2-10単位): 日本語初級Ⅰ~日本語中級Ⅲ(6�レベル) (留セ)日本語による概論講義 各科目2単位 �地球社会Ⅰ,Ⅱ(秋・春)� (留セ)�

日本言語文化入門Ⅰ,Ⅱ(秋・春)� (文)�日本語学入門Ⅰ,Ⅱ(秋・春)� (留セ)�日本文化論Ⅰ,Ⅱ(秋・春)� (留セ)�言語学入門Ⅰ,Ⅱ(秋・春)� (留セ)

日本研究・国際理解研究� 各科目2単位 �現代日本社会(春)� (留セ)�

日本政治学入門(春)� (留セ)�日本社会の現代的課題(秋)� (留セ)�日本の科学と技術(秋)� (工)

専門科目 留学生センター �際社会法政:日本におけるイミグレーション(春)�

教育の社会学(秋) 日本のコミュニティーにおける教育実践 <GIS>(秋・春) 文学部・文学研究科 英語意味論と記号論(秋・春) 教育学部・教育発達科学研究科 �日本の教育(春)�

化的教育面のディズニー(春)�日本の政治と法(秋)

経済学部・経済学研究科 �開発経済(春)�所得理論と応用(秋)�価格理論と応用(春)�法律と経済�ワークショップ(春 - 秋・通年)

理学部・理学研究科 先端化学特別講義(集中講義) 医学部・医学研究科 �臨床実習(秋・春)�

基礎医学研究�(秋・春)�公衆衛生研究�(秋・春)

工学部・工学研究科 �化学・生物産業概論(春)�物理・材料・エネルギー先端科学(春)�電気・電子・情報先端工学(秋)�生産工学概論(春)�社会環境工学概論(秋)�土木工学・途上開発特論(秋)�科学技術英語(秋)

農学部・生命農学研究科 生命農学概論(秋) 国際開発研究科 �アジア法(秋)�

人間の安全保障と法(秋)�国際協力法(春)�国際開発入門(春)�社会調査法特論(日本の開発経験)(秋)�開発法学(春)�参加型農村振興論(秋)

国際言語文化研究科 �地理学と神秘主義:ヨガ(春)�地図と文化(秋)�社会言語学入門(秋)

環境学研究科 �生物資源管理政策論(秋)�生物資源管理プロジェクト論(秋)�気候変動政策論(秋)�環境コミュニケーション(春)�環境産業システム論(秋)�環境社会システム工学(春)�環境フィールドセミナー(春)�生物多様性保全政策概論(春)�低炭素都市学(春)�歴史環境デザイン実習(秋)<G>�生物資源管理実習(秋)�降水気候学セミナーA(秋)�建築デザイン実習(秋)<G>�持続可能性と環境学(秋)�国際環境:政治外交文化論(秋)<G>�環境資源論(春)�水・廃棄物工学(秋)�水・廃棄物政策論(春)

多元数理研究科 応用数学方法論(秋) エコトピア科学研究所 生物学におけるモーター制御と情報処理(秋)<G> その他 �国際開発研究科と法学研究科の一部の科目�

個人勉学(研究)指導(Guided�Independent�Study-GIS)*J�=�講義言語:日本語  <G>�=�大学院生のみ開放  秋�=�秋学期開講  春�=�春学期開講

図5.2011-2012 名古屋大学短期留学生プログラム(NUPACE)の全体構成

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名古屋大学留学生センター紀要 第10号

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平成23年度中,全学間協定と部局協定が併存するもの

について,できるだけ全学間のみに統合し併存を解消

するように要請をしたため,一部が廃止され,全体の

協定数は例年に比べると伸びなかった。

 現在,本学での授業料相互不徴収協定を含む学生交

流協定の内容については,国際交流委員会における承

認手続きの前に,留学生センターに照会をする手続き

になっているため,国際企画室の要請を受け,留学生

センター(主に筆者と石川クラウディア准教授)が日

常的に助言を行っているほか,語学力や医療保険,損

害賠償保険等,交渉しにくい内容について,結局先方

大学との交渉に直接関わる事態も少なくない。

 直接対応した事例として,平成23年度は,1年以上

交渉が続いていたイタリア・ボローニャ大学との全学

間学術交流協定と学生交流協定を新規に締結すること

ができた。フランス・リヨン高等師範大学は,すでに

2部局の部局間協定があり,同大学の他の研究機関と

の統合に絡んで,さらに新たに部局間協定締結の必要

性が出てきたため,これらを統合した形の全学間学術

交流協定の締結を進言し,学生交流協定とともに締結

した。また,2006年に更新されたフランス・グルノー

ブル大学群との学生交流協定が再度更新の時期を迎え

ていたが,グルノーブル大学群が2011年1月より,他

の大学,高等研究機関も加えて,グルノーブル大学と

して再編・統合され,改めて同大学との全学間学術交

流協定および学生交流協定を締結した。このほか,工

学研究科からの要請を受けて,ドイツ・アーヘン工科

大学の部局間協定(理学研究科の部局間協定)を全学

間協定にする交渉や,台湾国立交通大学電気電子コン

ピュータ工学院と本学工学研究科との部局間協定の交

渉を行い,協定締結に至った。

 さらに,自動車工学サマープログラムの PR も兼ね

て,平成23年11月に石田幸男工学研究科教授と北米西

海岸の大学を訪問した結果,米国カリフォルニア大

学・デービス校との全学間学術交流協定を締結し,米

国カリフォルニア大学・バークレー校との研究中心の

大学院生交換交流を含む全学間学術交流協定を近々締

結の見込みである。

4.2 英語による工学研究科「自動車工学」サマー

プログラム

 �(http://www.engg.nagoya-u.ac.jp/en/nusip/index.

html)

 本サマープログラムは,NUPACE を含めて長年の

相互の学生交流を継続している米国・ミシガン大学工

学部から本学工学研究科へ,派遣学生をより拡大する

ため,サマー・プログラムやインターンシップを強く

要望されたことがきっかけとなっている。筆者が工学

研究科に関係していることもあり,当短期留学部門が

準備段階から立ち上げに向けて深く関わり,平成20年

度からプログラムを開始した。

 教育プログラムの内容は,石田幸男工学研究科教授

図6.名古屋大学の学術交流協定・授業料不徴収協定の締結数の推移とNUPACEで受入れた協定大学数(累積)

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短期留学部門

(専門分野:電子機械工学)(平成19年4月~平成23年

3月の間,当留学生センター長)が講義構成を企画し,

自動車並びに関連会社の技術者・研究者と名古屋大学

教授の共同授業の形式をとり,工場・研究所見学も数

多く組み入れている。日本語研修も含まれており,航

空運賃と食費は別として,プログラム参加費用は1,800�

US ドルに設定されている。

 この自動車工学サマープログラムの設立経緯,3年

間の実践,そして産学連携のあり方について,東工

大・佐藤由利子准教授らとの共同研究・科学研究費報

告書(http://www.ryu.titech.ac.jp/~yusato/honbun.pdf�

pp.�231-238)に,別途報告しているので,参考にして

いただきたい。

 表3に,平成20~24年度自動車工学サマープログラ

ム参加者の大学別人数を示す。�初年度は米国から計12

名が参加し,平成21年度はフランス,英国の学生も加

わって30名に達し,平成22年度も香港,中国の協定大

学学生が加わって同様に30名であった。

 平成23年度の参加者は計18名となっているが,2月

末の締切時点の応募者数は40名を越え,3月上旬の時

点で31名までに受け入れを絞り,10名近くは断る旨を

協定大学に通知したほどである。しかし,残念なこと

に3月11日の東日本大震災と原発事故の影響により,

13名の辞退者が出たことにより減少したが,やむを得

ない事態であった。平成24年度は,表3の通り,28名の

受入れを予定している。平成23年度より,協定大学以

外からの5名まで参加を認める形をとったが,平成24

年は当初の応募者数が予想より少なかったため,協定

大学以外からの参加者も多くを受け入れる形とした。

 一方,前節に触れたが,平成23年11月12~20日に石

田幸男工学研究科教授と北米西海岸の大学5大学を訪

問し,自動車工学サマープログラムの PR と大学間学

術交流協定および学生交流協定締結の可能性を打診し

た。訪問した大学は,カリフォルニア大学ロサンゼル

ス校(UCLA),同大学デービス校(UC�Davis),同大

学バークレー校(UC�Berkeley),スタンフォード大学

の米国4大学とカナダ・ブリティッシュ・コロンビア

校であった。本出張のきっかけは,平成23年度の自動

車サマープログラムに,スタンフォード大学の学生か

ら応募があったが,震災・原発の影響で参加を取りや

表3.自動車工学サマープログラムへの海外学生参加者

参加大学 大学所在国 2008 2009 2010 2011 2012ミシガン大学* 米国 6 13 12 7 5ノースカロライナ州立大学* 米国 4 4カリフォルニア大学ロサンゼルス校* 米国 1 9 1 1 1カリフォルニア大学デービス校* 米国 5ケンタッキー大学* 米国 1 1 2 2南イリノイ大学* 米国 2 2 2 2イリノイ大学アーバナシャンペーン校* 米国 5 1アリゾナ州立大学 米国 1ブリティッシュ・コロンビア大学 カナダ 1ストラスブール大学* フランス 2ウォーリック大学* 英国 3ニューキャッスル大学 英国 1シェフィールド大学* 英国 1サザンプトン大学 英国 1ブリストル大学* 英国 1香港科技大学* 香港 3 2同済大学* 中国 1 1国立台湾大学* 台湾 3台湾清華大学 台湾 3イスタンブール工科大学* トルコ 1ノーザン・ボーダー大学 サウジアラビア 3

計 12 30 30 18 27� (*:名古屋大学との学術交流協定締結大学)

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名古屋大学留学生センター紀要 第10号

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めたしまったため,改めて同大学にPRに出かけ,新た

な学生の応募を得たいとの石田教授の提案であった。

北米西海岸地域の有力大学との協定締結による学生交

流拡大の可能性を探る意義もあったため筆者も同行す

ることとなった。

 各大学を訪問してみると,海外有力大学の国際交

流関係者と学術交流・学生交流を議論する際には,

NUPACE だけでなく,日本の得意分野とくに中部地

域の特徴を生かしたこの自動車工学サマープログラム

は,強い関心を呼び起こすことを改めて感ずることが

できた。

 UCLA はすでに全学間協定と学生交流協定を締結

しており,年によって参加人数が大きく変化している

ため,PRをさらに強化した。UC�Davis を訪問した際

には,すぐにも協定締結の提案があり,全学間学術交

流協定を平成24年6月に締結し,今夏(平成24年度)

直ちに5名もの学生が自動車サマープログラムに参加

してきた。しかし,授業料相互不徴収協定を含む学生

交流協定はカリフォルニア大学本部とでなければ締結

できない,とのことで同協定の締結に至っていない。

UC�Berkeley の機械工学教授は,ミシガン大学やトヨ

タ北米自動車先端研究所との関係も深く,是非学生を

送りたい意向が述べられ,同大学国際交流室からは,

研究中心の大学院生の学生交流協定の締結打診があっ

た。学部生や大学院学生が講義を受講する際の授業料

の不徴収協定締結の話は進まなかったが,大学院学生

が研究室で研究をする場合の授業料は,実質的に不徴

収に近いわずか(年間400ドル(約3.2万円))という条

件であるため,直ちに締結の協議に入っている。しか

し,今夏のサマープログラムへの同大学からの学生応

募はなかった。

 スタンフォード大学では,自動車研究所(CARS)を

訪問した。同研究所所長が直前に不在の連絡があり,

代理として所属教授が対応したが,懇談当初の厳しい

表情から,自動車工学サマープログラムを説明するに

つれて,柔和となり興味ある表情へ変化していく様子

をまざまざと観察することができた。同研究所のすぐ

近傍に,工学研究科から同大学の大学院に留学し機械

工学科博士後期課程2年生の�大倉有麻君(学部のとき

に,ミシガン大学へ交換留学)が在籍しており,訪問

にも同行し,その後の自動車工学サマープログラムの

ポスター,資料などを同学科事務に手渡すなど,大い

に協力してもらった。残念ながら,今夏は同大学から

のサマープログラム参加は実現しなかった。一方,同

大学は学術交流協定や学生交流協定を容易に締結しな

い大学の方針があり,協定の話を進めることは極めて

困難であることを認識せざるを得なかった。

 最後に,カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学

を訪問し,機械工学科の教授や日本人准教授の方々と

懇談して,自動車サマープログラムを PRしたところ,

是非応援したい,との返事を受けた。しかし,大学の

国際交流室関係者との懇談およびその後の連絡から,

同大学の本部は,本学との大学間学術交流協定,学生

交流協定の締結に関心がない旨の返事があり,当面は

難しいとの見通しとなっている。ただし,同大学機械

工学科の学生1名がサマープログラムへの参加を希望

し,受け入れを予定している。

 平成23年度の「留学交流支援制度(ショートステイ・

ショートビジット)」は,予算承認のタイミングと実施

時期の制限から,自動車サマープログラムは応募でき

なかったが,平成24年度の募集では資格要件を満たし

たため,申請したところ,採択された。これによって

大学から持ち出していた予算の一部が軽減され,財政

的にも継続しやすい環境が生まれている。同プログラ

ムの実施責任者である石田幸男教授が平成24年3月末

で定年退職となり,運営の引継などが心配されたが,

大学本部の支援により,非常勤特任教授として同プロ

グラムの運営を継続できる環境が確保されたため,過

渡的には同様な運営を継続できることとなったが,今

後の運営体制をどう再構築していくかについて,関係

者の議論を深める必要がある。

5.�「留学交流支援制度(ショートステイ・�ショートビジット)」

 昨年の年報でも紹介したが,筆者は平成21年度以

降,留学生教育学会の下で,全国の短期留学プログラ

ムの関係者会合の世話人代表を担当し,文部科学省や

日本学生支援機構の関係者に,本学の自動車工学サ

マープログラムのように,日本の大学でのサマープロ

グラム等,3ヶ月未満のショートステイプログラムに

ニーズが高いが,宿舎費用の負担が大きいため,多少

の財政支援によって各大学がプログラムを企画し,留

学生の呼び込みに大きな効果を上げる可能性があるこ

と,またその一方で海外留学をめざす学生が少なく

なっていることに大きな危機感を抱いている関係者が

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短期留学部門

多く,留学の呼び水となるような語学研修支援が有効

なことを伝えてきた中で,まさにこれらの要望に応え

る形で,文部科学省補助金事業として平成23年度「留

学交流支援制度(ショートステイ・ショートビジット)」

が開始された。

 短期留学部門は,1学期ないし1年間の交換留

学生を協定大学から受入れるためのプログラム

(NUPACE)の運営が主たる任務であるが,協定大学

表4.�平成23年度「留学交流支援制度(ショートステイ・ショートビジット)」に採択された名古屋大学の申請プログラムと採択された奨学金支援人月数

プログラム名 SS(採択人月)

SV(採択人月) 実施責任部局

SSSV-1 名古屋大学先進共同研究大学院生交換プログラム 12人月 12人月 工学研究科/環境学研究科(留学生センター調整担当)

SSSV-2 韓大学生・大学院生相互学術文化交流研修 20人月 10人月 文学研究科SSSV-3 看護臨床実習交流プログラム 6人月 6人月 医学研究科SSSV-4 名古屋大学‐延世大学間学術研究交流プログラム 5人月 25人月 医学研究科SSSV-5 国際農学研修 12人月 36人月 生命農学研究科

SSSV-6 名古屋大学国際環境人材育成プログラム「グローバル研究インターンシップ/短期フィールド・リサーチの相互支援」 3人月 18人月 環境学研究科

SSSV-7 名古屋大学大学院環境学研究科/パリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校合同建築・都市設計ワークショップ 0人月 10人月 環境学研究科

SV-1 協定大学における語学研修および文化教養・専門研修プログラム - 171人月 経済学研究科/海外留学室/上海事務所(留学生センター調整担当)

SV-2 航空宇宙工学 海外研究インターンシップ - 4人月 工学研究科SV-3 国際開発研究科・海外実地研修プログラム - 24人月 国際開発研究科SV-4 名古屋大学国際環境人材育成プログラム「海外合宿研修」 - 3人月 環境学研究科

計 58人月 319人月SS:ショートステイ(3ヶ月未満の受入れ)SV:ショートビジット(3ヶ月未満の派遣)SSSV:SS と SVの双方向が計画されたプログラム

表5.�平成24年度「留学交流支援制度(ショートステイ・ショートビジット)」に採択された名古屋大学の申請プログラムと採択された奨学金支援人月数

SSSV-1 日韓大学生・大学院生相互学術文化交流研修 15人月 6人月 文学研究科

SSSV-2 「ソウル市立大学校インターナショナルサマースクール」・「名古屋大学法学部夏季国際大学交流セミナー」 3人月 3人月 法学研究科

SSSV-3 フライブルク大学・名古屋大学 経済学共同セミナー及びサマースクール 5人月 5人月 経済学研究科

SSSV-4 名古屋大学-ハノイ貿易大学国際経営人材育成プログラム 6人月 14人月 経済学研究科

SSSV-5 持続的社会に貢献する化学・材料分野のアジア先端協働教育拠点の形成 12人月 12人月 理学研究科・工学研究科

SSSV-6 名古屋-延世大学間学術研究交流プログラム 25人月 10人月 医学系研究科(保健)SSSV-7 看護臨地実習短期国際交流プログラム 4人月 4人月 医学系研究科(保健)

SSSV-8 修士課程国際共同大学院の創成を目指す先駆的日米協働教育プログラム 20人月 30人月 工学研究科

SSSV-9 国際農学研修 24人月 24人月 生命農学研究科

SSSV-10 名古屋大学国際環境人材育成プログラム「グローバル研究インターンシップ/短期フィールド・リサーチの相互支援」 4人月 17人月 環境学研究科

SSSV-11 名古屋大学大学院環境学研究科建築学コース/パリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校合同建築・都市設計ワークショップ - 5人月 環境学研究科

SSSV-12 名古屋大学‐ブリストル大学地球科学研究交流 6人月 6人月 環境学研究科SS-1 名古屋大学先端自動車工学サマープログラム 80人月 - 工学研究科SV-1 国際開発研究科・海外実地研修プログラム - 28人月 国際開発研究科SV-2 名古屋大学国際環境人材育成プログラム「海外合宿研修」 - 16→6人月 環境学研究科

SV-3 名古屋大学大学院環境学研究科建築学コース/メルボルン大学都市建築学部合同建築デザイン・ワークショップ - 6人月 環境学研究科

計 176人月 172人月

不採択 協定大学における語学研修および教養・専門研修プログラム 238人月 留学生センター・国際企画課

SS:ショートステイ(3ヶ月未満の受入れ)SV:ショートビジット(3ヶ月未満の派遣)SSSV:SS と SVの双方向が計画されたプログラム

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名古屋大学留学生センター紀要 第10号

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の方からサマープログラム等3ヶ月未満の短期間の学

生交流を推進したいとの要望が増えており,上記を推

進した背景もあり,交換留学実施委員会のもとに,海

外留学室,国際学生交流課と連携し,平成23年度から

開始された「留学交流支援制度(ショートステイ・

ショートビジット)」の申請を積極的に支援する取り組

みを行っている。

 平成24年度実施プログラムの募集は平成23年度より

早められ,平成23年12月が応募の締め切りであった

が,平成23年度と同様に,学内の応募プログラムを留

学生交流実施委員会に集約し,調整を図った。

 表4は,平成23年度分として平成23年5月上旬が応

募締切りで,6月に採択結果が伝えられたもの,表5

は平成24年度分として平成23年12月が応募締め切り

で,平成24年2月に採択結果が伝えられた。平成23年

度は申請した11プログラムがほとんど採択され,全体

でショートステイ分が58人月,ショートビジットは

319人月分の奨学金割当を受けた。必ずしも全部の奨

学金を活用できず,返上するものもあったが,1人月

は8万円であるため,合わせて377人月分,30,160千円

の奨学金枠が割当られた計算になる(一人が1ヶ月以

内で1人月,3ヶ月ならば3人月の計算単位となる)。

 表5は,平成24年度の申請分であるが,17プログラ

ムを申請し,1プログラムが不採択で,1プログラム

(国際環境人材育成プログラム「海外合宿研修」)が部

分採択となり,ほとんどが採択されているように見え

るが,不採択となったプログラムは,最も規模が大き

いもので,参加人数の多いモナシュ大学の英語研修や

上海事務所の中国語研修を支援する総計238人月のプ

ログラムであったため,その不採択の影響は大変大き

いものであった。採択された奨学金枠は,ショートス

テイ分が176人月,ショートビジットは172人月分で合

わせて,348人月分,27,840千円の奨学金枠の割当と

なっている。不採択となったプログラムの規模の大き

さを推し量ることができる。

 このプログラムの申請書作成は著者が深く関わっ

たが,平成23年度の時は同様な内容で採択されたた

めに,平成24年度も同様に採択されるものと期待し

ていたが,平成23年度は2倍弱だった競争率が,平成

24年度は4倍近くに跳ね上がったこと,プログラム実

施条件として,参加学生が単位取得できる構造を強く

推奨されていたが,名古屋大学において,語学研修プ

ログラムを単位として認定するスキームを確立してい

なかったために,明確にその点を書き込めなかったこ

と,様々な言語プログラムをまとめてしまったため

に,個々のプログラムの研修内容を丁寧に書き込めな

かったことが原因と考えられる。

 平成25年度のプログラム公募は,さらにスケジュー

ルが早まり,平成24年6月に開始され,9月が募集締

め切りとなる見込みのため,単位化の問題の見込みを

つけ,十分に申請書を書き込むことが重要と思われ

る。

6.その他の課題

6.1 宿舎

 本学のグローバル30に向けた環境整備の取り組みの

結果,宿舎問題は平成22年度から大きな変貌を遂げ

た。平成22年4月に,「インターナショナル・レジデ

ンス山手」約100室,23年9月に石田記念財団から名

古屋大学に上記施設近傍の土地が寄付され,建設され

た「石田記念・レジデンス妙見」約100室が平成23年度

秋から,そして平成24年4月より「インターナショナ

ル・レジデンス山手サウス」約100室がさらに増強され

たためである。平成22年4月以前は留学生宿舎単身室

が250室前後であったものが,550室の収容能力に増強

されたことになる。

 しかし,本学の現在の留学生総数が1,600名を超える

現状にあるため,一部の留学生に供される状況は変わ

らず,本学としては新規渡日者を優先して,半年~1

年の入居は基本的に保証する対応に努力している。

 NUPACE が開始された平成8年は,留学生単身室

が150室程度しかなく,40名規模で短期留学プログラ

ムを始める際に,全学の議論の中で,優先入居枠45名

分が最初に確保された。その後の宿舎増強の機会に,

NUPACE の優先入居枠を増やす了解を得ながら,平

成16年度から60名,平成22年度から80名に増やして来

た。平成23年4月の時点では,100名に増やす申請を

行ったところ,基本的に上限を設けないという決定と

なり,NUPACE の受入れ数において,宿舎の収容能

力を考えずに済む状況となっている。

 平成24年4月時点で,99名が大学宿舎に在籍してお

り,一定の数を占める現状ではあるが,平成8年のプ

ログラム開始の時点で,大学宿舎の1/4~1/3の優先入

居を配慮された状況に比べて,徐々にその割合が低下

してきており,急激な増加でなければ,対応しうる収

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短期留学部門

容能力が整備されたことを関係者として大いに感謝し

たい。

 もちろん,平成19年から平成21年にかけては,宿舎

の優先枠を超えて是非受入れてほしい,民間宿舎でも

良いから受入れてほしい,との協定大学からの強い要

望があり,平成21年秋は14名に及ぶ宿舎借り上げ対応

をせざるを得ない状況に陥り,事務関係者をはじめと

して様々な苦労が重なったこともあり,大学宿舎建設

を後押しした面もあったかと思われる。協定大学から

自費で参加する学生が半分以上という NUPACE の実

績も高く評価していただき,総長部局をはじめ,全学

の関係者の NUPACE に対する配慮に深く感謝申し上

げたい。

 宿舎の収容能力の問題は,ほぼ解決したが,宿舎を

取り巻く問題として,国際嚶鳴館での日本人学生と

NUPACE 学生の交流が,宿舎のフロアによって,円

滑なコミュニケーションができているところと,交流

がうまくいかないところが最近とくに問題になってき

ている。日本人のペースで進められる寮自治会や宿舎

のルールづくりの中で留学生が実質的に排除されてい

る問題,集会室の利用の仕方,夜間の騒音への双方か

ら文句等,本来学生同士が話し合って自主的に解決し

てもらいたい問題にも関わらず,学生総合支援課と国

際学生交流課に問題が持ち込まれており,どう改善す

べきかを苦慮しているところである。国際嚶鳴館のあ

り方,学生の異文化交流のあり方について,根本的な

議論が必要になってきているように思われる。

6.2 短期留学部門の体制

 平成23年度の短期留学部門体制は,教授1名,准教

授1名,特任講師1名(国際交流協力推進本部所属),

交換留学担当専任職員(国際交流協力推進本部所属)お

よび事務補佐1名の体制で,プログラムの運営管理,

参加学生の応募・選考・受入れ,履修成績管理,カリ

キュラム相談,宿舎・生活相談等の業務を,ほぼ一括

して行っている。平成23年3月に8年間勤務していた

だいた前任の事務補佐の方が家庭の事情でやむなく退

職し,4月から新しく澤田美奈子氏に担当していただ

くことになった。中学・高校時代,香港のインターナ

ショナル・スクールで教育を受け,大学卒業後,横浜

市役所国際交流室に勤務されていたご経験などから,

すぐに活躍していただいている。それ以外の人員体制

の変化はなく,落ち着いた形で業務を遂行している。

 国際学生交流課では,学生交流掛が3名体制で

NUPACE,海外留学,ショートステイ・ショートビ

ジットの事務支援を行っている。平成23年4月に掛長

の交代があったが,国際企画課から国際業務経験の豊

かな方が後任となり,次いで平成24年4月に掛員1名

の異動があったが,やはり国際企画課からの異動で,

大学卒業後の就職前に1年間の海外留学経験のある方

のため,国際業務に慣れており,強力な支援体制を維

持していただいている。

7.最後に

 昨年秋にNUPACE受入れが1,000名を超えた,その

タイミングの10月15-16日にNUPACE15周年記念シン

ポジウム・交換留学同窓会を開催し,文部科学省や協

定大学関係者との討議,そして NUPACE 同窓生や名

古屋大学からの交換留学経験者の討議を聞くことがで

き,実りのあるイベントとなった(詳細は別途報告参

照)。

 NUPACE 同窓生や名古屋大学の交換留学経験者の

大学にいた当時の様子を懐かしく思うともに,彼らが

交換留学の経験によって人生が大きく変わったことを

語り,また大学を卒業して,様々な環境で活躍してい

る様子を聞くことができ,プログラムを支えてきた関

係者として,喜びを大いに感じるところである。世界

に拡がるこのネットワークを同窓生同士がさらに活用

できる取り組みを進めたいところである。

 震災・原発の影響を受けた昨年4月受入れの時を除

けば,増加の一途を辿っており,平成23年秋の受入れ

で年間受入れ数を挽回した形となった。平成24年度は

年間120名を超える見込みであり,平成32年度150名に

向けて,順調に増加しているところである。地域のバ

ランスや多様の地域からの受入れ,そしてそれぞれの

国,地域からトップレベルの大学からの学生受入れを

実現できていることは,NUPACE と名古屋大学が大

いに誇れることである。

 海外留学室の報告で,平成20-23年度の交換留学生の

数は30名ほどで推移していたが,平成24年度は50名に

急増することとなった。様々な PR や動機付けの活動

が役立っていることは言うまでもないが,様々な地域

から来ている NUPACE 学生との交流も大きな刺激と

なっている。NUPACE 学生に感化されてアジアの大

学への交換留学も少しずつ増えてきた感がある。名古

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名古屋大学留学生センター紀要 第10号

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屋大学の国際化はまだまだのところであるが,グロー

バル30の英語プログラムが動き始め,海外留学室や異

文化交流イベントなどのそれぞれの取り組みが有機的

に絡み合うようになってきている。是非,この流れを

さらに大きく育んでいきたいと考える。

 産業界でグローバル人材が声高に語られ始めてお

り,改めて日本人学生の英語力とコミュニケーション

能力を急速に強化する取り組みの必要性を感ずるとこ

ろである。様々な留学生と関わる学生は,急速にこれ

らの能力をつけていくが,関わろうとしない日本人学

生が大多数であり,それらの学生は英語力も伸びな

い。各部局,様々な学年,専門分野で,海外との交流

を進めるべく,「ショートステイ・ショートビジット」プ

ログラムにも各部局から積極的に申請をし,単位化等

の動機付けついても,全学的に推進していただきたい。