改善更生には有効 -...

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子どもと地域を犯罪から守る 犯罪機会論と地域安全マップ 立正大学 小宮信夫 犯罪機会論 改善更生には有効 犯罪原因論 犯罪者 犯罪発生 不審者 予測できるか? 犯罪予防には無効 人間不信・人権侵害 不審者 犯罪機会論 改善更生には有効 犯罪原因論 犯罪者 犯罪発生 予測できる! 相互信頼 犯罪は、本当に 予測できるのか? 4カ月後 犯罪機会論 犯罪の機会=犯罪が成功しそうな状況 犯罪の成功=目的達成+捕まらない 犯罪者は場所を選んでくる。 領域性 監視性 犯罪に強い3要素 領域性 監視性 抵抗性 個人で防ぐ 場所で防ぐ 地域で防ぐ

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Page 1: 改善更生には有効 - niye.go.jp1カ所からの視線だけでは弱い∵1カ所のチェックで安心 2カ所以上からの視線が必要∵同時に2カ所のチェックは不可能

子どもと地域を犯罪から守る犯罪機会論と地域安全マップ

立正大学

小宮信夫

犯罪機会論

改善更生には有効

犯罪原因論

犯罪者

犯罪発生

不審者

予測できるか?

犯罪予防には無効

人間不信・人権侵害

不審者

犯罪機会論

改善更生には有効

犯罪原因論

犯罪者

犯罪発生

予測できる!

相互信頼

犯罪は、本当に予測できるのか?

4カ月後

犯罪機会論

犯罪の機会=犯罪が成功しそうな状況

犯罪の成功=目的達成+捕まらない

犯罪者は場所を選んでくる。

領域性 監視性

犯罪に強い3要素

領域性

監視性

抵抗性 個人で防ぐ

場所で防ぐ・

地域で防ぐ

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犯罪者は、本当に場所を選んでいるのか?

マクロ分析(検挙率) ミクロ分析(現場検証)

3割

7割

認知件数

暗数性的暴行は6倍

成功する場所を選んだ犯罪者

届出率から推計

ミクロ分析(現場検証)

入りやすく見えにくい場所

物理的

心理的

犯罪発生の確率の高い場所

(物理的)入りやすく見えにくい場所

トンネル構造

(心理的)入りやすく見えにくい場所

無関心な場所(割れ窓理論)

不特定多数の人が集まる場所

西宮女児誘拐事件(2006年)

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大阪教育大学附属池田小事件(2001年)

入りやすい場所

見えにくい場所

見えにくい場所

加古川女児殺害事件(2007年)

入りやすい場所

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見えにくい場所見えにくい場所

1カ所からの視線だけでは弱い∵1カ所のチェックで安心

2カ所以上からの視線が必要∵同時に2カ所のチェックは不可能

見えにくい場所見えにくい場所

見えにくい場所

見えにくい場所

市の防犯モデル地区(週3回のパトロール)・・・

防犯活動のノウハウは提供されていたのか?

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東金女児殺害事件(2008年)

入りやすい場所

見えにくい場所

1カ所からの視線だけでは弱い∵1カ所のチェックで安心

2カ所以上からの視線が必要∵同時に2カ所のチェックは不可能

見えにくい場所

東金事件(2008年)加古川事件(2007年)

地域安全マップづくり目的:危険予測能力を高める。

「入りやすい」「見えにくい」という、犯罪機会論のキーワード(物差し)を駆使できるようにする。

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地域安全マップは普及しているのでは?

作り方を間違えた(無効・有害な)地域安全マップが出回っている。 作り方を間違えた(無効・有害な)

地域安全マップが出回っている。

× 不審者マップ

× 犯罪発生マップ

× 非科学的マップ

地域安全マップづくりの効果

能力開発

被害防止能力

非行防止能力

学力

コミュニケーション能力 +役割分担 =社会性

地域への愛着心 +地域貢献 =市民性

地域安全マップづくりの効果

地域再生

能力開発

被害防止能力

非行防止能力

学力

コミュニケーション能力 +役割分担 =社会性

地域への愛着心 +地域貢献 =市民性

学校、行政、警察、地域団体のパートナーシップ

地域ぐるみのまちづくり(地域社会の問題解決能力)

犯罪機会論

犯罪原因論

犯罪機会を求める(場所を選ぶ)犯罪者への対策

犯罪機会を求めない(場所を選ばない)犯罪者への対策

2段階戦略

犯罪原因論

犯罪機会を求める(場所を選ぶ)犯罪者への対策

犯罪機会を求めない(場所を選ばない)犯罪者への対策

2段階戦略

簡単に防げる犯罪も発生

社会的エネルギーの無駄遣い

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地域安全マップ指導者の養成

犯罪機会論

犯罪原因論

犯罪機会を求める(場所を選ぶ)犯罪者への対策

犯罪機会を求めない(場所を選ばない)犯罪者への対策

捻出した社会的

エネルギー

2段階戦略

地域安全マップの普及

現代型犯罪原因論

危険因子(risk factor)

保護因子(protective factor)

認知障がい、疎外感、飲酒の早期開始、公共物の破壊、家庭内不和、児童虐待、不健全な学校風土、学業不振、中途退学、非行集団への所属、低い地域愛着心、貧困な地域、乱雑な地域環境

社会的適応能力、自尊心、前向きな性格、家族の結束、子育て支援、校則の励行、学校活動への参画、進学支援、建設的な仲間集団への所属、地域活動への参加機会、安全な地域、支えとなる住民の存在

小宮信夫

ありがとうございました。

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小宮信夫 立正大学教授(社会学博士)

本書に関するお問い合わせ◆PHP研究所◆ 〒102-8331 東京都千代田区三番町3番地10

普及一部 TEL 03-3239-6233 FAX 03-3239-6263

ISBN 978-4-569-69196-1定 価 1,365円(税込)PHP研究所発行

名古屋女性拉致殺害事件

川崎通り魔事件

犯人目線に立てば、2つの犯行現場の

4つの共通点が分かる。

犯罪発生前・

犯罪発生後・

予測できた犯罪

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