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現場のラボ化のための PDR と物流 PDR チャレンジ 蔵田 武志 12 一刈 良介 1 明官 達郎 12 霜村 12 興梠 正克 1 克彦 3 河口 信夫 4 1 産業技術総合研究所 305-8560 茨城県つくば市梅園 1-1-1 2 筑波大学 305-8577 茨城県つくば市天王台 1-1-1 3 愛知工業大学 470-0392 愛知県豊田市八草町八千草 1247 4 名古屋大学 464-8601 名古屋市千種区不老町 E-mail: [email protected] あらまし 「現場のラボ化」は,仮説・検証を繰り返し行うといった従来はラボでしかできなかった方法論を, 実際の現場に持ち込もうとするものである.G 空間コンピューティングと IoT との境界領域に位置づけられる「G 空間 IoT」技術による行動変容及び現場環境の網羅的な把握(サービス観測)と,AR 情報支援等による行動変容の ための「介入」がその実現の要となる.本稿では,サービス観測のための PDRPedestrian Dead Reckoning)やハイ ブリッド測位技術とそれらの実サービス観測への応用,さらに,物流倉庫ピッキング作業を対象とした PDR コンペ ティションである「物流 PDR チャレンジ」の準備状況について紹介する. キーワード G 空間 IoTPDR,現場のラボ化,物流,ベンチマーキング, IPIN 2017 PDR for Lab-forming Field and PDR Challenge in Warehouse Picking Takeshi Kurata 12 , Ryosuke Ichikari 1 , Tatsuro Myokan 12 , Ryo Shimomura 12 , Masakatsu Kourogi 1 , Katsuhiko Kaji 3 , and Nobuo Kawaguchi 4 1 AIST 1-1-1 Umezono, Tsukuba, Ibaraki, 305-8560 Japan 2 University of Tsukuba 1-1-1 Tennodai, Tsukuba, Ibaraki, 305-8577 Japan 3 Aichi Institute of Technology 1247 Yachigusa, Yakusa Cho, Toyota City, Aichi, 470-0392 Japan 4 Nagoya University Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya, Aichi, 464-8601 Japan E-mail: [email protected] Abstract “Lab-forming Field” is a methodology that repeatedly conducts hypothesis verification, and is to bring the methodology, which used to be practical only in laboratories, into actual fields. The key factors to realize it is service observation which is to comprehensively grasp behavior transition and field environments with G-IoT (Geospatial Internet of Things) technologies which is in interdiscipline between geospatial computing and IoT, and with intervention for behavior transition such as AR information support. This paper overviews indoor positioning technologies such as PDR (Pedestrian Dead Reckoning) and hybrid positioning for service observation, the application to actual service observation, and the preparation progress of “PDR Challenge in Warehouse Picking” which is a PDR performance competition targeting warehouse picking work. Keyword G-IoT, PDR, Lab-forming Field, Logistics, Benchmarking, IPIN 2017 1. はじめに IoT Internet of Things )と人工知能との融合により, 産業や日常生活が大きく変わろうとしている.実世界 の情報が網羅的に取得されるようになるということが IoT のインパクトの1つであるが,その中でも位置や 地理空間についての情報,いわゆる G 空間情報 [1] は, 様々な応用分野にとって基盤的な価値を持つ. G 空間 情報の取得や活用のための技術や概念として,屋内外 測位や実世界モデリング(3次元モデリングや SLAM Simultaneous Localization And Mapping )を含む), MARMR(複合現実)及び AR(拡張現実))等があ

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現場のラボ化のための PDR と物流 PDR チャレンジ

蔵田 武志 12 一刈 良介 1 明官 達郎 12 霜村 瞭 12 興梠 正克 1 梶 克彦 3 河口 信夫 4

1産業技術総合研究所 〒305-8560 茨城県つくば市梅園 1-1-1

2筑波大学 〒305-8577 茨城県つくば市天王台 1-1-1

3愛知工業大学 〒470-0392 愛知県豊田市八草町八千草 1247

4名古屋大学 〒464-8601 名古屋市千種区不老町

E-mail: [email protected]

あらまし 「現場のラボ化」は,仮説・検証を繰り返し行うといった従来はラボでしかできなかった方法論を,

実際の現場に持ち込もうとするものである.G 空間コンピューティングと IoT との境界領域に位置づけられる「G

空間 IoT」技術による行動変容及び現場環境の網羅的な把握(サービス観測)と,AR 情報支援等による行動変容の

ための「介入」がその実現の要となる.本稿では,サービス観測のための PDR(Pedestrian Dead Reckoning)やハイ

ブリッド測位技術とそれらの実サービス観測への応用,さらに,物流倉庫ピッキング作業を対象とした PDR コンペ

ティションである「物流 PDR チャレンジ」の準備状況について紹介する.

キーワード G 空間 IoT,PDR,現場のラボ化,物流,ベンチマーキング, IPIN 2017

PDR for Lab-forming Field and PDR Challenge in Warehouse Picking

Takeshi Kurata12, Ryosuke Ichikari1, Tatsuro Myokan12, Ryo Shimomura12, Masakatsu Kourogi1,

Katsuhiko Kaji3, and Nobuo Kawaguchi4

1AIST 1-1-1 Umezono, Tsukuba, Ibaraki, 305-8560 Japan

2University of Tsukuba 1-1-1 Tennodai, Tsukuba, Ibaraki, 305-8577 Japan

3Aichi Institute of Technology 1247 Yachigusa, Yakusa Cho, Toyota City, Aichi, 470-0392 Japan

4Nagoya University Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya, Aichi, 464-8601 Japan

E-mail: [email protected]

Abstract “Lab-forming Field” is a methodology that repeatedly conducts hypothesis verification, and is to bring the

methodology, which used to be practical only in laboratories, into actual fields. The key factors to realize it is service

observation which is to comprehensively grasp behavior transition and field environments with G-IoT (Geospatial Internet of

Things) technologies which is in interdiscipline between geospatial computing and IoT, and with intervention for behavior

transition such as AR information support. This paper overviews indoor positioning technologies such as PDR (Pedestrian

Dead Reckoning) and hybrid positioning for service observation, the application to actual service observation, and the

preparation progress of “PDR Challenge in Warehouse Picking” which is a PDR performance competition targeting warehouse

picking work.

Keyword G-IoT, PDR, Lab-forming Field, Logistics, Benchmarking, IPIN 2017

1. はじめに IoT( Internet of Things)と人工知能との融合により,

産業や日常生活が大きく変わろうとしている.実世界

の情報が網羅的に取得されるようになるということが

IoT のインパクトの1つであるが,その中でも位置や

地理空間についての情報,いわゆる G 空間情報 [1]は,

様々な応用分野にとって基盤的な価値を持つ.G 空間

情報の取得や活用のための技術や概念として,屋内外

測位や実世界モデリング(3次元モデリングや SLAM

(Simultaneous Localization And Mapping)を含む),

MAR(MR(複合現実)及び AR(拡張現実))等があ

goto
タイプライターテキスト
HCGHCGシンポジウム2016論文集, 電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーショングループ, pp.29-36 (2016)
goto
タイプライターテキスト
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る [2].筆者らはそれを「G 空間コンピューティング」

と呼ぶと共に,その G 空間コンピューティングと IoT

との境界領域を「G 空間 IoT」と呼んでいる.

G 空間 IoT の有望な適用分野としてサービス工学分

野がある.図1は,人間中心の共創支援のためのサー

ビス工学基盤と,サービスの最適設計ループ(観測・

分析・設計・適用)[3]の各フェイズに対応する技術を

示している.このようにサービス現場で顧客や従業員

の行動や環境・場を計測し,現状把握や改善活動支援,

改善案や新サービスの事前評価等に活用するといった

「測って図る」という考え方は,サービス工学の根幹

となるものであるが, IoT,インダストリー4.0,もし

くはソサイエティ 5.0 社会の到来により,必要不可欠

かつごく当たり前になっていくと考えられる.

2. 現場のラボ化 「測って図る」には,「現場のラボ化」(Lab-forming

Field)と「ラボの現場化」(Field-forming Lab)という

2通りの実現方法があると考えられる.「現場のラボ

化」,「ラボの現場化」と,各技術分野の関係を図2に

示す.なお,本稿ではこれ以上は触れないが,「ラボの

現場化」は,再現性の高いバーチャル環境の構築・提

供等により,実現場とのかい離を可能な限り小さく

することで,ラボでの実験(仮説・検証)で得られる

知見と,現場で実際に得られるはずの知見とを近づけ

ていこうとするものである [4][5].

一方,「現場のラボ化」は,仮説・検証を繰り返し

行うといった従来はラボでしかできなかった方法論を,

実際の現場に持ち込もうとするものである.このよう

なアプローチは,G 空間 IoT をはじめとする各 IoT 技

術でヒトやモノ,環境を計測,モデル化し,実際のサ

ービス現場を網羅的・継続的にに把握すること,並び

に AR を用いた情報支援等により現場に「介入」する

ことによりはじめて実現することができるようになる.

このように,「現場のラボ化」に必要となる技術や

情報は多岐に渡るが,特に欠かせないものとして顧客

や従業員の屋内行動計測に基づくサービス観測 [6]が

あげられる.次節からは,まず,図3に示すように興

梠・蔵田らが 2000 年前後から研究開発を進めている

PDR(Pedestrian Dead Reckoning,歩行者デッドレコニ

ング,歩行者用相対測位) [7][8][9]と,PDR を用いた

ハイブリッド測位 [10][11]について概説する.その後,

日本食レストランでの CSQCC(Computer Supported

Quality Control Circle) [12],ならびに物流倉庫のピッ

キング作業の改善案事前評価 [13]に関する事例を紹介

し,最後に,物流倉庫ピッキング作業を対象とした

PDR コンペティションである「物流 PDR チャレンジ」

図1 人間中心の共創支援のための

サービス工学基盤

図2 「現場のラボ化」と「ラボの現場化」

図3 興梠・蔵田らの PDR 開発の流れ

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の準備状況について報告する.

3. PDR 加速度,磁気,角速度の各物理量の3軸成分を計測

するためのセンサー群をまとめて 9 軸センサーと呼ぶ

ことがある.PDR は,この9軸センサーの計測値を情

報源として歩行者の移動速度と移動方向を推定するこ

とにより相対測位を行うが,主に,3 次元位置を推定

する INS( Inertial Navigation System)型の手法と,2

次元位置を推定する SHS(Steps and Heading System)

型の手法の2つに分類される [14].

前者の INS 型の手法 [15]は,個々人の歩き方に依存

せず精度の高い 3 次元測位が可能である.ただし,加

速度の二重積分に基づく手法であるため,校正がしや

すく感度の良い加速度センサーが必要であるほか,9

軸センサーの装着位置は,原則的に,ゼロ速度更新

(ZUPT: Zero Velocity Update)を可能とする足先・靴

等に限られてしまうという制約もある.

興梠・蔵田らは主に後者の SHS 型の PDR[7][8][9][16]

について研究を進めてきた. SHS 型の手法は主に,

(1)姿勢(方位)角の推定,(2)進行方向の推定,

(3)歩行動作検出と歩行速度(歩幅)の推定,から

構成され, INS 型の手法と比べて,9軸センサーの装

着位置や加速度センサーの校正に対する制約が少ない

という利点がある.一方,装着位置についての制約は,

INS 型よりは少ないものの,9軸センサーを腰部や胸

部に固定して装着した状態で計測する,もしくは,9

軸センサーを内蔵するスマートフォンを手に保持し,

その画面を見続けながら歩くとなど,安定した保持状

態で計測する,といった制約は存在していた.

特に近年のスマートフォンの普及により,装着・保

持状態に対するさらなる制約の緩和が強く求められて

いる.(2)の進行方向の推定は,この装着・保持状態

の制約の緩和に必要不可欠な技術であり,主に,(A)

加速度振幅の主成分分析に基づく方法,(B)前方・側

方の加速度パターンのモデル化に基づく手法,(C)慣

性 セ ン サ ー デ ー タ の 周 波 数 解 析 ( FIS: Frequency

analysis of Inertial Signals)に基づく手法 [9]等が提案さ

れている.これらを比較評価した研究報告 [17]による

と,(C)の FIS 法が他の手法と比べて全般的に良い評

価結果を得たと結論付けている.

SHS 型 PDR には,計測範囲が地図やフロアプランに

含まれる地面や床上のみ,つまり,高さ方向の推定は

地図やフロアプラン上の 2 次元位置に限られるという

制約もある.ただし,顧客や従業員の位置情報で必要

とされる高さ情報としては,実用上,どの階にいるか

がわかれば十分であることの方が多く,この制約はあ

まり問題にはならない.気圧センサーの普及や高精度

化と共に,9軸センサーに気圧センサーを含めた通称

10軸センサーも普及し始めている.この10軸セン

サーを用いて,上下方向の移動を計測しようとする試

みもなされている [18].

他の多くの測位手段では,得られる測位結果が1点,

1点を測位した結果の集合であるのに対して,PDR で

は連続した軌跡が得られる.その軌跡の形自体や変位

(速度や角度の変化)に被計測者の動きの特徴が含ま

れており,運動の種類や大きさも計測可能である [19].

このように,PDR は測位手段というよりも,行動を計

測するための手段として捉えた方が適切な場合もある.

4. ハイブリッド測位 SHS 型 PDR の構成要素のうち,(3)の歩行動作検

出と歩行速度の推定を高精度化するには個々人の歩き

方を学習する必要がある.また,そもそも PDR は自蔵

航法の一種であると共に相対測位手段であるため,誤

差の蓄積の抑制や絶対位置情報の取得が必要となる.

そのため,他の測位手段との統合(ハイブリッド測位)

により,それらの問題を軽減していくことが求められ

る.

一方,多くの屋内向けの絶対測位手段は,計測場所

を広げるために電波や音波,光等を送信または受信す

るための物理的なインフラを設置・維持する,もしく

は物理的なインフラに関するデータ(ID,信号強度

等)や,実環境の形状(地図)や見た目(画像)に関

するデータ等のいわゆる情報インフラを継続的に整備

することによって機能するようになる.実際の屋内の

サービス現場に絶対測位手段を導入する際,そのよう

な物理・情報インフラ整備コストが導入障壁となり,

具体的に費用対効果を問われることが多い.屋内測位

の導入は,「測って図る」,「現場のラボ化」の根幹の1

つであり, IoT 的な考え方の普及によりその理解も進

んでいるが,未だにその導入効果を金銭的価値(のみ)

図4 PDR と絶対測位インフラを用いた

ハイブリッド測位手法の概略

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で示なさければならない場合もある.

このような状況を,ノーベル経済学賞受賞者 R.

Solow 氏起源の生産性パラドックス議論になぞらえて,

筆者らは「屋内測位パラドックス」もしくは「屋内測

位のジレンマ」と呼んでいるが,屋外での衛星測位の

活用の際には起こらないこのパラドックスやジレンマ

は,PDR の特性を活用することによって緩和していく

ことができる.その最たる例は,ドコモ地図ナビ [20]

の屋内ナビゲーションである.9軸もしくは10軸

PDR と地図(ネットワークデータ),さらにユーザー

とのインタラクションを活用することで,物理インフ

ラ整備を待たずに広範囲のサービス提供を可能とした.

実際,サービス開始から 1 年強(2016 年 7 月現在)で,

地下街や地下鉄構内など,全国約 460 ヶ所の屋内地図

で屋内ナビゲーションを利用可能としている.

一刈・張・蔵田らが開発している PDR と絶対測位イ

ンフラを用いたハイブリッド測位技術 [11]の概略を図

4に示す.ここで,「高精度測位 w/ID」は被計測者 ID

付きの高精度測位,具体的には UWB や超音波ベース

の測位手段を示し,「高精度測位 w/oID」は設置型の監

視カメラ [10]や RGB-D(Depth)カメラ [21],LRF(Laser

Range Finder) [22]等を用いた被計測者 ID 無しの高精

度測位手段を示している.

多くの絶対測位手段では,測位結果を連続的,継続

的に得ることが難しい場合が多く,また,それを実現

しようとすればするほど,前述の物理・情報インフラ

整備コストが高くなってしまう.この図に示す「ミド

ルレイヤー」では,各測位手段により得られる断続的

な測位結果を仮想的に連続的な結果に変換するための

処理が行われる.これは,時系列方向の部分最適化を

実現するために設計されたものである.

5. CSQCC 本節と次節では,測位データ及び業務データを用い

た業務改善支援に関するケーススタディについて簡潔

に触れる.

蔵田らの研究グループは,がんこフードサービス社

が運営する日本食レストランでの接客係の CSQCC に

関する実証を数年にわたり断続的に実施してきた.い

ずれの年も測位等の行動計測データと POS(Point Of

Sales)データを組み合わせて分析を進めた.

2011 年 1~2 月に初めて実施した CSQCC[6]において

は,「夜の時間帯の接客時間を増やそう」という目標を

立てた.結果として,歩行距離(労働負荷)を維持し

たまま目標を達成すると共に,追加注文増加等の波及

的な成果も得ることができた.なお,接客時間を直接

計測することは困難であったため,客席エリア滞在時

間を,接客時間を近似する指標として用いた.

2012 年 1~2 月に実施した2回目の CSQCC[12]におい

ては,さらに接客時間を増やしつつ,前年においては

維持に留まった歩行距離を減らすことを目標とした.

そのための対策として,各接客係が担当する持ち場に

それぞれできるだけ専念することとした.以前から持

ち場は存在していたが,その徹底が十分ではなかった.

その徹底の効果がどのように出るかの確認ができるこ

とや,持ち場を守ることにより長距離歩行が減り,全

図5 収集したデータから推定される

個人スキルとチームワーク

図6 持ち場専念率と持ち場守備率に関する

改善前後の比較

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体としても歩行距離(労働負荷)を減らせるという仮

説を検証できることが,この目標設定の主要なモチベ

ーションであった.

結果として,目標通り,歩行距離を減少させること

ができた.一方で,接客時間(客席エリア滞在時間)

を増加させることはできなかった.推測の域を出ない

が,前年の CSQCC で増加した接客時間が定着し,さ

らなる向上が困難な状況であったのかもしれない.な

お,改善効果の定着を確認することも QC 活動の重要

な役割の1つである.

CSQQC の活動の後,「持ち場専念率」と「持ち場守

備率」という指標を設計し,それら2軸により構成さ

れる四象限の各象限にスキルレベルを配置し,スキル

を定量的に把握できるかについて検討した(図5).

第 I 象限の「目的意識欠如型」は,専念率も守備率

も共に低い状態である.これは持ち場の注文を取れて

おらず,なおかつ,持ち場以外の注文を取っている状

態であり,持ち場を守るという目的意識が共有できて

いない状態だと言える.このスキルレベルの接客係に

は適切な方向付けが必要である.

第 II 象限の「手一杯型」とは,専念率は高いが守備

率は低い状態である.これは持ち場で発生した注文を

取ろうと努力しているが,実際には処理能力を超えて

いる状態である.このスキルレベルの接客係には,注

文処理能力の向上や他の接客係からのサポートが必要

である.

第 III 象限の「きっちり型」は,専念率も守備率も

共に高い状態である.これは,自分の持ち場の注文は

漏れなく取ることができている状態である.一方で,

この状態は他のエリアの注文まで積極的に取りに行か

ない,もしくは行けない状態をも表している.

第 IV 象限の「ベテラン型」は,専念率は低いが守

備率が高い状態である.これは,自身の持ち場を守れ

ていて,なおかつ,他の持ち場のサポートにも入るこ

とができている状態である.

POS データから各接客係のスキルレベルを算出し,

改善前後でマッピングした(図6).この図が示すよう

に,改善後では接客係のスキルレベルが「きっちり型」

に集まる結果となった.これは,「目的意識欠如型」や

「手一杯型」だった接客係が持ち場に専念し発注を取

ることに努めたからだと言える.また,図6は,「ベテ

ラン型」のスキルが下がったということを示している

のではなく,「ベテラン型」が他の接客係をサポートす

る必要がなくなり余力を持って働けていたことを示す.

その意味で,今回導入した「持ち場専念率」と「持ち

場守備率」は,常に個人スキルのキャパシティを表す

のではなく,計測時の状況で発揮されたスキルレベル

を表すと言える.このことから,繁忙期に得られたデ

ータを用いることで個人スキルのキャパシティを測る

ことができると考えられる.

接客係のスキルアップの過程として,接客係のスキ

ルレベルは第 I 象限もしくは第 II 象限から出発し,第

III 象限を経て,最終的に第 IV 象限へと移ると考えら

れる.Dreyhus らは 5 段階のスキル獲得プロセスを提

案している [23].接客係のスキルも同様に進むと考え

られるが,今後,得られたデータの分析を行うととも

に,接客係へのインタビューを通じ,接客係のスキル

獲得がどのように進むかを検証する必要がある.

なお,2014年 10 月~11 月には,新店舗開店直後の

CSQCC を実施した [24].その様子は「ガイアの夜明け」

(テレビ東京) [25] で紹介されている.

6. 改善案事前評価 物流倉庫でのピッキング業務を効率化するには,ロ

ボットや自動化技術導入も不可欠であるが,作業者が

従事する業務プロセスの非効率な点を把握し改善する

ことも引き続き重要である .一方,各作業者に改善案を

提案する際には,業務の効率化だけでなく,各作業者

の業務時間に余裕(Allowance)がどの程度にあるかや

作業者間の作業時間の偏りがないかどうかなど,従業

員満足度を考慮した評価指標の設計やそれを用いた改

善案の設計も必要である .

蔵田らの研究グループは,パナソニック株式会社エ

コソリューションズ社,パナソニックシステムネット

ワークス株式会社,株式会社フレームワークスと共同

で,2014 年 4~6 月の 2 か月間,国内の物流倉庫 X を

対象とし,計測実験を実施した.フロア内は A から D

までの 4 つのゾーンに区分されており,各ゾーンに設

置されている棚に商品が格納されている.ピッキング

手法としては,シングルピッキング手法(以下,従来

手法)が採用されている.

物流倉庫 X は,各ゾーンをつなぐ大通りとそれぞれ

のゾーン内の棚と棚の通路によって構成されている.

大通りは複数のカートが同時に通り抜けることができ

る幅があるが,棚と棚の間の通路はカート一台分の幅

図7 改善支援フレームワーク

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しかない.そのため,作業者は大通りではカートを押

しながら移動しているが,通路内に進入する場合には,

他の作業者が通過できなくなる可能性があることから,

大通りにカートを置いて通路内に入ってピッキング作

業を行い,カートに戻るというプロセスを繰り返すこ

ととなる.

作業者とカートの屋内位置情報測位システムとし

て , こ こ で は , 可 視 光 通 信 ( VLC : Visible Light

Communication)と倉庫管理システム(WMS:Warehouse

Management System)を用いた.図7に示す「改善支援

フレームワーク」に従い,計測データから移動軌跡を

推定すると共に,ピッキング作業モデルを作成し,そ

の再現性を確認した.そして,そのモデルに基づくシ

ミュレーターを用いて,ゾーンピッキング手法(以下,

改善案)と従来手法とを比較した [13].

得られた結果(図8)を集約したものが表1である.

表では,各評価値の第一四分位と第三四分位の値を基

準に得られた数値を,「高い(H)」,「中間(M)」,「低

い(L)」で示した.良い値について青,悪い値を赤,

それ以外を黄色とした.実際の現場の状況(従来手法,

7 人)と,最も効率的かつ従業員満足度を考慮した手

法であると評価された改善案(7 ゾーン,7 人)を黒枠

で囲んだ.これらのグラフ,表から,改善案は従来手

法と比較して,ピッキング作業効率の向上と作業時間

の短縮,作業時間の偏りの抑制,時間的ゆとりの増加

が可能であることを定量的に確認することができた.

7. 物流 PDR チャレンジ これまで述べてきたように,PDR 等の屋内測位技術

は,サービス観測やそれに基づく現場のラボ化に欠か

せない技術になりつつある.また,屋内測位と屋内ナ

ビ ゲ ー シ ョ ン に 関 す る 国 際 会 議 ( International

Conference on Indoor Positioning and Indoor Navigation:

IPIN)での発表数や,さまざまなコンペティションが

開催されていることからもわかるように [26],PDR の

研究開発や実用化を進めている企業及び大学が国内外

で急増してきている.さらに,PDR は相対測位手法の

ため,GNSS(Global Navigation Satellite System)や

Wi-Fi 測位のような絶対測位とは異なる評価方法が必

要であり,論文や製品・サービスの仕様書に、どのよ

うに性能を表記すればよいかを統一していく必要性も

ある.

このような背景から,筆者らは草の根的な活動とし

て,2014 年に PDR ベンチマーク標準化委員会 [27]を設

立した(2016 年 10 月現在で 33 組織が賛同).昨年は,

PDR コンペティションの1つである UbiComp/ISWC

2015 PDR Challenge[28][29]に携わり,現在は,物流 PDR

チャレンジ(PDR Challenge in Warehouse Picking)を

IPIN 2017 で開催すべく準備中である.表2はこれら2

つの PDR Challenge の特徴をまとめたものである.

物 流 PDR チ ャ レ ン ジ は , IPIN 2017 Indoor

Localization Competition に含まれる複数の Track の 1

つとして実施される方向で検討が進んでいる.現在は,

フレームワークス物流オープンデータ活用コンテスト

[30]の準備段階において 12 名のピッキング作業者が装

着したスマートフォンで得られた 10 軸センサーデー

タ履歴と WMS データ(補正情報もしくは誤差評価の

ための正解値として使用),さらにマップ(ルート)情

図8 4種類の指標を用いた従来手法と

改善案との比較評価結果

表2 PDR Challenge の特徴比較

Ubicomp/ISWC 2015 PDR Challenge

IPIN 2017 PDR Challenge in Warehouse Picking

シナリオ 屋内歩行者ナビ 物流倉庫ピッキング

歩行・動作スマートフォンを手に持ち,ナビ画面を見ながら連続歩行

歩行だけではなく,ピッキング作業などのさまざまな動作

On-site or Off-site

On-site Off-site

時間/試行 数分 3時間前後

表1 従来手法と改善案のシミュレーションに

よる比較の要約

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報を用いて,どのようにタスクの難易度を調整したり,

評価したりすることが可能かを検討している.また,

改良と検証のループを効果的に回したり,イベントと

してのエンターテインメント性を高めたりするために,

結果をどう見せればよいかについても試行を進めてい

る(図9,10).

評価指標についての議論も多岐に渡る.例えば,相

対測位手法である PDR の測位結果には,計測開始位置

(時間)からの距離(時間)が長くなればなるほど誤

差が蓄積する可能性が高い.一方で,円や矩形などよ

うにルート形状が閉じていて計測開始・終了位置が同

じ場合,方位や移動速度の推定が大きな固定値のオフ

セットで正しくできなくても,ルート形状が相似形状

となるだけで,最終的な誤差は0となってしまう.そ

のほかにも,PDR 単体でどこまでできるのかの評価な

のか,ハイブリッド測位に組み込む際の PDR の扱いや

すさ(「結果の不確かさ」の確かさ)の評価なのかとい

った「評価結果のユーザー」の観点も考慮が必要であ

る.

「MAR のためのビジョンベースの位置合わせとト

ラッキングのベンチマーキング」に関する国際標準

[31]で議論されている評価指標は,信頼性指標(誤差,

完遂率),時間指標(フレームレート,遅延),多様性

指標(試行数,試行内容の多様さ.)に分けられる.こ

の類推での議論がまず必要であるし,効率性(計算効

率,消費電力)に関する指標や,再現性(温度ヒステ

リシス,地場環境変化等に関する影響)に関する指標

についても設計していくことが求められるであろう

(表3).

8. おわりに 本稿では,「現場のラボ化」に欠かせないサービス観

測のための技術として,PDR とハイブリッド測位につ

いて概説し, それらの応用として CSQCC ならびに改

善案事前評価に関する事例を紹介した.さらに,「物流

PDR チャレンジ」の準備状況について報告した.

2017 年 9 月 18-21 日に IPIN 2017 が札幌で開催され

る.本 OS のテーマである「G 空間 IoT×行動変容」の

ように,測位技術からアプリ,サービス,さらにはヒ

ューマンファクターにいたるまでの様々な観点での日

本発の成果が国際的な場で披露され,活発な議論がな

させることが期待される.

文 献 [1] G 空間 EXPO. http://www.g-expo.jp/ (accessed 17

Aug. 2016)

[2] AR(拡張現実)技術の基礎・発展・実践(設計技術シリーズ) . 監修 : 蔵田武志 , 清川清 , 編集 : 大隈隆史 , 科学情報出版 , 茨城 , 390pp., 2015.

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[5] Takashi Okuma, Tomohiro Fukuhara, Ryosuke Ichikari, Ching-Tzun Chang, Manrique Carlos, Takeshi Shinmura, and Takeshi Kurata, Role of

図9 2種類の手法(PDR+WMS)の誤差を

タスクの難易度を変えて比較した例

図10 2種類の手法(PDR+WMS)の軌跡を

タスクの難易度を変えて比較した例

表3 評価指標に関する検討項目例

センサー内部要因

• センサのオフセット・感度

センサー外部要因

• ⼈的要因︓保持・装着状態,歩⾏者特性,歩⾏以外の動作の種類や量,位置情報を⾒ながら歩くか(フィードバックループができているか)

• 環境要因︓ルート形状、⻑さ、歩⾏可能エリアの形状、磁場、気圧、温度等の環境

初期条件,計測条件

• 初期⽅位設定• センサー校正• 個⼈ごとのパラメーター設置• 連続計測時間

評価の視座 • PDR単体でどこまでできるのかの評価• ハイブリッド測位に組み込む際のPDRの扱いやすさの評価

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[27] PDR ベ ン チ マ ー ク 標 準 化 委 員 会 , https://www.facebook.com/groups/pdr.bms/

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[30] フレームワークス物流オープンデータ活用コンテスト , http://contest.frameworxopendata.jp/

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