特集:日本の精神保健と福祉の課題と展望 日本医療 …2 J. Natl. Inst. Public...

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2 J. Natl. Inst. Public Health, 53(1) : 2004 特集:日本の精神保健と福祉の課題と展望 日本医療最後の暗部に光を求めて 長谷川敏彦 国立保健医療科学院 政策科学部 Shedding the Light on the Last Area of Health Care in Japan: Mental Health Care Toshihiko HASEGAWA Department of Policy Sciences, National Institute of Public Health 1 回の保健医療科学セミナーの企画は,私の方で考えさ せていただきましたが,精神の問題というのは保健,医療, 福祉, 3 つの側面が入り組んだ大きな課題で,最初のセミナー にふさわしいテーマだと考えております. 本日は,2 年半前,国立医療・病院管理研究所時代から取 り組んでまいりました精神医療並びに保健に関する研究結 果を発表させていただきます.全部で 8 項目と多岐にわたる 内容です.「国際比較」からはじめ,「現状分析」「歴史分析」 「供給と資源の適合分析」「県別評価」「将来予測」「退院曲線」, 最後にこれらを踏まえて「政策提言」をいたします. 1.国際比較 不思議なことに,世界中の精神病床数は減っていますが, 日本だけが唯一増えてきました(図 1).大変ショッキングな ことは,フィンランドやいくつかの国々は,かつては現在の 日本よりも病床数が多かったのに,ところが,20 年かかっ て日本よりも下がっているということです.よく見ますと, 幾つかのグループに分かれます.非常に高い国のフィンラン ド,ルクセンブルク,こういう国々が今や大体人口 1000 1 にまで減ってきている.あるいは,もともと低かったグ ループがありますし,もちろんかつて多くて,アメリカ,オー ストラリアのように,次第に下がってきて現在は低い国もあ ります.結果としてはどこの国も今は低いということで,日 本だけがはずれ値です.いえ,病床数だけじゃありません, 平均在院日数も大変長く,退院票,患者調査からとったもの ですが,殆ど平均 1 年間入院しているということになってお ります.スペインとかイタリアとかが少し長いのですけれど も,それも近年はもう大体 450 日にまで下がってきていま 0 1 2 3 4 5 1960 1962 1964 1966 1968 1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 0 1 2 3 4 5 1960 1962 1964 1966 1968 1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 OECD Health Data2000 OECD Health Data2000 0 1 2 3 4 5 1960 1962 1964 1966 1968 1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 0 1 2 3 4 5 1960 1962 1964 1966 1968 1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 日本 日本を除く平均 平均-標準偏差 平均+標準偏差 OECD Health Data2000 OECD Health Data2000 フィンランド アイルランド スウェーデン 米国 オーストラリア ルクセンブルグ 日本 1 精神病床数年次推移 (人口 1000 対,OECD30 ヶ国 1960-2000351-0197 埼玉県和光市南 2-3-6 2-3-6 Minami Wako, Saitama-ken, 351-0197, Japan

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J. Natl. Inst. Public Health, 53(1) : 2004

特集:日本の精神保健と福祉の課題と展望

日本医療最後の暗部に光を求めて

長谷川敏彦 国立保健医療科学院 政策科学部

Shedding the Light on the Last Area of Health Care in Japan: Mental Health Care

Toshihiko HASEGAWA Department of Policy Sciences, National Institute of Public Health

第 1 回の保健医療科学セミナーの企画は,私の方で考えさ

せていただきましたが,精神の問題というのは保健,医療,

福祉,3 つの側面が入り組んだ大きな課題で,最初のセミナー

にふさわしいテーマだと考えております. 本日は,2 年半前,国立医療・病院管理研究所時代から取

り組んでまいりました精神医療並びに保健に関する研究結

果を発表させていただきます.全部で 8 項目と多岐にわたる

内容です.「国際比較」からはじめ,「現状分析」「歴史分析」

「供給と資源の適合分析」「県別評価」「将来予測」「退院曲線」,

最後にこれらを踏まえて「政策提言」をいたします.

1.国際比較

不思議なことに,世界中の精神病床数は減っていますが,

日本だけが唯一増えてきました(図 1).大変ショッキングな

ことは,フィンランドやいくつかの国々は,かつては現在の

日本よりも病床数が多かったのに,ところが,20 年かかっ

て日本よりも下がっているということです.よく見ますと,

幾つかのグループに分かれます.非常に高い国のフィンラン

ド,ルクセンブルク,こういう国々が今や大体人口 1000 人

に 1 にまで減ってきている.あるいは,もともと低かったグ

ループがありますし,もちろんかつて多くて,アメリカ,オー

ストラリアのように,次第に下がってきて現在は低い国もあ

ります.結果としてはどこの国も今は低いということで,日

本だけがはずれ値です.いえ,病床数だけじゃありません,

平均在院日数も大変長く,退院票,患者調査からとったもの

ですが,殆ど平均 1 年間入院しているということになってお

ります.スペインとかイタリアとかが少し長いのですけれど

も,それも近年はもう大体 4~50 日にまで下がってきていま

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図 1 精神病床数年次推移 (人口 1000 対,OECD30 ヶ国 1960-2000)

〒351-0197 埼玉県和光市南 2-3-6 2-3-6 Minami Wako, Saitama-ken, 351-0197, Japan

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図 2 平均在院日数 年次推移 (OECD25 ヶ国 1960-2000)

図 3 疾病別入院患者数 すし,世界標準では 2~30 日ということです.したがって,

国際比較からいえることは,日本は驚くべきはずれ値だとい

うことです(図 2).

2.現状分析

次に,かつて精神分裂症と呼ばれた統合失調症というのは

どういう病気かを中心に,精神疾患全体の現状を見てまいり

ましょう(図 3). まず統合失調症の精神疾患の中での位置づけについてで

す.現在精神疾患で入院しておられる方は約 30 数万人おら

れます.そのうちの 20 数万人が統合失調症,そして,もし

精神病床だけに限りますと,統合失調症以外の疾病は減りま

すし,1 年以上入院だけを見ますと,ほとんどが統合失調症

です.統合失調症だけを,外来と入院で見てみますと,大体

入院で 20 数万人,そして外来で約 6~70 万人,合わせて 8 ~90 万人の方がおられる. ちなみに, 外来総患者数は外来 6 人数×―×外来の通院回数の方法で計算したものでありま 7 す.その大半が診療所でなく病院に通っておられる.1 番驚

くべきことは,これは入院ですけれども,5 年以上入院され

ている方が 12 万人おられる.10 年以上でも 8 万人.現在,

終身刑を受けますと,それでも終身刑の途中で出てこられる

ため,平均 10 年間ぐらい,15 年間ぐらいで出所となるのだ

そうです.つまり,日本には終身刑を受けた方のような長期

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合計 精神病床 精神病床1年以上入院

1999患者調査

その他の精神作用物質使用による精神及び行動の障害

神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害

精神遅滞その他の精神及び行動の障害その他の精神及び行動の障害

アルコール使用アルコール使用 <<飲酒飲酒>>による精神及び行動の障害による精神及び行動の障害

気分気分[[感情感情]]障害障害((躁うつ病を含む躁うつ病を含む ))

血管性及び詳細不明の痴呆

精神分裂病、分裂病型障害

及び妄想性障害

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その他の精神作用物質使用による精神及び行動の障害

神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害

精神遅滞その他の精神及び行動の障害その他の精神及び行動の障害

アルコール使用アルコール使用 <<飲酒飲酒>>による精神及び行動の障害による精神及び行動の障害

気分気分[[感情感情]]障害障害((躁うつ病を含む躁うつ病を含む ))

血管性及び詳細不明の痴呆

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合計 精神病床 精神病床1年以上入院

1999患者調査

その他の精神作用物質使用による精神及び行動の障害

神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害

精神遅滞その他の精神及び行動の障害その他の精神及び行動の障害

アルコール使用アルコール使用 <<飲酒飲酒>>による精神及び行動の障害による精神及び行動の障害

気分気分[[感情感情]]障害障害((躁うつ病を含む躁うつ病を含む ))

血管性及び詳細不明の痴呆

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合計 精神病床 精神病床1年以上入院

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その他の精神作用物質使用による精神及び行動の障害

神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害

精神遅滞その他の精神及び行動の障害その他の精神及び行動の障害

アルコール使用アルコール使用 <<飲酒飲酒>>による精神及び行動の障害による精神及び行動の障害

気分気分[[感情感情]]障害障害((躁うつ病を含む躁うつ病を含む ))

血管性及び詳細不明の痴呆

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4 日本医療最後の暗部に光を求めて

J. Natl. Inst. Public Health, 53(1) : 2004

入院

33ヶ月未満ヶ月未満 2.12.1万万11年未満年未満 2.52.5万万

1年以上5年未満5.2万

5年以上10年未満 3.4万

1010年以上年以上 3.93.9万万

2020年以上年以上 4.44.4万万

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診療外来診療外来12.912.9万万

病院外来51.1万

1999患者調査

入院

33ヶ月未満ヶ月未満 2.12.1万万11年未満年未満 2.52.5万万

1年以上5年未満5.2万

5年以上10年未満 3.4万

1010年以上年以上 3.93.9万万

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診療外来診療外来12.912.9万万

病院外来51.1万

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診療外来診療外来12.912.9万万

病院外来51.1万

1999患者調査

図 4 統合失調症患者数

図 5 統合失調症人口割合 1999 1 歳階級別

の在院が 8 万人,5 年以上入院されている方が 12 万人おら

れるということであります(図 4). 年齢階級別に見ますと,入院が多いのは,中年期以降であり

まして,若年期では相対的に外来が多い.両方合わせまして,

こういうカーブを描いておりますが,このピークは,通常い

われております人口の 1%が大体精神障害者だといわれてお

るのに,一致しております(図 5).これは,先ほど申し上げ

ました外来の数は 7 分の 6 掛ける外来通院期間数で算出した

ものであります.これを実は微分をしますと,発生頻度が出

てまいります.先ほど 1 歳階級別にとりました患者数を 10年間で移動平均いたしますと,発生率がわかってまいりまし

て,こういうようなカーブがわかります.つまり,2 つピー

クを持っている.15 歳から大体 40 歳ぐらいまでの間のピー

クで,ピーク自身は 27 歳ぐらいになる(図 6).2 つ目のピー

クは 50 歳から 55 歳までのピークで 50 歳ごろにピークがあ

る.この 2 つがどうも発生しているようであります.患者調

査はばかにならなくて有用です.結構,普通の臨床的な印象

と合うんじゃないでしょうか.

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入院入院

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総数総数

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入院入院

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総数総数

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入院入院

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長谷川敏彦 5

J. Natl. Inst. Public Health, 53(1) : 2004

統合失調症 各歳発生率

患者調査患者調査19991999

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第1ピーク27歳頃

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統合失調症 各歳発生率

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年齢

第1ピーク27歳頃

第2ピーク50歳頃

図 6 統合失調症 各歳発生率

図 7 病床種類歴史変遷 人口 10 万対,病床種別

3.歴史分析

かつての統合失調症がどのような歴史的経緯を経たかと

いうことをちょっと見てまいりたいと思います.戦後の病床

数はこのように変遷してまいりました.当初,結核病床がた

くさんあり,一般病床と半々ぐらいで,そして次第に結核病

床は精神病床に変わり,そして精神病床もやっと近年減少の

傾向にある(図 7).

それでは,精神病床の微分をとってみましょう.この数が 1年間にふえた精神病床のパターンであります.戦前期には精

神病床は非常に少なくて,大正から昭和の初期にかけて少し,

いわゆる精神医学の黎明期があって,戦争ですべてが破壊さ

れた後,やっと 55 年ごろにクロルプロマジンが発見されま

して,積極的に病院で治療をして安定させて家に帰そうとい

うことで病床が増えたと聞いております.そのタイミングに

一致しております.実は,ライシャワー事件が同時に起きて

大きな増床ピークを迎えますが,病床数はライシャワー事件

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感染関連

精神病床精神病床

結核病床結核病床 一般病床一般病床

診療所病床診療所病床

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国民皆保険

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精神病床精神病床

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感染関連

精神病床精神病床

結核病床結核病床 一般病床一般病床

診療所病床診療所病床

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国民皆保険

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感染関連

精神病床精神病床

結核病床結核病床 一般病床一般病床

診療所病床診療所病床

医療施設調査医療施設調査

国民皆保険

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感染関連

精神病床精神病床

結核病床結核病床 一般病床一般病床

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感染関連

精神病床精神病床

結核病床結核病床 一般病床一般病床

診療所病床診療所病床

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感染関連

精神病床精神病床

結核病床結核病床 一般病床一般病床

診療所病床診療所病床

医療施設調査医療施設調査

国民皆保険

医療計画

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6 日本医療最後の暗部に光を求めて

J. Natl. Inst. Public Health, 53(1) : 2004

図 8 精神病床数の歴史推移

図 9 統合失調症入院率(対総人口)と年間増床数との対比 の前にもう既に増えていたということに気をつけてくださ

い.その後,宇都宮事件が起こりましたから,病床の増床が

減りまして,近年は減に転じています(図 8). このパターンを積分しますと,全病床数になります.この

病床増加率を先ほどのパターンと逆向きに 99 年との相対年

齢にしました.病気の発生率が 27 歳でピークでしたね.そ

のピークのときにふえた増床の形に描きました.これが全患

者,そして 1 年以上入院している人,そして 5 年以上入院し

ている人,10 年以上入院している人,20 年以上入院してい

る人,いかがでしょうか.27 歳のときに増床した増床ピー

クの図,パターンと,現在入院されている入院患者のパター

ンが極めてうまく一致しております(図 9). 1975 年と 1999 年の患者数を使いまして 1 歳階級別に入院

患者数,それから外来患者数,先ほどの外来掛ける 7 分の 6掛けるは平均外来通院日数で算出しました総患者数を見ま

した.これが年齢階級別総患者数です.これが外来患者数,

これは入院患者数,足したものが総患者数です(図 10). 99 年は特徴があるのは入院患者がずっと右に寄っている

ということで,若年層では入院患者は少ないということであ

りまして,そして先ほど見ましたよね.外来患者が多い,両

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入院率(対総人口)

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病床増加率病床増加率

入院率(対総人口)

年齢 患者調査1999医療施設調査

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医療施設調査

昭和四〇年改正(

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精神保健法成立(87〕

精神保健福祉法改正(95)

精神病院法施行(

23)

精神衛生法施行(

49)

宇都宮病院事件(82)

精神病床総数年間増床数

ライシャワー事件(64)

戦争によるの破壊

薬物療法の幕開け

施設から地域へ、

クロルプロマジン発見(52)

精神科医療黎明期

病床数増加

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医療施設調査

昭和四〇年改正(

65)

精神保健法成立(87〕

精神保健福祉法改正(95)

精神病院法施行(

23)

精神病院法施行(

23)

精神衛生法施行(

49)

宇都宮病院事件(82)

精神病床総数年間増床数

ライシャワー事件(64)

戦争によるの破壊

薬物療法の幕開け

施設から地域へ、

クロルプロマジン発見(52)

精神科医療黎明期

病床数増加

精神病床総数 年間増床数

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長谷川敏彦 7

J. Natl. Inst. Public Health, 53(1) : 2004

(一歳階級,入院期間別,27 歳時での年間増床数)

図 10 統合失調症人口割合 1 歳階級別

図 11 全入院患者割合

対 1 歳階級別人口

方合わせてこういうピークをなしている.では,外来患者を

今の 3 年間,75 年,87 年,99 年の患者数を使いまして見ま

すと,年齢階級別で見ますと,こういうふうになって,だん

だん高年期に行くほどふえる形をとっております. 同様に入院はこうなっております.入院は 75 年,87 年,

99 年,この 24 年間.12 年間,12 年間,24 年間の間にこの

ようなピークが右に移動する形をとっております(図 11).

そこで,入院もコホートで 12 年生年をずらしました.12 年

間ずらしてもピークが変わりません.87 年と 99 年は同じ人

です.何と日本の入院患者は 24 年間の間に変わらなかった

(図 12).ずっと入院していたんです.ちょっと不思議です

よね.患者数と入院を見ますと,さっき 1 年間,5 年間,10年間入院の方がいましたね.これがすべて 1 年以上,5 年以

上,10 年以上,20 年以上と,恐らくご本人ないしは病院の

都合で少しずつ転々とされておられるけれども,一度入院し

たら,特にかつての増床期に入院された方はそのままずっと

入院してとらわれているということを意味しているんでは

ないでしょうか.

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入院

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入院外来総数

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入院外来総数

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入院

外来

総数

入院

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入院外来総数

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入院外来総数

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入院

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入院外来総数

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入院

外来

総数

患者調査患者調査

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1975

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入院

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入院外来総数

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0.008

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0.012

0 6 12 18 24 30 36 42 48 54 60 66 72 78 84

0

0.002

0.004

0.006

0.008

0.01

0.012

0 6 12 18 24 30 36 42 48 54 60 66 72 78 84

入院

外来

総数

入院

外来

総数

患者調査患者調査

年齢

0

0.0005

0.001

0.0015

0.002

0.0025

0.003

0.0035

0.004

0.0045

0 5

10 15

20

25

30

35

40

45 50

55

60

65 70 75

80

85

1975

1987

1999

患者調査患者調査 19751975、、19871987、、19991999年齢

0

0.0005

0.001

0.0015

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0 5

10 15

20

25

30

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45 50

55

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65 70 75

80

85

1975

1987

1999

患者調査患者調査 19751975、、19871987、、19991999年齢

0

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40

45 50

55

60

65 70 75

80

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1975

1987

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患者調査患者調査 19751975、、19871987、、19991999年齢

0

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0 5

10 15

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30

35

40

45 50

55

60

65 70 75

80

85

1975

1987

1999

患者調査患者調査 19751975、、19871987、、19991999年齢

0

0.0005

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45 50

55

60

65 70 75

80

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1975

1987

1999

患者調査患者調査 19751975、、19871987、、19991999年齢

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55

60

65 70 75

80

85

1975

1987

1999

患者調査患者調査 19751975、、19871987、、19991999年齢

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8 日本医療最後の暗部に光を求めて

J. Natl. Inst. Public Health, 53(1) : 2004

0

0.0005

0.001

0.0015

0.002

0.0025

0.003

0.0035

0.004

0.0045

1975

1987

1999

患者調査患者調査 19751975、、19871987、、19991999

1999

1994

1989

1984

1979

1974

1969

1964

1959

1954

1949

1944

1939

1934

1929

1924

1919

1914

1909

1904

生年

0

0.0005

0.001

0.0015

0.002

0.0025

0.003

0.0035

0.004

0.0045

1975

1987

1999

患者調査患者調査 19751975、、19871987、、19991999

1999

1994

1989

1984

1979

1974

1969

1964

1959

1954

1949

1944

1939

1934

1929

1924

1919

1914

1909

1904

生年

0

0.0005

0.001

0.0015

0.002

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0.003

0.0035

0.004

0.0045

1975

1987

1999

患者調査患者調査 19751975、、19871987、、19991999

1999

1994

1989

1984

1979

1974

1969

1964

1959

1954

1949

1944

1939

1934

1929

1924

1919

1914

1909

1904

1999

1994

1989

1984

1979

1974

1969

1964

1959

1954

1949

1944

1939

1934

1929

1924

1919

1914

1909

1904

生年

図 12 全入院患者割合 同一コホートに合わせるため 12 年づつずらしたもの

10093

単科標榜4106

病院7151

内科564

二科標榜3803

大学教官818

神経科263

三科標榜1636研修医848

その他308

その他548診療所1276

0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

主診療科 標榜科数 場所3師調査1996

10093

単科標榜4106

病院7151

内科564

二科標榜3803

大学教官818

神経科263

三科標榜1636研修医848

その他308

その他548診療所1276

0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

主診療科 標榜科数 場所3師調査1996

10093

単科標榜4106

病院7151

内科564

二科標榜3803

大学教官818

神経科263

三科標榜1636研修医848

その他308

その他548診療所1276

0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

主診療科 標榜科数 場所

10093

単科標榜4106

病院7151

内科564

二科標榜3803

大学教官818

神経科263

三科標榜1636研修医848

その他308

その他548診療所1276

0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

主診療科 標榜科数 場所3師調査1996

図 13 精神科医分類

医療界は一般に情報が供給側に偏在しており,供給が需要

を生み出す傾向があるといわれてきましたが,精神病床はそ

の好例といえましょう.

4.供給資源

それでは,現在の精神病に対する資源がどうなっているか

を分析しましょう.まず精神科医ですが,さすがに精神科医

は,精神科医を標榜している医者のうち,大半が自分は精神

科医だというふうに標榜している方が多いようであります.

約 1 万数千人おられる.ところが,単科で精神科,私は精神

科医だけだといっている方は少なくて,やはり 2,3 同時に

他の診療科を標榜しておられる方が多いようであります.一

番特徴的なのは,これらの先生方は基本的には病院におられ

て診療所の方は非常に少ない.1 割以下で 1200 名ぐらいし

かおられないということであります(図 13). また,同様に医療施設調査から調べました診療科ですけれ

ども,精神病院あるいは診療所は,精神病院のところは精神

病院ですので,1000 しかありませんし,診療所の方も約 1000弱ということで大変に数が少ない.

人口 10 万,私は平均的な人口をもとに標準市町村圏分析

というのを以前から開発して使っておりまして,日本の国の

平均で人口 10 万にどれぐらいの患者さんや医療資源がある

のかを分析してきました(図 14).これを使うと地域の平均

的需要が把握しやすく,かつ供給側は保健医療福祉を超えて

とらえられます.これを先ほどの患者数とその資源でみます

と,まず患者は 670 名ぐらいおられます.そのうち 170 人

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長谷川敏彦 9

J. Natl. Inst. Public Health, 53(1) : 2004

図 14 標準市町村圏分析(精神ケア)

人口 10 万人対 全国平均,回数は年間,1999 年

ストレス状態 発症長期化

重症化死亡

遺伝素因

ストレスコーピング資源

ストレスイベント

ストレッサー

軽症

診療所 外来 病院

短期入院長期入院

自殺

事故

発見の遅延

第一次予防(保健)

第二次予防(医療)

第三次予防(福祉)

図 15

が入院していて,約 600 名ぐらいが外来通院をしておられる

わけでありますけれども,先ほどおっしゃっておられました

ように,170 人のうち 35 人までが 20 年間入院されているん

ですよ.そして,570 人のうち,残念ながら 176 人,20%ぐ

らいしか診療所でかかっておられなくて,残り大半は病院に

かかっておられる.

さて,供給側ですけれども,精神病院が人口 10 万に 1 個

ぐらいの割合で存在しておりまして,診療所は大体 3 カ所ぐ

らいしかないんですね.ですから,176 人しかいないといえ

ばいないんですけれども,外来患者に対する診療所の数なり,

精神科医に至っては2名ぐらいしかおられないということで,

大変に数が少ない.保健所の活動もこういう形で決して十分

分裂病

674人 206床精神科医8人

170170人人

576576人人

入退院

247回

80床

精神科医2人(主たる1人)

9人定員

復帰施設

2990回199回

139回

229回 訪問指導

155回 デイケア

494回 相談

90人

24人

363人

訪問者数 0.4ヶ所

デイケア 0.5ヶ所

訪問看護 0.5ヶ所

福祉施設

保健所

診療所

他病院

精神病院

1

3

1

1

2020年以上年以上

入院入院3535人人

診療所診療所

外来外来176176人人

入院

外来

分裂病

674人 206床精神科医8人

170170人人

576576人人

170170人人

576576人人

入退院

247回

80床

精神科医2人(主たる1人)

9人定員

復帰施設

2990回199回

139回

229回 訪問指導

155回 デイケア

494回 相談

90人

24人

363人

訪問者数 0.4ヶ所

デイケア 0.5ヶ所

訪問看護 0.5ヶ所

福祉施設

保健所

診療所

他病院

精神病院

1

3

1

1

2020年以上年以上

入院入院3535人人

診療所診療所

外来外来176176人人

入院

外来

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10 日本医療最後の暗部に光を求めて

J. Natl. Inst. Public Health, 53(1) : 2004

とはいえない.福祉施設も定員は 9 名ということでありまし

て,ここに入院されている方が退院されて収容されるには大

変数が少ないということがわかります.

5.県別評価

ちょっと踏み込みまして,県別にも評価してみました.ス

トレスがあって発症して,そして長期になって,最後に,場

合によっては亡くなったりするというふうな自然史を想定

して,当然,保健,医療,福祉.第 1 次予防,第 2 次予防,

第 3 次予防で介入することによって,この自然史の進行をと

め死亡や障害を予防するということが各自治体に求められ

ています(図 15). そこで,ここにある 12 の項目を指標として選定し,定義

をいたしまして,国民生活基礎調査や 630 調査から数をとり

まして,算定いたしました(図 16).そして,この 12 項目

に重みをつけずに順位をつけますと,福井県が 1 番トップに

来まして,島根県が最低でございました.そして,その問題

点,これは実は 1 番外側が 1 位で 1 番内側が 47 位に並んで

おりますが,福井県はどうも医者の数とか統合失調症で 5 年

以上入院している方の数が多いという問題点はある.島根県

の場合は総体に悪いんですが,5 年入院している方は比較的

に少ない.社会復帰に努力されているんでしょうかね.事実,

復帰施設に関しては,割合と数が多い.こういうようなこと

がわかります.これを見られたらわかりますように,各県ご

とに随分ばらついているということがわかるんじゃないで

しょうか(図 17).

630調査(1999)デイケア利用者数/県民人口デイケア利用率

630調査(1999)社会復帰施設定員数/県民人口社会復帰施設数

地域保健・老人保健事業報告保健所への精神保健相談件数/県民人口精神保健相談件数

三師調査(1999)精神科を標榜する医師数/県民人口精神科医師数

医療施設調査(1999)精神科を標榜する診療所数/県民人口精神科診療所数

人口動態統計(1999)男性自殺死亡者数/男性県民人口男性自殺率(年齢調整)

患者調査(1999)統合失調症で5年以上入院患者数/県民人口統合失調症長期入院率

患者調査(1999)統合失調症で診療所外来に通う患者数/県民人口統合失調症診療所外来

患者調査(1999)統合失調症患者数/県民人口統合失調症有病率

国民生活基礎調査(1998)ストレス・悩みがある人口/県民人口ストレス保有率

資料定義指標

630調査(1999)デイケア利用者数/県民人口デイケア利用率

630調査(1999)社会復帰施設定員数/県民人口社会復帰施設数

地域保健・老人保健事業報告保健所への精神保健相談件数/県民人口精神保健相談件数

三師調査(1999)精神科を標榜する医師数/県民人口精神科医師数

医療施設調査(1999)精神科を標榜する診療所数/県民人口精神科診療所数

人口動態統計(1999)男性自殺死亡者数/男性県民人口男性自殺率(年齢調整)

患者調査(1999)統合失調症で5年以上入院患者数/県民人口統合失調症長期入院率

患者調査(1999)統合失調症で診療所外来に通う患者数/県民人口統合失調症診療所外来

患者調査(1999)統合失調症患者数/県民人口統合失調症有病率

国民生活基礎調査(1998)ストレス・悩みがある人口/県民人口ストレス保有率

資料定義指標

630調査(1999)デイケア利用者数/県民人口デイケア利用率

630調査(1999)社会復帰施設定員数/県民人口社会復帰施設数

地域保健・老人保健事業報告保健所への精神保健相談件数/県民人口精神保健相談件数

三師調査(1999)精神科を標榜する医師数/県民人口精神科医師数

医療施設調査(1999)精神科を標榜する診療所数/県民人口精神科診療所数

人口動態統計(1999)男性自殺死亡者数/男性県民人口男性自殺率(年齢調整)

患者調査(1999)統合失調症で5年以上入院患者数/県民人口統合失調症長期入院率

患者調査(1999)統合失調症で診療所外来に通う患者数/県民人口統合失調症診療所外来

患者調査(1999)統合失調症患者数/県民人口統合失調症有病率

国民生活基礎調査(1998)ストレス・悩みがある人口/県民人口ストレス保有率

資料定義指標

図 16 評価項目

47位島根県

ストレス

男自殺率

分裂有病率

分裂5年入院

分裂診療所外来

デイケア

復帰施設

相談件数

医師数

診療所

1位福井県

ストレス

男自殺率

分裂有病率

分裂5年入院

分裂診療所外来

デイケア

復帰施設

相談件数

医師数

診療所

47位島根県

ストレス

男自殺率

分裂有病率

分裂5年入院

分裂診療所外来

デイケア

復帰施設

相談件数

医師数

診療所

1位福井県

ストレス

男自殺率

分裂有病率

分裂5年入院

分裂診療所外来

デイケア

復帰施設

相談件数

医師数

診療所

47位島根県

ストレス

男自殺率

分裂有病率

分裂5年入院

分裂診療所外来

デイケア

復帰施設

相談件数

医師数

診療所

ストレス

男自殺率

分裂有病率

分裂5年入院

分裂診療所外来

デイケア

復帰施設

相談件数

医師数

診療所

1位福井県

ストレス

男自殺率

分裂有病率

分裂5年入院

分裂診療所外来

デイケア

復帰施設

相談件数

医師数

診療所

ストレス

男自殺率

分裂有病率

分裂5年入院

分裂診療所外来

デイケア

復帰施設

相談件数

医師数

診療所

図 17 県別ベンチマーク

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長谷川敏彦 11

J. Natl. Inst. Public Health, 53(1) : 2004

6.退院曲線

将来予測をするために,退院曲線を分析いたしました.以

前から私日本の患者の退院分析をやっておりまして,2 つの

同位性元素が崩壊していくカーブと似ているなと思ってお

りました(図 18).つまり,入院患者は急速に退院するグルー

プの人と疾病の構造に入院が長期になってしまう方,その典

型は脳卒中と筋骨格系の病気じゃないでしょうか.実は精神

病もそれの典型になると思っております.これは私の悲願で

ありまして,老人保健課の課長補佐した時代から,この絵を

かきたいと思って,皆さんのおかげでこれを準備するために

研究いたしまして,年齢階級ごとにかきました実測の退院

カーブです.分母を入院患者,分子を退院患者にとりまして,

何%ずつ退院していくかということをプロットしたのがこ

の図でありまして,これで大体 5 年間ぐらいにプロットして

おります.それとワイルドモデルで 2 コンポーネントモデル

でフィットさせようとしました.ワイルドモデルはもしこの

係数が 1 であればそのままポアソン分布になりまして,2 つ

患者調査 1993

1

10

100

0

03

06

09

12

15

18

21

24

27

30

33

36

39

42

45

48

51

入院

患者

割合

(lo

g)

脳卒中

筋骨格系

長期コンポーネント

急性期コンポーネント

放射線同位元素類似放射線同位元素類似

22コンポーネントモデルコンポーネントモデル

患者調査 1993

1

10

100

0

03

06

09

12

15

18

21

24

27

30

33

36

39

42

45

48

51

入院

患者

割合

(lo

g)

脳卒中

筋骨格系

長期コンポーネント

急性期コンポーネント

放射線同位元素類似放射線同位元素類似

22コンポーネントモデルコンポーネントモデル

図 18 退院患者動態分析

0.01

0.1

1

0 400 800 1200 1600

0.01

0.1

1

0 400 800 1200 1600

推計式:2コンポーネント、ワイブルモデル

実測値 推計値

(日) (日)

10-19歳

20-29歳

30-39歳

40-49歳50-59歳

60-69歳70-79歳

80歳以上

10-19歳

20-29歳

30-39歳

40-49歳

50-59歳

60-69歳

70-79歳

80歳以上

Y= A * exp ( - B * (在院日数 + 1) ^ C )+ ( 1- A ) * exp ( - D * (在院日数 + 1 ) )

図 19 統合失調症 退院曲線(実測,推計)

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12 日本医療最後の暗部に光を求めて

J. Natl. Inst. Public Health, 53(1) : 2004

のロジスティック,見事に 2 つの放射性同位元素が存在する

という形になるわけでありますけれども,かなりそれに近い

状態になっております.このモデルにフィットしてみました

結果,こうなりました(図 19). そう考えてまいりますと,宇都宮事件以降,ライシャワー

の前後,そしてクロルプロマジン以前の 3 つのグループに分

けて患者さんをみると,長期と短期に分かれて,そこから退

院していかれる,特に高齢者では死亡退院が多いパターンに

なっております(図 20).

7.将来予測

将来予測をやってみました.1 年以上入院されている方の

割合というのは年齢と共に上がってまいります.特に,ライ

シャワー事件があった以降は,非常に高い割合を示していま

す.40 から 45 歳ぐらい,約 15%から 20%ぐらいに上がっ

てくるわけですけれども,私は若い世代ではこのまま 15 プ

ロぐらいにとどまるだろうというふうに推計いたしました

(図 21).これが将来の推計であります.先ほど申し上げま

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

15

20

25

30 35

40

45

50

55

60

65 70

75

80

85

女女総総

患者調査患者調査 19991999

宇都宮事件以後 ライシャワークロルプロマジン以前

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

15

20 25 30 35

40

45

50

55 60 65 70

75

80

85

女女総総

患者調査患者調査 19991999

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

15

20 25 30 35

40

45

50

55 60 65 70

75

80

85

女女総総

患者調査患者調査 19991999

宇都宮事件以後 ライシャワークロルプロマジン以前

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

15

20

25

30 35

40

45

50

55

60

65 70

75

80

85

女女総総

患者調査患者調査 19991999

宇都宮事件以後 ライシャワークロルプロマジン以前

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

15

20 25 30 35

40

45

50

55 60 65 70

75

80

85

女女総総

患者調査患者調査 19991999

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

15

20 25 30 35

40

45

50

55 60 65 70

75

80

85

女女総総

患者調査患者調査 19991999

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

15

20 25 30 35

40

45

50

55 60 65 70

75

80

85

女女総総

患者調査患者調査 19991999

宇都宮事件以後 ライシャワークロルプロマジン以前

図 21 入院 1 年以上入院割合 統合失調症のみ

29.9万

31.6万

2.4万

宇都宮以後

ライシャワー

クロールプロマジン前75歳-

外来総患者数1999年9月

在院総患者数3ヵ月以内と以上入院

死亡退院患者数年間

0.9万3.8万

1.1万

14.7万

0.1万

1.0万

11.4万6.8万

9.7万8.5万

0.8万1万

530

2000

1050

8000

690

3000

患者調査1999

15-44歳

45-74歳

29.9万

31.6万

2.4万

宇都宮以後

ライシャワー

クロールプロマジン前75歳-

外来総患者数1999年9月

在院総患者数3ヵ月以内と以上入院

死亡退院患者数年間

0.9万3.8万

1.1万

14.7万

0.1万

1.0万

11.4万6.8万

9.7万8.5万

0.8万1万

530

2000

1050

8000

690

3000

患者調査1999

15-44歳

45-74歳

図 20 統合失調症患者の流れ

Page 12: 特集:日本の精神保健と福祉の課題と展望 日本医療 …2 J. Natl. Inst. Public Health, 53(1) : 2004 特集:日本の精神保健と福祉の課題と展望 日本医療最後の暗部に光を求めて

長谷川敏彦 13

J. Natl. Inst. Public Health, 53(1) : 2004

したように,長期の若人の方は 15%にとどまるだろうとい

うふうに推計いたしますと,こうなってまいります.短期の

方は比較的一定です.1 年以内の入院患者さんの平均在院日

数を見ますと,約 180 日で年齢階級にかかわらず一定であり

ます.そこで,これは 40 歳以上の部分なんですけれども,

日本の普通の生命表を使うとこういうふうに減ってきます.

6 万人から 9 万人の人数は減るということが考えられます

(図 22).

8.政策提言

以上の 7 つの分析から,最後に政策提言を行いたいと思い

ます. 出発点として,日本の精神医療は国際的な標準からは随分

外れていると.そして,どうも供給が需要をつくっている.

入院患者は今後減少していく.しかし,社会復帰施設が足り

ないとか,診療所の医者が足りないとか,やはり病院機能を

強化して分化して,さらに地域に帰っていただくためのケア

のシステムを構築してゆく必要があります.地域の周りの住

民,家族で理解も必要です.診療所を増やして地域でフォ

ローしやすくする,精神病院もほかの病院と同様に医療安全,

患者安全を強化していく必要があるのではないかと思われ

ます. 最後に,小林院長が常におっしゃっておられる科学院の使

命,科学的根拠で政策を支えていく,さらには保健と医療と

福祉を連携した政策をつくっていくということが今回の精

神問題にも重要と考えられます. 院内の先生方に共同研究の可能性を,そして行政の方には

建設的な政策をつくられることを呼びかけ,そしてご協力を

お願い申し上げまして私の基調講演を終えたいと思います.

具体案<課 題> <対 策>

供給創出需要

入院患者減少

復帰施設不足

診療所医不足

医療の安全と質

病院機能分化強化

救急対策強化

地域ケア・教育強化

診療所増

患者安全管理強化

医師一般医療再教育

具体案

<課 題> <対 策>

供給創出需要

入院患者減少

復帰施設不足

診療所医不足

医療の安全と質

病院機能分化強化

救急対策強化

地域ケア・教育強化

診療所増

患者安全管理強化

医師一般医療再教育

具体案<課 題> <対 策>

供給創出需要

入院患者減少

復帰施設不足

診療所医不足

医療の安全と質

病院機能分化強化

救急対策強化

地域ケア・教育強化

診療所増

患者安全管理強化

医師一般医療再教育

具体案

<課 題> <対 策>

供給創出需要

入院患者減少

復帰施設不足

診療所医不足

医療の安全と質

病院機能分化強化

救急対策強化

地域ケア・教育強化

診療所増

患者安全管理強化

医師一般医療再教育

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2005

2010

2015

2020

2025

2030

長期40歳以下

短期短期

全数全数

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2003

2006

2009

2012

2015

2018

2021

2024

2027

2030

死亡率を調整日本人生命票死亡率による

長期40歳以下

短期短期

長期長期4040歳以上歳以上

長期長期4040歳以上歳以上

全数全数

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2005

2010

2015

2020

2025

2030

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2005

2010

2015

2020

2025

2030

長期40歳以下

短期短期

全数全数

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2003

2006

2009

2012

2015

2018

2021

2024

2027

2030

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2003

2006

2009

2012

2015

2018

2021

2024

2027

2030

死亡率を調整日本人生命票死亡率による

長期40歳以下

短期短期

長期長期4040歳以上歳以上

長期長期4040歳以上歳以上

全数全数

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2005

2010

2015

2020

2025

2030

長期40歳以下

短期短期

全数全数

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2005

2010

2015

2020

2025

2030

長期40歳以下

短期短期

全数全数

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2003

2006

2009

2012

2015

2018

2021

2024

2027

2030

死亡率を調整日本人生命票死亡率による

長期40歳以下

短期短期

長期長期

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2003

2006

2009

2012

2015

2018

2021

2024

2027

2030

死亡率を調整日本人生命票死亡率による

長期40歳以下

短期短期

長期長期4040歳以上歳以上

長期長期4040歳以上歳以上

全数全数

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2005

2010

2015

2020

2025

2030

2005

2010

2015

2020

2025

2030

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2005

2010

2015

2020

2025

2030

長期40歳以下

短期短期

全数全数

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2005

2010

2015

2020

2025

2030

長期40歳以下

短期短期

全数全数

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2003

2006

2009

2012

2015

2018

2021

2024

2027

2030

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2003

2006

2009

2012

2015

2018

2021

2024

2027

2030

0

50000

100000

150000

200000

250000

2000

2003

2006

2009

2012

2015

2018

2021

2024

2027

2030

死亡率を調整日本人生命票死亡率による

長期40歳以下

短期短期

長期長期4040歳以上歳以上

長期長期4040歳以上歳以上

全数全数

図 22 将来推計 統合失調症患者数