Co med-cafe-20130701

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Co-med Café Special Event 7/1 2013 「日本の医療教育に足りないものを、被災地医療から考察する」 地域医療の中で、 民間人ができること、できないこと 〜医療を知らないコンサルタントが地域医療に関わってみて〜 気仙広域環境未来都市 コーディネーター NEXt CHANGE co., ltd. CEO / Future Designer 山村 友幸

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Co-med Café Special Event 7/1 2013「日本の医療教育に足りないものを、被災地医療から考察する」

地域医療の中で、民間人ができること、できないこと

〜医療を知らないコンサルタントが地域医療に関わってみて〜

気仙広域環境未来都市 コーディネーター   NEXt  CHANGE  co.,  ltd.  CEO  /  Future  Designer  

 山村 友幸

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自己紹介と業務の概要

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自己紹介

設立目的:被災地を、人間と自然の調和のとれた未来都市として

復興することを自治体・関係機関に提言し実現する  代表理事:宮田秀明(東京大学名誉教授)  

大阪府出身 東京大学法学部卒(2002年)  アクセンチュア、ボストンコンサルティング、  企業再生業務、エグゼクティブコーチ、等を経て現職  気仙広域環境未来都市 医療介護分野コーディネーターとして

2012年5月から気仙地域に移住。現在陸前高田市在住。  株式会社NEXt  CHANGE 代表取締役  

所属団体

略歴

3 ©  NEXt  CHANGE  co.,  ltd.    All  rights  reserved  

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気仙広域環境未来都市の指定(平成23年12月)

プロジェクトマネージャー 宮田秀明

大船渡市長 戸田公明

陸前高田市長 戸羽 太

住田町長 多田欣一

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〜環境未来都市〜国のモデル都市を作る

気仙広域環境未来都市  検討資料から

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2市1町の複合的連携を実現 気仙広域環境未来都市  

検討資料から

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幅広いプロジェクトと日本を代表する企業の参画

プロジェクト コーディネーター

研究会参加企業

A 太陽光発電と

エネルギー

宮田 東北電力、日立製作所、CTC、明電舎、オリックス、NEC、横河電機、社会システムデザイン

B コンパクトシティと

新交通システム

矢野 ホーマック、インデックスコンサルティング、日本自動車研究所、オリックス、NTT Docomo、CTC、横河電機、日立製作所、リマテック

C 農業・水産業の 振興

乗松

田中

日立製作所、SCSK、前川製作所、横河電機、 キューピー、社会システムデザイン、リマテック

D 木造住宅モデル開発

野本 インデックスコンサルティング、森林組合(*)、地元建設業者(*)、リマテック

E 医療・介護 山村 現地医療法人/社会福祉法人等(*)、横河電機、横河医療ソリューションズ、NTT Docomo、CTC、NEC、沖電気、社会システムデザイン

7 (*)調整中

気仙広域環境未来都市  検討資料から

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�  効率的で質の高い医療・介護・福祉サービスの面的展開が図られる。  

�  岩手県のヘルスケアタウンとして(高齢者の住みやすい街)、地域のブランド化が図られる。  

超高齢化社会に対応した

まちと医療・介護・福祉の連携モデル

本事業を推進するメリット  

本事業においては、地域の高齢者の現状調査を行った上で、地域の医療関係者の意思と意欲を最大限に尊重しつつ、以下のような事業を展開する。 • 在宅の生活を支える、訪問医療・介護・リハビリ、リハビリテーション病棟、診療所が連携した医療モデルの設計

• 先進的なICT技術を活用した医療福祉情報ネットワークの設計(遠隔診療/クラウドカルテ/病院業務自動化の推進 等)

• 国内外の先進的な医療福祉の取り組みの調査と評価、及び当地域への応用可能性の検討

平成23年度作業内容  

地域

老人保健施設 小規模多機能

居宅介護事業所 在宅支援 サービス

地域包括 支援センター

居宅介護 支援事業所

こころのケア

医療サービス

有床 診療所

開業医 総合病院

住居 特養 グループ ホーム

訪問サービス

訪問介護 事業所

自宅

多職種 訪問事業所

② 情報システムの構築(クラウドコンピュータ・通信技術)

① 連携モデルの設計と構築 規制緩和の検討

③ まちとの連携 (コミュニティ・雇用・交通など)

歯科 調剤薬局

8

気仙広域環境未来都市  検討資料から

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南三陸エリアの医療体制

9 NEXtCHANGE

県立大船渡病院(人口3万9千人) 病床:一般370床、精神病棟105床、結核病床1

0床、感染症4床 診療科:内科・消化器科・神経内科・呼吸器科・循

環器科・精神科・小児科・外科・整形外科・脳神経外科・皮膚科・泌尿器科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科・放射線科・麻酔科・病理科・リハビリテー

ション科 収支:自治体負担12.4億、赤字3.2億

県立高田病院(仮設)(人口2万人)

診療科:内科・呼吸器科・小児科・外科・眼科・耳鼻咽喉科・整形外科・皮膚科

入院、手術施設なし 収支:自治体負担2.7億、赤字0.8億

県立釜石病院(人口3万9千人) 病床:一般病棟272床

診療科:内科・消化器科・神経内科・呼吸器科・循環器科・小児科・外科・整形外科・脳神経外科・泌

尿器科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科・放射線科・麻酔科 収支:自治体負担4.0億、黒字1.8億

県立住田地域診療センター(人口6千人)

診療科:内科、外科 入院、手術施設なし

気仙沼市立病院(人口6万9千人)

病床:一般447床、感染症4床 診療科:内科・消化器科・心療内科・呼吸器

科・循環器科・小児科・外科・整形外科・脳神経外科・皮膚科・泌尿器科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科・リハビリテーション科・放射線

科・歯科口腔外科 収支:自治体負担4.7億、赤字3.0億

至大槌

現在の南三陸地域の総合病院

9

自治体負担と赤字額の合計は  2市1町で19.1億円  

気仙沼と釜石を加えると29.0億円  (*)調整中

気仙広域環境未来都市  検討資料から

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医療福祉介護に興味を持ったきっかけ①

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デンタルサポート  寒竹郁夫社長  

 小医は病を癒す  中医は人を癒す  大医は国を癒す  

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医療福祉介護に興味を持ったきっかけ②

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北原国際病院  北原茂美  

 医療は情報産業であり  今後の輸出産業である  

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このプロジェクトに”ハマった”理由①

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東京大学大学院  システム創成学科  

宮田秀明    

このプロジェクトは難しいよ  すごい難しい  

だから僕たちがやるんだよ  だって僕たちがやらなかったら  誰もやらないかもしれないだろ  

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医療法人勝久会  全国老人保健施設協会会長  

日本認知症グループホーム協会会長  

木川田典彌    

大切なものは  地域であり尊厳である  

このプロジェクトに”ハマった”理由②

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わかこうかいクリニック院長  全国老人保健施設協会名誉会長  

川合秀治    

ワシが行って  イチ医師として  

働かないかんのやろなあ  

このプロジェクトに”ハマった”理由③

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このプロジェクトに”ハマった”理由④

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復興で  お金と人が集まっていることを活かし  

日本の様々な課題を解決するモデル地域にする    

このテーマで  地域の方々にも希望を持ってもらうとともに  

地域外からも多くの人を呼び寄せ  地域の魅力を再生する

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自身の仕事内容について

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私の具体的な作業内容

コーディネーターなので特に権限がない  自治体と内閣府から人件費をもらってコーディネート活動だけをしている

ü データ分析  ü 全国の事例調査  ü 現地ヒアリング  

リサーチ

ü 議事資料準備  ü 議事運営  ü 議事録・報告書のまとめ  

会議運営

ü メディアリレーション  ü 記事執筆

ü HP作り  PR活動

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地域医療等連携協議会を通じて議論を深めている

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今年度の検討テーマ

医療系人材の誘致・定着・育成

地域の介護力強化  

地域医療情報ネットワーク

まちづくりのガイドライン作り

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規制緩和の活用について

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雑誌ウェッジへの掲載

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さわやか福祉財団のフォーラムでパネリストに

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もともと医療に知識があるわけではない  もちろん医師でもない  

特段の権限もなく  コーディネーションしかしていない  

 しかしうまく行きつつある例として取り上げられる  

 なぜか?

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地域医療を組織論の視点で見ると

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企業経営における組織論の潮流

ピラミッド型情報伝達 ネットワーク型情報伝達

情報技術の進展により “多”対“多” の情報交換が容易になり  企業組織はピラミッド型からネットワーク型へと移行しつつある

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生産性の高い組織の例  (フラクタルなポリエージェントシステム)

出典:高木晴夫(1996)「ネットワーク組織を動かすネットワークリーダーシップ」、慶應経営論集第13巻第3号

全体とパーツの構成が同じであるため  パーツで起こったイノベーションやモチベーションの高まりを全体で共有できる

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地域医療システムのイメージ

異質で複数の意思決定主体からなる、コンフリクトを内包したネットワーク

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やろうとしていること

以前のシステム

ü  全体の方向性が共有されていない  ü  情報のルートが不完全  

目指しているシステム

ü  全体の方向性が共有されている  ü  情報のルートが増えている

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どの合意レベルを目指すか

※:木嶋恭一(1996)「価値観の多様化と交渉」、『シリーズ・社会科学のフロンティア①  マルチメディア時代の人間と社会』を参考に山村作成  

多様な価値観が共存し、それぞれが他を受け入れ  安定が達成されている状態  

アコモデーション

利害や価値観が一点に収束している合意状態  コンセンサス

多様な価値観をもつクラスターが存在しているが、  互いに理解も干渉もしない状態  

ネグレクト

対立・紛争が表面化している状態  コンフリクト

合意レベル

合意状態

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「総論賛成・各論反対」問題への対処

ü  (介護)若い人が来るように条件を改善してほしい  ü  (行政)若い人を介護に取られると産業が弱る  

優先順位の  違い  

(価値観の違い)

「総論賛成・各論反対」が起こる理由

ü  (行政)心のケアの必要性は分かっているが・・・  具現化に向けた  リソースの不足  

ü  (総合病院)もう少し夜間も開業医に見てほしい  ü  (開業医)開業医も高齢化が進み難しい  

利害の取合いに  なる  

対処方法(例)

合意点できる点を  明確にする  

リソースのあると

ころにアプローチ  (住民など)  

問題状態の合意  棚上げ  

組織はそれぞれ違った目的と優先順位で活動しているので説得は無意味  全体にリソースも不足しているので棚上げにせざるを得ない場合も多い  

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※:木嶋恭一(1996)「価値観の多様化と交渉」、『シリーズ・社会科学のフロンティア①  マルチメディア時代の人間と社会』を参考に山村作成  

人による違い

小さい

大きい

1:問題があると  知覚された状況  

2:表現された  問題状況の合意  

3:問題状況にどういった方向性で取組むか  

7:案の実行  

5:モデルと現実世界の比較  

4:改善のモデル案  構築  

6:望ましく実行可能な案の提示  

改善のプロセス 進め方

データを出す  +  

論理的に整理する  

合意できる点を明確にし  

進める  or  

棚上げする  

改善のプロセスと進め方

人によって考え方が違うので、論理だけに頼って議論しても結論は一致しない  話し合いの中で適宜妥協点を出しながらサイクルを回して状況を改善していく  

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僕がやっていることの例    1.  事前リサーチ  2.  争点の整理  3.  現地リサーチ  4.  PR  

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事前リサーチ:地域医療のサービス全体像

医療

日常的急性期対応 トリアージ機能 訪問診療機能

在宅看取り機能 リハ機能

回復期対応

小規模多機能有床診療所

地域

 

老人保健施設 医療・リハ・ステイ・デイケア  ケアマネジメント・教育・研修

地域密着型(小規模多機能) 居宅介護事業所

(少人数ステイ+デイケア)

かかりつけ医機能 トリアージ機能 訪問診療機能

リハ機能 登録医

開業医

歯科診療 訪問機能 口腔ケア

歯科診療所

救命救急 周産期医療 精神科

登録医制病院 教育・研修

総合病院

在宅支援

トリアージ  消防・救急との連携

調剤薬局

ケアマネジメント・介護予防 総合相談・権利擁護

地域包括支援センター  

ケアマネジメント

居宅介護支援事業所  

精神科医師・看護師・心理士・精神保健福祉士

こころのケア  

住まい 特養 ミニ 特養

グループ ホーム

訪問サービス

24時間巡回訪問介護

訪問介護事業所  

自宅

訪問看護ステーション 訪問リハステーション ケアマネジメント

キュアトリアージ

多職種訪問事業所  訪問薬剤指導 訪問栄養指導 24時間対応機能

在宅看取り機能

情報

連携(

通信技術)  

交通手段

)  

33

気仙広域環境未来都市  検討資料から

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事前リサーチ:地域救急医療の論点 市の総合病院による救急体制(被災前) 三次救急を統合したネットワーク体制

メリット

デメリット

ü 二次救急拠点までの搬送時間が短い

ü 三次救急拠点に集中的に投資できる  ü ドクターの確保が容易になる  ü 総合病院赤字総額の縮小

ü 搬送時間が長くなる可能性  ü 地域密着型医療が失われる可能性  

ü 各病院の赤字経営の常態化  ü ドクターの流出の可能性  ü 高度救急医療の欠如

システム

34

気仙広域環境未来都市  検討資料から

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事前リサーチ:在宅を支える診療所と老健の連携例

在宅療養支援診療所千里クリニック    

診療科:内科、循環器科、呼吸器科、小児科、  外科、整形外科  規模:19床、医師4名、看護師15名、薬剤師1名、

介護4名、事務6名  稼働:外来130名、訪問診療105件、HOT10件/日  

老人保健施設いこいの森    

定員:入所100名、通所60名  職員:医師1名、看護師15名、介護46名、理学

療法士6名、作業療法士2名、言語聴覚士1名、

支援相談員4.5名  入退所者数:240名/月  在宅復帰率:66.23%ベッド稼働率:95.35%  通所リハ利用:50名/日訪問リハ:14件/日    

・在宅を中心に考えた診療所と老健の連携  ・医師4名は全て胸部外科医出身  ・通所/入所/訪問診療/訪問看護/訪問リハ  /訪問介護を組み合せて提供  ・住民約2万人のエリアをほぼ全てカバー  ・救急受け入れは昼間のみ

三重県津市の事例

35

気仙広域環境未来都市  検討資料から

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◆年齢:83歳 性別:男性 要介護:5 ADL:B2 認知症:Ⅰ〜Ⅱa  ◆家族構成:老々介護(妻)妻・・・82歳。    認知症はなく自立されているが、腰痛がある。  ◆本人・妻ともに在宅での生活を望まれている。  ◆膀胱留置カテーテルがあり、2週間に1回交換が必要。

事例リサーチ:在宅支援サービスの連携例① 老老介護

日 月 火 水 木 金 土

1 2 3 4 5 6 7

8 9 10 11 12 13 14

15 16 17 18 19 20 21

22 23 24 25 26 27 28

29 30 個別リハビリ

ショートステイ

デイケア

訪問診療

訪問リハビリ

訪問看護

36

気仙広域環境未来都市  検討資料から

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事例リサーチ:在宅支援サービスの連携例② 独居

日 月 火 水 木 金 土

1 2 3 4 5 6 7

8 9 10 11 12 13 14

15 16 17 18 19 20 21

22 23 24 25 26 27 28

29 30

個別リハビリ

ショートステイ

デイケア

◆年齢:93歳 性別:女性 要介護:4 ADL:B1 認知症:Ⅱb  

◆家族構成:独居本人:『自分の家で生活したい』  

長女:『母が望む生活をさせてあげたい』。長女は同じ町内に在住。朝・昼・

晩のヘルパーのいない間の時間と、ヘルパーは20時半に帰ってから就寝

するまでいっしょに過ごす。  

ヘルパー  (朝昼晩各1時間)

37

気仙広域環境未来都市  検討資料から

Page 38: Co med-cafe-20130701

事前リサーチ:2市1町の総人口予測

0  

5,000  

10,000  

15,000  

20,000  

25,000  

30,000  

35,000  

40,000  

45,000  

50,000  

55,000  

60,000  

65,000  

70,000  2012  

2013  

2014  

2015  

2016  

2017  

2018  

2019  

2020  

2021  

2022  

2023  

2024  

2025  

2026  

2027  

2028  

2029  

2030  

2031  

2032  

2033  

2034  

2035  

2036  

2037  

2038  

2039  

2040  

2041  

2042  

2043  

2044  

2045  

2046  

2047  

2048  

2049  

2050  

2市1町総人口予測

0-­‐19   20-­‐64   65-­‐74   75-­‐  

38

気仙広域環境未来都市  検討資料から

Page 39: Co med-cafe-20130701

事前リサーチ:2市1町の65才以上人口予測

0  

2,000  

4,000  

6,000  

8,000  

10,000  

12,000  

14,000  

16,000  

18,000  

20,000  

22,000  

24,000  2012  

2013  

2014  

2015  

2016  

2017  

2018  

2019  

2020  

2021  

2022  

2023  

2024  

2025  

2026  

2027  

2028  

2029  

2030  

2031  

2032  

2033  

2034  

2035  

2036  

2037  

2038  

2039  

2040  

2041  

2042  

2043  

2044  

2045  

2046  

2047  

2048  

2049  

2050  

65才以上人口の推移予測(2市1町集計)

65-­‐69   70-­‐74   75-­‐79   80-­‐84   85-­‐89   90-­‐94   95-­‐  

39

気仙広域環境未来都市  検討資料から

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事前リサーチ:2市1町の75才以上人口予測

0  

2,000  

4,000  

6,000  

8,000  

10,000  

12,000  

14,000  

16,000  2012  

2013  

2014  

2015  

2016  

2017  

2018  

2019  

2020  

2021  

2022  

2023  

2024  

2025  

2026  

2027  

2028  

2029  

2030  

2031  

2032  

2033  

2034  

2035  

2036  

2037  

2038  

2039  

2040  

2041  

2042  

2043  

2044  

2045  

2046  

2047  

2048  

2049  

2050  

75才以上人口の推移予測(2市1町集計)

75-­‐79   80-­‐84   85-­‐89   90-­‐94   95-­‐  

40

気仙広域環境未来都市  検討資料から

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争点の整理:地域カルテ連携に関する議論

カルテ連携が  トレンドらしい

となりの地域でも導入を検討しているそうだ

色々な事例があるがうまく言っていな

いという噂も  

いまいちメリットが  よくわからない

業務負荷が  増えるだけでは?   どんなスケジュールで

誰がリーダーシップを  とればいいのか  

メンテナンス費を  誰が払うの?  

何をどこまで  連携するの?  

確かに情報が  ワンクリックで  見られれば  

助かるとは思うが・・・  

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Page 42: Co med-cafe-20130701

地域カルテ連携に関する議論に使った資料

Ⅰ 連携の範囲をどうするか(段階的導入も含め)

Ⅱ どのような情報を共有するか(連携範囲と同時に議論)

Ⅲ スケジュール(パイロット導入、段階的導入の考え方)

Ⅳ 予算の申請主体・事業の実施主体・情報管理者/運用者

Ⅴ 実行段階で留意すること

①医科連携 ⑤訪問連携

②医科・歯科連携  

③医科・調剤連携

④医療・介護連携

⑥住宅等連携  (見守り・交通など)

⑥訪問情報 ⑦見守り情報など

③歯科

⑤介護

④調剤

①SS-­‐MIX  2

②画像等

①県 ②2市1町 ③各自治体 ④県立病院 ⑤医師会

①住民PR ②導入トレーニング ③情報漏洩 ④継続性

①平成24年度 ②平成25年度 ③平成26年度 ④平成27年度以降

当面はこの範囲を目処

申請主体はここか? サーバは大船渡病院に置くか?

当面はこの範囲を目処

石木先生の取組みの  進捗にあわせ連携

42

気仙広域環境未来都市  検討資料から

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現地リサーチ:介護人材不足について

介護人材が不足している

介護の仕事はきつい  給料を上げるべきだ

給料を上げたら  他の仕事から人が

とられてしまう  

復興業務のため  地域全体で  

人が足りない

地域外から  呼ぶにしても  住居も不足  

人が不足すると  現場が疲弊し  

退職もミスも増える  

地域の中高年を  活用できないかと

は思うが・・・  

高齢化は  どんどん進む  

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介護人材不足に関する議論(職場ヒアリング後)

介護人材が不足している

介護の仕事はきつい  給料を上げるべきだ

給料を上げたら  他の仕事から人がとられてしまう  

復興業務のため  地域全体で  

人が足りない

地域外から  呼ぶにしても  住居も不足  

人が不足すると  現場が疲弊し  

退職もミスも増える  

地域の中高年を  活用できないかとは思うが・・・  

高齢化は  どんどん進む  

特に待遇が悪いとは思わない。水産加工の仕事などはもっとキツい。決まった休みや社会保険があるのは良い

入所者の死に接して仕事の意味が分かる。やりがいを感じるまでには何年もかかる

技術がないと腰を痛める。初期のトレーニングは重要

入ってすぐ辞める人は多い。独特の難しさはあるので、この仕事をやりたいと思って来

る人でなければ続かない

体は疲れる。少し長い有給休暇でも取れればもっと頑張って仕事ができると思う

必ずしも給与の条件を上げる必要はなく、トレーニングの充実や有給の消化  地域ボランティアなどを通じたやりがいのPRを進めることになった  

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介護力確保にWGで合意した資料

地域・家庭の介護力の強化  ・地域住民と介護施設との交流?  

・一般市民に向けたホームヘルパー2級の研修など?  

長く続く人の特徴  ・ボランティアなどで介護経験があり、

やりたいと思っていた人  ・とてもポジティブな人  ・(おそらく)カラダが強い人  

働いている人の要望  ・人材育成 (研修+職場の人間関係)  ・有給の消化 (たまに長期の休暇を)  

入ってくる人    

・高卒無資格  ・専門卒 大卒有資格者  ・仕事をしたい女性  ・(おそらく)仕事が  

なくなった男性  

辞める人      

調査中。ただし必ずしも給与ということではないかもしれない      

45 45

気仙広域環境未来都市  検討資料から

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PR:医師不足・コンビニ受診に関する議論

住民が健康に留意し、もう少し受診を控えて

くれれば・・・

不安だから受診する  受診するなといっても  

不満がたまるだけ

医師の勉強不足  地域との対話不足も  原因の一端だろう  

医療費の削減もしたい  

ジェネリック?  

患者は治る薬を求めて複数の医療機関を受診するが、

生活習慣病は薬だけでは治らない  

医師が住民に注意しても共感は得られないだろう  

保健師の地道な訪問が効果的だが、保健師も被災しており人員不足  

とりあえず、住民が知らなさそうな医療機関側の事情について  地域新聞の紙面を借りてPRしていくことにした  

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【大船渡病院 消化器内科医

のある1日】

大船渡病院の消化器内科は、

医師3名で入院と外来の患者を

診ています。朝7時半に出勤

し、入院患者の状況確認とスタ

ッフへの指示出し。9時から14

時までは外来患者の診察。外来

が終わると内視鏡検査などを行

いつつ、検査の合間時間に担当

する入院患者を診察します。夕

刻以降、カンファレンス、カル

テ入力、書類整理を行い、20〜

21時に帰宅します。この他に、

夜間業務として、それぞれの医

師ごとに、月2〜3回の当直

と、月10日の呼び出し待機(オ

ンコール)があります。

【岩渕内科 岩渕正之先生の

ある1日】

7時半に医院を出て、8時に

綾里の往診先に向かいます。往

診を終えて、9時から12時まで

外来患者の診療。昼休みに末崎

の往診先に訪問し、14時から18

時まで外来患者の診療。19時か

ら21時に、専門医による勉強会

に参加して業務終了です。昼休

みには、産業医を担当する事業

所への訪問や、学校への訪問を

行うこともあります。また、夜

には地域の医療関係の会議が入

ることもあります。もちろん、

患者に急変があった場合には夜

間の往診も行います。

このように、県立病院の医師

と開業医の医師の仕事内容には

大きな違いがあります。県立病

院では複数の医師がチーム体制

で勤務し、日中は外来だけでな

く検査や入院患者の対応にかけ

る時間が長く、かつ夜間の救急

対応をしています。開業医は、

1人で外来をこなしつつ、外来

の合間に往診や事業所・学校な

どの保健活動を行い、夜間には

勉強会や地域の会議への参加な

どを行っています。同じ病院だ

と思って通う方もいらっしゃる

と思いますが、病院の得意分野

を知って受診することで、より

自分にあった医療を受けること

ができます。次回は、医療機関

の役割分担について紹介しま

す。(な

お、ここに取り上げたの

は一例であり、医師によって診

療内容や時間配分は異なりま

す)

高齢化率が全国に比べ進み、医療や福祉に関するニーズが高い気仙地方。医師や介護職不足といった課

題も抱える中、被災により医療・福祉分野を取り巻く状況は大きく変化しました。本連載では従前の課題

解決も視野に新しいまちづくりを進めようという、気仙広域環境未来都市構想の医療・介護・保健・福祉

連携協議会の協力のもと、安心して暮らすことのできる環境づくりの方向性、それに向けて住民ができる

ことを探っていきます。(随時掲載)

1・県立病院医師と開業医

仕事内容の違い││││

医師のある1日のうごき県立病院 開 業 医

7:30…出勤、入院患者状況確、   指示出し9:00~14:00  …外来患者診察以降…検査、入院患者診察、カル   テ入力、書類整理20:00~21:00  …帰宅※月2~3回当直、月10日の呼び 出し待機も(大船渡病院・消化器内科)

7:30……綾里へ往診9:00~12:00   …外来患者診察昼休み…末崎へ往診14:00~18:00   …外来患者診察19:00~21:00  …専門医による勉強会

※担当の学校、事業所訪問、患者急 変時の夜間往診も(岩渕医院・岩渕正之医師)

一口に医師といって

も、勤務先によって仕事

の内容が異なります。

「気仙地域の医療・介

護・保健・福祉を考え

る」連載第1回では、県

立病院の医師と開業医の

1日について実例を紹介

し、仕事内容の違いを考

えてみます。

気仙の医療・介護・保健・福祉を考える気仙の医療・介護・保健・福祉を考える気仙の医療・介護・保健・福祉を考える気仙の医療・介護・保健・福祉を考える気仙の医療・介護・保健・福祉を考える気仙の医療・介護・保健・福祉を考える気仙の医療・介護・保健・福祉を考える気仙の医療・介護・保健・福祉を考える気仙の医療・介護・保健・福祉を考える気仙の医療・介護・保健・福祉を考える気仙の医療・介護・保健・福祉を考える

気仙の医療 1 13/03/28 17:42 ページ 1

47 東海新報から

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現在の到達点

気仙広域環境未来都市

医療・介護・保健・福祉 連携協議会

平成24年度報告書 巻頭の言葉から

 もともと気仙は住民の超高齢化と人口流出

が進む一方で、医療・介護・保健・福祉分野資

源が人的にも物的にも枯渇しつつある状況で

あった。その状況は3.11以後、さらに加速し顕

著となっている。したがって医療・介護・保健・

福祉が連携することによって数少ない資源を

効率的に運用し、住民に益する方策を考えね

ばならない。

 一般社団法人気仙医師会 会長 滝田 有

改善のプロセス

1:問題があると  知覚された状況  

2:表現された  問題状況の合意  

3:問題状況にどういった方向性で取組

むか  

7:案の実行  

5:モデルと現実世界の比較  

4:改善のモデル案  構築  

6:望ましく実行可能な案の提示  

現状認識と問題解決の方向性までは合意されたが、  解決案の詳細化、及び具現化はこれから

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今後の課題

ü これから実行フェーズに入る  ü お金のことや詳細なことが増えてくる  ü 個別の利害対立も出てくる  

実行

ü 復興という危機感は何年も続かない  ü 疲れも出てくるはず

ü モチベーションのエスカレーションを作りたい  

モチベーションの継続  

ü そもそも1人では手が回らない  ü 自分の活動予算はあと3年

ü 地域が地域をより良くするサイクルを回したい  現地化

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自身のスキルが生きていると思うこと

ü 利害の相反する多様な視点の整理  ü 中立な立場からの論点整理  

利害の整理・  論点の明確化

ü 会議で物事を決めて進める技術  ü 会議室のセッティングにもノウハウがある

ファシリテーション・コミュニケーション  

ü データ分析、ヒアリング→ライティング  ü 単に時間があるというだけでも価値がありそう

ヒアリング・  リサーチ

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「よそもの」が関わるメリット

信頼関係がない  or    コンフリクト状態にある

協力すべきとは思うが歴史的経緯がありうまく話ができない  (ささいなことから始まりこじれた夫婦喧嘩のように)  

コンテキストが違い  会話が成立しない

語句の定義や、優先順位が違い、議論が噛み合ない

目の前の仕事が多く  学ぶ時間がない

調査や勉強をしたいがそのための時間がない  

現場が困っていること

ü  個別にヒアリングする ü  会議を開く  ü  対談を企画する  

ü  争点を明らかにする  ü  語句の定義を明確にする ü  メリットデメリットを整理する  

ü  リサーチする  ü  わかりやすい資料を作る  ü  良い講師をつれてくる  

外の人ができること

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自身が恵まれていたなと思うこと

ü 医療の素人だったので聞くしかなかった  ü 実績も狙いもなく、警戒されなかった  

(うさんくさいとは思われた)  

無知・中立

ü 現地の人の連携に向けた意識が強まっている  ü 支援者も来てくれる

ü メディアの関心も呼びやすい

復興  

ü 医師会長は若手で地域を愛する改革派  ü 他にも立派な方が多い

ü 医師は地域の知識階級 話がわかる

地域の方々

ü キーマンと知り合えた  ü 知識のある支援者に助けてもらえた

ü メンバーに恵まれた

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気仙医師会長 滝田有先生(東北大86年卒)

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県立大船渡病院長 伊藤達朗先生(自治医大81年卒)

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自身にはできないなと思う事

ü 個別具体の問題が伝聞からしかわからない

ü 患者や家族と話す機会も限られる  個別のケースに  

入れない

ü 医師・看護師のレベルとかがわからない  ü 費用対効果などは全然コメントできない

医療行為自体が  よくわからない  

ü 病院の中でどういうオペレーションがあるのか  ü 紹介状を見る機会もない

連携パスとかも  わからない  

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まとめ

ü 地域医療は多様な主体から成り立つ  自律分散系のシステム(八百万の神々)  

 ü 地域医療に関わるときは、医療だけでなく、

様々なスキル(特にコミュニケーションスキルとロジカルシンキング)が必要  

ü ただ、医療系の教育や実務の経験がない人間には医療の中身には入りにくい  

ü  「医療のことが分からない人」「他のことを勉強してきた人」の力が役に立つことがあるのではないか  

ü 医師・看護師・薬剤師は地域の希少資源。どれだけ業務をアウトソースするか、外部人材と連携するかということも重要ではないか  

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h&p://www.kesen-­‐conference.jp/

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NEXt  CHANGE  co.,  ltd.    CEO  /  Future  Designer  Tomoyuki  Yamamura  

Blog  :  h&p://next-­‐change.blogspot.jp  Twi&er  :  TomYamamura  

E-­‐mail  :    [email protected]  

もっと知りたい人はいつでも陸前高田にお越しください    

大船渡病院も研修医を募集しています

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自律分散系に関する参考文献

「マルチメディア時代の人間と社会」1995年  日科技連出版社「ネットワークリーダーシップ」1995年  

 → 共に日科技連出版社 絶版 図書館あるいは古本で    「ネットワーク組織を動かすネットワークリーダーシップ」1996年    「個人と組織の結合のための理論的フレームワーク」1996年    

 → 共に高木晴夫教授著 慶應経営論集 ネットで買えます  

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