株式会社ソラシドエア 安全報告書 - Solaseed Air2018 年度 安 全 報 告 書...

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この安全報告書は航空法第 111 条の 6 に基づいて作成し、弊社の安全への取り組みを 皆様にご理解いただき安心してご搭乗いただくために公表するものです。 本報告書における内容は、特記ある場合を除き 2019 4 1 日から 2020 3 31 までを対象期間としています。 (2019 年度)

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Page 1: 株式会社ソラシドエア 安全報告書 - Solaseed Air2018 年度 安 全 報 告 書 2018年度 安全報告書 発刊にあたって 平素より、ソラシドエアをご利用いただき、誠にありがとうございます。

この安全報告書は航空法第 111条の 6に基づいて作成し、弊社の安全への取り組みを

皆様にご理解いただき安心してご搭乗いただくために公表するものです。

本報告書における内容は、特記ある場合を除き 2019年 4月 1日から 2020年 3月 31日

までを対象期間としています。

安 全 報 告 書

(2019年度)

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2019 年度 安 全 報 告 書

2019 年度 安全報告書 発刊にあたって

平素より、ソラシドエアをご利用いただき、誠にありがとうございます。

弊社は、2002年 8月に宮崎-東京(羽田)線に就航して以来、本年で 18年目を迎えることができました。「空

から笑顔の種をまく。」九州・沖縄の翼として、九州・沖縄と東京・名古屋・神戸を結んでおりますが、本年夏ダ

イヤからは、福岡-沖縄線及び宮崎-名古屋(中部)線を新設し、国内 13 路線1日 80 便を運航しております。

一方、航空業界の現状をみると、新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言や各自治体の

帰省自粛要請等によってお客様が大きく減少し、経営面でも甚大な影響を受けております。弊社としては、

「安心できる空の旅へ ソラシドエアにできること」を合言葉に、全社を挙げて感染防止策に取り組んでおり、

運航・サービス品質も引き続き向上を図りつつ、ウィズコロナの状況でも安全、安心で快適な空の旅を提供し

続けるべく努力する所存です。

弊社では、安全理念において「安全は経営の基盤であり、航空輸送の原点」と位置付けておりますが、

2018年3月に運航乗務員の健康管理等に関し国土交通省より厳重注意を受けるに至りました。本件につきま

しては、その後国土交通省の指導を受け、2019 年 3 月末迄に当初策定した再発防止策を全て完了した所で

はありますが、引き続き同種事案を発生させないよう社員一丸となり、安全管理体制の強化に努めます。

また、近年業界全体で課題となっている乗務員等の飲酒問題については、弊社ではこれまで飲酒事案は

発生していないものの、引き続き検査体制強化や従業員への飲酒教育等に努めてまいります。

経営陣始め社員一同、公共交通機関としての責任を自覚し、お客様から信頼していただける航空会社を

目指して、これからも安全運航の維持に全力で取り組んでまいる所存です。

この安全報告書は、航空法第 111 条の 6 に基づき、弊社における 2019 年度の安全に関する体制や運航

の実態、全社としての取り組みなどを報告させていただくものです。

是非ご一読いただき、弊社の安全に対する取り組みなどをご理解いただくとともに、今後も変わらぬご支援

をお願い申し上げます。

2020 年 9 月

株式会社ソラシドエア

代表取締役社長 髙橋 宏輔

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2019 年度 安 全 報 告 書

目 次

1. 安全に対する基本方針

1.1 安全理念・安全行動指針・経営理念 1

1.2 経営トップの安全に関するコミットメント 2

2. 輸送の安全を確保するための体制

2.1 安全管理システム 3

2.2 安全確保に関する組織と機能 4

2.3 各組織の機能及び役割の概要 5

2.4 整備作業の委託 11

3. 日常運航の支援体制

3.1 訓練及び審査 12

3.2 日常運航におけるリスクマネジメント体制 14

3.3 安全に関する社内啓発活動等の取り組み 16

4. 使用している航空機に関する情報 18

5. 運航状況に関する情報 19

6. 事故・重大インシデント・安全上のトラブル等の発生状況 20

7. 輸送の安全を確保するために講じた措置

7.1 国から受けた行政処分または行政指導 22

7.2 2019 年度 安全指標/安全目標値ならびに安全重点施策の達成状況 22

7.3 2020 年度 安全指標/安全目標値ならびに安全重点施策の設定 23

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企業経営における目的・基本方針

安全を経営の基盤とし、

サスティナブルな企業経営と地域社会への貢献を目指す

● お客様の利用しやすい運賃とハートあるサービスの提供

● 地域社会および地域経済活性化への貢献

● 少数精鋭によるたゆまぬ経営努力と好い人材の育成

1.1 安全理念・安全行動指針・経営理念

弊社は『安全理念』と『経営理念』を掲げ、事業を行う上で『安全』を経営の基盤として位置付けています。

会社運営及び業務の実施にあたっては、役職員一同が『安全理念』を念頭にそれぞれの職務に専念して

います。この理念については各部室で掲示するとともに、カードに印刷して全社員に配布し、常に携行して

日頃から安全に対する自覚と責任を持った行動をとることとしています。また、新たに安全行動指針を設

定し、社員としての行動の在り方や考え方を具体的に明示しました。

1.安全に対する基本方針

最も重視すべき「安全」に対する考え方

● 安全は経営の基盤であり

航空輸送の原点である

● 安全の確保には相互信頼と良好な

コミュニケーションが必要である

● 社員は安全に対する責任を自覚し

絶えず努力しなければならない

【安全理念】

【経営理念】

社員として遵守すべき行動のあり方・考え方 【安全行動指針(6ヵ条)】

1. 「常に安全を最優先に行動します」

2. 「法令、規定を遵守し、確実に業務を行います」

3. 「円滑な意思疎通を図り、良好な信頼関係を築きます」

4. 「疑問は躊躇せず口に出し、出された意見は謙虚に受け止めます」

5. 「情報は速やかに報告し、組織を超えて共有します」

6. 「社内外の教訓に学び、常に技量を高め続けます」

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1.2 経営トップの安全に関するコミットメント

経営の最高責任者である社長は、安全最優先に対する決意を「社長安全宣言」として掲げ、安全理念とともに

各部室で掲示しています。

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2019 年度 4 月 1 日以降、人事部及び客室部(運送本部より独立)が本部体制へ変更し、また 12 月 1 日以降、

安全推進室は、安全統括室へ組織変更致しました。

2.1 安全管理システム

航空法第 103 条の 2 に基づき、安全統括管理者を選任するとともに、輸送の安全を確保するために遵守

すべき事項を「安全管理規程」に定めています。「安全管理規程」には、安全管理システムを有効に機能

させるための安全方針、組織体制、実施方法等を明記しています。

航空輸送の安全に組織的に取り組む「安全管理体制」を以下の通り構築しています。

① 最高経営責任者は、安全理念、社長安全宣言を掲げ、これを実現するために深く関与します。

② 安全目標を達成するために、業務手順を明確にし、必要な組織体制を構築します。

③ 運航の安全に係る情報を体系的に収集し、要因分析、対策の立案(P:PLAN)、実行(D:DO)、

評価(C:CHECK)、改善(A:ACTION) を継続的に行い、安全性の更なる向上を目指しています。

(1) 全体組織図

(2020 年 3 月 31 日現在)

(2) 組織人員

組織体制において、航空運送事業者に必要な全ての機能を包含し、この機能を遂行するのに必要な人員を

下記の通り配置しています。 (2020 年 3 月 31 日現在)

運航本部 整備本部 運送本部 客室本部 営業本部

183 名 149 名 150 名 270 名 35 名

人財本部 財務部 総務部 企画部 業務改革室

19 名 13 名 10 名 17 名 6 名

CS推進室 内部監査室 安全統括室

6 名 1 名 14 名

2.輸送の安全を確保するための体制

株主総会

監査役会

取締役会

代表取締役社長

CS推進室 安全統括室 内部監査室

人財本部 総務部 企画部 財務部

業務改革室

営業本部 運航本部 整備本部 運送本部 客室本部

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2.2 安全確保に関する組織と機能

弊社は、安全管理の取り組みを統括的に管理する「安全統括管理者」を選任し、安全に関する最高の審議

機関として社長を議長とした「安全推進会議」を設置しています。また、下部機構として各部門の部室長によ

り構成される「安全推進部長会」を設置しています。

各本部はそれぞれの部門内に安全に関する会議体を設け、安全目標の設定、安全施策の策定及び実行

状況の把握を行う安全推進体制を構築しています。

直接運航に携わる各職種の人数(運航及び整備に係る委託先の人数は除く。) (2020年 3月 31日現在)

職種 人員数

運航乗務員 123 名

客室乗務員 238 名

整備従事者 82 名 (うち有資格者 55 名)

地上運航従事者 23 名(うち有資格者 12 名)

社長

安全統括管理者

安全推進会議

運航本部

安全統括室

専門部会

整備本部 運送本部

部門安全委員会 部門安全委員会 部門安全委員会

安全推進部長会

安全報告書評価委員会 (SaRMAT)

客室本部

部門安全委員会

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2.3 各組織の機能及び役割の概要

(1) 安全管理の統括

① 経営の最高責任者(社長)

事業運営と安全優先の基本方針・安全理念及び安全宣言を社内に明示し、安全推進に必要な経営

資源、資本の確保と配分を行い、安全施策・安全投資の決定を行います。また年度毎に安全に関する

総まとめとしてマネジメントレビューを行い、安全管理システムの有効性の評価、見直し、改善等を指示

します。

② 安全統括管理者

会社が行う輸送の安全を確保するための事業の実施及びその管理体制に関する事項を統括し、経営

の最高責任者に対し安全に関する重要事項の報告や助言を行う責任を有しています。

③ 安全推進会議

運航の安全と品質に係る重要事項の最高審議機関として、社長が議長を務め、安全統括管理者、

各生産部門本部長と役員により構成されています。安全に関する重要な方針の決定、リスク管理に

基づく安全施策・安全投資の決定、安全体制に関わる監視、提言、勧告を行います。

④ 安全統括室

安全に関する会社方針の策定及び全社的安全目標を設定し、安全管理システムの推進と継続的な改

善等を指揮し、各課題について社内外の諸機関との調整を行っています。また、業務の基準や手順が

法令、規程類に適合しているか等、委託先を含む社内外の対象部門に対し内部安全監査、整備監査、

保安監査を定期的に実施し、客観的な立場で評価し、不安全事象の未然防止に役立てています。

⑤ 安全推進部長会

安全統括室を事務局とし、運航本部、整備本部、運送本部、客室本部の各関連部室長と総務部門によ

り構成されています。各部門の安全目標ならびに年間活動計画の確認や課題、ヒューマンエラーの防

止策、部門をまたがる安全情報の共有と対策等について議論を行っています。

⑥ 専門部会

複数部門にまたがる問題や課題が発生した際、安全統括室長を議長とし、関連する部門を招集して

事象に対する対応策や実施計画を検討します。専門部会で検討された結果については、安全推進

部長会および安全推進会議へ上申します。

⑦ 安全報告書評価委員会(SaRMAT/Safety Report Monitoring & Analysis Team)

安全に関する報告書を統括し、発生した事象を広範に把握するとともに、総合的な観点から、組織横断

的に分析評価を実施することで、全社的あるいは部門にまたがる課題や問題点を抽出し、その対応策

や提言を行っています。また、収集した報告書については統計的に取りまとめ、傾向分析を行ない半期

毎に Safety Digest を作成し、各職場へフィードバックしています。

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(2)安全統括室

安全統括室は、安全、保安に関する業務全般の統括を行っています。不安全事象の未然防止のための

教育・監査・安全リスク管理そして関連する規程・基準の設定、改廃などに関わる業務を担当するスタッフ

で構成されています。(5頁参照)

安全推進部

安全管理に関する企画を立案し、安全に関わる社内基本方針の周知徹底と啓蒙活動、教

育および安全リスク管理を行っています。また、安全に関わる規定類の設定・改廃、その

他、社内外の関係機関との調整業務を行っています。

安全監査部 運航部門、運送部門、客室部門、整備部門に対する社内の監査業務及び委託先に対す

る監査業務を行っています。また、監査に関わる企画・立案、管理業務を行っています。

航空保安課 航空保安に係わる業務を統括し、関連規定の管理および教育訓練を実施しています。ま

た、各空港における保安検査業務の委託管理に関わる業務を行っています。

安全統括室

安全推進企画課

安全推進部 安全監査部 航空保安課

内部安全監査課 整備監査課 安全リスク管理課

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(3)運航本部

運航本部は、機長、副操縦士などの運航乗務員と、運航乗務員の乗務スケジュールならびに操縦士

の養成や技倆維持のための訓練・審査、そして航空機を操縦するための規程・基準の設定、改廃な

ど、航空機の運航に関わる業務を担当する地上スタッフで構成されています。

運航安全推進室

運航本部の安全に関する基本方針の策定及び安全目標の設定、日常運航における

不安全要素の把握とその安全対策に関わる業務及び飛行記録解析プログラムに関わ

る業務を行っています。

運航乗員部 運航の実施及び運航乗務員のスケジュールの作成、健康管理、資格管理、日常技倆

管理等の運航乗務員の管理に関わる業務を行っています。

訓練審査部 運航乗務員および同要員の訓練・審査計画を立案し、訓練・審査を実施しています。

また、訓練・審査に関わる企画・立案、管理業務を行っています。

運航企画部 運航本部の事業計画に関わる業務、予算執行管理、人事労務、その他契約等運航本

部全体の総括業務を行っています。

運航サポート部 航空機を運航するための各種規程類の設定・改廃、その他社外の関係機関との調整

業務、運航に関わる諸手続き業務、新技術の導入に関する業務を行っています。

運航本部

運航企画部

運航安全推進室

運航サポート部

運航技術課

運航基準課

訓練審査部

訓練企画課

訓練課

審査課

運航乗員部

乗員課

路線訓練課

乗員業務課

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(4) 整備本部

整備本部は、航空機を安全に運航するために常に機材の品質を最良の状態で提供できるよう出発前

整備を含む定例整備、非定例整備および特別整備を行う整備士と、整備作業を実施するための基準

となる規定類の設改定、整備計画の作成、部品管理等の整備管理業務を担当するスタッフで構成さ

れています。

安全監査部

認定事業場とは機能的なつながりを有し、自社整備部門及び整備委託先に対して業務が

規程通りに行われているかの監査を行い、不適切な事項等については是正処置を指示し

ます。

整備管理部 航空機の整備に関する生産管理業務、部品や資材、施設設備の管理業務、整備委託管理の

ほか、整備士等に対する教育訓練を行っています。

品質保証部 整備業務全般および航空機材の品質保証、品質管理に関する基本方針および計画の策定

を行い、航空機の整備品質の総合評価を行っています。

技術部 航空機の整備に使用する基準、規程類の入手・作成・管理に関する技術管理業務および

信頼性管理に係る情報収集・技術評価・分析及び対策を行っています。

整備部

航空機の運航時間数等に合わせて定期的に行う定例整備、また各空港において行われる

不具合発生時の整備、ならびに特別点検等の非定例整備を実施するほか、それぞれの整備

基地管理業務を行っています。

整備本部

安全監査部

整備部

業務課

整備統制課

品質保証部

品質管理グループ

整備管理部

整備企画グループ

生産管理グループ

教育訓練グループ

部品計画グループ

部品統制グループ

技術部

技術管理グループ

エンジニアリング グループ

羽田整備 1 課

羽田整備 2 課

羽田整備 3 課

ステーション整備課

鹿児島駐在 長崎駐在 熊本駐在 宮崎駐在 沖縄駐在 福岡駐在

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(5) 運送本部

運送本部は、運航ダイヤの調整、空港での旅客業務、運航管理業務、出発・到着便の地上支援業務

を担当し、運航統制者、旅客案内担当者、地上運航従事者及びその支援業務を行うスタッフで構成

されています。

オペレーション

ディレクター準備室

運航品質向上を目的とした新オペレーション体制とその中核をなすオペレーションディレクター(OD)

の人材確保や規定の整備を目的に活動し、2020 年 4 月 1 日に OD 室を発足させています。

オペレーション

マネージメント部

飛行計画の作成、フライト前後のブリーフィング、航空機の重量重心位置の算定、運航状況、航空情

報、気象情報の把握などの運航管理業務を行っています。また、運航ダイヤの維持ならびにオペレーシ

ョンの総合調整や危機対応マニュアルの設定、緊急時の対応訓練などを行っています。

運送企画部 運送本部全体の総括ならびに各空港における地上取扱業務(旅客業務、グランドハンドリング業務、貨

物取扱業務、防除雪氷業務)に関する統括及び委託業務管理を行っています。

運送企画部

業務推進課

運送サービス課

オペレーション

マネージメント部

運航管理課

オペレーション

ディレクター準備室

旅客サービス課

東京空港支店

宮崎空港支店

熊本空港支店

羽田ステーション

コントロール課

長崎空港支店

鹿児島空港支店

沖縄空港支店

大分空港支店

神戸空港支店

石垣空港支店

中部空港支店

運送本部

オペレーション 企画課

オペレーション コントロール課

福岡空港支店

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(6) 客室本部

客室本部は、客室乗務員及び客室乗務員の乗務スケジュールならびに客室乗務員の養成や技量

維持のための訓練・審査、そして客室乗務員の業務を行うための規程・基準の設定、改廃など、客室

乗務員の業務に関わる地上スタッフで構成されています。

客室企画部

客室本部全体の統括を担い、客室本部の組織運営方針・実行計画の策定・進捗管理、機内品質の企

画・傾向管理、安全に関わる本部内推進計画の策定・推進、Cabin Attendant Manual等の設改定、客室

乗務員及び同要員の訓練・審査に関わる計画・訓練・審査を実施しています。

客室乗務部 機内安全業務の実施及び客室乗務員のスケジュール作成、健康管理、日常技量管理等客室乗務員の

管理に係る業務を行っています。

客室乗務部

客室本部

客室企画部

客室業務課 客室乗務 1 課 客室乗務 2 課 客室乗務 3 課 客室乗務 4 課

客室品質課 客室企画推進課

客室教育訓練課

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2.4 整備作業の委託

弊社では、日常運航において実施される点検整備ならびに特別指示による点検や不具合修復のための

整備については自社または ANA JV に委託して行っています。定期的に行う重整備については国内、海

外の整備会社へ委託を行っていますが、委託管理、技術管理、部品管理、更に最終的な検査については、

整備本部の弊社社員が行っています。

(主な委託先)

機体 ANA JV (日本)

STAECO (中国)

MRO Japan (日本)

エンジン MTU Maintenance Zuhai (香港)

装備品 ST Aerospace Engineering (シンガポール)

Honeywell Aerospace Singapore (シンガポール)

㈱ジャムコ (日本)

Goodrich Asia Pacific (香港)

その他 ST Aerospace Supplies (シンガポール)

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航空機の安全運航は、委託先も含めてさまざまな職種の人達の協力によって確保されています。中でも

運航に直接携わる社員については、国家資格など必要な資格を取得するための教育訓練だけでなく、

資格取得後も引き続き必要な技倆や知識を維持するため、定期的に教育訓練を行い技能レベルの確認

を行うよう体系的に規定化されています。

3.1 訓練及び審査

(1)運航乗務員(機長/副操縦士)

運航乗務員は、定期的に訓練を受け技倆維持・向上を図っています。定期訓練は学科訓練、CRM

訓練※1、非常救難対策訓練、危険物教育訓練、フライトシミュレーターを使用しての技能訓練、LOFT※2

などがあり、技倆や知識、異常事態への判断・対応能力の向上を図っています。

それぞれの任務遂行に必要な経験、知識及び能力を有していることを評価・判定するために、国土交通

大臣から認定を受けた社内の査察操縦士による審査を受けています。審査は、シミュレーターによる技

能審査と、路線での実地審査をそれぞれ年 1 回実施しています。また、毎年、指定航空身体検査医によ

る検査を受け、有効な航空身体検査証明を保持するとともに、健康管理部門と連携し心身の健康状態を

万全の状態に維持しています。

※1CRM 訓練(Crew Resource Management)

安全運航を達成するために、操縦室内で得られる利用可能なすべてのリソース(人、機械、情報など)を

有効かつ効果的に活用し、乗務員のトータルパフォーマンスを向上させる訓練です。

※2 LOFT(Line Oriented Flight Training)

実運航を模擬して行う訓練で、フライトシミュレーターを使用し、以下のような様々な異常事態等に対処

することを通じて、運航乗務員個々の対応能力や相互のチームワーク能力を向上させることを目的とし

ています。

・火災やシステムの故障

・他の航空機や地表への異常接近

・予期せぬ天候の悪化への遭遇

・エンジンの故障

運航乗務員用トレーニング機器

3.日常運航の支援体制

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(2)客室乗務員(キャビンアテンダント)

客室乗務員は、機内においてお客様の安全を確保するための重要な役割を担っています。

・初期訓練/定期訓練(緊急対策など)

初期訓練では、客室乗務要員として約2か月に亘って座学訓練、実技訓練、OJTを実施し、合格した者が

客室乗務員として発令されます。また、客室乗務員発令後は、年1回定期的に各種緊急事態を想定したシ

ミュレーションや日常保安業務の確認を実施し、知識・技量の維持・向上に努めています。

・上級救命講習

機内で急病人発生時の救命措置を迅速かつ適切に処置する

ため、人工呼吸やAED(自動体外式除細動器)などの機器操

作方法を習得します。尚、弊社の客室乗務員は全員、上級救

命技能認定を受けています。

・CRM 教育(Crew Resource Management)

安全運航を達成するために、利用可能なすべてのリソース(人、

物、情報など)を有効かつ効果的に活用するための教育を

定期的に実施しています。

・危険物教育訓練

危険物の航空輸送における安全性を確保し、安全な危険物輸送を遂行することを目的として

ICAO(International Civil Aviation Organization) の技術指針、 IATA(International Air Transport

Association)の規則書及び日本の航空法をもとにした訓練を定期的に実施しています。

(3)地上運航従事者

地上運航従事者は航空機の運航を地上から支える役割を担っています。航空機運航の知識だけでなく

気象情報など、運航全般に対する知識と経験が求められるため、定期的に訓練・審査を実施し、技倆維

持に努めています。

・定期訓練

地上運航従事者の知識・技倆の維持のため、年 1 回定期訓練を

実施しています。内容は地上運航従事者として必要な知識、技倆

の確認と安全教育(DRM/Dispatch Resource Management)に

分けられます。DRM とは、地上運航従事者間および地上運航

従事者と運航乗務員、整備士などとのコミュニケーションスキルを

向上させ、ヒューマンエラーを防止することを目的とした訓練です。

・飛行慣熟訓練

運航管理者は運航乗務員の職務、関連空港における業務及び管制方式を体験することによって、運航

管理業務の質的向上を図るため、毎年 1 回、運航便のジャンプシート(操縦室内の補助席)に搭乗しま

す。

・定期審査

地上運航従事者の資格に求められる責任及び任務の遂行に必要な知識、技倆の確認のため査察運航

管理者により書面、口述、実技等による定期審査を年1回実施しています。

客室乗務員

運航管理業務

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(4)整備従事者

整備士は、航空機を安全に運航させるために、技術の進歩とともに高度に発展した機体構成部品が

正常に機能しているかの点検・整備を行っており、専門的な知識や能力、経験が必要です。社内にて

整備業務経験を積みながら、国家資格の一等航空整備士、一等航空運航整備士等の資格を取得し、

更に社内での訓練、実務経験を重ね、審査に合格することによって社内資格が付与されます。

・定期訓練

全ての整備従事者は、航空法や社内規定類の確認、

安全上の支障となる重要不具合事例の振り返りなど、

必要な知識の維持向上を図るため、資格に応じた定

期訓練を 2 年毎に実施しています。

3.2 日常運航におけるリスクマネジメント体制

弊社では、運航の安全確保のために、顕在化した不安全事象ならびに潜在的な不安全事象に対して

リスク評価を行い、そのリスクレベルに応じて対策を検討し、リスクを許容可能な水準に留めるよう管理

しています。

(1) 報告制度

安全運航を推進するためには、運航の実態を日常的に把握し、現場から報告される安全情報をもとに

要因・傾向分析を行い、課題の識別、改善を図ることが最も有効な方法です。日常業務において、各社

員が気付いた安全上の課題など、会社は報告しやすい環境を整備して、以下の制度を運用しています。

■義務報告制度(航空法ならびに社内規定に基づく報告)

航空機の運航に直接携わる社員に対し、安全に影響を及ぼす事象について速やかに報告を行うことを

義務付け、安全対策に活用しています。

運航乗務員 CAPTAIN REPORT 航空法、電波法および航空局通達により求められた報告

AIR SAFETY REPORT 通常とは異なる運航状況が発生した場合の報告

客室乗務員 CABIN ATTENDANT REPORT 運航中に客室内で発生した通常とは異なる事象の報告

運航管理者 地上運航従事者

報告書

航空機の運航中および各基地で発生した通常とは異なる

運航状況の報告

空港ハンドリン

グ作業者

事故報告書 ランプ内において機材、車両、空港運用施設、設備の損

傷等が発生した場合の報告

GH レポート 作業中に安全性を阻害し、ランプ事故を発生させる恐れ

のあった場合等の作業不具合報告

貨物ハンドリング

レポート

貨物ハンドリングに起因した、危険物に関するイレギュラリ

ティ、重量不正、床面強度を超過した搭載が発生した場

合の報告

整備士 品質不具合報告書 航空機の整備作業において、ヒューマンファクターズに起

因する不具合が発生、または発見した場合の報告

整備作業

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2019 年度 安 全 報 告 書

15

■自発報告制度

当事者が経験したヒヤリ・ハット、当事者しか知りえない不安全事象を自発的に報告する制度を運用して

います。ヒヤリ・ハットの実績としては、毎年平均 500 件程度が報告され、不安全事象の未然防止に活用

しています。現場から報告された内容については、各部門で訓練を受けたリスクマネジャーが、規定に定

められた手順でリスク評価を行い、対策が必要なものは、組織的に要因分析、改善策を実行しています。

(2)飛行記録解析プログラム ( FOQA: Flight Operational Quality Assurance )

安全運航の維持と運航品質の向上を目的として、全ての運航便における飛行データを収集し、解析・

評価することで、日常運航の不安全要素を抽出し、必要な予防措置をタイムリーに講じています。また分

析されたデータを基に、定期的に報告書をまとめ、運航乗務員と関連部署に配布し、安全運航の維持と

運航品質の向上を図っています。

(3) 監査

①航空局による安全監査

航空局より生産本部(運航本部、整備本部、運送本部、客室本部)及び安全統括室を対象に年 4

回、ならびに就航基地に対する監査を年度計画に基づき受検しています。監査結果は、安全推

進会議、安全推進部長会、監査員合同会議等において、情報の共有を行っています。

②安全監査

不安全事象の未然防止を目的に、各部門・空港支店・委託先に対し監査を実施しています。社長

をはじめ、安全統括管理者、運航本部、整備本部、運送本部、客室本部、安全統括室及び整備

委託先に対して定期監査を実施しています。また監査員合同会議を定期的に開催し、航空局安

全監査、社内監査に関する分析等、監査報告の情報共有を図っています。

③ANA コードシェア監査

弊社は ANA との共同運航を行っているため、2 年に 1 回、ANA 安全品質監査部による IOSA(監

査の国際基準)に準拠した監査を受けています。

(4) 安全マネジメントレビュー

生産本部(運航本部、整備本部、運送本部、客室本部)の安全管理活動の取り組み結果を経営トップに

報告し、現状の安全管理システム(SMS)に不足がないか、また SMS が有効に機能しているかなど安全

管理体制を見直す機会として実施し、レビューの結果は、次年度安全推進計画に反映させています。

(5) 事故・インシデント調査会

航空機に関わる事故や重大インシデントの発生、または事故や重大インシデントになりえる不安全事象

が発生した場合に、安全推進会議議長の指示で設置し、公的機関の調査とは別に社内で独自の調査

を行い、速やかに原因を究明すると共に不安全要素の排除と事故の防止を目的としています。

(6) 航空機事故総合模擬演習

航空機事故やハイジャックなど、危機的な状況が発生した場合に適切に対処できるよう、全社規模で、

毎年模擬演習を実施しています。

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3.3 安全に関する社内啓発活動等の取り組み

(1) 社長・安全統括管理者による職場安全巡視、管理職による職場安全点検

社長・安全統括管理者が夏季と年末年始の多客期前に社内各部門と全空港支店を巡視し、各部門の

安全目標に対する取り組み状況の確認・把握や直接現場に出向き、社員とのコミュニケーションを図っ

ています。日常においては空港支店長や整備部長が空港内の現場に出て安全点検を行っています。

(2) 安全啓発委員会

会社の安全に関する啓発活動は、社内各部門から選出された社員によって構成される安全啓発委員会

が主体となって、全社的規模で以下の活動を行っております。

① セーフティーフォーラムの開催

安全意識の醸成と部門間の相互理解を目的としたセーフティーフォーラムを、毎年 11 月に開催

しています。今年度の第 1 部は、「航空保安」について外部講師を招いた基調講演を実施しました。

また、第 2 部では、「アサーション取り組み発表会」と題し、各部におけるアサーションについての

活動報告を致しました。第 3 部では、社内で公募した「アサーション川柳」の中から優良であった川

柳を選出し、表彰しました。

アサーション川柳表彰風景

職場安全巡視

取り組み発表風景

アサーション取り組み発表会 アサーション川柳 表彰

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2019 年度 安 全 報 告 書

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② 安全啓発誌「S-Navi」の発刊

社内における安全情報や各職場での日常的な取り組み等の紹介、安全啓発活動実施状況の紹介、

航空法に関わる制度変更の解説等を冊子化し発行しております。また、社内イントラネットを利用し

た全社員への周知など、より多くの社員へ情報共有を図っております。

③ 航空安全セミナーの開催

例年、航空安全に関する理解を深め、知識を付与することを目的に航空安全セミナーを開催して

います。今年度は、「緊急事態、その時に!~航空会社社員、ソラシドエア社員としてとるべき行動

とは?~」と題し、万一の事態に遭遇した際にソラシドエア社員として必要な知識と心構えを習得し、

個々人の安全意識を向上させるための講習を企画しました。

④ 過去事例から学ぶ活動

弊社では創業以来事故の経験はありませんが、他社の事故事例に習い、航空安全の重要性を認識

するために他社安全研修センターの見学を実施しています。

2019 年度から 2021年度の中期安全推進計画における「安全文化定着の推進による事故・インシデ

ント発生防止」の一環とし、アルコール対策委員会を設立し、全役職員を対象とした飲酒に係る教

育に取り組みました。

また、安全に対する責任を再認識し、安全運航の重要性を学ぶことを目的として、御巣鷹山慰霊登

山を年に 2 回実施しました。今後も安全啓発活動に取り組んでいきます。

⑤ アサーション川柳

2018 年度よりアサーションを全社的に取り入れました。アサーションは、コミュニケーションツールの

一つとして位置付けており、相手を尊重した上で「自分の意見・考え・気持ち」を「率直に・正直に・そ

の場にふさわしく」表現をすることです。今年度も、アサーションを社内に根付かせるために、安全意

識高揚の一環として、アサーション川柳を募集し 204 作品の応募がありました。

安全啓発委員会および安全統括管理者による選考を行い、金賞、銀賞、銅賞、安全統括管理者特

別賞の作品を選出しました。 金賞作品についてはポスターにして各事業所に掲示しました。

金賞作品 『おかしいな いつもと違う 声にして』

ポスター

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2019 年度 安 全 報 告 書

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(3) 安全表彰制度

社内外での事象発生を問わず安全に関して優れた行動に対し、安全表彰を行うことによって、受賞者の

更なる奮起を促すととともに、全ての社員に対して日常的に安全行動の動機付けを行っています。

表彰式

(4) ヒヤリ・ハットキャンペーンの実施

ヒヤリ・ハット報告の重要性を理解し、報告する事の大切さを再認識させる取り組みとして、キャンペーン

を実施しました。10 月 21 日~11 月 22 日までの間で実施し、120 件程報告されました。2019 年度の年

間目標 500 件以上を達成する原動力となりました。

機種 機数 座席数 平均年間

飛行時間

平均年間

飛行回数 導入開始時期 平均機齢

B737-800 14 機 174 席(13 機)

176 席(1 機) 2,763 時間 2,032 回 2011 年 7 月 7 年 1 ヶ月

4.使用している航空機に関する情報

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2019 年度 安 全 報 告 書

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輸送実績

運航便数 旅客キロ 座席キロ

宮崎-東京 420,886,752 692,978,154 5,086

熊本-東京 343,929,684 522,832,980 3,668

長崎-東京 290,144,835 440,218,449 2,936

鹿児島-東京 351,269,314 533,782,172 3,626

大分-東京 200,303,232 336,400,928 2,895

鹿児島-沖縄 48,706,048 64,085,868 1,478

宮崎-沖縄 26,424,558 42,363,303 788

神戸-沖縄 110,172,840 155,688,624 2,184

名古屋-沖縄 40,467,630 70,723,170 1,448

石垣-沖縄 19,065,496 23,784,552 1,425

福岡-沖縄 361,872 865,872 6

宮崎-名古屋 164,004 323,856 12

鹿児島-名古屋 22,887,982 40,414,452 1,444

旅客キロ: 有償で運送した旅客数と運送した距離(単位:キロ)を掛けたもの

座席キロ: 運送に使用する航空機の座席数と飛行距離(単位:キロ)を掛けたもの

5.運航状況に関する情報

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2019 年度 安 全 報 告 書

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○航空事故 (航空法第 76 条に該当する事例)

航空機の運航によって発生した人の死傷(重傷以上)、航空機の墜落、衝突火災、航行中の航空機の

損傷等の事態をいいます。

2019 年度に発生した航空事故はありません。

○重大インシデント (航空法第 76 条の 2 に該当する事例)

航空事故には至らないものの、事故が発生する可能性があったと認められるもので、滑走路からの逸脱、

非常脱出等の事態をいいます。

2019 年度に発生した重大インシデントはありません。

○安全上のトラブル (航空法第 111 条の 4 に該当する事例)

航空事故、重大インシデント以外の事態のうち、要因が積み重なった場合には事故を誘発することにも

なりかねないものの、それ自体は航空機の安全な運航にはほとんど影響なく、直ちに航空事故や重大

インシデントの発生につながるものではありません。

2019 年度に弊社が航空法第 111 条の 4 に基づき国に報告した「安全上のトラブル」は、整備中に発見さ

れたものを含め 22 件でした。

○イレギュラー運航 (国土交通省 航空局 安全部通達に該当する事例 )

一般的に直ちに運航の安全に影響を及ぼすような事態ではありませんが、航空機の多重システムの一部

のみに不具合が発生し、乗員がマニュアルに従って措置した上で、万全を期して、出発地への引き返しや

目的地を変更する等の事態をいいます。

2019 年度に発生したイレギュラー運航はありませんでした。

6.事故・重大インシデント・安全上のトラブル等の発生状況

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2019 年度 安 全 報 告 書

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安全上のトラブル(航空法第 111 条の 4 に該当する事例)

報告内容(概要) 件数

航空機構造の損傷等 発生事例はありませんでした。 0

システムの不具合 航空機衝突防止装置(TCAS)の警報装置の故障によるもので

修復を図っています。 1

非常用機器等の不具合 機内トイレ内の酸素マスクドアの一部に不具合が確認されまし

たが、修復を図っています。 1

制限値を超えた運航 左右の燃料量が一時的に不均衡となりましたが、その後、適切

な操作が行われています。 1

警報装置等に基づく操作

航空機衝突防止装置(TCAS)の指示に基づく操作によるもの

です。

※上記警報装置は機器の指示に従い、運航乗務員が適切な

操作を行うことにより、安全上の問題が生じない設計となってお

り、何れの事例も適切な操作が行われています。

5

その他

乗務後のアルコール検査の失念 1

装備品または、部品の不適切な処置 2

燃料量適用間違いによる重量・重心位置間違い 1

運用許容基準の適用が不適切な状態で運航した事態 1

輸送不可物品(クレベリン)を搭載した状態で運航した事態 8

輸送不可物品(リチウムイオン電池内蔵物品)を搭載した状態

で運航した事態 1

合計 22

全ての発生事象において、詳細に原因を分析・特定し、必要な再発防止対策を行っています。

また機材不具合については、関連装置や機器の交換および機能点検を実施し、正常な状態であることを確

認しています。

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2019 年度 安 全 報 告 書

22

7.1 国から受けた行政処分または行政指導

2019 年度は、ありません。

7.2 2019 年度 安全指標/安全目標値ならびに安全重点施策の達成状況

重大指標「航空事故・重大インシデント」、前兆指標「ヒューマンエラーに起因する事態報告(航空法第

111 条の 4 義務報告対象)」、活動指標「航空安全情報自発報告制度(VOICES)への報告件数」を設定し、

取り組みを実施しました。

【2019 年度 安全指標/安全目標値 実績】

安全指標 安全目標値 実績

航空事故・重大インシデント 0 件 0 件

航空法第 111 条の 4 義務報告

(ヒューマンエラーに起因する事態報告) 10,000 運航回数あたり、2.96 件未満 10,000 運航回数あたり、2.58 件

VOICES への報告件数 12 件以上 15 件

安全目標値は、上記の通り、目標を達成できましたが、同様の事象を二度と発生させないように再発防

止策を実行し、引き続き、発生件数の減少に努めてまいります。また、委託先管理の強化や対策の有効

性確認を今後も確実に実施し、未然防止に取り組んでまいります。

【2019 年度 安全重点施策 達成状況

安全重点施策

(1)安全文化定着の推進

による、事故・重大インシ

デント発生防止

①会議体の活性化と情報強化

・計画通り会議を開催

②アサーション活動の継続的な取り組み

・活動取り組み発表会や、川柳を募集し、報奨を実施

・アサーションポスターの掲示、ノベルティーグッズ配布

・社外講師による講話

③飲酒関連への対応

・アルコール対策委員会を設置し、初期訓練、定期訓練、安全統括管理者か

らのメッセージ配信を実施

④安全意識・行動の共有

・安全行動を褒め合う文化の推進として優良事例を募集

・優良な行動に対し報奨式とバッジ授与を実施

(2)安全管理システムの進

化による継続的な安全の

維持

①不安全事象に対する改善サイクルの組織的対応の推進

・経営トップから現場までが一丸となり不安全事象に対する組織的対応を

推進し、関係部門への働きかけを実施

・専門部会による調査と対応を主幹的に実施

②内部安全監査による改善推進

・昨年度の内部安全監査結果に基づいた改善点の取り組みが定着してきて

いるかの確認を実施

(3)自発報告制度の強化

による不安全事象の未然

防止

①VOICES の発信推進

・継続的な発信を推進し、15 件の目標達成

②ヒヤリ・ハット発信環境改善と発信の推進

・500 件以上の目標に対し 794 件の発信を達成

③全社ヒヤリ・ハット情報の分析と有効活用

・分析方法の検討を行い、次年度においてもデータベース構築のための検討

を行っていく

7.輸送の安全を確保するために講じた措置

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2019 年度 安 全 報 告 書

23

7.3 2020 年度 安全指標/安全目標値ならびに安全重点施策の設定

【2020 年度 安全指標/安全目標値】

航空運送事業者として、お客様の信頼を得るためには航空事故は決して発生させてはならないものです。

昨年度に引き続き重大指標として「航空事故・重大インシデント」を設定し目標値を 0 件としました。

重大指標である「航空事故・重大インシデント」を発生させないためには、ヒューマンエラーの抑制が重要

です。前兆指標として「ヒューマンエラーに起因する事態報告(航空法第 111 条の 4 義務報告対象)」を設

定し、目標値については 2017 年度から 2019 年度の 3 ケ年実績平均に対し 5%改善させた数値である

「2.32 件未満/10,000 運航回数」としました。

活動指標においても、昨年度に引き続き「VOICES への報告件数」を設定し、13 件以上としました。

報告される情報については、社内の安全に関する会議体において内容の精査や分析を行い、より質の

高いものとして弊社ならびに他の航空会社の不安全事象の未然防止につながるものと考えています。

また、安全指標/安全数値目標の進捗管理は、四半期ごとに安全に関する会議体へ報告し、目標達成

に向けて取り組んでまいります。

2020 年度 安全指標 安全目標値

航空事故・重大インシデント 0 件

航空法第 111 条の 4 義務報告

(ヒューマンエラーに起因する事態報告) 10,000 運航回数あたり、2.32 件未満

VOICES への報告件数 13 件以上

【2020 年度 安全重点施策】

昨年までの中期安全計画の取り組みを見直し、2020 年度から 2024 年度の 5 ケ年で新たに設定し、環境

変化への「充実」「調和」「適合」を図るべく、成果が継続的に有効となるよう以下の施策を講じます。

安全重点施策

(1)安全文化定着の推進

による、事故・重大インシ

デント・保安事象の発生防

①安全文化定着と醸成

・ソラシドアサーション、適量飲酒、保安を含む基本 5 項目定着に向け、意識向

上の促進を図る

②階層別教育の実施

・社員の階層レベルに応じた教育を実施する

③航空保安教育内容の見直し

・教育内容の見直しを図り、意識向上に繋げるよう検討する

④安全意識・行動の共有

・安全意識調査アンケートの結果に対する取り組みを実施する

⑤職場安全巡視を実施

・三現主義に基づいた巡視を行い現場と間接部門との温度差をなくす

(2)安全管理システム・保

安管理システムの進化に

よる継続的な安全の維持

①国際基準(IOSA 要件等)に対する体制構築

・IOSA 要件の調査、規定改訂箇所の洗い出しや手順プロセスの構築促進する

②安全監査の強化によるチェック機能の向上

・社内監査(内部/整備/保安)の要領の平準化を実施し、有効性監査導入に向

けた検討を行う

(3)不安全事象の未然防

止に向けた環境整備

①VOICES への情報発信の強化

・積極的な情報提供の促進を行う

②ヒヤリ・ハット情報一元化システムの構築

・ヒヤリハット情報のシステム導入の検討を行う

③航空保安情報の発信内容や頻度の充実

・航空保安における有効な情報の発信及び頻度の充実を図る

以上