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白インクおよび 特殊インクでデザインする ONYX ホワイトペーパー | 04/26/2013 onyxgfx.com

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白インクおよび特殊インクでデザインする

ONYX ホワイトペーパー | 04/26/2013

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図 1:チャンネルタブ

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このドキュメントは、デジタルプリント環境において特殊インクデータを備えたファイルのセットアップに役立つことを目的としています。ここではAdobe

Photoshop®ならびにAdobe Illustrator®を使って、特殊インクデータのデザインを行うことを対象としています。ONYX製品で特殊インクを使用す

るファイルをデザインするにあたり、ファイルのオブジェクトまたはレイヤのセットアップの仕方に関するいくつかの考慮すべき特定の事項があります。

プロセスインク: シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのみから成るインクのセット。プリント用にデザインされたファイルは常にCMYKでデザインするか、またはRGBからCMYKに変換する必要があります。

特色インク: プロセスインク以外のインクで、次の2つの主要サブセットがあります: 拡張ガモットやテキスタイルインクといった有彩色の特色インク。白、メタリック、蛍光、グロスエンハンサ、ニスといった無彩色の特色インク。

特殊インク: 特色インクのサブセットは、プリンタのガモットへの寄与に反して塗りつぶし、または特殊効果として使用するためのものです。特殊インクは、通常、白、メタリック、蛍光、グロスエンハンサ、ニスのような無彩色の特色を指します。というのは、これらのインクの性質上、カラー管理されたワークフローでの使用、またはプロセスインクと組み合せた場合のプリンタの出力ガモットを強化することを目的としていないからです。

拡張ガモットインク: 特色インクのサブセットは、プリンタの出力ガモットを強化するために使用することを意図しています。これはオレンジ、グリーン、ブルー、レッドのような有彩色の特色インクで構成されています。RIPはプリンタの出力ガモットを強化するプロセスインクでこれらのインクを自動的にブレンドするので、通常、プリント出力でこれらのインクを使用するために、Illustrator もしくはPhotoshopのファイルでオブジェクトを設定する必要はありません。

特色: Illustratorで使用する特別な名前の色。一般に(PANTONEのような)L*a*b*カラーとして定義されます。特殊インクの特色でデザインすると、Illustratorで特色に定義されたその色は、最終的にプリンタで特色インクチャンネルに直接マップしたプリントカラーとなるので、オンスクリーンディスプレイに関連してきます。

チャンネル: PhotoShopでは、チャンネルは現在取り組んでいるカラースペース内にあるカラーレイヤーのこととなります。特色のように、カラーチャンネルは特殊インクデータをどこに置くかを定義するのに使用します。またチャンネルはシアンや特色インクチャンネルを参照する時などに使われる、プリンタの特定インク用の専門用語でもあります。

特色分版: 特色に割り当てられるプレート、またはページのこと。分版ファイルでは、各色はそれ自身のプレートを持ちます。プロセスカラードキュメントは4つのプレートを持ちます。特色を使用した場合、分版ファイルは各特色のための特色分版を含みます。例えば、CMYK + 特色のドキュメントは5つのプレートを持つことになります。

PDF (Portable Document Format): ベクターデータまたはラスターデータを含むことができる、電子ドキュメントのためのフォーマット。PDFファイルはRGBまたはCMYK以外の複数チャンネルをサポートしていません。

EPS (Encapsulated PostScript): このドキュメントにおいて、用語EPSとPS(PostScript)は互換性があります。EPSファイルは透明効果をサポートしていません。その結果、透明効果の領域がラスタライズされます。これは特に特色を扱う場合に意図しない結果をもたらします。EPSファイルが必要な場合は、透明効果の使用は避けてください。

TIF (Tagged Image File Format): すべてのピクセルが定義されているラスターイメージフォーマット。TIFファイルはCMYK、 またはRGBカラースペース以外の複数チャンネルをサポートすることができます。

I. PhotoShopでデザインする

Adobe Photoshopでは、特殊インクデータはカスタムチャンネルで定義します。

まず、ジョブの作成または既存ジョブをロードします。[チャンネル]パレットで(ウィンドウ > チャンネル)で[新しいチャンネルを作成] を選択します( ) 。 このオプションは[レイヤ]の横にある[チャンネル]タブの下部にあります。

カスタムチャンネルを作成した後、このチャンネルは[チャンネル]タブで表示されます。この時点で名前、カラー、不透明度のオプションが存在していなければなりません。存在していない場合は、カスタムチャンネルでダブルクリックをします。カラーと不透明度はPhotoShopでのみ表示します。チャンネルの順番は重要PDFとしてエクスポートする場合は、チャンネルの名前は常に重要ですが、またPDFとしてエクスポートする場合はチャンネルの名前が重要となります。一番上のアルファチャンネルが最初の特色インクチャンネルをマップし、次に下位のアルファチャンネルが2番目などの特色インクチャンネルにマップします。デフォルトではアルファチャンネルは表示されません。アルファチャンネルを表示するには、名前の横にある四角をクリックします。イメージのプレビューは割り当てられる色の表示に基づき、チャンネルの100%の範囲を表示します。

A. 特色の使用vsマスク領域の設定 カスタムチャンネルを設定できる2つのオプションには、「マスク領域」と「特色」があります。デフォルトでのカスタムチャンネルは、「マスク領域」に設定されています。これはアルファチャンネルとして実行することを意味します。これは出力ファイルがTIFFファイルの場合に動作します。特色を使用するには、カスタムチャンネルを特色として表示するために変更する必要があります。これはPDFとしてファイルをエクスポートする際に使用されます。チャンネルがマスク領域残っている場合は、ONYXはPDF内のチャンネルを検出することはできません。チャンネルを特色に変換する際に、カラー名が考慮されます。名前が「Spot 1」または「Spot 2」と使用される場合、ONYXは自動的に特色を特殊インクチャンネルにマップします。

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B. 特色としてのチャンネル

PDFファイルを出力する場合、カスタムチャンネルは特色を表示するように設定しなければなりません。カラーで領域を表示するために、「特色」をせんた苦します。これはファイルがTIFFまたはPDFとして保存される場合、カスタムチャンネルを特色

 に変更します。オプションとして特色を選択した後、他のすべてのチャンネルオプションは、利用できなくなります。[アンドゥ](Crtl-ZまたはCmd-Z)だけの使用は、特色をカスタムチャンネル戻します。[名前を付けて保存]ダイアログでは、利用可能なオプションはカスタムチャンネルがどのように設定されているかによって異なります。上記の例では、「特色」オプションが表示されるはずです。このオプションはデフォルトで有効になります。

PhotoShopでPDFファイルに保存する場合、特色の名前は重要となります。というのは、ONYXは自動的に特色を特殊インクチャンネルに割り当てるため、カスタムチャンネル(このように保存したファイルの特色)は、「Spot 1」、「Spot 2」などである必要があります。他の名前を使用できますが、適切なレンダリングとプリントが行われる特色においてはONYXで追加の手順が必要となります。これらの手順については、セクションIIIで概説します。

C. マスク領域としてのチャンネル(アルファチャンネル)

TIFFにおいては、カスタムチャンネルはアルファチャンネルを表すように設定することができます。ONYXソフトウェアでアルファチャンネルを検出する際に、アルファチャンネルは自動的に特殊インクチャンネルに割り当てられます。[名前を付けて保存]ウィンドウのオプションは、デフォルトで有効になっているアルファチャンネルを表示します。

[名前を付けて保存]ウィンドウで、アルファチャンネルはオプションとして選択が可能になり、自動的に有効になります。

D. 自分自身のチャンネルをデザインする

カスタムチャンネルはレイヤマスクのように修正変更することができます。唯一の違いは黒が[チャンネルデータ]を示し、白が[データなし]を示すことです。カスタムチャンネルを編集する時にレイヤマスクのために利用可能となる同じツールとフィルタも利用することができます。 E. Adobe Photoshopを使用する時に、そのファイル形式を選ぶ必要があるか Photoshopはラスタのみのワークフローです。PDFを使用すると、ラスタファイル形式以上の利点を提供することはありません。PDFファイルの場合、ユーザはカスタムチャンネルの修正変更および名前の変更をすることができます。「Spot 1」以外の名前は、ONYXが特色をプリンタの特殊インクチャンネルにマップするために追加の手順が必要となります。TIFFファイルを使用すると、アルファチャンネルは編集が必要でなく、名前はONYXでは使用されません。TIFFファイルは複数のアルファチャンネルを含むことができ、ONYXは順番にマップを読み込むことができます。

II. Adobe Illustratorでデザインする

Adobe Illustratorでの特殊インクの作成は、特色を使って行います。

A. 特色

特色の作成は、[スウォッチ]ウィンドウ(ウィンドウ>スウォッチ)で行います。スウォッチを作成するには新規ボタンをクリックします( )。ウィンドウの最初のフィールドは、[名前]となります。ファイルをPDFまたはEPSとして保存する場合は、特色の名前は重要となります。。PhotoShopで特色として設定したスポット(特色)チャンネルと同様に、ONYXは名前に基づいて特色をスポットインクチャンネルに自動的に割り当てます。色には「Spot 1」、「Spot 2」などと名前をつける必要があります。特色に別の名前を使うと、ONYX RIPソフトウェアで追加の手順を踏むことになります。これはセクションIIIで述べます。

ファイルにある特色を表現するために、[カラーの表示]を選択します。混乱を避けるために、特色のオブジェクトの識別が簡単な色を選びます。これはJob Editorで表示する際に、ONYXがそれぞれの特殊インクのカラー表現を使用することに注意してください。Illustratorで色を別の色に設定します。これを行うと、ONYXで特殊インクオブジェクトを識別しやすくなります。ONYXが特色をスポットチャンネルに適切に割り当てる際に、色はONYXで定義した色の1つに変わります。色がIllustratorでのファイルの色と同じ場合は、特色データは適切に検知されていないことになります。これでデザインファイルのオブジェクトは、新しい特色に割り当てることができます。適切なプリントを行うために、デザインファイルは特定のデザインガイドラインを忠実に守る必要があります。

図 4: TIFとして保存

図 5: 新規スウォッチ

図 2: PDFとして保存

図 3: チャンネルオプション

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B. ガイドラインのデザイン

最初のガイドラインは、非特色のオブジェクトが重なっている特色のオブジェクトを含むことです。Illustratorのデフォルトでは、オブジェクトが重なっている場合、上部のオブジェクトはその下にあるどんなオブジェクトの部分も不明瞭になります。その結果、下のオブジェクトの重なり部分は、出力ファイルから削除されます。

目的が特色オブジェクトと下のオブジェクトの両方を保つことである場合は、オーバープリントを行う必要があります。Illustratorはオブジェクト基準でオーバープリントを適用します。これはウィンドウ > 属性 の下にあります。[塗りオーバープリント]および[線オーバープリント]オプションは、選択した

オブジェクトの特性に応じて選択することができます。これは[オーバープリントのプレビュー]をオンにして作業することをお勧めします。 特色オブジェクトのオーバーラップをデザインする時は、プロセスカラーオブジェクトの上に配置する必要があるということに注意してください。これは特殊インクがどのようにプリントされるかということに関係なく行われます。というのは、プリントレイヤの順番がONYX RIPまたはプリンタで決定されるからです。ONYXが必要とするすべてのことは、特殊インクデータとプロセスインクデータを識別できるようにするということです。

簡単に結果を得るには、(←削除する) 特色(特殊インク)オブジェクトのレイヤとプロセスカラーの他のレイヤを別々に作成します。デザイナーは特色オブジェクトを上下に移動でき、またイメージがどのように見えるかの基本的なアイデアを得ることができます。最後に、ファイルの出力準備ができたら、特色レイヤはオーバープリントを有効にして(必要な場合は)上に移動します。

Illustratorでアートワークの出力準備ができたら、コンポジットまたは分版ファイルとして保存することができます。

C. Illustratorでコンポジットファイルを保存

コンポジットファイルは最も一般的に使用されるタイプです。このファイルは、シングルページのイメージのために全てのカラーデータを含みます。ファイルはPDF、またはEPSのいずれかでベクターファイルとして保存されます。PDFは透明効果をサポートするという事実から、よりフレキシブルです。EPSはサポートしません。EPSファイルで、特殊インクオブジェクト(またはどんなタイプの特色データ)が透明効果のバウンディングボックスに交差している場合は、特色オブジェクトはボックス内でラスタライズされます。その結果、特殊インクはこれらの領域でプリントされません。PDF(バージョン1.4以上)としてファイルを出力すると、透明効果を保持し、また特色オブジェクトも保存されます。透明効果と特殊インクワークフローを使用する場合は、いくつかの制限があります。一部の例では、特殊インクチャンネルのために定義したオブジェクトがレンダリングされないということがあります。可能であれば、仕上げイメージで透明効果とオーバープリントの使用を避けます。これを避けることができない場合は、分版ファイルがこれを回避する方法として役立ちます。 D. 100%未満の特殊インク

特色(100%未満)の異なる色合いが必要な場合があります。これは特色のパーセンテージを下げることによって行うことができます。特殊インクオブジェクトを作成し、[カラー]ウィンドウで100%から必要なパーセンテージに変更します。

この技術はまたグラデーションの作成にも使用されます。100%で特殊インクカラーからグラデーションを作成すると、同じカラーは異なるパーセント値で反対側に配置されます。この状況では、不透明度は両端に対して100%のままとなります。

E. 透明度と特殊インク

特殊インクイメージの透明度は、機能します。これは透明度の使用を避けるための最高の練習です。ですが、これを防ぐことができない場合は、機能するようにイメージを得る方法があります。最大の問題は、オーバープリントの要素で既存の透明度のままであるということです。ONYX RIPソフトウェアでレンダリングする際に、オーバープリントがオあるブジェクトはレンダリングされません。透明度が必要な場合、分版PDFの使用は矛盾を解決します。分版ファイルの作成については、次のセクションで述べます。

図 6: オアーバーラップのオンとオフ

図 7: [属性]ウィンドウ

図 8: レイヤの順番

図 9: 特色の色合い

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F. AIファイルで分版を保存

コンポジットファイルとは対照的に、分版ファイルは複数のページ(プレート)で作成されます。各ページはプロセスカラーと特色用のページとなります。CMYKでデザインされたジョブは、4つのページがあります。特色のあるジョブは、特色につき追加のページを持つことになります。

PDF Readerは、複数ページのPDFとして分版PDFを表示します。各ページは1チャンネルで白黒で表示されます。白はチャンネルがないデータ、黒は100%のチャンネルデータを示します。間にあるどんなもものもチャンネルのパーセンテージです。デフォルトでは、ONYXもまた同じ方法で分版PDFを表示します。ONYXは分版したPDFを戻して一緒に再結合することができます。これについてはセクションIIIで述べます。

分版ファイルとしてイメージを出力するには、ファイル > プリントと進みます。[プリント]ウィンドウで、プリンタをAdobe PDFに変更します。いったんプリンタを選択したら、ウィンドウのオプションが変更されます。デフォルトでは、ダイアログはイメージのサイズに既知のページサイズを適用します。その結果、イメージの一部はカットされたようになります。アートボードのサイズを順守するようにPDFプリンタに指示するには、[サイズ]の下のドロップダウンメニューをクリックします。カスタムの値に変更します。左側のプレビューが更新され、イメージを正確に表示します。向きが正しくない場合は、[幅]と[高さ]の右にある方向ボタンをクリックします。

いったんサイズを正しく設定したら、次のステップは分版出力を選択することです。これは[プリント]ウィンドウの左上にある[出力]オプションの下にあります。[出力]で[モード]のドロップダウンメニューをクリックし、[分版(ホストベース)]を選びます。[ドキュメントインクオプション]が使用可能となります。ドキュメントは(ドキュメントのカラースペースに基づいた)プロセスカラーチャンネルと特色に分割されます。リストされている各色は異なります。これらのアイコンは、特色( )とプロセスカラー( )の間で指定するためにIllustratorで使用されます。 図 9は典型的な設定を表示し、出力は5ページのPDFとなります。分版ファイルや特色で作業する場合は、[すべてのスポットカラーをプロセスに変換]オプションを有効にしないでください。このオプションは、特色をCMYKプロセスに準じて分割し、特色データを破壊します。

[モード]のドロップダウンメニューには、[RIPで分版]と呼ぶ追加の分版オプションがあります。[分版(ホストベース)]と[RIPで分版]の2つのタイプには、重要な違いがあります。[分版(ホストベース)]では、ホストコンピュータが分版を行います。これはファイルをIllustratorで保存する時に、複数ページに分版されることを意味します。[RIPで分版]では、ファイルはコンポジットファイルとして保存され、分版はRIP側で作成されることを想定しています。[RIPで分版]の使用は、コンポジットファイルとなり、レンダリングの問題が起きることになります。

これは分版PSファイルとして保存することができます。そのステップはほとんど同じです。唯一異なるのは、選択したプリンタが「Adobe PostScript」プリンタとなることです。出力は複数ページ、白黒と同じものになります。PDFのように黒はチャンネルを示し、白はチャンネルデータがありません。

すべてのファイル形式同様に、分版ファイルを使用する利点と欠点があります。主な利点は、コンポジットファイルで起きる特殊インクオブジェクトや透明効果でのレンダリング問題を避けることができるということです。またいったんファイルが分版されたら、RIPの唯一のタスクは“元に戻す”ということです。結果として、リップエラーや他の問題が最小化されます。また分版ファイルは、RIP-QueueがあるONYXソフトウェアパッケージでサポートされています。

分版ファイルでのいくつかの欠点には、すべてのグラデーションと透明効果オブジェクトがラスタライズされる(解像度はIllustratorで最大400dpiまで調整可能)ことが含まれています。これはプリントしたイメージの意図した出力サイズに応じて重要な要因となる場合があります。いくつかの追加ジョブのセットアップがONYXで必要となる場合があります。ONYXでは12の最大分版制限があります。この数値は、プロセスカラーと拡張したガモットカラー、そして特色の合計です。合計が12よりも多い場合は、コンポジットファイルを使用する必要があります。分版したファイルは、Layout ToolやGamaPrintで同等のサポートはされていません。

さらに、カラーマネジメントは分版ファイルに適用されません。

図 11: 分版ファイルとしてプリント

図 10: CMYKに分版

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III. ONYXで1つに結合するには

特殊インクをレンダリングするONYX RIPソフトウェアのセットアップには、色々なパスがあります。これらのパスは、何のファイルを使用し、デザインアプリケーションで特殊インクの表現がどのように定義されているかに依存します。これらの全てのパスに関わらず、クイックセットを使って自動化することができます。このセクションでは特殊インクの生成に使用されるパスについて取り上げます。A. アルファチャンネルを備えたTIFの読み込み

アルファチャンネルを備えたTIFファイルのみ、(白のような)特色インクチャンネルがあるプリンタとメディアを使って読み込む必要があります。ONYXは自動的にイメージにあるアルファチャンネルを検知し、プリンタで利用できる特色インクチャンネルに(順番に)アルファチャンネルを割り当てます。

複数のスポットチャンネルがあるメディアプロファイルでは、アルファチャンネルは順番に割り当てられるということを覚えておいてください。例えば、メディアがCMYK、白、シルバーでのインク設定を持っている場合、ONYXは白のスポットチャンネルに最初のアルファチャンネルを割り当てます。2番目のアルファチャンネルは、シルバーのスポットチャンネルをマップします。

アルファチャンネルがスポットインクチャンネルに割り当てられない場合は、メデァイプロファイルがスポットインクチャンネルを含んでいることを確認します。またTIFファイルを作成する際に、TIFファイルが有効となったアルファチャンネルを持っていることも確認します。

B. PDFまたはEPSコンポジットファイルの読み込み

PDFまたはEPSファイルは、特色インクをプリントする領域を定義するために特色に依存します。ONYXは特色を正しいスポットインクチャンネルに自動的に割り当てるめに、名前は「Spot 1」、「Spot 2」などである必要があります。「Spot 1」はメディアプロファイルでリストされる最初の特色インクチャンネルに割り当てられ、「Spot 2」は2番目の特色インクチャンネルに割り当てられます。使用する特色がプリンタで間違ったスポットチャンネルにマップされている場合は、特色をONYXで正しく自動的に割り当てるために、Illustratorで名前を変更する必要があります。 ONYXは「Spot 1」、「Spot 2」以外の特色名を持つジョブを正確に処理することができますが、正しくマップするには追加の手順を行うことが必要となります。

[スポットチャンネルの置換]ツールは、特色名を特定の特色インクチャンネルにマップすることができます。このオプションは、クイックセットまたはJob Editorで設定することができます。このオプションを入手するには、カラーマネジメントセクションにある[プロファイルの変更]ボタンをクリックします。新しいウィンドウが開いたら、[出力]タブをクリックします。[スポットチャンネルの置換]がこのタブでリストされます。

[スポットチャンネルの置換]には、2つのセクションがあります。上半分にある[カラー置換の分版]は、スポットチャンネルワークフローには使用されません。下方のセクションにある[PDF/PostScriptの特色をスポットインクチャンネル置換]は、名前をつけた特色を受け取り特色インクチャンネルにこれを割り当てます。イメージで定義したように、左側にある<None>を特色の名前に置換します。「Spot 1」の隣の色は、そのあと最初のスポットインクチャンネルにマップされます。 スポットチャンネルインクの定義に使用する特色が毎回同じである場合は、処理を自動化するためにクイックセットを使用することができます。

[スポットチャンネルの置換]オプションは、ProductionHouseまたはThriveのみで利用できます。他のONYX製品を使用して2つのオプションが利用できます。まず最初は各特色を「Spot 1」、「Spot 2」などと名前をつけます。2番目は、分版PDFファイルとして出力することです。特色名は重要ではありません。 コンポジットPDFまたはEPSファイルの使用は、オーバープリントに使用される場合があります。デフォルトでは、PDFファイルのためにONYXがオーバープリントを自動検知します。出力ファイルがEPSファイルの場合は、Jaws RIPオプションで[Overprint]を有効にする必要があります。これは[セットアップ]メニュー > RIP環境設定のサブメニューで[Configure Jaws RIP]を選択します。RIPオプションで[Overprint]にチェックを入れて有効にします。このステップはRipCenter、PosterShop、GamaPrint、ProductionHouseでJaws RIPエンジンを使用する場合のみに必要となります。ThriveはAdobe RIPエンジンを使用してEPSファイルとPDFファイルのためにオーバープリントを自動的に探します。

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図 12: スポットチャンネル置換

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C. 分版ファイルの読み込み

分版ファイルをONYXで開いた時に、これはデフォルトで複数ページのコンポジットファイルとして処理されます。例えば、Job Editorでは最初のページは白黒ページとして表示されます。これはAdobe Acrobat ProまたはAdobe Readerがファイルを表示するのと同じ方法です。ジョブがプリントされている場合、ブラックだけ使用している複数ページのイメージがあります。問題は、「プリントするスポット(特色)インクチャンネルを含む他のチャンネルをどのように得るか」ということです。ONYXにはカラーコンポジットを作成するために、再度ページを結合する機能があります。ページを再結合する方法は、クイックセットとJob Editorの両方で行うことができます。 クイックセットワークフローで、クイックセットの作成、または編集を行い、[詳細]ボタンをクリックします。次に[PS/PDF分版]タブを選び、[分版ファイル]オプションを有効にします。デフォルトでは[カラー分版]は「CMYK」に、[特色分版]は「0」に設定されています。大抵の条件の下では、[特色分版]のみファイルで特色分版の数と一致するように設定する必要があります。いったんこれが完了したら、[OK]をクリックします。

先に述べたように、このオプションはJob Editorで行うことができます。これは[ファイル]メニューから[ジョブプロパティ]を選んで行います。このダイアログには同じタブ[PS/PDF分版]があります。ここでも先と同じ手順を行います。いったん分版設定を適切に入力したら、Job Editorの[プレビューとサイズ]タブの下方にある[適用]ボタンをクリックします。ジョブが新しい設定で再レンダリングされ、カラーイメージが表示されます。 いくつかの状況においては、[色順]オプションを変更する必要がある場合があります。分版ファイルを生成している時に、Illustratorはまずプロセスチャンネルを置き、そして特色がその後に続きます。特色はアルファベット順にリストされます。特色名が「Spot 1」、「Spot 2」でない場合は、ONYXのスポットインクチャンネルの順番と一致しない場合があります。 例えば、ONYXのメディアプロファイルにはCMYKWMのインク設定があります。「W」は白インクチャンネル、「M」はメタリックイクチャンネルです。これはONYXが使用する順番は、「Spot 1」が白インクで「Spot 2」がメタリックインクであることを意味します。Illustratorの特色名は「白」と「メタル」です。分版ファイルを作成する際に、Illustratorはまずプロセスチャンネルを置き、その次に「メタル」、最後に「白」を置きます。その結果は、デフォルトでは「白」は「Spot 2」で、「メタル」は「Spot 2」となります。分版の順番は、インク設定で定義されたスポットインクチャンネルの順番と一致する必要があります。デフォルトのオプションが使用されている場合は、メタルインクが置かれる場所に白ンクがプリントされ、白インクが置かれる場所にメタルインクがプリントされます。この例においては、[色順]を変更する必要があります。[PS/PDF分版]では、[色順]を[カスタム] に変更します。次に「Spot 2」を選び「Spot 1」の上の位置に移動します。これは2番目の特色分版を最初の特色分版(メタリック)に、最初の特色分版を2番目の特色分版(白)に組み合せることをONYXに伝えます。これでスポットインクチャンネルが正しくプリントされます。

D. いくつかの追加ポイント

イメージが特殊インク(無彩色)の特色に加えてPANTONEまたは他の“有彩色”の特色を持つ場合、コンポジットファイルを使用することを推奨します。これは有彩色の特色と特殊インクの特色の混合で分版ファイルを正しく出力することができます。ですが、これを行う手順はイメージに応じて複雑になることがあり、時間が無駄に終わることになるかもしれません。

Job Editorはプリント前に特殊インクデータのプレビューや確認に使用することができます。Job Editorでファイルを開き、使用するプリンタ、メディア、モードが選択されていることを確認します。プレビューでは、特色はMedia Managerで設定した色で表示されます。次に[サンプルポイント]を有効にします。これは[カラーコレクション]タブの下にあります。[ツール]をクリックし、[サンプルポイント]を選びます。ウィンドウが現れ、CMYKとスポットインクチャンネルを表示します。マウスをイメージの部分で動かすとパーセンテージが変わり、表示したCMYK値と特色インク値をプリンタに送ります。

クイックセットに2つあるオプションを有効にした場合、プリントで特殊インクデータを防止することができます。この2つのオプションは、[二段階プロセス]と[アンチエイリアス]となります。これらのオプションはクイックセットの[詳細]セクションの[Jawsオプション]と[PS/PDFオプション]タブにあります。またこの2つのオプションはJob Editorでもアクセスでき、ファイル > ジョブプロパティと進むと同じタブが表示されます。

図 13: PS/PDF分版

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IV. トラブルシューティング

特殊インクデータが正しく表示されない、またはプリントされないといういくつかの問題があります。このセクションでは問題例を挙げ、その解決方法について述べます。

問 題 解決方法

EPSファイルがインクデータを表示するのですが、カラーデータを表示しません。

ProductionHouseで、[オーバープリント]はJaws RIPオプションで有効にする必要があります。いったんインクデータが有効になると、カラーデータは正しく表示されます。

特殊インクデータはJob Editorで表示されますが、プリントされません。

[二段階プロセス]または[アンチエイリアス]が有効になっている場合に、この現象が発生します。この2つのオプションがジョブとともにクイックセットで有効になっていないことを確認します。これらをオフにするには、Job Editor > ファイル > ジョブプロパティに進んで行います。

特殊インクデータがJob Editorで表示されません 透明度と不透明度での不一致があります。透明度がPDFにある場合、オーバープリントのすべての要素はレンダリングされません。透明度が必要な場合は、分版PDFファイルの使用を検討します。

RIPエラー: 無効な分版ファイルです RIP-Queueの分版設定がファイルと一致しない、またはファイルが分版ファイルではありません。分版順と分版プレート数を確認し、これらがクイックセットで値が一致していることを確認します。もしくは、ファイルが複合ファイルの場合は、分版オプションを「オフ」にします。