Cisco 4G LTE ルータ初期セットアップガイド

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本ガイドでは、Cisco 4G LTE ルータ MC7430モデムの4G LTE 回線接続に必要な初期設定を紹介します

この設定が完了すると、ルータは4G LTE 回線に接続可能となります

※4G LTE 回線を、有線WAN回線のバックアップ回線として利用する場合の設定例は、下記リンクをご参照ください

「WAN回線の冗長化設定例:プライマリ回線(フレッツ) + バックアップ回線(4G LTE)」：

https://supportforums.cisco.com/t5/-/-/ta-p/3182857

はじめに


設定フロー

1.モデムのステータス・サービス情報の確認

1-1 ルータにSIMカードを挿入後、SIMカードの情報を確認

1-2 ルータのモデムファームウェアの情報を確認

2.モデムプロファイルの作成

2-1 プロバイダから提供された情報を基に、プロファイルを作成

3.モデムプロファイルの適用

3-1 SIMカードが挿入されているスロットに、モデムプロファイルを適用

3-2 モデムプロファイルの設定を確認

(参考) モデムプロファイルの削除

4.セルラーインターフェイス (IPアドレス等) の設定

4-1 セルラーインターフェイスコンフィグレーションモードに移動

4-2 IPアドレスの自動取得の設定

4-3 Serial Line Internet Protocol (SLIP) カプセル化を指定

4-4 インバンドダイヤルの使用を設定

4-5 ダイヤラストリングの設定

4-6 ダイヤラグループの作成

4-7 ダイヤラリストの作成

5.ルーティングテーブルの設定

5-1 デフォルトルートの設定

6.付録

「Cisco 4G LTE ルータ MC7430モデムキャリアプロビジョニングファイルアップグレード手順」


ルータにSIMカードを挿入し、1分程度で読み込みが完了します

SIMカードの読み込みが完了したら、

“show cellular [セルラーインターフェイス番号] network”

コマンドを使用して、SIMカードの情報を確認できます


Router#show cellular 0 network

Current System Time = Fri May 19 4:57:3 2017

Current Service Status = Normal

Current Service = Packet switched

Current Roaming Status = Home

Network Selection Mode = Automatic

Network = SoftBank

Mobile Country Code (MCC) = 440

Mobile Network Code (MNC) = 20

Packet switch domain(PS) state = Attached

LTE Carrier Aggregation state = Deconfigured

Registration state(EMM) = Registered

EMM Sub State = Normal Service

Tracking Area Code (TAC) = 0123

Cell ID = 01234567

Network SoftBank NTT docomo au

MCC 440 440 440

MNC 20 10 50

1-1

※Cisco 819G/899G シリーズサービス統合型ルータ（ISR）のセルラーインターフェイス番号は「0」を使用します“show ip interface brief”コマンドで確認してください

※本ガイドでは無線通信事業者としてソフトバンク殿を例としております


“show cellular [セルラーインターフェイス番号] hardware”

コマンドを使用して、ルータのモデムファームウェアの情報を確認できます


Router#show cellular 0 hardware

Modem Firmware Version = SWI9X30C_02.20.03.00 r66

Modem Firmware built = 2016/06/30 10:54:05

Hardware Version = 0.2

Device Model ID: MC7430

International Mobile Subscriber Identity (IMSI) = XXXXXXXXXXXXX

International Mobile Equipment Identity (IMEI) = XXXXXXXXXXXXX

Integrated Circuit Card ID (ICCID) = XXXXXXXXXXXXXXX

Mobile Subscriber Integrated Services

Digital Network-Number (MSISDN) = 090XXXXXXXX

Modem Status = Online

Current Modem Temperature = 39 deg C

PRI SKU ID = 9904934, PRI version = 000.007, Carrier = Softbank

OEM PRI version = 000.002

1-2

※本ガイドでは無線通信事業者としてソフトバンク殿を例としております


※注意

ルータのモデムファームウェア上で実行させるPRI(キャリアプロビジョニング)ファイルは、使用するSIMカードの通信事業者用のものに合わせてください

※PRI(キャリアプロビジョニング)ファイルの変更（アップグレード）は、本ガイドの

6. 付録「Cisco 4G LTE ルータ MC7430モデムキャリアプロビジョニングファイルアップグレード手順」

をご参照ください。



“cellular [セルラーインターフェイス番号] lte profile create [プロファイル番号(任意の番号)] [アクセスポイント名] [認証タイプ [ユーザ名 [パスワード]]] [ベアラータイプ]”

コマンドを使用して、プロファイルを作成します

プロバイダから提供された情報を基に設定してください

2.モデムプロファイルの作成

Router#cellular 0 lte profile create 1 cisco.example chap cisco c1sc0 ipv4

※この例では、「プロファイル番号：1（任意）、アクセスポイント名：cisco.example、認証タイプ：CHAP、ユーザ名：cisco、パスワード：c1sc0、ベアラータイプ：ipv4」として設定します※アクセスポイント名、認証タイプ、ユーザ名、パスワード、ベアラータイプの情報はプロバイダから提供されます


2-1


“configue terminal” → “controller cellular [セルラーインターフェイス番号]” →

“lte sim data-profile [プロファイル番号] attach-profile [プロファイル番号] slot [スロット番号]”

コマンドを使用して、プロファイルを適用します


Router#configure terminal

Router(config)#controller cellular 0

Router(config-controller)#lte sim data-profile 1 attach-profile 1 slot 0

※“data-profile”コマンドは、SIMに関連付けられたデータプロファイルを指定します“attach-profile”コマンドは、SIMに関連付けられた接続プロファイルを指定しますキャリア固有の接続プロファイルを基に、[2-1]で別途、プロファイルを作成します接続プロファイルの詳細が通信事業者によって提供されていない、または通信事業者に関連していない場合は、データプロファイルと同じ番号を指定してください

※この例では、スロット0（slot 0 ：SIMカードが挿入されているスロット）に、データプロファイル：プロファイル１、接続プロファイル：プロファイル１を適用しています

3-1

例：C899Gの前面

スロット０



“end (特権モードに移動します)”→

“show cellular [セルラーインターフェイス番号] profile”

コマンドを使用して、プロファイルの設定内容を確認します


Router(config-controller)#end

Router#show cellular 0 profile

Profile 1 = INACTIVE* **

--------

PDP Type = IPv4

Access Point Name (APN) = cisco.example

Authentication = CHAP

Username: cisco

Password: c1sc0

……（省略）……* - Default profile

** - LTE attach profile

Configured default profile for active SIM 0 is profile 1.

Profile 1(プロファイル１) のステータスの情報* の意味：「3-1」の “data-profile”コマンドで指定したプロファイル** の意味：「3-1」の “attach-profile”コマンドで指定したプロファイル

「2-1」のコマンドで作成されたプロファイルの情報

3-2

「3-1」のコマンドで適用されたプロファイル/スロット（SIM 0 = slot 0）の説明


“cellular [セルラーインターフェイス番号] lte profile delete [プロファイル番号(任意の番号)]”

コマンドを使用して、プロファイルを削除します

（参考）プロファイルの削除

Router#cellular 0 lte profile delete 2

Profile 2 will be deleted

Are you sure? [confirm]


Enterキー

※プロファイル１は、デフォルトプロファイルのため削除できません



“configue terminal” → “interface cellular [セルラーインターフェイス番号]”

コマンドを使用して、セルラーインターフェイスコンフィグレーションモードに移動します

“ip address negotiated”

コマンドを使用して、IPアドレスを自動取得するように設定します

Router(config)#interface cellular 0

Router(config-if)#

Router(config-if)#ip address negotiated

4-1

4-2



“encapsulation slip”

コマンドを使用して、Serial Line Internet Protocol (SLIP) カプセル化を指定します

“dialer in-band”

コマンドを使用して、インバンドダイヤルを使用するように設定します

“dialer string [ダイヤラストリング]”

コマンドを使用して、ダイヤルする番号または文字列を指定します

Router(config-if)#encapsulation slip

Router(config-if)#dialer in-band

Router(config-if)#dialer string lte

※ 「chat-script lte “” “AT!CALL” TIMEOUT 20 “OK“」コマンドがデフォルトで設定済みのため、lteを [ダイヤラストリング] として入力します

4-3

4-4

4-5



“dialer-group [ダイヤラリスト番号]”

コマンドを使用して、ダイヤラグループを作成します

※ 「4-7」で作成する dialer-list 1 のリスト番号１と[ダイヤラリスト番号]を紐付けます。

“exit”（グローバルコンフィグレーションモードに移動します）→

“dialer-list [ダイヤラリスト番号] protocol ip permit”

コマンドを使用して、ダイヤラリストを作成します

Router(config-if)#dialer-group 1

Router(config)#dialer-list 1 protocol ip permit

4-6

4-7


5.ルーティングテーブルの設定

“ip route [IPアドレス] [サブネットマスク] [インターフェイス名]”

コマンドを使用して、デフォルトルートを設定します

※この例では、セルラーインターフェイスをデフォルトルートとして設定します。

4G LTE 回線を、有線WAN回線のバックアップ回線として利用する場合の設定例は、下記リンクをご参照ください。

「WAN回線の冗長化設定例:プライマリ回線(フレッツ) + バックアップ回線(4G LTE)」

https://supportforums.cisco.com/t5/-/-/ta-p/3182857

Router(config)#ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 cellular 0

5-1


6.付録

Cisco 4G LTE ルータ MC7430モデム

キャリアプロビジョニングファイルアップグレード手順


Cisco 4G LTE ルータのワイヤレスWAN 74XX セルラーインターフェイス（MC74XX モデム）は、使用する通信事業者の回線によって、対応するキャリアプロビジョニングファイル（モデムファームウェアの一部）が異なります。

したがって、キャリアプロビジョニングファイルのアップグレードが必要な場合があります。下記手順に従ってください。

① 実行中のモデムファームウェアの情報を確認

②-A キャリアプロビジョニングファイルのアップグレード

②-B モデムファームウェアとキャリアプロビジョニングファイルの一括アップグレード

はじめに


“show cellular [セルラーインターフェイス] hardware” コマンドを使用して、モデムファームウェアの情報を確認してください

バージョン02.20.03モデムファームウェア、Softbank用キャリアプロビジョニングファイルが実行中であることが確認できます。この場合、ソフトバンクのSIMカードが接続可能です

① 実行中のモデムファームウェアの情報を確認


Modem Firmware Version = SWI9X30C_02.20.03.00






Integrated Circuit Card ID (ICCID) = XXXXXXXXXXXXXXXX





PRI SKU ID = 1102644, PRI version = 000.007, Carrier = Softbank



下記リンクより、実行中のモデムファームウェアと同じバージョン（「1. 実行中のモデムファームウェアの情報を確認」を参照）のキャリアプロビジョニングファイルをダウンロードしてください

（最新バージョン02.20.03 : 2017/9 現在）

ダウンロードするファイルについては下記の表をご参照ください

https://software.cisco.com/download/release.html?mdfid=286311416&flowid=81062&softwareid=284285628&release=02.20.03&relind=AVAI

LABLE&rellifecycle=&reltype=latest（CCOアカウント必要）

表（バージョン02.20.03の場合）

モデムファームウェアとキャリアプロビジョニングファイルの両方をアップグレードしたい場合は、後述の「2-B. モデムファームウェアとキャリアプロビジョニングファイルの一括アップグレード」をご参照ください

②-A キャリアプロビジョニングファイルのアップグレード

ファイル種別ダウンロードするファイル名

NTT ドコモ用 7430_02.20.03.00_DoCoMo_001.001_000.nvu

KDDI 用 7430_02.20.03.00_KDDI_000.008_000.nvu

ソフトバンク用 7430_02.20.03.00_Softbank_000.007_000.nvu

②-A-1

https://software.cisco.com/download/release.html?mdfid=286311416&flowid=81062&softwareid=284285628&release=02.20.03&relind=AVAILABLE&rellifecycle=&reltype=latest


Router#mkdir flash:Package_02.20.03.00_KDDI_002.020_000

Create directory filename [Package_02.20.03.00_KDDI_002.020_000]?

Created dir flash:/Package_02.20.03.00_KDDI_002.020_000

“mkdir flash:[ディレクトリ名]” コマンドを使用して、ルータのフラッシュにディレクトリを作成してください（Package_02.20.03.00_KDDI_002.020_000 という名前のディレクトリを作成）

※作成したディレクトリの配下にサブディレクトリを作成しないでくださいアップグレードに失敗する可能性があります

作成したディレクトリにダウンロードしたキャリアプロビジョニングファイルをコピーしてください

（ファイルをTFTPサーバからコピーする場合）

Router#copy tftp: flash:/Package_02.20.03.00_KDDI_002.020_000

Address or name of remote host []?

Source filename []?

Destination filename

[/Package_02.20.03.00_KDDI_002.020_000/7430_02.20.03.00_KDDI_000.008_000.nvu]?

Accessing tftp://10.10.10.1/7430_02.20.03.00_KDDI_000.008_000.nvu...

Enterキー

Enterキー

ダウンロードしたファイル名 “7430_02.20.03.00_KDDI_000.008_000.nvu” を入力

TFTPサーバのIPアドレスを入力

②-A キャリアプロビジョニングファイルのアップグレード②-A-2

②-A-3


“microcode reload cellular 0 [セルラーインターフェイス番号] modem-provision flash:[ディレクトリ番号]” コマンドを使用して、モデムファームウェアアップグレードプロセスを開始します

※モデムファームウェアのアップグレードの際、ルータは再起動します設定内容の保存を確認してください

5分ほど経ちアップグレードが正常に終了すると、下記のログが表示されます

Router#microcode reload cellular 0 0 modem-provision

flash:Package_02.20.03.00_KDDI_002.020_000

Reload microcode? [confirm]

Log status of firmware download in router flash system?[confirm]

Firmware download status will be logged in flash:/fwlogfile

Could not create Log file. tky1-k02-asr9001-02 10.71.140.89:2013

flash: may not be installed or maybe full. Continue?[confirm]

Microcode Reload Process launched for Cellular 287435292; hw type = 0x6F3

F/W Upgrade: Firmware Upgrade has Completed Successfully

EnterキーEnterキー

Enterキー


②-A-5


“show cellular [セルラーインターフェイス番号] hardware” コマンドを使用して、アップグレード後のモデムファームウェアの情報を確認してください

KDDI用キャリアプロビジョニングファイルが動作中であることが確認できます













PRI SKU ID = 1102644, PRI version = 000.008, Carrier = KDDI


アップグレード完了



下記リンクより、同じバージョンのモデムファームウェアとキャリアプロビジョニングファイルをダウンロードしてください（最新バージョン02.20.03 : 2017/9 現在）

ダウンロードするファイルについては下記の表をご参照ください

https://software.cisco.com/download/release.html?mdfid=286311416&flowid=81062&softwareid=284285628&release=02.20.03&relind=AVAI

LABLE&rellifecycle=&reltype=latest（CCOアカウント必要）

表（バージョン02.20.03の場合）

②-B モデムファームウェアとキャリアプロビジョニングファイルの一括アップグレード

ファイル種別ダウンロードするファイル名

モデムファームウェア（共通） 74XX_02.20.03.00.cwe

NTT docomo 用 7430_02.20.03.00_DoCoMo_001.001_000.nvu

KDDI 用 7430_02.20.03.00_KDDI_000.008_000.nvu

Softbank 用 7430_02.20.03.00_Softbank_000.007_000.nvu

②-B-1

https://software.cisco.com/download/release.html?mdfid=286311416&flowid=81062&softwareid=284285628&release=02.20.03&relind=AVAILABLE&rellifecycle=&reltype=latest


“mkdir flash:[ディレクトリ名]” コマンドを使用して、ルータのフラッシュにディレクトリを作成してください（Package_02.20.03.00_KDDI_002.020_000 という名前のディレクトリを作成）

※作成したディレクトリの配下にサブディレクトリを作成しないでくださいアップグレードに失敗する可能性があります

作成したディレクトリにダウンロードしたモデムファームウェアファイルとキャリアプロビジョニングファイルをコピーしてください

（ファイルをTFTPサーバからコピーする場合）

Router#mkdir flash:Package_02.20.03.00_KDDI_002.020_000

Create directory filename [Package_02.20.03.00_KDDI_002.020_000]?

Created dir flash:/Package_02.20.03.00_KDDI_002.020_000

Router#copy tftp: flash:/Package_02.20.03.00_KDDI_002.020_000

Address or name of remote host []?

Source filename []?

Destination filename [/Package_02.20.03.00_KDDI_002.020_000/7430_02.20.03.00_KDDI_000.008_000.nvu]?

Accessing tftp://10.10.10.1/7430_02.20.03.00_KDDI_000.008_000.nvu...

Enterキー

Enterキー

ダウンロードしたファイル名 “74XX_02.20.03.00.cwe” / “7430_02.20.03.00_KDDI_000.008_000.nvu” を入力

TFTPサーバのIPアドレスを入力

②-B モデムファームウェアとキャリアプロビジョニングファイルの一括アップグレード②-B-2

②-B-3


“microcode reload cellular 0 [セルラーインターフェイス番号] modem-provision flash:[ディレクトリ番号]” コマンドを使用して、モデムファームウェアアップグレードプロセスを開始します

※モデムファームウェアのアップグレードの際、ルータは再起動します設定内容の保存を確認してください

5分ほど経ちアップグレードが正常に終了すると、下記のログが表示されます

Router#microcode reload cellular 0 0 modem-provision

flash:Package_02.20.03.00_KDDI_002.020_000

Reload microcode? [confirm]

Log status of firmware download in router flash system?[confirm]

Firmware download status will be logged in flash:/fwlogfile

Could not create Log file. tky1-k02-asr9001-02 10.71.140.89:2013

flash: may not be installed or maybe full. Continue?[confirm]

Microcode Reload Process launched for Cellular 287435292; hw type = 0x6F3

F/W Upgrade: Firmware Upgrade has Completed Successfully

Enterキー

Enterキー

Enterキー


②-B-5


“show cellular [セルラーインターフェイス番号] hardware” コマンドを使用して、アップグレード後のモデムファームウェアの情報を確認してください

KDDI用キャリアプロビジョニングファイルが動作中であることが確認できます

一括アップグレード完了














PRI SKU ID = 1102644, PRI version = 000.008, Carrier = KDDI


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